以下、図面を参照して本発明に係る運転支援装置の実施形態について説明する。本発明に係る運転支援装置は、車両に搭載され、運転者に対して運転支援情報を出力する装置である。まず、図1を用いて、車両に搭載された運転支援装置の構成の一例について説明する。
図1は、本発明に係る運転支援装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る運転支援ECU(Electronic Control Unit)1(=運転支援装置
に相当する)は、周辺機器としての入力機器2及び出力機器3と通信可能に接続されている。なお、ここでは、運転支援装置が、走行している車線からの逸脱を防止するための運転支援情報を出力する場合について説明する。なお、以下の説明において、運転支援ECU11〜運転支援ECU15をそれぞれ区別する必要が無い場合には、運転支援ECU1と総称する。
まず、図1を参照して、運転支援ECU1の入力機器2について説明する。入力機器2は、CCDカメラ21、ナビゲーションシステム22、操舵トルク検出センサ23、及び、ターンシグナル検出スイッチ24を備えている。
CCDカメラ21は、CCD(Charge Coupled Device)を備え、車両前方、側方等の
画像情報を生成するカメラである。また、CCDカメラ21は、生成された画像情報を、運転支援ECU1へ出力し、運転支援ECU1において、該画像情報に基づいて、車両区画線、路側物等の検出が行われる。
以下に示す第1実施形態〜第5実施形態では、運転支援ECU1(運転支援ECU11〜運転支援ECU15)が、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両区画線、路側物等を検出する場合について説明するが、運転支援ECU1が、その他の方法で、車両区画線、路側物等を検出する形態でも良い。例えば、運転支援ECU1が、レーダ装置を介して路側物等を検出する形態でも良い。また、例えば、運転支援ECU1が、他の方式のカメラ(例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ)
からの画像情報に基づいて、車両区画線、路側物等を検出する形態でも良い。
ここで、「車両区画線」とは、車線を区切る物標であって、道路上に線状に連続して描かれる白線等の他に、道路上に所定間隔をあけて間欠的に配置され、互いに隣り合うもの同士を結ぶことにより線状となる白色又は黄色の破線、ボッツドッツ(直径10cm程度の点)、キャッツアイ(反射板)等が含まれる。また、「路側物」とは、車線の外側に敷設されたものであって、ガードレール、側壁、中央分離帯、縁石、街路樹等が含まれる。
ナビゲーションシステム22は、地図情報を備え、GPS(Global Positioning System)等を介して、車両の地図上の位置である車両位置を検出し、地図上の車両位置をディ
スプレイに表示するシステムである。また、ナビゲーションシステム22は、運転支援ECU1に対して、前記車両位置情報、及び、該車両位置に対応する地図情報を出力する。
操舵トルク検出センサ23は、運転者によってステアリングホイールを介して操舵操作された結果、発生する操舵トルクを検出するセンサである。また、操舵トルク検出センサ23は、運転支援ECU1に対して、検出された操舵トルク信号を出力する。
ターンシグナル検出スイッチ24は、運転者によってターンシグナルレバーを介して操作されたターンシグナルランプの点滅指示操作の結果を検出するスイッチである。すなわち、右方向への進路変更又は左方向へのへの進路変更を示すターンシグナルランプの点滅を指示する操作が行われたか否かを検出するスイッチである。また、ターンシグナル検出スイッチ24は、運転支援ECU1に対して、検出されたターンシグナルレバーの操作を示す信号(以下、「ターンシグナル操作信号」という)を出力する。
なお、ナビゲーションシステム22、操舵トルク検出センサ23、及び、ターンシグナル検出スイッチ24は、後述する5つの実施形態の内、一部の実施形態において使用する入力機器2であるため、破線で表記している。例えば、ナビゲーションシステム22は、後述する第3実施形態〜第5実施形態において使用する(図8、図11、図14参照)。
次に、図1を参照して、運転支援ECU1の出力機器3について説明する。出力機器3は、ディスプレイ31、スピーカ32、及び、ステアリング制御ECU33を備えている。ディスプレイ31は、運転席の前方に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、運転支援ECU1からの指示に従って、運転者から視認可能に画像、文字等を表示するものである。例えば、運転支援ECU1によって、走行している車線を右側に逸脱する可能性が高いと判定された場合には、運転支援ECU1からの指示に基づいて、ディスプレイ31に、走行している車線を右側に逸脱する旨の警報画面が表示される。
スピーカ32は、運転席の側方等に配設され、運転支援ECU1からの指示に従って、運転者に対して、ガイダンス等の音声を出力するものである。例えば、運転支援ECU1によって、走行している車線を右側に逸脱する可能性が高いと判定された場合には、運転支援ECU1からの指示に基づいて、スピーカ32から、走行している車線を右側に逸脱する旨の警報情報が出力される。
ステアリング制御ECU(Electronic Control Unit)33は、操舵を制御するECU
であって、ここでは、運転支援ECU1からの指示に従って、ステアリングホイールに対して、予め設定された所定のトルクを付与するものである。例えば、運転支援ECU1によって、走行している車線を右側に逸脱する可能性が高いと判定された場合には、運転支援ECU1からの指示に基づいて、ステアリングホイールに対して、左側への操舵を促すトルクが付与される。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係る運転支援ECU11の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、運転支援ECU11は、機能的に、白線検出部111、路側物検出部112、白線推定部113、及び、情報出力部114を備えている。
なお、運転支援ECU11は、運転支援ECU11の適所に配設されたマイクロコンピュータに、運転支援ECU11の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、白線検出部111、路側物検出部112、白線推定部113、情報出力部114等の機能部として機能させる。以下に、図3を参照しつつ、運転支援ECU11の各機能部について説明する。
図3は、第1実施形態に係る運転支援ECU11によって車両区画線の位置が推定される状況の一例を示す平面図である。図3の上側の図は、運転支援ECU11によって車両区画線VL1の位置が推定される状況の一例を示す平面図であって、図3の下側の図は、運転支援ECU11によって推定された車両区画線VL1の位置を示す平面図である。図3の上側の図に示すように、車両VCは、車両区画線WL、WRで区画された車線を上側に向けて走行している。また、車両区画線WLの外側には、ガードレール(=路側物)GLが、車両区画線WLに沿って敷設されている。車両VCの前方の範囲NLにおいて、車両区画線WLが消えている(又は、かすれている)。
図3の上側の図に示すように、車両区画線WL、WRの一部が消えている(又は、かすれている)場合には、車両区画線WL、WRに基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を適切に判定することが困難となる。上記課題に鑑みて、第1実施形態に係る運転支援ECU11は、図3の上側の図に示す範囲NLにおける車両区画線VL1の位置を、図3の下側の図に示すように路側物GLに基づいて推定し、推定された車両区画線VL1の位置に基づいて、車線からの逸脱の可能性を判定するものである。
白線検出部111(白線検出手段に相当する)は、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLを検出する機能部である。
路側物検出部112(路側物検出手段に相当する)は、白線検出部111によって一方側の車両区画線WRが検出され、且つ、他方側の車両区画線WLが検出されていない場合に、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、該他方側の路側物GLを検出する機能部である。具体的には、路側物検出部112は、前記他方側の路側物の内、前記一方側の車両区画線WRに沿って敷設された路側物GLを検出する。換言すれば、路側物検出部112は、車両区画線WLが検出されていない側の路側物の内、検出されている側の車両区画線WRに沿って敷設された路側物GLを検出する。
図3の上側の図に示すように、路側物(=ガードレール)GLは、検出されている側の車両区画線WRに沿って敷設されているため、路側物検出部112によって、白線推定部113において、図3の上側の図に示す範囲NLに対応する車両区画線VL1の位置を推定するために用いられる路側物として検出される。なお、検出されている側の車両区画線WRが直線である場合には、路側物検出部112は、車両区画線WRと略平行な路側物を検出する。
このようにして、車両区画線WLが検出されていない側の路側物GLの内、検出されている側の車両区画線WRに沿って敷設された路側物GLが検出されるため、車両区画線WLが検出されていない側の車両区画線VL1の位置を推定するために有用な、ガードレール、中央分離帯、側壁、縁石等の路側物GLを検出することができる。
第1実施形態では、路側物検出部112が、検出されている側の車両区画線WRに沿って敷設された路側物GLを検出する場合について説明するが、路側物検出部112が、その他の路側物を検出する形態でも良い。例えば、路側物検出部112が、車両区画線WLが検出されていない側の最も車線に近い側の路側物を検出する形態でも良い。この場合には、車線に沿って街路樹が植えられているとき(又は、ポールが敷設されているとき)に、この街路樹(又は、ポール)を路側物として検出することができる。
白線推定部113(白線推定手段に相当する)は、路側物検出部112によって検出された路側物GLに基づいて、前記他方側の車両区画線VL1の位置を推定する機能部である。具体的には、白線推定部113は、路側物検出部112によって検出された路側物GLの位置から、車両VCが走行する車線の内側に、予め設定された第1距離ΔL1だけ離間した位置を、前記他方側の車両区画線VL1の位置として推定する。
このようにして、検出された路側物GLの位置から、車両VCが走行する車線の内側に、予め設定された第1距離ΔL1だけ離間した位置が、前記他方側の車両区画線VL1の位置として推定されるため、第1距離ΔL1を適正な値に設定することによって、車両区画線VL1の位置を更に適正に推定することができる。
例えば、路側物GLの種類を判別し、判別された路側物GLの種類に基づいて、該路側物GLに衝突した場合の被害の程度を推定し、推定された被害の程度が大きい程、第1距離ΔL1として大きな値を設定する形態でも良い。この場合には、衝突した場合の被害の程度が大きい路側物GLに対しては、余裕の有る(=該路側物GLから離間した位置に)車両区画線VL1の位置が推定されるため、該路側物GLに衝突する危険性が低減され得るので、車両区画線VL1の位置を更に適正に推定することができる。
第1実施形態では、白線推定部113が、路側物GLの位置から車線の内側に第1距離ΔL1だけ離間した位置を、車両区画線VL1の位置として推定する場合について説明するが、白線推定部113が、路側物検出部112によって検出された路側物GLに基づいて、前記他方側の車両区画線VL1の位置を推定する形態であれば良い。例えば、白線推定部113が、路側物GLの位置を、車両区画線VL1の位置として推定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。また、縁石等が、車両区画線の近傍に敷設されている場合には、車両区画線VL1の位置として適正な位置を推定することができる。
情報出力部114(情報出力手段に相当する)は、白線推定部113によって推定された前記他方側の車両区画線VL1の位置に基づいて、運転支援情報を出力する機能部である。具体的には、情報出力部114は、白線検出部111によって検出された車両区画線WR、WL、及び、白線推定部113によって推定された車両区画線VL1に基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定し、逸脱の可能性が高いと判定された場合には、出力機器3を介して、運転支援情報(ここでは、警報等)を出力する。
図4は、第1実施形態に係る運転支援ECU11の動作の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、便宜上、車線の右側に敷設されている車両区画線WRは、白線検出部111によって検出されている場合について説明する。また、図4に示すフローチャートでは、便宜上、「車両区画線」を「白線」と記載している。まず、白線検出部111によって、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLが検出される(S101)。そして、路側物検出部112によって、左側の車両区画線WLが検出されているか否かの判定が行われる(S103)。
左側の車両区画線WLが検出されていると判定された場合(S103でYES)には、情報出力部114によって、ステップS101において検出された右側及び左側の車両区画線WR、WLに基づいて、車線からの逸脱の可能性が判定され(S105)、処理がステップS115に進められる。左側の車両区画線WLが検出されていないと判定された場合(S103でNO)には、路側物検出部112によって、車両区画線が検出されていない側(ここでは、左側)の路側物GLが検出されたか否かの判定が行われる(S107)。路側物GLが検出されていないと判定された場合(S107でNO)には、情報出力部114による車線からの逸脱の判定が停止され(S109)、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
路側物GLが検出されたと判定された場合(S107でYES)には、白線推定部113によって、検出された路側物GLに基づいて、ステップS101において検出されていない側(ここでは、左側)の車両区画線VL1の位置が推定される(S111)。そして、情報出力部114によって、ステップS101において検出された車両区画線WR、及び、ステップS111において推定された車両区画線VL1に基づいて、車線からの逸脱の可能性が判定される(S113)。ステップS105又はステップS113の処理が終了した場合には、情報出力部114によって、車線からの逸脱の可能性が高いか否かの判定が行われる(S115)。車線からの逸脱の可能性が高いと判定された場合(S115でYES)には、情報出力部114によって、警報等が出力され(S117)、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。車線からの逸脱の可能性が高くないと判定された場合(S115でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
このようにして、一方側の車両区画線WRが検出され、且つ、他方側の車両区画線WLが検出されていない場合に、該他方側の路側物GLが検出され、検出された路側物GLに基づいて、他方側の車両区画線VL1の位置が推定されるため、車両区画線VL1の位置を適正に推定することができる。また、適正に推定された車両区画線VL1の位置に基づいて、警報等が出力されるため、適正な警報等を出力することができる。
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態に係る運転支援ECU12の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、運転支援ECU12は、機能的に、白線検出部121、路側物検出部122、距離設定部123、仮想線推定部124、及び、情報出力部125を備えている。
なお、運転支援ECU12は、運転支援ECU12の適所に配設されたマイクロコンピュータに、運転支援ECU12の適所に配設されたROM等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、白線検出部121、路側物検出部122、距離設定部123、仮想線推定部124、情報出力部125等の機能部として機能させる。以下に、図6を参照しつつ、運転支援ECU12の各機能部について説明する。
図6は、第2実施形態に係る運転支援ECU12によって仮想区画線の位置が推定される状況の一例を示す平面図である。図6の上側の図は、運転支援ECU12によって仮想区画線VL2の位置が推定される状況の一例を示す平面図であって、図6の下側の図は、運転支援ECU12によって推定された仮想区画線VL2の位置を示す平面図である。図6の上側の図に示すように、車両VCは、車両区画線WL、WRで区画された車線を上側に向けて走行している。また、車両区画線WLの外側には、側壁(=路側物)WAが、車両区画線WLに沿って敷設されている。
図6の上側の図に示すように、車両区画線WL、WRの近傍に路側物WAが敷設されている場合には、車両区画線WL、WRに基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定することが適切ではない場合が有る。上記課題に鑑みて、第2実施形態に係る運転支援ECU12は、側壁(=路側物)WAに対向する仮想区画線VL2の位置を、図6の下側の図に示すように路側物WAに基づいて推定し、推定された仮想区画線VL2の位置に基づいて、車線からの逸脱の可能性を判定するものである。
白線検出部121(白線検出手段に相当する)は、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLを検出する機能部である。
路側物検出部122(路側物検出手段に相当する)は、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている路側物WAを検出する機能部である。また、路側物検出部122は、検出した路側物WAの種類を判別する。具体的には、路側物検出部122は、路側物WAとして予め想定されているガードレール、側壁、中央分離帯、縁石、街路樹等の中から、該当する種類を選択することによって判別する。
距離設定部123(距離設定手段に相当する)は、白線検出部121によって検出された車両区画線WLと、仮想線推定部124によって推定される仮想区画線VL2との間の距離である第2距離ΔL2を設定する機能部である。具体的には、距離設定部123は、路側物検出部122によって判別された路側物WAの種類に基づいて、第2距離ΔL2を設定する。ここでは、距離設定部123は、路側物検出部122によって判別された路側物WAの種類に基づいて、路側物WAに衝突した場合の被害の程度を推定し、推定された被害の程度が大きい程、第2距離ΔL2として大きな値を設定する。
例えば、路側物検出部122が、側壁、ガードレール、中央分離帯、街路樹、及び、縁石の中から、該当する種類を選択することによって路側物WAの種類を判別する場合には、以下のようにして、第2距離ΔL2を設定する。路側物WAに衝突した場合の被害の程度が大きい順である、側壁、ガードレール、中央分離帯、街路樹、及び、縁石の順に、距離設定部123は、第2距離ΔL2として大きな値を設定する。例えば、路側物検出部122が、路側物WAの種類を、側壁、ガードレール、中央分離帯、街路樹、及び、縁石であると判別した場合には、距離設定部123は、第2距離ΔL2を、それぞれ、1.0m、0.7m、0.6m、0.5m、及び、0.1mに設定する。
仮想線推定部124(仮想線推定手段に相当する)は、白線検出部121によって検出された車両区画線WR、WL、及び、路側物検出部122によって検出された路側物WAに基づいて、運転支援情報の出力(ここでは、車線を逸脱する旨の警報等の出力)に用いる仮想的な車両区画線である仮想区画線VL2の位置を推定する機能部である。具体的には、仮想線推定部124は、白線検出部121によって車両が走行する車線の右側及び左側の少なくとも一方側に車両区画線WR、WLが検出され、且つ、車両区画線WR、WLが検出された側(ここでは、車線の左側)に、路側物検出部122によって路側物WAが検出された場合に、車両区画線WLの位置から、車両VCが走行する車線の内側に、距離設定部123によって設定された第2距離ΔL2だけ離間した位置を、仮想区画線VL2の位置として推定する。
このようにして、車両区画線WLが検出された側に、路側物WAが検出された場合に、車両区画線WLの位置から、車両が走行する車線の内側に、第2距離ΔL2だけ離間した位置が、仮想区画線VL2の位置として推定されるため、第2距離ΔL2を適正な値に設定することによって、仮想区画線VL2の位置を更に適正に推定することができる。
第2実施形態では、仮想線推定部124が、路側物WAが検出された場合に、車両区画線WLの位置から車線の内側に第2距離ΔL2だけ離間した位置を、仮想区画線VL2の位置として推定する場合について説明するが、仮想線推定部124が、車両区画線WL及び路側物WAに基づいて、仮想区画線VL2の位置を推定する形態であれば良い。例えば、仮想線推定部124が、車両区画線WLより外側に路側物WAが敷設されている場合には、車両区画線WLの位置を仮想区画線VL2の位置として推定し、車両区画線WLより内側に路側物WAが敷設されている場合に、該路側物WAの位置を仮想区画線VL2の位置として推定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
また、路側物WAの種類が判別され、判別された路側物WAの種類に基づいて、第2距離ΔL2が設定されるため、第2距離ΔL2を適正な値に設定することができるので、仮想区画線VL2の位置を更に適正に推定することができる。
更に、衝突した場合の被害の程度が大きい路側物WAに対しては、余裕の有る(=路側物WAから離間した位置に)仮想区画線VL2の位置が推定されるため、路側物WAに衝突する危険性が低減され得るので、仮想区画線VL2の位置を更に適正に推定することができる。
第2実施形態では、距離設定部123が、路側物WAに衝突した場合の被害の程度が大きい程、第2距離ΔL2として大きな値を設定する場合について説明したが、距離設定部123が、その他の方法で第2距離ΔL2を設定する形態でも良い。例えば、距離設定部123が、路側物WAの種類等に基づいて車線の逸脱が発生した場合の危険度を推定し、推定された危険度が大きい程、第2距離ΔL2として大きな値を設定する形態でも良い。例えば、路側物WAが、崖からの車両の落下を防止するための強靱に敷設されたガードレールである場合には、車線の逸脱が発生した場合の危険度が大きいため、第2距離ΔL2として大きな値を設定する。
情報出力部125(情報出力手段に相当する)は、仮想線推定部124によって推定された仮想区画線VL2の位置に基づいて、運転支援情報を出力する機能部である。具体的には、情報出力部125は、白線検出部111によって検出された車両区画線WR、WL、及び、仮想線推定部124によって推定された仮想区画線VL2、に基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定し、逸脱の可能性が高いと判定された場合には、出力機器3を介して、運転支援情報(ここでは、警報等)を出力する。
図7は、第2実施形態に係る運転支援ECU12の動作の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、便宜上、車線の右側に敷設されている車両区画線WRは、白線検出部111によって検出されている場合について説明する。また、図7に示すフローチャートでは、便宜上、「車両区画線」を「白線」と記載している。まず、白線検出部121によって、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLが検出される(S201)。そして、路側物検出部122によって、左側の車両区画線WLが検出されているか否かの判定が行われる(S203)。
左側の車両区画線WLが検出されていないと判定された場合(S203でNO)には、情報出力部125による車線からの逸脱の判定が停止され(S205)、処理がステップS201に戻され、ステップS201以降の処理が繰り返し実行される。左側の車両区画線WLが検出されていると判定された場合(S203でYES)には、路側物検出部122によって、左側の路側物WAが検出されたか否かの判定が行われる(S207)。路側物WAが検出されていないと判定された場合(S207でNO)には、ステップS201において検出された右側及び左側の車両区画線WR、WLに基づいて、車線からの逸脱の可能性が判定され(S209)、処理がステップS217に進められる。
路側物WAが検出されたと判定された場合(S207でYES)には、路側物検出部122によって、路側物WAの種類が判別される(S211)。そして、距離設定部123によって、ステップS211において判別された路側物WAの種類に基づいて、第2距離ΔL2が設定される(S213)。次いで、仮想線推定部124によって、ステップS201において検出された車両区画線WL及びステップS213において設定された第2距離ΔL2に基づいて仮想区画線VL2の位置が推定され、推定された仮想区画線VL2及びステップS201において検出された車両区画線WRに基づいて、車線からの逸脱の可能性が判定される(S215)。
ステップS209又はステップS215の処理が終了した場合には、情報出力部125によって、車線からの逸脱の可能性が高いか否かの判定が行われる(S217)。車線からの逸脱の可能性が高いと判定された場合(S217でYES)には、情報出力部125によって、警報等が出力され(S219)、処理がステップS201に戻され、ステップS201以降の処理が繰り返し実行される。車線からの逸脱の可能性が高くないと判定された場合(S217でNO)には、処理がステップS201に戻され、ステップS201以降の処理が繰り返し実行される。
このようにして、検出された車両区画線WL、及び、検出された路側物WAに基づいて、運転支援情報の出力に用いる仮想的な車両区画線である仮想区画線VL2の位置が推定されるため、仮想区画線VL2の位置を適正に推定することができる。また、適正に推定された仮想区画線VL2の位置に基づいて、警報等が出力されるため、適正な警報等を出力することができる。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態に係る運転支援ECU13の機能構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、運転支援ECU13は、機能的に、白線検出部131、車線判定部132、中央線推定部133、及び、情報出力部134を備えている。
なお、運転支援ECU13は、運転支援ECU13の適所に配設されたマイクロコンピュータに、運転支援ECU13の適所に配設されたROM等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、白線検出部131、車線判定部132、中央線推定部133、情報出力部134等の機能部として機能させる。以下に、図9を参照しつつ、運転支援ECU13の各機能部について説明する。
図9は、第3実施形態に係る運転支援ECU13によって仮想的な中央区分線の位置が推定される状況の一例を示す平面図である。図9の上側の図は、運転支援ECU13によって仮想的な中央区分線VL3の位置が推定される状況の一例を示す平面図であって、図9の下側の図は、運転支援ECU13によって推定された仮想的な中央区分線VL3の位置を示す平面図である。図9の上側の図に示すように、車両VCは、車両区画線WL、WRで区画された中央区分線の無い車線を上側に向けて走行している。
図9の上側の図に示すような中央区分線の無い道路においては、車両区画線WL、WRに基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定すると、適切に警報等を出力することができない場合が有る。換言すると、対向車両との衝突の危険性を回避するためには、左側の車両区画線WL(又は、右側の車両区画線WR)に沿って走行することが好ましい場合が有る。上記課題に鑑みて、第3実施形態に係る運転支援ECU13は、仮想的な中央区分線VL3の位置を、図9の下側の図に示すように車両区画線WL、WRに基づいて推定し、推定された仮想的な中央区分線VL3の位置に基づいて、車線からの逸脱の可能性を判定するものである。
白線検出部131(白線検出手段に相当する)は、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLを検出する機能部である。
車線判定部132(車線判定手段に相当する)は、ナビゲーションシステム22からの車両VCの位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCが走行する道路が中央区分線の無い道路であるか否かを判定する機能部である。具体的には、車線判定部132は、ナビゲーションシステム22から、車両VCの位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCが走行している車線に関する情報である走行車線情報を取得し、該走行車線情報に基づいて、車両VCが走行する道路が中央区分線の無い道路であるか否かを判定する。
中央線推定部133(中央線推定手段に相当する)は、車線判定部132によって中央区分線の無い道路であると判定された場合に、白線検出部131によって検出された車両区画線WL、WRに基づいて、仮想的な中央区分線VL3の位置を推定する機能部である。具体的には、中央線推定部133は、白線検出部131によって検出された両側の車両区画線WL、WRの略中央位置を、仮想的な中央区分線VL3の位置として推定する。
すなわち、図9に示すように、中央線推定部133は、車両区画線WLと車両区画線WRとの距離RWに基づいて、車両区画線WLと仮想的な中央区分線VL3との距離RW1が、車両区画線WRと仮想的な中央区分線VL3との距離RW2と略一致するように、仮想的な中央区分線VL3の位置を推定する。つまり、距離RW1及び距離RW2が、距離RWの略1/2となるように、仮想的な中央区分線VL3の位置を推定する。
このようにして、検出された両側の車両区画線WR、WLの略中央位置が、仮想的な中央区分線VL3の位置として推定されるため、運転支援情報の出力に用いる仮想的な中央区分線VL3の位置に適正に推定することができる。
第3実施形態では、中央線推定部133が、両側の車両区画線WL、WRの略中央位置を、仮想的な中央区分線VL3の位置として推定する場合について説明するが、中央線推定部133が、白線検出部131によって検出された車両区画線WL、WRに基づいて、仮想的な中央区分線VL3の位置を推定する形態であれば良い。例えば、中央線推定部133が、両側の車両区画線WL、WRとの距離RWに基づいて、仮想的な中央区分線VL3の位置を推定する形態でも良い。
具体的には、例えば、距離RWが予め設定された閾値(例えば、5m)以上である場合には、中央線推定部133が、左側の車両区画線WLから予め設定された所定の距離(例えば、2m)だけ離間した位置を、仮想的な中央区分線VL3の位置として推定する。また、距離RWが予め設定された閾値(ここでは、5m)未満である場合には、中央線推定部133が、両側の車両区画線WR、WLの略中央位置を仮想的な中央区分線VL3の位置として推定する。この場合には、更に適正な位置に中央区分線VL3を推定することができる。
情報出力部134(情報出力手段に相当する)は、中央線推定部133によって推定された仮想的な中央区分線VL3の位置に基づいて、運転支援情報を出力する機能部である。具体的には、情報出力部134は、白線検出部131によって検出された車両区画線WL、及び、中央線推定部133によって推定された仮想的な中央区分線VL3、に基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定し、逸脱の可能性が高いと判定された場合には、出力機器3を介して、運転支援情報(ここでは、警報等)を出力する。
図10は、第3実施形態に係る運転支援ECU13の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートでは、便宜上、「車両区画線」を「白線」と記載している。まず、白線検出部131によって、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLが検出される(S301)。そして、車線判定部132によって、ステップS301において、両側の車両区画線WR、WLが検出されたか否かの判定が行われる(S303)。少なくとも一方の車両区画線WR、WLが検出されていないと判定された場合(S303でNO)には、情報出力部134による車線からの逸脱の判定が停止され(S305)、処理がステップS301に戻され、ステップS301以降の処理が繰り返し実行される。
両側の車両区画線WR、WLが検出されたと判定された場合(S303でYES)には、車線判定部132によって、ナビゲーションシステム22から走行車線情報が取得される(S307)。そして、車線判定部132によって、ステップS307において取得された走行車線情報に基づいて、車両VCが走行する道路が中央区分線の無い道路であるか否かが判定される(S309)。中央区分線の有る道路であると判定された場合(S309でNO)には、情報出力部134によって、ステップS301において検出された車両区画線WL及び車両区画線WRに基づいて車線からの逸脱の可能性が判定され(S311)、処理がステップS317に進められる。
中央区分線の無い道路であると判定された場合(S309でYES)には、中央線推定部133によって、ステップS301において検出された車両区画線WL、WRに基づいて、仮想的な中央区分線VL3の位置が推定される(S313)。そして、ステップS301において検出された車両区画線WL、及び、ステップS313において推定された仮想的な中央区分線VL3、に基づいて車線からの逸脱の可能性が判定される(S315)。
ステップS311又はステップS315の処理が終了した場合には、情報出力部134によって、車線からの逸脱の可能性が高いか否かの判定が行われる(S317)。車線からの逸脱の可能性が高いと判定された場合(S317でYES)には、情報出力部134によって、警報等が出力され(S319)、処理がステップS301に戻され、ステップS301以降の処理が繰り返し実行される。車線からの逸脱の可能性が高くないと判定された場合(S317でNO)には、処理がステップS301に戻され、ステップS301以降の処理が繰り返し実行される。
このようにして、車両の位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCが走行する道路が中央区分線の無い道路であるか否かが判定されるため、中央区分線の無い道路であるか否かを適正に判定することができる。また、中央区分線の無い道路であると判定された場合に、検出された車両区画線WR、WLに基づいて、仮想的な中央区分線VL3の位置が推定されるため、前記仮想的な中央区分線VL3の適正な位置を推定することができる。更に。適正な位置に推定された仮想的な中央区分線VL3の位置に基づいて、警報等が出力されるため、適正な警報等を出力することができる。
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態に係る運転支援ECU14の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、運転支援ECU14は、機能的に、白線検出部141、停車帯判定部142、区画線補正部143、及び、情報出力部144を備えている。
なお、運転支援ECU14は、運転支援ECU14の適所に配設されたマイクロコンピュータに、運転支援ECU14の適所に配設されたROM等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、白線検出部141、停車帯判定部142、区画線補正部143、情報出力部144等の機能部として機能させる。以下に、図12を参照しつつ、運転支援ECU14の各機能部について説明する。
図12は、第4実施形態に係る運転支援ECU14によって車両区画線の位置が補正される状況の一例を示す平面図である。図12の上側の図は、運転支援ECU14によって車両区画線WLBの位置が補正される状況の一例を示す平面図であって、図12の下側の図は、運転支援ECU14によって補正された車両区画線VWLの位置を示す平面図である。図12の上側の図に示すように、車両VCは、車両区画線WL、WRで区画された中央区分線の無い車線を上側に向けて走行している。
図12に示すように、バス停等の車両停車帯ARBでは、左側の車両区画線WLが、車線の外側に停留車線幅だけ拡幅されているため、車両区画線WL、WRに基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定すると、適切に警報等を出力することができない場合が有る。換言すると、バス停等の車両停車帯ARBが敷設されている場合には、左側の車両区画線WL(又は、右側の車両区画線WR)に沿って走行することが好ましくない場合が有る。上記課題に鑑みて、第4実施形態に係る運転支援ECU14は、車両区画線WLBの位置を、図12の下側の図に示すように車両区画線VWLの位置に補正して、補正された車両区画線VWLに基づいて、車線からの逸脱の可能性を判定するものである。
白線検出部141(白線検出手段に相当する)は、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLを検出する機能部である。
停車帯判定部142(停車帯判定手段に相当する)は、ナビゲーションシステム22からの車両VCの位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCの前方に、予め設定された停留車線幅だけ拡幅された車両停車帯ARBが有るか否かを判定する機能部である。具体的には、停車帯判定部142は、ナビゲーションシステム22から車両VCが走行している車線に敷設されている車両停車帯に関する情報である停車帯情報を取得し、該停車帯情報に基づいて、車両VCの前方に、車両停車帯ARBが有るか否かを判定する。ここで、車両停車帯ARBとしては、図12に示すバス停、高速道路等に敷設されている事故車等の待避場所等が含まれる。第4実施形態においては、車両停車帯ARBがバス停である場合について説明する。
区画線補正部143(区画線補正手段に相当する)は、停車帯判定部142によって車両停車帯ARBが有ると判定された場合に、白線検出部141によって検出された車両区画線WR、WLに基づいて、車両停車帯ARBが敷設されている側の車両区画線WLの位置を補正する機能部である。換言すれば、区画線補正部143は、補正後の車両区画線VWLの位置を求める機能部である。
具体的には、区画線補正部143は、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置、及び、車両停車帯ARBが敷設されていない側の車両区画線WRの位置に基づいて、車両停車帯ARBが敷設されている側の車両区画線WLの位置を補正する。例えば、図12の下側の図に示すように、区画線補正部143は、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置を起点として、車両区画線WRと平行に延長することによって、補正後の車両区画線VWLの位置を求める。
このようにして、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置、及び、車両停車帯ARBが敷設されていない側の車両区画線WRの位置に基づいて、車両停車帯ARBが敷設されている側の車両区画線WLの位置を適正に補正することができる(=補正後の車両区画線VWLの適正な位置を求めることができる)。
第4実施形態においては、区画線補正部143が、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置、及び、車両区画線WRの位置に基づいて、補正後の車両区画線VWLの位置を求める場合について説明するが、区画線補正部143が、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置、及び、車両区画線WRの位置の少なくとも一方に基づいて、補正後の車両区画線VWLの位置を求める形態であれば良い。例えば、区画線補正部143が、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置に基づいて、補正後の車両区画線VWLの位置を求める形態でも良い。具体的には、例えば、区画線補正部143が、車両停車帯ARBの手前に敷設されている車両区画線WLの位置を起点として、車両区画線WLを延長して、補正後の車両区画線VWLの位置を求める形態でも良い。
情報出力部144(情報出力手段に相当する)は、区画線補正部143によって補正された車両区画線VWLの位置に基づいて、運転支援情報を出力する機能部である。具体的には、情報出力部144は、白線検出部141によって検出された車両区画線WR、WL、及び、区画線補正部143によって補正された車両区画線VWL、に基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定し、逸脱の可能性が高いと判定された場合に、出力機器3を介して、運転支援情報(ここでは、警報等)を出力する。
図13は、第4実施形態に係る運転支援ECU14の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートでは、便宜上、「車両区画線」を「白線」と記載している。まず、白線検出部141によって、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLが検出される(S401)。そして、停車帯判定部142によって、ステップS401において、両側の車両区画線WR、WLが検出されたか否かの判定が行われる(S403)。少なくとも一方の車両区画線WR、WLが検出されていないと判定された場合(S403でNO)には、情報出力部144による車線からの逸脱の判定が停止され(S405)、処理がステップS401に戻され、ステップS401以降の処理が繰り返し実行される。
両側の車両区画線WR、WLが検出されたと判定された場合(S403でYES)には、停車帯判定部142によって、ナビゲーションシステム22から停車帯情報が取得される(S407)。そして、停車帯判定部142によって、ステップS407において取得された停車帯情報に基づいて、車両VCの前方に、車両停車帯ARBが有るか否かが判定される(S409)。車両停車帯ARBが無いと判定された場合(S409でNO)には、情報出力部144によって、ステップS401において検出された車両区画線WL及び車両区画線WRに基づいて車線からの逸脱の可能性が判定され(S411)、処理がステップS417に進められる。
車両停車帯ARBが有ると判定された場合(S409でYES)には、区画線補正部143によって、ステップS401において検出された車両区画線WR、WLに基づいて、車両停車帯ARBが敷設されている側の車両区画線WLの位置が補正され、補正後の車両区画線VWLの位置が求められる(S413)。そして、ステップS401において検出された車両区画線WR、及び、ステップS413において補正された車両区画線VWL、に基づいて車線からの逸脱の可能性が判定される(S415)。
ステップS411又はステップS415の処理が終了した場合には、情報出力部144によって、車線からの逸脱の可能性が高いか否かの判定が行われる(S417)。車線からの逸脱の可能性が高いと判定された場合(S417でYES)には、情報出力部144によって、警報等が出力され(S419)、処理がステップS401に戻され、ステップS401以降の処理が繰り返し実行される。車線からの逸脱の可能性が高くないと判定された場合(S417でNO)には、処理がステップS401に戻され、ステップS401以降の処理が繰り返し実行される。
このようにして、車両VCの位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCの前方に、予め設定された停留車線幅だけ拡幅された車両停車帯ARBが有るか否かが判定されるため、車両停車帯ARBが有るか否かを適正に判定することができる。また、車両停車帯ARBが有ると判定された場合に、検出された車両区画線WR、WLに基づいて、車両停車帯ARBが敷設されている側の車両区画線WLの位置が補正されるため、車両区画線WLの位置を適正に補正することができる。更に、補正された車両区画線VWLの位置に基づいて、警報等が出力されるため、適正な警報等を出力することができる。
<第5実施形態>
図14は、第5実施形態に係る運転支援ECU15の機能構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、運転支援ECU15は、機能的に、白線検出部151、分岐判定部152、操作取得部153、方向推定部154、仮想線推定部155、信頼度推定部156、位置補正部157、及び、情報出力部158を備えている。
なお、運転支援ECU15は、運転支援ECU15の適所に配設されたマイクロコンピュータに、運転支援ECU15の適所に配設されたROM等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、白線検出部151、分岐判定部152、操作取得部153、方向推定部154、仮想線推定部155、信頼度推定部156、位置補正部157、情報出力部158等の機能部として機能させる。以下に、図15、図16を参照しつつ、運転支援ECU15の各機能部について説明する。
図15、図16は、第5実施形態に係る運転支援ECU15によって仮想区画線の位置が推定される状況の一例を示す平面図である。図15の上側の図は、運転支援ECU15によって仮想区画線VWR、VWLの位置が推定される状況の一例を示す平面図であって、図15の下側の図は、運転支援ECU15によって推定された仮想区画線VWR、VWLの位置を示す平面図である。図15の上側の図に示すように、車両VCは、車両区画線WL、WRで区画された車線を上側に向けて走行しており、前方に分岐箇所が存在する。
図16の上側の図は、運転支援ECU15によって仮想区画線VWL1、VWL2の位置が推定される状況の一例を示す平面図であって、図16の下側の図は、運転支援ECU15によって推定された仮想区画線VWL1、VWL2の位置を示す平面図である。図16の上側の図に示すように、車両VCは、車両区画線WL、WR1(又は、車両区画線WL、WR2)で区画された車線を上側に向けて走行しており、前方に分岐箇所が存在する。なお、図16の左側の図と、右側の図とは、右側の車両区画線WR1、WR2の種類が相違している。すなわち、図16の左側の図において、右側の車両区画線WR1は、実線の白線であって、図16の右側の図において、右側の車両区画線WR2は、ボッツドッツである。
図15、図16の上側の図に示すように、分岐箇所においては、左側又は右側の車両区画線が無いため、走行している車線からの逸脱の可能性を判定することができない(又は、困難である)。上記課題に鑑みて、第5実施形態に係る運転支援ECU15は、分岐箇所において、仮想的な車両区画線である仮想区画線VWR、VWL、VWL1、VWL2を生成し、生成された仮想区画線VWR、VWL、VWL1、VWL2の位置に基づいて、車線からの逸脱の可能性を判定するものである。
白線検出部151(白線検出手段に相当する)は、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLを検出する機能部である。
分岐判定部152(分岐判定手段に相当する)は、ナビゲーションシステム22からの車両VCの位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCの前方に、車両VCが走行している道路の分岐箇所が有るか否かを判定する機能部である。ここで、「分岐箇所」とは、高速道路のジャンクション等、高速道路から一般道への出口、高速道路からサービスエリア等への入口等において、道路の進行方向が2方向に分岐している箇所をいう。なお、具体的には、分岐判定部152は、ナビゲーションシステム22から分岐箇所に関する情報である分岐情報を取得して、取得された分岐情報に基づいて、車両VCの前方に、道路の分岐箇所が有るか否かを判定する。
操作取得部153(操作取得手段に相当する)は、運転者による操作の内容を示す操作情報を取得する機能部である。具体的には、操作取得部153は、操舵トルク検出センサ23、及び、ターンシグナル検出スイッチ24を介して、運転者の操作によって発生された操舵トルク情報及びターンシグナル操作情報を取得する。
方向推定部154(方向推定手段に相当する)は、操作取得部153によって取得された操作情報(ここでは、操舵トルク情報及びターンシグナル操作情報)に基づいて、道路の分岐箇所における車両VCの進行方向を推定する機能部である。具体的には、方向推定部154は、ターンシグナル操作情報に基づいて、ターンシグナル操作が行われたか否かを判定し、ターンシグナル操作が行われた場合には、ターンシグナル操作に対応する方向に進行すると推定する。ターンシグナル操作が行われていない場合には、方向推定部154は、操作取得部153によって取得された操舵トルクTRの絶対値が、意図的な操舵操作であるか否かの判定閾値TSH(例えば、1.5Nm)以上であるか否かを判定し、判定閾値TSH以上である場合に、操舵トルクの方向(=操舵トルクTRの正負)に基づいて、車両VCの進行方向を推定する。
このようにして、操舵トルク情報及びターンシグナル操作情報に基づいて、道路の分岐箇所における車両VCの進行方向を正確に推定することができる。
第5実施形態においては、方向推定部154が、操作取得部153によって取得された操作情報に基づいて、道路の分岐箇所における車両VCの進行方向を推定する場合について説明するが、方向推定部154が、その他の方法で道路の分岐箇所における車両VCの進行方向を推定する形態でも良い。例えば、方向推定部154が、操舵トルク情報及びターンシグナル操作情報の一方に基づいて道路の分岐箇所における車両VCの進行方向を推定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
また、例えば、方向推定部154が、ナビゲーションシステム22からの経路案内情報に基づいて、道路の分岐箇所における車両VCの進行方向を推定する形態でも良い。運転者が、ナビゲーションシステム22に対して、目的地等を設定して、該目的地への経路案内情報を出力する旨の設定をしている場合には、ナビゲーションシステム22からの経路案内情報に従って操作を行う場合が多い(=経路案内の指示する方向に進行する場合が多い)。従って、この場合には、方向推定部154は、簡素な構成で、車両VCの進行方向を正確に推定することができる。
仮想線推定部155(仮想線推定手段に相当する)は、分岐判定部152によって道路の分岐箇所が有ると判定された場合に、前記道路の分岐箇所において、車線を逸脱する可能性の判定に用いる仮想的な車両区画線である仮想区画線VWL、VWR、VWL1を、方向推定部154によって推定された進行方向ではない分岐路を横断するべく生成する機能部である。
例えば、図15に示す状況において、右側の分岐路に進む場合には、図15の下段右側に示すように、仮想線推定部155によって、進行方向ではない左側の分岐路を横断するべく仮想区画線VWLが生成される。また、左側の分岐路に進む場合には、図15の下段左側に示すように、仮想線推定部155によって、進行方向ではない右側の分岐路を横断するべく仮想区画線VWRが生成される。更に、図16に示す状況において、直進する場合には(=右側の分岐路に進む場合)、図16の下段に示すように、進行方向ではない左側の分岐路を横断するべく仮想区画線VWL1が生成される。
また、仮想線推定部155は、方向推定部154によって右側の分岐路に進むと推定された場合には、白線検出部151により検出された右側の車両区画線WRに沿って、仮想区画線VWLを生成し、方向推定部154によって左側の分岐路に進むと推定された場合には、白線検出部151により検出された左側の車両区画線WLに沿って、仮想区画線VWL、VWR、VWL1を生成する。
例えば、図15に示す状況において、方向推定部154によって右側の分岐路に進むと推定された場合には、図15の下段右側に示すように、仮想線推定部155によって、白線検出部151により検出された右側の車両区画線WRに沿って、仮想区画線VWLが生成される。また、例えば、図15に示す状況において、方向推定部154によって左側の分岐路に進むと推定された場合には、図15の下段左側に示すように、仮想線推定部155によって、白線検出部151により検出された左側の車両区画線WLに沿って、仮想区画線VWRが生成される。更に、図16に示す状況において、方向推定部154によって直進する(=右側の分岐路に進む場合)と推定された場合には、図16の下段に示すように、仮想線推定部155によって、白線検出部151により検出された右側の車両区画線WRに沿って、仮想区画線VWL1が生成される。
このようにして、右側の分岐路に進むと推定された場合には、検出された右側の車両区画線WRに沿って、仮想区画線VWLが生成され、左側の分岐路に進むと推定された場合には、検出された左側の車両区画線WLに沿って、仮想区画線VWRが生成されるため、仮想区画線VWR、VWLの位置を適正に推定することができる。
信頼度推定部156(信頼度推定手段に相当する)は、白線検出部151によって検出された車両区画線WR、WLの位置の信頼度を推定する機能部である。具体的には、信頼度推定部156は、白線検出部151によって検出された車両区画線WR、WLの種類に基づいて、車両区画線WR、WLの位置の信頼度を推定する。ここで、前記車両区画線の種類は、白色実線、白色破線、黄色破線、ボッツドッツ、及び、キャッツアイを含み、信頼度推定部156は、白色実線、白色破線、黄色破線、ボッツドッツ、及び、キャッツアイの順に、信頼度が下がると推定する。
位置補正部157(位置補正手段に相当する)は、信頼度推定部156によって推定された車両区画線WR、WLの位置の信頼度に基づいて、仮想線推定部155によって生成された仮想区画線VWL1の位置を補正する機能部である。具体的には、位置補正部157は、信頼度推定部156によって推定された車両区画線WR、WLの位置の信頼度が低い程、仮想線推定部155によって生成された仮想区画線VWL1の位置をより外側へ補正する。
例えば、図16に示す状況において、図16の左側の図において、右側の車両区画線WRは、実線の白線であって、図16の右側の図において、右側の車両区画線WRは、ボッツドッツである。従って、図16の左側の図においては、右側の車両区画線WRは、実線の白線であるため、右側の車両区画線WRの信頼度は高いと判定され、仮想区画線VWL1の位置は補正されない。一方、図16の右側の図において、右側の車両区画線WRは、ボッツドッツであるため、右側の車両区画線WRの信頼度は低いと判定され、仮想区画線VWL1の位置は、仮想区画線VWL2の位置に補正される。
図20は、位置補正部157によって実行される仮想区画線VWL1の位置補正方法の一例を説明するためのグラフである。図20における上側の図は、白線検出部151によって検出された車両区画線WR、WLの種類(横軸)と、信頼度推定部156によって推定される車両区画線WR、WLの位置の信頼度(縦軸)との関係を示すグラフG1である。グラフG1に示すように、白色実線、白色破線、黄色破線、ボッツドッツ、及び、キャッツアイの順に、信頼度が下がる。
図20における下側の図は、信頼度推定部156によって推定される車両区画線WR、WLの位置の信頼度(横軸)と、位置補正部157によって補正される補正距離(縦軸)との関係を示すグラフG2である。グラフG2に示すように、信頼度が低い程、補正距離が大きくなる(=位置補正部157によって、仮想区画線VWL1の位置がより外側へ補正される)。例えば、信頼度が50%である場合には、仮想区画線VWL1の位置が0.3mだけ外側へ補正される。
このようにして、検出された車両区画線WR、WLの位置の信頼度が低い程、生成された仮想区画線VWL1の位置の信頼度も低いと推定されるため、運転支援ECU15の不要作動を防止するために、生成された仮想区画線VWL1の位置を、車線の外側へ補正することが好ましい。そこで、検出された車両区画線WR、WLの位置の信頼度に基づいて、生成された仮想区画線VWL1の位置が適正に補正されるため、運転支援ECU15の不要作動を防止することができるので、更に適正に警報等を出力することができる。
また、信頼度推定部156によって、白色実線、白色破線、黄色破線、ボッツドッツ、及び、キャッツアイの順に、信頼度が下がると推定されるため、検出された車両区画線WR、WLの位置の信頼度を更に適正に推定することができる。
第5実施形態では、位置補正部157が、信頼度推定部156によって推定される信頼度が低い程、仮想区画線VWL1の位置を外側へ補正する場合について説明するが、逆に、位置補正部157が、信頼度推定部156によって推定される信頼度が低い程、仮想区画線VWL1の位置を内側へ補正する形態でも良い。この場合には、車線からの逸脱が更に確実に防止される。
また、第5実施形態では、信頼度推定部156が、白色実線、白色破線、黄色破線、ボッツドッツ、及び、キャッツアイの順に、信頼度が下がると推定する場合について説明するが、信頼度推定部156が、白線検出部151によって検出された車両区画線WR、WLの種類等に基づいて、車両区画線WR、WLの位置の信頼度を推定する形態であれば良い。例えば、信頼度推定部156が、白線検出部151によって検出された車両区画線WR、WLの種類、及び、鮮明度に基づいて、車両区画線WR、WLの位置の信頼度を推定する形態でも良い。ここで、「鮮明度」とは、路面に対する車両区画線WR、WLの色、反射率等に基づいて、画像における明瞭区分性を示すものである。この場合には、更に正確に車両区画線WR、WLの位置の信頼度を推定することができる。
再び、図14に戻って、運転支援ECU15の機能構成について説明する。情報出力部158(情報出力手段に相当する)は、仮想線推定部155によって推定された仮想区画線VWL、VWR、VWL1、又は、位置補正部157によって補正された仮想区画線VWL2、の位置に基づいて、運転支援情報を出力する機能部である。具体的には、情報出力部158は、白線検出部141によって検出された車両区画線WR、WL、及び、仮想線推定部155によって推定された仮想区画線VWL、VWR、VWL1(又は、位置補正部157によって補正された仮想区画線VWL2)、に基づいて、走行している車線からの逸脱の可能性を判定し、逸脱の可能性が高いと判定された場合に、出力機器3を介して、運転支援情報(ここでは、警報等)を出力する。
図17は、第5実施形態に係る運転支援ECU15の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートでは、便宜上、「車両区画線」を「白線」と記載している。まず、白線検出部151によって、車両VCが走行する車線の右側及び左側に敷設されている車両区画線WR、WLが検出される(S501)。そして、分岐判定部152によって、ステップS501において、両側の車両区画線WR、WLが検出されたか否かの判定が行われる(S503)。少なくとも一方の車両区画線WR、WLが検出されていないと判定された場合(S503でNO)には、情報出力部158による車線からの逸脱の判定が停止され(S505)、処理がステップS501に戻され、ステップS501以降の処理が繰り返し実行される。
両側の車両区画線WR、WLが検出されたと判定された場合(S503でYES)には、分岐判定部152によって、ナビゲーションシステム22から分岐情報が取得される(S507)。そして、分岐判定部152によって、ステップS507において取得された分岐情報に基づいて、車両VCの前方に、分岐箇所が有るか否かが判定される(S509)。分岐箇所が無いと判定された場合(S509でNO)には、情報出力部158によって、ステップS501において検出された車両区画線WL及び車両区画線WRに基づいて車線からの逸脱の可能性が判定され(S511)、処理がステップS517に進められる。
分岐箇所が有ると判定された場合(S509でYES)には、方向推定部154等によって、分岐箇所における車両VCの進行方向を推定する処理である進行方向推定処理が実行される(S513)。そして、仮想線推定部155によって、ステップS513において推定された進行方向に基づいて、車線を逸脱する可能性の判定に用いる仮想的な車両区画線である仮想区画線VWL、VWR、VWL1が生成される(S515)。次いで、信頼度推定部156及び位置補正部157によって、ステップS515において生成された仮想区画線VWL、VWR、VWL1の位置を補正する処理である位置補正処理が実行される(S517)。次に、情報出力部158によって、ステップS501において検出された車両区画線WR、WL、及び、ステップS513において生成された仮想区画線VWL、VWR、VWL1(又は、ステップS515において補正された仮想区画線VWL2)、に基づいて車線からの逸脱の可能性が判定される(S519)。
ステップS511又はステップS519の処理が終了した場合には、情報出力部158によって、車線からの逸脱の可能性が高いか否かの判定が行われる(S521)。車線からの逸脱の可能性が高いと判定された場合(S521でYES)には、情報出力部158によって、警報等が出力され(S523)、処理がステップS501に戻され、ステップS501以降の処理が繰り返し実行される。車線からの逸脱の可能性が高くないと判定された場合(S521でNO)には、処理がステップS501に戻され、ステップS501以降の処理が繰り返し実行される。
図18は、図17のフローチャートのステップS513において実行される進行方向推定処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、操作取得部153によって、ターンシグナル操作情報が取得され、方向指示操作が受け付けられているか否かの判定が行われる(S601)。方向指示操作が受け付けられていないと判定された場合(S601でNO)には、処理がステップS609に進められる。方向指示操作が受け付けられていると判定された場合(S601でYES)には、方向推定部154によって、ステップS601において受け付けられている方向指示操作が、右方向への方向を指示するか否かの判定が行われる(S603)。右方向への方向を指示すると判定された場合(S603でYES)には、方向推定部154によって、車両VCは分岐箇所において右方向へ進むと推定され(S607)、処理が図17に示すステップS515へリターンされる。左方向への方向を指示すると判定された場合(S603でNO)には、方向推定部154によって、車両VCは分岐箇所において左方向へ進むと推定され(S605)、処理が図17に示すステップS515へリターンされる。
ステップS601でNOの場合には、操作取得部153によって、操舵トルク検出センサ23を介して操舵トルクTR情報が取得される(S609)。そして、方向推定部154によって、ステップS609において取得された操舵トルクTRの絶対値が、判定閾値TSH以上であるか否かが判定される(S611)。操舵トルクTRの絶対値が判定閾値TSH未満であると判定された場合(S611でNO)には、処理がステップS601に戻され、ステップS601以降の処理が繰り返し実行される。操舵トルクTRの絶対値が判定閾値TSH以上であると判定された場合(S611でYES)には、方向推定部154によって、ステップS609において取得された操舵トルクTRの正負に基づいて、右方向の操舵に対応する操舵トルクTRであるか否かの判定が行われる(S613)。右方向の操舵に対応する操舵トルクTRであると判定された場合(S613でYES)には、方向推定部154によって、車両VCは分岐箇所において右方向へ進むと推定され(S617)、処理が図17に示すステップS515へリターンされる。左方向の操舵に対応する操舵トルクTRであると判定された場合(S613でNO)には、方向推定部154によって、車両VCは分岐箇所において左方向へ進むと推定され(S615)、処理が図17に示すステップS515へリターンされる。
図19は、図17のフローチャートのステップS517において実行される位置補正処理の一例を示す詳細フローチャートである。まず、仮想線推定部155によって、図17のフローチャートのステップS513において車両VCは右方向へ進むと推定されたか否かの判定が行われる(S701)。左方向へ進むと推定された場合には(S701でNO)には、信頼度推定部156によって、左側の車両区画線WLの種類が判別される(S703)。右方向へ進むと推定された場合には(S701でYES)には、信頼度推定部156によって、右側の車両区画線WRの種類が判別される(S705)。
ステップS703の処理が終了した場合、又は、ステップS705の処理が終了した場合には、信頼度推定部156によって、ステップS703又はステップS705において推定された車両区画線WR(又は、車両区画線WL)の種類に基づいて、車両区画線WR(又は、車両区画線WL)の位置の信頼度が推定される(S707)。そして、位置補正部157によって、ステップS707において推定された信頼度に基づいて、図17のステップS515において生成された仮想区画線VWL1の位置が補正され(S709)、処理が図17に示すステップS519へリターンされる。
このようにして、車両VCの位置情報、及び、地図情報に基づいて、車両VCの前方に、車両VCが走行している道路の分岐箇所が有るか否かが判定されるため、道路の分岐箇所が有る否かを適正に判定することができる。また、道路の分岐箇所が有ると判定された場合に、道路の分岐箇所において、車線を逸脱する旨の警報等の出力に用いる仮想的な車両区画線である仮想区画線VWR、VWL、VWL1が、推定された進行方向ではない分岐路を横断するべく生成されるため、仮想区画線VWR、VWL、VWL1の位置を適正に推定することができる(図15、図16参照)。更に、適正な位置に推定された仮想区画線VWR、VWL、VWL1に基づいて、警報等が出力されるため、適正な警報等を出力することができる。
なお、本発明に係る運転支援装置は、上記実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)第1実施形態においては、運転支援ECU11が、機能的に、白線検出部111、路側物検出部112、白線推定部113、情報出力部114等を備える場合について説明したが、白線検出部111、路側物検出部112、白線推定部113、及び、情報出力部114の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
同様に、第2実施形態においては、運転支援ECU12が、機能的に、白線検出部121、路側物検出部122、距離設定部123、仮想線推定部124、情報出力部125等を備える場合について説明したが、白線検出部121、路側物検出部122、距離設定部123、仮想線推定部124、及び、情報出力部125の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
同様に、第3実施形態においては、運転支援ECU13が、機能的に、白線検出部131、車線判定部132、中央線推定部133、情報出力部134等を備える場合について説明したが、白線検出部131、車線判定部132、中央線推定部133、及び、情報出力部134の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
同様に、第4実施形態においては、運転支援ECU14が、機能的に、白線検出部141、停車帯判定部142、区画線補正部143、情報出力部144等を備える場合について説明したが、白線検出部141、停車帯判定部142、区画線補正部143、及び、情報出力部144の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
同様に、第5実施形態においては、運転支援ECU15が、機能的に、白線検出部151、分岐判定部152、操作取得部153、方向推定部154、仮想線推定部155、信頼度推定部156、位置補正部157、情報出力部158等を備える場合について説明したが、白線検出部151、分岐判定部152、操作取得部153、方向推定部154、仮想線推定部155、信頼度推定部156、位置補正部157、及び、情報出力部158の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
(B)第1実施形態〜第5実施形態においては、運転支援ECU1(=運転支援ECU11〜15)が、走行している車線からの逸脱を防止するための運転支援情報を出力する場合について説明したが、運転支援ECU1が、その他の運転支援情報を出力する形態でも良い。例えば、運転支援ECU1が、車線変更(又は、追い越し)を支援する運転支援情報を出力する形態でも良い。
(C)第1実施形態〜第5実施形態においては、運転支援ECU1(=運転支援ECU11〜15)が、CCDカメラ21からの画像情報に基づいて、車両区画線、路側物等を検出する場合について説明したが、運転支援ECU1が、その他の方法で、車両区画線、路側物等を検出する形態でも良い。例えば、運転支援ECU1が、レーダ装置を介して路側物等を検出する形態でも良い。また、例えば、運転支援ECU1が、他の方式のカメラ(例えば、CMOSカメラ)からの画像情報に基づいて、車両区画線、路側物等を検出する形態でも良い。