JP5345356B2 - 光学部品および熱可塑性樹脂 - Google Patents
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Description
[2] ガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする[1]に記載の光学部品。
[3] 波長405nmにおいて厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の光学部品。
[4] 波長589nmにおける屈折率が1.60以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学部品。
[5] 波長589nmにおいて厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の成形体。
[6] 最大厚みが0.1mm以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光学部品。
[7] レンズ基材であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光学部品。
[9] ガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする[8]に記載の熱可塑性樹脂。
[10] 波長405nmにおいて厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする[8]または[9]に記載の熱可塑性樹脂。
[11] 波長589nmにおける屈折率が1.60以上であることを特徴とする[8]〜[10]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂。
(一般式(1)で表される繰り返し単位)
本発明の光学部品は、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂を含む。該熱可塑性樹脂は、ビニルモノマーの重合により得ることができるビニルポリマーである。
本発明の熱可塑性樹脂は、一般式(1)で表される繰り返し単位を形成しうるモノマーと、その他のモノマーとを共重合したものであってもよい。共重合可能な他の種類のモノマーとしては、例えばPolymer Handbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience (1975) Chapter 2 Page 1〜483に記載のものを用いることができる。
以下に、本発明の熱可塑性樹脂の好ましい具体例を挙げるが、本発明で用いることができる熱可塑性樹脂はこれらに限定されるものではない。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂の数平均分子量は1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜300,000であることがさらに好ましく、10,000〜100,000であることが特に好ましい。前記熱可塑性樹脂(1)の数平均分子量を500,000以下とすることにより、成形加工性が向上する傾向にあり、1,000以上とすることにより力学強度が向上する傾向にある。
(材料組成)
一般式(1)で表される繰り返し単位を有する本発明の熱可塑性樹脂を用いて光学部品を製造することができる。光学部品の製造に際しては、本発明の熱可塑性樹脂のみを材料として用いてもよいし、他の材料と混合して用いてもよい。他の材料と混合する場合は、例えば特開2002−241612号公報、特開2005−298717号公報、2006−70069号公報等に記載の無機微粒子を好ましく用いることができる。また、必要に応じて、分散剤、可塑剤、離型剤、帯電防止剤、表面処理剤、ワックス、紫外線吸収剤、劣化防止剤等の添加剤を用いることもできる。レンズなどの光学部品を製造する際に用いる材料組成物中における本発明の熱可塑性樹脂の割合は、20〜100重量%であることが好ましく、30〜100重量%であることがより好ましく、40〜100重量%であることがさらに好ましい。
本発明の光学部品は、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する本発明の熱可塑性樹脂を含む組成物を溶融するか、溶媒に溶解して成形することにより製造することができる。成形に際しては、キャスト成形法を採用したり、樹脂組成物の溶液を濃縮、凍結乾燥、あるいは適当な貧溶媒から再沈澱させる等の手法により溶剤を除去した後、粉体化した固形分を射出成形、圧縮成形等の公知の手法によって成形する方法を採用したりすることができる。後者の方法を採用する場合は、いったん押し出し法などの手法で、一定の重さ、形状を有するプリフォーム(前駆体)を作成した後、該プリフォームを圧縮成形で変形させてレンズ等の光学部品を作成することが可能である。この場合は、目的の形状を効率的に作成するために、プリフォームに適当な曲率をもたせることもできる。本発明の熱可塑性樹脂を用いれば、比較的容易に加工することができるうえ、加熱中に着色しにくいため成形品に色がつきにくいという利点がある。
上記の方法により成形した成形体は、高屈折率で、透明性、耐熱性に優れている。このため光学部品として有用である。本発明の光学部品の種類は、特に制限されない。特に、有機無機複合組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)として好適に利用することができる。かかる光学部品を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
本発明における「レンズ基材」とは、レンズ機能を発揮することができる単一部材を意味する。レンズ基材の表面や周囲には、レンズの使用環境や用途に応じて膜や部材を設けることができる。例えば、レンズ基材の表面には、保護膜、反射防止膜、ハードコート膜等を形成することができる。また、レンズ基材の周囲を基材保持枠などに嵌入して固定することもできる。ただし、これらの膜や枠などは、本発明でいうレンズ基材に付加される部材であり、本発明でいうレンズ基材そのものとは区別される。
(1)数平均分子量
「TSKgel GMHxL」、「TSKgel G4000HxL」、「TSKgel G2000HxL」(何れも、東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒としてテトラハイドロフランを用いて測定した。分子量は、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
DSC(セイコー(株)製、DSC6200)を用いて窒素中にて昇温温度10℃/分で測定した。
(3)屈折率測定
波長589nmの光を用いて、アッベ屈折計(アタゴ社製DR−M4)により23℃で測定した。
(4)光線透過率測定
405nmと589nmの光を用いて紫外可視吸収スペクトル測定用装置UV−3100(島津製作所製)により測定した。
単量体M−13の合成
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール15.0g(66mmol)とトリエチルアミン8.4g(83mmol)を酢酸エチル100mlに溶解し、内温5℃以下でメタクリル酸クロライド8.3g(79mmol)を滴下した。滴下終了後、室温でさらに3時間反応させた後、水を5ml添加し反応を停止した。酢酸エチルで抽出、水洗したのち、濃縮乾固することにより固体を得た。この固体をメタノールで再結晶して、M−13の白色粉末を得た(収率70%)。
実施例で用いた他の単量体についても同様にして合成した。
M−13(5.0g)を酢酸エチル5.0gに溶解し、アゾ系開始剤(和光純薬(株)製、商品名V−601)を5.0mg添加した。反応系を窒素置換した後、油浴温度80℃で6時間反応させることにより固化させた。多量の酢酸エチルで固形分を炊き洗いし、濾過、乾燥して樹脂P−1を得た。樹脂P−1の数平均分子量は50,000、重量平均分子量は132,000、ガラス転移温度は146℃であった。
実施例で用いた他の樹脂についても同様にして合成した。
表1に記載される各樹脂の数平均分子量とガラス転移温度を上記方法により測定し、結果を表1に記載した。次いで、各樹脂の粉末を加熱した金型に投入し、圧力1tで圧縮成形し、直径8mm、厚さ1mmのレンズ用成形体を作成した。溶融粘度が低い場合には溶融成形も可能であり、外形20mmの試験管に樹脂粉末を投入し、加熱溶融後、冷却してレンズ用成形体を得た。成形時の温度は表1に記載した。成形体を切削、研磨し、屈折率と光線透過率を測定した。これらの結果は以下の表1に記載した。その後、レンズ用成形体をレンズの形状に成形して、光学部品であるレンズを得た。
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂を含み、
波長589nmにおける屈折率が1.60以上であることを特徴とする光学部品。
- 前記一般式(1)におけるmとnの組み合わせが、m=0およびn=0であるか、m=0およびn=1であるか、m=1およびn=1であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
- ガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学部品。
- 波長405nmにおいて厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部品。
- 波長589nmにおいて厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形体。
- 最大厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学部品。
- レンズ基材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学部品。
- 前記一般式(2)におけるm1とn1の組み合わせが、m1=0およびn1=0であるか、m1=0およびn1=1であるか、m1=1およびn1=1であることを特徴とする請求項8に記載の熱可塑性樹脂。
- ガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする請求項8または9に記載の熱可塑性樹脂。
- 波長405nmにおいて厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂。
- 波長589nmにおける屈折率が1.60以上であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂。
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