JP6118747B2 - 硬化性組成物、光学部品、および、化合物 - Google Patents

硬化性組成物、光学部品、および、化合物 Download PDF

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Description

本発明は、透明で屈折率の高い硬化物を得ることが可能な硬化性組成物、光学部品、および化合物に関する。
カメラ、ビデオカメラ、カメラ付携帯電話、テレビ電話、カメラ付ドアホンなどには、撮像モジュールが用いられている。近年、撮像モジュールに用いられる光学部品では、特に小型化が求められている。光学部品を小型化していくと光学系の色収差が大きな問題となってくる。
光学部品の材料としては、ガラス材料が用いられているが、ガラス材料は加工性が悪いという問題があった。これに対し、樹脂は、ガラス材料に比べて安価であると共に加工性に優れている。このため、近年では、樹脂を光学部品などに用いる試みがなされている。
また、近年、透明タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、ディスプレイ、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、および有機薄膜トランジスタ(TFT)等の電子デバイスを開発する際に、高機能な有機材料が要求されるようになってきた。
例えば、タッチパネルの方式としては、抵抗膜方式、光学方式、静電容量方式、超音波方式、圧力方式、電磁波誘導方式、画像認識方式、振動検出方式などに分けられる。
液晶などの表示装置上に配置されるタッチパネルとしての具体的としては、抵抗膜方式や静電容量方式があり、抵抗膜方式は押圧された位置を電圧によって検知する方式であり、抵抗膜方式は押圧することによって起きる静電容量の変化を捉えて位置を検出するものである。
例えば、静電容量方式は、特許文献1〜3などが開示され、抵触した位置の誤認識を防ぐ為にその積層構造の中に絶縁膜や保護膜を設けることが行われている。
静電容量方式は、抵触した位置の誤認識を防ぐ為にその積層構造の中に絶縁膜や保護膜を設けることが行われている。
しかしながら、ITOなどの透明電極パターンなどの他の層の表面に、硬化性組成物を塗布して絶縁膜や保護膜などを形成すると、屈折率差が大きくなるため、ITOパターンが見えやすくなってしまい、液晶表示画面の視認性が大きく低下するという不具合が存在する。このため、屈折率の高い膜を形成可能な硬化性組成物が求められている。
このように、近年において、屈折率の高い硬化物を形成可能な硬化性組成物が求められている。
特許文献4、5には、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートや、9,9−ビスナフチルフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートを含む組成物を、光学部品などに用いることが記載されている。
特許文献6には、脂環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーと非共役ビニリデン基含有化合物を含む組成物を、光学部品などに用いることが記載されている。
特開2008−65748号公報 特開2009−15489号公報 特開2010−44453号公報 特開2011−68624号公報 特開2014−12826号公報 特開2012−107191号公報
本願発明者が特許文献4および特許文献5を検討したところ、これらの文献に開示された化合物は溶媒への溶解性(以下、溶媒溶解性ともいう)が不十分であることが分かった。
本発明の目的は、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れる硬化性組成物を提供することにある。また、かかる硬化性組成物を用いた光学部品、および、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れる化合物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、後述する下記一般式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物は、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れることを見出し、上記課題を解決するに至った。具体的には、以下の解決手段<1>により、好ましくは、<2>〜<16>により、上記課題は解決された。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物と、
熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤から選ばれる少なくとも1種と、
を含有する硬化性組成物;
Figure 0006118747
一般式(1)中、Ar1はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、
Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、bが2以上の場合はR2同士、または、cが2以上の場合はR3同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、
Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、
a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
<2> 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2A)または下記一般式(2B)で表される化合物である、<1>に記載の硬化性組成物;
Figure 0006118747
一般式(2A)および(2B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、または、bが2以上の場合はR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、
Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、
a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
<3> 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3A)または(3B)で表される化合物である、<1>に記載の硬化性組成物;
Figure 0006118747
一般式(3A)および(3B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、または、bが2以上の場合はR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、
Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、
a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
<4> 一般式(1)において、Ar1はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、
Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2以上の場合はR1同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2以上の場合はR2同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
3は、アルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、アルキレン基およびアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す、<1>に記載の硬化性組成物。
<5> 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である、<1>に記載の硬化性組成物;
Figure 0006118747
一般式(4)中、Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、5員複素環または6員複素環を表し、
Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
<6> 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(5A)または下記一般式(5B)で表される化合物である、<1>に記載の硬化性組成物;
Figure 0006118747
一般式(5A)および(5B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
<7> 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(6A)または(6B)で表される化合物である、<1>に記載の硬化性組成物;
Figure 0006118747
一般式(6A)および(6B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
<8> 一般式(1)、一般式(2A)、一般式(2B)、一般式(3A)、一般式(3B)、一般式(4)、一般式(5A)、一般式(5B)、一般式(6A)および一般式(6B)において、Xが硫黄原子である、<1>〜<7>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<9> 熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤を含有する<1>〜<8>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<10> さらに単官能(メタ)アクリレートモノマーを、前記一般式(1)で表される化合物に対して10〜200質量%の割合で含有する<1>〜<9>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<11> コーティング組成物用である、<1>〜<10>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<12> <1>〜<11>のいずれかに記載の硬化性組成物を用いた光学部品。
<13> 下記一般式(4)で表される化合物;
Figure 0006118747
一般式(4)中、Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、5員複素環または6員複素環を表し、
Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
<14> 一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(5A)または下記一般式(5B)で表される化合物である、<13>に記載の化合物;
Figure 0006118747
一般式(5A)および(5B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
<15> 一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(6A)または(6B)で表される化合物である、<13>に記載の化合物;
Figure 0006118747
一般式(6A)および(6B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
<16> 一般式(4)、一般式(5A)、一般式(5B)、一般式(6A)および一般式(6B)において、Xが硫黄原子である、<13>〜<15>のいずれかに記載の化合物。
<17> 一般式(4)で表される化合物が、下記化合物1〜4から選ばれる少なくとも1種である<13>〜<16>のいずれかに記載の化合物。
Figure 0006118747
本発明によれば、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れる硬化性組成物の提供が可能となった。また、かかる硬化性組成物を用いた光学部品、および、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れる化合物の提供が可能となった。
合成例1の1H−NMRデータを示す図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味するものとする。また、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を意味するものとする。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明においては、各一般式の説明において特に区別されずに用いられている場合における水素原子は同位体(重水素原子等)も含んでいることを表す。さらに、置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、一般式(1)で表される化合物と、熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤から選ばれる少なくとも1種と、を含有することを特徴とする。
このような構成により、本発明の硬化性組成物は、溶媒溶解性が良好で、屈折率の高い硬化物を製造することができる。このような効果が得られる理由は、詳細は定かではないが、アリール基やヘテロアリール基に、ベンゾチアゾール基やベンゾオキサゾール基が連結した構造は、屈折率を向上できる構造であると推測される。そして、アリール基やヘテロアリール基の両側にベンゾチアゾール基やベンゾオキサゾール基を導入することにより、芳香族環密度が高まり、屈折率が効率よく向上したものと考えられる。また、芳香族環密度を高めたことにより、結晶性が低下して溶媒溶解性が向上したものと推測される。
<<一般式(1)で表される化合物>>
まず、一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 0006118747
一般式(1)中、Ar1はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、R1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、bが2以上の場合はR2同士、または、cが2以上の場合はR3同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
一般式(1)のAr1は、アリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。
アリーレン基としては、炭素数6〜30のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜20のアリーレン基がより好ましく、炭素数6〜14のアリーレン基が特に好ましい。
具体的には、フェニレン基、ナフチレン基が好ましい。
ヘテロアリーレン基としては、5員複素環、6員複素環が好ましい。5員複素環としては、オキソール環、チオール環、アゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環などが挙げられる。6員複素環としては、トリアジン環、ピラジン環、ピリジン環などが挙げられる。
Ar1は、アリーレン基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基が特に好ましい。Ar1を、フェニレン基、または、ナフチレン基とすることにより、着色などがなく、無色透明で、屈折率の高い硬化物が得られやすくなる。
一般式(1)のXは、酸素原子または硫黄原子を表し、硫黄原子がより好ましい。Xを硫黄原子とすることにより、よりクラックが生じにくい硬化物が得られやすくなる。
1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基である。−L−Aで表される基の数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
−L−Aで表される基において、Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基である。
連結基としては、炭素数1〜10のアルキレン基、および、炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NR−(Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、メチル基または水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい)から選ばれる1種以上を有する基などが挙げられる。なお、炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NR−から選ばれる1種以上を有する基としては、2以上のアルキレン基が、−O−、−S−、−CO−およびアミド結合から選ばれる1種以上を介して構成された基のことである。
重合性基としては、光照射または加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。例えば、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基)で表される基、エチレン性不飽和結合を有する基、ブロックイソシアネート基、アルコキシメチル基、メチロール基、アミノ基などが挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アリルオキシカルボニル基、メタリルオキシカルボニル基などが挙げられる。重合性基としては、エポキシ基、または、エチレン性不飽和結合を有する基が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基が特に好ましい。
1〜R3が表す置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基などを挙げることができる。
アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が最も好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれもよく、直鎖が好ましい。アルキル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよいが、無置換が好ましい。
アルケニル基としては、炭素数1〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜20のアルケニル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルケニル基が特に好ましく、炭素数1〜5のアルケニル基が最も好ましい。アルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれもよく、直鎖が好ましい。アルケニル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよいが、無置換が好ましい。
ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基が特に好ましく、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基が一層好ましい。ヒドロキシアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれもよく、直鎖が好ましい。ヒドロキシアルキル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよいが、無置換が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜20のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基が特に好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基が最も好ましい。アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれもよく、直鎖が好ましい。アルコキシ基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよいが、無置換が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数6〜14のアリール基が更に好ましく、フェニル基またはナフチル基が特に好ましい。
ヘテロアリール基は、5員複素環、6員複素環が好ましい。
一般式(1)において、R1とR3、R2とR3、R1とR2、R1同士、R2同士、または、R3同士は、互いに連結して環を形成していてもよい。これらが連結して形成する環としては、特に限定はない。例えば、脂環(非芳香性の炭化水素環)、芳香環、複素環、ラクトン環などを挙げることができる。具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、γ―ブチロラクトン環、γ―ブチロラクタム環、シクロヘキサン環、カーボネート環などが挙げられる。
一般式(1)において、a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
aは、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が特に好ましい。
bは、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が特に好ましい。
cは、0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2A)または下記一般式(2B)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006118747
一般式(2A)および(2B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、または、bが2以上の場合はR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
一般式(2A)および一般式(2B)におけるXは、酸素原子または硫黄原子を表し、硫黄原子が好ましい。
一般式(2A)および一般式(2B)におけるR1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基である。−L−Aで表される基の数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が最も好ましい。
1〜R3が表す置換基は、一般式(1)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1〜R3が表す−L−Aで表される基は、一般式(1)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2A)および一般式(2B)において、R1とR3、R2とR3、R1とR2、R1同士、または、R2同士は、互いに連結して環を形成していてもよい。これらが連結して形成する環としては、一般式(1)で説明したものと同様である。
一般式(2)において、a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。好ましい範囲は、一般式(1)のa〜cと同様である。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(3A)または下記一般式(3B)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(3B)で表される化合物であることがより好ましい。この態様によれば、結晶性が低くなり、溶媒溶解性をより向上できる。更には、屈折率のより高い硬化物を得ることが可能な硬化性組成物とすることができる。
Figure 0006118747
一般式(3A)および(3B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、または、bが2以上の場合はR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
一般式(3A)および一般式(3B)におけるXは、酸素原子または硫黄原子を表し、硫黄原子が好ましい。
一般式(3A)および一般式(3B)におけるR1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基である。−L−Aで表される基の数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が最も好ましい。
1〜R3が表す置換基は、一般式(1)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1〜R3が表す−L−Aで表される基は、一般式(1)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(3A)および一般式(3B)において、R1とR3、R2とR3、R1とR2、R1同士、または、R2同士は、互いに連結して環を形成していてもよい。これらが連結して形成する環としては、一般式(1)で説明したものと同様である。
一般式(3)において、a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。好ましい範囲は、一般式(1)のa〜cと同様である。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。下記一般式(4)で表される化合物は、本発明の化合物でもある。
Figure 0006118747
一般式(4)中、Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、5員複素環または6員複素環を表し、Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、R13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、R11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
一般式(4)において、Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、5員複素環または6員複素環を表す。
5員複素環としては、オキソール環、チオール環、アゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環などが挙げられる。6員複素環としては、トリアジン環、ピラジン環、ピリジン環などが挙げられる。
一般式(4)のXは、酸素原子または硫黄原子を表し、硫黄原子がより好ましい。
11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよい。R11およびR12は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよいが、無置換が好ましい。
13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表す。R13は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよいが、無置換が好ましい。
−L−Aで表される基において、Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表す。Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表す。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、アリルオキシカルボニル基、メタリルオキシカルボニル基などが挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基が特に好ましい。
一般式(4)において、−L−Aで表される基の数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が最も好ましい。
一般式(4)において、a〜cは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(5A)または下記一般式(5B)で表される化合物であることが好ましい。下記一般式(5A)または下記一般式(5B)で表される化合物は、本発明の化合物でもある。
Figure 0006118747
一般式(5A)および(5B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、R13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、R11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
一般式(5A)および一般式(5B)におけるXは、酸素原子または硫黄原子を表し、硫黄原子が好ましい。
一般式(5A)および一般式(5B)におけるR11〜R13は、一般式(4)におけるR11〜R13と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(5A)および一般式(5B)において、a〜cは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(6A)または下記一般式(6B)で表される化合物であることが好ましい。下記一般式(6A)または下記一般式(6B)で表される化合物は、本発明の化合物でもある。
Figure 0006118747
一般式(6A)および(6B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、R13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、R11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
一般式(6A)および一般式(6B)におけるXは、酸素原子または硫黄原子を表し、硫黄原子が好ましい。
一般式(6A)および一般式(6B)におけるR11〜R13は、一般式(4)におけるR11〜R13と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(6A)および一般式(6B)において、a〜cは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
以下において、本発明に好ましく用いられる一般式(1)で表される化合物の具体例を列挙するが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。また、以下の具体例に示す化合物は、本発明の化合物でもある。なお、以下の式中Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 0006118747
Figure 0006118747
Figure 0006118747
Figure 0006118747
Figure 0006118747
一般式(1)で表される化合物は、上記(1−6)〜(1−36)が好ましく、(1−8)〜(1−36)がより好ましく、(1−8)〜(1−11)が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物における一般式(1)で表される化合物の含有量は、用途により異なるが、例えば、硬化性組成物の全固形分に対して10〜99質量%が好ましく、15〜99質量%がより好ましく、20〜99質量%がさらに好ましく、30〜99質量%が特に好ましい。
<<熱ラジカル重合開始剤/光ラジカル重合開始剤>>
本発明の硬化性組成物は、熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤から選ばれる少なくとも1種を含む。本発明では、熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤から選ばれる少なくとも1種を含むことにより、屈折率の高い硬化物を成形性よく、容易に製造することができる。
<<<光ラジカル重合開始剤>>>
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。例えば、以下の化合物を用いることができる。ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルベンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1−フェニル2−ヒドロキシ−2メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1,2−ジフェニルエタンジオン、メチルフェニルグリオキシレート、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド。なかでも、本発明では、光ラジカル重合開始剤としてBASF社製、イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを好ましく用いることができる。
光ラジカル重合開始剤の含有量は、特に制限はないが、一般式(1)で表される化合物の質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
<<<熱ラジカル重合開始剤>>>
熱ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の熱ラジカル重合開始剤を用いることができる。例えば、以下の化合物を用いることができる。1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン。
本発明では、熱ラジカル重合開始剤としては、分子内にヒドロペルオキシド基を有するヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤が好ましく、更には、分子内にヒドロペルオキシド基を有するヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤、および分子内にヒドロペルオキシド基を有さない非ヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤を少なくとも1種ずつ用いることがより好ましい。
また、本発明では、熱ラジカル重合開始剤としては、非ヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤として日本油脂株式会社製、パーブチルO(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)およびヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤として日本油脂株式会社製、パークミル H(クメンヒドロペルオキシド)を好ましく用いることができる。
熱ラジカル重合開始剤として、分子内にヒドロペルオキシド基を有するヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい理由として、ヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤が非共役ビニリデン基含有化合物モノマーの重合中の連鎖移動を促進する効果があり、3次元構造のコントロール性がより向上し、半硬化物の変形性を付与することができるためである。また、ヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤は、熱ラジカル重合開始する温度が一般に高いため、熱重合開始温度の低い非ヒドロペルオキシド系熱ラジカル重合開始剤を併用することがより好ましい。
熱ラジカル重合開始剤の含有量は、特に制限はないが、一般式(1)で表される化合物の質量に対して、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜4.0質量%がより好ましく、0.3〜3.0質量%が特に好ましい。
<<<単官能(メタ)アクリレートモノマー>>>
本発明の硬化性組成物は、一般式(1)の化合物以外のモノマーとして、単官能(メタ)アクリレートモノマーを含んでもよい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば以下の化合物を用いることができる。1−アダマンチル(メタ)アクリレートなどのアダマンチル(メタ)アクリレート類、イソボロニル(メタ)アクリレートなどのノルボルニル(メタ)アクリレート類、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−イルアクリレートなどのトリシクロデカン(メタ)アクリレート類、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロヘンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート。
本発明の硬化性組成物は、単官能(メタ)アクリレートモノマーの中でも、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。
芳香環を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば以下の化合物を用いることが好ましい。ベンジル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、EOクレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、O−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、O−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート。
その中でもベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、O−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、O−フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレートがより好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましく、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートがより特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、単官能(メタ)アクリレートモノマーを含有しなくてもよいが、光学部品の形成に用いる場合は、単官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーは、本発明の組成物に含まれる場合、一般式(1)で表される化合物の質量に対して10〜200質量%が好ましく、20〜160質量%がより好ましい。
<<<<非共役ビニリデン基含有化合物>>>>
本発明の硬化性組成物は、非共役ビニリデン基含有化合物を含有してもよい。本発明において、非共役ビニリデン基含有化合物は、硬化性組成物が硬化する際の硬化速度を調整することができ、硬化物の厚みをより均一にすることができる。これにより、硬化物の耐熱性および良品率を高めることができる。
非共役ビニリデン基含有化合物としては、特開2012−107191号公報の段落番号0016〜0034に記載の化合物を用いることができる。本明細書には、この内容が組み込まれることとする。
本発明の硬化性組成物において、非共役ビニリデン基含有化合物は含有しなくてもよいが、非共役ビニリデン基含有化合物を含有する場合は、硬化性組成物の全固形分に対して0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
<<<重合性基を側鎖に有する重合体>>>
本発明の硬化性組成物は、重合性基を側鎖に有する重合体を更に含有してもよい。これによれば、硬化性組成物の粘度を調整できる。重合性基を側鎖に有する重合体は、1種類の単量体を単独重合させた重合体であっても、2種類以上の単量体を共重合した共重合体であってもよい。共重合体の場合は少なくとも一方の単量体が重合性基を側鎖に有していればよい。
以下において、重合性基を側鎖に有する重合体の具体例を列挙する。なお、Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素またはアルキル基を表す。
Figure 0006118747
重合性基を側鎖に有する重合体の分子量は、1000〜10000000であることが好ましく、5000〜300000であることがより好ましく、10000〜200000であることが特に好ましい。
重合性基を側鎖に有する重合体のガラス転移温度(以下、Tgとも言う)は、50〜400℃であることが好ましく、70〜350℃であることがより好ましく、100〜300℃であることが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物において、重合性基を側鎖に有する重合体は含有しなくてもよいが、重合性基を側鎖に有する重合体を含有する場合は、硬化性組成物の全固形分に対して1〜90質量%が好ましく、2〜80質量%がより好ましく、5〜60質量%が特に好ましい。
<<<溶剤>>>
本発明の硬化性組成物は、溶剤を含有してもよい。溶剤は、上述した一般式(1)で表わされる化合物など、硬化性組成物の各成分との相溶性を損なわなければ特に限定されず、1種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
溶剤の具体例としては、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシ−2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノーマルプロ ピル、酢酸イソブチル、酢酸ノーマルブチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N− ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
溶剤の含有量は特に限定はない。保存安定性に影響を与えない範囲であればよく、用途により適宜調整できる。例えば、硬化性組成物の固形分濃度は、0.01〜98質量%に調整することが好ましく、0.1〜95質量%がより好ましくい。
<<<その他の添加剤>>>
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、熱安定剤、離型剤等を含んでいてもよい。その他添加剤は、用途により適宜選択することができる。
<<<<界面活性剤>>>>
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類;ソルビタンモノラウ レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等 のソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂 肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製(旧(株)ジェムコ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30、F−553、F−554(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、BYK−302、BYK−307、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−333、BYK−370、BYK−375、BYK−378(ビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
界面活性剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤は含有しなくてもよいが、界面活性剤を含有する場合は、界面活性剤の含有量は、一般式(1)で表わされる化合物の質量に対して0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
<<<<架橋剤>>>>
本発明の硬化性組成物は、架橋剤を含有してもよい。
架橋剤としては、一般式(1)で表わされる化合物と反応し得る置換基を有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ビニル化合物、アリル化合物、および、(メタ)アクリロイル基を一分子中2個以上有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。反応性の観点から(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
一分子中に2個以上の(メタ)アクリロリル基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ 化グリセリントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エトキシ化 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリグリセリンモノエチレンオキサイドポリアクリレート、ポリグリセリンポリエチレングリコールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチル グリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、市販品として入手が可能であり、その具体例としては、NKエステルA−200、同A−400、同A−600、同A−1000、同A−TMPT、同UA−53H、同1G、同2G、同3G、同4G、同9G、同14G、同23G、同ABE−300、同A−BPE−4、同 A−BPE−6、同A−BPE−10、同A−BPE−20、同A−BPE−30、同BPE−80N、同BPE−100N、同BPE−200、同BPE−500、同BPE−900、同BPE−1300N、同A−GLY−3E、同A−GLY−9E、同A−GLY−20E、同A−TMPT−3EO、同 A−TMPT−9EO、同ATM−4E、同ATM−35E(以上、新中村化学工業(株)製)、KAYARAD(登録商標)DPEA−12、同PEG400DA、同THE−330、同RP−1040(以上、日本化薬(株)製)、M−210、M−350(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD(登録商標)DPHA、同NPGDA、同PET30(以上、日本化薬(株)製)、NKエステルA−DPH、同A−TMPT、同A−DCP、同A−HD−N、同TMPT、同DCP、同NPG、同HD−N(以上、新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
架橋剤は含有しなくてもよいが、架橋剤を含有する場合は、架橋剤の含有量は、一般式(1)で表わされる化合物の質量に対して0.0001〜20質量%が好ましく、0.001〜15質量%がより好ましい。
<硬化性組成物の調製方法>
本発明の硬化性組成物は、上述した各成分を混合して調製できる。
<硬化性組成物の用途>
本発明の硬化性組成物は、屈折率の高い硬化物を形成できるため、光学部品の形成用の硬化性組成物や、コーティング組成物として好ましく用いることができる。
光学部品としては、特に制限されない。発明の硬化性組成物は、屈折率の高く、更には透明性の高い硬化物を形成できるので、レンズなど、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)の形成用として好適に用いることができる。
コーティング組成物の用途としては、例えば、特に光を透過する用途の膜形成に好ましく用いることができる。例えば、透明タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜トランジスタ(TFT)などの電子デバイスを作製する際の一部材として好適に利用できる。特に高屈折率が求められている固体撮像素子の部材である、フォトダイオード上の埋め込み膜および平坦化膜、カラーフィルター前後の平坦化膜、マイクロレンズ、マイクロレンズ上の平坦化膜、コンフォーマル膜、および透明タッチパネルの部材である絶縁膜、保護膜として好適に利用できる。
<<光学部品の形成用の硬化性組成物>>
本発明の硬化性組成物を、光学部品の形成用の硬化性組成物として用いる場合は、一般式(1)で表される化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して20〜98質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤を含有する場合、光ラジカル重合開始剤の含有量は、一般式(1)で表される化合物の質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
熱ラジカル重合開始剤を含有する場合、熱ラジカル重合開始剤の含有量は、一般式(1)で表される化合物の質量に対して、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜4.0質量%がより好ましく、0.3〜3.0質量%が特に好ましい。
固形分濃度は、20〜99質量%が好ましく、40〜99質量%がより好ましい。
また、単官能(メタ)アクリレートモノマー、非共役ビニリデン基含有化合物、重合性基を側鎖に有する重合体などを含有させることもできる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する場合、単官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、一般式(1)で表される化合物の質量に対して10〜200質量%が好ましく、20〜160質量%がより好ましい。
非共役ビニリデン基含有化合物を含有する場合、非共役ビニリデン基含有化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
重合性基を側鎖に有する重合体を含有する場合、重合性基を側鎖に有する重合体の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して1〜90質量%が好ましく、2〜80質量%がより好ましく、5〜60質量%が特に好ましい。
また、その他添加剤として、架橋剤、分散剤、可塑剤、熱安定剤、離型剤等を更に含んでいてもよい。
<<コーティング組成物>>
本発明の硬化性組成物を、コーティング組成物として用いる場合は、一般式(1)で表される化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して70〜99質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤を含有する場合、光ラジカル重合開始剤の含有量は、一般式(1)で表される化合物の質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.05〜2質量%が特に好ましい。
熱ラジカル重合開始剤を含有する場合、熱ラジカル重合開始剤の含有量は、一般式(1)で表される化合物の質量に対して、0.01〜8質量%が好ましく、0.1〜6質量%がより好ましく、0.3〜5質量%が特に好ましい。
固形分濃度は、0.1〜98質量%が好ましく、0.1〜95質量%がより好ましい。
また、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤等を更に含んでいてもよい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、一般式(1)で表される化合物の質量に対して0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
<硬化物の製造方法>
本発明の硬化性組成物は、光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って硬化することにより、硬化物とすることができる。
硬化物の製造方法は、用途により異なる。例えば、成形型を用いて所望の形状に成形された硬化物を製造することができる。また、本発明の硬化性組成物を基材に塗布し、その後、光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って、膜状の硬化物を製造することができる。
<<成形型を用いて硬化物を製造する方法>>
成形型を用いて硬化物を製造する場合、硬化性組成物を成形型に注入し、光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って硬化物を製造することができる。硬化物の製造は、硬化性組成物を成形型に注入し、一気に硬化させて得ることができるが、硬化性組成物を成形型に注入し、半硬化物を製造した後、成形型から半硬化物を取り出し、半硬化物を別の成形型に移して照射および加熱のうち少なくとも一方を行って硬化物を製造することが好ましい。
ここで、「半硬化物」とは、硬化性組成物を重合したものであり、完全に固体となっておらず、ある程度流動性を有する状態の物を意味する。例えば、25℃、周波数10Hzにおける複素粘度が105〜108mPa・sの状態の硬化性組成物の光および/または加熱重合体は、半硬化物である。特に、25℃、周波数10Hzにおける複素粘度の上限値として1.0×109mPa・sの物までを半硬化物と考えることが好ましい。一方、「硬化物」とは、硬化性組成物を重合したものであり、完全に固体となっている状態の物を意味する。
以下、好ましい態様を参照しつつ具体的に説明する。なお、半硬化工程と、硬化工程の、両者に共通する好ましい態様については、半硬化工程の欄に記載する。
<<<半硬化工程>>>
半硬化工程は、本発明の硬化性組成物に対して光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って、25℃、周波数10Hzにおける複素粘度が105〜108mPa・sの半硬化物を形成することが好ましい。中でも、本発明の硬化性組成物に対して光照射を行って、上記半硬化物を形成することが好ましい。硬化性組成物に対して光照射して半硬化物を形成する場合は、本発明の硬化性組成物は、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
半硬化工程では、後述する硬化工程で用いる成形型と同じ成形型で半硬化物を製造してもよい。また、後述する硬硬化工程で用いる成形型とは、異なる成形型で半硬化物を製造してもよい。
ここで、硬化物の製造に用いる成形型は、一般に2つの成形型を組み合わせて内容物に加圧しながら加熱することができるようになっており、成形型に低粘度の組成物を注入すると、成形型クリアランスへの漏れの原因となる。そのため、硬化物の製造方法の一つの好ましい態様では、重合性基を側鎖に有する重合体を硬化性組成物に添加して硬化性組成物の粘度を調整し、一つの成形型内で、半硬化工程と、後述する硬化工程を行ってもよい。この態様は、製造性の観点から好ましい。
また、硬化物の製造方法の別の一つの好ましい態様では、半硬化物を製造する成形型と、硬化物を製造する成形型とを別個に用意し、半硬化物を製造した成形型から半硬化物を取り出した後、硬化物の成形用の成形型に半硬化物を移して、後述する硬化工程を行って硬化物を製造してもよい。この態様によれば、硬化性組成物に重合性基を側鎖に有する重合体等を添加して粘度調整する手間を省くことができるので、材料コストを低下させる観点からは好ましい。
なお、半硬化物の製造用の成形型として、硬化物の成形用の成形型とは異なる成形型を用いる場合は、いわゆるプリフォーム用の型を用いることが好ましい。プリフォーム用の型は、金属製であってもよいし、ガラス製、樹脂製であってもよい。量産過程で繰り返し使用することを考慮すれば、プリフォーム用の型は、金属製またはガラス製であることが好ましい。また、硬化物をレンズとして用いる場合は、プリフォーム用の型の少なくとも一方の面には、成形型と同じ/または近い形状を有していることが好ましく、両面に成形型形状に同じ/または近い形状を有していることがより好ましい。
<<<光照射の条件>>>
半硬化工程における光照射の好ましい条件について、以下説明する。
光照射は、光照射後の半硬化物の25℃、周波数10Hzにおける複素粘度が、105〜108mPa・sとなるように行うことが好ましく、105〜107.5mPa・sとなるように行うことがより好ましく、105.5〜107.5mPa・sとなるように行うことが特に好ましい。
光照射に用いられる光は、紫外線、可視光線であることが好ましく、紫外線であることがより好ましい。例えばメタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、殺菌ランプ、キセノンランプ、LED光源ランプなどが好適に使用される。
光照射時の雰囲気は、空気中または不活性ガス置換あることが好ましく、酸素濃度1%以下になるまで窒素置換した雰囲気であることがより好ましい。
<<<半硬化物>>>
半硬化物は、上述したような半硬化工程を経て製造される。このような半硬化物は、硬化物の製造に好ましく用いることができる。
半硬化物は、光照射工程後において、光ラジカル重合開始剤が全て消費されていて全く含まれていなくてもよく、光ラジカル重合開始剤が残留していてもよい。
半硬化物のガラス転移温度(以下、Tgとも言う)は、−150〜0℃であることが好ましく、−50〜0℃であることがより好ましく、−20〜0℃であることが特に好ましい。
<<<硬化工程>>>
硬化物は、硬化性組成物を一気に硬化させて得ることもできるが、半硬化物を、成形型に入れ加圧変形し、加熱して熱重合させて硬化物を得ることが好ましい。熱重合により硬化物を得る場合は、本発明の硬化性組成は、熱ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
なお、硬化工程で用いられる成形型のことを、熱成形用成形型とも言う。熱成形用成形型は、一般に2つの成形型を組み合わせて内容物に加圧しながら加熱することができる構成となっていることが好ましい。また、硬化工程では、熱重合時において、成形型として金型を用いることがより好ましい。このような熱成形用成形型としては、例えば、特開2009−126011号公報に記載のものを用いることができる。
硬化工程では、半硬化物を、熱成形用成形型に入れておこなうことが好ましい。
半硬化物は、上述の半硬化工程で説明したとおり、熱成形用成形型に硬化性組成物を注入し、光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って調製されているか、または、硬化性組成物を熱成形用成形型とは別の成形型に入れ、光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って調製されている。
半硬化物を前者の方法で調製した場合は、硬化工程にて半硬化物を熱成形用成形型に入れる動作は必要なく、説明上成形型に入れると記載してあるに過ぎない。
一方、半硬化物を後者の方法で調製した場合は、半硬化物を熱成形用成形型に移動させる。半硬化物を熱成形用成形型に移動させる方法としては、例えば、シリンジ、バキュームパッドと真空発生器を有するエアピンセットなどを用いることができる。上述したように、半硬化物は、複素粘度が特定の範囲であるため、このようにエアピンセットなどを用いて容易に熱成形用成形型に移動させることができる。
硬化工程では、成形型に入れた半硬化物を、加圧変形し、加熱して熱重合させて硬化物を得ることが好ましい。
加圧変形と加熱は同時に行ってもよく、加圧変形した後で加熱を行ってもよく、加熱した後で加圧変形を行ってもよいが、その中でも加圧変形と加熱を同時に行うことが好ましい。また、加圧変形と加熱を同時に行った上で、加圧が安定してからさらに高温に加熱することも好ましい。
加圧変形における圧力は、1〜100kg/cm2が好ましく、3〜50kg/cm2がより好ましく、3〜30kg/cm2が特に好ましい。
加熱温度は、加圧変形と同時に加熱する場合は80〜300℃が好ましく、120〜300℃がより好ましく、150〜280℃が特に好ましい。
加圧が安定してからさらに加熱する場合の加熱温度は、80〜300℃が好ましく、120〜300℃がより好ましく、150〜280℃が特に好ましい。
熱重合の時間は、30〜1000秒が好ましく、30〜500秒がより好ましく、60〜300秒が特に好ましい。
熱重合時の雰囲気は、空気中または不活性ガス置換あることが好ましく、酸素濃度1%以下になるまで窒素置換した雰囲気であることがより好ましい。
<<膜状の硬化物を製造する方法>>
本発明の硬化性組成物は、基材に塗布し、光照射および加熱のうち少なくとも一方を行って、膜状の硬化物を製造することができる。すなわち、本発明の硬化性組成をコーティング組成物用として用いることができる。
硬化性組成物の塗布方式は特に限定はない。例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。
また、基材としては、特に限定はなく、用途により異なる。例えば、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)が製膜されたガラス、インジウム亜鉛酸化物(IZO)が製膜されたガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、プラスチック、ガラス、石英、セラミックス等からなる基材等が挙げられる。また、可とう性を有するフレキシブル基材を用いることもできる。
<硬化物>
硬化物は、本発明の硬化性組成を用いて、上述したような硬化物の製造方法によって製造される。以下、硬化物の好ましい特性について説明する。
<<屈折率>>
本発明において、硬化物は、レンズなどの光学部品に用いる観点から、屈折率が高いことが好ましい。本発明において、硬化物は、波長589nmにおける屈折率nDが1.45以上であることが好ましく、1.58以上であることがより好ましく、1.62以上であることがより特に好ましく、1.63以上であることがさらにより特に好ましく、1.65以上であることが最も好ましい。また、膜状の硬化物の場合は、屈折率nDが1.45以上であることが好ましく、1.68以上であることがより好ましく、1.71以上であることがより特に好ましく、1.74以上であることが最も好ましい。
(アッベ数)
本発明の硬化物は、光学部品用途の中でもレンズなどに用いるときに色収差を低減する観点から、アッベ数が低いことが好ましい。本発明の硬化物は、波長589nmにおけるアッベ数が30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、23.5以下であることが特に好ましく、23以下であることがより特に好ましく、22.5以下であることがさらにより特に好ましく、22以下であることが最も好ましい。
本明細書中、アッベ数νDは、波長589nm、486nm、656nmにおけるそれぞれの屈折率nD、nF、nCを測定することで、下記式(A)により算出される。
Figure 0006118747
(サイズ)
硬化物のサイズは用途により異なる。例えば、レンズなどの光学部品として用いる場合は、最大厚みが0.1〜10mmであることが好ましく、0.1〜5mmがより好ましく、0.15〜3mmが特に好ましい。硬化物の最大直径は、1〜1000mが好ましく、2〜50mmがより好ましく、2.5〜10mmが特に好ましい。このようなサイズの硬化物は、高屈折率の光学部品用途として特に有用である。このような厚い成形体(硬化物)は、溶液キャスト法で製造しようとしても、成形が容易ではなく、クラックが生じやすい。しかしながら、本発明の硬化性組成物によれば、クラックの発生を抑制でき、このような厚い成形体(硬化物)を歩留まり良く形成できる。
また、膜状の硬化物の場合は、0.01〜500μmが好ましく、0.02〜200μmがより好ましい。
<光学部品>
本発明の光学部品は、本発明の硬化性組成物を用いてなるものである。すなわち、本発明の光学部品は、本発明の硬化性組成物の硬化物を備えるものである。
光学部品の種類は、特に制限されない。特に、硬化性組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)として好適に利用することができる。かかる光学部品を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
光学機能装置に用いられるパッシブ光学部品としては、例えば、レンズ、プリズム、プリズムシート、パネル(板状成形体)、フィルム、光導波路(フィルム状やファイバー状等)、光ディスク、LEDの封止剤等が例示される。かかるパッシブ光学部品には、必要に応じて任意の被覆層、例えば摩擦や摩耗による塗布面の機械的損傷を防止する保護層、無機粒子や基材等の劣化原因となる望ましくない波長の光線を吸収する光線吸収層、水分や酸素ガス等の反応性低分子の透過を抑制あるいは防止する透過遮蔽層、防眩層、反射防止層、低屈折率層等や、任意の付加機能層を設けて多層構造としてもよい。かかる任意の被覆層の具体例としては、無機酸化物コーティング層からなる透明導電膜やガスバリア膜、有機物コーティング層からなるガスバリア膜やハードコート等が挙げられ、そのコーティング法としては真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、ディップコート法、スピンコート法等公知のコーティング法を用いることができる。
本発明の光学部品は、特にレンズ基材に好適である。本発明の硬化性組成物を用いて製造されたレンズ基材は高屈折性であり、更には透過性に優れ、光学特性に優れている。また、硬化性組成物を構成するモノマーの種類を適宜調節することにより、レンズ基材の屈折率を任意に調節することが可能である。
なお、本明細書中において「レンズ基材」とは、レンズ機能を発揮することができる単一部材を意味する。レンズ基材の表面や周囲には、レンズの使用環境や用途に応じて膜や部材を設けることができる。例えば、レンズ基材の表面には、保護膜、反射防止膜、ハードコート膜等を形成することができる。また、レンズ基材の周囲を基材保持枠などに嵌入して固定することもできる。ただし、これらの膜や枠などは、レンズ基材に付加される部材であり、本明細書中でいうレンズ基材そのものとは区別される。
レンズ基材をレンズとして利用するに際しては、レンズ基材そのものを単独でレンズとして用いてもよいし、上述したように膜や枠などを付加してレンズとして用いてもよい。レンズ基材を用いたレンズの種類や形状は、特に制限されない。
レンズ基材は低アッベ数であることから色収差補正レンズに好ましく用いることができ、色収差補正レンズとしては例えば、携帯やデジタルカメラ等の撮像用レンズやテレビ、ビデオカメラ等の撮映レンズ、さらには車載、内視鏡レンズに使用されることが好ましい。
<化合物>
次に、本発明の化合物について説明する。
本発明の化合物は、上述した一般式(4)で表される化合物である。
一般式(4)で表される化合物は、上述した一般式(5A)または一般式(5B)で表される化合物であることが好ましい。
また、一般式(4)で表される化合物は、上述した一般式(6A)または一般式(6B)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(4)、一般式(5A)、一般式(5B)、一般式(6A)および一般式(6B)の好ましい範囲は、上述した一般式(4)、一般式(5A)、一般式(5B)、一般式(6A)および一般式(6B)で説明した範囲と同様である。
本発明の化合物の具体例としては、上述した化合物(1−1)〜(1−36)などが例示できる。
本発明の化合物は、溶媒溶解性に優れ、屈折率の高い硬化物を形成することができる。このため、光学部品や、コーティング組成物などに用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(合成例1) 下記化合物1の合成
Figure 0006118747
以下の反応は窒素気流下で行った。5−ヒドロキシイソフタル酸5.0gを、テトラヒドロフラン80mLに溶解させ、ジメチルアセトアミド1滴、チオニルクロライド8mLを加え、80℃にて1時間攪拌し、溶剤を飛ばした。得られた残渣をN―メチルピロリドン10mLに溶解し、氷冷下2−アミノベンゼンチオール5.9mLを滴下し、100℃にて3時間攪拌し、水酸化ナトリウム水溶液にて中和後、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、Na2SO4を加え、ろ過、濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより3,5−ビス(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェノールを1.29g得た。
3,5−ビス(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェノール0.8g、炭酸エチレン0.78g、炭酸カリウム0.03gを120℃にて2時間攪拌した。室温に戻した後、水を加え、生じた析出物をろ過した。析出物をトルエン5mLに溶解し、アクリル酸0.1mL、パラトルエンスルホン酸水和物23.5mg、4−メトキシフェノール3.1mgを加え、120℃にて2時間還流した。室温に戻した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、Na2SO4を加え、ろ過、濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより1を0.24g得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)により、化合物1を同定した。1H−NMRデータを図1に示す。
(実施例1−1〜1−10、比較例1−1〜1−2)
下記表に記載の組成となるように各成分を添加し、攪拌して均一にし、硬化性組成物を調製した。
実施例および比較例に用いた各化合物を示す略号の詳細は、以下の通りである。
<芳香環含有化合物>
化合物1:合成例1で合成した化合物1
化合物2:下記構造
Figure 0006118747
化合物3:下記構造
Figure 0006118747
化合物4:下記構造
Figure 0006118747
化合物A:下記構造
Figure 0006118747
化合物B:下記構造
Figure 0006118747
化合物C:下記構造
Figure 0006118747
化合物D:下記構造
Figure 0006118747
比較化合物1:下記構造(特開2012−082386号公報の実施例1の[化22]の(19))
Figure 0006118747
比較化合物2:下記構造(特開2010−215693号公報の段落番号0069〜0072に記載の方法で合成した。)
Figure 0006118747
<単官能(メタ)アクリルモノマー>
PhOEA:下記構造(東京化成工業社製 製品名 アクリル酸2−フェノキシエチル)
Figure 0006118747
<光ラジカル重合開始剤>
F−1:下記構造(BASF社製 製品名 イルガキュア184)
Figure 0006118747
<熱ラジカル重合開始剤>
F−2:下記構造(日本油脂株式会社製 製品名 パーブチルO)
F−3:下記構造(日本油脂株式会社製 製品名 パークミルH)
Figure 0006118747
<溶媒溶解性評価>
芳香環含有化合物1gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)1mLを25℃にて、24時間攪拌し、芳香環含有化合物がPGMEAと均一に混ざるか、以下基準で評価した。
A:芳香環含有化合物の50質量%以上がPGMEAに溶解した。
B:芳香環含有化合物の30質量%以上50質量%未満がPGMEAに溶解した。
C:芳香環含有化合物の5質量%以上30質量%未満がPGMEAに溶解した。
D:芳香環含有化合物のPGMEAへの溶解量が5質量%未満であった。
<クラック発生評価>
直径10mm、厚み1mmの透明ガラス板上に、厚さ1mmのスペーサを置き、透明ガラス板表面を覆うように硬化性組成物を塗布し、その上に直径10mm、厚み1mmの透明ガラス板を張り合わせた。ホットプレートを用いて130℃で5分間加熱し、次いで、200℃で5分加熱して熱硬化物を得た。
得られた熱硬化物を85℃85%RHに保持された恒温槽に投入した。100時間経時させた熱硬化物にクラックが入っているものを不良品として、発生していないものを良品とした。10個の熱硬化物を評価し、そのうち良品の割合を良品率とし、以下の基準で評価した。
A:良品率が80%以上
B:良品率が50%以上80%未満
C:良品率が30%以上50%未満
D:良品率が30%未満
<透過率評価>
上述した熱硬化物を、紫外可視吸収スペクトル測定用装置UV−3100(島津製作所製)を用いて、波長405nmにおける透過率を測定し、以下基準で評価した。
A:透過率が85%以上
B:透過率が85%未満
<屈折率>
上述した熱硬化物の589nmにおける屈折率を、アッベ計(株式会社アタゴ社製)を用いて測定した。
Figure 0006118747
表1に示されるように、本発明の硬化性組成物は、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れていた。更には、得られた硬化物は、クラック発生評価、透過率においても優れていた。
一方、本発明の一般式(1)で表される化合物とは異なる芳香環含有化合物を用いた比較例1−1、1−2の硬化性組成物は、溶媒溶解性の劣るものであった。更には、クラックが生じやすく、クラック発生評価が劣るものであった。
(実施例2−1〜2−8、比較例2−1〜2−2)
下記表に示す成分を、下記表に示す割合(質量部)で60℃に加温したPGMEAに添加し、振騰機を用いて混合して、表に示す成分を10質量%の割合で含むPGMEA溶液(硬化性組成物)を調製した。
調製した硬化性組成物を各種基材(ガラス基板(松浪硝子工業製、イーグルXG、直径30mm、厚み500μm))、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡製、A4300、50mm角、厚み100μm)の片面に塗布し、高圧水銀灯で積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射し、さらに、80℃で30分加熱(ポストベーク)し、基材に積層された硬化物(厚み約20μm)を得た。なお、実施例2−1〜2−8において、塗布後および硬化後、ブリードアウトは確認されなかった。
<溶媒溶解性評価>
芳香環含有化合物の溶媒溶解性を上記と同様の方法で測定した。
<クラック発生評価>
ガラス基板に積層された硬化物を85℃85%RHに保持された恒温槽に投入した。100時間経時させ、硬化物にクラックが入っているものを不良品、発生していないものを良品とした。10個の硬化物を評価し、良品の割合を良品率とし、以下の基準で評価した。
A:良品率が80%以上
B:良品率が50%以上80%未満
C:良品率が30%以上50%未満
D:良品率が30%未満
<透過率評価>
紫外可視吸収スペクトル測定用装置UV−3100(島津製作所製)を用いて、ガラス基材に積層された硬化物の波長405nmにおける透過率を測定し、以下基準で評価した。
A:透過率が85%以上
B:透過率が85%未満
<屈折率>
アッベ屈折計(アタゴ製、DR−M2<循環式恒温水槽60−C3使用>)を用い、温度25℃を保持し、589nmでのポリエチレンテレフタレート基材に積層された硬化物の屈折率を測定した。
Figure 0006118747
表2に示されるように、本発明の硬化性組成物は、高い屈折率を維持しつつ、溶媒溶解性に優れていた。更には、得られた硬化物は、クラック発生評価、透過率においても優れていた。
一方、本発明の一般式(1)で表される化合物とは異なる芳香環含有化合物を用いた比較例2−1、2−2の硬化性組成物は、溶媒溶解性の劣るものであった。更には、クラックが生じやすく、クラック発生評価が劣るものであった。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、
    熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤から選ばれる少なくとも1種と、
    を含有する硬化性組成物;
    Figure 0006118747
    一般式(1)中、Ar1はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、
    Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
    1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、bが2以上の場合はR2同士、または、cが2以上の場合はR3同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、
    Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、
    a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2A)または下記一般式(2B)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物;
    Figure 0006118747
    一般式(2A)および(2B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
    1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、または、bが2以上の場合はR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、
    Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、
    a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3A)または(3B)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物;
    Figure 0006118747
    一般式(3A)および(3B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
    1〜R3は、それぞれ独立に、置換基を表し、R1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、R1とR3、R2とR3、R1とR2、aが2以上の場合はR1同士、または、bが2以上の場合はR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよく、
    Lは単結合または連結基であり、Aは重合性基であり、
    a〜cは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
  4. 一般式(1)において、Ar1はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、
    Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
    1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2以上の場合はR1同士が結合して環を形成していてもよく、bが2以上の場合はR2同士が結合して環を形成していてもよく、
    3は、アルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    1〜R3の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、アルキレン基およびアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す、請求項1に記載の硬化性組成物。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物;
    Figure 0006118747
    一般式(4)中、Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、5員複素環または6員複素環を表し、
    Xは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を表し、
    11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
    13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(5A)または下記一般式(5B)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物;
    Figure 0006118747
    一般式(5A)および(5B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
    11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
    13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
  7. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(6A)または(6B)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物;
    Figure 0006118747
    一般式(6A)および(6B)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
    11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
    13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
  8. 前記一般式(1)、前記一般式(2A)、前記一般式(2B)、前記一般式(3A)、前記一般式(3B)、前記一般式(4)、前記一般式(5A)、前記一般式(5B)、前記一般式(6A)および前記一般式(6B)において、Xが硫黄原子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. さらに単官能(メタ)アクリレートモノマーを、前記一般式(1)で表される化合物に対して10〜200質量%の割合で含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. コーティング組成物用である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いた光学部品。
  13. 下記一般式(4)で表される化合物;
    Figure 0006118747
    一般式(4)中、Ar2は、フェニレン基、ナフチレン基、5員複素環または6員複素環を表し、
    Xは、硫黄原子を表し、
    11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
    13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
  14. 前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(5A)または下記一般式(5B)で表される化合物である、請求項13に記載の化合物;
    Figure 0006118747
    一般式(5A)および(5B)中、Xは硫黄原子を表し
    11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
    13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
  15. 前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(6A)または(6B)で表される化合物である、請求項13に記載の化合物;
    Figure 0006118747
    一般式(6A)および(6B)中、Xは硫黄原子を表し、
    11およびR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシル基、−L−Aで表される基を表し、aが2の場合はR11同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、bが2の場合はR12同士が結合してベンゼン環を形成していてもよく、
    13は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、または、−L−Aで表される基を表し、
    11〜R13の1つ以上は、−L−Aで表される基であり、
    Lは、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数2〜10のアルキレン基の連結鎖中に、−O−、−S−、−CO−、ならびに−NH−から選ばれる1種以上を有する基から選ばれる2価の連結基を有する基を表し、
    Aは、エポキシ基またはエチレン性不飽和結合を有する基を表し、
    a、bおよびcは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。
  16. 一般式(4)で表される化合物が、下記化合物1〜4から選ばれる少なくとも1種である請求項13〜15のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 0006118747
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