JP5344433B2 - 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の作製方法 - Google Patents
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(1)製膜時に金属(Sb、Ag、Cu)もしくは酸化物(MgO、SiO2、B2O3、ZrO2)からなる添加物を加える作製方法(例えば、非特許文献1、2、特許文献1。)。
(2)製膜後に急速加熱熱処理を行う作製方法(例えば、非特許文献3、4。)。
(3)製膜時に金属(Sb、Ag、Cu)もしくは酸化物(MgO、SiO2、B2O3、ZrO2)からなる添加物を加え、製膜後に急速加熱熱処理を行う作製方法(例えば、非特許文献5〜7。)。
図1に本発明の磁気記録媒体の作製方法の一例のフローチャートを概略的に示す。また、図2(a)には作製途中の本発明の磁気記録媒体の一例の断面を概略的に示し、図2(b)には本発明の磁気記録媒体の一例の断面を概略的に示す。
工程S1は、基板1上にFePt合金とCu酸化物とを含有した薄膜2を形成する工程である(図2(a)参照)。本発明に用いることができる基板1は、磁気記録媒体の作製に用いることができるものであれば特に限定されず、金属製の基板やガラス製の基板を用いることができる。ただし、実用的な磁気記録媒体を作製する場合には、薄膜2の下部にソフト磁性層(保磁力の小さな材料、Co系アモルファスなど)を積層することが好ましい。
工程S2は、工程S1で得られた薄膜2を所定の温度まで加熱する工程である。工程S2を経ることによって、薄膜2を磁気記録層2’(図2(b)参照。)とすることができる。
本発明の磁気記録媒体の作製方法は、少なくとも上記工程S1及び工程S2を備えており、さらに工程S2の後に磁気記録層2’上に薄い保護層を形成する工程を備えていてよい。この保護層は、例えばDLC(ダイヤモンド型カーボン)によって構成されるものとすることができる。保護層を形成する方法はとくに限定されず、例えば、プラズマ気相成長法等で製膜することができる。
本発明の磁気記録媒体は、上記した本発明の磁気記録媒体の作製方法によって得られる。本発明の磁気記録媒体は、L10FePt合金とCu酸化物とを含有した磁気記録層2’を備えており、上記したように、磁気記録層2’に含まれるCuの量は、L10FePt合金とCu酸化物との合計量に対して、CuO換算で10体積%以上20体積%以下となる量であることが好ましい。
<試料作製方法>
以下に説明する手順で複数の試料を作製した。まず、合金膜作製用スパッタ装置(Arガス圧:0.5Pa)を用いて、Fe、Pt、及びCuO(全てフルウチ化学株式会社製)をそれぞれターゲットとして、熱酸化Si(Si基板の表面がSiO2の酸化膜で覆われている。)の基板上に、FePt合金に所定量のCuOが添加された薄膜を製膜した。得られた薄膜の膜厚は、CuOの添加量によって異なり、7.2nm+CuO添加分となるようにした。すなわち、薄膜の膜厚は、7.2×(1+x)nmとなるようにした(xは、薄膜全体に占めるCuOの割合(%))。製膜後、赤外線急速加熱装置(真空理工株式会社製、VHC−P45C−S)を用いて、真空雰囲気(2.0×10−4Pa)で上記薄膜を所定の加熱速度で所定の温度(以下、「熱処理温度」という。)まで昇温し、所定の時間(以下、「保持時間」という。)保持した。
上記手順で作製した試料について、X線解析装置(日本電子株式会社製、JDX―3530、以下「XRD」という。)を用いて構造解析を行いった。また、振動試料型磁力計(株式会社東栄科学産業製、VSM5s型−15、以下「VSM」という。)を用いて磁化測定を行った。
上記した手順に従って、CuOの添加量が5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%である試料をそれぞれ用意した。なお、これらの試料を作製する際の加熱速度は27.2℃/秒であり、熱処理温度は500℃であり、保持時間は1時間であった。XRDで構造解析を行った結果を図3に示す。図3は、横軸を回折角、縦軸を回折強度としたグラフであり、CuOの添加量が5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%である試料のXRDによる解析結果を示している。図4に示したグラフは、XRDによる解析結果に基づいて、ピーク強度のCuO添加量依存性を示したグラフである。図4では、横軸をCuOの添加量(%)、縦軸を回折強度として、(001)面、(002)面、(111)面の回折強度のCuO添加量依存性を示している。
上記した手順に従って、CuOの添加量が15%であり、加熱速度が9℃/秒、20.8℃/秒、27.2℃/秒、41.6℃/秒である試料をそれぞれ用意した。なお、これらの試料を作製する際の熱処理温度は500℃であり、保持時間は1時間であった。XRDで構造解析を行った結果を図9に示す。図9は、横軸を回折角、縦軸を回折強度としたグラフであり、加熱速度が9℃/秒、20.8℃/秒、27.2℃/秒、41.6℃/秒である試料のXRDによる解析結果を示している。図10に示したグラフは、XRDによる解析結果に基づいて、ピーク強度の加熱速度依存性を示したグラフである。図4では、横軸を加熱速度(℃/秒)、縦軸を回折強度として、(001)面、(002)面、(111)面の回折強度の加熱速度依存性を示している。
上記した手順に従って、CuOの添加量が15%であり、熱処理温度が415℃(加熱速度:34.4℃/秒)、450℃(同:37.1℃/秒)、500℃(同:41.6℃/秒)、600℃(同:38.2℃/秒)、700℃(同:22.9℃/秒)である試料をそれぞれ用意した。なお、これらの試料を作製する際の保持時間は60分とした。XRDで構造解析を行った結果を図13に示す。図13は、横軸を回折角、縦軸を回折強度としたグラフであり、熱処理温度が415℃(加熱速度:34.4℃/秒)、450℃(同:37.1℃/秒)、500℃(同:41.6℃/秒)、600℃(同:38.2℃/秒)、700℃(同:22.9℃/秒)である試料のXRDによる解析結果を示している。図14に示したグラフは、XRDによる解析結果に基づいて、ピーク強度の熱処理温度依存性を示したグラフである。図14では、横軸を熱処理温度(℃)、縦軸を回折強度として、(001)面、(002)面、(111)面の回折強度の熱処理温度依存性を示している。また、図14には、CuOに変えてSiO2を15%添加した(SiO2添加の方法は、基板回転スパッタで製膜した。)以外は同様にして作製した試料についても示す。
上記した手順に従って、CuOの添加量が15%であり、加熱速度が41.6℃/秒であり、熱処理温度が500℃であり、保持時間が5秒、1分、10分、30分、60分である試料をそれぞれ用意した。XRDで構造解析を行った結果を図17に示す。図17は、横軸を回折角、縦軸を回折強度としたグラフであり、保持時間が5秒、1分、10分、30分、60分である試料のXRDによる解析結果を示している。図18に示したグラフは、XRDによる解析結果に基づいて、ピーク強度の保持時間依存性を示したグラフである。図18では、横軸を保持時間(分)、縦軸を回折強度として、(001)面、(002)面、(111)面の回折強度の保持時間依存性を示している。
2 薄膜
2’ 磁気記録層
10 磁気記録媒体
Claims (6)
- L10規則構造を有したFePt合金とCu酸化物とを含有した磁気記録層を備え、
前記Cu酸化物と前記FePt合金との合計量に対して、CuO換算で5体積%以上35体積%以下となる量のCuが前記磁気記録層に含有されている磁気記録媒体。 - 前記Cu酸化物と前記FePt合金との合計量に対して、CuO換算で10体積%以上20体積%以下となる量のCuが前記磁気記録層に含有されている、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- FePt合金とCu酸化物とを含む薄膜を形成する薄膜形成工程、及び前記薄膜を所定の温度まで加熱する加熱工程を経て、L10規則構造を有した前記FePt合金と前記Cu酸化物とを含有した磁気記録層を形成し、
前記Cu酸化物と前記FePt合金との合計量に対して、CuO換算で5体積%以上35体積%以下となる量のCuを前記磁気記録層に含有させる、磁気記録媒体の作製方法。 - 前記Cu酸化物と前記FePt合金との合計量に対して、CuO換算で10体積%以上20体積%以下となる量のCuを前記磁気記録層に含有させる、請求項3に記載の磁気記録媒体の作製方法。
- 前記加熱工程が、毎秒30℃以上の加熱速度で所定の温度まで前記薄膜を加熱する工程である、請求項3または4に記載の磁気記録媒体の作製方法。
- 前記加熱工程が、前記薄膜を400℃以上600℃以下の温度まで加熱する工程である、請求項3〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体の作製方法。
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