JP5344214B2 - 鉛蓄電池用正極板 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池用正極板に関する。
鉛蓄電池は、比較的低価格で安定した性能を有することから、自動車のエンジン始動時の電力供給用をはじめ種々の用途の電池として需要が高く、放電容量が高く、かつ、長寿命のものが特に求められている。
鉛蓄電池の放電容量は、放電時の反応により生成する硫酸鉛により極板表面部の細孔が塞がれて、極板内部まで電解液である硫酸が充分に拡散できなくなり、放電反応に必要な硫酸が不足することに起因して制限されることが多い。
この問題を解決するために、従来から、活物質中の細孔量を増加した極板を用いることにより、極板内への電解液拡散を容易にし、放電容量を向上させるという方法が知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開平6−140030号公報
しかしながら、活物質中の細孔の量を増やすことは活物質粒子間の結合力を低下させて寿命性能の低下を招くため、単に活物質中の細孔量を増加するだけでは、鉛蓄電池の寿命性能を低下させずに放電容量を向上させることは困難であった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させることができる鉛蓄電池を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、空孔部を有する正極活物質を備える正極板であって、前記空孔部は、複数の突起と当該突起が突出した孔壁を有するとともに前記突起と前記孔壁とによって取り囲まれた空孔を有し、最大直径が80μm以上300μm以下であることを特徴とする鉛蓄電池用正極板である。ここで、最大直径とは図2の模式図に示した空孔の最長距離をいう。
本発明によれば、正極活物質は、空孔と、孔壁と孔壁に形成された突起とからなる空孔部を有しているから、この空孔部内に硫酸を多量に保持することができる。従って、極板表面部の細孔が放電生成物である硫酸鉛により塞がれて、電解液が極板内部に拡散できなくなっても、空孔部に保持された硫酸を補給して放電反応を継続させることができる。
また、本発明者の検討により、正極活物質の空孔部の最大直径を300μm以下とすると、寿命性能が低下しないという知見が得られた。本発明によれば、空孔部の最大直径は300μmであるので、寿命性能を低下させないようにすることもできる。
空孔部の最大直径は、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させる効果に優れるという観点から、80μm以上、100μm以下が好ましい。
本発明によれば、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させた鉛蓄電池を提供することができる。
本発明の鉛蓄電池用正極板10(以下、本発明の正極板10ともいう)は、二酸化鉛を主成分とする正極活物質を有している。この正極活物質中には、図1に示すように、略球状をなす空孔部11が多数形成され、空孔部11は複数の突起14と、当該突起14が突出した孔壁13を有するとともに、突起14と孔壁13とによって取り囲まれた空孔12を有している。
本発明において、空孔部11の最大直径は300μm以下とされる。空孔部11の最大直径が300μmよりも大きいと、極板の強度が低下し、寿命性能が低下するからである。空孔部11の最大直径を小さく設定すると、極板強度の低下を抑制して寿命性能を低下させないようにすることができる。しかしながら、空孔部11内に硫酸を保持することを考慮すると、空孔部11の最大直径は20μm以上であるのが好ましい。また、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させる効果に優れるという観点から、空孔部11の最大直径は100μm以下であるのが好ましい。
また、本発明の正極板10の全細孔体積は0.11ml/g〜0.18ml/gであると、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させる効果に優れるので好ましい。なお、正極板10の全細孔体積は、水銀圧入法により分析することができる。
本発明の正極板10を用いた鉛蓄電池は、例えば、以下の方法により作製される。
まず、鉛粉と、希硫酸とを混練すると、鉛粉と希硫酸との反応により生成するダマ状の生成物を含むペーストが得られる。鉛粉としては、一般的な鉛蓄電池の正極活物質原料として用いられる、一酸化鉛と鉛とを主成分とする鉛粉を用いることができる。希硫酸としては、濃度が15〜25質量%のものを用いるのが好ましい。
上記のダマ状の生成物を含むペーストを、網目径300μm以下の篩を用いて、篩の目を通るもの(篩の網目径以下の大きさのもの)と、篩上に残るもの(篩の網目径よりも大きいもの)とに分離し、それぞれを水洗して乾燥する。
次に、篩上に残ったものを乾燥させて得られる乾燥物を、網目径300μm以下の篩を通る程度まで粉砕して、篩を通ったペーストを乾燥して得られる乾燥物と混合する。これに、水や繊維などの正極活物質を作製するための材料を加えて、ミキサーなどで混練して正極活物質ペーストを作製する。
この正極活物質ペーストを、鉛合金からなる格子に塗布し、熟成・乾燥して未化成の正極板とする。未化成の正極板の断面を顕微鏡により観察すると、最大直径が篩の網目径以下の、略球状をなす白っぽい部分が複数形成されている。この略球状の部分は、三塩基性硫酸鉛(3PbO・PbSO・HO)もしくは一塩基性硫酸鉛(PbO・PbSO)を主成分としており、化成により空孔部11を構成する部分と考えられる(以下、「空孔部前駆体」という)。
次に、未化成の正極板と、常法により作製した未化成の負極板とをセパレータを介して交互に組み合わせて極板群を作製して電槽に挿入し、この電槽に希硫酸を注液して通電することにより化成を行う。未化成の正極板を化成することにより、未化成の正極板に形成されていた空孔部前駆体は、電気化学的に酸化されて、体積変化を伴いながら、空孔12と多数の突起14を有する略球状の空孔部11に変化すると考えられる。このようなプロセスを経て空孔部11が生成するメカニズムは明らかではないが、未化成の正極板に形成された空孔部前駆体の主成分である三塩基性硫酸鉛または一塩基性硫酸鉛が二酸化鉛に変化する際、溶解析出反応を伴うため、方向性を持って成長して突起14に変化すると考えられる。この突起14は前述した如く結晶が方向性を持って成長した部分をいうのであって、空孔部11内での形状や存在位置によって限定されるものではない。このようにして所定の大きさの空孔部11が形成された本発明の正極板10を備えた鉛蓄電池が得られる。
なお、上記の、所定の網目径の篩を用いる方法により正極板を作製する方法は空孔部の大きさのコントロールが容易であるという点で好ましいが、本発明の正極板の作製方法はこれに限定されない。
次に、本発明の効果を説明する。
本発明において、正極活物質中には、空孔12と複数の突起14とを有する空孔部11が多数形成されており、正極活物質中の空孔部11内は周囲に比べて、多量の硫酸を保持することができる。したがって、極板表面部の細孔が放電生成物である硫酸鉛により塞がれて、電解液が極板内部に拡散できなくなっても、本発明によれば、空孔部11に保持された硫酸を補給して放電反応を継続させることができる。
また、本発明によれば、空孔部11の最大直径は300μm以下とされるので、寿命性能を低下させることもない。
<実施例>
以下、本発明を具体的に適用した実施例について説明する。
以下の実施例では、正極板の空孔部の最大直径がどの位であれば、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させる効果のある鉛蓄電池が得られるかについて検討した。
(実施例群1)
下記の方法により実施例1−1〜1−の鉛蓄電池、参考例1−1〜1−2の鉛蓄電池、および比較例1−1〜1−2の鉛蓄電池を作製した。
(1)実施例1−1の鉛蓄電池の作製
(i)未化成の正極板の作製
一般的な鉛蓄電池の正極活物質原料として使用される一酸化鉛と鉛を主成分とする鉛粉10kgに対して、濃度が25質量%の希硫酸2.3リットルを滴下しながら混錬してペーストを作製した。
このペーストが乾燥しないうちに、網目径が300μmの篩にのせ、イオン交換水を用いて篩にかけ、篩の目を通ったものと、篩上に残ったものとに分けて、それぞれ水洗乾燥した。網目径が300μmの篩を通すことにより、最大直径300μmのペーストと、直径が300μmよりも大きいペーストとに分離される。
次に、篩を通ったペーストを水洗乾燥して得られる乾燥物(A)と、篩上に残ったペーストを水洗乾燥して得られる乾燥物を粉砕したもの(B)とを混合した。この(A)と(B)との混合物に、(A)および(B)の合計質量と、混練前の原料総質量の差の量の水、ならびに、定法で添加される有機繊維を加えて、ミキサーで混錬することにより活物質ペーストを作製した。この活物質ペーストを鉛合金からなる格子に塗布し、熟成乾燥して未化成の正極板とした。
(ii)鉛蓄電池の作製
(i)で作製した未化成の正極板と、常法により作製した未化成の負極板とをセパレータを介して交互に組み合わせて極板群を作製し、この極板群を電槽に挿入した。
次いで、電槽に濃度が25質量%の希硫酸を注液し正極活物質理論容量の180%まで充電することで化成を行い、定格容量12V28Ahの自動車用38B19型鉛蓄電池を作製し、実施例1−1の鉛蓄電池とした。
(2)実施例1−2〜1−の鉛蓄電池、参考例1−1〜1−2の鉛蓄電池、および比較例1−1〜1−2の鉛蓄電池の作製
(1)(i)で使用した網目径300μmの篩に代えて、以下の網目径の篩を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2〜1−の鉛蓄電池、参考例1−1〜1−2の鉛蓄電池および比較例1−2の鉛蓄電池を作製した。
実施例1−2では網目径100μmの篩を用い、実施例1−3では網目径80μmの篩を用い、参考例1−1では網目径50μmの篩を用い、参考例1−2では網目径20μmの篩を用い比較例1−2では網目径500μmの篩を用いた。
比較例1−1では、篩を用いずに一般的な方法で作製した活物質ペーストを用いて鉛蓄電池を作製した。具体的には、鉛粉、希硫酸、水および定法で添加される有機繊維を加えて、ミキサーで混錬することにより作製した活物質ペーストを用いたこと以外は実施例1−1と同様にして比較例1−1の鉛蓄電池を作製した。
(3)断面観察
実施例1−1〜1−の鉛蓄電池の正極板10の断面、参考例1−1〜1−2の鉛蓄電池の正極板の断面、および比較例1−1〜1−2の鉛蓄電池の正極板の断面をそれぞれ顕微鏡(キーエンス社製、マイクロスコープ)で観察した。
その結果、実施例1−1〜1−の鉛蓄電池の正極板10、参考例1−1〜1−2の鉛蓄電池の正極板および比較例1−2の鉛蓄電池の正極板では、内側に空孔12を有する略球状の部分11が認められた。また、この略球状の部分11の最大直径は、ペーストを作製する際に用いた篩の網目径以下であった。さらに略球状の部分11を、詳細に観察すると、その内部には空孔12が形成され、空孔12を取り囲む孔壁13から空孔12方向に突出形成された多数の突起14が存在するのが認められた。この略球状の部分11が空孔部11に相当すると考えられる。
比較例1−1の鉛蓄電池の正極板では、一般的な正極板に形成されている細孔と同様の空孔と、当該細孔とは形状の異なる空孔であって略球状の部分11と同様の形状の空孔とが認められた。
(4)全細孔体積の分析
本実施例群で作製した、各鉛蓄電池の正極板(化成後の正極板)の全細孔体積を、水銀ポロシメーター(株式会社島津製作所製、商品名「オートポアIII 9405」)を用いた水銀圧入法により分析したところ、ほぼ0.18ml/g程度であった。
(実施例群2)
下記方法により実施例2−1〜2−の鉛蓄電池、参考例2−1〜2−2の鉛蓄電池および比較例2−1〜2−2の鉛蓄電池を作製した。
鉛粉10kgに対して、濃度が19質量%の希硫酸を1.9リットル用いたこと以外は実施例群1と同様にして、以下に示す網目径の篩を用いて実施例2−1〜2−の鉛蓄電池、参考例2−1〜2−2の鉛蓄電池および比較例2−2の鉛蓄電池を作製した。
実施例2−1では網目径300μmの篩を用い、実施例2−2では網目径100μmの篩を用い、実施例2−3では網目径80μmの篩を用い、参考例2−1では網目径50μmの篩を用い、参考例2−2では網目径20μmの篩を用い、比較例2−2では網目径500μmの篩を用いた。
比較例2−1では、篩を用いずに一般的な方法で作製した活物質ペーストを用いて鉛蓄電池を作製した。具体的には、鉛粉、希硫酸、水および定法で添加される有機繊維を加えて、ミキサーで混錬することにより作製した活物質ペーストを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして比較例2−1の鉛蓄電池を作製した。
各電池について実施例群1と同様に、化成後の正極板の断面観察と、全細孔体積の分析を行った。
その結果、実施例2−1〜2−の鉛蓄電池の正極板10、参考例2−1〜2−2の鉛蓄電池の正極板および比較例2−2の鉛蓄電池の正極板では、内側に空孔12を有する略球状の部分11が認められた。また、この略球状の部分11の最大直径は、ペーストを作製する際に用いた篩の網目径以下であった。さらに略球状の部分11を、詳細に観察すると、その内部には空孔12が形成され、空孔12を取り囲む孔壁13から空孔12方向に突出形成された多数の突起14が存在するのが認められた。この略球状の部分11が空孔部11に相当すると考えられる。なお、図1の写真は実施例2−1の正極板10の断面図であり、図2の模式図は図1の写真における本発明に関係する部分を示した図である。
比較例2−1の鉛蓄電池の正極板では、一般的な正極板に形成されている細孔と同様の空孔と、当該細孔とは形状の異なる空孔であって略球状の部分11と同様の形状の空孔とが認められた。
本実施例群の各鉛蓄電池の正極板の全細孔体積は、約0.15ml/gであった。
(実施例群3)
下記方法により実施例3−1〜3−の鉛蓄電池、参考例3−1〜3−2の鉛蓄電池および比較例3−1〜3−2の鉛蓄電池を作製した。
鉛粉10kgに対して、濃度が15質量%の希硫酸を1.7リットル用いたこと以外は実施例群1と同様にして、以下に示す網目径の篩を用いて実施例3−1〜3−5の鉛蓄電池および比較例3−2の鉛蓄電池を作製した。
実施例3−1では網目径300μmの篩を用い、実施例3−2では網目径100μmの篩を用い、実施例3−3では網目径80μmの篩を用い、参考例3−1では網目径50μmの篩を用い、参考例3−2では網目径20μmの篩を用い、比較例3−2では網目径500μmの篩を用いた。
比較例3−1では、篩を用いずに一般的な方法で作製した活物質ペーストを用いて鉛蓄電池を作製した。具体的には、鉛粉、希硫酸、水および定法で添加される有機繊維を加えて、ミキサーで混錬することにより作製した活物質ペーストを用いたこと以外は実施例3−1と同様にして比較例3−1の鉛蓄電池を作製した。
各電池について実施例群1と同様に化成後の正極板の断面観察と、全細孔体積の分析を行った。
その結果、実施例3−1〜3−の鉛蓄電池の正極板10、参考例3−1〜3−2の鉛蓄電池の正極板および比較例3−2の鉛蓄電池の正極板では、内側に空孔12を有する略球状の部分11が認められた。また、この略球状の部分11の最大直径は、ペーストを作製する際に用いた篩の網目径以下であった。さらに略球状の部分11を、詳細に観察すると、その内部には空孔12が形成され、空孔12を取り囲む孔壁13から空孔12方向に突出形成された複数の突起14が存在するのが認められた。この略球状の部分11が空孔部11に相当すると考えられる。
比較例3−1の鉛蓄電池の正極板では、一般的な正極板に形成されている細孔と同様の空孔と、当該細孔とは形状の異なる空孔であって略球状の部分11と同様の形状の空孔とが認められた。
本実施例群の各鉛蓄電池の正極板の全細孔体積は、約0.11ml/gであった。
<電池性能評価試験>
実施例群1〜3では、種々の最大直径の空孔部を有する正極板を用いた電池を作製した。
実施例群1〜3で作製した比較例1−1、1−2、2−1、2−2、3−1、3−2、実施例1−1〜1−3、参考例1−1〜1−2、実施例2−1〜2〜参考例2−1〜2−2、実施例3−1〜3−3、参考例3−1〜3−2の各鉛蓄電池について、以下の手順で電池性能試験を行った。
(1)RC(リザーブキャパシティ)試験(容量試験)
JIS D 5301に準拠して、電池を放電温度25℃、放電電流25A、放電終止電圧10.5Vとして、RC放電時間を測定した。
各電池におけるRC放電時間を、実施例群1では比較例1−1のRC放電時間を100とした場合の放電時間比として、実施例群2では比較例2−1のRC放電時間を100とした場合の放電時間比として、実施例群3では比較例3−1のRC放電時間を100とした場合の放電時間比として表1に示した。この放電時間比が高いほど放電容量が高く、105以上であれば放電容量向上効果があると判断した。
(2)軽負荷寿命試験(寿命性能試験)
JIS D 5301に準拠して、電池を、温度40℃の水槽中で、放電電流25Aで4分間放電し、充電電圧14.8V(最大電流25A)で10分間充電して、これを1サイクルとして480サイクル行った後、56時間放置し、その後定格コールドクランキング電流265A(38B19)で30秒放電した。
試験験の終了は、その30秒目の電圧が7.2V以下となり、再び上昇しないことを確認したときとした。
寿命回数はその30秒目の電圧が7.2V以下となる回数とする。この寿命回数は回数と容量の関係線から求める。
各電池における寿命回数を、実施例群1では比較例1−1の寿命回数を100とした場合の寿命サイクル比として、実施例群2では比較例2−1の寿命回数を100とした場合の寿命サイクル比として、実施例群3では比較例3−1の寿命回数を100とした場合の寿命サイクル比として表1に示した。この寿命サイクル比が大きいほど寿命性能は高く、100以上であれば、寿命性能の低下はないと判断した。
表1中、細孔量とは、各鉛蓄電池の正極板の全細孔体積を示し、最大直径とは正極板の断面観察において観察された空孔部11の最大直径(μm)または、略球状の部分11と同様の形状の空孔の最大直径(μm)を示す。
Figure 0005344214
表1に示す結果から、以下のことがわかった。
(1)各実施例群において、本発明の正極板10を備える鉛蓄電池(実施例1−1〜1−3、参考例1−1〜1−2、実施例2−1〜2〜3、参考例2−1〜2−2、実施例3−1〜3−3、参考例3−1〜3−2)では、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させることができた。この理由は以下のように考えられる。
本発明の正極板10を備える鉛蓄電池では、空孔12と、孔壁13と孔壁13に形成された突起14とからなる空孔部11を有しているから、この空孔部11内に硫酸を多量に保持することができる。従って、極板表面部の細孔が放電生成物である硫酸鉛により塞がれて、電解液が極板内部に拡散できなくなっても、空孔部11に保持された硫酸を補給して放電反応を継続させることができるため放電容量が充分に向上したと考えられる。
(2)空孔部11が形成されていても、その最大直径が500μmである正極板を備える鉛蓄電池(比較例1−2、2−2、3−2)では、寿命性能は低下しなかったが、放電容量向上効果が充分ではなかった。この結果から、空孔部11の最大直径を300μm以下とすれば、寿命性能を低下させずに、放電容量が充分に向上するということがわかった。
なお、比較例1−1の鉛蓄電池は、実施例群1の鉛蓄電池の中で、寿命性能と放電容量が最も低く、比較例2−1の鉛蓄電池は、実施例群2の鉛蓄電池の中で、寿命性能と放電容量が最も低く、比較例3−1の鉛蓄電池は、実施例群3の鉛蓄電池の中で、寿命性能と放電容量が最も低かった。比較例1−1、2−1、3−1の鉛蓄電池の正極板においても、略球状の部分と同様の形状の空孔が認められたが、当該空孔は、その最大直径が1000μmであったため、寿命性能を低下させずに放電容量を向上させる効果に寄与できなかったと考えられる。
本発明の正極板10を備える鉛蓄電池のうち、空孔部11の最大直径が100μm以下の正極板10を備える鉛蓄電池(実施例1−2〜1−3、参考例1−1〜1−2、実施例2−2〜2〜参考例2−1〜2−2、実施例3−2〜3−3、参考例3−1〜3−2)では、寿命性能を低下させずに、放電容量を向上させる効果が特に優れていた。
これは、細孔体積が同一の場合、大きい空孔部11がところどころに形成されているよりも、小さい空孔部11が多数形成されているほうが電解液の流れがよくなり、極板全体が有効に利用されるからではないかと考えられる。
この結果から空孔部11の最大直径が100μm以下であると特に好ましいということがわかった。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態においては、正極活物質の空孔部の最大直径を300μm以下とするために、鉛粉と希硫酸とを混練してペースト状としたものを網目径300μm以下の篩にかけて分離する方法を用いたがこの方法に限定されない。
例えば、(i)鉛粉に希硫酸を霧状に噴霧する方法や、(ii)鉛粉と希硫酸とを混練してペースト状としたものを高圧条件下ですりつぶしながら混練する方法などにより空孔部の大きさをコントロールしたものであってもよい。
(2)実施例において、最大直径が300μm、100μm、80μm、50μm、20μmの空孔部を有する正極板を作製したが、最大直径が200μmの空孔部を有する正極板であってもよい。
本発明の鉛蓄電池用正極板の断面の写真である。 本発明の鉛蓄電池用正極板の断面の模式図である。
符号の説明
10…本発明の正極板
11…空孔部
12…空孔
13…孔壁
14…突起

Claims (2)

  1. 空孔部を有する正極活物質を備える正極板であって、
    前記空孔部は、複数の突起と当該突起が突出した孔壁を有するとともに前記突起と前記孔壁とによって取り囲まれた空孔を有し、最大直径が80μm以上300μm以下であることを特徴とする鉛蓄電池用正極板。
  2. 前記空孔部の最大直径が80μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池用正極板。
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