JP5343936B2 - 磁気センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサ装置に関する。
従来より、フリー磁性層とピン磁性層とを有するGMR素子(Giant Magneto Resistance;GMR)やTMR素子(Tunneling Magneto Resistance;TMR)を用いて物体の回転角を検出する磁気センサが知られている。これらの素子を有する回転角センサでは、出力信号はsin曲線となるため、1素子での360°検出はできない。
そこで、フリー磁性層とピン磁性層とを有する素子部をセンサ基板に複数設けた回転角検出センサが、例えば特許文献1で提案されている。この回転角検出センサでは、ピン磁性層の磁化の向きがπ/2ずつずれた4個の素子部、つまり磁化の向きが逆の2対の素子部が設けられている。そして、素子部上に配置された磁石が物体の回転と共に回転すると各素子部の抵抗値が変化することによって物体の回転角が検出されるようになっている。
また、特許文献1では、ピン磁性層の磁化の向きがπ/2ずつずれた素子部をそれぞれ着磁するために、4本の角柱状棒磁石を互いに磁極の極性が反対になるように束ねて棒磁石ブロックを作成し、この棒磁石ブロックの下端面をセンサ基板の表面に近接させる方法が提案されている。この場合、センサ基板に棒磁石ブロックを近接させた状態で、真空中で数時間、高温のアニールを行い、ピン磁性層の着磁を行う。
特開2002−303536号公報
しかしながら、上記従来の技術では、棒磁石ブロックは4本の棒磁石が束ねられているので、1つの棒磁石ブロックでありながら4本分の棒磁石の相互作用が生じてしまうという問題がある。このため、棒磁石の相互作用によって対となる素子部間での着磁力にバラツキが発生し、ひいては回転角検出の際に出力される抵抗値にバラツキが生じてしまう。
本発明は上記点に鑑み、複数の素子部の抵抗値のバラツキを低減(抑制)することができる磁気センサ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、上部絶縁層(27、44)と、上部絶縁層(27、44)の上方に形成され、外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(30)とフリー磁性層(30)よりも上部絶縁層(27、44)側に位置すると共に磁化の向きおよび磁化の大きさが固定されるピン磁性層(28)とを有する複数の磁気抵抗素子部(14)と、を備え、複数の磁気抵抗素子部(14)が外部の磁場の影響を受けたときの複数の磁気抵抗素子部(14)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出するように構成されている。
また、上部絶縁層(27、44)の下方には、上部絶縁層(27、44)の一面(27a、44a)に平行な面方向に電流が流れることで複数の磁気抵抗素子部(14)のピン磁性層(28)の磁化の向きおよび磁化の大きさを固定する導体部(32)が備えられている。
そして、導体部(32)には、面方向において、複数の磁気抵抗素子部(14)に流れる電流の方向に対してそれぞれ傾けられた方向に電流が流れるようになっており、導体部(32)に電流が流れて導体部(32)の周囲に磁界が形成されることにより、複数の磁気抵抗素子部(14)のピン磁性層(28)の磁化の向きおよび大きさが固定されるようになっていることを特徴とする。
これによると、複数の磁気抵抗素子部(14)のピン磁性層(28)は、導体部(32)に電流が流れて導体部(32)の周囲に形成される磁界によって磁化の向きおよび大きさ(強度)がそれぞれ固定される。つまり、磁石等による着磁によってピン磁性層(28)の磁化の向きおよび大きさを固定するよりも相互作用が生じ難い構成となっている。このため、複数の磁気抵抗素子部(14)の間で抵抗値のバラツキを低減することができる。
例えば、請求項2に記載の発明のように、導体部(32)には複数の磁気抵抗素子部(14)毎に同一の電流が流れるようになっていることで各ピン磁性層(28)の磁化の大きさ(強度)を揃えることができ、抵抗値のバラツキを低減できる。また、請求項3に記載の発明のように、導体部(32)には複数の磁気抵抗素子部(14)毎に異なる電流が流れるようになっていることで各磁気抵抗素子部(14)に製造誤差などがあったとしても、当該異なる電流によって各ピン磁性層(28)の磁化の大きさ(強度)を調整することができる。これにより、複数の磁気抵抗素子部(14)の抵抗値を揃えることができ、各磁気抵抗素子部(14)の抵抗値のバラツキを低減することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、一面(26)を有し、半導体基板として構成された基板(13)を備えており、導体部(32)は基板(13)のうちの一面(26)側にイオン注入により形成された拡散層とすることができる。
一方、請求項5に記載の発明のように、一面(26)を有し、半導体基板として構成された基板(13)を備えており、基板(13)は当該基板(13)の一面(26)が凹んだトレンチ(40)と、トレンチ(40)の側壁に形成された絶縁膜(41)と、を備えており、導体部(32)は、絶縁膜(41)を介してトレンチ(40)に埋め込まれると共に金属材料もしくはポリシリコンで形成されたものであり、絶縁層(27)は、金属材料で構成された導体部(32)を覆うように基板(13)の一面(26)に形成されたものとすることができる。
請求項6に記載の発明では、基板(13)と、基板(13)の上に形成された下部絶縁層(43)と、を備えており、導体部(32)は下部絶縁層(43)の上に設けられ、上部絶縁層(44)は導体部(32)の上に設けられ、複数の磁気抵抗素子部(14)は上部絶縁層(44)の上にそれぞれ設けられていることを特徴とする。このように、導体部(32)は基板(13)の上に設けられた構造とすることもできる。
請求項7に記載の発明のように、請求項6に係る磁気センサ装置において、導体部(32)は、下部絶縁層(43)の上に金属材料もしくはポリシリコンで形成されたものでも良い。
請求項8に記載の発明では、導体部(32)は、ストライプ状に設けられていることを特徴とする。これによると、導体部(32)に流れる電流が導体部(32)の幅方向に分散されないので、導体部(32)に流れる電流の向きを固定することができる。これにより、導体部(32)の周囲に形成される磁界を安定させることができる。
請求項9に記載の発明では、導体部(32)は、面方向において、磁気抵抗素子部(14)に流れる電流の方向に対して直交する方向に電流が流れるようになっていることを特徴とする。これにより、磁化の向きを安定させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る磁気センサ装置の模式図である。 図1に示されるセンサチップの平面図である。 (a)は図2のA−A’断面図であり、(b)は図2のB−B’断面図である。 図2のセンサチップに形成された導体部の平面図である。 図2に示されるセンサチップの製造工程を示した図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサチップの平面図である。 (a)は図6のC−C’断面図であり、(b)は図6のD−D’断面図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサチップの平面図である。 (a)は図8のE−E’断面図であり、(b)は図8のF−F’断面図である。 図8のセンサチップに形成された導体部の平面図である。 本発明の第4実施形態に係る導体部の製造工程を示した図である。 本発明の第5実施形態に係る導体部の製造工程を示した図である。 他の実施形態を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る磁気センサ装置は、例えば自動車用のエンジン回転数検出やハンドル回転角検出等に使用されるものである。本実施形態では、磁気センサ装置として回転角を検出する回転角センサを例に説明する。
図1は、本実施形態に係る磁気センサ装置の模式図である。この図に示されるように、磁気センサ装置は、円板状の磁石10とセンサチップ11とを備えて構成されている。磁石10には磁石10の中心軸上に位置するシャフト12が差し込まれており、このシャフト12が回転対象物の回転、例えばハンドルの回転に伴って中心軸を中心として回転するように構成されている。また、センサチップ11は、磁石10の中心軸上であって、磁石10のうちシャフト12の延設側とは反対側に配置されている。
磁石10の周辺には、磁石10によって磁場が形成されている。このため、センサチップ11は磁石10の磁場の影響を受けることとなる。この場合、ハンドルの回転に伴って磁石10が回転するとセンサチップ11に与えられる磁石10の磁場が変化するので、センサチップ11が磁石10から受ける磁場の変化に基づいてシャフト12の回転角、すなわちハンドルの回転角を検出できるようになっている。
続いて、センサチップ11の構成について、図2および図3を参照して説明する。図2はセンサチップ11の平面図である。また、図3(a)は図2のA−A’断面図であり、図3(b)は図2のB−B’断面図である。
図2に示されるように、センサチップ11は基板13の上に2つの磁気抵抗素子部14を備えている。磁気抵抗素子部14は、外部の磁場の影響を受けたときに抵抗値が変化する素子である。本実施形態に係る磁気抵抗素子部14は、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)として構成されている。
これら2つの磁気抵抗素子部14のうちの一方は配線部15を介して素子部電流印加用パッド16に接続され、他方は配線部17を介して素子部電流取り出し用パッド18に接続されている。そして、2つの磁気抵抗素子部14は下地配線部19を介して接続されている。これにより、電流は素子部電流印加用パッド16から配線部15、一方の磁気抵抗素子部14、下地配線部19、他方の磁気抵抗素子部14、配線部17を経由して素子部電流取り出し用パッド18に流れる。
また、各磁気抵抗素子部14の隣には各磁気抵抗素子部14を挟むように導体部電流印加用配線20と導体部電流取り出し用配線21とが設けられている。導体部電流印加用配線20は配線部22を介して導体部電流印加用パッド23に接続され、導体部電流取り出し用配線21は配線部24を介して導体部電流取り出し用パッド25に接続されている。
基板13は、図3(a)および図3(b)に示されるように、基板13は一面26を有し、この一面26に形成された絶縁層27を有している。基板13は、シリコン基板等の半導体基板で構成されている。また、絶縁層27として、誘電率の高い熱酸化膜、CVD酸化膜、CVD酸化膜、TEOS等の絶縁材料が用いられている。
そして、磁気抵抗素子部14は、絶縁層27の上に形成されている。より詳細には、絶縁層27の一面27aに下地配線部19が形成されており、この下地配線部19の上(すなわち、絶縁層27の上方)に磁気抵抗素子部14が設けられている。
磁気抵抗素子部14は、下地配線部19の上にピン磁性層28、トンネル層29、フリー磁性層30が順に形成されてTMR素子が構成されたものである。ピン磁性層28はフリー磁性層30よりも絶縁膜41側に位置すると共に磁化の向きが固定される強磁性金属層である。トンネル層29はトンネル効果によりフリー磁性層30からピン磁性層28に電流を流すための磁性金属層である。フリー磁性層30は、外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化する強磁性金属層である。
このような磁気抵抗素子部14は、図2に示されるように、基板13の一面26に平行な面方向において素子部電流印加用パッド16と素子部電流取り出し用パッド18とが並べられた方向に直線部分を含んだレイアウトになっている。
磁気抵抗素子部14の上、すなわちフリー磁性層30の上には磁気抵抗素子部14を保護するためのキャップメタル31が形成されている。このような磁気抵抗素子部14およびキャップメタル31の積層構造の周囲には積層構造の側面に接するように絶縁層27が形成されている。
そして、キャップメタル31を覆うように絶縁層27の上に配線部15が形成されている。これにより、配線部15からキャップメタル31および一方の磁気抵抗素子部14(素子部電流印加用パッド16側)にトンネル電流である電流Itが流れるようになっている。この電流Itは図3(b)に示されるように下地配線部19に流れ、他方の磁気抵抗素子部14のピン磁性層28に流れることとなる。
上記のような構成において、基板13は、基板13のうち一面26側(すなわち絶縁層27の下方)に形成された導体部32を備えている。この導体部32は、ピン磁性層28に対して着磁を行うものである。すなわち、導体部32は当該導体部32に電流が流れることによって導体部32の周囲に形成される磁界により、磁気抵抗素子部14の直線部分に対応したピン磁性層28の磁化の向きおよび磁化の大きさ(強度)を固定する役割を果たすものである。本実施形態では、導体部32は基板13に対するイオン注入によって基板13の不純物濃度が増加させられた拡散層である。導体部32と磁気抵抗素子部14とは絶縁層27により電気的に分離されている。
図4は、基板13に形成された導体部32のレイアウトを示した図である。この図に示されるように、導体部32は、基板13のうちの一面26側において、一方の磁気抵抗素子部14の直線部分に対応する位置に形成されている。また、導体部32は、基板13の一面26の面方向において、磁気抵抗素子部14に流れる電流の方向(本実施形態では基板13の一面26に垂直な方向)に対して傾けられた方向に電流が流れるように設けられている。言い換えると、導体部32は磁気抵抗素子部14の直線部分の長手方向に対して直交する方向に電流が流れるようにストライプ状に基板13に設けられている。すなわち、導体部32は磁気抵抗素子部14の直線部分の長手方向に対し、垂直な方向に並列に並べられている。これにより、磁気抵抗素子部14の長手方向に対して直交方向に電流が流れるため、導体部32によって形成された磁界によってピン磁性層28の磁化の向きが安定する。また、導体部32がストライプ状に幅狭に形成されたことで、導体部32に流れる電流が導体部32の幅方向に分散されないので、導体部32に流れる電流の向きが固定される。このため、導体部32の周囲に形成される磁界が安定する。
そして、図3(a)および図4に示されるように、絶縁層27には、導体部32のうちの正極となる部分と負極となる部分とに達するように孔部33が設けられている。そして、孔部33を介して導体部32のうちの正極となる部分の上に導体部電流印加用配線20が形成されており、孔部33を介して導体部32のうちの負極となる部分の上に導体部電流取り出し用配線21が形成されている。このような配線構造により図3に示されるように電流Icが流れる。
上記では、一方の磁気抵抗素子部14に対応した導体部32に関して説明したが、他方の磁気抵抗素子部14に対応した導体部32についても同様の構成である。以上が、本実施形態に係る磁気センサ装置の全体構成である。
次に、上記構成の磁気センサ装置の製造方法について、図5を参照して説明する。なお、図5では、左列の各図が図2のA−A’断面に相当し、右列の各図が図2のB−B’断面に相当する。
まず、図5(a)に示す工程では、基板13として半導体基板を用意し、基板13のうちの一面26側に例えばマスクを用いてイオン注入を行い、熱拡散処理を行うことで拡散層をストライプ状に形成する。この拡散層が導体部32となる。この場合、イオン注入は基板13のうち磁気抵抗素子部14の形成予定位置を考慮して基板13に対して行う。また、基板13の一面26の面方向において、磁気抵抗素子部14の直線部分の長手方向に対して直交方向に電流が流れるように導体部32を形成する。
続いて、図5(b)に示す工程では、基板13の一面26に、導体部32のうちの正極となる部分と負極となる部分とが少なくとも露出するようにフォトリソグラフィ・エッチング工程により絶縁層27を形成する。なお、基板13の一面26に絶縁層27を形成した後、絶縁層27のうち導体部32の正極となる部分と負極となる部分とを開口しても良い。
この後、図5(c)に示す工程では、絶縁層27の上に、磁気抵抗素子部14を形成する。このため、まずは絶縁層27の上に下地配線部19を形成する。下地配線部19は、金属材料やポリシリコン等の半導体材料等で形成する。そして、ピン磁性層28、トンネル層29、フリー磁性層30をスパッタリングにより順に形成する。こうして、磁気抵抗素子部14を形成する。さらに、磁気抵抗素子部14の上に保護用のキャップメタル31をスパッタリングにより形成する。
図5(d)に示す工程では、基板13の一面26上であって磁気抵抗素子部14の側面を覆うように絶縁層27をCVD法等で形成する。また、導体部32のうちの正極となる部分および負極となる部分が露出するように、絶縁層27に孔部33をフォトリソグラフィ・エッチング工程により形成する。
この後、孔部33にスパッタリングによりAlやCu等の金属材料を埋め込むことで導体部32のうちの正極となる部分の上に導体部電流印加用配線20を形成し、導体部32のうちの負極となる部分の上に導体部電流取り出し用配線21を形成する。また、絶縁層27の上に導体部電流印加用配線20に接続された配線部22および導体部電流印加用パッド23や導体部電流取り出し用配線21に接続された配線部24および導体部電流取り出し用パッド25をスパッタリング等で形成する。
これら配線部22、24等と同時に、一方の磁気抵抗素子部14を覆うキャップメタル31の上に配線部15を形成し、この配線部15に接続された素子部電流印加用パッド16を形成する。また、他方の磁気抵抗素子部14を覆うキャップメタル31の上に配線部17を形成し、この配線部17に接続された素子部電流取り出し用パッド18を形成する。
以上により、本実施形態に係るセンサチップ11が完成する。上記では1つのセンサチップ11の製造について説明したが、実際にはシリコンウェハに多数の構成を形成した後にウェハをダイシングカットすることでセンサチップ11を得ることとなる。
次に、各磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の磁化の向きおよび大きさの固定方法について説明する。ピン磁性層28を着磁するためには、図3に示されるように、導体部電流印加用パッド23から導体部32を経由して導体部電流取り出し用パッド25に電流Icを流し、この電流Icによって導体部32の周囲に磁界を発生させる。電流Icは、外部制御回路、例えばECU等が流すこととなる。このように、導体部32に電流Icが流れて導体部32の周囲に磁界が形成されることにより、磁気抵抗素子部14の直線部分に対応したピン磁性層28の磁化の向きおよび磁化の大きさ(強度)が固定される。
本実施形態では、2つの磁気抵抗素子部14にそれぞれ対応した各導体部32は並列接続されているので、各導体部32に同じの大きさの電流が流れることとなる。これにより、各磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の磁化の向きおよび大きさ(強度)を揃え易くすることができる。
また、導体部32に流す電流を停止することでピン磁性層28に導体部32の磁界が影響しなくなるが、これによりピン磁性層28の磁化の向きや大きさが磁気抵抗素子部14毎にばらつく可能性がある。しかし、導体部32に電流を流す度にピン磁性層28の磁化の向きおよび大きさを固定しているので、導体部32に電流を流す度に各磁気抵抗素子部14の抵抗値を揃えることができ、抵抗値のバラツキを低減することができる。つまり、導体部32に電流を流す度に導体部32によってピン磁性層28の着磁を毎回行っている。
もちろん、電流Icの向きを変えることでピン磁性層28の磁化方向を反転させることができる。また、導体部32に流す電流Icを制御することで、導体部32の周囲に形成される磁場の大きさを制御できる。つまり、ピン磁性層28の磁化量を調節することができる。ここで、「電流Icを制御する」とは、電流Icの大きさを調節することに相当する。
以上のように、各磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の磁化の向きおよび大きさ(強度)を同一電流でそれぞれ固定した後、図1に示される磁石10がハンドル操作によって回転すると、フリー磁性層30が磁石10から受ける磁界が変化する。すなわち、磁気抵抗素子部14が外部の磁場の影響を受けたことにより、各磁気抵抗素子部14の抵抗値の変化に基づいて電流Itが変化するので、この電流Itを検出することにより磁石10の回転角度を検出することができる。
なお、回転角を検出するための物理量としては電流Itに限らず、素子部電流印加用パッド16と素子部電流取り出し用パッド18との間の電圧を検出して角度を求めても良い。また、導体部32に流す電流Icは回転角度検出中に流し続けても良い。
以上説明したように、本実施形態では、基板13導体部32を設けた構成とし、この導体部32に電流を流すこと各磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の磁化の向きおよび磁化の大きさを固定することが特徴となっている。
すなわち、各磁気抵抗素子部14のピン磁性層28は導体部32に電流が流れて導体部32の周囲に形成される磁界によってそれぞれ着磁するので、導体部32に流れる電流の大きさを調節することで各磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の磁化の向きおよび磁化の大きさを磁気抵抗素子部14毎に揃えることができる。本実施形態では、各磁気抵抗素子部14に対応した各導体部32に同一の電流を流しているので、この同一の電流によって各磁気抵抗素子部14の抵抗値を揃えることができる。そして、このような着磁方法では、一方の磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の着磁(磁化の向きおよび大きさの固定)が、他方の磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の着磁(磁化の向きおよび大きさの固定)の影響を受けることはない。したがって、複数の磁気抵抗素子部14の抵抗値のバラツキを低減することができる。
また、本実施形態では、棒磁石ブロック等の磁石を用いた着磁ではなく、電流が周囲に作り出す磁界によって着磁を行うため、電流の大きさを調節することでピン磁性層28の着磁力すなわち磁化の大きさ(強度)が弱くなることもなく、十分な保持力を得ることができる。
さらに、磁気センサ装置の動作時に導体部32に電流Icを流してピン磁性層28の磁化の向きを固定するため、センサチップ11の製造工程において「着磁」という工程が不要である。すなわち、ピン磁性層28を形成して長時間のアニールによる着磁をする必要が無い。また、導体部32に電流Icを流し続ければピン磁性層28の磁化方向を常時ピニングすることができるため、磁化量の変動が小さく、磁気抵抗素子部14にて理想的な抵抗変化を得ることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、絶縁層27が特許請求の範囲の「上部絶縁層」に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。図6は本実施形態に係るセンサチップ11の平面図である。また、図7(a)は図6のC−C’断面図であり、図7(b)は図6のD−D’断面図である。
本実施形態では、第1実施形態で用いられていた下地配線部19は設けられておらず、図6に示されるように、ピン磁性層28が2つの磁気抵抗素子部14を繋ぐように形成されている。すなわち、ピン磁性層28が2つの磁気抵抗素子部14を接続する配線としての役割も果たしている。つまり、ピン磁性層28は各磁気抵抗素子部14で共通しているので、ピン磁性層28の端部が各磁気抵抗素子部14の一部となる。
したがって、図7(a)に示されるように、電流Itはフリー磁性層30からトンネル層29を経て一方の磁気抵抗素子部14の一部であるピン磁性層28まで流れ、図7(b)に示されるように、ピン磁性層28を流れて他方の磁気抵抗素子部14側に流れる。
以上のように、ピン磁性層28を配線として構成することができる。なお、本実施形態では下地配線部19は不要であるので、センサチップ11を製造する際には図5(c)に示す工程において絶縁層27の上にピン磁性層28を直接形成することとなる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、磁気抵抗素子部14はTMR素子として構成されていたが、本実施形態では磁気抵抗素子部14はGMR素子として構成されていることが特徴となっている。
図8は本実施形態に係るセンサチップ11の平面図である。また、図9(a)は図8のE−E’断面図であり、図9(b)は図8のF−F’断面図である。
図8は1つの磁気抵抗素子部14を示した平面図であり、図8に示された磁気抵抗素子部14が組み合わされて1つのセンシング部が構成される。センシング部は、例えば2つの磁気抵抗素子部14が直列に接続されて構成される場合や、4つの磁気抵抗素子部14がブリッジを組むように接続されて構成される場合等が一般的である。
図8に示されるように、磁気抵抗素子部14は基板13の一面26の面方向において複数の直線部分を含むように、波状に折り返された形状になっている。このような磁気抵抗素子部14の一端は配線部34に接続され、この配線部34は素子部電流印加用パッド16に接続されている。一方、磁気抵抗素子部14の他端は配線部35に接続され、この配線部35は素子部電流取り出し用パッド18に接続されている。
また、磁気抵抗素子部14の各直線部分を挟むように、直線部分毎に導体部電流印加用配線20および導体部電流取り出し用配線21が設けられている。そして、磁気抵抗素子部14の各直線部分の間に位置する導体部電流印加用配線20および導体部電流取り出し用配線21は配線部36を介してそれぞれ接続されている。
さらに、磁気抵抗素子部14の各直線部分のうち一端側の直線部分に沿って設けられた導体部電流印加用配線20は配線部37を介して導体部電流印加用パッド23に接続されている。また、磁気抵抗素子部14の各直線部分のうち他端側の直線部分に沿って設けられた導体部電流取り出し用配線21は配線部38を介して導体部電流取り出し用パッド25に接続されている。
図9(a)および図9(b)に示されるように、基板13には第1、第2実施形態と同様に導体部32が形成されている。この導体部32は、図10に示されるように、基板13の一面26の面方向において、磁気抵抗素子部14の直線部分の長手方向に対して直交する方向に電流が流れるようにストライプ状に基板13に設けられている。
また、基板13の上には絶縁層27が形成され、この絶縁層27の一面27aに磁気抵抗素子部14が形成されている。磁気抵抗素子部14は、ピン磁性層28、非磁性金属層39、フリー磁性層30が順に形成されてGMR素子が構成されたものである。このうち、非磁性金属層39としてはCu等の金属材料が用いられる。
さらに、磁気抵抗素子部14の積層構造の周囲には積層構造の側面に接するように絶縁層27が形成されている。そして、第1、第2実施形態と同様に、導体部32の正極となる部分と負極となる部分とが開口するように絶縁層27に孔部33が設けられ、各孔部33に導体部電流印加用配線20や導体部電流取り出し用配線21が埋め込まれている。
以上のような構成の磁気抵抗素子部14には、図9(a)および図9(b)に示されるように、基板13の一面26に平行な方向に電流Igが流れる。このような素子はCIP−GMR(Current In Plain GMR)と呼ばれる素子である。このようなGMR素子は、波状に折り曲げられているため、磁気抵抗素子部14の各直線部分に流れる電流Igが互いに逆向きになるのでノイズ成分をキャンセルすることができる。このため、磁気抵抗素子部14の抵抗値の検出精度が向上する。
以上のように、磁気抵抗素子部14をGMR素子として構成することもできる。磁気抵抗素子部14のピン磁性層28の着磁は、上述のように、導体部32に電流Icを流すことによって導体部32の周囲に形成される磁界により行うことができる。本実施形態では磁気抵抗素子部14は波状になっているので、各直線部分に対応した各導体部32に同一の電流を流すことによって各直線部分のピン磁性層28の磁化の向きおよび大きさを揃えている。
また、図8に示される磁気抵抗素子部14を複数組み合わせてセンシング部を構成することになるため、各磁気抵抗素子部14の導体部32に流す電流をそれぞれ制御することで、各ピン磁性層28の磁化量(磁化の大きさ)を揃えることができる。もちろん、各磁気抵抗素子部14の各導体部32に同一の電流を流しても各磁気抵抗素子部の磁化の大きさを揃えても良い。以上により、各磁気抵抗素子部14の抵抗値のバラツキを無くすことができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、導体部32は半導体基板に形成された拡散層であったが、本実施形態では基板13にトレンチを設けてこのトレンチに導体部32を埋め込んだことが特徴となっている。
図11は、本実施形態に係る導体部32の製造工程を示した図である。なお、本実施形態では、図2に示されたTMR素子としての磁気抵抗素子部14を例として説明する。また、図11の左列の各図が図2のA−A’断面に相当し、右列の各図が図2のB−B’断面に相当する。
まず、図11(a)に示す工程では、基板13としてシリコン基板等の半導体基板を用意する。そして、基板13のうちの一面26側にトレンチ40を形成し、このトレンチ40の側壁に熱酸化やCVD法等でSiO等の絶縁膜41を形成する。
図11(b)に示す工程では、絶縁膜41の上にCVD法等で金属材料であるAl等の金属層42を形成する。なお、金属材料に限らず、ポリシリコン等の導電性材料でも良い。
続いて、図11(c)に示す工程では、基板13の一面26の上に形成された絶縁膜41および金属層42をCMP等で除去し、基板13の一面26を平坦化する。これにより、トレンチ40には絶縁膜41を介して埋め込まれた金属層42の一部が残る。この金属層42の一部が導体部32となる。
図11(d)に示す工程では、図5(b)に示す工程と同様に、基板13の一面26に、導体部32のうちの正極となる部分と負極となる部分とが露出するように絶縁層27を形成する。
この後、図5(c)に示す工程以降の工程を行うことで図2および図3に示されるセンサチップ11が完成する。
以上により、基板13は、半導体基板で構成され、一面26が凹んだトレンチ40と、トレンチ40の側壁に形成された絶縁膜41と、を備えた構造となる。また、導体部32は絶縁膜41を介してトレンチ40に埋め込まれると共に金属材料で形成されたものとなり、絶縁層27は金属材料で構成された導体部32を覆うように基板13の一面26に形成される。
これによると、トレンチ40の幅によって導体部32の幅が制限されるので、導体部32が拡散層である場合よりも導体部32の幅を精度良く設計することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、基板13の内部に導体部32を設けていたが、本実施形態では基板13の上に導体部32を設けたことが特徴となっている。
図12は、本実施形態に係る導体部32の製造工程を示した図である。なお、本実施形態では、図2に示されたTMR素子としての磁気抵抗素子部14を例として説明する。また、図12の左列の各図が図2のA−A’断面に相当し、右列の各図が図2のB−B’断面に相当する。
まず、図12(a)に示す工程では、基板13を用意する。ここで、基板13は半導体基板に限らず、ガラス基板等でも良い。そして、基板13の一面26に熱酸化やCVD法等でSiO等の第1絶縁層43を形成する。
次に、図12(b)に示す工程では、第1絶縁層43の上にAl等の金属材料の導体部32を形成する。なお、金属材料に限らず、ポリシリコン等の導電性材料でも良い。
続いて、図12(c)に示す工程では、導体部32の上に、導体部32のうちの正極となる部分と負極となる部分とが露出するようにCVD法等で第2絶縁層44を形成する。この第2絶縁層44の一面44aに磁気抵抗素子部14が形成されることとなる。
このように、基板13に導体部32を形成した後、例えば図5(c)に示す工程以降の工程を行うことで図2および図3に示されるセンサチップ11が完成する。
なお、本実施形態では、図5(c)に示す工程では第2絶縁層44の上に磁気抵抗素子部14を形成する。また、図5(d)に示す工程では、第2絶縁層44から露出した導体部32のうちの正極となる部分の上に導体部電流印加用配線20を形成し、第2絶縁層44から露出した導体部32のうちの負極となる部分の上に導体部電流取り出し用配線21を形成する。磁気抵抗素子部14の側面を覆うように第2絶縁層44を形成した場合は、第2絶縁層44に孔部33を設けて孔部33に導体部電流印加用配線20や導体部電流取り出し用配線21を埋め込む。
したがって、本実施形態では、基板13は、当該基板13の一面26に形成された第1絶縁層43と、第1絶縁層43の上に形成され、磁気抵抗素子部14の直線部分に対応する位置に複数の磁気抵抗素子部14毎に形成された導体部32と、導体部32の上に形成された第2絶縁層44と、を備えたものとなる。なお、導体部32には第2絶縁層44の一面44aに平行な面方向に電流が流れることとなる。
これによると、導体部32を基板13の内部に形成する必要がないため、導体部32の製造工程が容易になるという利点がある。すなわち、上記各実施形態のように、基板13にイオン注入を行ったり、トレンチ40を形成したりする工程が不要になる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、第1絶縁層43が特許請求の範囲の「下部絶縁層」に対応し、第2絶縁層44が特許請求の範囲の「上部絶縁層」に対応する。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された構造は一例であり、上記で示した構造に限定されることなく、本発明の特徴を含んだ他の構造とすることもできる。例えば、磁気抵抗素子部14の構成は一般的であり、他の構成でも良い。また、第1実施形態ではセンサチップ11に磁気抵抗素子部14であるTMR素子は2つ設けられているが、2つに限らず3つ以上でも良い。
さらに、上記では、磁気抵抗素子部14に流れる電流の方向が異なるということで、TMR素子とGMR素子とを区別をしてきたが、GMR素子であってもTMR素子と同じように、基板13の一面26に垂直な方向に電流を流して回転角度を検出するセンサが存在する。このGMR素子は、CPP−GMR(Current Perpendicular to Plane GMR)と呼ばれるものであり、磁気抵抗素子部14にCPP−GMR素子を採用することもできる。なお、TMR素子のトンネル層29を非磁性金属層39に変更することでCPP−GMR素子として使用できる。
一方、磁気抵抗素子部14に対する外乱磁場からの影響を低減するため、磁気抵抗素子部14の周囲を金属材料で囲んでも良い。金属材料は、基板13に形成されたトレンチに埋め込まれている。この金属材料に電流を流しても良いが、磁気抵抗素子部14とは独立した回路とする。また、金属材料は外部磁場の影響を受けやすい強磁性の物質が望ましい。例えばNi、Fe、Coまたはそれらの合金、スピン分極率の大きいマグネタイト、CrO、RXMnO3−y(R:希土類、X:Ca、Ba、Sr)等の酸化物の他、NiMnSb、PtMnSb等のホイスラー合金、Zn−Mn−O、Ti−Mn−O、CdMnP、ZnMnP等の磁性半導体を用いることができる。
上記各実施形態では、磁気抵抗素子部14の直線部分の長手方向に対して直交する方向に電流が流れるように導体部32が基板13に設けられていたが、このような関係は一例である。すなわち、導体部32は、磁気抵抗素子部14の直線部分の長手方向に対して傾けられた方向に電流が流れるように基板13に設けられていれば良い。
また、上記各実施形態において、磁気抵抗素子部14がTMR素子として構成された場合、図2に示されるように2つの磁気抵抗素子部14に対応した各導体部32に対して共通の電流Icが流れる構成となっていた。しかし、各磁気抵抗素子部14に対応した導体部32それぞれに導体部電流印加用配線20および導体部電流取り出し用配線21を設けて磁気抵抗素子部14に対応した導体部32毎に電流Icを制御しても良い。このように、各磁気抵抗素子部14に対応した導体部32毎に異なる電流を流すことによっても各磁気抵抗素子部14の抵抗値を揃えることができる。
このように、各磁気抵抗素子部14に対応した導体部32にそれぞれ流れる電流Icを制御することについては、以下のような利点がある。例えば図3に示される向きの電流Icを正方向(電流方向−正)としたとき、磁石10が回転すると磁石回転角に応じて図13に示される抵抗変化率として実線の波形が得られる。そして、導体部32に流す電流Icを反転させる(つまり負の方向に流す)と図6に示される実線の波形は反転し(電流方向−負)、点線で示す波形が得られる。これは、電流Icを流す向きを逆にするとピン磁性層28の磁化方向が反転するため、外部磁場に対する抵抗変化が反転するためである。この原理を利用して、1つのチップの中に複数の磁気抵抗素子部14を配置し、それぞれ電流の向きを変えることで、ノイズ成分の除去が可能となり、測定精度を向上させることができる。
13 基板
14 磁気抵抗素子部
26 基板の一面
27 絶縁層(上部絶縁層)
27a 絶縁層の一面
28 ピン磁性層
30 フリー磁性層
32 導体部
40 トレンチ
41 絶縁膜
43 第1絶縁層(下部絶縁層)
44 第2絶縁層(上部絶縁層)
44a 第2絶縁層の一面

Claims (9)

  1. 上部絶縁層(27、44)と、
    前記上部絶縁層(27、44)の上方に形成され、外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(30)と前記フリー磁性層(30)よりも前記上部絶縁層(27、44)側に位置すると共に磁化の向きおよび磁化の大きさが固定されるピン磁性層(28)とを有する複数の磁気抵抗素子部(14)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(14)が外部の磁場の影響を受けたときの前記複数の磁気抵抗素子部(14)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記上部絶縁層(27、44)の下方には、前記上部絶縁層(27、44)の一面(27a、44a)に平行な面方向に電流が流れることで前記複数の磁気抵抗素子部(14)のピン磁性層(28)の磁化の向きおよび磁化の大きさを固定する導体部(32)が備えられ、
    前記導体部(32)には、前記面方向において、前記複数の磁気抵抗素子部(14)に流れる電流の方向に対してそれぞれ傾けられた方向に電流が流れるようになっており、
    前記導体部(32)に電流が流れて前記導体部(32)の周囲に磁界が形成されることにより、前記複数の磁気抵抗素子部(14)のピン磁性層(28)の磁化の向きおよび大きさが固定されるようになっていることを特徴とする磁気センサ装置。
  2. 前記導体部(32)には、前記複数の磁気抵抗素子部(14)毎に同一の電流が流れるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
  3. 前記導体部(32)には、前記複数の磁気抵抗素子部(14)毎に異なる電流が流れるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
  4. 一面(26)を有し、半導体基板として構成された基板(13)を備えており、
    前記導体部(32)は、前記基板(13)のうちの一面(26)側にイオン注入により形成された拡散層であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  5. 一面(26)を有し、半導体基板として構成された基板(13)を備えており、
    前記基板(13)は、当該基板(13)の一面(26)が凹んだトレンチ(40)と、前記トレンチ(40)の側壁に形成された絶縁膜(41)と、を備えており、
    前記導体部(32)は、前記絶縁膜(41)を介して前記トレンチ(40)に埋め込まれると共に金属材料もしくはポリシリコンで形成されたものであり、
    前記絶縁層(27)は、前記金属材料で構成された導体部(32)を覆うように前記基板(13)の一面(26)に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  6. 基板(13)と、前記基板(13)の上に形成された下部絶縁層(43)と、を備えており、
    前記導体部(32)は前記下部絶縁層(43)の上に設けられ、前記上部絶縁層(44)は前記導体部(32)の上に設けられ、前記複数の磁気抵抗素子部(14)は前記上部絶縁層(44)の上にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  7. 前記導体部(32)は、前記下部絶縁層(43)の上に金属材料もしくはポリシリコンで形成されたものであることを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ装置。
  8. 前記導体部(32)は、ストライプ状に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  9. 前記導体部(32)は、前記面方向において、前記磁気抵抗素子部(14)に流れる電流の方向に対して直交する方向に電流が流れるようになっていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
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