JPWO2015033464A1 - 磁気センサ素子 - Google Patents

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勝哉 三浦
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Abstract

面内磁化容易軸を有する強磁性層と垂直磁化容易軸を有する強磁性層を用いたMTJ構造を複数積層した構造を有する磁気センサ素子を提供する。1つの素子で2方向以上の磁場をセンシング可能、あるいは微小磁場と比較的大きな磁場の複数の磁場範囲をセンシング可能とする。

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサ素子に関するものである。
近年、磁気センサは、車載用の車軸回転センサやカム/クランク角位置センサ、電気自動車用の電流センサ、あるいは携帯端末の電子コンパスなど様々な用途で用いられている。トンネル磁気抵抗(Tunneling Magnetoresistive:TMR)効果を利用するMTJ(Magnetic Tunneling Junction)素子は小型で低消費電力な磁気センサとして有望である。MTJ素子の基本構成は、2つの強磁性体層(固定層、自由層)で絶縁体のバリア層を挟んだ構造である。固定層の磁化方向は一方向に固定されており、一方、自由層の磁化方向は外部磁場によって回転する。両者の磁化方向の角度差によって素子の抵抗が変化するため、外部磁場の変化を素子の抵抗変化として検出することができる。
例えば電子コンパスのように方位を計測する用途においては、複数方向の磁場(X方向、Y方向、Z方向)をセンシングする必要がある。従来のMTJ素子の磁気センサは磁場の感度方向が一方向のみであるため、そのような計測を行うためには、複数の素子を実装する必要があった(例えば特許文献1)。
特開2004−6752号公報
上記のように従来のMTJ素子は実装の容易さや小型化にまだ課題があった。また、電気自動車用の電流センサのように、電流によって発生する磁場から電流値を読み取るような用途では、幅広いレンジの電流値を測定するニーズがある。その場合、測定電流の大小によって適切な磁場感度領域を有する複数のセンサを使い分ける必要があり、省スペース、低コスト化に課題があった。
本発明は、上述した課題に鑑み、複数方向の磁場を1素子で高感度に測定できる小型化、高感度化に優れたMTJ素子、あるいは、狭いレンジと広いレンジの磁場を1素子で高感度に測定できるセンサ素子を提案するものである。
本発明では、垂直磁気異方性を有する強磁性層と、面内磁気異方性を有する強磁性層を組み合わせた複数のMTJ構造を備えた磁気センサ素子を提案する。望ましい構成としては、膜厚によって垂直/面内の磁気異方性を制御可能なCoFeBを強磁性層に用いる。
本発明による磁気センサ素子は、外部磁場によって磁化の方向が変化する自由層、磁化の方向が一方向に固定された固定層、および自由層と固定層の間に配置される酸化物のトンネルバリア層を備えたトンネル磁気抵抗効果素子を少なくとも2個積層してなる磁気センサ素子であり、各トンネル磁気抵抗効果素子は上下に上部電極層と下部電極層を備え、その上部電極層と下部電極層にはトンネル磁気抵抗効果素子の抵抗を測定するための電極端子が接続され、トンネル磁気抵抗効果素子の少なくともどちらかは、自由層と固定層の容易軸方向が面内と垂直方向に直交している。
一態様として、2つのトンネル磁気抵抗効果素子のいずれかにおいて、固定層の磁化容易軸が垂直方向である。また、別の態様として、2つのトンネル磁気抵抗効果素子のいずれかにおいて、自由層の磁化容易軸が垂直方向である。
本発明の磁気センサ素子を用いると、1素子で2方向以上の磁場をセンシングできるため実装スペースを減らし、より小型の磁気センサを実現できる。また、弱い磁場領域と強い磁場領域それぞれに感度を備えたタイプの素子を用いると、省スペース化と低コスト化が可能となる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の磁気センサ素子の断面模式図。 MTJ構造の外部磁場と抵抗変化の関係を示す模式図 MTJ構造の外部磁場と抵抗変化の関係を示す模式図。 実施例1の磁気センサ素子をより具体的な形状で示した断面模式図。 実施例1の磁気センサ素子のより実用的な実装形態を示した模式図。 実施例1の磁気センサ素子の実装形態を示した模式図。 3軸方向の磁場センサを実現するための磁気センサ素子の配置図。 実施例2の磁気センサ素子の断面模式図。 実施例2の磁気センサ素子の抵抗の外部磁場依存性を示す模式図。 実施例3の磁気センサ素子の断面模式図。 実施例4の磁気センサ素子の断面模式図。 実施例5の磁気センサ素子の断面模式図。
以下、本発明の図面を参照して実施形態を説明する。
<実施例1>
実施例1は二方向の磁場を測定可能な磁気センサを提案するものである。図1は、実施例1におけるセンサ素子の断面模式図である。センサ素子は、図1のように複数の金属薄膜および絶縁体薄膜をウェハ基板上に積層して構成される。本素子は、上段のMTJ構造71と下段のMTJ構造72とが積層され、両者の間には絶縁体のスペーサ層40が配置されている。
まず下段のMTJ構造72について説明する。MTJ構造72は従来用いられている一般的な面内磁気異方性の強磁性層を用いた磁気センサ構造である。下部電極34は下からTa(膜厚:5nm)/Ru(膜厚:10nm)/Ta(膜厚:5nm)/NiFe(3nm)の順で積層した積層膜で構成される。その上に反強磁性層42としてMnIr(8nm)を積層する。さらに固定層第二の強磁性層25、非磁性層41、固定層第一の強磁性層24の順に積層する。固定層第二の強磁性層25はCo50Fe50(2.5nm)、非磁性層41はRu(0.8nm)、固定層第一の強磁性層24はCo20Fe6020(3nm)である。固定層第一の強磁性層24と固定層第二の強磁性層25は非磁性層41のRuを介した反強磁性結合により、それぞれの磁化64,65は互いに反平行に安定する。これがいわゆる積層フェリ構造の固定層であり、固定層の磁化を強く固定するのに有効である。固定層の上にはバリア層12としてMgO(1.5nm)を積層し、その上に自由層23のCo20Fe6020(2nm)と、上部電極33としてTa(5nm)/Ru(5nm)の積層膜を形成する。上部電極33と下部電極34にはそれぞれ抵抗を測定するための電極端子53と54が接続される。
続いて磁場に対する素子の応答について説明する。固定層の磁化65は反強磁性層42の交換バイアスによって図中+y方向に強く固定されている。上述したようにRuを介した反強磁性結合により、固定層の磁化64は磁化65と反平行に安定するため−y方向に固定される。一方、自由層の磁化63は磁化容易軸がx方向にある。つまり、外部磁場が無い状況では、自由層の磁化63と、バリア層12を介して対向する固定層の磁化64の磁化容易軸は面内で直交する。これを初期状態とする。
次に、図示したように例えば+y方向の磁場82が印加されると自由層の磁化63が+y方向に向くよう面内で回転する。このとき両者の磁化は反平行配置に近づくため、MTJ構造72の抵抗(電極端子53−54間の抵抗)は初期状態に比べて増大する。逆に外部磁場が−y方向に印加されると自由層の磁化63は−y方向に向くように回転し両者の磁化は平行配置に近づくためMTJ構造72の抵抗は初期状態に比べて減少する。図2は、このMTJ構造の外部磁場と抵抗変化の関係を示す模式図である。図示したように外部磁場に応じて抵抗が線形に変化する領域を利用して磁場をセンシングできる。
次に、上段のMTJ構造71について説明する。下部電極32は下からTa(膜厚:5nm)/Ru(膜厚:10nm)/Ta(膜厚:5nm)の順で積層した積層膜で構成される。その上に固定層22、バリア層11、自由層21の順に積層する。固定層22はCo20Fe6020(1nm)、バリア層11はMgO(1.5nm)、自由層21はCo20Fe6020(2nm)を用いた。その上に上部電極31としてTa(5nm)/Ru(5nm)の積層膜を形成する。上部電極31と下部電極32にはそれぞれ抵抗を測定するための電極端子51と52が接続される。このMTJ構造71においては、固定層22の磁化62は膜面垂直方向に向いている。これは、Co20Fe6020は膜厚を1nm程度に薄くすることでMgO界面との界面磁気異方性の影響が増大し、磁化容易軸が膜面内から膜面垂直方向に変わるためである。一方、自由層21の磁化61は膜面内x方向を向く。これは、自由層21は比較的厚い2nmのCo20Fe6020であり、磁化容易軸が面内方向を向いているためである。固定層22の垂直磁気異方性は一般に面内磁気異方性よりも強いので反強磁性層がなくても磁化62を安定に固定できる。より強く固定層22の磁化を固定したい場合は必要に応じて下部電極32と固定層22の間に反強磁性層を挿入しても良い。
続いて、このMTJ構造71の磁場に対する応答について説明する。まず外部磁場のない初期状態において、自由層の磁化61は膜面内方向を向き、固定層の磁化62は膜面垂直方向を向いて、両者は直交している。図示したように+z方向の外部磁場81がかかると自由層の磁化61は+z方向を向くように回転し、磁化62と反平行配置に近づくため抵抗が増大する。逆に−z方向の外部磁場がかかると自由層の磁化61は−z方向を向くため固定層の磁化62と平行配置に近付き抵抗が減少する。図3は、このMTJ構造の外部磁場と抵抗変化の関係を示す模式図である。図示したように外部磁場に応じて抵抗が線形に変化する領域を利用して磁場をセンシングできる。
以上、図1と図2、図3を用いて素子の構造と動作を説明した。次に、実装するためのより具体的な素子構造とその作製方法を示す。図4は、素子構造の断面模式図である。素子を階段状のピラーに加工し、素子を構成する積層薄膜の所定の層に上部から電極を接続できるようにする。作製方法としては、はじめに熱酸化膜つきのSi基板5の上にArガスを用いたRFスパッタリング法を用いて積層薄膜を形成する。各薄膜の材料および膜厚は上述したとおりである。積層薄膜を形成した後、フォトリソグラフィとイオンビームエッチングを用いて、積層薄膜全体を上部から見て45×30μmのピラー形状(図中A辺45μm)に加工する。続いて、そのピラーよりも小さい40×30μmサイズのピラー形状(図中B辺40μm)に加工する。その際、エッチングは下部電極34の上部で止める。同様にして、次にそれよりも小さい35×30μmサイズのピラー形状(図中C辺35μm)に加工する。その際、エッチングは上部電極33の上部で止める。同様にして、次にそれよりも小さい30×30μmサイズのピラー形状(図中D辺30μm)に加工する。その際、エッチングは下部電極32の上部で止める。以上のように階段状のピラーを形成した後、全体を層間絶縁膜(Al23)で覆い、フォトリソグラフィとイオンビームエッチングによって電極端子51,52,53,54を接続するためのコンタクトホールを形成する。その後、電極薄膜Cr(膜厚:5nm)/Au(膜厚:100nm)を成膜し、最後にその電極薄膜をパターニング加工することで電極端子51,52,53,54とする。
以上の工程で素子を作製後、固定層の着磁と抵抗変化比(TMR比)を増大させる目的で2回の熱処理を行う。1回目の熱処理では、磁場をx方向に印加した状態で300℃の処理を行う。これにより自由層21と自由層23の磁化容易軸がx方向に向く。同時に、MgOのバリア層11,12をテンプレートにしてアモルファスだったCo20Fe6020(自由層21、固定層22、自由層23、固定層24)がbcc(001)に配向し、高いTMR比を実現する。2回目の熱処理では、磁場をy方向に印加した状態で200℃の処理を行う。これにより、MTJ構造72の固定層24,25の磁化が図1のようにy方向に固定される。このときの熱処理温度は1回目よりも低いため、1回目の処理でx方向に固定させた自由層21,23の磁化容易軸は変化しない。また、垂直磁気異方性を有する固定層22の磁化容易軸は熱処理中の磁場印加方向に関係なく膜面垂直方向が安定であるため、結果として各強磁性層の磁化方向は図1のような配置で安定となる。以上の方法で作製したMTJ構造71,72は図2、図3に示した動作を示し、ともに最大TMR比100%が得られた。
図5は、本実施例の磁気センサ素子のより実用的な実装形態を示した模式図である。この実装形態では、磁気センサ70の固定層の磁化が何かの要因によって反転してしまった場合のリセット機能を備える。絶縁性の基板91にコイル92が形成されており、それに電流を流すことで膜面垂直方向(−z方向)の磁場93を発生する。基板94には巻き方向の異なるコイルが対になった8の字型のコイル95が形成されており、これに電流を流してy方向の磁場を発生する。これらのコイル基板をセンサ素子70の形成された基板5に重ねて配置しておき、必要に応じてコイルに電流を流してy方向、z方向の磁場を発生させることで固定層の磁化を初期状態に戻すことが可能になる。
以上、実施例1では、MTJ構造71とMTJ構造72を積層した構造によって一つの素子でy方向、z方向の2方向の磁場をセンシングすることが可能となる。これにより従来は各磁場方向に対して2個の磁気センサが必要であった分のスペースを削減でき、さらに複数の磁気センサ同士を配線する実装をより簡便化し、作製コストを低減できる。実施例1の磁気センサの応用例として、例えば地磁気を測定する電子コンパスに適用する場合、素子を寝かせて、水平2軸(x軸、y軸)に感度をもたせるように配置すれば、水平面内での方位を計測することができる。図6は、その実装の模式図である。図のように基板4の上に本実施例の素子を寝かせ、二つのMTJ構造71,72がxy面内に並ぶように配置する。図中の矢印は各MTJ構造における自由層の磁化容易軸方向を示したものである。このような配置にすると、MTJ構造71は図中x方向に感度を持ち、MTJ構造72はy方向に感度を持つ。各MTJ構造の抵抗を測定すれば現在素子にかかっているx方向、y方向の磁場の大きさが分かる。そこから磁場ベクトルの角度が計算できるため、地磁気に対して現在の素子がどの程度傾いているか分かり、現在の方位が測れる。
さらに発展させて、本実施例の素子を2つ用いれば、水平方向2軸に垂直方向を加えた3軸方向の磁場センサも実現可能である。図7は、3軸方向の磁場センサを実現するための磁気センサ素子の配置を示す図である。図7のように、2つのセンサ素子を面内で90°回して並べておけば、それぞれの下段のMTJ構造72が水平x方向とy方向の磁場を測定し、2つのセンサ素子の上段のMTJ構造71が両方とも垂直z方向の磁場を測定する。この構成でも従来の1軸感度のセンサ素子を3つ並べる実装形態に比べて省スペース化と実装の容易化に有効である。本実施例のセンサ素子は、上記の電子コンパスの他、医療応用などではカテーテルの先端に設置し、先端の位置や姿勢情報をセンシングする磁気センサシステムなどに適用できる。
本実施例において固定層22に用いたCoFeBの膜厚としては、最小でも0.5nm以上、最大でも3nm以下であり、より好ましくは1nmから2nmの間である。これは、CoFeBの膜厚が薄過ぎると強磁性体として機能せず、一方で厚過ぎると、垂直磁気異方性の強さが低下するためである。また、本実施例では、自由層21,23、固定層22,24にCo20Fe6020を用いたが、それ以外の組成、例えばCo40Fe4020をなどの組成比を用いてもよい。またCoFeB以外でも、bcc結晶構造をもつその他の材料、例えばCoFeやFeを用いても同様の効果が得られるのは言うまでもない。また、固定層22の垂直磁気異方性を有する材料としてはCoFeB以外の材料、たとえばCo75Pt25,Co50Pt50,Fe50Pt50,Fe50Pd50などのL10型規則合金や、m−D019型のCo75Pt25規則合金、あるいは、CoCrPt−SiO2,FePt−SiO2など粒状の磁性体が非磁性体の母相中に分散したグラニュラー構造の材料、もしくは、Fe,Co,Niのいずれかもしくは一つ以上を含む合金と、Ru,Pt,Rh,Pd,Crなどの非磁性金属を交互に積層した積層膜、あるいは、CoとNiを交互に積層した積層膜、もしくは、TbFeCo,GdFeCoなど、Gd,Dy,Tb等の希土類金属に遷移金属を含んだアモルファス合金を用いてもよい。ただし、これらの垂直磁気異方性材料(アモルファス合金を除く)は下地層の結晶方位や表面平坦性の影響を強く受け、垂直磁気異方性が低下する場合があるので下地層の制御がより重要となる。また、バリア層との間で高TMR比に適した結晶整合性を実現するのがCoFeBを用いる場合よりも一般に難しい。
これらの観点から、膜厚を制御するだけで面内/垂直磁気異方性を変えられ、かつ下地層からくる結晶配向性への影響をあまり気にせず100%以上のTMR比を実現できるCoFeBが本実施例の強磁性材料としては最も望ましい。さらに言えば、CoFeBは磁化容易軸が辛うじて膜面垂直方向になるように膜厚を調整することで、弱い垂直磁場で磁化が反応するような素子を作製可能である。言い換えると、抵抗変化の磁場依存性特性において、抵抗変化領域の傾きを大きくでき、すなわち印加磁場に対して高感度の素子となる。この点においてもCoFeBは従来の垂直磁化材料(元来垂直磁気異方性が強く微小な磁場では磁化が回転しにくい)に比べてセンサ応用に適している材料である。
<実施例2>
実施例2は、微小磁場と比較的大きい磁場の両方を1つの素子で測定できるセンサを提案するものである。図8は、実施例2のセンサ素子の断面模式図である。本実施例の素子も実施例1と同様に2つのMTJ構造を積層した構造である。一部の薄膜積層構成が異なる以外には、実装のためのより具体的な構造(図4に該当)や作製方法は実施例1と同様である。
下段のMTJ構造72の薄膜積層構成および、スペーサ層40の材料、膜厚は実施例1と同様である。一方、上段のMTJ構造71の薄膜積層構成が実施例1とは異なる。実施例2の上段のMTJ構造71は面内磁化容易軸をもつ固定層と垂直磁化容易軸をもつ自由層で構成される。その固定層は、下段のMTJ素子72と同じく第一の強磁性層26/非磁性層43/第二の強磁性層27からなる積層フェリ構造であり、その下地には反強磁性層44が挿入される。この積層フェリ構造の固定層を形成する各層、ならびに反強磁性層44、ならびにバリア層11の材料と膜厚は下段のMTJ構造72と同様である。
一方、自由層21は薄いCo20Fe6020(1.7nm)で構成され、磁化容易軸は膜面垂直方向である。図8のように+y方向に外部磁場が印加されると磁化61が膜面垂直方向から膜面内+y方向に倒れるため、バリア層11を挟んで対向する固定層第一の強磁性層26の磁化62と反平行配列に近付きMTJ構造71の抵抗が増大する。逆に−y方向に外部磁場が印加されると磁化61は−y方向に倒れるため、磁化62と平行配列に近付きMTJ構造71の抵抗が減少する。
図9は、この外部磁場と抵抗変化の関係を示す模式図である。図示したように、外部磁場に応じて抵抗が線形に変化する領域(A点〜B点)を利用して磁場をセンシングできる。なお、磁場がB点を越えると自由層の磁化61だけなく固定層側の磁化62も反転してしまうため、図示したように抵抗が減少していく。
下段のMTJ構造72の抵抗−磁場依存性は図2に示したとおりである。本実施例のMTJ構造72の場合、センシングに用いる線形領域での抵抗変化の傾き、すなわち感度は1[Oe]あたりTMR比10%であった。(10%/Oe)また、測定できる磁場範囲は±5Oeであった。一方、上段のMTJ構造71における線形領域(A点〜B点)の感度はそれより低く0.05%/Oeであり、逆に測定できる磁場範囲(A点〜B点の磁場範囲)は1kOeと広い。これは、上段のMTJ構造71において垂直磁気異方性をもつ自由層21の磁化61が、下段のMTJ構造72において面内磁気異方性をもつ自由層23の磁化63よりも外部磁場に対して回転しにくいことによる。
以上、これら2つのタイプのMTJ構造を備えた本実施例のセンサ素子は、一つの素子で微小な磁場と比較的大きい磁場の2つのレンジで磁場をセンシング可能である。この素子は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車においてモータ駆動用のケーブル周囲に配置し、電流が流れた際に発生する周回磁場をセンシングする電流センサに応用可能である。そのような用途では、広範囲の電流レンジをカバーするため、従来は感度範囲の異なる複数のセンサを用いてきた。それに比べ、本実施例のセンサ素子を用いることで実装する素子の数や配置スペースおよびコストの低減が可能である。
本実施例において自由層21に用いたCoFeBの膜厚としては、最小でも0.5nm以上、最大でも3nm以下であり、より好ましくは1nmから2nmの間である。これは、CoFeBの膜厚が薄過ぎると強磁性体として機能せず、一方で厚過ぎると、垂直磁気異方性の強さが低下し面内磁気異方性が支配的になるためである。また、本実施例では、自由層21,23、固定層26,24にCoFeBを用いたが、bcc結晶構造をもつその他の材料、例えばCoFeやFeを用いても同様の効果が得られるのは言うまでもない。
<実施例3>
実施例3は、実施例1のようにy方向とz方向に感度を持つが、実施例1とは構成が一部異なる磁気センサを提案するものである。図10は、実施例3の磁気センサ素子の断面模式図である。
本実施例の磁気センサ素子は、上側のMTJ構造71は実施例1で示したのと同じ構成であり、下側のMTJ構造72には、実施例2における上側のMTJ構造と同じ構成を適用する。実施例3のこれらMTJ構造71,72の各層の材料や膜厚はそれぞれ、実施例1におけるMTJ構造71、実施例2におけるMTJ構造72と同様である。実施例3では、上側のMTJ構造71はz方向の磁場に対して感度を有し、下側のMTJ構造72はy方向の磁場に対して感度を有する。この構成によりy,zの二方向について磁場をセンシング可能となる。
なお作製方法も実施例1と同様である。補足すると、素子加工後の1回目の熱処理では、磁場をx方向に印加した状態で300℃の処理を行い、自由層21の磁化容易軸をx方向にする。その後、磁場をy方向に印加しつつ200℃で2回目の熱処理を行い、固定層24,25の磁化容易軸をy方向に固定する。固定層22と自由層23は垂直磁化容易軸を有するため、その磁化62,63は熱処理中の磁場印加方向に関係なく膜面垂直方向が安定である。
<実施例4>
実施例4は、簡便に作製可能な高感度の垂直磁場用磁気センサを提案するものである。
MTJを用いる磁気センサにおいては、従来は面内磁気異方性を利用するケースが多い。すなわち、固定層の磁化方向に対して自由層の磁化が膜面内で回転して得られる抵抗変化を信号とする方式である。このような面内タイプの磁気センサは、平面基板に形成される素子の形状から水平方向の磁場をセンシングするのに適する。その一方、膜面垂直方向の磁場をセンシングするためには、素子が形成された基板を立てて配置する必要性があり、実装が煩雑となり、また省スペース化には不向きである。それに対し、膜面垂直方向の磁場をセンシングするため、面内磁化容易軸を有する固定層と垂直磁化容易軸を有する自由層の組み合わせを用いる垂直タイプのセンサも提案されている。しかし、従来の垂直磁気異方性を有する強磁性材料はCo50Pt50に代表されるL10型規則合金や、Co/Ptに代表される人工格子の多層膜であり、それらはMgOバリアとの結晶整合性の観点から100%を越える高いTMR比を実現することが困難である。よって、従来の垂直タイプの磁気センサは面内タイプのセンサよりも感度が低い課題があった。
ここで、CoFeBは、MgOなどの酸化物と接して配置すると、膜厚を制御するのみでその磁気異方性を膜面内から膜面垂直方向に変えることが可能である。これはCoFeBと酸化物との界面に発現する垂直磁気異方性に由来する。また、高いTMR比を実現するためにCoFeBとMgOバリアは非常に優れた組み合わせである。
この材料の組み合わせを磁気センサに適用すれば、従来よりも高感度の垂直タイプの磁気センサを簡便に実現できる。図11は、実施例4の磁気センサ素子の断面模式図である。本センサ素子は図11のように熱酸化膜つきのSi基板5の上に積層した薄膜で構成される。下部電極32は下からTa(膜厚:5nm)/Ru(膜厚:10nm)/Ta(膜厚:5nm)の順で積層した積層膜で構成される。その上に固定層22、バリア層11、自由層21の順に積層する。固定層22はCo20Fe6020(1nm)、バリア層11はMgO(1.5nm)、自由層21はCo20Fe6020(2.5nm)を用いた。その上に上部電極31としてTa(5nm)/Ru(5nm)の積層膜を形成する。上部電極31と下部電極32にはそれぞれ抵抗を測定するための電極端子51と52が接続される。固定層22の磁化62は膜面垂直方向に向いている。これは、Co20Fe6020は膜厚を1nm程度に薄くすることでMgO界面との界面磁気異方性の影響が増大し、磁化容易軸が膜面内方向から膜面垂直方向に変わるためである。一方、自由層21の磁化61は膜面内x方向を向く。これは、自由層21は比較的厚い2nmのCo20Fe6020であり、磁化容易軸が膜面内方向を向いているためである。固定層22の垂直磁気異方性は一般に面内磁気異方性よりも強いので、反強磁性層がなくても磁化62を安定に固定できる。より強く固定層22の磁化を固定したい場合は必要に応じて下部電極32と固定層22の間に反強磁性層を挿入しても良い。また、固定層22のCo20Fe6020の膜厚は1nm以外でも問題ないが、垂直磁気異方性を発現するために0.5nm以上2nm以下の範囲が望ましい。
上記積層膜はArを用いたRFスパッタリングで作製し、その後フォトリソグラフィとイオンビームエッチングによって上部からみて30×30μm形状のピラー形状に加工した。その後、上部電極31と下部電極32にそれぞれ電極端子51と52を接続し、最後に自由層21の磁化容易軸をx方向に固定するためx方向に磁場をかけながら300℃で熱処理を行った。
作製した磁気センサに膜面垂直方向(z方向)から磁場を印加すると、自由層21の磁化61がz方向に傾き、固定層22の磁化62と反平行配列に近付くため素子の抵抗が増大する。逆に−z方向に磁場を印加すると磁化61は磁化62と平行配列に近付くため素子の抵抗が減少する。このような動作原理に基づき図3に示したようなヒステリシスのない優れた線形特性が得られる。本実施例では、垂直磁気異方性を有する強磁性層にCoFeBを用いることにより抵抗変化比(TMR比)は最大で100%を得た。また1Oeあたりの抵抗変化比は約1%であり、例えば地磁気のセンシングも可能となる感度を得た
以上の構成により、本実施例の磁気センサは従来の垂直タイプの磁気センサよりも高感度であり、また、面内タイプの磁気センサのようにセンサ基板を立てて配置しなくても垂直磁場のセンシングが可能である。これらの効果によって、小型の磁気コンパスや、車載用の小型磁気センサ、また医療応用におけるカテーテル先端の磁気センサなどへの適用が可能である。
<実施例5>
実施例5は、実施例4の構造を基本として、それに対してより固定層の磁化が安定なセンサ素子構造を提案するものである。図12は、実施例5の磁気センサ素子の断面模式図である。
基本構造は実施例4と同じであるが、実施例5では固定層22の下に固定層第二の強磁性層28を挿入する。強磁性層28の材料はCo(0.4nm)とPt(0.6nm)を交互に6回積層した多層膜を用いた。強磁性層28の磁化67は固定層22の磁化62と強磁性結合するため、磁化62は実施例1と比べて強く固定される。そのため、外部から大きな磁場が印加された場合でも固定層の磁化反転が抑制される効果が得られる。
本実施例では固定層第二の強磁性層28の材料としてCo/Ptの積層膜を用いたが、他の垂直磁気異方性を有する材料を用いてもよい。例えばCo75Pt25,Co50Pt50,Fe50Pt50,Fe50Pd50などのL10型規則合金や、m−D019型のCo75Pt25規則合金、あるいは、CoCrPt−SiO2,FePt−SiO2など粒状の磁性体が非磁性体の母相中に分散したグラニュラー構造の材料、もしくは、Fe,Co,Niのいずれかもしくは一つ以上を含む合金と、Ru,Pt,Rh,Pd,Crなどの非磁性金属を交互に積層した積層膜、あるいは、CoとNiを交互に積層した積層膜、もしくは、TbFeCo,GdFeCoなど、Gd,Dy,Tb等の希土類金属に遷移金属を含んだアモルファス合金を用いてもよい。
上記実施例4,5に示した磁気センサ素子の態様について以下に示す。
(1)外部磁場によって磁化の方向が変化する強磁性体薄膜からなる自由層、磁化の方向が一方向に固定された強磁性体薄膜からなる固定層、および前記自由層と前記固定層の間に配置される酸化物のトンネルバリア層を備えたトンネル磁気抵抗効果素子構造の磁気センサ素子であり、前記磁気センサ素子の上下には上部電極層と下部電極層を備え、前記上部電極層と前記下部電極層には前記磁気センサ素子の抵抗を測定するための電極端子が接続され、前記自由層の磁化容易軸が膜面内方向であり、前記固定層の磁化容易軸が膜面垂直方向である磁気センサ素子。
(2)前記(1)の磁気センサ素子において、前記固定層は第一の強磁性層と第二の強磁性層を有し、前記第一の強磁性層と前記第二の強磁性層の磁化が強磁性結合した構造である磁気センサ素子。
(3)前記(1)の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層を構成する強磁性体薄膜の少なくとも一つはFe,CoFe又はCoFeBである磁気センサ素子。
(4)前記(1)の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層のうち垂直磁化容易軸を有する強磁性体薄膜は、膜厚の制御によって磁化方向が膜面に対して垂直方向を向いており、その膜厚は0.5nm〜3nmの範囲である磁気センサ素子。
(5)前記(1)〜(4)の磁気センサ素子において、前記トンネルバリア層はMgOであることを特徴とする磁気センサ素子。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
4,5…基板、11,12…バリア層、21…自由層、22…固定層、23…自由層、24…固定層第一の強磁性層、25…固定層第二の強磁性層、26…固定層第一の強磁性層、27…固定層第二の強磁性層、28…固定層第二の強磁性層、31…上部電極、32…下部電極、33…上部電極、34…下部電極、40…スペーサ層、41…非磁性層、42…反強磁性層、43…非磁性層、44…反強磁性層、71…上段のMTJ構造、72…下段のMTJ構造、81,82…印加磁場、91,94…基板、92,95…コイル、93,96…磁場

Claims (11)

  1. 第1のトンネル磁気抵抗効果素子と
    前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子に積層された第2のトンネル磁気抵抗効果素子と、
    前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子の上下に配置された第1の上部電極層と第1の下部電極層と、
    前記第2のトンネル磁気抵抗効果素子の上下に配置された第2の上部電極層と第2の下部電極層と、
    前記第1の上部電極層と前記第1の下部電極層に接続され、前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子の抵抗を測定する電極端子と、
    前記第2の上部電極層と前記第2の下部電極層に接続され、前記第2のトンネル磁気抵抗効果素子の抵抗を測定する電極端子とを備え、
    前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子及び第2のトンネル磁気抵抗効果素子はそれぞれ、外部磁場によって磁化の方向が変化する強磁性体薄膜からなる自由層と、磁化の方向が一方向に固定された強磁性体薄膜からなる固定層と、前記自由層と前記固定層の間に配置された酸化物のトンネルバリア層を有し、
    前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子と前記第2のトンネル磁気抵抗効果素子の少なくとも一方は、当該トンネル磁気抵抗効果素子を構成する自由層と固定層の磁化容易軸が膜面内方向と膜面垂直方向に直交していることを特徴とする磁気センサ素子。
  2. 請求項1に記載の磁気センサ素子において、前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子の固定層又は前記第2のトンネル磁気抵抗効果素子の固定層は、磁化容易軸が膜面垂直方向を向いていることを特徴とする磁気センサ素子。
  3. 請求項1に記載の磁気センサ素子において、前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子の自由層又は前記第2のトンネル磁気抵抗効果素子の自由層は、磁化容易軸が膜面垂直方向を向いていることを特徴とする磁気センサ素子。
  4. 請求項1に記載の磁気センサ素子において、前記第1のトンネル磁気抵抗効果素子の固定層又は前記第2のトンネル磁気抵抗効果素子の固定層は、第1の強磁性層と第2の強磁性層で非磁性金属層を挟んだ構造を有し、かつ前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層の磁化方向が反平行結合した積層フェリ構造であることを特徴とする磁気センサ素子。
  5. 請求項1に記載の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層を構成する強磁性体薄膜の少なくとも一つはFe、CoFe又はCoFeBであることを特徴とする磁気センサ素子。
  6. 請求項5に記載の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層のうち磁化容易軸が膜面垂直方向を向いた強磁性体薄膜の膜厚は0.5nm〜3nmの範囲であることを特徴とする磁気センサ素子。
  7. 請求項5に記載の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層のうち磁化容易軸が膜面垂直方向を向いた強磁性体薄膜の材料は、Fe,Co,Niのいずれか、もしくはその中の1つ以上を含む合金と、Ru,Pt,Rh,Pd,Crのいずれかを交互に積層した積層膜であることを特徴とする磁気センサ素子。
  8. 請求項5に記載の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層のうち磁化容易軸が膜面垂直方向を向いた強磁性体薄膜の材料は、粒状の磁性相の周囲を非磁性相が取り囲んだグラニュラー構造の材料であることを特徴とする磁気センサ素子。
  9. 請求項5に記載の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層のうち磁化容易軸が膜面垂直方向を向いた強磁性体薄膜の材料は、希土類金属と遷移金属を含んだアモルファス合金であることを特徴とする磁気センサ素子。
  10. 請求項5に記載の磁気センサ素子において、前記自由層と前記固定層のうち磁化容易軸が膜面垂直方向を向いた強磁性体薄膜の材料は、m−D019型のCoPt規則合金、もしくは、L11型のCoPt規則合金、もしくはCo−Pt,Co−Pd,Fe−Pt,Fe−Pdを主成分とするL10型の規則合金であることを特徴とする磁気センサ素子。
  11. 請求項1に記載の磁気センサ素子において、前記トンネルバリア層はMgOであることを特徴とする磁気センサ素子。
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