JP5343760B2 - 調質型軟窒化部品 - Google Patents

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Description

本発明は、調質型軟窒化部品に関する。より詳しくは、自動車、産業機械および建設機械などに用いられるクランクシャフト、コネクティングロッドなどのように、所要の形状に鍛造および機械加工した後、焼入れ−焼戻しの調質処理を行い、その後さらに軟窒化を施して製造される、高い曲げ疲労強度と優れた曲げ矯正性を有する調質型軟窒化部品に関する。さらに詳しくは、優れた曲げ矯正性と曲げ疲労試験において800MPa以上の高い曲げ疲労強度を有する調質型軟窒化部品に関する。
なお、「調質型軟窒化部品」とは、いわゆる「調質処理」である「焼入れ−焼戻し処理」を行った後で、軟窒化処理が施された部品を指す。なお、以下の説明においては、上記の「軟窒化処理が施された部品」を単に「軟窒化部品」と称する。
高い疲労強度や耐摩耗性が要求される自動車部品では、鍛造と機械加工の後に表面硬化処理である高周波焼入れ処理や軟窒化処理が行われるものが多い。
上記のうちで「軟窒化処理」は、A1変態点以下の温度で窒素と炭素を拡散浸透処理するものであり、熱処理温度が低い。このため、「軟窒化処理」の大きな特徴として「高周波焼入れ処理」に比べて熱処理歪が小さいことが挙げられる。軟窒化処理を施した部品の表層には、ナイタールで腐食すると白く観察される「化合物層」(Fe3N等の窒化物が析出した層)が、また、上記の化合物層と生地(母材)の間には「拡散層」が形成される。
上述のように、軟窒化処理した場合の熱処理歪は、高周波焼入れ処理した場合に比べて小さい。しかしながら、その熱処理歪は、皆無とはならず、特に、回転軸部品であるクランクシャフトなどにおいては軽微な熱処理歪でも寸法精度が低下して問題となってしまう。したがって、軟窒化処理後に曲げ矯正を行って寸法精度を高める必要がある。
ところが、軟窒化部品に曲げ矯正を行なうと表層から亀裂が発生する場合がある。このため、クランクシャフトのような軟窒化部品には、曲げ疲労強度の高いことに加えて、曲げ矯正を行なった場合にも亀裂が生じないこと、すなわち、曲げ矯正性に優れることも要求される。なお、以下の説明においては、上記の軟窒化部品を「クランクシャフト」で代表させて説明することがある。
近年、環境に対する配慮が要求されるようになって、クランクシャフトも例外なく軽量小型化が志向され、例えば、800MPa以上という極めて高い曲げ疲労強度が要求されるようになっている。なお、クランクシャフトに上記の800MPa以上という曲げ疲労強度を確保させるためには、部品表面から0.05mm位置の硬さ(以下、「表層硬さ」ということがある。)を軟窒化処理後に少なくともビッカース硬さ(以下、「HV硬さ」という。)で400以上とする必要がある。
しかしながら、クランクシャフトの表面から0.05mm位置のHV硬さを400以上とした場合には、曲げ矯正を行なうと表層に亀裂が発生し、曲げ矯正を行った後に曲げ疲労試験を実施すると、その亀裂を起点として疲労破壊が生じる。
このため、800MPa以上という曲げ疲労強度に加えて十分な曲げ矯正性を有するクランクシャフトに対する要望が極めて大きくなっている。
前記した要望に応えるべく、例えば、特許文献1に、質量%で、C:0.2〜0.6%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.25〜1.0%、S:0.03〜0.2%、Cr:0.2%以下、s−Al:0.045%以下、Ti:0.002〜0.010%、N:0.005〜0.025%およびO:0.001〜0.005%を含有し、必要に応じてさらに、Pb:0.01〜0.40%、Ca:0.0005〜0.0050%およびBi:0.005〜0.40%のうちの1種または2種以上を含有し、かつ0.12×Ti%<O%<2.5×Ti%および0.04×N%<O%<0.7×N%の条件を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、熱間鍛造後の組織がフェライトとパーライトの混合組織であることを特徴とする軟窒化用非調質鋼が開示されている。
特許文献2には、表面に窒化処理または軟窒化処理が施された鋼よりなる、ピン部およびジャーナル部を有するクランクシャフトであって、前記鋼が合金成分として、C:0.07質量%以上0.12質量%以下、Si:0.05質量%以上0.25質量%以下、Mn:0.1質量%以上0.5質量%以下、Cu:0.8質量%以上1.5質量%以下、Ni:2.4質量%以上4.5質量%以下、Al:0.8質量%以上1.5質量%以下、 Ti:0.5質量%以上1.5質量%以下を含有し、必要に応じてさらに、S:0.01質量%以上0.10質量%、Ca:0.0010質量%以上0.0050質量%のうちの1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、かつ、窒化処理の影響を受けていない中心部から採片した鋼試料を1200℃にて1時間溶体化した後、900℃以上300℃以下までの温度範囲を0.3℃/秒以上1.5℃/秒以下に設定される適当な冷却速度にて冷却することにより、鋼組織に占めるベイナイトの比率を80%以上、HV硬さを200以上300以下とすることができ、前記窒化処理又は軟窒化処理が施された前記ピン部および前記ジャーナル部の内部硬さがHV硬さで350以上500以下であり、かつ表面から0.05mmの位置におけるHV硬さが650以上950以下であることを特徴とするクランクシャフトが開示されている。
特開2002−226939号公報 特開2007−177309号公報
前述の特許文献1で開示された技術の成分では、十分な表層硬さが得られない。このため、特許文献1の実施例に示されているように、曲げ疲労強度が低く、800MPaに達していない。
特許文献2で開示された技術の成分では、その実施例に示されているように軟窒化処理後の表層硬さが高くなりすぎる。このため、曲げ矯正処理を実施した際に十分な曲げ矯正性を有しているとはいえなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、優れた曲げ矯正性を有し、かつ曲げ疲労試験において800MPa以上の高い曲げ疲労強度を有する調質型軟窒化部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、種々の検討を行った。その結果、下記の1)〜8)の事項が明らかになった。
1)軟窒化処理した鋼材の表層から薄板試験片を採取して引張試験を行ったところ、化合物層を除去した試験片では化合物層を除去しない試験片に比べ、引張試験の伸びが大幅に向上する。
2)引張試験後の薄板試験片の破面を観察した結果、化合物層を除去していない試験片の破面は化合物層が脆性破壊して割れの起点となっているのに対して、化合物層を除去した試験片の場合には延性破面となっている。
3)軟窒化処理した鋼材の表層の化合物層を除去することにより、曲げ矯正時の破壊形態が化合物層を起点とした脆性破壊から延性破壊へと変化し、このため軟窒化部品の曲げ矯正性を改善することができる。
4)軟窒化処理後の表面から0.05mm位置のHV硬さを400以上としても、軟窒化部品の表層の化合物層を除去すれば、実用上十分な曲げ矯正性を得ることができる。
5)但し、軟窒化部品の表面から0.05mm位置の硬さが過剰に高くなり、HV硬さで600以上となった場合には、たとえ化合物層を除去しても実用上十分な曲げ矯正性を得ることができない。
6)また調質処理により母材自体の靱性を高めることで、非調質鋼に比べ調質鋼は良好な曲げ矯正性を得ることができる。
7)一方、曲げ疲労強度に関しては、化合物層除去前後でもほとんど変化がなく、表面から0.05mm位置のHV硬さが400以上であれば、800MPa以上の高い曲げ疲労強度も同時に得ることができる。
8)Crを含有する鋼材に軟窒化処理を施すと表層硬さを過度に高めてしまう。このため、曲げ矯正性確保という観点から、従来は軟窒化部品の素材に対して積極的にCrを含有させることは行われてこなかった。しかしながら、表層のHV硬さが400〜600の場合には、化合物層を除去することによって十分な曲げ矯正性を確保することができ、しかも、積極的にCrを含有させることで、800MPa以上という曲げ疲労強度を確保させるのに必要なHV硬さである400〜600という表層硬さを容易に確保することができる。このため、軟窒化部品の素材に対して適正量のCrを積極的に含有させることは極めて有効である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す調質型軟窒化部品にある。
(1)生地の鋼材が、質量%で、C:0.25〜0.40%、Si:0.10〜0.35%、Mn:0.60〜1.0%、P:0.08%以下、S:0.10%以下、Al:0.05%以下、Cr:0.30〜1.10%およびN:0.0030〜0.0250%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる調質型軟窒化部品であって、表面から0.05mm位置のHV硬さが400〜600であり、かつ応力集中部の化合物層深さが5μm以下であることを特徴とする調質型軟窒化部品。
(2)生地の鋼材が、Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Mo:0.3%以下およびV:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の調質型軟窒化部品。
(3)生地の鋼材が、Feの一部に代えて、質量%で、Ni:0.5%以下およびTi:0.020%以下うちの1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の調質型軟窒化部品。
(4)生地の鋼材が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.010%以下を含有することを特徴とする上記(1)から(3)までのいずれかに記載の調質型軟窒化部品。
「調質型軟窒化部品」とは、いわゆる「調質処理」である「焼入れ−焼戻し処理」を行った後で、軟窒化処理が施された軟窒化部品を指す。
また、残部としての「Feおよび不純物」における「不純物」とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石やスクラップあるいは環境などから混入するものを指す。
さらに、「応力集中部」とは、例えば、図1に示す形状のクランクシャフトである場合、「ピンフィレット」あるいは「ジャーナルフィレット」を指す。
本発明の調質型軟窒化部品は、軟窒化処理後の曲げ矯正性に優れ、しかも、曲げ疲労試験において800MPa以上の高い曲げ疲労強度を有するので、自動車、産業機械および建設機械などの部品、例えば、クランクシャフトとして用いることができ、軽量小型化に対処することが可能である。
調質型軟窒化部品としてクランクシャフトの一部を例示し、その「応力集中部」となる「ピンフィレット」および「ジャーナルフィレット」を説明する図である。 実施例で用いた溝付き小野式回転曲げ疲労試験片の形状を示す図である。図における寸法の単位は「mm」である。 実施例で用いた4点曲げ試験片の形状を示す図である。図における寸法の単位は「mm」である。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)生地の鋼材の化学組成について:
C:0.25〜0.40%
Cは、曲げ疲労強度を高める作用を有する。所望の曲げ疲労強度を得るためには、0.25%以上のCを含有する必要がある。しかしながら、Cの含有量が多くなりすぎると、表層硬さがあまりにも大きくなって、化合物層を除去した状態であっても十分な曲げ矯正性を得ることができない。このため、Cの含有量を0.25〜0.40%とした。なお、Cの含有量は0.30%以上とすることが好ましい。
Si:0.10〜0.35%
Siは、溶製時の脱酸用として必要な元素であり、かかる効果を得るためには少なくとも0.10%の含有量とする必要がある。しかしながら、Siの含有量が多くなりすぎると、化合物層を除去した状態であっても曲げ矯正性の過度な低下を招く。このため、Siの含有量を0.10〜0.35%とした。なお、Siの含有量は0.15%以上とすることが好ましく、また、0.25%以下とすることが好ましい。
Mn:0.60%〜1.0%
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有する元素である。Mnには、軟窒化時に表層の固溶窒素量を増加させて曲げ疲労強度を高める作用もある。このような効果を発揮させるためには、0.60%以上の量のMnを含有させる必要がある。一方、Mnの含有量が1.0%を超えると、表層硬さが過剰に高くなって、化合物層を除去した状態であっても曲げ矯正性が過度に低下する。したがって、Mnの含有量は0.60〜1.0%とした。なお、Mnの含有量は0.70%以上とすることが好ましい。
P:0.08%以下
Pは、曲げ疲労強度を低下させてしまう。特に、その含有量が0.08%を超えると、曲げ疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を0.08%以下とした。なお、Pの含有量は0.04%以下とすることが好ましい。
S:0.10%以下
Sの含有量が0.10%を超えると、曲げ疲労強度と曲げ矯正性の著しい低下をきたす。したがって、Sの含有量を0.10%以下した。Sの含有量は0.08%以下とすることが好ましい。
なお、Sを含有させると被削性向上効果が得られる。したがって、良好な被削性が要求される場合には、0.02%以上のSを含有させることが好ましい。
Al:0.05%以下
Alの含有量が多くなると、曲げ矯正性の低下をきたす。特に、その含有量が0.05%を超えると、化合物層を除去した状態であっても曲げ矯正性の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.05%以下とした。なお、Alの含有量は0.04%以下とすることが好ましい。
Cr:0.30〜1.10%
Crは、曲げ疲労強度を高める作用を有する元素であり、かかる効果を得るためには0.30%以上の量を含有させる必要がある。しかしながら、Crの含有量が1.10%を超えると、化合物層を除去した状態であっても曲げ矯正性が著しく低下する。このため、Crの含有量を0.30〜1.10%とした。
N:0.0030〜0.0250%
Nは、曲げ疲労強度および曲げ矯正性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.0030%以上の量のNを含有させる必要がある。一方、Nを0.0250%を超えて含有させてもその効果は飽和する。したがって、Nの含有量は0.0030%〜0.0250%とした。なお、Nの含有量は0.0040%以上とすることが好ましく、また、0.0220%以下とすることが好ましい。
本発明の調質型軟窒化部品の生地の鋼材の一つは、上記元素のほか、残部がFeおよび不純物からなるものである。
本発明の調質型軟窒化部品の生地の鋼材の別の一つは、Feの一部に代えて、Cu、Mo、V、Ni,TiおよびCaのうちから選んだ1種以上の元素を含有するものである。
以下、任意元素である上記Cu、Mo、V、Ni,TiおよびCaの作用効果と、含有量の限定理由について説明する。
Cu、MoおよびVは、曲げ疲労強度を高める作用を有するので、この効果を得るために上記の元素を含有させてもよい。以下、このことについて詳しく説明する。
Cu:1.0%以下
Cuは、曲げ疲労強度を向上させる元素である。したがって、曲げ疲労強度向上のためにCuを含有してもよい。しかしながら、Cuの含有量が1.0%を超えると、熱間加工性の低下をきたす。したがって、Cuを含有させる場合、その含有量を1.0%以下とした。なお、Cuの含有量は0.4%以下とすることが好ましく、0.3%以下とすれば一層好ましい。
一方、前記したCuの曲げ疲労強度向上効果を確実に得るためには、Cuの含有量は、0.05%以上とすることが好ましく、0.1%以上とすれば一層好ましい。
Mo:0.3%以下
Moは、フェライトを強化し、曲げ疲労強度を向上させる作用を有する。したがって、曲げ疲労強度向上のためにMoを含有してもよい。しかしながら、0.3%を超える量のMoを含有させても上記の効果が飽和して、経済性が損なわれるばかりである。したがって、Moを含有させる場合、その含有量を0.3%以下とした。なお、Moの含有量は0.2%以下とすることが好ましい。
一方、前記したMoの曲げ疲労強度向上効果を確実に得るためには、Moの含有量は0.05%以上とすることが好ましく、0.1%以上とすれば一層好ましい。
V:0.3%以下
Vは、曲げ疲労強度を向上させる元素である。したがって、曲げ疲労強度向上のためにVを含有してもよい。しかしながら、Vの含有量が0.3%を超えると、化合物層を除去した状態であっても曲げ矯正性が著しく低下する。したがって、Vを含有させる場合、その含有量を0.3%以下とした。なお、Vの含有量は0.2%以下とすることが好ましい。
一方、前記したVの曲げ疲労強度向上効果を確実に得るためには、Vの含有量は0.05%以上とすることが好ましく、0.10%以上とすれば一層好ましい。
なお、上記のCu、MoおよびVは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有させることができる。なお、これらの元素の合計含有量は1.6%であっても構わないが、0.60%以下とすることが好ましい。
NiよびTiは、曲げ矯正性を向上させる作用を有するので、この効果を得るために上記の元素を含有させてもよい。以下、このことについて詳しく説明する。
Ni:0.5%以下
Niは、靱性を向上し、曲げ矯正性を向上させる元素である。したがって、曲げ矯正性向上のためにNiを含有してもよい。しかしながら、0.5%を超える量のNiを含有させても上記の効果が飽和して、経済性が損なわれるばかりである。したがって、Niを含有させる場合、その含有量を0.5%以下とした。なお、Niの含有量は0.3%以下とすることが好ましく、0.2%以下とすれば一層好ましい。
一方、前記したNiの曲げ矯正性向上効果を確実に得るためには、Niの含有量は0.05%以上とすることが好ましく、0.08%以上とすれば一層好ましい。
なお、Cuを含有させる場合には、「Cuチェッキング」と称される熱間割れが生じやすいので、これを防止するために、Ni/Cu≧0.5を満足するようにNiを複合して含有させることが好ましい。
Ti:0.020%以下
Tiは、窒化物を形成し、結晶粒を微細化して曲げ矯正時にクラックを進展させにくくすることで曲げ矯正性を向上させる元素である。したがって、曲げ矯正性向上のためにTiを含有してもよい。しかしながら、Tiの含有量が0.020%を超えると、窒化物が粗大になり、逆に化合物層を除去した状態であっても曲げ矯正性が著しく低下する。したがって、Tiを含有させる場合、その含有量を0.020%以下とした。なお、Tiの含有量は0.015%以下とすることが好ましい。
一方、前記したTiの曲げ矯正性向上効果を確実に得るためには、Tiの含有量は0.005%以上とすることが好ましい。
なお、上記のNiおよびTiは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種の複合で含有させることができる。なお、これらの元素の合計含有量は0.520%であっても構わないが、0.30%以下とすることが好ましい。
Ca:0.010%以下
Caは、被削性を向上させる効果を有する。したがって、被削性向上のためにCaを含有してもよい。しかしながら、Caの含有量が0.010%を超えると、大型介在物の混入が避けられず曲げ疲労強度が低下する。したがって、Caを含有させる場合、その含有量を0.010%以下とした。なお、Caの含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
一方、前記したCaの被削性向上効果を確実に得るためには、Caの含有量は0.0003%以上とすることが好ましく、0.0005%以上とすれば一層好ましい。
(B)表面から0.05mm位置の硬さ:
生地の鋼材が前記(A)項で述べた元素からなる調質型軟窒化部品は、表面から0.05mm位置のHV硬さが400〜600でなければならない。
調質型軟窒化部品の表面から0.05mm位置、すなわち表層のHV硬さが400以上であれば、化合物層除去後も800MPa以上の高い曲げ疲労強度を得ることができる。しかしながら、表層のHV硬さが600を超える場合には、化合物層を除去しても、実用上十分な曲げ矯正性を得ることができない。
したがって、本発明に係る調質型軟窒化部品は、表面から0.05mm位置のHV硬さが400〜600であることとした。なお、表面から0.05mm位置のHV硬さは410以上であることが好ましく、また、550以下であることが好ましい。
(C)応力集中部の化合物層深さ:
生地の鋼材が前記(A)項で述べた元素からなる調質型軟窒化部品は、さらに、その応力集中部の化合物層深さが5μm以下でなければならない。
応力集中部における化合物層を除去することで、曲げ疲労強度を低下させることなく、曲げ矯正性を改善することができるが、深さ5μmを超える化合物層が残っておれば曲げ矯正性の大きな改善が期待できない。
したがって、本発明に係る調質型軟窒化部品は、応力集中部の化合物層深さが5μm以下であることとした。なお、応力集中部の化合物層深さは4μm以下であることが好ましく、化合物層が完全に除去されていること、つまり、化合物層深さが0μmであることが最も好ましい。
なお、例えば、本発明で規定する化学組成条件を満たした素材の熱間鍛造品に調質処理を実施し、機械加工を行った後にRXガスとアンモニアガスを1:1に混合した温度が600℃の雰囲気中で2時間保持して軟窒化処理し、その後90℃の油中に冷却する。その後、応力集中部をラッピング等の機械加工によって研磨することで、その表面から0.05mm位置のHV硬さを400〜600とし、さらに、応力集中部の化合物層深さを5μm以下とすることができる。なお、上記の「RXガス」は変性ガスの1種で、ガスの商標名である。
より具体的に、調質型軟窒化部品の一例として「クランクシャフト」を挙げれば、例えば、本発明で規定する化学組成条件を満たした素材を熱間鍛造して作製されたクランクシャフトに調質処理を実施し、機械加工を実施した後にRXガスとアンモニアガスを1:1に混合した温度が600℃の雰囲気中で2時間保持して軟窒化処理し、その後90℃の油中に冷却する。その後、ピンフィレットおよびジャーナルフィレット部をラッピング等の機械加工によって研磨することによって、その表面から0.05mm位置のHV硬さを400〜600とし、さらに、応力集中部であるピンフィレット、ジャーナルフィレットの化合物層深さを5μm以下とすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Tを70トン転炉で溶製した後、熱間鍛造して直径90mmの棒鋼に加工した。
なお、表1中の鋼A〜Oは、化学組成が本発明で規定する範囲内にある本発明例の鋼であり、一方、鋼P〜Tは、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
Figure 0005343760
このようにして得た直径90mmの棒鋼を、1200℃に加熱し、1000〜1050℃の仕上温度で熱間鍛造して、直径50mmの棒鋼を作製した。
次いで、上記の直径50mmの棒鋼に対して、さらに表2に示す条件で焼入れ−焼戻し処理を施した。なお、「焼入れ」は温度90℃の油中に冷却して行い、また、「焼戻し」における冷却は大気中での放冷とした。
Figure 0005343760
焼入れ−焼戻し処理した直径50mmの各棒鋼のR/2部(「R」は棒鋼の半径を表す。)から、鍛錬軸に平行に図2に示す形状の溝付き小野式回転曲げ疲労試験片および図3に示す形状の4点曲げ試験片を切り出した。図2の試験片においては3Rの溝底が応力集中部となる。同様に、図3の試験片においては3Rのノッチ底が応力集中部となる。なお、図2および図3に示した前述の各試験片における寸法の単位は全て「mm」である。
上記のようにして得た溝付き小野式回転曲げ疲労試験片および4点曲げ試験片をRXガスとアンモニアガスを1:1に混合した温度が600℃の雰囲気中で2時間保持して軟窒化処理し、その後90℃の油中に冷却した。なお、既に述べたように、上記の「RXガス」は変性ガスの1種で、ガスの商標名である。
試験番号1〜15および試験番号31〜35については、上記の軟窒化処理後さらに、溝付き小野式回転曲げ疲労試験片の溝底および4点曲げ試験片のノッチ底について、目標研磨深さを0.03mmとして、下記の条件で電解研磨した。
・電解液:過塩素酸(HClO4):酢酸(CH3COOH)=1:9、
・電流値:0.14A、
・研磨面積:小野式回転曲げ疲労試験片の場合:160mm2
4点曲げ試験片の場合:96mm2
・研磨時間:小野式回転曲げ疲労試験片の場合:970秒、
4点曲げ試験片の場合:590秒。
上記のようにして得た軟窒化処理ままの試験片および軟窒化処理後さらに電解研磨した試験片を用いて、小野式回転曲げ疲労試験による曲げ疲労強度の調査および4点曲げ試験による曲げ矯正性の調査を行った。
また、軟窒化処理ままあるいは軟窒化処理後さらに電解研磨した小野式回転曲げ疲労試験片および4点曲げ試験片を用いて、表層硬さ(つまり、試験片の表面から0.05mm位置の硬さ)およびノッチ底の化合物層深さを調査した。
以下、上記各調査の内容について説明する。
〈1〉曲げ疲労強度の調査:
小野式回転曲げ疲労試験を、室温、大気中、回転数3000rpmの両振りの条件で行い、曲げ疲労強度(以下、「σw」ともいう。)を調査した。
なお、σwが800MPa以上であることを目標とした。
〈2〉曲げ矯正性の調査:
4点曲げ試験片のノッチ底に2mmの歪ゲージを接着し、ゲージが断線するまで曲げ矯正歪を付与した。ゲージが断線した時点でのゲージの読みを曲げ矯正性として評価した。なお、曲げ矯正性の目標は、ゲージの読みが10000μ(曲げ矯正歪1.0%に相当)以上であることとした。
〈3〉表層硬さ:
小野式回転曲げ疲労試験片の3Rの溝底縦断部位および4点曲げ試験片の3Rのノッチ底縦断部位が被検面になるようにして樹脂に埋め込んだ後、前記の面が鏡面仕上げになるように研磨し、ビッカース硬度計を使用して表面硬さを調査した。
具体的には、JIS Z 2244に記載の「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準拠して、3Rの溝底および3Rのノッチ底から0.05mmの位置における任意の6点でのHV硬さを、試験力を2.94Nとしてビッカース硬度計で測定し、その値を算術平均して表面硬さを評価した。
〈4〉化合物層深さ:
前記〈3〉で用いた樹脂埋めした試験片を使用して、化合物層深さの調査を行った。
具体的には、上記の樹脂埋めした試験片を再度研磨し、ナイタールで腐食し、400倍の倍率で光学顕微鏡によって3Rの溝底および3Rのノッチ底を任意に5視野観察して、白く観察される部分を「化合物層」とし、それらの深さを測定し、算術平均して化合物層深さとした。
表3に、上記の各調査結果をまとめて示す。
Figure 0005343760
表3から、生地の鋼材が本発明で規定する化学組成条件を満たし、しかも、表面から0.05mm位置の硬さである表層硬さおよび応力集中部である小野式回転曲げ疲労試験片の3Rの溝底および4点曲げ試験片の3Rノッチ底の化合物層深さが本発明で規定する条件を満たす試験番号1〜15の場合、σwおよび曲げ矯正性の目標を満足しており、曲げ疲労強度および曲げ矯正性に優れていることが明らかである。
これに対して、試験番号16〜30の場合は、生地の鋼材は本発明で規定する化学組成条件を満たしているものの、小野式回転曲げ疲労試験片の3Rの溝底および4点曲げ試験片の3Rノッチ底の化合物層深さがいずれも本発明で規定する条件から外れている。このため、曲げ矯正性がゲージの読みで10000μ以上という目標に達しておらず、曲げ矯正性に劣っている。
また、試験番号31〜35の場合は、鋼P〜Tの化学組成が本発明で規定する条件から外れているので、曲げ疲労強度あるいは曲げ矯正性に劣っている。
すなわち、試験番号31の場合は、生地の鋼材である鋼PのC含有量が本発明で規定する範囲を下回り、このため、表面から0.05mm位置の硬さである小野式回転曲げ疲労試験片の表層硬さもHV硬さで340と低く本発明で規定する範囲を下回っているので、σwが800MPa以上という目標に達しておらず、曲げ疲労強度に劣っている。
試験番号32の場合は、生地の鋼材である鋼QのMn含有量が本発明で規定する範囲を上回り、このため、表面から0.05mm位置の硬さである4点曲げ試験片の表層硬さもHV硬さで630と高く本発明で規定する範囲を上回っているので、化合物層深さは4μmと小さく本発明の規定を満たしているにも拘わらず、曲げ矯正性がゲージの読みで10000μ以上という目標に達しておらず、曲げ矯正性に劣っている。
試験番号33の場合は、生地の鋼材である鋼RのCr含有量が本発明で規定する範囲を上回り、このため、表面から0.05mm位置の硬さである4点曲げ試験片の表層硬さもHV硬さで615と高く本発明で規定する範囲を上回っているので、化合物層深さは2μmと小さく本発明の規定を満たしているにも拘わらず、曲げ矯正性がゲージの読みで10000μ以上という目標に達しておらず、曲げ矯正性に劣っている。
試験番号34の場合は、生地の鋼材である鋼SのV含有量が本発明で規定する範囲を上回り、このため、表面から0.05mm位置の硬さである4点曲げ試験片の表層硬さもHV硬さで640と高く本発明で規定する範囲を上回っているので、化合物層深さは3μmと小さく本発明の規定を満たしているにも拘わらず、曲げ矯正性がゲージの読みで10000μ以上という目標に達しておらず、曲げ矯正性に劣っている。
試験番号35の場合は、生地の鋼材である鋼TのMn含有量が本発明で規定する範囲を下回り、このため、表面から0.05mm位置の硬さである小野式回転曲げ試験片の表層硬さもHV硬さで375と低く本発明で規定する範囲を下回っているので、σwが800MPa以上という目標に達しておらず、曲げ疲労強度に劣っている。
本発明の調質型軟窒化部品は、軟窒化処理後の曲げ矯正性に優れ、しかも、曲げ疲労試験において800MPa以上の高い曲げ疲労強度を有するので、自動車、産業機械および建設機械などの部品、例えば、クランクシャフトとして用いることができ、軽量小型化に対処することが可能である。

Claims (4)

  1. 生地の鋼材が、質量%で、C:0.25〜0.40%、Si:0.10〜0.35%、Mn:0.60〜1.0%、P:0.08%以下、S:0.10%以下、Al:0.05%以下、Cr:0.30〜1.10%およびN:0.0030〜0.0250%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる調質型軟窒化部品であって、表面から0.05mm位置のHV硬さが400〜600であり、かつ応力集中部の化合物層深さが5μm以下であることを特徴とする調質型軟窒化部品。
  2. 生地の鋼材が、Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Mo:0.3%以下およびV:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の調質型軟窒化部品。
  3. 生地の鋼材が、Feの一部に代えて、質量%で、Ni:0.5%以下およびTi:0.020%以下うちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の調質型軟窒化部品。
  4. 生地の鋼材が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.010%以下を含有することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の調質型軟窒化部品。
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