JP5343583B2 - バッテリ搭載装置 - Google Patents
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Description
バッテリ交換装置は地下に配置されており、図外のバッテリ保管庫から車両に適合する種類の満充電された充電済みバッテリを搬入するための搬入用ベルトコンベア20と、車両から取り外した使用済みバッテリを搬出するための搬出用ベルトコンベア21とを有する。搬入用ベルトコンベア20の終端から所定距離πr(m)付近には、充電済みバッテリの位置を検出する位置センサ15が取り付けられている。搬入用ベルトコンベア20は、図外の保管庫から車種認識センサ1により認識された対応する充電済みバッテリを搬送する。実施例1ではABAT,BBAT,CBAT,DBATの4種類のバッテリが保管されている。搬出用ベルトコンベア21は、取り外した使用済みバッテリを図外の充電エリアに搬送する。充電エリアで充電されたバッテリは保管庫の対応箇所に保管される。
実施例1の多面体治具30は立方体形状とされ、回転軸の外周となる4つの側面に固定用治具A1,B1,C1,D1が設置されている。ここで、多面体治具30を採用した理由について補足説明する。一車種もしくは単一バッテリにのみ対応する場合には何ら問題ないが、実際には複数種が想定されるため、各種に対応した交換装置が必要となる。固定用治具と昇降アクチュエータを備えた交換システム全体を複数種毎に準備することが考えられるが、昇降自体はどの車種でも同じであり、同じ機能を持つものをいくつも準備するのは無駄である。また、バッテリ交換スタンドを想定した場合、限られた土地(スペース)に効率よく配置することが求められる。言い換えると、地下を深く掘ることで高さ方向のスペースには余裕があるが、広さ方向のスペースには余裕が無い。円盤状の回転体の上面円周方向に複数種の固定用治具を配置し、円盤を回転させて対応することも考えられる。しかし、円盤自体の面積が大きくなり、広さ方向のスペースとして制限があると、好ましくない。また、円盤全体を持ち上げる構成となると、車両の車輪が邪魔になり、対応する種類数が限られる。これに対し、多面体治具30を実施例1に示す第1回転軸周りに回転させると、縦方向には若干スペースを取るものの、広さ方向にスペースを取ることがない。また、多面体治具30全体を持ち上げる構成としても、車輪が邪魔になることがなく、対応する種類数にさほど制限はかからない。つまり、省スペースで素早い対応が可能となる。
ここで、昇降アクチュエータ40を一本の支柱から構成し、運転席側に配置した理由について説明する。まず、昇降アクチュエータ40を2本の支柱から構成し、多面体治具30を両持ち支持することが考えられる。しかし、昇降アクチュエータ自身が大型化すると共に、コストアップの要因となるため、片持ち支持とすることが望ましい。この場合、支柱をどの位置に配置することが有利であるかを検討する。実際に車両がバッテリ交換スタンドで交換を行う際、運転者のみが乗車して交換する場合が最も多いと想定される。このことは、車両は若干運転席側に傾いた状態で交換されることが多いことを表す。
図2及び図3は多面体治具30の概要を表す拡大図である。尚、固定用治具A1〜D1は、それぞれ寸法構成等は異なるものの、基本的な機能は同じであるため固定用治具A1についてのみ説明する。図2(a)に示すように、固定用治具A1には、バッテリを固定するための固定部a1が平面状に複数形成されている。また、バッテリを適正な位置まで移動するためのベルトa2と、ベルトa2の外周に設けられバッテリ先端及び後端の下面に設けられた凹部b1と係合する突起a3と、ベルトa2を駆動する駆動ローラa4とを有する。また、図2(b)に示すように、バッテリの先端を係止する出没自在の位置決めストッパa4と、図3に示すように、載置されたバッテリの移動を規制するラチェット機構a5と、を有する。ラチェット機構a5は搬入用ベルトコンベア20側に斜面を有し、搬出用ベルトコンベア21側に鉛直の縦壁を有するラチェット部材と、このラチェット部材を上方に付勢するスプリングから構成され、バッテリ搬入時はバッテリ自身によってラチェット部材が押し下げられ、バッテリがラチェット部材を通り過ぎるとスプリングによりラチェット部材が押し上げられて縦壁によりバッテリの搬入用ベルトコンベア側への移動を禁止する。
まずバッテリ搬入時の固定用治具の作用について説明すると、図2(a)に示すように、固定用治具A1に搬入用ベルトコンベア20から充電済みバッテリが送られてくると、固定用治具A1の端部に充電済みバッテリの先端が載置される程度に配置される。この状態で図2(b)に示すように、駆動ローラa4を駆動してベルトa2を作動させると、突起a3がバッテリ先端側下面の凹部b1と係合し、ベルトの作動に伴ってバッテリを適正位置まで移動する。
次に、回転駆動アクチュエータ50による制御処理について説明する。
(最短回転制御処理)
最短回転制御処理とは、車種に適合したバッテリに対応する固定用治具を素早く選択するために行われる制御処理であり、回転駆動アクチュエータ50において行われる。具体例を用いて説明すると、図1に示すように、多面体治具30が固定用治具A1を上面として静止している状態を初期状態とする。BBATを適合バッテリとする車両がバッテリ交換のために進入してくると、回転駆動アクチュエータ50は、該当する固定用治具Bとなるように回転駆動する。このとき、図1中時計回りによって回転させるか、反時計回りによって回転させるか否かが問題となる。
車両からバッテリを取り外す際、もしくは車両にバッテリを取り付ける際、上述のように対応する固定用治具を昇降アクチュエータ40によって昇降させて車体フロアにアクセスする。車体フロアは常に水平状態であればよいが、重量物の積載(乗員や荷物等)によって、もしくは、各部品の経時変化によっても水平状態が常時得られるとは限らない。特に、電動車両のバッテリは数百キロ単位の重量物であり、取り外すときと、取り付けるときとでは、車両に作用する重量が異なり、傾きが生じる。また、左右にバランスよく乗員が登場していればロール方向の傾斜はさほど生じないが、実際には運転者のみが搭乗、もしくは、運転者と後席乗員が共に一方側に搭乗している場合があり、特に運転者のみが搭乗していることが多い。そこで、傾斜状態調整処理を実行する。傾斜状態調整については二つの第1と第2の処理を行う。以下、詳述する。
位置検出センサ14により車体フロアのピッチ方向の傾きを検出し、その傾きに応じて回転駆動アクチュエータ50の第1回転軸周りの回転量を補正し、傾斜状態を調整する。本明細書ではピッチ方向の傾斜状態調整処理を第1傾斜状態調整処理と記載する。図4は、第1傾斜状態調整処理を表す概略図である。図4(a)に示すように、車両が進入してきたとき、使用済みバッテリを取り外して搬出するとき、充電済みバッテリを搬入するときは、いずれも多面体治具30は対応する固定用治具が水平状態となるように制御する。一方、車体フロアにアクセスするときは、図4(b)に示すように、車体フロアのピッチ方向の傾きと平行となるように回転量を補正し、平行な状態で車体フロアにアクセスさせる。
位置検出センサ14により車体フロアのロール方向の傾きを検出し、その傾きに応じて回転駆動アクチュエータ50の第2回転軸周りの回転量を補正し、傾斜状態を調整する。本明細書ではロール方向の傾斜状態調整処理を第2傾斜状態調整処理と記載する。図5は、第2傾斜状態調整処理を表す概略図である。図5(a)に示すように、車両が進入してきたとき、使用済みバッテリを取り外して搬出するとき、充電済みバッテリを搬入するときは、いずれも多面体治具30は対応する固定用治具が水平状態となるように制御する。一方、車体フロアにアクセスするときは、図5(b)に示すように、車体フロアのロール方向の傾きと平行となるように回転量を補正し、平行な状態で車体フロアにアクセスさせる。
充電済みバッテリを搬入用ベルトコンベア20から固定用治具に供給し、バッテリを適正位置まで移動した後、最終的な位置決めは回転駆動アクチュエータ50による回転作動により行われる。具体的には図3に示すように、搬出用ベルトコンベア21側に所定量傾斜させ、バッテリの自重を利用してスライドさせ、位置決めストッパa4と当接させる。このとき、所定位置に設置されると、ラチェット機構a5によりバッテリの移動が両側から規制されることとなる。このときの回転角は、予め設定された所定回転角としてもよいし、バッテリの形状や重量等に応じた回転角としてもよいし、バッテリがラチェット部材を通り過ぎるまで断続的に回転角を増大させるように制御してもよく、特に限定しない。
次に、上記各構成及び制御等を用いたバッテリ交換システムの全体の流れについて説明する。図6はバッテリ交換システムの流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、車種認識センサ1により車種を検知する。車種認識センサ1としては撮像カメラ等から車両の外形を認識して車種を特定するようにしてもよいし、車両に予め車種信号を発信させるようにしておいて、その信号を受信して車種を特定するようにしてもよい。
ステップS2では、検知された車種に対応する固定用治具となるように多面体治具30の上述の最短回転制御処理を実行する。
ステップS3では、位置検出センサ14により車両が所定位置に到達したことを確認し、所定位置に到達したと確認されると各ストッパ11,12,13により車輪を固定する。
ステップS4では、車体の傾きを検出して第1及び第2傾斜状態調整処理を実行する。
ステップS5では、昇降アクチュエータ40を上昇させて固定用治具を車体フロアにアクセスさせ、アクチュエータにより係合手段を解放して使用済みバッテリを固定用治具に載置して取り外す。
ステップS6では、使用済みバッテリを取り外した後、多面体治具30を回転させて補正された回転量を水平状態に戻し、昇降アクチュエータ40を降下させる。
ステップS7では、ストッパa4を埋没させ、駆動ローラa4によりベルトa2を作動させ使用済みバッテリを固定用治具から搬出用ベルトコンベア21に排出する。
ステップS9では、ストッパa4を突出させ、駆動ローラa4によりベルトを作動させ充電済みバッテリを搬入用ベルトコンベア20から固定用治具に供給する。
ステップS10では、回転駆動アクチュエータ50により位置決め処理を実行する。
ステップS11では、車体の傾きを検出して第1及び第2傾斜状態調整処理を実行する。
ステップS12では、昇降アクチュエータ40を上昇させて充電済みバッテリを車体フロアにアクセスさせ、アクチュエータにより係合手段を係合させて充電済みバッテリを取り付ける。
ステップS13では、昇降アクチュエータ40を降下させ、各ストッパ11,12,13を解除する。
(1)バッテリを載置して固定する固定用治具A1〜D1(バッテリ固定手段)と、固定用治具A1〜D1の傾斜状態を調整する回転駆動アクチュエータ50(傾斜状態調整手段)と、固定用治具A1〜D1を昇降し、回転駆動アクチュエータ50により調整された傾斜状態で車両の下面からバッテリを取り付ける昇降アクチュエータ40(昇降手段)と、を備えた。よって、車載重量物の影響等により車体フロアが傾斜している状態であっても、安定したバッテリ搭載を実現できる。
以上、実施例1について説明したが、本発明は上記構成に限られず、他の構成を採用してもよい。
例えば、実施例1はバッテリ交換スタンドに適用した例を示したが、本発明は製造ライン等でバッテリを取り付ける際に用いてもよい。
また、車両用基台10の車体フロアと面する位置には開閉部が形成され、車両が係止されたことを確認すると開閉部が開口する構成としたが、最初から開口していてもよい。
実施例1では、係合手段を解放、係合するアクチュエータを固定用治具それぞれに設けたが、多面体治具30に設けられてもよいし、昇降アクチュエータ40に設けられてもよい。また、係合手段は、ボルト締結でもよいし、カム機構等を利用したレバー操作でもよい。
実施例1では4種類のバッテリに対応すべく4つの治具を備えているが、更に多種類の治具が必要な場合は、断面5角形、6角形というように複数の面を備えた多面体とすればよい。
実施例1ではラチェット部材が出没することでバッテリを固定したが、アクチュエータによって固定部材を作動させるようにしてもよい。
実施例1では、多面体治具の回転軸は、地平面に対し略平行かつ車両進行方向に対し略直行した回転軸を持つこととしたが、地平面に対し略平行かつ車両進行方向に対し略平行な回転軸としてもよいし、地平面に対し直交する回転軸を持つこととしてもよい。また、地平面や車両進行方向に直行もしくは平行の関係だけでなく、交差する関係を持つようにしてもよい。また、実施例1では支柱を1本として表記したが、運転席側に複数の支柱が立設されていても同様の作用効果を奏する。
実施例1では、電動車両について説明したが、エンジンを備えたハイブリッド車両に適用してもよい。
30 多面体治具(回転体)
40 昇降アクチュエータ(昇降手段)
50 回転駆動アクチュエータ(傾斜状態調整手段)
A1,B1,C1,D1 固定用治具(バッテリ固定手段)
BAT バッテリ
Claims (2)
- バッテリを載置して固定するバッテリ固定手段と、
前記バッテリ固定手段の傾斜状態を調整する傾斜状態調整手段と、
前記バッテリ固定手段を昇降し、前記傾斜状態調整手段により調整された傾斜状態で車両の下面からバッテリを取り付ける昇降手段と、
を備え、
前記昇降手段は、一本の支柱から前記固定手段を片持ち支持で上下に昇降させる手段であり、
前記支柱は、運転席側に配置されることを特徴とする車両のバッテリ搭載装置。 - 請求項1に記載の車両のバッテリ搭載装置において、
前記傾斜状態調整手段は、車幅方向に延びる回転軸と、車両進行方向に延びる回転軸の2軸を有することを特徴とする車両のバッテリ搭載装置。
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