JP5342853B2 - 包装容器用の切断刃、包装容器及び包装物供給装置 - Google Patents
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Description
断方法を適切に選択するとも限らない。例えばV字状の切断刃が利用される場合であっても、ラップフィルムの軸方向における一端から他端に向けて切断が開始させる場合さえあり得る。このような場合にあっては、V字状の切断刃の軸方向における一端がラップフィルムの一端に対して刺し込み難いことから、ラップフィルムの切断性を十分に得難くしてしまう。さらには特許文献1に記載のように、切断刃の軸方向における両端の歯先が同軸方向の中央に向く構造にあっては、ラップフィルムへの歯の刺し込みが一層に難しくなってしまう。
また、切断刃を構成する歯のサイズやピッチは、包装物を構成する構成材料や機械的強度、包装物の切断時に要求される負荷や切断面の平坦性等により制約される。こうしたサイズやピッチが制約される上では、一対の斜辺が歯の内方に凹曲するほど、同斜辺のなす角度が歯先において鋭角的になる。こうした構成からなる包装容器用の切断刃によれば、端部における歯先がさらに鋭角的になることから、同端部を利用した包装物への刺し込みが一層円滑になる。さらに歯の高さである歯高が制約される条件下では、こうした斜辺を
有する歯の構造は、歯の斜辺が直線である構造や歯の斜辺が歯の外方に凸曲した構造に比べて、一対の歯底の間の距離を長くすることができる。それゆえ上述する構成からなる包装容器用の切断刃によれば、歯そのものの耐久性を向上させることもできる。
包装物の切断面においてロールの周方向に延びる箇所がある場合、このような箇所を端にして包装物が同周方向に引裂かれ易くなる。こうした構成からなる包装容器用の切断刃によれば、隣接する歯の間に平坦部がある分だけ、包装物の切断面が軸方向に沿うかたちになり、同包装物における引き裂きが抑えられることになる。
軸方向の中央から両端に向けて包装物を切断する態様では、中央部における歯先の位置が頂点に近くなるほど同中央部の歯先が包装物に向くことになり、切断刃における軸方向の中央から順に、各歯先が包装物へ円滑に刺し込まれるかたちとなる。これに対して、軸方向における一端から他端に向けて包装物を切断する態様では、端部における歯先の位置が軸方向の外側になるほど同端部の歯先が包装物に向くことになり、切断刃における軸方向の端から順に、各歯先が包装物へ円滑に刺し込まれるかたちとなる。こうした構成からなる包装容器用の切断刃によれば、歯の位置が軸方向の外側になるほど歯先の位置が軸方向の外側になることから、端部と中央部との境界や中央部の内部においても、利用者が選択する切断方法に適した切断性を円滑に実現することができる。
こうした構成によれば、非金属製の切断刃であっても、利用者が選択する切断方法に適した切断性を実現することができる。
こうした構成からなる包装物供給装置によれば、同包装物供給装置を利用する利用者が切断刃の形状を認知するか否かに拘わらず、同利用者が選択する切断方法に適した切断性を実現することができる。その結果、包装容器における切断性を損なうことなく、その切断方法の選択範囲を拡張することができる。
よれば、切断刃20と蓋体14との間が十分な接着力の下で固定されることから、切断刃20が蓋体14から剥離し難くなる。
・中心角θ:172.5°
・刃幅W20:304mm
・第一中央部幅Wa:39.13mm
・第二中央部幅Wb:70.2mm
・第三中央部幅Wc:35.26mm
・端部幅We:26.98mm
こうした構成からなる切断刃20は、非金属製である紙製、バルカナイズドファイバ製、樹脂含浸紙製、樹脂製として具体化することができる。樹脂製においては、例えばPETやポリスチレンを適用することができ、また環境への配慮がなされた生分解性樹脂を適用することができる。生分解性樹脂の代表的なものとしては、ポリ乳酸やポリグリコール酸等を挙げることができ、その中でもポリ乳酸系の樹脂組成物を2軸延伸したものを好適に用いることができる。このような切断刃20の製造方法としては、ポリ乳酸系の樹脂組成物を2軸延伸して得たシートに対してプレス加工やレーザ切削等を施す方法が挙げられる。なお、上記樹脂以外の成分としては、無機充填剤、さらには熱安定剤、光安定剤、防水材、離型剤、顔料、染料等を含む構成であってもよい。
ための歯として機能する。
・第一歯先角θa:45°〜60°
・大歯幅W1:3.25mm
・中歯幅W2:2.49mm
・小歯幅W3:1.32mm
・大歯高:1.7mm
・中歯高:1.2mm
・小歯高:0.8mm
上述する大歯31及び中歯32の一対の斜辺においては、その頂点側の辺(図4の左辺)の曲率半径が、端点側の辺(図4の右辺)の曲率半径よりも小さくなるように形成されている。こうした構成によれば、軸方向Aにおける大歯31及び中歯32の歯先の位置が、同歯先に対応する一対の歯底の中間位置から頂点側へ偏倚するかたちになる。
歯31の間に設けられるために、後続するラップフィルム12の切り開きを円滑に進めることもできる。そして、第一中央部21Aの各歯が更に深く刺し込まれることにより、第一中央部21Aの領域においてラップフィルム12が切り開かれる。
・大歯左半径R1c/大歯右半径R1e:3.19mm/3.42mm
・中歯左半径R2c/中歯右半径R2e:2.08mm/2.31mm
・小歯左半径R3c/小歯右半径R3e:3.2mm/3.2mm
・頂点側大歯幅W1c/端点側大歯幅W1e:1.47mm/1.78mm
・頂点側中歯幅W2c/端点側中歯幅W2e:1.13mm/1.36mm
・頂点側小歯幅W3c/端点側小歯幅W3e:0.61mm/0.71mm
図5に示されるように、前記第二中央部21Bには複数の第二歯34が設けられており、これら複数の第二歯34は、ラップフィルム12への歯先の刺し込みやラップフィルム12の切り開きを、第一中央部21Aと第三中央部21Cとの間で円滑に移行させるための歯として機能する。
・第二歯先角θb:60°
・第二歯幅W4:1.8mm
・第二歯高:1.2mm
上述する第二歯34の一対の斜辺においては、その頂点側の辺(図5の左辺)の曲率半径が、端点側の辺(図5の右辺)の曲率半径よりも小さくなるように形成されている。こうした構成によれば、軸方向Aにおける第二歯34の歯先の位置が、同歯先に対応する一対の歯底の中間位置から頂点側へ偏倚するかたちになる。また第二中央部21Bにおけるこうした歯先の偏倚量は、前記第一中央部21Aにおける歯先の偏倚量よりも小さくなるように構成されている。
・第二歯左半径R4c/第二歯右半径R4e:5.5mm/7.38mm
・頂点側第二歯幅W4c/端点側第二歯幅W4e:0.88mm/0.92mm
図6に示されるように、前記第三中央部21Cには複数の第三歯35が設けられており、これら複数の第三歯35は、ラップフィルム12への歯先の刺し込みやラップフィルム12の切り開きを、第二中央部21Bと端部22との間で円滑に移行させるための歯として機能する。
れている。なお、本実施形態における第三歯先角θc、第三歯幅W5及び第三歯高は、それぞれ以下のように形成されている。
・第三歯先角θc:60°
・第三歯幅W5:1.85mm
・第三歯高:1.2mm
上述する第三歯35の一対の斜辺においては、その頂点側の辺(図6の左辺)の曲率半径が、端点側の辺(図6の右辺)の曲率半径よりも小さく形成されている。こうした構成によれば、軸方向Aにおける第三歯35の歯先の位置が、同歯先に対応する一対の歯底の中間位置から頂点側へ偏倚するかたちになる。また第三中央部21Cにおけるこうした歯先の偏倚量は、前記第二中央部21Bにおける歯先の偏倚量と略同じになるように構成されている。
断されるとき、第三中央部21Cにおける各歯先がラップフィルム12に向くかたちになり、軸方向Aの中央から順に、低い抵抗感の下で各歯先がラップフィルム12へ刺し込まれる。続いて第三中央部21Cの各歯が更に深く刺し込まれることにより、第三中央部21Cの領域においてラップフィルム12が切り開かれる。
・第三歯左半径R5c/第三歯右半径R5e:5.1mm/6.57mm
・頂点側第三歯幅W5c/端点側第三歯幅W5e:0.9mm/0.95mm
図7に示されるように、前記端部22には複数の端部歯36が設けられており、これら複数の端部歯36は、ラップフィルム12への歯先の刺し込みやラップフィルム12の切り開きを端部22から円滑に開始させるための歯として機能する。
・端歯先角θ22:60°
・端歯幅W22:1.8mm
・端歯高:1.2mm
上述する端部歯36の一対の斜辺においては、その頂点側の辺(図7の左辺)の曲率半径が端点側の辺(図7の右辺)の曲率半径よりも大きく形成されている。こうした構成によれば、軸方向Aにおける端部歯36の歯先の位置が、同歯先に対応する一対の歯底の中間位置から端点側へ偏倚するかたちになる。
・端歯左半径R22c/端歯右半径R22e:7.38mm/5.5mm
・頂点側端歯幅W22c/端点側端歯幅W22e:1.0mm/0.8mm
以上説明したように、上記実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
・上記実施形態においては、端部22における端部歯36が軸方向Aに沿って連続的に配列された構成を説明した。これを変更して、例えば図8に示されるように、端部22において隣接する端部歯36の間に軸方向Aに延びる平坦部37を設ける構成であってもよい。ラップフィルム12の切断面においてロールの周方向に延びる箇所がある場合には、このような箇所を端にしてラップフィルム12が同周方向に引裂かれ易くなる。こうした構成によれば、隣接する端部歯36の間に平坦部37がある分だけ、ラップフィルム12の切断面が軸方向に沿うかたちになり、ラップフィルム12における引き裂きが抑えられることになる。
ることになる。そのため上述する平坦部37は、このような抵抗感を受けない範囲で利用する構成が好ましい。
・大歯先角θ6b:45°
・小歯先角θ6s:45°
・端部大歯幅W6B:3.26mm
・端部小歯幅W6S:2.5mm
・端部大歯高:1.7mm
・端部小歯高:1.2mm
上述する端部大歯36B及び端部小歯36Sの一対の斜辺においては、その頂点側の辺(図9の左辺)の曲率半径が、端点側の辺(図9の右辺)の曲率半径よりも大きくなるように形成されている。こうした構成によって、上記実施形態と同じく、軸方向Aにおける端部大歯36B及び端部小歯36Sの歯先の位置が、同歯先に対応する一対の歯底の中間位置から端点側へ偏倚するかたちになる。
、頂点側端部大歯幅W6Bc>端点側端部小歯幅W6Beを満たすかたちで端部大歯36Bの斜辺が形成されている。また軸方向Aにおける端部小歯36Sの歯先の位置で前記端部小歯幅W6Sが二分されることにより頂点側端部小歯幅W6Sc及び端点側端部小歯幅W6Seが得られ、頂点側端部小歯幅W6Sc>端点側端部小歯幅W6Seを満たすかたちで端部小歯36Sの斜辺が形成されている。
・端部大歯左半径R6Bc:3.42mm
・端部大歯右半径R6Be:3.19mm
・端部小歯左半径R6Sc:2.31mm
・端部小歯右半径R6Se:2.08mm
・頂点側端部大歯幅W6Bc:1.9mm
・端点側端部大歯幅W6Be:1.36mm
・頂点側端部小歯幅W6Sc:1.44mm
・端点側端部小歯幅W6Se:1.05mm
上述するような構成によれば、軸方向Aにおける一端から他端に向けてラップフィルム12を切断する態様において、相対的に大きいサイズの端部大歯36Bのみにより初期の刺し込みを実現することができる。それゆえ初期の刺し込みに際して、ラップフィルム12に刺し込む歯の本数を少なくすることができ、ひいては初期の刺し込みに要求される負荷を小さくすることもできる。また相対的に小さいサイズの端部小歯36Sが大きいサイズの端部大歯36Bの間に設けられるために、後続するラップフィルム12の切り開きを円滑に進めることもできる。
・上記実施形態においては、切断刃20における端部22の歯先が、中央部21の端から軸方向Aに沿った直線状をなす構成を説明した。これを変更して、中央部21の端を通り軸方向Aに沿って延びる直線を挟んで頂点の側に端部22を設ける構成であってもよい。すなわち切断刃20そのものをW字状に構成してもよい。
施形態にて説明した図3に対応するものであり、この変更例における切断刃20の平面構造を示す平面図である。図10に示されるように、中央部21を軸方向Aで挟む一対の端部22の歯先は、中央部21の両端から屈曲した直線状に配列されている。これら一対の端部22の歯先は、中央部21の両端を通って軸方向Aに延びる直線(一点鎖線:基準線LB)に対し、前記中央部21の頂点の側に延びる直線状に配列されている。これら一対の端部22は、中央部21の頂点を通って軸方向Aに延びる直線(一点鎖線:最大角度線LT)と前記基準線LBとの間に形成されている。端部22の各歯先を通る直線と前記基準線LBとのなす角度である端部傾斜角θeは、例えば8°で形成されている。この端部傾斜角θeは0°以上の角度であって、最も端点に近い端部22の歯先が前記最大角度線LT上にあるときに、その最大角度を構成する。
Claims (7)
- 包装物が巻き回されたロールの軸方向に延びるように形成されて、前記軸方向おける中心位置が頂点になるV字状に配列された複数の歯先からなる中央部を有し、前記ロールが収容される包装容器に取り付けられることにより前記包装物を前記軸方向で切断可能にする包装容器用の切断刃であって、
前記中央部の前記軸方向外側には、同中央部の端から屈曲する直線状に配列された複数の歯先からなる一対の端部が設けられており、
前記一対の端部を構成する歯先が、該歯先に対応する歯における一対の歯底の中間位置を含んで該中間位置から前記軸方向の外側に位置し、
前記端部を構成する歯が該歯の内方に凹曲した一対の斜辺を有し、
前記一対の斜辺は、頂点側の辺の曲率半径が端点側の辺の曲率半径よりも大きいことを特徴とする包装容器用の切断刃。 - 前記中央部は、複数本の第1中央歯と、前記第1中央歯よりも小さい複数本の第2中央歯とを備え、
前記第1中央歯の一つの歯先が前記頂点に配置されて、他の前記第1中央歯が前記頂点を挟むように所定の間隔で配置されており、
前記第2中央歯が前記第1中央歯の間に配置されており、
前記第1中央歯の歯先と前記頂点とを結ぶ第一直線が前記第2中央歯から離間している
請求項1に記載の包装容器用の切断刃。 - 前記端部における隣接する歯の間に前記軸方向に沿う平坦部を有する
請求項1又は2に記載の包装容器用の切断刃。 - 前記軸方向における歯の位置が前記頂点から外側になるほど前記歯先の位置が前記中間位置に対し前記軸方向の外側になる
請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装容器用の切断刃。 - 前記切断刃が非金属製である
請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装容器用の切断刃。 - 包装物が巻き回されたロールを収容するための容器本体が該容器本体から引出された前記包装物を切断する切断刃を具備する包装容器であって、
前記切断刃が請求項1〜5のいずれか一項に記載の切断刃であることを特徴とする包装容器。 - 包装物が巻き回されたロールと、
前記ロールが収容された包装容器と、
前記包装容器に設けられて該包装容器から引出された前記包装物を切断可能にする切断刃とを具備する包装物供給装置であって、
前記包装容器が請求項6に記載の包装容器であることを特徴とする包装物供給装置。
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