JP5342517B2 - 真空バルブ - Google Patents

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Description

この発明は、真空遮断器に組み込まれる真空バルブに係り、特に、耐電圧性並びに遮断性に優れた真空バルブに関するものである。
従来、真空遮断器に組み込まれる真空バルブとして、例えば、特許文献1に開示された真空バルブがある。この特許文献1に開示された真空バルブは、固定電極棒と可動電極棒のそれぞれの接点側端部に鍋底形の窪み部を設け、この窪み部の内径面に沿って非磁性材からなるコイル補強部材を固着している。そして、コイル補強部材を固着した後、固定電極棒と可動電極棒の接点側端部をクランク状に加工することによって、固定電極棒と可動電極棒のそれぞれに接合される接点間にアークと平行な縦磁界を発生するコイルを形成している。これにより、電極棒とコイルとの間に存在していた縦磁界電極の腕の部分を無くし、通電経路を短くして電気抵抗を下げ、温度上昇を抑制する真空バルブを得ることができる。
また、例えば、特許文献2には、固定電極棒と可動電極棒の双方、又は一方を中空管のような軸とし、熱放散を良くして通電性能を向上させる真空バルブが開示されている。
更に、例えば、特許文献3には、固定電極と可動電極の周囲をこれらの電極より耐電圧の高い材料、例えばステンレスからなる電界緩和シールドで覆って電界を緩和し、耐電圧性能を向上する真空インタラプタの電極が開示されている。この特許文献3には、遮断の際に生じるアークが電界緩和シールドに移って、電流の一部が電界緩和シールドを流れてアークに至ることでコイル電極に流れる電流が減少し、アークと平行な縦磁界の磁束密度が減少することを防止するために、アーク電極の外周部表面から電界緩和シールドまでの距離を最適化する技術が開示されている。
また、電界緩和シールドの別の例として、特許文献4には、シールドカバーに加えて挟み込み部材を電極板の裏に設け、挟み込み部材の端部のふくらみによってシールドカバーの端部と電極端部の電界緩和を行う真空バルブが開示されている。
特開2000-57913号公報(要約の欄、図2) 特開昭60−91517号公報(特許請求の範囲、第2図) 特開昭62−12021号公報(特許請求の範囲、第1図) 特開昭58−82431号公報(3頁左上欄15行〜右上欄15行、第5図)
ところで、現在、真空バルブは高電圧化、短絡遮断電流の増大、通電電流の増大の傾向にあり、これらを満足した上で真空バルブを小形、軽量化する技術の開発が求められている。高耐圧、大容量の真空バルブでは、短絡遮断性能を確保するために必要な接点径、および縦磁界電極のコイル径が、通電電流性能を確保するために必要な電極棒の径より大きい場合がほとんどである。このため、上記特許文献1の真空バルブのように、接点径、および縦磁界電極のコイル径を電極棒の径と等しくすると、電極棒の径が必要以上に大きくなるため真空バルブの重量が増える問題がある。また、真空バルブの重量が増えると開閉機構の負担が増えるため、開閉機構部が大型化してしまうことになる。
そこで、軽量化のため、例えば電極棒を必要な径に削り込むと、加工工程が増える上に材料の損失も増加する。また、電極棒の径とコイルの径とが異なるため、電極棒とコイルとの間を通電する経路が生じて電流路が長くなるため、電気抵抗が増大することになる。
上記特許文献2に開示された真空バルブでは、電極棒を中空構造として中空電極棒と平板電極を直接接合している。しかし、短絡遮断性能を向上させるために縦磁界電極を適用した場合、コイル部にスリットが形成されるために真空バルブ内を真空に保つことができない。なお、上記特許文献1に開示された真空バルブの縦磁界電極に適用した場合も、コイル補強部材を電極棒端部にロウ付けした後にクランク状に加工するため、コイル補強部材にはスリットが入り、真空を維持できない。
また、上記特許文献3では、アーク電極の外周部表面から電界緩和シールドまでの距離Hを最適化して遮断性能と耐電圧性能の両立を達成したと述べられている。しかし、アーク電極の外径寸法Dが、例えば100mmである場合、H/D=0.1〜0.25とするためには、H=10mm〜25mmとする必要があるため、アーク電極の外周面との距離が離れ、アーク電極周辺部の電界が高くなり、また、コイル電極のスリット(特許文献3の第6図参照)が露出してくるため、このスリットの電界が高くなる。この結果、耐電圧性能が低下する問題がある。
また、上記特許文献4に開示された真空バルブにおいては、電極の端部における電界を緩和するために、挟み込み部材のふくらみ部が電極の端部を覆い、かつ、電極の表面側に突出するように構成されている。このため、固定電極と可動電極のそれぞれのふくらみ部間の距離が電極間の距離(開極距離)と近く、遮断時のアークがこのふくらみ部に移行しやすい。また、ふくらみ部自体の電界緩和のために曲率を大きくする必要があり、挟み込み部材の外径は大きくなって、ふくらみ部に移行したアークと縦磁界電極との距離が離れる。この結果、ふくらみ部に移行したアークに作用する縦磁界強度が弱まってアークを拡散させる効果が小さくなる。このため、アークのエネルギーでふくらみ部の温度が上昇し、金属蒸気の発生量が増加したり、更にはアークがシールドカバーに移行することによって、遮断性能が低下する問題がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、電極を覆うカバーの構造を最適化することにより、耐電圧性並びに遮断性に優れた真空バルブを得るものである。
この発明に係る真空バルブは、密封状態に保持された絶縁筒内に、上記絶縁筒の軸方向に対向して接離可能に配置された可動側接点および固定側接点と、上記両接点を包囲するように取り付けられたアークシールドと、上記可動側接点に固着された可動側電極棒をべローズを介して上記絶縁筒に取り付け、上記固定側接点に固着された固定側電極棒を上記絶縁筒に取り付けた真空バルブであって、上記両接点の開離時に生じるアークと平行な縦磁界を発生する縦磁界電極のコイル部と上記可動側電極棒、および上記コイル部と上記固定側電極棒のそれぞれを覆う高耐圧材料で形成されたカバーを備え、上記カバーは、上記コイル部の側面から底部に至る部位を覆うコイルカバーと、上記コイルカバーと所定のギャップを介して取り付けられ、上記縦磁界電極のコイル部の底部を覆う電極底部カバーを含み、上記コイルカバーの一端を上記可動側接点と上記固定側接点のそれぞれと上記コイル部との間に固定すると共に、他端の内径を上記コイル部の外径より大きくしたものである。
この発明によれば、固定側接点と可動側接点の開離時に生じるアークと平行な縦磁界を発生する縦磁界電極のコイル部を高耐圧材料で形成されたコイルカバーと電極底部カバーで覆ったため、銅製のコイル部より耐圧が向上し、アークシールドの径を小さくできるので、真空バルブの径を小さくすることができる。また、カバーをコイルカバーと電極底部カバーに分けたため、アークがコイルカバーに移行してもコイル部の発生する縦磁界が弱くならず、遮断性能の高い真空バルブを得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る真空バルブを示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る真空バルブの固定側電極の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る真空バルブの可動側電極の近傍を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る真空バルブの可動側電極の近傍を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る真空バルブの可動側電極の近傍を示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係る真空バルブの可動側電極の近傍を示す断面図である。 この発明の実施の形態5に係る真空バルブの可動側電極の近傍を示す断面図である。
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る真空バルブについて好適な実施の形態を説明する。なお、この実施の形態により発明が限定されるものではなく、諸種の設計的変更をも包摂するものである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る真空バルブを示す断面図である。図1において、真空バルブ100は絶縁筒1を備えており、絶縁筒1の両端に固定側端板2と可動側端板3がそれぞれ配置されている。絶縁筒1の内面にはアークシールド4が設けられ、このアークシールド4の両端部4a,4bの径は、中央部の径より小さく絞り込まれている。
固定側端板2には固定側電極棒5aが配置され、固定側電極棒5aの先端に固定側接点6aが取り付けられている。そして、固定側電極棒5aの後端はブロック7により固定側端板2に固定することで真空バルブ内部を密閉している。また、可動側端板3にはベローズ8とベローズ8を覆うベローズカバー9を介して可動側電極棒5bが配置され、可動側電極棒5bの先端に可動側接点6bが取り付けられている。そして、可動側電極棒5bの後端は可動側端板3に取り付けられたガイド10により、密封状態を保持してスライドできるように構成されている。これにより、固定側接点6aと可動側接点6bは対向し、ベローズ8の伸縮により接離可能となっている。なお、固定側接点6aと可動側接点6bは、アークシールド4により包囲されている。
固定側電極棒5aと可動側電極棒5bはそれぞれ中空状に構成され、中央部に空洞を有している。固定側電極棒5aの可動側電極棒5bとの対向端部は、コイル部11aと底部12aから成り、コイル部11aには縦磁界を発生させるための後述する斜めのスリットが形成されている。なお、コイル部11aと底部12aによりコントレート電極13aを形成している。同様に、可動側電極棒5bの固定側電極棒5aとの対向端部は、コイル部11bと底部12bから成り、コイル部11bには縦磁界を発生させる斜めのスリットが形成されている。そして、コイル部11bと底部12bによりコントレート電極13bを形成している。
固定側電極棒5aおよび可動側電極棒5bは次の方法により形成される。即ち、銅管の端部をプレス加工、または鍛造加工によって径を広げて底部12a,12bとコイル部11a,11bを形成する。その後、コイル部11a,11bに斜めのスリットをメタルソー、バンドソー、ダイヤモンドソー、チップソー、ワイヤーカット、ドリル、ミーリング加工などで加工し、コントレート電極13a,13bとする。
固定側接点6a、可動側接点6bの裏側にはそれぞれ、裏板14a,14bと補強部材15a,15bが配置されている。電流の一部が補強部材15a,15bに流れることでコイル部11a,11bで発生する磁界強度が下がらないようにするために、補強部材15a,15bを長くして電気抵抗を増加させている。この結果、補強部材15a,15bと電極棒5a,5bのロウ付け部位が、コイル部11a,11bより接点6a,6bから離れた位置になる。なお、ロウ付け箇所を減らすために補強部材15a,15bと裏板14a,14bとはそれぞれ一体に形成しても良い。また、後述のコイルカバー19a,19bと裏板14a,14bとをそれぞれ一体化してもよい。
カバー16a,16bは、それぞれ電極棒5a,5bの側部を覆う電極棒カバー17a,17bと、電極棒5a,5bの底部12a,12bを覆う電極底部カバー18a,18bと、コイル部11a,11bを覆うコイルカバー19a,19bとで構成されている。なお、カバー16a,16bは、高耐圧で非磁性材料である材料、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS316等)が望ましい。
上記特許文献3、4に開示されている電界緩和シールドの場合、ロウ付けの際に通常は真空バルブを縦に設置するので、固定電極または可動電極のどちらかが下方になり、電界緩和シールド固定のためのロウ材が流れて電界緩和シールド自身に付着したり、電極棒に付着する可能性がある。このため、高電界部位までロウ材が流れて付着すると、ロウ材は耐電圧の低い金属、例えば銀を含んでおり耐電圧性能が低下する。そこで、本実施形態では電極棒カバー17a,17bと電極底部カバー18a,18bを一体とし、ロウ材がカバー16a,16b表面に流出しないように構成している。
また、電極棒5a,5bは、アークシールド4の径の小さくなった両端部4a,4bに対向する部分の電界が高くなる。従って、電極棒カバー17a,17bはこのアークシールド4の両端部4a,4bに対向する高電界部位を越えて電界の低くなる固定側端板2およびベローズカバー9付近まで覆うのが好ましい。
実施の形態1に係る真空バルブ100は上記のように構成されているが、通電電流が増大しても電極棒5a,5bや縦磁界電極の径を大きくせずにすむように、次のように構成されている。即ち、電極棒5a,5bの中央の空洞部に、接点6a,6bとその周辺部を冷却する媒体が入れられている。この冷媒は、図示しない外部の冷媒供給手段により供給される。冷媒としては、空気、あるいはSF6といった絶縁性ガスなどを用いて、自然対流や強制循環させたり、あるいは絶縁油、フロリナートなどの絶縁性液体を用いて循環させている。この冷却構造により電極棒5a,5bや、接点6a,6bとその周辺部の発熱が抑制され通電性能が向上する。その結果、真空バルブ100の発熱を減らすために電極径、電極棒の径を大きくして抵抗を下げる必要がなくなり、真空バルブ100の小型化が達成される。また、電極棒5a,5bを空洞とすることで重量の抑制が可能となり、開閉機構が小型化する。
また、真空バルブ100の内部は真空に保つ必要があるため、特に冷媒が触れる部品である裏板14a,14b、補強部材15a,15b、電極棒5a,5bのロウ付けを確実に行い強固に封止する必要がある。そのため、次のように構成されている。即ち、接点6a,6bは、粉状の材料を焼結等で形成したものであって、微小な穴があいている可能性があり、裏板14a,14bを接点6a,6bの裏側に配置している。裏板14a,14bは補強部材15a,15bからの力を受ける必要もあるので、機械的強度が高く、また、コイル部11a,11bの発生する磁場の影響を受けない非磁性材料のオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304、SUS316等)が望ましい。例えば、板材から打ち抜いた材料を使用するとよい。なお、補強部材15a,15bと裏板14a,14bは、真空バルブ100内の真空を維持するためにも穴があってはいけない。
実施の形態1に係る真空バルブ100は更に、次のように構成されている。即ち、上記特許文献3、4に開示されている電界緩和シールドは電極を覆ってしまうため、隠される部分、例えば本実施形態であれば、接点6a,6bとコイル部11a,11b、および裏板14a,14b、補強部材15a,15b、電極棒5a,5bの接合部のロウ付け状態の確認が困難となる。電極棒5a,5bを中空状に構成した構造では、これらの部位のロウ付けを確実に行うことが真空バルブ内を高真空に維持するために重要である。
そこで、本実施形態では、電極底部カバー18a,18bと底部12a,12bを貫通するロウ付け確認穴20a,20bを形成している。但し、ロウ付け確認穴20a,20bを通してカバー16a,16bの表面にロウ材が流出しないように、底部12a,12bの穴よりカバー16a,16bの穴が小さくされている。従って、耐電圧の低い銀を含むロウ材を使用してもロウ材の流出がないため耐電圧性能が維持される。
ところで、ロウ付け確認穴20a,20bは、形成位置によっては遮断性能を低下させることになる。そこで、本実施形態は次のように構成されている。即ち、図2は、図1のコイルカバー19aと電極底部カバー18aを外した固定側電極のコイル部11a、底部12aを示す斜視図である。図2に示すように、コントレート電極13aのスリット21の略延長線上に位置するように、底部12aにロウ付け確認穴20aを形成する。但し、ロウ付け確認穴20aの形成は、電界の低い電極棒5aに近い部位が望ましい。ロウ付け確認穴20aの穴形状は円形でも長方形のような矩形でもよく、円形とすればドリルで簡単にあけることができ、長方形として電流の流れる向きを制御するようにしてもよい。この結果、縦磁界を発生する電流パスを長くしたことと同等の効果があり、縦磁界強度が上がって遮断性能が高くなる効果がある。なお、可動側電極のコイル部11b、底部12bにおいても同様である。
図1に戻り、底部12a,12bに形成されるロウ付け確認穴20a,20bの少なくとも一部は、電極底部カバー18a,18bのロウ付け確認穴20a,20bと重なるようにする。ロウ付け確認穴20a,20bの電界緩和のために、ロウ付け確認穴20a,20bは電界の低い位置、即ち、電極棒5a,5bに近い部位とする。更に、カバー16a,16bの表面にロウ材が流出しないように、底部12a,12bに形成されるロウ付け確認穴20a,20bと電極底部カバー18a,18bに形成されるロウ付け確認穴20a,20bとの重なり部では、電極底部カバー18a,18bに形成されるロウ付け確認穴20a,20bの径を小さく形成する。
製造工程では、ロウ付けの後にロウ付け確認穴20a,20bから、補強部材15a,15bと裏板14a,14bの接合部のロウ付け状態を確認する。補強部材15a,15bと電極棒5a,5bの接合部についても、例えば光ファイバーを用いてロウ付け確認穴20a,20bおよび電極棒5a,5bの中央の空洞部からロウ付け状態を確認することができる。その結果、電極棒5a,5bと補強部材15a,15b、および裏板14a,14bの三者のロウ付けを確実に行うことができる。
次に、図3により真空バルブ100の電極部分の詳細構造について説明する。図3は、真空バルブ100の可動側電極部分の近傍を示す断面図である。なお、固定側電極部分については、可動側電極部分と同様であり、図示説明を省略している。
図3において、コイルカバー19bは、接点6bとコイル部11bの間に挟み込んでロウ付け固定されている。このような構造とするとコイルカバー(SUS)はコイル(Cu)に比べて抵抗が大きいのでコイル部11bから接点6bへの通電を妨げる。そこで、各コイル部11bと接点6bとの接触部の一部のみを挟み込み部とし、残りは通電部22を設け抵抗を抑える構造とする。
コイル部11bには斜めのスリット21(図2参照)が設けられているため、スリットの切れ込み端の電界が高くなる。更に、コイル部11b、底部12b、電極棒5bは電気抵抗を下げるために銅で形成されるが、銅は耐電圧が低い欠点がある。従って、高耐圧材料のコイルカバー19bでコイル部11bのスリット21を覆うことにより電界緩和と高耐圧化が行なわれている。底部12bは高耐圧材料の電極底部カバー18bで覆い、電極棒5bは高耐圧材料の電極棒カバー17bで覆うことで耐電圧性能の向上を図っている。
コイルカバー19bを設けることで、B部が接点端部(C部)付近の等電位線を持ち上げるため、接点端部(C部)の電界も緩和する。このため接点の耐電圧性能を向上させる効果がある。
真空バルブ100を真空遮断器に組み込んだ後、開極状態では固定側接点6aと可動側接点6bが規定の距離だけ開く。この状態でのコイルカバー19bと電極底部カバー18bの表面の電界分布は、アークシールド4の端部4bとの距離が短い場合、図3のA部に示すギャップ23を挟んだカバー端部付近と電極底部カバー18bが最大電界部位となる。
真空遮断器の耐電圧試験をクリアするためには、真空バルブのコンディショニング工程で耐電圧試験時より大きな電界を印加する必要がある。通常の設計では規定の開極状態よりさらに開極距離を開いて、A部とアークシールド4の端部4bとの距離を縮めることができない。真空バルブ単体でも、A部とアークシールド4の端部4bとの距離をあまり縮めることができない。このため、A部に最大電界があると、コンディショニング工程でアークシールド4の端部4bとの距離を縮めて大きな電界を印加することができない。無理に印加電圧を上げると接点間やセラミックなど他の部位で放電してしまいA部のコンディショニングにならない。
そこで、コイルカバー19bのB部あるいは側面部(AとBの間の部分)が最大電界部位となるようにするとよい。これは、コイルカバー、電極底部カバーの曲率やアークシールドとの距離を調節することで実現できる。この場合は、コンディショニングの際に開極距離を縮めて電圧を印加することで、B部とAとBの間の部分に耐電圧試験時の電界より十分高い電界を印加できる。
また、コイルカバー19bのギャップ側端部は、内径がコイル部11bより大きくなっている。これは、組立の際にコイルカバー19bの裏側からコイル部11bを入れるためである。
コイルカバー19bと電極底部カバー18bのギャップ側端部は、糸面取り加工(R0.2程度)もしくはバリ取り加工が施される。この部位は、図1に示すように、アークシールド4の径が小さくなって内側に絞り込まれている部位4bと対向しているため、放電防止のために電界緩和が必要である。そこで、カバーの曲率を調整し、両カバー端部をコイル部11b側に窪ませてハの字とする。この構成により、上記特許文献3で開示された電界緩和カバーの先端のように絞り加工で大きな曲率をつける必要がなく、端面の糸面取り加工もしくはバリ取り加工程度の簡単な加工で済み、また、絞り加工で大きな曲率をつけるとコイルカバー19bの外径が大きくなるので、本構造のほうがの外径が抑制され真空バルブを小形化できるという効果がある。
電極棒カバー17bと電極底部カバー18bとは、保持部24で底部12にロウ付け固定されている。保持部24以外に電極棒カバー17bと電極棒5bが接触する部位があると、電極棒カバー17bを通る電流路が生成され、表皮効果により表面に近いカバーの方が電極棒5bより電流密度が高くなる。こうなると、カバーは電極棒5bよりも導電率の低いSUS製なので高温となり発熱源となってしまう。そこで、電極棒カバー17bと電極棒5bは保持部24以外で接触しないように隙間をあける。電極底部カバー18bと底部12bも同様に保持部24以外は隙間をあける。これらの隙間は、部材の加工公差を考慮して0.5mm〜1.5mm程度が望ましい。
また、コイルカバー19bと電極底部カバー18bは、遮断性能を向上させるために、次のように構成されている。
(1)コイルカバー19bと電極底部カバー18bのギャップ23が、開閉による衝撃やコイル部11bの縮みによって狭くなり通電しないように適当な距離を設ける必要がある。一方で、ギャップ23が大きすぎると等電位線がギャップ23に入り込み、カバー端部の電界が高くなる。そこで、ギャップ23は、0.3mm〜2.5mm程度の範囲としている。
(2)一般に、真空遮断器の入出力端子に繋がれた外部電流パスの発生する磁界により、アークに対して大きなローレンツ力が作用し、アークを接点の外に押し出す力を発生する場合がある。しかし、本実施形態ではギャップ23が設けられているので、アーク25がコイルカバー19bに移行しても電流はコイル部11bを流れ、縦磁界は弱まらずに発生し続ける。アーク25は縦磁界の強い部位に移行する性質があるため、最終的には接点6bに戻りコイル部11bの発生する縦磁界によって拡散状態となる。このため、遮断性能が高い効果がある。
本実施形態の電極構造にて遮断試験を実施した結果、アーク25が一旦コイルカバー19bに移行し、コイル部11bの側面を底部12b近くまで移動する場合があったが、アーク25は電極底部カバー18Bには移行せずに接点6bに戻り、遮断性能は維持されることが判明した。従って、コイルカバー19bは、図1あるいは図3に示すように、コイル部11bの側面を覆い底部12b近くまで伸びている必要がある。このため、例えば特許文献3、4のように、コイルの側面が電極棒側から伸びるカバー(本実施形態で言えば、電極底部カバー18bがコイル部11bの側面まで伸びていて、コイルカバー19bがコイル部11bの残りの一部のみを覆っている状態に相当)で覆われていると、アークがこのカバーに移行し、前述のように電流がカバーを流れ、コイルを流れる電流が減少するため遮断性能が低下する。
次に、本実施形態の電極構造と上記特許文献3と4を組み合わせた場合の構造との比較について説明する。先ず、特許文献3と4を組み合わせた場合の構造について、特許文献3の第1図に特許文献4の挟み込み部材を適用すると考える。挟み込み部材の厚さは特許文献4の図5(b)から接点の1/3程度とする。
上記特許文献3の第1図に示されたアーク電極の裏側に、上記特許文献4の挟み込み部材を固着し、その裏側に高抵抗体を取り付ける。高抵抗体は、電流が高抵抗体に流れずコイル電極に流れるようにするために抵抗値が大きく、かつ、開閉時に可動リート棒とアーク電極との間に働く力に耐えるために機械的強度が大きいことが求められる。このため、高抵抗体の長さや厚みはほぼ元の形を保って、挟み込み部材の厚さの分だけアーク電極から離れた位置に移動する。特許文献3では高抵抗体をコイル電極の基部に設けた横板で受ける構造で、リードパイプとコイル電極の接触面積も通電性能から決まっているので、可動リード棒とコイル電極の位置関係もそのまま維持されなければならない。この結果、高抵抗体がずれた分だけリードパイプとコイル電極がアーク電極から離れる。その結果として、アークに作用する縦磁界の強度が低下し、遮断性能が低下する問題がある。
これに対し、本実施形態では、補強部材15b(高抵抗体に相当)を電極棒5bの内径側に設けた段差で受ける構造としている。このため、裏板14bを設けて補強部材15bの端部の位置が接点6bから離れても、縦磁界を発生するコイル部11bを接点6bの近くに設置することができ、遮断性能を維持することができる。
また、上記特許文献3では縦磁界電極のコイル電極が2分割であるため円弧部が変形しやすい。そこで裏側に補強体を設置して腕や円弧部の変形を防いでいる。
本実施形態では、補強部材15bで電極棒5bの力を受ける構造としコイル部の変形を防止している。また、コントレート電極13bは穴(ロウ付け確認穴20b)が小さいので強度が高く、裏に補強体を設ける必要がない。
更に、上記特許文献3ではコイル電極の基部に設けた横板とアーク電極との間の空間が高抵抗体の穴(特許文献3の第1図参照)によって真空状態となっている。このため、この構造では可動リード棒を中空としても、アーク電極の裏面に冷媒を接触させることができず、放熱効率が上がらない。これに対し、本実施形態では接点6bの裏面を、裏板14bを介して冷媒で冷却するので放熱効率が高い。
以上詳述したように、実施の形態1に係る真空バルブ100は、コイルカバー19a,19bでコイル部11a,11bを覆い、底部12a,12b付近まで伸ばしたため、アーク25がコイルカバー19a,19bに移行しても電極底部カバー18a,18bまで移行することがない。従って、コイル部11a,11bを流れる電流の一部が、電極底部カバー18a,18bからコイルカバー19a、19bを介して流れることが無く、縦磁界強度が維持されるため、アーク25は最終的に接点6a,6bに戻り遮断性能は維持される。
また、補強部材15a,15bが高抵抗体と縦磁界電極の補強体を兼ね、電極棒5a,5bの内径側に設けた段差で保持する構造としたため、裏板14a,14bを設けて補強部材15a,15bの端部位置が接点から離れても、縦磁界を発生するコイル部11a,11bを接点6a,6bの近くに設置することができて遮断性能が維持され、また接点6a,6bの裏面を裏板14a,14bを介して冷媒で冷却できるので、放熱効率が高い。その結果、真空バルブ100のコントレート電極13a,13bの径、電極棒5a,5bの径を小さくできるので真空バルブ100の小型化が達成できる。
なお、実施の形態1に係る真空バルブ100ではコントレート電極13a,13bを適用したが、それに限定しない。但し、コントレート電極13a,13bは、直線状のスリット21を入れるだけなので加工が簡単になるメリットがある。
また、カバー16a、16bは、真空バルブ100の定格電圧が比較的低い場合には銅(無酸素銅、黄銅、タフピッチ銅等)、Cu−Cr系材料としてもよい。銅であってもスリット21を覆うことで電界緩和効果があり、加工しやすいメリットがある。Cu−Cr系材料は遮断性能が高い効果がある。電極底部カバー18a,18bの保持部24を底部12a,12bに設けたが、電極棒5a,5bに設けてもよい。
実施の形態1に係る真空バルブ100では、コントレート電極13a,13bの周囲(側面および裏面)を高耐圧材料製のカバー16a,16bで覆ったため、銅製のコイル部11a,11bより耐圧が向上し、アークシールド4の径を小さくすることができる。
また、カバー16a,16bを接点6a,6bの裏側で固定し、コントレート電極13a,13bのコイル部11a,11bを覆うコイルカバー19a,19bと、電極底部カバー18a,18bに分けたため、アーク25がコイルカバー19a,19bに移行してもコイル部11a,11bの発生する縦磁界が弱くならないので、遮断性能が高く、電極径を小さくすることができる。このため、真空バルブ100の周囲の電流パスが発生する磁界の影響を受けないので、真空遮断器全体を小型化することができる。
また、コイルカバー19bと電極底部カバー18bのギャップ側端部は、糸面取り加工もしくはバリ取り加工程度のみであり、部品加工が容易である。
また、電極棒5a,5bとコントレート電極13a,13bを銅管で一体に形成したので、電極棒5a,5bとコントレート電極13a,13bのロウ付け部がなくなり、組立とロウ付け工程が簡易化される。
更に、電極棒5a,5bを中空とすることにより、接点6a,6bの発熱を効率的に冷却でき、通電電流を増してもコントレート電極13a,13bの径、電極棒5a,5bの径を大きくする必要がなくなる。また、電極棒5a,5bの径を小さくできるので、アークシールド4の両端4,4bの径を絞ることができ、遮断持の金属蒸気の捕集効果が上がり、セラミック内沿面への金属蒸気付着量が減るので遮断回数を増やすことができる。
また、ロウ付け確認穴20a,20bでロウ付け状態を確認できるので、冷却用媒体が触れる部位のロウ付けを確実に行うことができる。コントレート電極13a,13bの底部にはロウ付け確認穴を設ける。ロウ付け確認穴の位置はコントレート電極13a,13bのスリット21の略延長線上としたので、縦磁界を発生する電流パスを長くしたことと同等の効果があり、縦磁界強度が上がり遮断性能が高くなる。
また、カバー16a,16bの表面にはロウ材が付着しない構造としたので、耐電圧の低い銀を含むロウ材を使用しても耐電圧性能が維持される。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る真空バルブについて説明する。図4は、実施の形態2に係る真空バルブの可動側電極部分の近傍を示す断面図である。なお、固定側電極部分については、可動側電極部分と同様であり、図示説明を省略する。
図4において、実施の形態2に係る真空バルブ200は、電極底部カバー18bの先端とコイルカバー19bの先端の両方、または一方にリング40を取り付ける。リング40の取り付けは、溶接、ロウ付けなどで行う。リング40の位置決めのために、リング40または電極底部カバー18bあるいはコイルカバー19bの先端部に嵌め合わせ部が設けられている。例えば、リング40を電極底部カバー18bの先端だけに取り付けた場合でも、リング40の径を調整することによってコイルカバー18bの先端の電界も緩和されるので、ギャップ23を大きく取ることができる。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
真空バルブ200には例えば数万回の開閉寿命が求められる。このため、開閉衝撃によりコイル部11bが縮むことを考慮した設計が必要になる。実施の形態2に係る真空バルブ200は、上記のように構成されているので、ギャップ23を大きく取ることができ、コイルカバー19bと電極底部カバー18bが接触してコイル部11bに流れるべき電流の一部が電極底部カバー18bを経由してアークに流れ込むことが無い。このため、コイル部11bの発生する縦磁界強度が維持され遮断性能が高まる効果がある。
また、リング40の径とコイルカバー19bの曲率を調整して、電極底部カバー18bを曲げの無い円板にすることができ、加工が容易となる。
なお、実施の形態1で説明したように、アークが一旦コイルカバー19bに移行すると、コイル部11bの側面を底部12b近くまで移動する場合があるため、実施の形態2においてもコイルカバー19bはコイル部11bの側面を覆い、底部12b近くまで伸びた構造になっている。
以上のように、実施の形態2に係る真空バルブ200によれば、電極底部カバー18bの先端とコイルカバー19bの先端の両方、または一方にリング40を取り付けたので、電極底部カバー18bとコイルカバー19bの先端の電界が緩和され、かつ、ギャップ23が大きく取れることで電極底部カバー18bからコイルカバー19bを経由した通電を確実に防止するため遮断性能が高まる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る真空バルブについて説明する。図5は、実施の形態3に係る真空バルブの可動側電極部分の近傍を示す断面図である。なお、固定側電極部分については、可動側電極部分と同様であり、図示説明を省略する。
図5において、実施の形態2に係る真空バルブ300は、電極底部カバー50を円板形状とし、その先端部となる外周円部に、厚み方向に円弧を有する円弧状部を形成する。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態3に係る真空バルブ300は、上記のように円板形状の電極底部カバー50の外周円部に、厚み方向の円弧状部を形成したので、厚み方向の円弧状部における円弧の大きさを調整することにより、コイルカバー19bの先端の電界も緩和される。
以上のように、実施の形態3に係る真空バルブ300によれば、円板形状に構成された電極底部カバー50とコイルカバー19bの先端の電界が緩和され、かつ、図5で明らかなように、ギャップ23を大きく取ることができ、電極底部カバーからコイルカバーカバーを経由した通電を確実の防止し、遮断性能が高まる。なお、本実施形態においても、コイルカバー19bはコイル部11bの側面を覆い、底部12b近くまで伸びた構造になっている。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る真空バルブについて説明する。図6は、実施の形態4に係る真空バルブの可動側電極部分の近傍を示す断面図である。なお、固定側電極部分については、可動側電極部分と同様であり、図示説明を省略する。
図6において、実施の形態4に係る真空バルブ400は、電極底部カバー60を電極棒カバー17bと分離し、コイルカバー19bに取り付ける構造とする。コイルカバー19bに嵌め合わせ部を設け、電極底部カバー60を溶接、ロウ付けなどで取り付ける。電極底部カバー60の中央には穴をあけ、コントレート電極13bの底部や電極棒カバー17bと接触しないようにギャップ23を形成する。ギャップ23は、電極棒カバー17bの端部との距離が0.3mm以上とする。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
コイルカバー19bと電極底部カバー60の接続位置は、図6に示すようにコントレート電極13bの側面でもよいが、接点6bから更に離れた底部12b側の位置でもよい。但し、コントレート電極13bを入れて組み立てるため、コイルカバー19bの端部の内径はコイル外径より大きくする。
また、カバー表面の最大電界が、図6のD部にあることが望ましい。そのために、電極底部カバー60の曲率を大きくする。D部に最大電界があれば、コンディショニングの際に開極距離を縮めて電圧を印加することで、この最大電界部付近に耐電圧試験時の電界より十分高い電界を印加できる。
以上のように、実施の形態4に係る真空バルブ400によれば、コイル部11bを流れるべき電流が電極底部カバー60からコイルカバー19bを経由し分流することがないため、発生する縦磁界強度が高く遮断性能が高まる。また、電極底部カバー60とコイルカバー19bの高さH2を、コイル部11bの高さH1より大きく取ることができるので、電極底部カバー60あるいはコイルカバー19bの曲率の大きさや、コイル部11bの高さH1の大きさに自由度が増し、電界設計が容易になる効果がある。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る真空バルブについて説明する。図7は、実施の形態5に係る真空バルブの可動側電極部分の近傍を示す断面図である。なお、固定側電極部分については、可動側電極部分と同様であり、図示説明を省略する。
図7において、実施の形態5に係る真空バルブ500は、コントレート電極13bを形成する底部12bと電極棒5bとを分離し、接合部70で両者を接合するもので、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態5に係る真空バルブ500は上記のように構成されており、その電極部は、銅管の端部をプレス加工、または鍛造加工によって径を広げ底部12bとコイル部11bを形成する。電極棒5bには銅管の端部に嵌め合わせ構造を加工する。
また、実施の形態1と同様に、コントレート電極13bの変形を防止するために電極棒5bの内面に段部を設け、補強部材15bを固定する。補強部材15bの抵抗を高くして電流が流れないようにするため、電極棒5bとの接合位置と裏板14bの間の距離を長く取る。このために、底部12bの内径と補強部材15bの外径の間には隙間を設ける。
実施の形態1のように、コントレート電極13bと電極棒5bを一体とすると、電極棒5bが長い場合にコントレート電極加工の作業性が悪い問題があるが、本実施形態であればコントレート電極13bを形成する底部12bと電極棒5bとを分離し、接合部70で両者を接合するので作業性が向上する。そして、電極棒5bと底部12bのロウ付け部からロウ材が流出しても電極棒カバー17bと電極底部カバー18bは一体なので、ロウ材が表面に現れず耐電圧性能が維持される。なお、電極構造は縦磁界電極であればよい。
また、図示は省略しているが、この実施の形態5の真空バルブ500に、実施の形態2と同様に電極底部カバー18bの先端とコイルカバー19bの先端の両方、または一方に溶接、あるいはロウ付けによりリングを取り付け、実施の形態2で説明した効果を得ることもできる。
1 絶縁筒、2 固定側端板、3 可動側端板、4 アークシールド
5a 固定側電極棒、5b 可動側電極棒、6a 固定側接点、6b 可動側接点
7 ブロック、8 ベローズ、9 ベローズカバー、10 ガイド
11a,11b コイル部、12a,12b 底部
13a,13b コントレート電極、14a,14b 裏板
15a,15b 補強部材、16a,16b カバー、17a,17b 電極棒カバー
18a,18b,50,60 電極底部カバー、19a,19b コイルカバー
20a,20b ロウ付け確認穴、21 スリット、22 通電部、23 ギャップ
24 保持部、25 アーク、40 リング、70 接合部
100,200,300,400,500 真空バルブ

Claims (16)

  1. 密封状態に保持された絶縁筒内に、上記絶縁筒の軸方向に対向して接離可能に配置された可動側接点および固定側接点と、上記両接点を包囲するように取り付けられたアークシールドと、上記可動側接点に固着された可動側電極棒をべローズを介して上記絶縁筒に取り付け、上記固定側接点に固着された固定側電極棒を上記絶縁筒に取り付けた真空バルブであって、
    上記両接点の開離時に生じるアークと平行な縦磁界を発生する縦磁界電極のコイル部と上記可動側電極棒、および上記コイル部と上記固定側電極棒のそれぞれを覆う高耐圧材料で形成されたカバーを備え、
    上記カバーは、上記コイル部の側面から底部に至る部位を覆うコイルカバーと、上記コイルカバーと所定のギャップを介して取り付けられ、上記コイル部の底部を覆う電極底部カバーを含み、
    上記コイルカバーの一端を上記可動側接点と上記固定側接点のそれぞれと上記コイル部との間に固定すると共に、他端の内径を上記コイル部の外径より大きくしたことを特徴とする真空バルブ。
  2. 上記ギャップを介して対向する上記コイルカバーと上記電極底部カバーのそれぞれの端部を、糸面取り加工もしくはバリ取り加工すると共に、上記コイルカバーと上記電極底部カバーの上記対向端部が上記コイル部側に窪ませた形状であることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
  3. 上記カバーの表面の最大電界は、上記コイルカバーの上記ギャップ付近以外に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空バルブ。
  4. 上記電極底部カバーと上記電極棒を覆うカバーを一体化して上記コイル部の底部に固定すると共に、上記固定部を除いて上記電極棒の表面と上記電極棒を覆うカバーとの間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の真空バルブ。
  5. 上記電極棒を覆うカバーは、上記アークシールドの先端と対向する高電界部位より先まで上記電極棒を覆うものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の真空バルブ。
  6. 上記コイル部と上記電極棒とを銅管から一体に形成すると共に、上記電極棒を中空状に構成することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の真空バルブ。
  7. 上記コイル部と上記電極棒とを嵌め合わせにより一体化すると共に、上記電極棒を中空状に構成することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の真空バルブ。
  8. 上記コイル部の強度を補う補強部材を上記電極棒の中空部にロウ付け固定すると共に、上記接点の裏側に裏板を設け、上記コイル部の内部を密閉構造にすることを特徴とする請求項6又は7に記載の真空バルブ。
  9. 上記コイル部の底部と上記電極底部カバーとを貫通するロウ付け確認穴を形成したことを特徴とする請求項8に記載の真空バルブ。
  10. 上記ロウ付け確認穴は、上記電極棒に近い部位で、上記コイル部に縦磁界を発生させるスリットの略延長線上に形成したことを特徴とする請求項9に記載の真空バルブ。
  11. 上記ギャップを介して対向する上記コイルカバーの先端と上記電極底部カバーの先端の両方、または一方にリングを取り付けたことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の真空バルブ。
  12. 上記電極底部カバーを円板形状とし、その外周円部に厚み方向に円弧を有する円弧状部を形成したことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の真空バルブ。
  13. 密封状態に保持された絶縁筒内に、上記絶縁筒の軸方向に対向して接離可能に配置された可動側接点および固定側接点と、上記両接点を包囲するように取り付けられたアークシールドと、上記可動側接点に固着された可動側電極棒をべローズを介して上記絶縁筒に取り付け、上記固定側接点に固着された固定側電極棒を上記絶縁筒に取り付けた真空バルブであって、
    上記両接点の開離時に生じるアークと平行な縦磁界を発生する縦磁界電極のコイル部と上記可動側電極棒、および上記コイル部と上記固定側電極棒のそれぞれを覆う高耐圧材料で形成されたカバーを備え、
    上記カバーは、上記縦磁界電極のコイル部の側面を覆うコイルカバーと、上記コイルカバーに取り付けられ、上記コイル部の側面から底部に至る部位を覆う電極底部カバーと、上記電極底部カバーと所定のギャップを介して取り付けられ、上記電極棒を覆う電極棒カバーにより構成されることを特徴とする真空バルブ。
  14. 上記カバーの表面の最大電界は、上記コイルの側面に位置するように上記電極底部カバーの曲率を形成することを特徴とする請求項13に記載の真空バルブ。
  15. 上記コイル部と上記電極棒とを銅管から一体に形成すると共に、上記電極棒を中空状に構成することを特徴とする請求項13又は14に記載の真空バルブ。
  16. 上記コイル部の強度を補う補強部材を上記電極棒の中空部にロウ付け固定すると共に、上記接点の裏側に裏板を設け、上記コイル部の内部を密閉構造にすることを特徴とする請求項15に記載の真空バルブ。
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