JP5610995B2 - 真空バルブ - Google Patents

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Description

この発明は、電極を流れる電流によって発生する磁界によりアークを拡散させるようにした真空バルブに関するものである。
真空バルブは、ガラス材やセラミック材等の絶縁材からなり内部が高真空に排気された円筒状の真空容器と、この真空容器の両端部にそれぞれ設けられた電極棒と、各電極棒の対向する端部に設けられた環状のコイル電極と、円板状の接点と、接点を補強する支持部材とを備え、一方の電極棒を軸方向へ移動させることにより、固定側接点と可動側接点を接離して通電又は遮断を行なうものである。
ここでコイル電極とは、主電極としての固定側接点及び可動側接点の接離方向に軸方向磁界を発生させるものであり、当該両接点の背面側に、接点の外周縁に沿った円周方向に向けて複数の弧状のコイル部が分割配置され、コイルの一端は軸心方向へのアーム部を有し、他端は接点と接続する接続部を有しているものをいう。
上述のような真空バルブにおいては、通電によりコイル電極が軸方向の磁界を発生し、遮断時に不可避的に発生する接点間のアークを、接点の径内に閉じ込めつつ接点表面に拡散させ、接点表面に対し電流密度を下げることにより、接点材料の遮断能力が勝り電流遮断を行うものである。
真空バルブの遮断容量をより大きくするためには、このコイル電極の構造と接点材料の開発が必要不可欠であり、これまでに様々な研究がなされてきた。その結果、真空バルブの遮断性能は、コイル電極が発生させる軸方向磁界強度が強いほど良いことが分かっている。
電極のコイル部の通電面積を増やす工夫をした従来の真空バルブとしては、例えば、絶縁円筒の両側から、その内部に突設された通電軸の先端に接触子が固定された真空バルブにおいて、その接触子が、通電軸の先端から放射状に通電軸と直交方向に突設された通電腕と、この通電腕の先端から弧状に形成されたコイル部でなる電極と、コイル部の先端に設けられた通電端子と、この通電端子の先端に接合され中央部から外周に放射状の溝が形成された接点とで構成された技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−105794号公報(第4頁、図1−2)
真空バルブの遮断能力を向上させるために、軸方向磁界を発生させるコイル電極を用いた電極構造では、通電経路が長くなる傾向にあり、コイル電極での抵抗が増加する。このため、通常の負荷電流を通電する場合に、通電部の温度上昇が過大になる場合があり、対策が必要となる場合があった。
抵抗を下げるための対策の一つとして、接点の外周縁に沿った円周方向に向けて配置される弧状のコイル部の分割数を増やすことが考えられる。それぞれのコイル部の抵抗が並列で接続されることにより抵抗を下げるものである。
また、コイル通電部の断面積を大きくすることによっても抵抗を下げることができる。
その他の抵抗を下げる手段としては、真空バルブの接触部にかかる外部加圧力を増大させ、接触部の抵抗を低減させる方法もある。
ところが、コイル電極の遮断容量と通電容量はトレードオフ的な関係にある。つまり、上述のようなコイル分割数を増やす方法の場合は、電流遮断時に磁界を発生させる弧状のコイル部1個当たりに分流される電流が小さくなるため、発生磁界が下がる。発生磁界の低下は遮断性能の低下をもたらすため、遮断能力を確保するために、電極径を大きくする等の対策をとる必要があった。
また、通電容量を増やすためにコイル部の断面積を増やす方法では、軸方向磁界は主にコイル内径より内側に分布するため、遮断性能を低下させずに断面積を増やすためにはコイル外径側を大きくする必要があった。いずれの方法も電極径を大きくすることになり、真空バルブの大型化につながりコストアップの要因になっていた。
また、外部加圧力の増大による接触部分の抵抗を低減する方法は、電極部の変形を防止するために接点部を電極棒に支持する支持部材の強度アップが必要になる。この支持部材はステンレス等の材料から構成された断面略T字形の形状をしており、支持部材の強度を上げるにはその支柱部の断面を大きくすればよい。ところが、支持部材は銅などで構成されるコイル電極よりは高抵抗であるが、電極棒からコイルと並列に接点まで接続されるため支持部材にも漏れ電流が流れる。支持部材の支柱部の断面を大きくすると、支持部材へ流れる電流も大きくなるため、結果としてコイル部に流れる電流が減少し、発生する軸方向の磁界強度が低減する。つまり、この支持部材への漏れ電流の増大は遮断性能を低下させる要因となる。
支持部材の材料として強度の高いインコネルなどの材料を用いる方法もあるが、インコネル材はステンレス材に比べて非常に高いため、やはりコストアップの要因となる。
特許文献1に示すような従来の真空バルブでは、コイル部の先端に設けられた通電端子の配置と接触子の形状を工夫することにより、電極のコイル部の通電容量を増やし接点間に発生したアークを接点の外周から中心方向に駆動するようにして、遮断性能を上げ通電容量を増やすようにしている。しかしながら、通電軸から放射状に伸びる通電腕はあまり大きくできないため、通電容量を増やすには限界があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、安価な構造で軸方向磁界を下げることなく抵抗を低減させ、遮断性能と通電性能を同時に満足する真空バルブを提供することを目的とする。
この発明に係る真空バルブは、有底円筒状の真空容器の一方の端部に固設された固定側電極棒と、他方の端部に進退自在に設けられた可動側電極棒と、各電極棒の対向端に設けられ、通電により両電極棒の軸線に沿う方向に軸方向磁界を発生させる環状のコイル電極と、各コイル電極の対向側に設けられた円盤状の接点と、各接点の背面側に設けられて軸方向の強度を補強する支持部材とを備えた真空バルブにおいて、各コイル電極は、軸線に対して直交する平面上に、軸線と同心に設けられたリング部と、リング部外周から外側に延出された複数本のアーム部と、アーム部の先端側から周方向に折り曲げるように形成された円弧状のコイル部と、コイル部の先端側に設けられて接点に接合される接続部と、導電性材料からなりアーム部の背面に軸線と同心に設けられて中心に電極棒が接続されるコイル円盤部と、を備え、支持部材の背面側とコイル円盤部との隙間に、アーム部及びコイル部よりも高抵抗の材料からなる補強部材が挿入されているものである。
この発明の真空バルブによれば、コイル電極は、軸線に対して直交する平面上に、軸線と同心に設けられたリング部と、リング部外周から外側に延出された複数本のアーム部と、アーム部の先端側から周方向に折り曲げるように形成された円弧状のコイル部と、コイル部の終端側に設けられ接点に接合される接続部と、導電性材料からなりアーム部の背面に軸線と同心に設けられて中心に電極棒が接続されるコイル円盤部とを備え、支持部材の背面側とコイル円盤部との隙間に、アーム部及びコイル部よりも高抵抗の材料からなる補強部材が挿入されているので、アーム部の背面に設けたコイル円盤部の作用により、コイル電極によって発生する軸方向磁界を下げることなく、アーム部の抵抗を低減することができるため、遮断性能を低下させることなく通電性能を向上させることを可能にした真空バルブを提供することができる。
また、補強部材の挿入により、簡単な構造で支持部材の強度を向上させ、安価で遮断性能にすぐれ、外部加圧力に十分耐えうる低抵抗の真空バルブを提供することができる。
この発明の実施の形態1による真空バルブを示す正面断面図である。 この発明の実施の形態1による真空バルブの固定側電極の構成を説明する分解斜視図である。 図1及び図2の固定側電極の固定側コイル電極を示す平面図及び正面図である。 この発明の実施の形態2による真空バルブの固定側電極の平面図及び断面図である。 この発明の実施の形態3による真空バルブの固定側電極の断面図である。 この発明の実施の形態1〜3における真空バルブのコイル円盤部の他の例を示す平面図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による真空バルブを示す断面図であり、図2は、図1の固定側電極の構成を説明する分解斜視図、図3は、図1及び2の固定側コイル電極の平面図及び正面図である。以下、図に基づいて説明する。
先ず真空バルブの全体構成から説明する。
図1に示すように、アルミナセラミックス等からなる絶縁円筒1と、この絶縁円筒1の一方の端部開口部を覆う固定側端板2と、他方の端部開口部を覆う可動側端板3とで真空容器が構成されている。固定側端板2及び可動側端板3は、それぞれ絶縁円筒1の端面にろう付けにより同軸上に取付けられている。固定側端板2には、固定側電極棒4がろう付け接合され、その容器内側には固定側電極10がろう付け接合されている。一方、可動側端板3には、可動側電極棒5がベローズ6を介してろう付け接合され、その容器内側に可動側電極20がろう付け接合されている。両電極10,20は、同軸上に対向配置されている。ベローズ6は、例えば薄いステンレス板で蛇腹状に製作されており、容器内を真空気密に保ちながら可動側電極棒5を軸方向に移動可能にするものであり、これにより、固定側電極10と可動側電極20とが真空気密を保持しつつ接離可能となっている。
ベローズ6の上端には、ベローズカバー7が可動側電極棒5にろう付により接合されて配設されている。
また、電流遮断時に固定側電極10と可動側電極20との間で発生するアークによる金属蒸気が絶縁円筒1の内面に付着するのを抑制するため、両電極10,20の周囲を囲むようにアークシールド8が配設されている。
固定側電極10と可動側電極20との間には、通電により、両電極棒4,5の軸線に沿う方向に、軸方向磁界が発生するような電極構造になっている。そこで次に、この電極部の詳細構成を図2及び図3により説明する。
固定側電極10と可動側電極20は、基本的に同様の構造をしているため、以下では固定側電極10で代表して説明する。なお、参考のために、図中では、固定側電極10に対応する可動側電極20の各部分の符号を括弧内に示している。したがって、可動側電極20の場合は、以下の説明の「固定側」を[可動側]と読み替えて、図中の括弧内の符号を使用すればよい。必要に応じそれら符号も参照しながら説明する。
図2に示すように、固定側電極10は、主電極としての円板状の接点11と、この接点11の背面側(両電極の対向側の反対側)で、両電極棒4,5の軸線に対して直交する平面上に、軸線と同心に配設された固定側コイル電極12と、ステンレス鋼等の高抵抗材料で形成され、固定側接点11を固定側電極棒4側に機械的に支持する固定側支持部材18とで構成されている。
なお、以下の各部品の説明において、両電極の対向側に近い側を前面側、その反対側すなわち電極棒に近い側を背面側と称すことにする。
固定側コイル電極12の、後述する固定側コイル円盤部17の背面の中心に、固定側電極棒4がろう付け接合されている。
上記の固定側接点11は、銀系合金や銅系合金等の材料を使用するのが好ましい。また、固定側コイル電極12は、銅または銅系の材料を使用する。
図3は、固定側コイル電極12を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図のように、固定側コイル電極12は、中心部の固定側リング部13と、この固定側リング部13の外周からほぼ等間隔で外側に延出された複数本(図では3本)の固定側アーム部14と、この固定側アーム部14の先端側から周方向に折り曲げるように形成された円弧状の固定側コイル部15と、この固定側コイル部15の先端側(終端側)に設けられて固定側接点11に接合される固定側接続部16とを有している。
上記の固定側コイル部15は、固定側リング部13の外側の同心円上で、円周上を均等に3分割した位置に配置されており、磁界発生コイルの役目をするものである。
また、固定側接続部16は、固定側コイル部15の先端側で固定側接点11の背面と対向する側の一部分を、適当長さ軸方向に突出させて形成したものであり、固定側接点11の背面側にろう付けにより固定される部分である。
更に、固定側コイル電極12は、固定側リング部13と固定側アーム部14の背面側に一体的に構成された固定側コイル円盤部17を有しており、この部分が本願の特徴部である。
図1〜3では、固定側コイル円盤部17は、固定側リング部13及び固定側アーム部14と同一部材で一体に製作したものを示している。したがって、材料もリング部13及びアーム部14と同じく銅または銅系の材料である。
ここで、固定側電極棒4の外径をD1、固定側コイル円盤部17の外径をD3、固定側コイル部15の内径をD2とした場合、D1<D3<D2となるように形成する。
次に、上記のように構成された真空バルブの、電極部の作用について説明する。
固定側電極10を流れる電流の通電経路は、固定側電極棒4から固定側コイル円盤部17,固定側リング部13及び固定側アーム部14を通り、各固定側コイル部15に分流される。次に、各固定側コイル部15の先端側の固定側接続部16から固定側接点11へと流れる。一方、可動側電極20側は、可動側接点21から可動側接続部26,可動側コイル部25,可動側アーム部24を通り、可動側リング部23と可動側コイル円盤部27を介して可動側電極棒5へと流れる。
固定側コイル部15と可動側コイル部25に流れる円周方向の電流により、両電極間に軸方向磁界が発生するため、遮断時に両接点11,21間に発生するアークを、各接点11,21の径内に閉じ込めつつ接点表面に拡散させることで、遮断性能を向上させるようになっている。
本願構成では、固定側アーム部14の背面側に、良導電性の固定側コイル円盤部17を設けているので、固定側コイル円盤部17が無い場合に比べて、固定側コイル電極12の固定側リング部13から固定側アーム部14への通路の抵抗分が大幅に低減されるため、真空バルブの電極部の抵抗を下げることが可能となる。また、固定側コイル円盤部17の外径寸法を上記のように構成しているので、磁界を発生させる固定側コイル部15に分流される電流は変わらないため、発生磁界の低下は起こらず遮断性能を低下させることも無い。
なお、固定側リング部13から固定側アーム部14への抵抗を低減させるための構造として、例えば、固定側リング部13の外径を大きくして固定側アーム部14の長さを短くすることで、同様の抵抗の低減効果は得られるが、その場合、固定側リング部13,固定側アーム部14及び固定側コイル部15で囲まれる面積が狭くなり、特にアスペクト比が大きくなるため、プレスや鍛造加工等の安価な加工方法が採用することができなくなる。このような構造は、コスト高なマシニングセンタなどによる切削加工でしか製作できなくなるため、コストアップの要因となる。
また、当該部の抵抗を低減させる別の構造として、固定側アーム部14の厚みを厚くする手段も考えられる。しかしながら、その場合は、固定側アーム部14の抵抗を固定側コイル円盤部17がある時と同等の抵抗に低減させるためには、固定側アーム部14の厚みを大幅に厚くする必要があるため、材料費がアップする。また、固定側リング部13,固定側アーム部14及び固定側コイル部15で囲まれる部分の深さが深くなるため、鍛造加工では加工性も悪く、金型耐用年数も短くなるためコストアップの要因となる。
これらに比較して、実施の形態1の構成では、従来から用いられてきた安価なコイルの製造方法である鍛造加工によって製作可能なコイル構造となっており、コイル電極のアーム部の背面側にコイル円盤部を設けることにより、コイル電極により発生する磁界を低下させることなく、電流通電時の電流経路を短縮させるような経路を増やすことを可能にし、安価で遮断性能にすぐれ、低抵抗の真空バルブを実現することができる。
以上のように、実施の形態1の真空バルブによれば、有底円筒状の真空容器の一方の端部に固設された固定側電極棒と、他方の端部に進退自在に設けられた可動側電極棒と、各電極棒の対向端に設けられ、通電により両電極棒の軸線に沿う方向に軸方向磁界を発生させる環状のコイル電極と、各コイル電極の対向側に設けられた円盤状の接点と、各接点の背面側に設けられて軸方向の強度を補強する支持部材とを備えた真空バルブにおいて、各コイル電極は、軸線に対して直交する平面上に、軸線と同心に設けられたリング部と、リング部外周から外側に延出された複数本のアーム部と、アーム部の先端側から周方向に折り曲げるように形成された円弧状のコイル部と、コイル部の先端側に設けられて接点に接合される接続部と、導電性材料からなりアーム部の背面に軸線と同心に設けられて中心に電極棒が接続されるコイル円盤部と、を備えているので、アーム部の背面に設けたコイル円盤部の作用により、コイル電極によって発生する軸方向磁界を下げることなく、アーム部の抵抗を低減することができるため、遮断性能を低下させることなく通電性能を向上させることを可能にした真空バルブを提供することができる。
また、コイル円盤部の外径は、コイル部の内径より小さく電極棒の外径より大きい寸法に形成されているので、確実に、コイル電極によって発生する軸方向磁界を下げることなくアーム部の抵抗を低減できる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2による真空バルブの固定側電極部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のb−bから見た正面断面図である。真空バルブの構成は、実施の形態1と同等なので図示及び説明は省略する。また、固定側電極の構造も同等部分は同一符号で示して詳細な説明は省略し、相違部分を中心に説明する。
本実施の形態の固定側電極は、固定側接点11と、この固定側接点11の背面側に配設された、固定側リング部13,固定側アーム部14,固定側コイル部15,固定側接続部16及び固定側コイル円盤部17からなる固定側コイル電極12と、ステンレス鋼等の高抵抗材で形成されて固定側接点11を電極棒側に機械的に支持する固定側支持部材18とで構成されているのは実施の形態1と同様であるが、更に、固定側リング部13,固定側アーム部14及び固定側コイル部15で囲まれて形成された3箇所の窓の中にあって、固定側支持部材18の背面側と固定側コイル円盤部17の前面側との隙間に、固定側支持部材18を補強する固定側補強部材19を挿入して設けたものである。固定側補強部材19の材料は、ステンレス鋼等の高抵抗材を使用する。
なお、固定側補強部材19の形状は円形のリング状としが、これに限定するのではなく、円柱であってもよく角形でも良い。
固定側支持部材18は、図2で示したように、円板状のツバ部と中心の支柱部とからなり断面が略T字状をしているため、特に真空バルブの両接点にかかる外部加圧力を増加させた条件において、固定側接点11と可動側接点21が片当たり接触した場合、固定側支持部材18の支柱部とツバ部との根元付近の強度が問題になる。支柱部の断面増大による安易な強度アップ策は、固定側コイル部15によって発生する磁界強度の低下を招くため好ましくない。また、強度の強いインコネル材などを使用して強度アップを図る場合は、非常にコストアップになってしまう。
そこで、図4のように、固定側支持部材18のツバ部と固定側コイル円盤部17との間に固定側補強部材19を挿入配置することにより、支柱部に加わる荷重は、各補強部材の間で分散されるため大幅に支持部材18の強度を向上させることが可能となる。
また、外部加圧力が同じ(すなわち、増加させない場合)であれば、固定側支持部材18の断面積は固定側補強部材19がない時より断面積を小さくすることができるため、漏れ電流を増加させることがなく遮断性能の低下を招くことがない。
以上のように、実施の形態2の真空バルブによれば、支持部材の背面側とコイル円盤部との隙間に、アーム部及びコイル部よりも高抵抗の材料からなる補強部材を挿入したので、実施の形態1の効果に加えて、簡単な構造で支持部材の強度を向上させ、安価で遮断性能にすぐれ、外部加圧力に十分耐えうる低抵抗の真空バルブを提供することができる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3による真空バルブの固定側電極部の断面図である。真空バルブの構成は、実施の形態1と同等なので図示及び説明は省略する。また、固定側電極の構造も同等部分は同一符号で示して詳細な説明は省略し、相違部分を中心に説明する。相違点はコイル電極のコイル円盤部の構成である。
実施の形態1及び2では、固定側コイル電極12を構成する固定側コイル円盤部17は、固定側リング部13,固定側アーム部14及び固定側コイル部15と同一部材で一体に製作したものとして説明した。
本実施の形態の固定側コイル円盤部30は、図5に示すように、固定側リング部13,固定側アーム部14及び固定側コイル部15を構成する部材とは別部材で構成し、固定側リング部13及び固定側アーム部14の背面側にろう付け等により固着するものである。そして、固定側コイル円盤部30の背面側中心に固定側電極棒4がろう付け等に固着されている。固定側コイル円盤部30の材料としては、導電性に優れた銅材又は銅系材を使用すればよい。電極棒外径とコイル円盤部外径とコイル部内形との関係は、実施の形態1と同様である。また、固定側コイル電極12の製作は、実施の形態1の場合と同様に鍛造加工によって容易に行うことができる。
更に、実施の形態2と同様に、支持部材の背面側とコイル円盤部との隙間に固定側補強部材を挿入しても良い。
このように構成された真空バルブにおいては、電流の通電経路が固定側電極棒4から固定側コイル円盤部30と固定側リング部13及び固定側アーム部16を通り固定側コイル部15に分流される。この場合、固定側コイル円盤部30が無い場合に比べて、固定側リング部13から固定側アーム部14への抵抗分が大幅に低減されるため、真空バルブの抵抗を下げることが可能となる。また、このように構成すると、磁界を発生させる固定側コイル部15に分流される電流は変わらないため、発生磁界の低下は起こらず遮断性能を低下させることも無い。
更に、従来から用いられているコイル電極を流用して使用することも可能であり、コイル円盤部を従来のコイル電極と電極棒の間に配置し付加するだけで低抵抗の真空バルブを得ることができる。
なお、実施の形態1〜3のこれまでの説明では、固定側コイル円盤部17又は30の形状は、外径が完全な円形のものであったが、この形状に限定するものではなく、例えば、図6のようなものでも良い。図に示す固定用コイル円盤部31は、円形をした外形から、固定側アーム部に対応する部分を残してその他を切り欠いて製作したものである。先に説明した図3のようなコイル電極であれば、アーム部は3本なのでそれに合わせて図のように円形の一部を切り欠きY字状に残して形成し、Y字状の各腕部の幅を固定側アーム部14の幅より大きくする。
このような形状でも、コイル電極の固定側リング部13から固定側アーム部14への電流通電時の電流経路の抵抗を低減でき、更に、完全な円形のものに比べて軽量化できるので、電極を駆動する駆動機構の負担が軽くなる。
以上のように、実施の形態3の真空バルブによれば、コイル円盤部は、コイル電極のリング部,アーム部及びコイル部を構成する部材とは別部材で構成したので、コイル部により発生する磁界を低下させることなく、容易に電流通電時の電流経路を短縮させることを可能にし、安価で遮断性能のすぐれ、低抵抗の真空バルブを得ることができる。
また、コイル電極は鍛造加工で製作されているので、遮断性能にすぐれ、低抵抗の真空バルブを、安価で容易に提供することができる。
1 絶縁円筒 2 固定側端板
3 可動側端板 4 固定側電極棒
5 可動側電極棒 6 ベローズ
7 ベローズカバー 8 アークシールド
10 固定側電極 11 固定側接点
12 固定側コイル電極 13 固定側リング部
14 固定側アーム部 15 固定側コイル部
16 固定側接続部 17,30,31 固定側コイル円盤部
18 固定側支持部材 19 固定側補強部材
20 可動側電極 21 可動側接点
22 可動側コイル電極 23 可動側リング部
24 可動側アーム部 25 可動側コイル部
26 可動側接続部 27,40,41 可動側コイル円盤部
28 可動側支持部材 29 可動側補強部材。

Claims (4)

  1. 有底円筒状の真空容器の一方の端部に固設された固定側電極棒と、他方の端部に進退自在に設けられた可動側電極棒と、前記各電極棒の対向端に設けられ、通電により前記両電極棒の軸線に沿う方向に軸方向磁界を発生させる環状のコイル電極と、前記各コイル電極の対向側に設けられた円盤状の接点と、前記各接点の背面側に設けられて軸方向の強度を補強する支持部材とを備えた真空バルブにおいて、
    前記各コイル電極は、前記軸線に対して直交する平面上に、前記軸線と同心に設けられたリング部と、前記リング部外周から外側に延出された複数本のアーム部と、前記アーム部の先端側から周方向に折り曲げるように形成された円弧状のコイル部と、前記コイル部の先端側に設けられて前記接点に接合される接続部と、導電性材料からなり前記アーム部の背面に前記軸線と同心に設けられて中心に前記各電極棒が接続されるコイル円盤部と、を備え
    前記支持部材の背面側と前記コイル円盤部との隙間に、前記アーム部及び前記コイル部よりも高抵抗の材料からなる補強部材が挿入されていることを特徴とする真空バルブ。
  2. 請求項1記載の真空バルブにおいて、
    前記コイル円盤部の外径は、前記コイル部の内径より小さく前記電極棒の外径より大きい寸法に形成されていることを特徴とする真空バルブ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の真空バルブにおいて、
    前記コイル円盤部は、前記コイル電極の前記リング部,前記アーム部及び前記コイル部を構成する部材とは別部材で構成されていることを特徴とする真空バルブ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の真空バルブにおいて、
    前記コイル電極は鍛造加工で製作されていることを特徴とする真空バルブ。
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