JP5341762B2 - N−フェニルセミカルバゾン殺虫性化合物を含有する液体殺虫性組成物 - Google Patents

N−フェニルセミカルバゾン殺虫性化合物を含有する液体殺虫性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1種の、後述する式AのN-フェニルセミカルバゾンを含有する液体殺虫性組成物に関する。本発明はまた、液体殺虫性組成物を調製するための方法、および本発明の噴霧液にそれぞれ関するものであり、加えて、それらを植物および材料の保護のために使用することに関する。
エンドユーザーによる使用を目的として、殺虫性化合物は、固体の形で、たとえば水和剤および粒剤として製剤することができるが、もちろん液体の状態で、たとえば乳剤(EC)もしくは懸濁製剤(SC)としても製剤することができる。後者は、野外で使用するために、水で希釈することができるので、ほとんどの場合、扱いやすい施用法を与えることができる。しかしながら、殺虫剤として使用されるほとんどの活性成分と同様に、式AのN-フェニルセミカルバゾンは、水、一価C1-C4アルコールまたは多価C2-C4アルコールといった親水性溶媒にわずかしか溶けない、もしくは不溶性であるとさえいえる:たとえば、そうした化合物は、25℃、1013mbarで、通常、2 g/l以下の水溶性を示し、多くの場合それよりずっと少ない。それでもなお、希薄な水性懸濁製剤の形で、すなわち噴霧液の形で殺虫剤を施用することは、施用の簡略化のために好都合である。
懸濁製剤(SC)は、活性成分が、微細に分割された固体粒子の形で存在し、その粒子が液体分散媒、たとえば水もしくは多価アルコール中に懸濁(分散)している製剤であって、この活性成分は不溶性もしくはきわめて難溶性である(一般に2000 ppm未満)。懸濁製剤は通常、分散媒中で活性成分粒子を安定化するために、分散剤および湿潤剤といった有用な界面活性化合物(界面活性剤)を含有する。SCにおいて、活性成分の粒子は、通常、平均粒径が2μmより大きく、ほとんどの場合2μmより大で20μm以下の範囲にある。
SCの使用に伴い前記の利点があるにもかかわらず、当業者に知られたいくつかの問題が存在するが、これはSCについて、長期保存中もしくは高温保存中の沈降の結果、時に遭遇する問題であって、すなわち沈降した粒子を再懸濁し難いこと、および保存に際して結晶性物質が形成されることである。結果として、SC製剤は取り扱いが困難で、生物有効性が一定しない可能性がある。その上、SCでは活性成分粒子の粒径が比較的大きいので、結果として比較的低い有効性に終わることも多いと思われる。これに対して、粒径を小さくすると、活性成分の比表面積が増加するため、製剤に不安定さをもたらすと考えられる。
最近、ポリマーコーティングされた粒子の形で殺虫性化合物を含有する、水性ポリマー組成物が報告された(特許文献1を参照されたい)。しかしながら、こうした組成物を調製するための方法は、かなり面倒である。
特許文献2は、少なくとも1つの有機殺虫性化合物を、水混和性溶媒および少なくとも1種の非イオン性ブロックコポリマーの混合物中に溶解した液体殺虫性組成物を記載する。他にも数多くある中で、殺虫性化合物は式AのN-フェニルセミカルバゾン化合物とすることができる。使用される溶媒は、活性成分を溶解しうるものであって、溶媒に対する水の重量比が1:2を越えない条件で、水を含有してもよい。
式AのN-フェニルセミカルバゾン化合物
Figure 0005341762
(式中R1およびR2は、相互に独立して、水素、ハロゲン、CN、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、もしくはC1-C4ハロアルコキシであり、R3はC1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、もしくはC1-C4ハロアルコキシである)、およびその農業上許容される塩は、特許文献3で知られている。式Aの化合物は、節足動物および線虫に対して、とりわけ昆虫に対して、幅広い殺虫スペクトルを有する。
N-フェニルセミカルバゾン殺虫剤化合物Aの既知の製剤は、多くの場合、満足のいく性能を与えず、および/または上記の問題に悩まされるという共通点がある。
WO 2006/015791 WO2006/002984 EP 0 462 456 A1
したがって、本発明の目的は、N-フェニルセミカルバゾン化合物Aの製剤であって、この化合物Aの有効性の改善を示し、良好な安定性を有する前記製剤を提供することである。水で希釈したとき製剤は、活性成分の安定した水性組成物を形成すべきである。加えて、製剤は、水による希釈で粗粒材料を形成すべきでなく、また活性成分は、長期保存もしくは高温保存時に、液体濃縮製剤中で安定でなければならない。さらに、殺虫性組成物は、簡単な方法で生産可能でなければならない。
驚くべきことに、この目的は、次のような液体殺虫性組成物によって達成することができると考えられる;すなわち、こうした組成物において、化合物Aは固体粒子の形で存在し、その粒子は、溶媒と界面活性剤との混合物中に分散しており、しかも動的光散乱により測定されるその体積中位径は1μm以下である。
したがって、本発明は、
a) 一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特に、R1が3-CF3 (メタ位)、R2が4-CN (パラ位)であり、かつR3が4-OCF3 (パラ位)である式Aの化合物、すなわちメタフルミゾン;
b) 水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物が、25℃/1013mbarで2 g/l以下の量がその溶媒中に溶解する、前記溶媒;
c) 1つもしくは複数の界面活性剤;
を含有する殺虫性組成物に関するものであって、
この化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は、溶媒と界面活性剤との混合物中に分散しており、動的光散乱により測定されるその体積中位径は、1μm未満であるが、0.9μm以下であることが多く、好ましくは800 nm以下であり、特に700 nm以下であり、より好ましくは500 nm以下であって、たとえば、10〜1000 nm、多くの場合20〜900 nm、好ましくは50〜800 nm、特に70〜700 nm、より好ましくは100〜500 nmである。
本明細書で述べる平均粒径は、体積平均粒径d(0.5)もしくはd(v, 0.5)であって、すなわち50体積%の粒子が上記平均値を上回る径を有し、50体積%の粒子がそれを下回る径を有する。したがって、平均粒径は、「体積中位径」とも呼ばれる。このような平均粒径は、動的光散乱によって測定することができる(通常、0.01〜1重量%の活性成分Aを含有する、希釈した懸濁液で実施する)。当業者は、たとえば、H. Wiese (D. Distler, Ed.), Aqueous Polymer Dispersions (Wassrige Polymerdispersionen), Wiley-VCH 1999, Chapter 4.2.1, p. 40ff、およびそれに引用された文献;H. Auweter, D. Horn, J. Colloid Interf. Sci. 105 (1985), p. 399; D. Lilge, D. Horn, Colloid Polym. Sci. 269 (1991), p. 704; ならびにH. Wiese, D. Horn, J. Chem. Phys. 94 (1991), p. 6429に記載される上記の方法に精通している。
本発明の液体殺虫性組成物は、生物活性の増加、すなわち、1μmよりかなり大きく、特に2μmより大きい典型的な平均粒径を有するa.i.粒子を含有する、化合物Aの同様の濃縮組成物と比べて、2倍まで、もしくはそれ以上の倍率での増加を示す。粒子サイズが小さいにもかかわらず、本発明の組成物は、長期の保存期間にわたって、たとえ温度が上昇しても、相分離現象の有意な発生も活性成分の顕著な凝集もなしに、良好な安定性を示す。本発明の組成物は、粗粒材料が形成されることも活性成分が分離することもなく、望ましい施用率まで容易に水で希釈することができる。希釈物は依然として、長期間にわたって安定である。
本明細書で使用される場合、C1-C4アルキルという用語は、そのまま使用され、もちろんC1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、もしくはC1-C4ハロアルコキシといった関連用語においても使用されるが、1から4個までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族アルキル基、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルを表す。
本明細書で使用される場合、ハロゲンは、そのまま使用され、もちろんハロアルキルもしくはハロアルコキシといった関連用語でも使用されるが、フッ素、塩素、ヨウ素、および臭素から選択されるものであって、好ましくはフッ素および塩素から選択され、より好ましくはフッ素である。
本明細書で使用される場合、C1-C4アルコキシという用語は、酸素原子を介して結合される上記のC1-C4アルキル基、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシを表す。
本明細書で使用される場合、C1-C4ハロアルキルという用語は、1つもしくは複数の、たとえば2、3、4、5もしくは6個の上記ハロゲン原子を追加して含有する上記のC1-C4アルキル基、たとえば、モノ-、ジ-、およびトリフルオロメチル、モノ-、ジ-、およびトリクロロメチル、1-フルオロエチル、1-クロロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1,1-ジクロロエチル、1,2-ジフルオロエチル、1,2-ジクロロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ならびに2,2,2-トリクロロエチルを表す。
本明細書で使用される場合、C1-C4ハロアルコキシという用語は、1つもしくは複数の、たとえば2、3、4、5もしくは6個の上記ハロゲン原子を追加して含有する上記のC1-C4アルコキシ基、たとえば、モノ-、ジ-、およびトリフルオロメトキシ、モノ-、ジ-、およびトリクロロメトキシ、1-フルオロエトキシ、1-クロロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、1,1-ジフルオロエトキシ、1,1-ジクロロエトキシ、1,2-ジフルオロエトキシ、1,2-ジクロロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ならびに2,2,2-トリクロロエトキシを表す。
本明細書で使用される場合、多価C2-C4アルコールは、2から4個までの炭素原子を有し、しかも2個以上、たとえば3もしくは4個のOH基を有する、アルカノールを表し、例としてはエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよびグリセロールがある。
式Aのフェニルセミカルバゾン類のなかで、好ましいのは、変更可能な基であるR1、R2およびR3が、互いに独立して、しかし特には組み合わせとして、下記に与えられる意味を有するフェニルセミカルバゾンである:
R1はC1-C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチルである;
R2はシアノである;
R3はC1-C4ハロアルコキシ、特にトリフルオロメトキシである。
もっとも適切であるのは、R1が3-CF3 (メタ位)、R2が4-CN (パラ位)で、かつR3が4-OCF3 (パラ位)である式Aの化合物、すなわちメタフルミゾンである。メタフルミゾンは一般名、2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド(IUPAC名:(EZ)-2'-[2-(4-シアノフェニル)-1-(α,α,α-トリフルオロ-m-トリル)エチリデン]-4-(トリフルオロメトキシ)カルバニロヒドラジド)であり、下記の構造(Aa)を有する:
Figure 0005341762
この化合物は、C-N二重結合に関する2つの幾何異性体、すなわち4-{(2E)-2-({[4-(トリフルオロメトキシ)アニリノ]カルボニル}ヒドラゾノ)-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ベンゾニトリルと4-{(2Z)-2-({[4-(トリフルオロメトキシ)アニリノ]カルボニル}ヒドラゾノ)-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ベンゾニトリルとして存在する。当然のことながら、「メタフルミゾン」という用語には、上記化合物のE-およびZ-異性体がともに含まれるが、もちろん任意の比率でのそれらの混合物もすべて含まれる。化合物AおよびAaのE-およびZ-異性体、ならびにそれらの相互変換は、WO05/047235に一般的に記載されており、参考として本明細書に含めるものとする。特に、メタフルミゾンの上記幾何異性体(この異性体をWO05/047235は、A-EおよびA-Z (またはAa-EおよびAa-Z)と呼んでいる)、その合成および変換(WO05/047235の実施例1から3)、ならびにE-およびZ-異性体の混合物、特にE/Z比の高い混合物に関する記述について言及している。E-異性体の殺虫活性が概してZ-異性体よりも高いので、1:1より高いE/Z比を有するメタフルミゾンが好ましいと言える。
本発明の組成物において、化合物Aは固体a.i.粒子の形で存在しており、すなわちその粒子は、ポリマー材料でなはく、主として純粋な化合物Aを含有する。化合物Aの純度は、通常、少なくとも90重量%であるが、好ましくは少なくとも95重量%であって、すなわち化合物Aは、組成物中に存在する不溶性材料の少なくとも90重量%、特に95重量%を構成する。化合物Aは、中性型、もしくは塩として存在しうるが、これらは、化合物Aを適当な塩基で処理することによって得られる。特にAの塩は、塩基の対イオンであるカチオンを含有する。塩基、さらに対イオンは、好ましくは、フェニルセミカルバゾンの殺虫効果を低下させないように選択され、例としてはナトリウムもしくはカリウムイオンが挙げられる。好ましくは化合物Aは、式AおよびAaに示されるように、中性型で存在する。
殺虫性化合物Aの量は、通常、組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%とすることができる。
本発明にしたがって、溶媒は、式A(もしくはAa)の化合物が不溶性またはきわめて難溶性となるように選択され、すなわち25℃/1013mbarで、組成物に含まれる溶媒中の殺虫性化合物の溶解度が、2 g/l未満、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満となるように選択される。本発明での使用に適した溶媒は、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される。
溶媒の量は通常、組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%とすることができる。
溶媒が多価C2-C4アルコールを含有する場合、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、グリセロールおよび1,4-ブタンジオールからなる一群から選択することが好ましく、エチレングリコール、および1,3-プロパンジオールから選択することがより好ましい。
本発明の第1の好ましい実施形態において、溶媒は主として水からなり、すなわち水は組成物中に存在する溶媒総量の少なくとも99重量%を構成する。より好ましい本発明の実施形態において、溶媒は前記多価C2-C4アルコールと水との混合物である。後者の場合には、溶媒中の水の多価アルコールに対する重量比は、99:1〜1:1の範囲にあることが好ましく、50:1〜2:1の範囲にあることがより好ましく、40:1〜10:1の範囲にあることがもっとも好ましい。本発明の別の実施形態において、溶媒b)は、溶媒の総重量を基準として50重量%を越える多価C2-C4アルコールを含有する。
本発明によれば、殺虫性組成物は、1つもしくは複数の界面活性剤を含有する。界面活性剤は事実上、イオン性および/または非イオン性とすることができる。界面活性剤は、1000ダルトン以下、または1000ダルトンを越える数平均分子量MNを有することができ、後者(すなわち、MN > 1000を有する界面活性剤)は以下、高分子界面活性剤とも呼ばれる。界面活性剤c)の性質はそれほど重要ではないが、たとえば、既知の任意の分散剤および湿潤剤から選択してもよい。分散剤は、おもに、イオン性、および/または疎水性相互作用によって活性成分粒子の表面に結合し、液相において粒子を安定化する界面活性剤である。湿潤剤は、主として、液相と、液相中に分散している活性成分(ここでは式Aの殺虫性化合物)の固体粒子表面との間の界面張力を低下させ、それによって液相中での粒子の安定化を助ける界面活性剤である。湿潤剤は、接触角の物理的測定によって選択することができる。詳細には、適当な湿潤剤は、90°未満の接触角を有するが、中でも特に60°未満である(24℃/1013mbarにて、湿潤剤の1 M水溶液について、DIN 53914にしたがってWilhelmy法により、または拡張Washburn法にしたがって、化合物Aの粉末を用いて測定)。
概して、本発明の液体殺虫性組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%の量で含有し、好ましくは0.5〜15重量%、中でも特に1〜10重量%含有する。通常、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比は、2:1〜50:1の範囲、特に3:1〜20:1である。
したがって、本発明の好ましい実施形態は:
a)組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b)組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比が99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c)組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、1種もしくは複数の界面活性剤であって、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤;
を含有する殺虫性組成物に関し、
この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
適当な界面活性剤は当業者によく知られており、それを調製する方法も同様に知られている;そうした界面活性剤は、たとえば、以下その都度記載する商標名で、市販もされている。
界面活性剤がすくなくとも1種の陰イオン性界面活性剤を含んでなる組成物が好ましい。本発明の非常に好ましい実施形態において、界面活性剤は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を追加して含む。組成物が、少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤および少なくとも1種の非イオン性界面活性剤の混合物を含有する場合、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量比は、好ましくは1:5〜5:1であり、特に1:3〜3:1である。しかしながら、非イオン性界面活性剤が、本発明の組成物中に存在する唯一の界面活性剤であってもよい。
したがって、本発明の好ましい実施形態は、
a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比が99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤および少なくとも1種の非イオン性界面活性剤の混合物であって、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量比が、好ましくは1:5〜5:1、特に1:3〜3:1であり、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤混合物;
を含有する殺虫性組成物に関し、
この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
したがって、本発明のもう一つの好ましい実施形態は、
a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%まで、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比が99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、1種もしくは複数の界面活性剤であって、界面活性剤が非イオン性界面活性剤から選択され、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤;
を含有する殺虫性組成物に関し、
この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
本発明のある実施形態において、殺虫性組成物は、数平均分子量MNが1000ダルトン以下の、少なくとも1種の非高分子界面活性剤c)を含有する。好ましい実施形態において、本発明の殺虫性組成物は、少なくとも1200ダルトンのMNを有する、少なくとも1種の高分子界面活性剤を含有するが、これはたとえば、1200〜100000ダルトンの範囲であり、好ましくは1500〜60000ダルトンの範囲であり、もっとも好ましくは2000〜20000ダルトンの範囲である。非常に好ましい実施形態において、界面活性剤は、少なくとも1種の高分子界面活性剤と少なくとも1種の非高分子界面活性剤の混合物を含んでなる。組成物が、少なくとも1種の高分子界面活性剤と少なくとも1種の非高分子界面活性剤の混合物を含有する場合、高分子界面活性剤と非高分子界面活性剤の重量比は、好ましくは1:5〜5:1であり、とりわけ1:3〜3:1である。
本発明の非常に好ましい実施形態において、殺虫性組成物は、少なくとも1200ダルトン、たとえば、1200〜100000ダルトンの範囲、好ましくは1500〜60000ダルトンの範囲、もっとも好ましくは2000〜20000ダルトンの範囲の数平均分子量MNを有する、少なくとも1種の非イオン性高分子界面活性剤を含有する。この実施形態において、組成物は、1種もしくは複数の陰イオン性界面活性剤(これは高分子であっても高分子でなくてもよい)、または少なくとももう1種の非高分子で非イオン性の界面活性剤を追加して含有することができる。
本発明のもう1つの非常に好ましい実施形態において、殺虫性組成物は、少なくとも1200ダルトン、たとえば、1200〜100000ダルトンの範囲、好ましくは1500〜60000ダルトンの範囲、もっとも好ましくは2000〜20000ダルトンの範囲の数平均分子量MNを有する、少なくとも1種の陰イオン性高分子界面活性剤を含有する。この実施形態において、組成物は、1種もしくは複数の非イオン性界面活性剤(これは高分子であっても高分子でなくてもよい)を追加して含有することができる。
したがって、本発明の非常に好ましい実施形態は、
a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比が99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、少なくとも1種の上記高分子界面活性剤、特に非イオン性高分子界面活性剤と少なくとも1種の非高分子界面活性剤、特に非イオン性非高分子界面活性剤および/または陰イオン性非高分子界面活性剤の混合物であって、高分子界面活性剤と非高分子界面活性剤の重量比が、好ましくは1:5〜5:1であり、とりわけ1:3〜3:1であって、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤混合物;
を含有する殺虫性組成物に関し、この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
陰イオン性界面活性剤には、具体的には、下記のナトリウム、カリウム、カルシウム、もしくはアンモニウム塩が含まれる:
・SO3 -またはPO3 2-基を有する、非高分子陰イオン性界面活性剤、たとえば、
c.1 ラウリルスルホン酸塩、イソトリデシルスルホン酸塩などのC6-C22-アルキルスルホン酸塩;
c.2 ラウリル硫酸塩、イソトリデシル硫酸塩、セチル硫酸塩、ステアリル硫酸塩などのC6-C22-アルキル硫酸塩;
c.3 アリール-およびC1-C16-アルキルアリールスルホン酸塩(たとえばナフチルスルホン酸塩など)、モノ-、ジ-、およびトリ-C1-C16-アルキルナフチルスルホン酸塩(たとえばジブチルナフチルスルホン酸塩など)、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸塩、モノ-、ジ-、およびトリ-C1-C16-アルキルフェニルスルホン酸塩(たとえばクミルスルホン酸塩、オクチルベンゼンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩およびトリデシルベンゼンスルホン酸塩など);
c.4 C6-C22-脂肪酸およびC6-C22-脂肪酸エステルの硫酸塩およびスルホン酸塩;
c.5 エトキシル化C6-C22-アルカノールの硫酸エステル塩(たとえば(ポリ)エトキシル化ラウリルアルコールの硫酸エステル塩など);
c.6 (ポリ)エトキシル化C4-C16-アルキルフェノールの硫酸エステル塩;
c.7 亜リン酸のモノ-およびジエステルであるが、これらと亜リン酸のトリエステルおよび塩との混合物を含む、特にC8-C22-アルカノール、エトキシル化C8-C22-アルカノール、C4-C22-アルキルフェノール、(ポリ)エトキシル化C4-C22-アルキルフェノール、ジ-もしくはトリスチリルフェノール、(ポリ)エトキシル化ジ-もしくはトリスチリルフェノールのエステル;ならびに
c.8 スルホコハク酸のジC4-C16アルキルエステル(スルホコハク酸ジオクチル);
・SO3 -またはPO3 2-基を有する高分子陰イオン性界面活性剤、たとえば、
c.9 アリールスルホン酸とホルムアルデヒドおよび場合により尿素との縮合物;
・少なくとも1つのカルボキシラート基を有する、非高分子陰イオン性界面活性剤、たとえば、
c.10 脂肪酸(たとえばステアリン酸塩など)および
c.11 N-C6-C22-アシルグルタミン酸塩;
・カルボキシラート基を有する、高分子陰イオン性界面活性剤、たとえば、
c.12 ポリマー骨格にグラフトしたポリエチレンオキシド部分PEO、およびポリマー骨格に結合したカルボキシラート基を含む、陰イオン性グラフトコポリマー、
c.13 (i) C3-C5モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、および、状況に応じて、(ii)20℃、1013mbarでの水への溶解度が60 g/l以下である疎水性モノマーを、重合した形態で含む、陰イオン性コポリマー。
陰イオン性界面活性剤の中で、c.1、c.3、c.8、c.9、c.12、およびc.13群の界面活性剤、ならびにそれらの混合物が好ましい。
界面活性剤c.3群において、好ましいのは、モノ-もしくはジ-C4-C8-アルキルナフタリンスルホン酸、およびモノ-もしくはジ- C4-C16-アルキルベンゼンスルホン酸、ならびにそのアルカリ金属塩、たとえば、ナトリウムもしくはカリウム塩、およびアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩である。特に好適な例は、Morwet(登録商標)EFW (Akzo Nobel)などである。
界面活性剤c.8群において、好ましいのは、ジ(C6-C12アルキル)スルホコハク酸のアルキル金属塩であって、C6-C12アルキルは炭素原子6〜12個の直鎖もしくは分岐アルキル基、たとえば、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ドデシル、2-ヘキシル、2-ヘプチル、2-オクチル、2-ノニルおよび2-エチルヘキシルである。ジオクチルスルホコハク酸のアルカリ金属塩を用いることが好ましいが、このオクチル部分は、直鎖状でも分岐していてもよく、アルカリ金属はナトリウムおよびカリウムから選択される。特に好適な例は、Aerosol(登録商標) OTB (Cytec)などである。
界面活性剤c.9群において、アリールスルホン酸は、たとえば、フェノールスルホン酸およびナフタレンスルホン酸とすることができるが、これらは1つまたは複数の、たとえば1、2、3または4個のC1-C20アルキル基によって置換されているか、または置換されていない。好ましい実施形態において、界面活性剤c.9は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの反応生成物(縮合物)の、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩である;特に好適な例は、Morwet(登録商標) D425 (Akzo Nobel)である。
c.12群の好ましいグラフトコポリマーは、(i) C3-C5モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、たとえばアクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸、(ii)エステル結合もしくはエーテル結合のいずれかを介して、ポリマー骨格に結合しているポリエチレンオキシド基、ならびに場合によっては(iii) 20℃、1013mbarでの水への溶解度が60 g/l以下である疎水性モノマー、例を挙げると、C3-C5 モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーのC1-C6-アルキルエステルたとえばアクリル酸C1-C6-アルキルおよびメタクリル酸C1-C6-アルキル、ビニル芳香族モノマーたとえばスチレン、およびC2-C12-モノオレフィンたとえばエテン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、ヘキセン、2-エチルヘキセン、ジイソブテン(イソブテン二量体の混合物)、トリプロペン、テトラプロペン、トリイソブテンなどを、重合した形態で含む。好ましい実施形態において、界面活性剤c.12の陰イオン性骨格は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、およびメタクリル酸のポリエチレンオキシドエステルを重合した形態で含む。
c.13群の好ましい高分子界面活性剤は、(i)少なくとも1種のC3-C5モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、および(ii)少なくとも1種の上記疎水性モノマーを重合した形態で含むものである。好適なC3-C5モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、および好適な疎水性モノマーは、c.13群に記載したモノマーである。好ましいC3-C5モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、およびマレイン酸が含まれる。好ましい疎水性モノマーは、ビニル芳香族モノマーたとえばスチレン、およびC2-C12-モノオレフィンから選択される。高分子界面活性剤c.13は、(i) 少なくとも1種のC3-C5モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、具体的にはアクリル酸もしくはメタクリル酸、ならびに (ii)スチレンモノマーおよびC2-C12-モノオレフィンから選択される少なくとも1種の疎水性モノマーを、重合した形態で含むことが好ましい。酸モノマーの疎水性モノマーに対する重量比は、10:1〜1:3の範囲にあることが好ましい;好ましくは5:1〜1:2の範囲である。特に好適な界面活性剤c.13の例は、Atlox(登録商標) Metasperse 500L (Uniqema)などである。
非イオン性界面活性剤には、具体的には、
c.14 ポリエチレングリコール-C1-C22-アルキルエーテル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール-C1-C22-アルキルエーテル、具体的には直鎖もしくは分岐鎖C8-C20-アルカノールのポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、より好ましくはポリエトキシル化C8-C22-脂肪アルコールおよびポリエトキシル化C8-C22-オキソアルコール、たとえば、ポリエトキシル化ラウリルアルコール、ポリエトキシル化イソトリデカノール、ポリエトキシル化セチルアルコール、ポリエトキシル化ステアリルアルコール、ラウリルアルコールのポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、セチルアルコールのポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、イソトリデシルアルコールのポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、ステアリルアルコールのポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、ならびにそれらのエステル、たとえば酢酸エステル;
c.15 ポリエチレングリコール アリールエーテルおよびポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール アリールエーテル、具体的にはモノ-もしくはジ-C1-C16-アルキルフェノールのポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、たとえば、ノニルフェノール、デシルフェノール、イソデシルフェノール、ドデシルフェノールもしくはイソトリデシルフェノールのポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、モノ-、ジ-およびトリスチリルフェノールのポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート;ならびにそれらのエステル、たとえば、酢酸エステル;
c.16 C6-C22-アルキルグルコシドおよびC6-C22-アルキルポリグルコシド;
c.17 ポリオールとC6-C22-アルカン酸との部分エステル、具体的にはグリセリンのモノ-およびジエステル、ならびにソルビタンのモノ-、ジ-、およびトリエステル、たとえばモノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン;
c.18 C6-C22-アルキルグルコシドのポリエトキシレート、およびC6-C22-アルキルポリグルコシドのポリエトキシレート;
c.19 C6-C22-脂肪アミンのポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート;
c.20 C6-C22-脂肪酸のポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート、およびヒドロキシC6-C22-脂肪酸のポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート;
c.21 ポリオールとC6-C22-アルカン酸との部分エステルのポリエトキシレート、具体的にはグリセリンのモノ-およびジエステルのポリエトキシレート、ならびにソルビタンのモノ-、ジ-、およびトリエステルのポリエトキシレート、たとえばモノステアリン酸グリセリンのポリエトキシレート、モノオレイン酸ソルビタンのポリエトキシレート、モノステアリン酸ソルビタンのポリエトキシレート、トリステアリン酸ソルビタンのポリエトキシレート;
c.22 植物油もしくは動物性脂肪のポリエトキシレート、たとえばトウモロコシ油エトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、獣脂エトキシレート;
c.23 脂肪アミン、脂肪アミドもしくは脂肪酸ジエタノールアミドのポリエトキシレート;
c.24 モノ-、ジ-およびトリスチリルフェノールのポリエトキシレートおよびポリ-エトキシレート-co-プロポキシレート;ならびにそれらのエステル、たとえば、酢酸エステル;および
c.25 少なくとも1つのポリ(エチレンオキシド)部分PEO、ならびに、C3-C10-アルケンオキシドおよび/またはスチレンオキシドに由来する少なくとも1つのポリエーテル部分PAOを含む、非イオン性ブロックコポリマー、具体的にはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックコポリマー;
c.26 非イオン性、親水性ポリマー骨格にグラフトしたポリエチレンオキシド部分PEOを含有する、非イオン性グラフトコポリマー、
が含まれる。
ポリエチレングリコール、ポリエトキシレートおよびポリエトキシル化という用語は、エチレンオキシドに由来するポリエーテル基を指す。同様に、ポリ-エトキシレート-co-プロポキシレートという用語は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物に由来するポリエーテル基を表す。したがって、ポリエトキシレートが、化学式[CH2CH2O]の繰り返し単位を有するのに対して、ポリエトキシレート-co-プロポキシレートは、化学式[CH2CH2O]および[CH(CH3)CH2O]の繰り返し単位を有する。界面活性剤c.14、c.15およびc.18〜c.24は、アルキレンオキシドの繰り返し単位の数に応じて、非高分子界面活性剤群にも、高分子界面活性剤群にも属する可能性がある。上記群の界面活性剤において、そうした繰り返し単位の数は、概して2〜200の範囲であるが、具体的には3〜100、特に3〜50とすることができる。c.17およびc.18群の界面活性剤は非高分子界面活性剤に属するが、c.25およびc.26群の界面活性剤は多くの場合、高分子界面活性剤である。
非イオン性界面活性剤の中で、c.14、c.15、c.24、c.25およびc.26群の界面活性剤、ならびにそれらの混合物が好ましい。
界面活性剤c.14群において、好ましいのは、直鎖C8-C22-アルカノールのポリエトキシレート、およびポリ(エトキシレート-co-プロポキシレート)である。同様に、C1-C10-アルカノール(特に好ましいのはブタノール)のポリ(エトキシレート-co-プロポキシレート)も好ましい。界面活性剤c.14の中で、数平均分子量MNが5000ダルトン以下のものが好ましい。特に好ましいのは、500〜5000ダルトンの数平均分子量MNを有する、C1-C10-アルカノールのポリ(エトキシレート-co-プロポキシレート)である。特に好適な例には、Atlox(登録商標) G 5000 (Akzo Nobel)、Tergitol(登録商標)XDなどがある。
c.24群の界面活性剤において、フェノキシ基は、1、2または3個のスチリル部分、およびポリエチレンオキシド部分PEO、もしくはポリ(エチレンオキシド-co-プロピレンオキシド)部分PEO/PPOを有する。PEO部分は、典型的には5〜50個のエチレンオキシド基を有する。好ましい界面活性剤C.24は、化学式(C2H4O)n・C30H30Oで表すことができるが、式中nは5〜50の整数であり、C30H30Oはトリ(スチリル)フェニル基を表す。特に好適な例は、Soprophor(登録商標)BSU (Rhodia)である。
界面活性剤c.25群の非イオン性ブロックコポリマーは、少なくとも1つのポリ(エチレンオキシド)部分PEO、および少なくとも1つの疎水性ポリエーテル部分PAOを有する。PAO部分は通常、少なくとも3個であるが、好ましくは少なくとも5個、具体的には10〜100個の繰り返し単位(数平均)を有するが、この繰り返し単位はC3-C10-アルキレンオキシド、たとえばプロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、cis-もしくはtrans-2,3-ブチレンオキシドまたはイソブチレンオキシド、1,2-ペンテンオキシド、1,2-ヘキセンオキシド、1,2-デセンオキシド、およびスチレンオキシドに由来するものであり、その中でC3-C4-アルキレンオキシドが好ましい。好ましくはPAO部分は、少なくとも50重量%の、より好ましくは少なくとも80重量%の、プロピレンオキシド由来の繰り返し単位を含有する。PEO部分は通常、少なくとも3個の、好ましくは少なくとも5個の、より好ましくは少なくとも10個の、エチレンオキシド由来の繰り返し単位(数平均)を有する。PEO部分とPAO部分の重量比(PEO:PAO)は通常、1:10〜10:1の範囲であるが、好ましくは1:10〜2:1、より好ましくは2:8〜7:3、特に3:7〜6:4である。1200より大きく100000ダルトンまでの数平均分子量MNを有する界面活性剤c3)が好ましいが、できれば2000〜60000ダルトンまで、より好ましくは2500〜50000ダルトンまで、特に3000〜20000ダルトンまでが好ましい。概して、PEO部分およびPAO部分は、非イオン性ブロックコポリマー界面活性剤c3)の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、たとえば、90〜99.5重量%までを構成する。適当な界面活性剤c3)は、たとえばWO2006/002984に記載されており、具体的には、その界面活性剤は当該文献中に記載の式P1〜P5を有する。
本明細書に記載のc.25群の非イオン性ブロックコポリマー界面活性剤は、たとえば下記の商標名で市販されている:Pluronic(登録商標)、たとえばPluronic(登録商標) P 65、P 84、P 103、P 105、P 123、およびPluronic(登録商標) L 31、L 43、L 62、L 62 LF、L 64、L 81、L 92およびL 121、Pluraflo(登録商標)、たとえばPluraflo(登録商標) L 860、L1030およびL 1060; Tetronic(登録商標)、たとえばTetronic(登録商標) 704、709、1104、1304、702、1102、1302、701、901、1101、1301 (BASF Aktiengesellschaft)、Agrilan(登録商標) AEC 167および Agrilan(登録商標) AEC 178 (Akcros Chemicals)、Antarox(登録商標) B/848 (Rhodia)、Berol(登録商標) 370およびBerol(登録商標) 374 (Akzo Nobel Surface Chemistry)、Dowfax(登録商標) 50 C15、63 N10、63 N30、64 N40および81 N10 (Dow Europe)、Genapol(登録商標) PF (Clariant)、Monolan(登録商標)、たとえばMonolan(登録商標) PB、Monolan(登録商標) PC、Monolan(登録商標) PK (Akcros Chemicals)、Panox(登録商標) PE (Pan Asian Chemical Corporation)、Symperonic(登録商標)、たとえばSymperonic(登録商標) PE/L、Symperonic(登録商標) PE/F、Symperonic(登録商標) PE/P、Symperonic(登録商標) PE/T (ICI Surfactants)、Tergitol(登録商標) XD、Tergitol(登録商標) XHおよびTergitol(登録商標) XJ (Union Carbide)、Triton(登録商標) CF-32 (Union Carbide)、Teric PE Series (Huntsman)およびWitconol(登録商標)、たとえばWitconol(登録商標) APEB、Witconol(登録商標) NS 500 Kなど。これらのうち、Pluronic(登録商標)およびPluraflo(登録商標)ブロックコポリマー界面活性剤が好ましいが、特に好適な例はPluronic(登録商標) P105およびPluraflo(登録商標) 1060である。
c.26群の好ましいグラフトコポリマーは、(i) C3-C5-モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーのメチルエステルまたはヒドロキシ-C2-C3-アルキルエステル、たとえばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシエチル、ならびに(ii)エステル結合もしくはエーテル結合のいずれかを介してポリマー骨格に結合したポリエチレンオキシド基を、重合した形で含有する。好ましい実施形態において、界面活性剤c.26の骨格は、メタクリル酸メチル、およびメタクリル酸のポリエチレンオキシドエステルを重合した形で含有し、特に好適な例は、Atlox(登録商標) 4913 (Akzo Nobel)などである。
本発明の非常に好ましい実施形態において、液体殺虫性組成物は、c.24、c.25およびc.26群の少なくとも1種の高分子界面活性剤、ならびに非高分子非イオン性界面活性剤、陰イオン性非高分子界面活性剤、および陰イオン性高分子界面活性剤から選択される少なくとも1つの追加の界面活性剤を含有する。好ましくは追加の界面活性剤は、c.8、c.9、c.14およびc.15群から選択される。
したがって、本発明の非常に好ましい実施形態は、:
a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、中でも特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比は99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、少なくとも1種の、c.24、c.25およびc.26群の非イオン性高分子界面活性剤、ならびに、少なくとも1種の追加の界面活性剤、特に非イオン性非高分子界面活性剤および/または陰イオン性界面活性剤(好ましくはc.8、c.9、c.14およびc.15群から選択される)の混合物であって、高分子界面活性剤と追加の界面活性剤の重量比が、好ましくは1:5〜5:1であり、とりわけ1:3〜3:1であって、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤混合物;
を含有する殺虫性組成物に関し、
この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
本発明の別の好ましい実施形態において、組成物は、上記の界面活性剤c.9群から選択される少なくとも1種の陰イオン性高分子界面活性剤、ならびに状況に応じて、非高分子非イオン性界面活性剤、高分子非イオン性界面活性剤、および陰イオン性非高分子界面活性剤から選択される1つまたは2つの追加の界面活性剤を含んでなる。追加の界面活性剤が存在する場合、c.8、c.9、c.14、c.15、c.24、c.25およびc.26群の界面活性剤から選択されることが好ましい。
したがって、本発明の非常に好ましい実施形態は、:
a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比が99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、少なくとも1種のc.9群の陰イオン性高分子界面活性剤、ならびに、非高分子非イオン性界面活性剤、高分子非イオン性界面活性剤、および陰イオン性非高分子界面活性剤から選択される1種または2種の追加の界面活性剤(好ましくはc.8、c.14、c.15、c.24、c.25およびc.26群の界面活性剤から選択される)の混合物であって、陰イオン性界面活性剤と追加の界面活性剤の重量比が、好ましくは1:10〜10:1であり、とりわけ1:3〜3:1であって、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤混合物;
を含有する殺虫性組成物に関し、
この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、c.25群から選択される1種もしくは複数の非イオン性高分子界面活性剤、c.8およびc.9群から選択される1種もしくは複数の陰イオン性界面活性剤、ならびに、状況に応じて、c.14、c.15およびc.24群から選択される追加の非イオン性界面活性剤を含有する。
したがって、本発明の非常に好ましい実施形態は、:
a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%、特に10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%の、一般式Aの殺虫性N-フェニルセミカルバゾン化合物、特にメタフルミゾン;
b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%、特に40〜89.5重量%、より好ましくは45〜79重量%の、水および多価C2-C4アルコール、ならびにそれらの混合物から選択される溶媒であって、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013mbarで、2 g/l以下、特に0.2 g/l未満、さらに特定すると0.02 g/l未満の量で溶解する前記溶媒、好ましくは水と多価C2-C4アルコールの混合物であり、水と多価C2-C4アルコールの重量比が99:1〜1:1、より好ましくは50:1〜2:1、もっとも好ましくは40:1〜10:1の範囲にある、前記溶媒;
c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜10重量%の、c.25群から選択される1種もしくは複数の非イオン性高分子界面活性剤、c.8およびc.9群から選択される1種もしくは複数の陰イオン性界面活性剤、ならびに、状況に応じて、c.14、c.15およびc.24群から選択される1種もしくは複数の追加の非イオン性非高分子界面活性剤の混合物であって、殺虫性化合物Aの界面活性剤に対する重量比が、好ましくは2:1〜50:1の範囲であり、特に3:1〜20:1である、前記界面活性剤混合物;
を含有する殺虫性組成物に関し、
この組成物において化合物Aは粒子の形で存在し、その粒子は溶媒と界面活性剤の混合物中に分散しており、動的光散乱により測定される前記粒子の体積中位径は1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下であって、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
成分a)、b)およびc)(すなわち、化合物A、溶媒、および界面活性剤)は、一般に、組成物の総重量の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%を構成することになる。通常、組成物は、高分子界面活性剤および高分子粘度調整剤以外には、高分子材料を含有しない。
本発明の組成物はまた、通常の添加物、たとえば、粘度調整添加物(増粘剤)、消泡剤、殺菌剤、および凍結防止剤を含有することができる。こうした添加物を本発明の組成物に加えるのは、本明細書に記載の調製プロセスのステップ(i)を実行する前でも後でもよい。好ましくは、こうした添加物は、本明細書に記載の調製プロセスのステップ(ii)を実行した後に添加する。添加物の量は、一般に、組成物の総重量の10重量%を越えず、特に5重量%を越えない。
適当な増粘剤は、製剤に偽塑性流動性を付与する、すなわち静止状態では高粘性を、撹拌状態では低粘性を与える化合物である。これに関しては、たとえば、多糖類を基本とする市販の増粘剤、たとえば、Xanthan Gum(登録商標) (Kelco社製Kelzan(登録商標); Rhone Poulenc社製Rhodopol(登録商標)23もしくはR.T. Vanderbilt社製Veegum(登録商標))、または疎水化することができるフィロケイ酸塩を基本とする増粘剤、たとえば、Attaclay(登録商標)(Engelhardt社製)を挙げることができる。Xanthan Gum(登録商標)が好ましい増粘剤である。
本発明の分散に適した消泡剤は、たとえば、シリコーンエマルション(たとえば、Wacker社製Silikon(登録商標)SRE、またはRhodia社製Rhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物、およびそれらの混合物である。
殺菌剤は、微生物による攻撃に対抗して本発明の組成物を安定化するために添加することができる。適当な殺菌剤は、イソチアゾロン、たとえば、Proxel(登録商標)の商標でAvecia (もしくはArch)社から、またはActicide(登録商標)RSの商標でThor Chemie社から、およびKathon(登録商標)MKの商標でRohm & Haas社から市販される化合物をベースとする。
本発明の組成物はまた、状況に応じて、特に、組成物が種子の処理を目的とするならば、顔料もしくは色素を含有することができる。種子処理製剤に適した顔料もしくは色素は、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108である。
それに加えて、本発明の水性の活性化合物組成物は、通常の結合剤、たとえば水性ポリマー分散液、水溶性樹脂、たとえば水溶性アルキド樹脂、またはワックスとともに製剤化することができる。
本発明の組成物は、下記のステップを含むプロセスで調製することができる:
(i) 溶媒および界面活性剤の混合物中に化合物Aを懸濁した懸濁液を与えるステップ:
(ii) ステップ(i)の懸濁液中に存在する化合物Aの粒子サイズを、動的光散乱による測定で体積中位径を1μm未満、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下に小さくする、たとえば10〜1000nmに、多くの場合20〜900nmに、好ましくは50〜800nmに、特に70〜700nmに、より好ましくは100〜500nmに小さくするステップ。
ステップ(i)の懸濁液を調製するために、殺虫性化合物A、溶媒、および界面活性剤を、望ましい懸濁液を作製するのに十分な剪断力を与えることができる任意の通常の混合装置内で混合する。適当な混合装置には、具体的には高剪断ミキサー(Ultra-Turrax装置など)、静的ミキサー(たとえば、ミキシングノズル、撹拌ビーズミル、コロイドミル、コーンミルおよび他のホモジナイザーを有するシステム)が含まれる。
一般に、個々の成分を混合する順序は重要ではない。しかしながら、溶媒および界面活性剤を最初に、均一な混合物が得られるまで混合し、その後、殺虫性化合物a)を剪断力によって前記の均一な混合物に添加することによりステップ(i)を実行することが、有利である可能性がある。したがって、ステップ(i)は、成分a)、b)およびc)の混合物を生成するが、ここで殺虫性化合物Aは固体粒子の状態で存在し、その粒子は溶媒および界面活性剤により形成された均一相に分散している。典型的には、成分a)、b)およびc)の混合物は、ステップ(i)からスラリーの状態で得られ、このスラリーの固体含量は、スラリーの総重量に基づいて、5〜70重量%、特に15〜60重量%、さらに特定すると25〜50重量%の範囲である。
一般に、ステップ(i)の懸濁液の調製に使用される、固体の式(A)の殺虫性化合物a)は、非晶質、結晶、もしくは半結晶であると考えられ、微粒子の形で、たとえば、粉末として、結晶として、顆粒として、または固化した融解物の粉砕物として使用される。固体の活性化合物の粒子は、規則的な形状でも不規則な形状でもよく、たとえば球形もしくはほぼ球形であっても、針状の形でもよい。おおむね、ステップ(i)に入る前に、固体殺虫性化合物粒子は、動的光散乱による測定で、基本的に1μmを越える平均粒径、たとえば、1.5〜1000μm、特に2〜100μm、さらに特定すると2.5〜10μmの平均粒径を有する。
ステップ(i)から得られる混合物、すなわち懸濁液の状態の混合物を、混合物中に存在するa.i.粒子の粒子サイズを小さくするのに適した手段に供するが、これは動的光散乱による測定で、1μmの粒径まで、多くの場合0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下の体積中位径まで、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmの体積中位径まで小さくする手段である。ステップ(ii)は、あらゆる物理的摩滅法、たとえば研削(grinding)、破砕(crushing)もしくは粉砕(milling)によって、具体的には、湿式研削もしくは湿式粉砕によって、行うことができるが、そうした方法にはたとえば、ビーズミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ジェットミル粉砕、空気分級ミル粉砕、ピンミル粉砕、低温研削プロセスなどが含まれる。
ステップ(i)および(ii)は、通常、続けて行われる。しかしながら、これらのステップを同時に行うことも可能である。
本発明の好ましい実施形態において、ステップ(ii)は、ビーズミル粉砕によって行われる。具体的には、0.05〜5 mm、より特定すると0.2〜2.5 mm、もっとも特定すると0.5〜1.5 mmの範囲のビーズサイズが適当であることが判明した。一般に、40〜99%、特に70〜97%、さらに特定すると65〜95%の範囲のビーズ充填率を用いることができる。
ステップ(ii)は、この目的に適した装置で行われるが、具体的には、溶媒bの存在により必要とされる湿式研削もしくは湿式粉砕法に適した装置である。こうした装置は一般に知られている。したがって、ステップ(ii)は、好ましくは、ボールミルもしくはビーズミル、撹拌ボールミル、循環式ミル(ピン研削システムを有する撹拌ボールミル)、ディスクミル、環状チャンバーミル、ダブルコーンミル、トリプルロールミル、バッチミル、コロイドミル、およびメディアミル(たとえば、サンドミル)などのミル内で行われる。研削工程の間に持ち込まれる熱エネルギーを分散するために、研削チャンバーに冷却システムを取り付けることが好ましい。特に好適なのは、ボールミルDrais Superflow DCP SF 12 (DRAISWERKE, INC.製、40 Whitney Road. Mahwah, NJ 07430 USA)、Drais Perl Mill PMC(DRAISWERKE, INC.製)、循環式ミルシステムZETA(Netzsch-Feinmahltechnik GmbH製)、ディスクミル(Netzsch-Feinmahltechnik GmbH製、Selb, Germany)、ビーズミルEiger Mini 50(Eiger Machinery, Inc.製、888 East Belvidere Rd., Grayslake, IL 60030 USA)およびビーズミルDYNO-Mill KDL(WA Bachofen AG製、Switzerland)である。
粒子サイズを小さくするのに要する時間は、それ自体周知の方法で、活性化合物粒子の、望ましい細かさの度合い、すなわち望ましい粒子サイズによって決まるが、その時間を当業者は標準的な実験で決定することができる。たとえば1〜48時間の範囲の研削時間が適当であると判明したが、もっと長い時間も考えられる。2〜24時間の研削時間が好ましい。
粉砕中の圧力および温度条件は一般に重要ではない;したがって、たとえば、大気圧が適当であることが判明した。たとえば、10℃〜100℃の範囲の温度が適当であることが判明した;選択される温度は、通常、活性化合物a)が固体として存在する温度である。
本発明の液体殺虫性組成物は、添加物とともに製剤化した後、または特に製剤する前に、通常の乾燥法、具体的には噴霧乾燥もしくは凍結乾燥によって粉末組成物に変えることができる。
乾燥前もしくは乾燥中に、乾燥助剤もしくは噴霧助剤を添加することができる。水性分散液を乾燥させるのに適した乾燥助剤もしくは噴霧助剤は周知である。こうした助剤には、保護コロイド、たとえばポリビニルアルコール、具体的には、加水分解の度合いが>70%であるポリビニルアルコール、カルボキシル化されたポリビニルアルコール、フェノールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物、フェノールスルホン酸/尿素/ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド/尿素縮合物、ポリビニルピロリドン、マレイン酸(もしくは無水マレイン酸)とビニル芳香族(たとえばスチレンおよびそのエトキシル化誘導体)とのコポリマー、マレイン酸もしくは無水マレイン酸とC2-C10-オレフィン(たとえば、ジイソブテンおよびそのエトキシル化誘導体)とのコポリマー、陽イオン性ポリマー、たとえば、N-アルキル-N-ビニルイミダゾリニウム化合物とN-ビニルラクタムとのホモ-およびコポリマーなど、ならびに、無機ブロッキング防止剤(場合によってはアンチケーキング剤とも呼ばれる)、たとえばケイ酸、特に焼成シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなども含まれる。乾燥助剤は、通常、本発明の液体殺虫性組成物中の活性化合物粒子の重量を基準として0.1〜20重量%までの量で使用される。
本発明の液体組成物を乾燥することによって得られる粉末組成物は、水中に再分散させることができるので、液体組成物と同様に有利である。具体的には、そうした粉末組成物を水で希釈して得られる水性液体中の化合物A粒子の平均粒子サイズは、液体組成物について上記で与えられるのと同じ範囲にある。本発明の粉末組成物は、液体組成物と同様に、作物保護および材料の防護に適しているので、液体組成物の使用に関して下記に記載の内容は、相応に、粉末組成物にも当てはまる。ここで、本発明の粉末組成物は、使用領域に応じて、上記のように水性再懸濁製剤の形で施用することができるが、水和剤もしくは粒剤などの固体製剤を調製するために使用してもよい。
本発明の粉末組成物を含有する固体製剤は、通常、不活性な固体担体を含有する。固体担体の例は、鉱質土、例えばシリカゲル、微粉化したケイ酸、ケイ酸塩、タルク、カオリン、活性白土(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土(bole)、黄土、粘土(clay)、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕した合成鉱物、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、および植物起源の産物、例えば穀類粗びき粉、樹皮粗びき粉、木材粗びき粉およびナッツ殻粗びき粉、セルロース粉末、および他の固体担体である。
凝集過程の結果として、乾燥工程が終了した後、たとえば、500 nm〜100μm、または数百マイクロメーターまでの範囲の大きな粒子サイズが見られることが多い。しかしながら、一般に、実際の粒子サイズは非常に大きく、すなわち、凝集した殺虫性化合物の本来の粒子サイズはそれよりずっと小さく、ステップ(ii)を行った後に当初得られた大きさの範囲内である。したがって、乾燥時に形成された凝集体は、水性溶媒に再懸濁するときに基本的にバラバラに壊れ、再び望ましい粒子サイズとなるが、そのサイズは動的光散乱による測定で、1μm未満、多くの場合、0.9μm以下、好ましくは800nm以下、特に700nm以下、より好ましくは500nm以下の体積中位径まで、たとえば10〜1000nm、多くの場合20〜900nm、好ましくは50〜800nm、特に70〜700nm、より好ましくは100〜500nmである。
一般的に、本明細書に記載の液体殺虫性組成物は、有害節足動物および有害線虫類を含む害虫を駆除するために使用することができる。この目的で、組成物をそのまま施用することができるが、水で希釈後に施用することが好ましい。好ましくは、エンドユーザーの施用のさまざまな目的のために、本発明の液体殺虫剤濃縮組成物を水、たとえば水道水で希釈することによって、いわゆる水性噴霧液が調製される。
しかしながら、本発明の液体殺虫性組成物を、他のタイプの製剤、および/または式Aの化合物とは異なる活性成分を含有する製剤、具体的には殺菌剤もしくは他の殺虫剤を有する併用製剤を調製するために使用することも可能である。
概して、純粋な殺虫性化合物a)の施用量は、活性化合物Aとして0.01〜0.5 kg/ha、好ましくは0.05〜0.4 kg/ha、特に0.1〜0.3 kg/haの範囲内である。圃場で施用するために、希釈した組成物(噴霧液)を、たとえば植物もしくは土壌に、主として噴霧によって、特に葉面散布によって施用する。施用は、たとえば、担体として水を使用し、100〜1000 l/ha (たとえば300〜400 l/ha)の噴霧液量を用いる、従来の噴霧技術で実施することができる。小量もしくは微量法による製剤の施用が可能であるが、微粒剤の形での施用も可能である。
原則的に、本発明の組成物は、有害生物の駆除、または植物生長の促進のために、植物および作物の保護、ならびに材料の保護のあらゆる領域で、使用することができる。具体的には、本発明の組成物は、そうした有害動物による攻撃から植物を保護するためにも、材料を保護するためにも使用することができる。また、すでに攻撃を受けた植物もしくは材料を本発明の組成物で処理して、損害を与える生物を駆除すること、もしくはそれらが損害を引き起こさないように、少なくとも、それらの成長増殖を抑制することも可能である。
本発明の組成物は、有害動物による攻撃から材料を保護することに関するさまざまな領域において、特に好適である。本発明の組成物を用いて、たとえば、木材のようなセルロース含有材料、たとえば皮、さらに獣皮、なめし革、織物、不織布などを、有害動物による攻撃から効果的に保護することができる。
一般に、本発明の組成物は、次の害虫に対して施用することができる:
・鱗翅目(Lepidoptera)に属する昆虫、たとえば、タマナヤガ(Agrotis ypsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、Alabama argillacea、Anticarsia gemmatalis、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、ガマキンウワバ(Autographa gamma)、Bupalus piniarius、Cacoecia murinana、Capua reticulana、Cheimatobia brumata、Choristoneura fumiferana、Choristoneura occidentalis、Cirphis unipuncta、コドリンガ(Cydia pomonella)、Dendrolimus pini、アメリカウリノメイガ(Diaphania nitidalis)、Diatraea grandiosella、ミスジアオリンガ(Earias insulana)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella)、Evetria bouliana、Feltia subterranea、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、Grapholitha funebrana、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、オオタバコガ(Heliothis armigera)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)、Heliothis zea、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、Hibernia defoliana、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、リンゴスガ(Hyponomeuta malinellus)、Keiferia lycopersicella、Lambdina fiscellaria、シロイチモジヨトウ(Laphygma exigua)、Leucoptera coffeella、Leucoptera scitella、Lithocolletis blancardella、ホソバヒメハマキ(Lobesia botrana)、Loxostege sticticalis、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、Orgyia pseudotsugata、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、マツキリガ(Panolis flammea)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、Phalera bucephala、ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、Plathypena scabra、コナガ(Plutella xylostella)、Pseudoplusia includens、Rhyacionia frustrana、Scrobipalpula absoluta、バクガ(Sitotroga cerealella)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)、Spodoptera littoralis、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、Thaumatopoea pityocampa、Tortrix viridana、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)ならびにZeiraphera canadensis;
・鞘翅目(Coleoptera)に属する昆虫、たとえば、アカバナガタマムシ(Agrilus sinuatus)、Agriotes lineatus、Agriotes obscurus、Amphimallus solstitialis、Anisandrus dispar、ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ(Anthonomus pomorum)、Atomaria linearis、Blastophagus piniperda、Blitophaga undata、ソラマメゾウムシ(Bruchus rufimanus)、エンドウマメゾウムシ(Bruchus pisorum)、Bruchus lentis、Byctiscus betulae、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、Cerotoma trifurcata、Ceuthorrhynchus assimilis、Ceuthorrhynchus napi、Chaetocnema tibialis、Conoderus vespertinus、Crioceris asparagi、Diabrotica longicornis、Diabrotica semipunctata、Diabrotica virgifera、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、Epitrix hirtipennis、Eutinobothrus brasiliensis、マツアナアキゾオウムシ(Hylobius abietis)、Hypera brunneipennis、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、ヤツバキクイムシ(Ips typographus)、Lema bilineata、Lema melanopus、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、Limonius californicus、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、Melanotus communis、Meligethes aeneus、Melolontha hippocastani、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、イネクビボソハムシ(Oulema oryzae)、Ortior
rhynchus sulcatus、イチゴクチブトゾウムシ(Otiorhynchus ovatus)、Phaedon cochleariae、Phyllotreta chrysocephala、Phyllophaga種、Phyllopertha horticola、Phyllotreta nemorum、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、マメコガネ(Popillia japonica)、アカアシチビコフキゾウムシ(Sitona lineatus)、およびSitophilus granaria;
・双翅目(Diptera)に属する昆虫、たとえばネッタイシマカ(Aedes aegypti)、キンイロヤブカ(Aedes vexans)、メキシコミバエ(Anastrepha ludens)、Anopheles maculipennis、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、トウヨウラセンウジバエ(Chrysomya bezziana)、Chrysomya hominivorax、Chrysomya macellaria、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola)、ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)、アカイエカ(Culex pipiens)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、Dasineura brassicae、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、ウマバエ(Gasterophilus intestinalis)、ツェツェバエ(Glossina morsitans)、ノサシバエ(Haematobia irritans)、Haplodiplosis equestris、Hylemyia platura、キスジウシバエ(Hypoderma lineatum)、トマトハモブリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモブリバエ(Liriomyza trifolii)、Lucilia caprina、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、Lycoria pectoralis、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)、Oscinella frit、Pegomya hysocyami、Phorbia antiqua、Phorbia brassicae、Phorbia coarctata、ヨーロッパオウトウミバエ(Rhagoletis cerasi)、リンゴミバエ(Rhagoletis pomonella)、Tabanus bovinus、Tipula oleraceaならびにTipula paludosa;
・アザミウマ(総翅目)に属する昆虫、たとえば、Frankliniella fusca、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、Frankliniella tritici、Scirtothrips citri、Thrips oryzae、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、およびネギアザミウマ(Thrips tabaci);
・膜翅目(Hymenoptera)に属する昆虫、たとえば、カブラハバチ(Athalia rosae)、ハキリアリ(Atta cephalotes)、チャイロハキリアリ(Atta sexdens)、ハキリアリ(Atta texana)、Hoplocampa minuta、Hoplocampa testudinea、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、アカカミアリ(Solenopsis geminata)、およびヒアリ(Solenopsis invicta);
・異翅目(Heteroptera)に属する昆虫、たとえば、Acrosternum hilare、アメリカコバネナガカメムシ(Blissus leucopterus)、Cyrtopeltis notatus、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus)、Dysdercus intermedius、ムギチャイロカメムシ(Eurygaster integriceps)、Euschistus impictiventris、Leptoglossus phyllopus、サビイロカスミカメ(Lygus lineolaris)、Lygus pratensis、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、Piesma quadrata、Solubea insularis、およびThyanta perditor;
・同翅目(Homoptera)に属する昆虫、たとえば、Acyrthosiphon onobrychis、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis)、Aphidula nasturtii、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、Aphis grossulariae、Aphis schneideri、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、Aphis sambuci、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、Brachycaudus cardui、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、Brachycaudus persicae、Brachycaudus prunicola、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、Capitophorus horni、Cerosipha gossypii、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、Cryptomyzus ribis、Dreyfusia nordmannianae、Dreyfusia piceae、ギシギシネアブラムシ(Dysaphis radicola)、Dysaulacorthum pseudosolani、オオバコアブラムシ(Dysaphis plantaginea)、Dysaphis pyri、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、ツシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、Macrosiphon rosae、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura viciae)、Melanaphis pyrarius、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、モモアカアブラムシ(Myzodes persicae)、Myzus ascalonicus、Myzus cerasi、カワリコブアブラムシ(Myzus varians)、レタスアブラムシ(Nasonovia ribisnigri)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、Pemphigus bursarius、クロツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、リンゴキジラミ(Psylla mali)、Psylla piri、Rhopalomyzus ascalonicus、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、リンゴクビレアブラムシ(Rhopalosiphum insertum)、Sappaphis mala、Sappaphis mali、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、Schizoneura lanuginosa、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)、Tnaleurodes vaporariorum、Toxoptera aurantiiandならびにブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii);
・等翅目(シロアリ)(Isoptera)に属する昆虫、たとえば、Calotermes flavicollis、Leucotermes flavipes、Reticulitermes lucifugusおよびTermes natalensis;
・直翅目(Orthoptera)に属する昆虫、たとえば、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)、Gryllotalpa gryllotalpa、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、Melanoplus bivittatus、Melanoplus femur-rubrum、Melanoplus mexicanus、Melanoplus sanguinipes、Melanoplus spretus、Nomadacris septemfasciata、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、アメリカイナゴ(Schistocerca americana)、Schistocerca peregrina、Stauronotus maroccanusならびにクラズミウマ(Tachycines asynamorus)。
クモ綱、たとえば、蛛形類(ダニ目(Acarina))、たとえば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)およびヒゼンダニ科(Sarcoptidae)の、たとえば、アメリカキララマダニ(Amblyomma americanum)、Amblyomma variegatum、Argas persicus、Boophilus annulatus、Boophilus decoloratus、オウシマダニ(Boophilus microplus)、Dermacentor silvarum、Hyalomma truncatum、Ixodes ricinus、Ixodes rubicundus、Ornithodoros moubata、Otobius megnini、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)、Rhipicephalus appendiculatus、Rhipicephalus evertsi、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)、ならびにフシダニ科(Eriophyidae)のダニ類、たとえば、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、Eriophyes sheldoni;ホコリダニ科(Tarsonemidae)のダニ類、たとえば、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)およびチャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)のダニ類、たとえば、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis);ハダニ科(Tetranychidae)のダニ類、たとえば、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、オウトウハダニ(Tetranychus pacificus)、ナミハダニ(Tetranychus telarius)およびナミハダニ(Tetranychus urticae)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンハダニ(Panonychus citri)およびOligonychus pratensis;
線虫類、特に植物寄生線虫、たとえば、根こぶ線虫、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)および他のMeloidogyne属線虫;シスト形成線虫、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)および他のGlobodera属線虫;ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera schachtii)、クローバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)および他のHeterodera属線虫;種子に虫こぶをつくる線虫、Anguina属線虫;茎および葉の線虫、Aphelenchoides属線虫;針線虫、Belonolaimus longicaudatusおよび他のBelonolaimus属線虫;松の線虫、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)および他のBursaphelenchus属線虫;環線虫、Criconema属、Criconemella属、ワセンチュウ(Criconemoides)属、Mesocriconema属の線虫;茎および球根の線虫、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)および他のDitylenchus属線虫;錐状の線虫、Dolichodorus属線虫;らせん線虫、Heliocotylenchus multicinctusおよび他のHelicotylenchus属線虫;鞘および鞘状の線虫、Hemicycliophora属およびサヤワセンチュウ(Hemicriconemoides)属の線虫;Hirshmanniella属線虫;ヤリセンチュウ類、ヤリセンチュウ(Hopolaimus spp.);ニセネコブセンチュウ、Nacobbus属線虫;ナガハリセンチュウ類、Longidorus elongatusおよび他のLongidorus属線虫;ネグサレセンチュウ類、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、Pratylenchus curvitatus、Pratylenchus goodeyiおよび他のPratylenchus属線虫;ネモグリセンチュウ、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)および他のRadopholus 属線虫;ニセフクロセンチュウ、Rotylenchus robustus、および他のRotylenchus属線虫;Scutellonema属線虫;ユミハリセンチュウ、Trichodorus primitivusおよび他のTrichodorus属線虫、Paratrichodorus属線虫;萎縮線虫、イシュクセンチュウ(Tylenchorhynchus claytoni)、Tylenchorhynchus dubiusおよび他のTylenchorhynchus属線虫;ミカンネセンチュウ、Tylenchulus属線虫;オオハリセンチュウ、Xiphinema属線虫;ならびに他の植物寄生線虫。
本発明の組成物はまた、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzaphilus)、ニカメイガ(Chilo suppresalis)、コブノメイガ、イネクビホソナムシ、イネハモグリバエ(Agromyca oryzae)、ヨコバイ(Nephotettix spp.;特にヒメトビウンカ、ツマグロヨコバイ)、ウンカ(Delphacidae;特にセジロウンカ、トビイロウンカ)およびカメムシといったイネの病原体を駆除するために使用することができる。
本発明の液体殺虫性組成物はまた、非作物害虫に対しても、そのまま、または水性希釈液として、または上記粉末組成物として、施用することができる。したがって、本発明はまた、害虫、またはその食糧、生息場所、繁殖場所もしくは所在地と、少なくとも式Aの化合物を含有する本発明の製剤とを接触させることを含む、非作物害虫を駆除する方法に関する。
本発明はさらに、非生物有機材料を非作物害虫から保護するための、本発明の組成物の使用に関する。
非作物害虫は、唇脚(ムカデ)綱(Chilopoda)および倍脚(ヤスデ)綱(Diplopoda)、ならびに等翅(シロアリ)目(Isoptera)、双翅(ハエ)目(Diptera)、網翅(ゴキブリ)目(Blattaria(Blattodea))、革翅(ハサミムシ)目(Dermaptera)、半翅(カメムシ)目(Hemiptera)、膜翅(ハチ)目(Hymenoptera)、直翅(バッタ)目(Orthoptera)、隠翅(ノミ)目(Siphonaptera)、総尾(シミ)目(Thysanura)、シラミ目(Phthiraptera)、真正クモ目(Araneida)、ダニ目(Parasitiformes)、および無気門亜目(コナダニ亜目)(Acaridida)の害虫であり、その例は下記のとおりである:
・ムカデ類(ムカデ綱(Chilopoda))、たとえば、Scutigera coleoptrata;
・ヤスデ類(ヤスデ綱(Diplopoda))、たとえば、Narceus spp.;
・クモ類(真正クモ目(Araneida))、たとえば、クロゴケグモ(Latrodectus mactans)およびドクイトグモ(Loxosceles reclusa);
・疥癬虫 (無気門亜目(コナダニ亜目)(Acaridida))、たとえば、ヒゼンダニ(sarcoptes sp);
・マダニおよび寄生ダニ類(Parasitiformes):マダニ類(後気門亜目(マダニ亜目)(Ixodida))、たとえば、クロアシマダニ(Ixodes scapularis)、オーストラリア産マダニ(Ixodes holocyclus)、西部クロアシマダニ(Ixodes pacificus)、イヌマダニ(Rhiphicephalus sanguineus)、カクマダニ(Dermacentor andersoni)、アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)、キララマダニ(Amblyomma americanum)、Ambryomma maculatum、Ornithodorus hermsi、Ornithodorus turicata、ならびに、寄生ダニ類(中気門亜目(トゲダニ亜目)(Mesostigmata))、たとえば、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)およびワクモ(Dermanyssus gallinae);
・シロアリ類(シロアリ(等翅)目(Isoptera))、たとえば、Calotermes flavicollis、Leucotermes flavipes、Heterotermes aureus、ヤマトシロアリ属の一種(Reticulitermes flavipes、Reticulitermes virginicus、Reticulitermes lucifugus)、Termes natalensis、およびイエシロアリ(Coptotermes formosanus);
・ゴキブリ類(ゴキブリ(網翅)目(Blattaria-Blattodea))、たとえば、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、オキナワチャバネゴキブリ(Blattella asahinae)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae)、およびトウヨウゴキブリ(Blatta orientalis);
・ハエ、カ類(ハエ(双翅)目(Diptera))、たとえば、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)、キンイロヤブカ(Aedes vexans)、メキシコミバエ(Anastrepha ludens)、ハマダラカの一種(Anopheles maculipennis、Anopheles crucians、Anopheles albimanus、ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)、Anopheles freebomi、Anopheles leucosphyrus、コガラハマダラカ(Anopheles minimus)、Anopheles quadrimaculatus)、クロバエ(Calliphora vicina)、旧世界ラセンウジバエ(Chrysomya bezziana)、新世界ラセンウジバエ(Chrysomya hominivorax)、Chrysomya macellaria、サシバエ(Chrysops discalis)、Chrysops silacea、Chrysops atlanticus、新世界ラセンウジバエ(Cochliomyia hominivorax)、ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)、Culicoides furens、アカイエカ(Culex pipiens)、Culex nigripalpus、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、Culex tarsalis、Culiseta inornata、Culiseta melanura、ヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、Gasterophilus intestinalis、ツェツェバエ(Glossina morsitans)、ツェツェバエ(Glossina palpalis)、Glossina fuscipes、Glossina tachinoides、ノサシバエ(Haematobia irritans)、Haplodiplosis equestris、キモグリバエの一種(Hippelates spp.)、Hypoderma lineata、Leptoconops torrens、Lucilia caprina、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、Lycoria pectoralis、ヌマカ属の一種(Mansonia spp.)、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)、Phlebotomus argentipes、Psorophora columbiae、Psorophora discolor、Prosimulium mixtum、ニクバエの一種(Sarcophaga haemorrhoidalis、Sarcophaga sp.)、Simulium vittatum、サシバエ(Stomoxys calcitrans)、Tabanus bovinus、Tabanus atratus、Tabanus lineola、およびTabanus similis;
・ハサミムシ類(ハサミムシ(革翅)目(Dermaptera))、たとえば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(forficula auricularia);
・ナンキンムシ類(カメムシ(半翅)目(Hemiptera))、たとえば、トコジラミ(Cimex lectularius)、ネッタイ(タイワン)トコジラミ(Cimex hemipterus)、Reduvius senilis、サシガメの一種(Triatoma spp.)、オオサシガメ(Rhodnius prolixus)、およびArilus critatus;
・アリ、ミツバチ、スズメバチ、ハバチ類(ハチ(膜翅)目(Hymenoptera))、たとえば、シリアゲアリの一種(Crematogaster spp.)、Hoplocampa minuta、Hoplocampa testudinea、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、アカカミアリ(Solenopsis geminata)、ヒアリ(Solenopsis invicta)、トフシアリの一種(Solenopsis richteri, Solenopsis xyloni)、アカシュウカクアリ(Pogonomyrmex barbatus)、Pogonomyrmex califomicus、アリバチの一種(Dasymutilla occidentalis)、マルハナバチの一種(Bombus spp.)、クロスズメバチの一種(Vespula squamosa、Paravespula vulgaris、Paravespula pennsylvanica、Paravespula germanica)、ホオナガスズメバチの一種(Dolichovespula maculata)、モンスズメバチ(Vespa crabro)、アシナガバチの一種(Polistes rubiginosa)、オオアリの一種(Camponotus floridanus)、およびアルゼンチンアリ(Linepithema humile);
・コオロギ、バッタ、イナゴ類(バッタ(直翅)目(Orthoptera))、たとえば、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、ケラの一種(Gryllotalpa gryllotalpa)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)Melanoplus bivittatus、Melanoplus femurrubrum、Melanoplus mexicanus、Melanoplus sanguinipes、Melanoplus spretus、アカトビバッタ(Nomadacris septemfasciata)、アメリカトビバッタ(Schistocerca americana)、サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)、Dociostaurus maroccanus、クラズミウマ(Tachycines asynamorus)、Oedaleus senegalensis、Zonozerus variegatus、Hieroglyphus daganensis、Kraussaria angulifera、Calliptamus italicus、Chortoicetes terminifera、およびLocustana pardalina;
・ノミ類(ノミ(隠翅)目(Siphonaptera))、たとえば、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、スナノミ(Tunga penetrans)、およびヨーロッパネズミノミ(Nosopsyllus fasciatus);
・セイヨウシミ、マダラシミ類(シミ(総尾)目(Thysanura))、たとえば、セイヨウシミ(Lepisma saccharina)、およびマダラシミ(Thermobia domestica);
・シラミ類(シラミ目(Phthiraptera))、たとえば、アタマジラミ(Pediculus humanus capitis)、コロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ケジラミ(Pthirus pubis)、ケモノジラミの一種(Haematopinus eurystemus)、ブタジラミ(Haematopinus suis)、ウシホソジラミ(Linognathus vituli)、ウシハジラミ(Bovicola bovis)、ニワトリハジラミ(Menopon gallinae)、Menacanthus stramineus、およびSolenopotes capillatus。
たとえば、本発明の組成物は、非生物有機材料(家庭用品、たとえば油脂、単糖、オリゴ糖、もしくは多糖、タンパク質、または新鮮な果物もしくは腐りかけの果物;セルロース含有材料、たとえば、家、杭、板塀、もしくは枕木のような木材、および紙;さらに、建設資材、家具、皮革、動物性、植物性および合成繊維、ビニール製品、電線および電気ケーブル、ならびに発泡スチロールが含まれるがそれらに限定されない)の保護に使用することができる。
さらに、本発明の組成物は、ヤスデ(倍脚)綱ならびにシロアリ(等翅)目、ハエ(双翅)目、ゴキブリ(網翅)目、ハサミムシ(革翅)目、カメムシ(半翅)目、ハチ(膜翅)目、バッタ(直翅)目およびシミ(総尾)目からなる一群から選択される非作物害虫から非生物有機材料を保護するために使用することができる。
本発明はまた、上記のように非作物害虫から非生物有機材料を保護する方法に関するものであって、その方法は、害虫、もしくはその食糧、生息場所、繁殖場所、所在地、または非生物有機材料それ自体を、殺虫剤として有効な量の本発明の化合物と接触させることを含んでなる。
さらに、本発明の組成物は、セルロースを含有する非生物有機材料を保護するために、たとえば、セルロースを含有する非生物有機材料をシロアリ(等翅)目、ハエ(双翅)目、ゴキブリ(網翅)目、ハチ(膜翅)目、およびバッタ(直翅)目、もっとも好ましくはシロアリ(等翅)目に属する害虫から防御するために使用される。
本発明はまた、好ましくはシロアリ(等翅)目、ハエ(双翅)目、ゴキブリ(網翅)目、ハチ(膜翅)目、およびバッタ(直翅)目に属する、もっとも好ましくはシロアリ(等翅)目に属する非作物害虫から、セルロース含有非生物有機材料を保護する方法を与えるものであって、その方法は、害虫、もしくはその食糧、生息場所、繁殖場所、所在地、またはセルロース含有非生物有機材料それ自体を、本発明の化合物と接触させることを含んでなる。
その上、本発明の組成物は、単糖、オリゴ糖、多糖およびタンパク質を保護するために使用することができる。
さらに、本発明の組成物は、ハサミムシ(革翅)目、ヤスデ(倍脚)綱、シロアリ(等翅)目、ハエ(双翅)目、ゴキブリ(網翅)目、ハチ(膜翅)目、バッタ(直翅)目、およびシミ(総尾)目、もっとも好ましくは、シロアリ(等翅)目、ハエ(双翅)目、ゴキブリ(網翅)目、およびハチ(膜翅)目から選択される非作物害虫から、単糖、オリゴ糖、多糖およびタンパク質を保護するために使用することができる。
さらに、本発明の組成物は、水域中、および/または建物の中および周囲(壁、地面、堆肥、芝草、牧草、下水管、および建物の建築に使用された資材、ならびにマットレスや寝具類などであるがそれに限定されない)にいる害虫を本発明の製剤で処理することによって、ムカデ(唇脚)綱、ならびに、真正クモ目、カメムシ(半翅)目、ハエ(双翅)目、シラミ目、ノミ(隠翅)目、ダニ目のParasitiformes亜目および無気門亜目(コナダニ亜目)の非作物害虫から動物を防御するために使用される。
動物には、ヒトを含む温血動物および魚が含まれる。したがって、本発明の製剤は、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラクダ、シカ、ウマ、家禽、ウサギ、ヤギ、イヌおよびネコなどの温血動物の保護のために使用することができる。
さらに、本発明の組成物は、アリおよび/またはシロアリから、杭、板塀、枕木などといった木材、および住宅、納屋、工場などの建物を保護するために、また建築資材、家具、皮革、繊維、ビニール製品、電線およびケーブルなどを保護するために、加えて、(たとえば、害虫が住宅や公共施設に侵入したとき)作物もしくは人に害を及ぼさないようにアリおよびシロアリを駆除するために、使用することができる。本発明の製剤は、木材を保護するために周囲の土壌表面もしくは床下の土壌中に施用されるだけでなく、床下コンクリートの表面、床柱、梁、合板、家具などの材木製品、パーチクルボード、ハーフボードなどの木製品、ならびに被覆電線、ビニールシート、断熱材、たとえば発泡スチロールなど、といったビニール製品にも施用することができる。作物もしくは人に害を及ぼすアリに対して施用する場合、本発明のアリ駆除組成物は、アリの巣もしくはその周囲に、または餌との接触を介して、直接、施用される。
その上、本発明の組成物は、害虫の発生が予想される場所に予防的に施用することもできる。
本発明はさらに、本発明の製剤で処理した種子を包含する。
適当な種子は、たとえば、さまざまな作物の種子、果実種、野菜、香辛料、および観葉植物の種子であり、例を挙げるとコーン/トウモロコシ(甘味種および飼料用)、デュラム小麦、大豆、小麦、大麦、えん麦、ライ麦、ライ小麦、バナナ、イネ、ワタ、ヒマワリ、ジャガイモ、牧草、アルファルファ、草、芝、サトウモロコシ、ナタネ、アブラナ、テンサイ、ナス、ナス、トマト、レタス、アイスバーグレタス、トウガラシ、キュウリ、カボチャ、メロン、豆、乾燥豆、エンドウ、ネギ、ニンニク,タマネギ、キャベツ、ニンジン、サトウキビなどの塊茎、タバコ、コーヒー、芝および飼い葉、アブラナ科、ウリ科、ブドウのつる、トウガラシ、飼料用ビート、ナタネ、パンジー、ホウセンカ、ペチュニア、およびゼラニウムである。
以下の実施例は、本発明の範囲を決して限定することなく、本発明をさらに説明することを目的とする。
I. 分析法:
粒子サイズは、25℃にてMalvern Mastersizer 2000システムを用いて、動的光散乱法により測定した。ここに記載する全ての粒子サイズは体積平均粒径d(0.5)またはd(v, 0.5)である。
II. 成分:
界面活性剤1: メタクリル酸メチルおよびポリエチレンオキシドをベースにしたグラフトコポリマー、Atlox(登録商標) 4913 (Uniqema)の32重量%水溶液
界面活性剤2: ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、Morwet(登録商標) D425 (Akzo Nobel)
界面活性剤3: エトキシル化トリスチリルフェノール、Soprophor(登録商標)BSU (Rhodia)
界面活性剤4: エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、MN 6500、EO/PO比50:50、Pluronic(登録商標) P105 (BASF AG)
界面活性剤5: エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、MN 7700、EO/PO比60:40、Pluraflo(登録商標) 1060 (BASF AG)
界面活性剤6: スチレンおよびアクリル酸のコポリマー、Atlox(登録商標) Metasperse 500 L (Uniqema)
界面活性剤7: アルキルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩およびジオクチルスルホコハク酸のナトリウム塩の混合物、Morwet(登録商標) EFW (Akzo Nobel)
界面活性剤8: ポリ-C2-C3-アルキレングリコールのC1-C9-アルキルエーテル(MN 2900)、Atlox(登録商標) G5000 (Uniqema)
界面活性剤9: ジオクチルスルホコハク酸のナトリウム塩、Aerosol(登録商標)OTB (Cytec)
III. 本発明の組成物の調製:
実施例1
水55 gに、界面活性剤1を3 g、および界面活性剤8を2 g溶解した後、均一な相が得られるまで混合した。その後、メタフルミゾン40 gを加え、高剪断ミキサーを用いて分散させた。約40重量%の固体含量を有するスラリーが得られた。次に、0.8μmの粒子サイズが達成されるまで、スラリーを、0.8 mmビーズを用い、ビーズ充填率を90%としたビーズミル(Eiger Mini 50)に通した。
実施例2
水40 kgに、プロピレングリコールを10 kg、および界面活性剤2を5 kg溶解した後、均一な相が得られるまで混合した。その後、メタフルミゾン45 kgを加え、高剪断ミキサーを用いて分散させた。約45重量%の固体含量を有するスラリーが得られた。0.7μmの粒子サイズが達成されるまで、スラリーを、1.0 mmビーズを用い、ビーズ充填率を70%とした5リットルビーズミル(Drais)に通した。
実施例3
水55 gに、エチレングリコール7 g、界面活性剤2を5 g、および界面活性剤4を3 g溶解した後、均一な相が得られるまで混合した。その後、メタフルミゾン30 gを加え、高剪断ミキサーを用いて分散させた。約30重量%の固体含量を有するスラリーが得られた。0.8μmの粒子サイズが達成されるまで、スラリーを、0.8 mmビーズを用い、ビーズ充填率を80%としたビーズミル(Dynomill)に通した。
実施例4
水38.8 kgに、界面活性剤3を3.37 kg、界面活性剤5を1.1 kg、および界面活性剤9を2.72 kg溶解した後、均一な相が得られるまで混合した。その後、メタフルミゾン25 kgを加え、高剪断ミキサーを用いて分散させた。約35.3重量%の固体含量を有するスラリーが得られた。スラリーを、0.8 mmビーズを用い、ビーズ充填率を70%としたDrais 5リットルビーズミルに通した。サンプルを、それぞれ0.5、4および13時間ビーズミル粉砕後に取り出し、それぞれ約2.44μm、0.71μmおよび0.26μmの粒子サイズを生じた。
実施例5
実施例1に記載の方法に従って、さまざまなミル粉砕時間を適用することにより、下記の殺虫性組成物を調製した。その組成物は下記の全体的な組成を有する:
34重量%のメタフルミゾン(純度97 %);
5.2重量%の界面活性剤3;
1.7重量%の界面活性剤5;
4.3重量%の界面活性剤9;
49重量%の水;および
5.8重量%のプロピレングリコール。
サンプルは、ビーズミル粉砕のそれぞれ異なるミル粉砕時間の後に取り出し、それぞれ約1.0μm、0.70μmおよび0.20μmの粒子サイズを生じた。
IV. 化学的安定性
実施例4の方法に従って得られた液体殺虫剤濃縮組成物を、20℃および30℃でそれぞれ24ヶ月保存した。異なる時間間隔でそれぞれの粒子サイズを測定することにより化学的安定性を評価した。得られたデータを表2に掲げるが、この粒子サイズは体積中位径[μm]として与えられる。
Figure 0005341762
観察された粒子サイズは保存期間の間ずっと変化しないので、本発明の液体殺虫剤濃縮組成物は、すぐれた化学的安定性を有している。
V. 生物学的活性
アワヨトウの一種(Southern Armyworm (Spodoptera eridania))の3齢幼虫に対する本発明の液体殺虫剤濃縮組成物の効能を評価することにより、致死濃度LC50およびLC90を測定した。実施例4もしくは5から得られた組成物の原液をそれぞれ、水の入った容器に入れて希釈した。このようにして調製した希釈液にライマメの葉を浸し、風乾した。1枚の処理葉をプラスチック製マルチシャーレ内の、水に濡らした濾紙上に、上面を上にして置いた。それぞれの葉の上に7匹の幼虫を載せた後、それぞれの領域を、シャーレカバーで蓋をする。個々の処理は、7匹の昆虫を用いて4連制とした(1連=1シャーレ領域)。施用処理後、被害植物を、実験室内で蛍光灯照明下、一定温度26℃の状態に維持した。幼虫の死亡数/罹患数(すなわち死亡した幼虫の数/試験した幼虫の数)を、処理の5日後に評価した。
表3に、施用したさまざまな濃度のa.i.について得られたデータであって、異なる平均粒径を有する実施例4の組成物を用いて得られた、幼虫の死亡数/罹患数データを示す。
Figure 0005341762
死亡率は、生存する幼虫の数を基準とした。このデータから、各組成物のLC50およびLC90の値を、対数用量-プロビット(Log Dose-Probit)分析によって推定した。得られたデータを表4に要約する。
Figure 0005341762
1μm未満のd(0.5)を有するサンプルのLC50およびLC90は、d(0.5) = 2.44 μmサイズの対照サンプルよりもはるかに低いので、生物学的有効性は顕著に、すなわち少なくとも1.5倍〜2.9倍までの範囲で高まっている。
同様に、異なる平均粒径を有する実施例5の組成物を用いて、施用したa.i.のさまざまな濃度について、幼虫の死亡数/罹患数データを測定した。このデータから、各組成物のLC50およびLC90値を、対数用量-プロビット分析によって推定した。得られたデータを表5および6に要約する。
Figure 0005341762
Figure 0005341762

Claims (22)

  1. a) 組成物の総重量を基準として、5〜60重量%の式Aの殺虫性化合物
    Figure 0005341762
    (式中R11およびR12は、相互に独立して、水素、ハロゲン、CN、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、もしくはC1-C4ハロアルコキシであり、R13はC1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、もしくはC1-C4ハロアルコキシである)
    またはその農業上許容される塩;
    b) 組成物の総重量を基準として、30〜94.9重量%の、水および水と多価C2-C4アルコールとの混合物から選択される溶媒であって、前記混合物中の水の多価アルコールに対する重量比は少なくとも1:1であり、式Aの殺虫性化合物がその溶媒中に、25℃/1013 mbarにて2 g/l以下の量で溶解する、前記溶媒;
    c) 組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%の1種もしくは複数の界面活性剤;
    を含有する液体殺虫性組成物であって、
    化合物Aが、溶媒と界面活性剤との混合物中に分散した粒子の形態で存在し、動的光散乱により測定された前記粒子の体積中位径が20〜900 nmである、前記組成物。
  2. 化合物Aの界面活性剤に対する重量比が2:1〜20:1の範囲にある、請求項1に記載の組成物。
  3. 溶媒が、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、グリセロールおよび1,4-ブタンジオールからなる一群から選択される多価C2-C4アルコールを含有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 水の多価アルコールに対する重量比が、99:1〜1:1の範囲にある、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 溶媒が、製剤中に存在する溶媒の総重量を基準として、少なくとも99重量%の水を含有する、請求項1または2に記載の組成物。
  6. 界面活性剤が、少なくとも1種の陰イオン性界面活性剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 界面活性剤が、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 界面活性剤が、少なくとも1種の高分子界面活性剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 式Aの殺虫性化合物が、2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカルボキサミドである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 式Aの殺虫性化合物の粒子が、動的光散乱による測定で、50〜800 nmの範囲の体積中位径を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 式Aの殺虫性化合物の粒子が、動的光散乱による測定で、100〜500 nmの範囲の体積中位径を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. (i) 溶媒および界面活性剤の混合物における化合物Aの懸濁液を与えるステップ:
    (ii) ステップ(i)の懸濁液中に存在する化合物Aの粒子サイズを、動的光散乱による測定で20〜900 nmの体積中位径まで小さくするステップ、
    を含んでなる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物を調製する方法。
  13. ステップ(i)が、均一な混合物が得られるまで溶媒と界面活性剤を混合すること、前記の均一な混合物に化合物Aを加えること、ならびに化合物Aを含有する混合物に剪断力を加えることを含む、請求項12に記載の組成物を調製する方法。
  14. ステップ(ii)が、ステップ(i)の懸濁液をミル粉砕にかけることを含む、請求項12または13に記載の方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体殺虫性組成物を乾燥することによって得られる、粉末組成物。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体組成物、または請求項15に記載の粉末組成物を水で希釈することにより得られる、噴霧液の形態の水性組成物。
  17. 節足動物もしくは線虫から選択される有害生物を駆除するための、請求項1〜1115または16のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  18. 節足動物もしくは線虫から選択される有害生物を駆除する方法であって、請求項1〜1115または16のいずれか1項に記載の組成物を、前記有害生物、有害生物が生育している、もしくは生育する可能性がある生息場所、繁殖場所、食糧、植物、種子、土壌、地域、材料、もしくは環境に施用すること、または有害生物による攻撃もしくは侵入から保護すべき材料、植物、種子、土壌、表面もしくは空間に施用することを含んでなる、前記方法。
  19. 節足動物もしくは線虫から選択される有害生物による攻撃もしくは侵入から作物を保護する方法であって、請求項16に記載の噴霧液を作物に施用することを含んでなる、前記方法。
  20. 節足動物もしくは線虫から選択される有害生物による攻撃もしくは侵入から種子を保護する方法であって、請求項1〜1115または16のいずれか1項に記載の組成物を種子に施用することを含んでなる、前記方法。
  21. 節足動物もしくは線虫による攻撃もしくは侵入から作物を保護するための、請求項1〜1115または16のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  22. 節足動物もしくは線虫による攻撃もしくは侵入から非生物材料を保護するための、請求項1〜1115または16のいずれか1項に記載の組成物の使用。
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