JP5341740B2 - 平パレット積載面積拡張材およびパレットユニット - Google Patents
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Description
このように紙製品の寸法は様々であるため、紙製品用のパレットは種類が多くなっていた。パレットの種類が多いと、パレット保管用のスペースを広くしなければならないが、工場や倉庫の敷地面積には制限があるため、パレット保管用のスペースの削減が要求されていた。
パレットの種類を削減するものとして、特許文献1,2に、荷物を積載する面(以下、「積載面」という。)の大きさを任意に変更できる組立型パレットが開示されている。すなわち、特許文献1には、上面デッキ部と下面デッキ部と桁部とを有する2つの部材から構成され、一方の部材の桁部の側面に嵌合用の凸部が設けられ、他方の部材の桁部の側面に嵌合用の凹部が設けられた組立型パレットが開示されている。特許文献2には、パレットの本体部と、積載面の面積を拡張するための付属部とから構成され、本体部に嵌合用の凹部が設けられ、付属部に嵌合用の凸部が設けられた組立型パレットが開示されている。
特許文献1,2の組立型パレットでは、嵌合用の凸部と凹部とを嵌合することによって、パレットの大きさを変更できるようになっている。したがって、荷物の大きさに合わせてパレットの大きさを変更できるため、パレットの種類を削減できる。
そこで、本発明は、積載面の面積を簡便に拡張できる上に充分な強度を有する平パレット積載面積拡張材およびパレットユニットを提供することを目的とする。
[1] 平パレットの上部に着脱可能に取り付けられて使用される平パレット積載面積拡張材であって、
平パレットの上面よりも面積が大きい一枚の平板状かつ矩形状の積載部と、該積載部の平パレットからはみ出る部分の下側に設けられた支持部とを有し、該支持部は、平パレットの側面に接触する面、または平パレットの側面に近接対向し、前記はみ出る部分の撓みにより平パレットの側面に接触可能な面を備え、
平パレットの上部に取り付けた際に、前記支持部が平パレットの底面と同一平面に接触しないように構成されたことを特徴とする平パレット積載面積拡張材。
[2] 支持部は、積載部の下面の、一辺側の周縁の少なくとも一部と、前記一辺に対向する他の一辺側の周縁の少なくとも一部とに配置されている[1]に記載の平パレット積載面積拡張材。
[3] 紙より形成されている[1]または[2]に記載の平パレット積載面積拡張材。
[4] 段ボールにより形成されている[3]に記載の平パレット積載面積拡張材。
[5] 積載部の平パレットからはみ出る部分の幅が10〜300mmである[1]〜[4]のいずれか一項に記載の平パレット積載面積拡張材。
[6] 平パレットと、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の平パレット積載面積拡張材とを備えることを特徴とするパレットユニット。
本発明のパレットユニットは、積載面の面積が拡張されている上に、充分な強度を有する。
本発明のパレットユニットの一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態のパレットユニットを示す。本実施形態のパレットユニット1は、平パレット10と、平パレット10の上部に着脱可能に設けられた平パレット積載面積拡張材20とを備える。
本実施形態におけるパレットユニット1においては、平パレット積載面積拡張材20は、支持部22,22の間に平パレット10が位置するように配置されている。このように配置された状態では、支持部22の側面22aは平パレット10の側面10aに接触または近接対向している。
平パレットは、JIS Z0106(パレット用語)の「3.用語及び定義」の(2)に記載された「上部構造物のないフォークなどの差込口を持つパレット」である。
本実施形態で使用される平パレット10は、平パレット積載面積拡張材20が載せられる上面デッキ部11と、上面デッキ部11の下面11aに取り付けられた3本の桁部12,12,12とを有する単面形二方差しパレットである。
上面デッキ部11と桁部12の材質は同じであってもよいし、異なってもよい。
本実施形態の平パレット積載面積拡張材20は、図3,4に示すように、平パレット10の積載面11cよりも面積が大きい平板状かつ矩形状の積載部21と、積載部21の平パレット10からはみ出る部分21aの下面21bの全面に設けられた支持部22とを有する。
以下、「積載部21の平パレット10からはみ出る部分21a」のことを「はみ出し部21a」という。
積載部21は、荷物が積載される部分である。本実施形態で使用される積載部21は、平パレット10の長手方向の両側からはみ出る大きさの矩形状にされている。
支持部22は、積載部21に荷物が載せられた際にはみ出し部21aを支持する部分である。
本実施形態で使用される支持部22は、積載部21の幅方向の長さと同じ長さの四角柱体であって、図4に示すように、積載部21の下面21bの、幅方向の一辺(第1の辺21c)側の周縁と、第1の辺21cに対向する他の一辺(第2の辺21d)側の周縁とに配置されている。このように配置された支持部22では、平パレット10の側面10aに接触または近接対向する側面22aを備える。
支持部22は積載部21に、例えば接着剤を用いて取り付けられている。
平パレット積載面積拡張材20の材質としては、例えば、紙、木材、アルミニウムなどを用いることができるが、軽量で作業性に優れることから、紙、木材が好ましく、より軽量であることから、紙がより好ましい。また、平パレット積載面積拡張材20の材質が紙であると、衝撃緩和性が高く、運搬時の荷物の損傷を防止できる。また、紙は再パルプ化により容易にリサイクルできる。
紙の中でも、剛性が高いことから、板紙、段ボールが好ましく、段ボールがより好ましい。板紙としては、例えば、強化板紙(例えば、シュレッダーされた古紙を上下板紙により挟持した板紙等)を用いることができ、段ボールとしては、例えば、2層強化段ボールまたは3層強化段ボールを用いることができる。
積載部21および支持部22の材質は同じであってもよいし、異なってもよい。
平パレット積載面積拡張材20全体が段ボール製である場合、例えば、積載部21としては、1枚〜3枚の段ボールからなるものが挙げられる。また、支持部22としては、例えば、2〜8枚の段ボールを積層し、糊付けにより接着したものが挙げられる。
パレットユニット1の使用方法の一例について説明する。
本例では、荷物を出荷する出荷元の工場または倉庫にて、平パレット10に、荷物の大きさに応じた積載部21を有する平パレット積載面積拡張材20を取り付けて、パレットユニット1を得る。このパレットユニット1の積載部21に荷物を積載し、フォークリフトを利用して、荷物が積載されたパレットユニット1をトラック、船舶、貨車等の輸送手段に積み込む。
輸送手段により輸送した後、出荷先にて、フォークリフトを利用して、荷物が積載されたパレットユニット1を輸送手段から降ろす。荷物をパレットユニット1から降ろした後、平パレット10から平パレット積載面積拡張材20を取り外す。
平パレット10は平パレット積載面積拡張材20によって保護されているため、損傷が防止されており、繰り返しの再使用が可能になっている。平パレット積載面積拡張材20については損傷が少なく使用可能な状態であれば再使用されるが、損傷が激しく、使用不能な状態である場合には、廃棄またはリサイクルされる。平パレット積載面積拡張材20が紙製である場合には、容易にリサイクルできることから、使用不能になった際にはリサイクル工程に送ることが好ましい。リサイクルされたパルプを用いて、再び平パレット積載面積拡張材20を作製してもよい。
紙製品の中でも、枚葉紙は様々な形状のものがあるため、パレットユニット1の面積拡張の効果がとりわけ発揮できる。そのため、パレットユニット1は荷物が枚葉紙である場合に好適である。
本実施形態では、平パレット積載面積拡張材20が平パレット10に取り付けられていることで、積載面の面積が拡張されている。この積載面の拡張は、平パレット10に平パレット積載面積拡張材20を取り付けるだけであるから、簡便である。
これにより、1種の平パレット10に対して、積載面の面積が異なる多数の平パレット積載面積拡張材20を用意しておくことにより、様々な寸法の荷物に容易に対応することができる。すなわち、平パレット10に取り付ける平パレット積載面積拡張材20の種類を変更することによって、積載面の面積を荷物の大きさに容易に合わせることができる。さらに、多様な大きさの荷物に対応しつつも、平パレット10を共通に使用できるため、平パレット10の数を減らすことができ、パレット保管用のスペースを削減できる。
しかも、パレットユニット1では、平パレット積載面積拡張材20が損傷した際には簡単に新品の平パレット積載面積拡張材20に交換できる。
また、積載部21の下面21bに取り付けられた支持部22が平パレット10の側面10aに接触している場合には、はみ出し部21aの上に荷物が載せられた際にはみ出し部21aにかかる力が支持部22を介して平パレット10の側面10aにかかるようになる。このとき、平パレット10の側面10aから反作用の力が生じるため、はみ出し部21aが支持部22によって支持される。したがって、はみ出し部21aが下側に折れ曲がることが防止されている。特に本実施形態では、はみ出し部21aの下面21bの全面に支持部22が設けられているため、はみ出し部21a全体の折れ曲がりが防止されており、より強度が高いものとなっている。
支持部22の側面22aが平パレット10の側面10aに近接対向している場合には、はみ出し部21aの上に荷物が載せられた際に、荷物の積載に支障が出ない程度にはみ出し部21aが僅かに撓んだ後に、支持部22が平パレット10の側面に当接する。そのため、支持部22が平パレット10の側面10aに接触している場合と同様に、はみ出し部21aが支持部22によって支持されるため、荷物の積載に支障が生じる程に下側に折れることが防止されている。
平パレット積載面積拡張材20の積載部21の厚さAは4〜80mmの範囲内であることが好ましく、8〜40mmの範囲内であることがより好ましい。積載部21の厚さAが4mm以上であれば、積載部21の強度および衝撃緩和性を高めることができ、80mm以下であれば、平パレット積載面積拡張材20を保管するスペースを小さくできる。
はみ出し部21aの幅Bは10〜300mmの範囲内であることが好ましく、20〜150mmであることがより好ましい。はみ出し部21aの幅Bが10mm以上であれば、積載部21の積載面の面積を実質的に拡張でき、300mm以下であれば、はみ出し部21aがより折れ曲がりにくくなる。
支持部22とはみ出し部21aの合計の厚さは10〜300mmの範囲内であることが好ましく、30〜150mmであることがより好ましい。支持部22とはみ出し部21aの合計の厚さが10mm以上であれば、荷物が積載された際にはみ出し部21aが折れにくく、300mm以下であれば、平パレット積載面積拡張材20を平パレットに容易に取り付けることができる。
一方、支持部22の側面22aが平パレット10の側面10aに接する程度に、側面22a,22a間を設定すると、平パレット積載面積拡張材20の取り付けの際に正確な位置あわせが必要になる。すなわち、平パレット積載面積拡張材20の取り付けを容易にするという観点では、支持部22の側面22aは平パレット10の側面10aからある程度離れていることが好ましい。
具体的に支持部22の厚さCが50mmの場合、はみ出し部21aの折れ曲がりを防止するという観点では、支持部22の側面22aが平パレット10の側面10aから好ましくは20mm以下の距離に配置されるように、より好ましくは5mm以下の距離に配置されるように、さらに好ましくは平パレット10の側面10aに接触するように、側面22a,22a間の長さを設定する。
パレットユニット1において、平パレット積載面積拡張材20の積載面には、積載部21に載せる荷物が位置ずれしないように固定するための荷物固定部を設けてもよい。荷物固定部としては、例えば、図5に示すような、積載部21の第1の辺21cの周縁および第2の辺21dの周縁にて上方に向かって突出した荷物固定部30a、図6に示すような、ロール体の下部が嵌るような曲面状の凹部31が形成された荷物固定部30bなどが挙げられる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
本発明の平パレット積載面積拡張材においては、支持部22が、はみ出し部21aの幅方向(積載部21の幅方向に対して垂直な方向)の一部に設けられていてもよいし、長さ方向(積載部21の幅方向に対して平行な方向)の一部に設けられていてもよい。
例えば、図7に示すように、支持部22が、はみ出し部21aの下面21bの、平パレット10側の部分に配置されていてもよい。
また、第1の辺21c側の周縁または第2の辺21d側の周縁において、支持部22がはみ出し部21aの長さ方向の一端から他端に向かって断続的に配置されていてもよい。
また、第1の辺21c側の周縁または第2の辺21d側の周縁において、支持部22がはみ出し部21aの長さ方向の中央付近に配置されていてもよい。
また、はみ出し部21aは、図9に示すように、積載部21の下面21bの第1の辺21c側の周縁と、第3の辺21e側の周縁とに配置されていてもよい。
また、はみ出し部21aは、図10に示すように、積載部21の下面21bの第1の辺21c側の周縁と、第3の辺21e側の周縁と、第4の辺21f側の周縁とに配置されていてもよい。
また、はみ出し部21aは、図11に示すように、積載部21の下面21bの第1の辺21c側の周縁と、第2の辺21d側の周縁と、第3の辺21e側の周縁と、第4の辺21f側の周縁とに配置されていてもよい。
また、はみ出し部21aは、図12に示すように、積載部21の下面21bの、長さ方向の一方の端部側の周縁(第1の辺21c側の周縁または第2の辺21d側の周縁)に配置されていてもよい(図12に示す例では、第1の辺21c側の周縁に配置されている。)。また、はみ出し部21aは、図13に示すように、積載部21の下面21bの、幅方向の一方の端部側の周縁(第3の辺21e側の周縁または第4の辺21f側の周縁)に配置されていてもよい(図13に示す例では、第3の辺21e側の周縁に配置されている。)。
はみ出し部21aが、図8〜13に示す形態の場合にも、はみ出し部21aの折れ曲がりをより防止できることから、はみ出し部21aの全部に支持部22が設けられていることが好ましい。
10 平パレット
10a 側面
11 上面デッキ部
11a 下面
11b 矩形状平板
11c 積載面
12 桁部
20 平パレット積載面積拡張材
21 積載部
21a はみ出し部
21b 下面
21c 第1の辺
21d 第2の辺
21e 第3の辺
21f 第4の辺
22 支持部
22a 側面
30a,30b 荷物固定部
Claims (6)
- 平パレットの上部に着脱可能に取り付けられて使用される平パレット積載面積拡張材であって、
平パレットの上面よりも面積が大きい一枚の平板状かつ矩形状の積載部と、該積載部の平パレットからはみ出る部分の下側に設けられた支持部とを有し、該支持部は、平パレットの側面に接触する面、または平パレットの側面に近接対向し、前記はみ出る部分の撓みにより平パレットの側面に接触可能な面を備え、
平パレットの上部に取り付けた際に、前記支持部が平パレットの底面と同一平面に接触しないように構成されたことを特徴とする平パレット積載面積拡張材。 - 支持部は、積載部の下面の、一辺側の周縁の少なくとも一部と、前記一辺に対向する他の一辺側の周縁の少なくとも一部とに配置されている請求項1に記載の平パレット積載面積拡張材。
- 紙により形成されている請求項1または2に記載の平パレット積載面積拡張材。
- 段ボールにより形成されている請求項3に記載の平パレット積載面積拡張材。
- 積載部の平パレットからはみ出る部分の幅が10〜300mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の平パレット積載面積拡張材。
- 平パレットと、請求項1〜5のいずれか一項に記載の平パレット積載面積拡張材とを備えることを特徴とするパレットユニット。
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