JP5341056B2 - 半導体受光素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体受光素子の製造方法に関し、特に、暗電流および劣化を抑制するための技術に関する。
従来の半導体受光素子において、メサ型受光素子は、作製の容易さからしばしば用いられている。
例えば、従来のメサ型フォトダイオード(以下フォトダイオードはPDと称す)は、表面側のp型半導体層から、i型光吸収層を含んで、基板側のn型半導体層まで、受光部外周を除去することにより、メサ型構造としている。さらに、これを第一のメサ形状とし、光吸収層中の空乏領域が第一のメサ表面に露出しないように、p型半導体層のメサ径と光吸収層の上部のメサ径とを、光吸収層本体のメサ径より小さく除去して、第二のメサ形状を形成し、暗電流および素子容量を減少させている(例えば特許文献1)。なお、このようなPDにおいては、導電型をp型とn型とで入れ替えても同様に動作することは明らかである。
また、メサ型アバランシェフォトダイオード(以下アバランシェフォトダイオードはAPDと称す)においては、表面側のn型半導体層から、光吸収層を含んで、光吸収層の下部のアバランシェ増倍層のpn接合面まで、受光部外周を傾斜を与えて除去することにより、アバランシェ増倍層が光吸収層より広い傾斜型順メサ構造としている(例えば非特許文献1)。また、このようなAPDにおいて、特許文献1のPDと同様に、n型半導体層のメサ径を光吸収層のメサ径より小さくして第二のメサ形状を設けても、暗電流および素子容量を減少させられることは明らかである。また、導電型をp型とn型とで入れ替えても同様に動作することは明らかである。なお、APDとしては、アバランシェ増倍層は、光吸収層から注入されるキャリアすなわち電子あるいはホール、のイオン化率が他方より高いことが好ましく、アバランシェ増倍層が光吸収層より上部に設けられた場合は、アバランシェ増倍層側を広くするため、傾斜型逆メサ構造となる。
また、プレーナ型受光素子は、高い安定性からしばしば用いられている。例えば、従来の疑似プレーナ型受光素子では、表面側のp型半導体層の受光部を溝によって分離、あるいは受光部外周を除去したプレーナ型構造としている(例えば特許文献2)。
特開平4−332178号公報 国際公開第2005/009087号パンフレット
米津宏雄、「光通信素子工学」、工学図書、昭和59年、p.398(図7.6),p.419(図7.18)
このような半導体受光素子にあっては、半導体結晶成長時に、表面側の導電型半導体層に導電性を与えるドーパントが光吸収層に熱拡散し、光吸収層にも導電性を与える。光吸収層に拡散してきた導電領域があると光吸収層に生じる空乏領域が拡がるため、空乏領域が全く第一のメサ表面に露出しないようにするために、光吸収層に拡散してきた導電領域も除去しなければならなかった。その結果、第二のメサ形状側面には空乏領域が露出し、暗電流が大きくなるという問題点があった。
さらに、バンドギャップの小さい光吸収層において、第一のメサ側面および第二のメサ上面において空乏領域が露出するので、露出部から素子劣化がすすみ、信頼性が得られないという問題点があった。特に、高電界が発生するAPDにあっては、メサ界面からの劣化がより顕著になるという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、暗電流および劣化を抑制可能な半導体受光素子の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る半導体受光素子の製造方法は、第1導電型半導体基板を用意する工程と、第1導電型半導体基板上に、第1導電型層、アバランシェ増倍層、光吸収層、拡散バッファ層、および第2導電型層をこの順に含んだ半導体層を形成する工程と、前記拡散バッファ層および前記第2導電型層において、外周の一部または全部を除去することにより内周を受光部として残す第2導電型層除去工程とを備える。
ここで、前記第1導電型層は、バッファ層であり、前記拡散バッファ層は、前記光吸収層への第2の導電型キャリアの拡散を緩和するためのアンドープ層であり、前記第2導電型層は、窓層である。
本発明で作成された半導体受光素子は、アンドープ層である拡散バッファ層を備えることにより、光吸収層における空乏領域が外部に露出しないようにできる。従って、暗電流および劣化を抑制することができる。
参考例1に係るメサ型PDを示す断面図である。 参考例2に係るメサ型PDを示す断面図である。 参考例3に係るメサ型APDを示す断面図である。 比較用のメサ型APDを示す断面図である。 実施の形態に係る疑似プレーナー型APDを示す断面図である。 比較用の疑似プレーナー型APDを示す断面図である。
参考例1>
図1は、参考例1に係るメサ型PDを示す断面図である。以下、第一導電型をn型、第二導電型をp型として、図1のメサ型PDの作製方法について説明する。
まず、n型InP基板1(第1導電型基板)上に、各種の結晶成長法によって、n型InPバッファ層2(第1導電型層)、アンドープGaInAs光吸収層3(光吸収層)、アンドープInP拡散バッファ層4(拡散バッファ層)、およびp型InP窓層5(第2導電型層)からなる半導体結晶(半導体層)を順に成長させた。
ここで、半導体結晶の成長法としては、液相成長法(Liquid Phase Epitaxy:LPE)、気相成長法(Vapor Phase Epitaxy:VPE)、特に有機金属気相成長法(Metal Organic VPE:MO−VPE)、分子線エピタキシー成長法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)などが用いられる。
また、第III−V族半導体結晶に導電性を与えるためには、p導電型ドーパントとして、Be、Mg、Zn、Cdなどの第II族原子が、n導電型ドーパントとして、S、Se、Teなどの第VI族原子が、それぞれ用いられ、半導体結晶によりいずれかの導電型のドーパントとして働く両性不純物として、C、Si、Ge、Snなどの第IV族原子が用いられる。また、Fe、Ruなどの第VIII族原子やTiなどは、導電性を抑えSI(Semi-Insulating)型となる絶縁型ドーパントとして働く。
上記のいずれの成長方法においても、半導体結晶は各成長方法における溶融、熱分解反応、解離吸着反応等が生じる極めて高温に加熱されているため、ドーパントは熱拡散によって所望の領域から拡がる。例えば1018cm-3程度のZnは、630℃程度で3×10-13cm2/sの拡散係数を有し、高濃度・高温になるほどより拡散係数は大きくなり広範囲に拡がる。ドーパントを添加しないアンドープ半導体結晶の場合、導電性を有しない真性(intrinsic)半導体を表すi型(絶縁型)と称されるが、現実には1016cm-3以下のキャリア濃度を有するp型あるいはn型半導体となる。
ここで、アンドープInP拡散バッファ層4の層厚は、p型InP窓層5から拡散するp型ドーパントのキャリア濃度が、アンドープGaInAs光吸収層3において、1017cm-3以下、より好ましくはアンドープレベルと等しい1016cm-3以下まで減少するように設定する。
すなわち、アンドープInP拡散バッファ層4は、p型InP窓層5からアンドープGaInAs光吸収層3への第2導電型キャリアの拡散を緩和するために設けられた層であり、アンドープGaInAs光吸収層3よりバンドギャップが大きいものとする。
次に、以下で説明するように、半導体結晶に対し、リソグラフィー技術によってマスクを形成し、エッチング、蒸着等の処理を施すことにより、メサ型PDを作製した。
参考例では、まず、p型InP窓層5からn型InPバッファ層2まで、選択エッチング性の低いBr系エッチャントによって傾斜型順メサ形状に除去して第一のメサを形成した。
次に、p型InP窓層5からアンドープInP拡散バッファ層4の途中までドライエッチングにより精密に除去し、第一のメサより径が小さい第二のメサを形成した。
次に、SiNx保護層6を成膜した後、このSiNx保護層6を、素子端と受光部周辺(p型InP窓層5上)とにおいてリング状に除去し、p側電極7を形成した。
次に、n型InP基板1を研削、エッチングにより薄くし、n側電極8を形成した後、半導体・金属間(すなわち、p型InP窓層5・p側電極7間およびn型InP基板1・n側電極8間)をオーミック接触させるためにシンター処理を行った。
最後に、n型InP基板1をへき開分離することにより、0.2mm〜0.3mm角のPDを作製した。
参考例に係る構成によれば、図1に示されるように、第一および第二のメサで、空乏領域(ハッチングされた部分)が外部(メサ界面)に露出するのは、アンドープGaInAs光吸収層3においてではなく、よりバンドギャップの大きいアンドープInP拡散バッファ層4において(第二のメサ側面)である。ここで、図1はアンドープGaInAs光吸収層3がn型の場合に対応しており、前記構成と異なり図示しない構成では、アンドープGaInAs光吸収層3がp型の場合に対応している。メサ界面では格子構造が著しく変化しているため、メサ界面に空乏領域が露出した場合、暗電流や劣化が生じやすく、これらは、半導体結晶のバンドギャップが小さいほど著しい。従って、アンドープGaInAs光吸収層3において空乏領域が露出せずよりバンドギャップの大きいアンドープInP拡散バッファ層4においてのみ空乏領域が露出するようにすることで、暗電流および劣化を抑制することができ、長期安定性に優れたPDを実現できる。
なお、アンドープInP拡散バッファ層4は、アンドープに限らず、意図的にドープしたp型、n型、SI型であってもよく、p型の場合はキャリア濃度がp型InP窓層5以下(1017cm-3以下)、より好ましくはアンドープレベルと等しい1016cm-3以下であれば同様の効果が得られる。また、n型あるいはSI型の場合は、拡散してくるp型ドーパントと打ち消しあうので、アンドープInP拡散バッファ層4の層厚をより薄くすることができる。その結果、キャリア走行時間を短くできるので、より高速応答可能なPDが得られるという効果を奏する。ここで、n型あるいはSI型のキャリア濃度は、拡散してくるp型ドーパントと同程度であれば良く、少なくともn型となる1015cm-3以上、より好ましくはアンドープレベルと等しい1016cm-3以上、さらに好ましくは、拡散してくるp型ドーパントと対抗するために1017cm-3以上とすることが好ましい。
また、アンドープInP拡散バッファ層4は、単層に限らず、複数層としてもよく、層毎に導電型、キャリア濃度を変化させて設定してもよい。また、上述したように、アンドープInP拡散バッファ層4はアンドープGaInAs光吸収層3よりバンドギャップが大きいが、アンドープInP拡散バッファ層4の各層において、アンドープGaInAs光吸収層3から離れるにつれて徐々にバンドギャップが大きくなるように結晶組成を順次変化させることにより、アンドープGaInAs光吸収層3より流れてくるキャリアのヘテロ界面における停滞を抑制してもよい。これにより、高出力、高速動作といった効果が得られる。本参考例ではキャリアとしてホールが流れてくるので、価電子帯のギャップを小さくすればよく、例えば、アンドープGaInAs光吸収層3側からp型InP窓層5側へ向かって、GaInAsからGaxIn1−xAsyInP1−yを経由してInPとなるよう組成変化させれば実現できる。なお、本明細書においては、組成の記載を簡略化しているが、第III族原子と第V族原子とは1:1の比率となる。すなわち、InPはIn0.5P0.5であり、InPと結晶の格子定数が一致するGaInAsはGa0.47In0.53As1.0である。従って、GaAsとInAsとInPとの混晶であるGaxIn1−xAsyInP1−yにおいて、InPは、x=0およびy=0に対応しており、InPと格子整合するGaInAsは、任意のx、yをとれずGa=0.47、As=1となる。
また、第二のメサを形成した後、意図的にp型ドーパントを拡散させてもよい。例えば450℃から700℃まで、ここではおよそ500℃に加熱し、p型InP窓層5からアンドープInP拡散バッファ層4へp型ドーパントを拡散させた。この場合、第二のメサ内からp型ドーパントが拡散するので、アンドープInP拡散バッファ層4はp型化されるが、拡散領域は第二のメサ径とほぼ等しく、大きく拡がらない。従って、暗電流特性や信頼性を損なうことなく、キャリア走行距離を短くできるので、より高速応答が実現できる。
参考例2>
図2は、本参考例2に係るメサ型PDを示す断面図である。図2は、それぞれ、図1において、アンドープInP拡散バッファ層4に代えてアンドープAlInAs拡散バッファ層4aを配置するとともに、アンドープGaInAs光吸収層3とアンドープAlInAs拡散バッファ層4aとの間にアンドープInP保護層9を配置し、さらに、p型InP窓層5上にp型GaInAsコンタクト層10を配置したものである。アンドープInP保護層9は、アンドープGaInAs光吸収層3をエッチングから保護するために設けられたものであり、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aとは組成が異なり、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aより径が大きく、また、アンドープInP拡散バッファ層4と同様に、アンドープGaInAs光吸収層3よりバンドギャップが大きいものとする。図2においては、図1に比較して、アンドープInP保護層9が設けられることにより、素子端周辺におけるアンドープGaInAs光吸収層3の形状が異なっている。
図2においては、図1と同様の部材には、それぞれ同様の符号が付されており、ここでの詳細な説明は省略する。以下、図2のメサ型PDの作製方法について説明する。
まず、参考例1と同様に、n型InP基板1上に、各種の結晶成長法によって、半導体結晶を順に成長させた。このとき、アンドープGaInAs光吸収層3の成長後かつアンドープAlInAs拡散バッファ層4aの成長前にアンドープInP保護層9を成長させるとともに、p型InP窓層5の成長後にp型GaInAsコンタクト層10を成長させた。
ここで、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aの層厚は、p型InP窓層5から拡散するp型ドーパントのキャリア濃度が、アンドープInP保護層9において、1017cm-3以下、より好ましくはアンドープレベルと等しい1016cm-3以下まで減少するように設定する。
次に、以下で説明するように、半導体結晶に対し、リソグラフィー技術によってマスクを形成し、エッチング、蒸着等の処理を施すことにより、メサ型PDを作製した。
参考例では、まず、p型GaInAsコンタクト層10を受光部周辺にリング状に形成した後に、p型InP窓層5からアンドープAlInAs拡散バッファ層4aまでメサ形状に除去して第二のメサを形成した。ここで、半導体結晶の層毎にエッチング速度が異なる選択エッチング技術を利用することにより、p型InP窓層5およびアンドープAlInAs拡散バッファ層4aはエッチング除去されるがアンドープInP保護層9はほとんどエッチングされず従って層厚が結晶成長時点とほとんど変わらないようにした。
次に、p型InP窓層5からn型InPバッファ層2まで、選択エッチング性の低いBr系エッチャントによって傾斜型順メサ形状に除去して第一のメサを形成した。
次に、SiNx保護層6を成膜した後、このSiNx保護層6を、素子端と受光部周辺(p型GaInAsコンタクト層10上)とにおいてリング状に除去し、p側電極7を形成した。
次に、参考例1と同様に、n型InP基板1を研削、エッチングにより薄くし、n側電極8を形成した後、半導体・金属間(すなわち、p型InP窓層5・p側電極7間およびn型InP基板1・n側電極8間)をオーミック接触させるためにシンター処理を行った。
最後に、参考例1と同様に、n型InP基板1をへき開分離することにより、0.2mm〜0.3mm角のPDを作製した。
参考例に係る構成によれば、図2に示されるように、選択エッチングによる目減りが少ないアンドープInP保護層9でアンドープGaInAs光吸収層3を保護することにより、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aを除去する際にアンドープGaInAs光吸収層3がエッチングされることを防いでいる。従って、参考例1に比較して、第一および第二のメサをより確実に形成できる。よって、参考例1に比較して、暗電流および劣化をさらに抑制したメサ型APDを容易に実現できる。
なお、アンドープInP保護層9は、アンドープInP拡散バッファ層4と同様に、参考例1で上述したように、導電型、キャリア濃度、組成を変化させることができる。すなわち、アンドープInP保護層9は、p型(キャリア濃度がp型InP窓層5以下)、n型、SI型であってもよく、また、アンドープGaInAs光吸収層3から離れるにつれて徐々にバンドギャップが大きくなるように結晶組成を順次変化してもよい。
参考例3>
参考例1〜2においては、メサ型PDについて説明したが、PDに限らず、アバランシェ増倍層を追加することにより、メサ型APDを構成してもよい。
図3は、本参考例3に係るメサ型APDを示す断面図である。図3は、図2において、n型InPバッファ層2とアンドープGaInAs光吸収層3との間にアンドープAlInAsアバランシェ増倍層11とp型InP電界緩和層12とを配置したものである。
図3においては、図2と同様の部材には、それぞれ同様の符号が付されており、ここでの詳細な説明は省略する。以下、図3のメサ型PDの作製方法について説明する。
まず、参考例2と同様に、n型InP基板1上に、各種の結晶成長法によって、半導体結晶を順に成長させた。このとき、n型InPバッファ層2の成長後かつアンドープGaInAs光吸収層3の成長前にアンドープAlInAsアバランシェ増倍層11とp型InP電界緩和層12とを順に成長させた。
そして、参考例2と同様の処理を行うことにより、APDを作製した。
このようなp型InP電界緩和層12を有するAPD構造は、SAM(Separate Absorption and Multiplication)構造に対し、SACM(Separate Absorption, Charge and Multiplication)構造あるいはLo-Hi-Lo構造として知られ,各層に効果的に電界強度を配分できるため,優れた特性を得ることができる。
参考例に係る構成によれば、図3に示されるように、第一および第二のメサで、空乏領域(ハッチングされた部分)が外部に露出するのは、アンドープGaInAs光吸収層3においてではなく、よりバンドギャップの大きいアンドープAlInAs拡散バッファ層4aにおいて(第二のメサ側面)である。従って、参考例1と同様に、暗電流および劣化を抑制することができ、長期安定性に優れたAPDを実現できる。
図4は、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aを有さないメサ型APDを比較用に示す断面図である。図4のAPDにおいては、第二のメサはp型InP窓層5まで除去することにより形成される。この場合、ドーパントは、p型InP窓層5からアンドープInP保護層9、さらにアンドープGaInAs光吸収層3まで拡散する。従って、図4に示されるように、アンドープGaInAs光吸収層3における空乏領域が拡がり、外部に露出してしまう。よって、暗電流および劣化が大きくなるという問題点が生じていた。あるいは、アンドープGaInAs光吸収層3における空乏領域が露出しないようにするために、第一のメサをより大きく(深く)する必要があるので、サイズが大きくなってしまうという問題点を生じていた。
参考例の構成によれば、サイズを大きくすることなく、暗電流および劣化を抑制することができ、長期安定性に優れたAPDを実現できる。また、素子容量を低減できるので、高速応答可能なAPDを実現できる。
<実施の形態>
参考例3においては、メサ型APDについて説明した。しかし、メサ型APDに限らず、疑似プレーナー型APDを構成してもよい。
図5は、本発明の実施の形態に係る疑似プレーナー型PDを示す断面図である。
図5においては、図3と同様の部材には、それぞれ同様の符号が付されており、ここでの詳細な説明は省略する。以下、図5のプレーナー型PDの作製方法について説明する。
まず、参考例3と同様に、n型InP基板1上に、各種の結晶成長法によって、半導体結晶を順に成長させた。
次に、以下で説明するように、半導体結晶に対し、リソグラフィー技術によってマスクを形成し、エッチング、蒸着等の処理を施すことにより、疑似プレーナー型APDを作製した。
本実施の形態では、まず、選択エッチング技術を利用して、p型InP窓層5からアンドープInP保護層9へ達するリング状の溝を形成することにより、受光部を分離形成した。
次に、p型GaInAsコンタクト層10を、受光部周辺にリング状に形成した。
次に、SiNx保護層6を成膜した後、このSiNx保護層6を、素子端と受光部周辺(p型GaInAsコンタクト層10上)とにおいてリング状に除去し、p側電極7を形成した。
次に、参考例2〜3と同様に、n型InP基板1を研削、エッチングにより薄くし、n側電極8を形成した後、半導体・金属間(すなわち、p型InP窓層5・p側電極7間およびn型InP基板1・n側電極8間)をオーミック接触させるためにシンター処理を行った。
最後に、参考例2〜3と同様に、n型InP基板1をへき開分離することにより、0.2mm〜0.3mm角のAPDを作製した。
図6は、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aを有さない疑似プレーナー型APDを比較用に示す断面図である。図6のAPDにおいては、ドーパントは、p型InP窓層5から、アンドープGaInAs光吸収層3(あるいはアンドープInP保護層9)まで拡散し、アンドープGaInAs光吸収層3にp型導電性を与える。従って、図6に示されるように、アンドープGaInAs光吸収層3における空乏領域が拡がってしまう。
本実施の形態に係る構成によれば、図5に示されるように、アンドープAlInAs拡散バッファ層4aを設けることにより、アンドープGaInAs光吸収層3における空乏領域を、外部に露出させることなく、且つ、さらに狭くすることができる。従って、暗電流および劣化を抑制することができ、長期安定性に優れたAPDを実現できる。また、素子容量を低減できるので、高速応答可能なAPDを実現できる。
なお、上述においては、p型InP窓層5およびアンドープAlInAs拡散バッファ層4aにおいてリング状の溝を形成することにより受光部を分離形成する場合について説明した。しかし、これに限らず、受光部は、あるいは、この溝の外側全てにおいてもp型InP窓層5およびアンドープAlInAs拡散バッファ層4aを除去することにより形成されてもよい。すなわち、p型InP窓層5およびアンドープAlInAs拡散バッファ層4aにおいて内周を受光部として形成する際には、外周は、一部のみが除去されてもよく、あるいは全部が除去されてもよい。また、受光部を形成した後に、参考例1と同様に、熱処理を行うことにより、p型InP窓層5からアンドープAlInAs拡散バッファ層4aへ意図的にp型ドーパントを拡散させてもよい。
また、従来と同様に(例えば特許文献2)、へき開分離した側面、あるいはp型InP窓層5を取り囲むようにGaInAs光吸収層下までとまり穴を設けてその側面に対しエッチングを行い、GaInAs光吸収層を僅かに除去することによって、暗電流を低減させることも可能である。
また、上述においては、アンドープAlInAsアバランシェ増倍層11とp型InP電界緩和層12とを備えた疑似プレーナー型APDについて説明したが、APDに限らず、アンドープAlInAsアバランシェ増倍層11とp型InP電界緩和層12とを省略することにより、疑似プレーナー型PDを構成してもよい。
以上、3つの参考例と一つの実施の形態によって、メサ型、プレーナ型、PD、APDといった半導体受光素子について説明したが、それぞれの半導体受光素子に特有の要素を除き、一つの参考例や一つの実施の形態にあらわれた層構成、各層の厚み、キャリア濃度や制作方法等は、他の参考例や実施の形態の半導体受光素子にも共通して適用でき、同等の効果が得られることは明らかである。
1 n型InP基板、2 n型InPバッファ層、3 アンドープGaInAs光吸収層、4 アンドープInP拡散バッファ層、4a アンドープAlInAs拡散バッファ層、5 p型InP窓層、6 SiNx保護層、7 p側電極、8 n側電極、9 アンドープInP保護層、10 p型GaInAsコンタクト層、11 アンドープAlInAsアバランシェ増倍層、12 p型InP電界緩和層。

Claims (2)

  1. 第1導電型半導体基板を用意する工程と、
    第1導電型半導体基板上に、第1導電型層、アバランシェ増倍層、光吸収層、拡散バッファ層、および第2導電型層をこの順に含んだ半導体層を形成する工程と、
    前記拡散バッファ層および前記第2導電型層において、外周の一部または全部を除去することにより内周を受光部として残す第2導電型層除去工程と、
    を備え、
    前記第1導電型層は、
    バッファ層であり、
    前記拡散バッファ層は、
    前記光吸収層への第2の導電型キャリアの拡散を緩和するためのアンドープ層であり、
    前記第2導電型層は、
    窓層である、
    半導体受光素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体受光素子の製造方法であって、
    前記第2導電型層除去工程の後に、熱処理を行う工程
    をさらに備える半導体受光素子の製造方法。
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