JP5340873B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
従来より、自動車等の車両においては、原動機と変速機との間で回転伝達(トルク伝達)を行う動力伝達装置が搭載されている。こうした動力伝達装置には、同一の軸線上に配置されて同軸線を中心に回転する入力軸及び出力軸が設けられ、それら入力軸と出力軸との間での回転伝達を行う流体継手及びロックアップクラッチが上記軸線延びる方向に並列に設けられている。
上記流体継手は、入力軸と一体回転するポンプインペラ、及び出力軸と一体回転するタービンランナを備え、それらポンプインペラとタービンランナとの間に存在する作動油を介してポンプインペラとタービンランナとの間での回転伝達を行い、それによって入力軸と出力軸との間での回転伝達を行うものである。また、上記ロックアップクラッチは、出力軸と一体回転するクラッチプレートを入力軸に対し摩擦力を利用して機械的に連結することにより同クラッチを介しての入力軸と出力軸との間での回転伝達を行い、上記連結を解除することにより同クラッチを介しての入力軸と出力軸との間での回転伝達を禁止するものである。
また、動力伝達装置において、ロックアップクラッチのクラッチプレートを入力軸に対し機械的に連結する際、駆動側の軸のトルク変動が回転変動として従動側の軸に伝達されることを抑制して滑らかな回転伝達を図ることが要望されている。そして、このような要望を実現するため、上記クラッチプレートと出力軸とをダンパ装置を介して一定回転可能に連結することが知られている。具体的には、例えば特許文献1に示されるように、第1ダンパ装置と第2ダンパ装置とを設けることが考えられる。
上記第1ダンパ装置には、入力軸からの回転伝達を受けて上記軸線を中心に回転するドライブプレートと、そのドライブプレートと上記軸線を中心とする同一円周上に位置して同軸線を中心に回転することにより出力軸に回転を伝達するドリブンプレートとが設けられている。そして、上記のように同一の円周上に位置するドライブプレートとドリブンプレートとの間には、それらプレートの回転方向に伸縮可能とされたコイルスプリングが、その伸縮方向の一端部及び他端部をそれぞれドライブプレート及びドリブンプレートに当接させた状態で設けられている。なお、同コイルスプリングは、ドライブプレート及びドリブンプレートによって形成された保持部に、それらプレートの回転方向に伸縮可能に収容されている。
また、上記第2ダンパ装置には、第1ダンパ装置のドライブプレートと一体回転する駆動部材と、上記軸線を中心に回転することにより流体継手のタービンランナを介して出力軸への回転伝達を行う従動部材と、それら各部材の回転方向に伸縮可能であって各部材の相対回転位相の変化に伴い伸縮するコイルスプリングとが設けられている。なお、同コイルスプリングは、駆動部材に取り付けられた保持部材により、駆動部材及び従動部材の回転方向に伸縮可能な状態で保持されている。
そして、第1ダンパ装置及び第2ダンパ装置の組み込まれた動力伝達装置において、ロックアップクラッチを介して例えば入力軸から出力軸に回転を伝達する際に入力軸にトルク変動が生じると、その入力軸からの回転伝達を受ける第1ダンパ装置のドライブプレート、及び同プレートと一体回転する第2ダンパ装置の駆動部材に回転変動が生じる。その結果、第1ダンパ装置におけるドライブプレートのドリブンプレートに対する相対回転位相が変動するとともに、第2ダンパ装置における駆動部材の従動部材に対する相対回転位相が変動する。上記のように第1ダンパ装置におけるドライブプレートのドリブンプレートに対する相対回転位相が変動すると、その変動に合わせて第1ダンパ装置のコイルスプリングが伸縮する。また、上記のように第2ダンパ装置における駆動部材の従動部材に対する相対回転位相が変動すると、その変動に合わせて第2ダンパ装置のコイルスプリングが伸縮する。こうした第1ダンパ装置及び第2ダンパ装置のコイルスプリングの伸縮により、ドライブプレート及び駆動部材の回転変動がドリブンプレート及び従動部材に伝達されることは抑制され、ひいては同回転変動が出力軸に伝達されることが抑制される。
なお、動力伝達装置において、第1ダンパ装置に加えて第2ダンパ装置を設けるのは、入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクが大きくなる場合に、ダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行えるようにするためである。
仮に、動力伝達装置に第1ダンパ装置のみを設けた場合、入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクが大きくなると、同ダンパ装置のコイルスプリングが圧縮しきってしまい、上記ダンパ装置によるトルク変動の吸収を行えなくなるおそれがある。こうしたことの対策として、上記コイルスプリングの伸縮方向長さを長くして同スプリングの伸縮幅を大きくとること、言い換えればドライブプレート及びドリブンプレートの回転方向についての同スプリングの変位角度(捻れ角)を大きくできるようにすることも考えられるが、コイルスプリングの伸縮方向長さを長くすることには限界がある。
この点、第1ダンパ装置に加えて第2ダンパ装置を設けるようにすれば、入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクを、第1ダンパ装置のコイルスプリングだけでなく、第2ダンパ装置のコイルスプリングでも受けることができるようになる。このため、一つのコイルスプリングの受けるトルクを小さく抑えることができ、入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクが大きい場合にコイルスプリングが圧縮しきってしまうことを抑制でき、上記ダンパ装置によるトルク変動の吸収を行えなくなることを抑制できる。
ちなみに、特許文献1においては、第2ダンパ装置がクラッチプレートの外周縁とタービンランナの外周縁との間という他の部品の設置に利用しにくいスペース(デッドスペース)に設けられている。そして、このように第2ダンパ装置を動力伝達装置に設けることにより、同第2ダンパ装置の設置による動力伝達装置全体の大型化が抑制されている。
特開2004−270808公報(図1、図2、段落[0032]〜[0034])
特許文献1に示されるように、動力伝達装置に第2ダンパ装置を設けることで、動力伝達装置の大型化を抑制しつつ、入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクが大きくなる場合にダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行えるようにはなる。しかし、動力伝達装置に第2ダンパ装置を追加する分だけ、動力伝達装置の部品点数が増加すること、及びそれによる組み立て工数の増加に伴い組み立て作業が煩雑化することは避けられない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクが大きくなる場合にダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行いつつ、部品点数の増加を抑制することのできる動力伝達装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、同一の軸線上に配置される入力軸と出力軸との間での回転伝達を行う流体継手及びロックアップクラッチが並列に設けられ、前記入力軸と前記出力軸との間で前記ロックアップクラッチを介して回転伝達を行う第1ダンパ装置及び第2ダンパ装置が設けられる動力伝達装置において、前記第1ダンパ装置は、前記ロックアップクラッチのクラッチプレートからの回転伝達を受けることにより前記軸線を中心に回転するドライブプレートと、該ドライブプレートの回転軌道と同一円周上に設けられて前記軸線を中心に回転することにより前記出力軸への回転伝達を行うドリブンプレートと、前記ドライブプレート及び前記ドリブンプレートによって形成される第1保持部に収容されてそれらプレートの相対回転位相の変化に伴い伸縮する第1コイルスプリングとを備え、前記第2ダンパ装置は、前記第1ダンパ装置の前記ドライブプレートと一体回転する駆動部材と、前記軸線を中心に回転することにより前記流体継手のタービンランナを介して前記出力軸への回転伝達を行う従動部材と、それら各部材の回転方向に伸縮可能であって各部材の相対回転位相の変化に伴い伸縮する第2コイルスプリングとを備え、前記第2ダンパ装置の第2コイルスプリングは、前記駆動部材と前記第1ダンパ装置のドライブプレートとを利用して形成された第2保持部に収容されていることを要旨とした。
上記構成によれば、第1ダンパ装置に加えて第2ダンパ装置が動力伝達装置に設けられるため、動力伝達装置の入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクが大きくなる場合に、ダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行うことができるようになる。また、第2ダンパ装置の第2コイルスプリングを収容して保持するための第2保持部が、第2ダンパ装置の駆動部材と第1ダンパ装置のドライブプレートとを利用して形成されているため、その第2保持部を形成するための専用の部品を省略することができ、その分だけ第2ダンパ装置の部品点数が少なくなる。これにより、第2ダンパ装置を設けることによる動力伝達装置の部品点数の増加を抑制することができる。また、第2ダンパ装置に第2コイルスプリングを収容して保持する第2保持部を形成するための専用の部品を設けなくてもよいため、その分だけ第2ダンパ装置をコンパクト化することもできる。
また、請求項1記載の発明では、前記第1ダンパ装置は、その第1コイルスプリングが内周寄り及び外周寄りにそれぞれ設けられており、前記第2ダンパ装置は、前記クラッチプレートの外周縁と前記タービンランナの外周縁との間に設けられるものであり、前記第2ダンパ装置の第2保持部は、板状に形成された前記駆動部材を湾曲させることにより、その駆動部材の内周面と前記第1ダンパ装置のドライブプレートの外周縁の厚さ方向の側面との間に形成されるものであることを要旨とした。
上記構成によれば、第1ダンパ装置には内周寄りに位置する第1コイルスプリングと外周寄りに位置する第1コイルスプリングとが設けられるため、第1ダンパ装置のドライブプレートについては入力軸及び出力軸の軸線と直交する方向についての長さが長くなる傾向がある。このため、第1ダンパ装置におけるドライブプレートの外周縁がクラッチプレートの外周縁の近傍に位置するようになり、そのドライブプレートの外周縁の厚さ方向の側面を利用して第2ダンパ装置の第2コイルスプリングを収容して保持する第2保持部が形成される。詳しくは、第2ダンパ装置における板状の駆動部材を湾曲させ、その駆動部材の内周面と上記ドライブプレートの外周縁の厚さ方向の側面とにより、それらの間に第2ダンパ装置の上記第2保持部が形成される。このように第2ダンパ装置における板状の駆動部材を湾曲させるだけで、その駆動部材の内周面と上記ドライブプレートの側面との間に上記第2保持部を形成することができ、その第2保持部の形成を簡素な構造で実現することができる。
本実施形態の動力伝達装置を示す断面図。 第1ダンパ装置の内部構造を示す一部破断正面図。 図2の第1ダンパ装置を矢印A−A方向から見た断面図。 図2の第1ダンパ装置及び第2ダンパ装置を矢印B−B方向から見た断面図。 (a)は第2ダンパ装置の正面図であり、(b)は(a)の第2ダンパ装置を矢印C−C方向から見た断面図である。 ロックアップ状態にある動力伝達装置の入力軸と出力軸との間で伝達されるトルクの大きさと、その入力軸の出力軸に対する捩れ角との関係を示したグラフ。
以下、本発明を自動車のエンジンと変速機との間での回転伝達(トルク伝達)を行う動力伝達装置に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示される動力伝達装置においては、円筒状のインペラハブ1の外周面に固定されたポンプインペラ2がエンジンのクランクシャフトと一体回転するフロントカバー3に対し固定されている。そして、上記フロントカバー3、ポンプインペラ2、及びインペラハブ1は、エンジンにおけるクランクシャフトの回転に伴い軸線Lを中心として一方向に回転するものであって、それらが動力伝達装置における入力軸の役割を担っている。また、動力伝達装置におけるフロントカバー3及びポンプインペラ2の内部には作動油を満たした流体室4が形成されており、同流体室4内には上記インペラハブ1と同一の軸線L上に位置して変速機と連結される円筒状のタービンハブ5が動力伝達装置の出力軸として設けられている。
タービンハブ5の外周面には上記ポンプインペラ2と対向するタービンランナ6が固定されており、それらポンプインペラ2とタービンランナ6との間にはステータ7が配設されている。ステータ7は、ワンウェイクラッチ8により、上記軸線Lを中心としてポンプインペラ2の回転方向と同方向のみに回転可能となっている。そして、これらポンプインペラ2、タービンランナ6、及びステータ7等により、動力伝達装置の入力側(エンジン側)と出力側(変速機側)との間でのトルクの伝達を行うトルクコンバータが構成されている。同トルクコンバータにおいては、ポンプインペラ2とタービンランナ6との間に存在する作動油により両者の間でのトルク伝達が行われ、そのトルク伝達に伴いポンプインペラ2側(エンジン側)からタービンランナ6側(変速機側)への回転の伝達が行われる。このようにポンプインペラ2からタービンランナ6への回転伝達が行われると、タービンハブ5が軸線Lを中心に回転するようになる。
流体室4内におけるフロントカバー3の近傍には、動力伝達装置の入力側であるフロントカバー3と同装置の出力側であるタービンハブ5とを機械的に連結するためのロックアップクラッチ9が設けられている。ロックアップクラッチ9は、フロントカバー3の内壁と平行に配置されるクラッチプレート10と、そのクラッチプレート10のフロントカバー3側の面に固着された摩擦材11とを備えている。上記クラッチプレート10は、タービンハブ5の外周面に対し、その周方向について軸線Lを中心に相対回転可能、且つ軸線Lの延びる方向について相対移動可能に支持されている。そして、クラッチプレート10とタービンハブ5とは、それらの間でのトルク伝達を行いつつ駆動側でのトルク変動の従動側への伝達を抑制する第1ダンパ装置20、及び同装置20に固定された第2ダンパ装置40により、一体回転可能に連結されている。上記第1ダンパ装置20は、クラッチプレート10に対し軸線Lの延びる方向について相対移動可能に且つ軸線Lを中心とする回転方向についての相対回転不能に連結されるとともに、タービンハブ5に対し軸線Lを中心に一体回転可能となるよう固定されている。
上記ロックアップクラッチ9においては、クラッチプレート10とタービンランナ6との間の部分の油圧と、クラッチプレート10とフロントカバー3との間の部分の油圧との差圧に基づく力により、クラッチプレート10がフロントカバー3に対し接近または離間される。なお、上記差圧は、クラッチプレート10とタービンランナ6との間の部分への作動油の供給と、クラッチプレート10とフロントカバー3との間の部分への作動油の供給とを、油圧回路により選択的に行うことによって調整される。そして、クラッチプレート10をフロントカバー3に対し接近させ、同プレート10の摩擦材11をフロントカバー3に押し付けると、摩擦材11とフロントカバー3との間の摩擦力によりフロントカバー3とクラッチプレート10とが機械的に連結される。一方、クラッチプレート10をフロントカバー3に対し離間させ、同プレート10の摩擦材11をフロントカバー3から離れた状態とすると、フロントカバー3とクラッチプレート10との間の上記機械的な連結が解除される。
フロントカバー3とタービンハブ5との上記ロックアップクラッチ9による機械的な連結が解除されているときには、フロントカバー3からタービンハブ5へのトルク伝達が上記トルクコンバータを介して行われ、そのトルク伝達に伴ってフロントカバー3の回転がタービンハブ5に伝達される。また、上記ロックアップクラッチ9によりフロントカバー3とタービンハブ5とが機械的に連結されるとき及び同連結中には、フロントカバー3からタービンハブ5へのトルク伝達が上記ロックアップクラッチ9及びダンパ装置20,40等を介して直接的に行われ、そのトルク伝達に伴ってフロントカバー3の回転がタービンハブ5に伝達される。そして、ロックアップクラッチ9によりフロントカバー3とタービンハブ5とが機械的に連結されるとき及び同連結中においては、エンジン側と変速機側との間でのトルク変動の伝達が上記第1ダンパ装置20及び上記第2ダンパ装置40により抑制される。
次に、第1ダンパ装置20及び第2ダンパ装置40の詳細な構造について説明する。
第1ダンパ装置20は、クラッチプレート10に対し一体回転可能且つ上記軸線Lの延びる方向に移動可能に連結されることによりクラッチプレート10を介して入力軸(フロントカバー3等)からの回転伝達を受けて上記軸線Lを中心に回転するドライブプレート21を備えている。また、第1ダンパ装置20は、上記ドライブプレート21の回転軌道と略同一の円周上に位置した状態で出力軸(タービンハブ5)に固定されて上記軸線Lを中心に回転することによりタービンハブ5に回転を伝達するドリブンプレート22も備えている。そして、略同一の円周上に位置するドライブプレート21とドリブンプレート22とを同プレート21,22の回転方向に伸縮可能な第1コイルスプリング23で繋げば、クラッチプレート10の回転がドライブプレート21、上記第1コイルスプリング23、及びドリブンプレート22を介してタービンハブ5に伝達されるようになる。
また、第2ダンパ装置40は、第1ダンパ装置20のドライブプレート21と一体回転する駆動部材41と、上記軸線Lを中心に回転することによりトルクコンバータのタービンランナ6を介してタービンハブ5への回転伝達を行う従動部材42とを備えている。そして、それら各部材41,42を同各部材41,42の回転方向に伸縮可能な第2コイルスプリング45で繋げば、クラッチプレート10の回転がドライブプレート21、駆動部材41、上記第2コイルスプリング45、従動部材42、及びタービンランナ6を介してタービンハブ5に伝達されるようになる。
上記第1ダンパ装置20及び第2ダンパ装置40が設けられた動力伝達装置では、エンジン側でのトルク変動等に伴いドライブプレート21に回転変動が生じると、それに合わせて第2ダンパ装置40の駆動部材41にも回転変動が生じる。その結果、第1ダンパ装置20におけるドライブプレート21のドリブンプレート22に対する相対回転位相が変動するとともに、第2ダンパ装置40における駆動部材41の従動部材42に対する相対回転位相が変動する。上記のように第1ダンパ装置20におけるドライブプレート21のドリブンプレート22に対する相対回転位相が変動すると、その変動に合わせて第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23が伸縮する。また、上記のように第2ダンパ装置40における駆動部材41の従動部材42に対する相対回転位相が変動すると、その変動に合わせて第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45が伸縮する。こうした第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23及び第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45の伸縮により、ドライブプレート21及び駆動部材41の回転変動がドリブンプレート22及び従動部材42に伝達されることは抑制され、ひいては同回転変動がタービンハブ5に伝達されることが抑制される。これにより、上記トルク変動が動力伝達装置を介して変速機側に伝達されることが抑制される。
図2は第1ダンパ装置20の内部構造を示す同装置20の一部破断正面図である。また、図3は図2に示される第1ダンパ装置20を矢印A−A方向から見た断面図であり、図4は図2に示される第1ダンパ装置20及び第2ダンパ装置40を矢印B−B方向から見た断面図である。
図2から分かるように、第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23は、ドライブプレート21とドリブンプレート22との間において、各プレート21,22の回転方向に延びた状態で、二つ一組で合計六組設けられている。そして、一組の第1コイルスプリング23は、その伸縮方向(各プレート21,22の回転方向)に直列に配置され、各プレート21,22と同方向に回転可能な中間プレート24により直列に繋がれた状態となっている。
ここで、中間プレート24、ドリブンプレート22、及びドライブプレート21の詳細な構造について列記する。
中間プレート24は、上記軸線L周りを一周する円環状のリング部25と、そのリング部25から内側に向けて突出する内突部26と、上記リング部25における内突部26に対応する位置から外側に向けて突出する外突部27とを備えている。これら内突部26及び外突部27は、リング部25の周方向に等間隔をおいて合計三つ設けられている。
ドリブンプレート22は、上記軸線Lを中心とする円形状の円盤部28を備えている。更に、ドリブンプレート22は、円盤部28の外周面から外側に向けて突出する第1突部29と、上記軸線L周りを一周する円環状に形成されて上記第1突部29を介して円盤部28と繋がるリング部30と、そのリング部30における第1突部29に対応する位置から外側に向けて突出する第2突部31とを備えている。そして、ドリブンプレート22の第1突部29及び第2突部31は、リング部30の周方向に等間隔をおいて合計三つ設けられている。
ドライブプレート21は、上記軸線Lを中心とする円盤状に形成されている。このドライブプレート21においては、内周側にて周方向に延びる三つの内周窓32が周方向に等間隔をおいて形成されるとともに、外周側にて周方向に伸びる三つの外周窓33が周方向に等間隔をおいて形成されている。
以上のような構造を有する中間プレート24、ドリブンプレート22、及びドライブプレート21は、第1ダンパ装置20を構成する部品として、同装置20の組み立てに用いられる。このように組み立てられた第1ダンパ装置20においては、各プレート21,22,24の回転方向が図中の上記軸線Lを中心とする右回転方向となっている。
第1ダンパ装置20において、その内周寄りに位置する二つ一組の第1コイルスプリング23は、中間プレート24の内突部26を上記回転方向両側から挟んだ状態で、ドライブプレート21の内周窓32の上記回転方向の後端32aとドリブンプレート22の第1突部29の上記回転方向の後端29aとの間に配置されている。従って、ドライブプレート21の内周窓32及びその後端32a、並びにドリブンプレート22の第1突部29の後端29aにより、上記二つ一組の第1コイルスプリング23を各プレート21,22の回転方向について伸縮可能に収容する保持部(第1保持部)が形成されることとなる。そして、上記二つ一組の第1コイルスプリング23のうち、上記回転方向後側に位置する第1コイルスプリング23における上記回転方向後側の端部は、ドライブプレート21の内周窓32における上記回転方向の後端32aに当接している。また、同スプリング23における上記回転方向前側の端部は、中間プレート24の内突部26における上記回転方向の後端26aに当接している。一方、上記二つ一組の第1コイルスプリング23のうち、上記回転方向前側に位置する第1コイルスプリング23における上記回転方向後側の端部は、中間プレート24の内突部26における上記回転方向の前端26bに当接している。また、同スプリング23における上記回転方向前側の端部は、ドリブンプレート22の第1突部29における上記回転方向の後端29aに当接している。
第1ダンパ装置20において、その外周寄りに位置する二つ一組の第1コイルスプリング23は、中間プレート24の外突部27を上記回転方向両側から挟んだ状態で、ドライブプレート21の外周窓33の上記回転方向の後端33aとドリブンプレート22の第2突部31の上記回転方向の後端31aとの間に配置されている。従って、ドライブプレート21の外周窓33及びその後端33a、並びにドリブンプレート22の第2突部31の後端31aにより、上記二つ一組の第1コイルスプリング23を各プレート21,22の回転方向について伸縮可能に収容する保持部(第1保持部)が形成されることとなる。そして、上記二つ一組の第1コイルスプリング23のうち、上記回転方向後側に位置する第1コイルスプリング23における上記回転方向後側の端部は、ドライブプレート21の外周窓33における上記回転方向の後端33aに当接している。また、同スプリング23における上記回転方向前側の端部は、中間プレート24の外突部27における上記回転方向の後側27aに当接している。一方、上記二つ一組の第1コイルスプリング23のうち、上記回転方向前側に位置する第1コイルスプリング23における上記回転方向後側の端部は、中間プレート24の外突部27における上記回転方向の前側27bに当接している。また、同スプリング23における上記回転方向前側の端部は、ドリブンプレート22の第2突部31における上記回転方向の後端31aに当接している。
従って、ドライブプレート21が上記軸線Lを中心に図中の右回転方向に回転すると、その回転が上記回転方向後側の第1コイルスプリング23、中間プレート24、及び上記回転方向前側の第1コイルスプリング23を介してドリブンプレート22に伝達され、それによってドリブンプレート22が上記軸線Lを中心に図中の右回転方向に回転する。このとき、エンジン側(ドライブプレート21側)にトルク変動が生じたとしても、そのトルク変動に伴うドライブプレート21の回転変動に合わせて第1ダンパ装置20の内外周にそれぞれ配置された各第1コイルスプリング23が伸縮することにより、上記トルク変動(回転変動)がドリブンプレート22に伝達されることは抑制される。
第1ダンパ装置20においては、二つ一組の第1コイルスプリング23が中間プレート24の外周寄りの部分及び内周寄りの部分にそれぞれ三組ずつ設けられている。この場合、ドライブプレート21とドリブンプレート22との間でトルク伝達が行われる際、そのトルクを中間プレート24の内周寄りに配置された各第1コイルスプリング23の列と外周寄りに配置された各第1コイルスプリング23の列とで分担して受けることができ、一つの第1コイルスプリング23が受けるトルクを小さく抑えることができる。更に、上記中間プレート24は、内周寄りの部分に配置される二つ一組の第1コイルスプリング23を繋ぐ中間プレートとしての機能と、外周寄りの部分に配置される二つ一組の第1コイルスプリングを繋ぐ中間プレートとしての機構との両方を有しており、それら二つの機能を一つで持つものとされている。
第1ダンパ装置20において、上記中間プレート24の内周寄りと外周寄りとにそれぞれ第1コイルスプリング23を配置する場合、ドライブプレート21及びドリブンプレート22をそれぞれ内周寄りに位置する第1コイルスプリング23と外周寄りに位置する第1コイルスプリング23との両方に当接させることとなる。こうしたことを上記軸線Lを中心とする同一の円周上に配置される各プレート同士を干渉させることなく実現すべく、ドライブプレート21、ドリブンプレート22、及び中間プレート24といった各プレートは、例えば次のように構成される。
すなわち、図3及び図4に示されるように、ドリブンプレート22と中間プレート24とが、上記軸線Lを中心とする同一の円周上で干渉しないよう、上記軸線Lと直交する方向において互いを避けるように湾曲される。また、ドライブプレート21が上記軸線Lの延びる方向において二つに分割され、その分割されたドライブプレート21がドリブンプレート22及び中間プレート24を上記軸線方向両側から挟んだ状態で一つに連結される。こうした構成を採用することにより、上記各プレート同士の干渉を回避しつつ、中間プレート24の内周寄りに配置される第1コイルスプリング23と中間プレート24の外周寄りに配置される第1コイルスプリング23との両方に対し、ドライブプレート21及びドリブンプレート22をそれぞれ当接させることができる。
図5において、(a)は第2ダンパ装置40の正面図であり、(b)は(a)の第2ダンパ装置40を矢印C−C方向から見た断面図である。
図5(a)及び(b)に示される第2ダンパ装置40において、ドライブプレート21に固定される駆動部材41は板状に形成されている。この駆動部材41は、ドライブプレート21の回転方向(図5(a)の矢印方向)に延びる第1固定部43と、その第1固定部43の上記回転方向の中央から内側(図中下側)に向けて突出する第2固定部44とを備えている。そして、これら第1固定部43及び第2固定部44が図5(b)に示されるようにドライブプレート21の外周縁(図中の上縁)の厚さ方向の側面に固定され、それによって駆動部材41がドライブプレート21に固定されて同プレート21と一体回転可能となっている。
図5(a)に示されるように、駆動部材41の第1固定部43における上記回転方向の中央寄りの部分には、一対のスリット43a,43bが上記回転方向に所定間隔をおいて第1固定部43の外周縁から内側に向けて延びるように形成されている。また、第1固定部43において、上記一対のスリット43a,43bに挟まれた部分は、図5(b)に示されるように半円弧状に湾曲されている。そして、その半円弧状に湾曲された部分の内周面と駆動部材41の固定されるドライブプレート21の外周縁の厚さ方向の側面との間には、上記回転方向に伸縮可能な第2コイルスプリング45を収容して保持するための保持部46(第2保持部)が形成されている。上記保持部46に収容された第2コイルスプリング45の径方向についての変位は、ドライブプレート21の厚さ方向の側面及び第1固定部43の半円弧状に湾曲された部分の内周面により規制される。また、第2コイルスプリング45の上記回転方向についての変位は、一対のスリット43a,43bの内側面によって規制される。これは、第2コイルスプリング45の伸縮方向(上記回転方向)の端部が一対のスリット43a,43bの上記内側面に接触しているためである。
図5(a)に示されるように、第2ダンパ装置40の従動部材42は、上記第2コイルスプリング45における伸縮方向(上記回転方向)の両側にそれぞれ配置されており、第2コイルスプリング45の伸縮方向の端部に当接可能となっている。そして、第2コイルスプリング45は、その伸縮方向の一方の端部(上記回転方向の後端)への上記従動部材42の押圧に基づき、上記回転方向の後側に位置するスリット43aの幅(スリット43aの対向する内側面間の距離)の分だけ、圧縮可能となっている。なお、この幅を越えて第2コイルスプリング45を圧縮しようとすると、従動部材42が第1固定部43における半円弧状に湾曲した部分における上記回転方向の後端に接触し、それによって上記幅を越えての第2コイルスプリング45の圧縮が規制される。また、第2コイルスプリング45は、その伸縮方向の他方の端部(上記回転方向の前端)への上記従動部材42の押圧に基づき、上記回転方向の前側に位置するスリット43bの幅(スリット43bの対向する内側面間の距離)の分だけ、圧縮可能となっている。なお、この幅を越えて第2コイルスプリング45を圧縮しようとすると、従動部材42が第1固定部43における半円弧状に湾曲した部分における上記回転方向の前端に接触し、それによって上記幅を越えての第2コイルスプリング45の圧縮が規制される。
上記従動部材42は、図1に示されるように、トルクコンバータのタービンランナ6に固定されている。動力伝達装置に組み込まれた第2ダンパ装置40は、ドライブプレート21の外周縁と固定されたクラッチプレート10の外周縁とタービンランナ6の外周縁との間という他の部品の設置に利用しにくいスペース(デッドスペース)に設けられることとなる。このように第2ダンパ装置40を設けることにより、同装置40の設置による動力伝達装置全体の大型化が抑制されている。
次に、ロックアップクラッチ9の連結によりクラッチプレート10がフロントカバー3と一体回転しているときの第2ダンパ装置40の動作について説明する。
上記のようにクラッチプレート10が回転するときには、第1ダンパ装置20のドライブプレート21がクラッチプレート10と一体回転する。このときのドライブプレート21のドリブンプレート22に対する相対回転位相は、ドライブプレート21とドリブンプレート22(動力伝達装置の出力側)との間で伝達されるトルクの大きさによって変化する。すなわち、上記トルクが「0」であるときのドライブプレート21のドリブンプレート22に対する相対回転位相を基準位相とすると、上記トルクが小さいうちは上記相対回転位相が基準位相に近い状態となり、上記トルクが大きくなるにつれて上記相対回転位相が基準位相から離れた状態となる。
上記トルクが小さく、ドライブプレート21のドリブンプレート22に対する相対回転位相が基準位相に近い状態であるときには、図5(a)に示されるように第2ダンパ装置40の従動部材42が第2コイルスプリング45の伸縮方向の端部から離れて位置する。そして、上記トルクが大きくなり、上記相対回転位相が基準位相からある程度離れた状態になると、それに合わせて第2ダンパ装置40の駆動部材41及び第2コイルスプリング45の従動部材42に対応する相対回転位相も変化し、第2コイルスプリング45の伸縮方向の端部が第2ダンパ装置40の従動部材42に接触するようになる。これにより、第2ダンパ装置40において、駆動部材41と従動部材42とが第2コイルスプリング45により繋がれた状態となる。
第2ダンパ装置40の駆動部材41と従動部材42とが上述したように第2コイルスプリング45により繋がれた状態になると、図1の動力伝達装置におけるクラッチプレート10(入力側)とタービンハブ5(出力側)との間でのトルクが第1ダンパ装置20だけでなく第2ダンパ装置40を介しても行われるようになる。詳しくは、クラッチプレート10の回転が第1ダンパ装置20のドライブプレート21、第1コイルスプリング23、及びドリブンプレート22を介してタービンハブ5に伝達され、そうした回転伝達に伴いクラッチプレート10とタービンハブ5との間でのトルク伝達が行われる。更に、クラッチプレート10の回転がドライブプレート21、第2ダンパ装置40の駆動部材41、第2コイルスプリング45、従動部材42、及びタービンランナ6を介してタービンハブ5に伝達され、そうした回転伝達に伴いクラッチプレート10とタービンハブ5との間でのトルク伝達も行われるようになる。
動力伝達装置において、第1ダンパ装置20に加えて第2ダンパ装置40を設けるのは、クラッチプレート10とタービンハブ5との間で伝達されるトルクが大きくなる場合に、ダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行えるようにするためである。
仮に、動力伝達装置に第1ダンパ装置20のみを設けた場合、クラッチプレート10とタービンハブ5との間で伝達されるトルクが大きくなると、同ダンパ装置20の第1コイルスプリング23が圧縮しきってしまい、ダンパ装置によるトルク変動の吸収を行えなくなるという不具合が生じるおそれがある。しかし、第1ダンパ装置20に加えて第2ダンパ装置40を設け、クラッチプレート10とタービンハブ5との間でのトルク伝達が第1ダンパ装置20と第2ダンパ装置40との両方を介して行われるようにすれば、上記不具合が生じることを抑制できる。
詳しくは、クラッチプレート10とタービンハブ5との間でのトルク伝達が第1ダンパ装置20と第2ダンパ装置40との両方を介しても行われることで、上記トルクを第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23だけでなく、第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45でも受けることができるようになる。このため、一つのコイルスプリングの受けるトルクを小さく抑えることができ、クラッチプレート10とタービンハブ5との間で伝達されるトルクが大きい場合にコイルスプリングが圧縮しきってしまうことを抑制でき、ダンパ装置によるトルク変動の吸収を行えなくなることを抑制できる。
図6は、ロックアップクラッチ9の連結によりクラッチプレート10がフロントカバー3と一体回転している状態において、クラッチプレート10からタービンハブ5に伝達されるトルクの大きさと、ドライブプレート21(クラッチプレート10)のドリブンプレート22(タービンハブ5)に対する捩れ角との関係を示したグラフである。なお、このグラフでの捩れ角は、クラッチプレート10のタービンハブ5に対する上記軸線Lを中心とする回転方向についての相対回転角度を表すものであって、ドライブプレート21のドリブンプレート22に対する相対回転位相が上記基準位相であるときに「0」となり、その相対回転位相が基準位相に対し進角側に変化するほど大きくなる。
同図から分かるように、クラッチプレート10からタービンハブ5に伝達されるトルクが小さいうちは、同トルクの増大に伴う上記捩れ角の増大が大きくなる。これは、上記捩れ角が「0」〜「θ」の範囲内の値である間は、上記トルクを第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23のみが受けることになるためである。なお、上記「θ」という値は、第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45の伸縮方向の端部が従動部材42に当接し始めるときの上記捩れ角を表している。
そして、上記トルクが大きくなり、上記捩れ角が「θ」以上の値になると、クラッチプレート10からタービンハブ5に伝達されるトルクの増大に伴う上記捩れ角の増大が小さくなる。これは、上記捩れ角が「θ」以上の値であるときには、上記トルクを第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23と第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45との両方で受けることになるためである。このように上記トルクを第1及び第2コイルスプリング23,45で受けることにより、上記トルクが大きい場合に第1コイルスプリング23が圧縮しきってしまうことを抑制でき、上述したようにダンパ装置によるトルク変動の吸収を行えなくなることを抑制できる。
上記第2ダンパ装置40に関しては、その第2コイルスプリング45を収容して保持する保持部46が、第2ダンパ装置40の駆動部材41と第1ダンパ装置20のドライブプレート21とを利用して形成される。詳しくは、第2ダンパ装置40の板状に形成された駆動部材41の第1固定部43における一対のスリット43a,43bの間の部分を半円弧状に湾曲させ、その半円弧状に湾曲された部分の内周面と駆動部材41の固定される第1ダンパ装置20のドライブプレート21の厚さ方向の側面との間に上記保持部46が形成される。これにより、第2ダンパ装置40の保持部46を形成するための専用の部品を設ける必要がなくなり、その部品を省略できる分だけ第2ダンパ装置40の部品点数が少なくなる。従って、第2ダンパ装置40を設けることによる動力伝達装置の部品点数の増加が抑制される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)動力伝達装置に第2ダンパ装置40を設けることで、動力伝達装置の大型化を抑制しつつ、クラッチプレート10とタービンハブ5との間で伝達されるトルクが大きくなる場合にダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行うことができる。また、第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45を収容して保持する保持部46は、第1ダンパ装置20のドライブプレート21とを利用して形成される。これにより、第2ダンパ装置40の保持部46を形成するための専用の部品を設ける必要がなくなり、その部品を省略できる分だけ第2ダンパ装置40の部品点数が少なくなる。従って、第2ダンパ装置40を設けることによる動力伝達装置の部品点数の増加が抑制される。従って、動力伝達装置におけるクラッチプレート10とタービンハブ5との間で伝達されるトルクが大きくなる場合にダンパ装置によるトルク変動の吸収を確実に行いつつ、動力伝達装置における部品点数の増加を抑制することができる。
(2)第2ダンパ装置40に上記保持部46を形成するための専用の部品を設けなくてもよい分、第2ダンパ装置40がコンパクトになる。
(3)第1ダンパ装置20には内周寄りに位置する第1コイルスプリング23と外周寄りに位置する第1コイルスプリング23とが設けられるため、第1ダンパ装置20のドライブプレート21については上記軸線Lと直交する方向についての長さが長くなる傾向がある。このため、第1ダンパ装置20におけるドライブプレート21の外周縁がクラッチプレート10の外周縁の近傍、すなわち上記デッドスペースの近傍に位置するようになり、そのドライブプレート21の外周縁の厚さ方向の側面を利用して第2ダンパ装置40の上記保持部46を形成することが可能になる。すなわち、第2ダンパ装置40の板状に形成された駆動部材41の第1固定部43における一対のスリット43a,43bの間の部分を半円弧状に湾曲させ、その半円弧状に湾曲された部分の内周面とドライブプレート21の外周縁の厚さ方向の側面との間に上記保持部46を形成できるようになる。このように第2ダンパ装置40における板状の駆動部材41(第1固定部43)を湾曲させるだけで、その湾曲させた部分の内周面と上記ドライブプレート21の側面との間に上記保持部46を形成可能となるため、その保持部46の形成を簡素な構造で実現することができる。
(4)第2ダンパ装置40の保持部46が第1ダンパ装置20のドライブプレート21を利用して形成されることから、そのドライブプレート21には第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23と第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45との両方が保持されることとなる。このように、第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23と第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45とがドライブプレート21という一つの部品に保持されるため、第1ダンパ装置20及び第2ダンパ装置40の第1及び第2コイルスプリング23,45を含めた部品全体の回転バランスを調整しやすくなる。また、第1ダンパ装置20の第1コイルスプリング23と第2ダンパ装置40の第2コイルスプリング45とがドライブプレート21という一つの部品に保持されるため、それら第1及び第2コイルスプリング23,45の中心線をそれぞれドライブプレート21の回転方向に合わせること、いわゆる芯出しを的確且つ容易に行えるようになる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1ダンパ装置20に関しては、内周寄りに位置する第1コイルスプリング23と外周寄りに位置する第1コイルスプリング23との一方のみが設けられるものを採用してもよい。
・第1ダンパ装置20の中間プレート24を省略し、ドライブプレート21とドリブンプレート22とを一つの第1コイルスプリング23で直接繋ぐようにしてもよい。
・流体継手として、ポンプインペラ2、タービンランナ6、及びステータ7等からなるトルクコンバータを例示したが、ステータをもたないポンプインペラ及びタービンランナ等からなるフルードカップリングを採用してもよい。
1…インペラハブ、2…ポンプインペラ、3…フロントカバー、4…流体室、5…タービンハブ、6…タービンランナ、7…ステータ、8…ワンウェイクラッチ、9…ロックアップクラッチ、10…クラッチプレート、11…摩擦材、20…ダンパ装置、21…ドライブプレート、22…ドリブンプレート、23…第1コイルスプリング、24…中間プレート、25…リング部、26…内突部、26a…後端、26b…前端、27…外突部、27a…後側、27b…前側、28…円盤部、29…第1突部、29a…後端、30…リング部、31…第2突部、31a…後端、32…内周窓、32a…後端、33…外周窓、33a…後端、40…第2ダンパ装置、41…駆動部材、42…従動部材、43…第1固定部、43a…スリット、43b…スリット、44…第2固定部、45…第2コイルスプリング、46…保持部。

Claims (1)

  1. 同一の軸線上に配置される入力軸と出力軸との間での回転伝達を行う流体継手及びロックアップクラッチが並列に設けられ、前記入力軸と前記出力軸との間で前記ロックアップクラッチを介して回転伝達を行う第1ダンパ装置及び第2ダンパ装置が設けられる動力伝達装置において、
    前記第1ダンパ装置は、前記ロックアップクラッチのクラッチプレートからの回転伝達を受けることにより前記軸線を中心に回転するドライブプレートと、該ドライブプレートの回転軌道と同一円周上に設けられて前記軸線を中心に回転することにより前記出力軸への回転伝達を行うドリブンプレートと、前記ドライブプレート及び前記ドリブンプレートによって形成される第1保持部に収容されてそれらプレートの相対回転位相の変化に伴い伸縮する第1コイルスプリングとを備え、
    前記第2ダンパ装置は、前記第1ダンパ装置の前記ドライブプレートと一体回転する駆動部材と、前記軸線を中心に回転することにより前記流体継手のタービンランナを介して前記出力軸への回転伝達を行う従動部材と、それら駆動部材及び従動部材の相対回転位相の変化に伴い伸縮する第2コイルスプリングとを備え、
    前記第2ダンパ装置の第2コイルスプリングは、前記駆動部材と前記第1ダンパ装置のドライブプレートとを利用して形成された第2保持部に収容されており、
    前記第1ダンパ装置は、その第1コイルスプリングが内周寄り及び外周寄りにそれぞれ設けられており、
    前記第2ダンパ装置は、前記クラッチプレートの外周縁と前記タービンランナの外周縁との間に設けられるものであり、
    前記第2ダンパ装置の第2保持部は、板状に形成された前記駆動部材を湾曲させることにより、その駆動部材の内周面と前記第1ダンパ装置のドライブプレートの外周縁の厚さ方向の側面との間に形成されるものである
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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