JP5340732B2 - メタクリル酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタクリル酸の製造方法、詳しくはメタクロレインを分子状酸素により触媒の存在下気相接触酸化して、メタクリル酸を製造する方法に関する。
触媒を使用して目的物を連続的に製造する方法として、触媒活性の低下に応じて、プロセスに許容される限界まで反応温度を徐々に上昇させて反応率を維持する方法が特許文献1に開示されている。その従来技術には、モリブデンおよびリンを含有する複合酸化物からなる触媒上でメタクロレインを気相接触酸化させてメタクリル酸を製造する方法は広く知られており、工業的にも用いられることが記載されている。また、この際、触媒を固定床として用い、250〜400℃の反応温度でメタクリル酸を製造することが多いこと、このような気相接触酸化反応に用いられる触媒は比較的長時間使用されるが、通常、触媒は経時的に劣化するものであること、触媒の劣化の原因としては、触媒成分の還元、触媒成分の昇華・飛散、触媒構造中の結晶相の変化などが挙げられることが記載されている。
このような劣化した触媒を再生する方法に関しては種々の提案がなされている。例えば、特許文献2には、劣化した触媒を水蒸気分圧10容量%以上の気流中で70〜240℃の温度で処理する方法が開示されている。また、特許文献3には、分子状酸素を0.1容量%以上含有する酸化性ガス流通下、300〜410℃の温度で0.5〜50時間熱処理する方法が開示されている。
しかしながら、工業的見地から考えた場合、劣化する度に再生処理をすることは非常に煩雑であり、また、その都度メタクリル酸の製造を一旦中断しなければならないので、劣化触媒を再生する頻度は少ないほど望ましいといえる。すなわち、工業的見地からは、劣化触媒を再生する方法よりもむしろ触媒の劣化を可能な限り抑制しつつメタクリル酸を製造する方法が望まれる。
例えば、特許文献4には、原料ガス組成および触媒に対する原料ガスの空間速度を制御することで、触媒劣化を抑制する提案がなされている。また、特許文献5には、触媒の失活に対応する目的で、稼働時間の間に気相中の作業圧力を高くする提案がなされている。
特開2000−191582号公報 特開昭58−156351号公報 特開平6−7685号公報 特開2002−193871号公報 国際公開第2005/113127号パンフレット
しかしながら、その触媒劣化抑制の程度は工業的な実施においては必ずしも十分とはいえず、さらなる技術革新が望まれている。
本発明は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造するにあたり、触媒を長期間使用可能な方法を提供することを目的としている。
本発明は、モリブデンおよびリンを含有する複合酸化物を含む触媒の存在下、原料であるメタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化して、メタクリル酸を製造する方法であって、285℃以上305℃以下の反応温度範囲で前記原料の反応率が定常運転時の管理反応率から±2.5%の範囲になるように、反応圧力を90kPa〜140kPaの範囲で段階的または連続的に変更する圧力制御を行うとともに、当該圧力制御と同時または独立に反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比を1.4〜1.9の範囲で段階的または連続的に変更するモル比制御を行うことを特徴とするメタクリル酸の製造方法である。
本発明のメタクリル酸の製造方法によると、触媒を実質的に長期間にわたり使用することができる。
実施例1における第2反応の制御方法を示す図である。 比較例1における第2反応の制御方法を示す図である。 比較例2における第2反応の制御方法を示す図である。
本発明において使用する触媒は、モリブデンおよびリンを含有する複合酸化物であれば特に限定されないが、下記式(1)で表される組成を有する複合酸化物が好ましい。
MoCu (1)
(式中、Mo、P、Cu、VおよびOはそれぞれモリブデン、リン、銅、バナジウムおよび酸素を表し、Xは鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Yはカリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表す。ただし、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0≦e≦10、0.01≦f≦3であり、gは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
本発明において、モリブデンおよびリンを含有する複合酸化物触媒を調製する方法としては特殊な方法に限定する必要はなく、従来からよく知られている共沈法、蒸発乾固法、酸化物混合法など種々の方法を用いることができる。具体的には、複合酸化物の構成元素を含む原料を用い、その所要量を水などの溶媒中に適宜溶解または懸濁させ、得られた混合溶液または水性スラリーを蒸発乾固し、さらに必要により粉砕、成形した後、熱処理して得る方法が例示できる。熱処理は、例えば、酸素流通下、空気流通下または窒素流通下で、200〜500℃で、1〜30時間行うことが好ましい。
本発明において、触媒の調製に用いる原料としては特に限定されず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロゲン化物などを組み合わせて使用することができる。例えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデンなどが使用できる。リン原料としては正リン酸、メタリン酸、五酸化二リン、ピロリン酸、リン酸アンモニウムなどを用いることができる。
本発明に用いられる触媒は無担体の成形触媒でもよいが、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、シリコンカーバイト等の不活性担体に担持させるか、あるいはこれらで希釈して用いることもできる。
本発明では、上記のような触媒の存在下、原料であるメタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化して、メタクリル酸を製造する。例えば、原料及び分子状酸素を含む反応ガスを、前記の触媒が充填された反応管を通過させることで、気相接触酸化を行うことができる。
分子状酸素源としては空気を用いることが経済的であるが、必要ならば純酸素で富化した空気を用いうる。反応ガス中の分子状酸素と原料との濃度比(モル比)は0.5〜3:1の範囲が好ましい。反応ガスには、希釈のための不活性ガスが含まれていることが好ましい。反応ガスには水蒸気を含んでいてもよい。反応ガス中の原料の濃度は、1〜10容量%が好ましい。
反応圧力は、反応器の反応ガス入圧力及び出圧力の平均圧力として、20〜300kPa(ゲージ圧;以下、圧力表記は全てゲージ圧である)が好ましい。反応温度は230〜400℃、特に250〜350℃の範囲が好ましい。
ただし、このような気相接触酸化に用いられる触媒は経時的に活性が低下する。その活性低下の原因としては、温度による触媒構造の分解(触媒成分の昇華・飛散、触媒構造中の結晶相の変化)、反応物(メタクロレイン)による触媒成分の還元、反応物(メタクロレイン)と温度による触媒成分の還元など、様々な説がある。本願発明者らは、鋭意検討の結果、本触媒系においては、劣化原因として、温度による触媒構造の分解あるいは反応物(メタクロレイン)と温度による触媒成分の還元が支配的であることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明では、できるだけ反応温度を上昇させずに原料の反応率を維持するため、285℃以上305℃以下の反応温度範囲で、反応圧力を段階的または連続的に変更する圧力制御を行うとともに、当該圧力制御と同時または独立に反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)を段階的または連続的に変更するモル比制御を行う。このような2種類の制御を行うことで、触媒構造の温度による分解や反応物と温度による触媒成分の還元が抑制され、従来の反応温度のみの制御の場合に比べて、触媒の使用期間(触媒寿命)が飛躍的に改善される。
反応圧力の変更、及び/又は、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比の変更は、原料の反応率が一定になるように行う。ここで、「原料の反応率が一定」とは、定常運転時の運転管理反応率から±2.5%の範囲であることを意味する。運転管理反応率は定常運転時に目標とする反応率である。例えば、原料の反応率が(運転管理反応率−2)%を下回るまで低下した時点で、原料の反応率が(運転管理反応率+2.5)%を超えないように、反応圧力を変更するとともに、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比を変更する方法でもよい。
このような運転方法としては、例えば、活性が低下して反応率が下がった際に、反応圧力、及び反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)の一方または両方を上げて反応率をほぼ一定に維持する運転方法等が挙げられる。反応継続中に触媒の活性が一時的に上昇する場合もあるが、触媒の活性は長期的には開始時より低下していく。反応率を一定に維持する運転方法で、活性が一時的に上昇した場合は、反応圧力、及び反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)の一方または両方を下げて対処すればよい。
反応圧力は、反応の進行に伴い上昇させる制御をすることが効果的である。反応開始時における圧力は、90〜130kPaとすることが好ましく、100〜120kPaがより好ましい。反応終了時における圧力は、100〜140kPaが好ましく、110〜130kPaがより好ましい。反応圧力は連続的に上昇させてもよいが、制御のしやすさの観点から段階的に上昇させることが好ましい。反応圧力を段階的に上昇させる際には、2回以上に分けて上昇させることが好ましい。2回に分けて上昇させる場合、例えば、最初の反応圧力を100〜110kPa、反応途中において一度反応圧力を110〜120kPaとし、最終的に反応圧力を120〜130kPaとすることが好ましい。なお、ここでいう反応圧力とは、反応器の入圧力と出圧力の平均圧力である。
圧力を上昇させる方法は特に限定されず、例えば反応ガス出口のコントロールバルブ設定値を変更し、入圧力、出圧力共に上昇させる方法が挙げられる。
反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)は、反応の進行に伴い上昇させる制御をすることが効果的である。反応開始時におけるモル比(O/R)は1.4〜1.9が好ましく、1.5〜1.6がより好ましい。反応終了時におけるモル比(O/R)は1.6〜1.9が好ましく、1.7〜1.8がより好ましい。モル比(O/R)は連続的に上昇させてもよいが、制御のしやすさの観点から段階的に上昇させることが好ましい。段階的に上昇させる際には、2回以上に分けて上昇させることが好ましい。2回に分けて上昇させる場合、例えば、最初のモル比(O/R)を1.5〜1.6、反応途中において一度モル比(O/R)を1.6〜1.7とし、最終的にモル比(O/R)を1.7〜1.8とすることが好ましい。モル比(O/R)を変更する方法としては、例えば、原料ガス中の分子状酸素の濃度と原料の濃度のどちらか一方を変化させてもよいし、両方を変化させてもよいが、メタクリル酸の生産量を一定にする場合には、原料の濃度は変化させず、分子状酸素の濃度だけを変化させることが好ましい。また、分子状酸素の濃度だけを変化させる場合には、原料ガスの空間速度が変らないように窒素などの不活性ガスの濃度を調節することが好ましい。
反応圧力、及び反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)は、それぞれ独立して変更することができ、同時に変更してもよく、交互に変更してもよい。このように、反応圧力の変更と、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比の変更を組み合わせた制御を行うことで、大きい効果が得られる。
反応圧力の変更、及び/又は、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)の変更にあたっては、触媒の活性変化の度合いに応じて、経時的に条件を戻しても構わない。
反応圧力の変更、及び反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比(O/R)の変更に加えて、反応温度を変更する温度制御を行うことで、より高い効果を得られる。例えば、原料の反応率が(運転管理反応率−2)%を下回るまで低下した時点で、原料の反応率が(運転管理反応率+2.5)%を超えないように、反応温度を変更する方法でもよい。反応温度は、反応圧力および/またはモル比(O/R)と、それぞれ独立して変更することができ、同時に変更してもよい。
この制御下での反応を行った後の触媒を、さらに通常の気相接触酸化に使用することもでき、その際の触媒の使用期間(触媒寿命)も改善される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の「部」は質量部を意味する。原料ガスおよび反応生成ガスの分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
また、以下の実施例では、原料であるメタクロレインの気相接触酸化反応を行っている。メタクロレインの反応率、生成したメタクリル酸の選択率及び収率はそれぞれ以下のように定義される。
メタクロレインの反応率(%)=(B/A)×100
メタクリル酸の選択率(%)=(C/B)×100
メタクリル酸の収率(%)=(C/A)×100
ここで、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリル酸のモル数である。
[参考例]
(触媒の製造)
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム2.8部および硝酸セシウム9.2部を純水300部に溶解した。これを攪拌しながら、85質量%リン酸水溶液7.7部を純水10部に溶解した溶液およびテルル酸1.1部を純水10部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら95℃に昇温した。次いで硝酸銅2.3部、硝酸第二鉄7.6部、硝酸亜鉛1.4部および硝酸マグネシウム1.8部を純水80部に溶解した溶液を加えた。さらにこの混合液を100℃で15分間攪拌し、得られたスラリーを噴霧乾燥機を用いて乾燥した。
得られた乾燥物100部に対してグラファイト2部を添加混合し、打錠成型機により外径5mm、内径2mm、長さ5mmのリング状に成形した。この打錠成型物を空気流通下に380℃で5時間焼成し、触媒を得た。触媒の組成は、酸素を除いた原子比で、
Mo121.4Cu0.20.5Fe0.4Te0.1Mg0.15Zn0.1Cs
であった。
[実施例1]
(第1反応)
参考例で得られた触媒3000gを、外部に熱媒浴を有する外径27.5mm、高さ6mのステンレス製反応管に充填した。続いて、熱媒浴の温度を285℃(以下、熱媒浴の温度を反応温度と見なす。)とし、メタクロレイン6容量%、酸素9.9容量%、水蒸気10容量%及び窒素74.1容量%からなる反応ガスを空間速度1000hr−1で触媒層を通過させる条件下でメタクロレインの気相接触酸化を行った。初期の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.3%、メタクリル酸の選択率80.7%、メタクリル酸の収率60.8%であった。この段階での熱媒浴の温度は285℃、反応圧力は110kPa、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比は1.65である。
(第2反応)
第1反応に続いて、運転管理反応率75%で制御を行った。具体的には、図1に示すように、熱媒浴の温度、反応圧力及び反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比を変更して、メタクロレイン反応率を75±2.5%に維持した。なお、図1において、Tは熱媒浴の温度、Pは反応圧力、Mは反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比、Rはメタクロレイン反応率、tは連続運転時間である(図2〜3においても同様)。第2反応の連続運転の期間は2880時間となった。この段階の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.4%、メタクリル酸の選択率82.3%、メタクリル酸の収率62.1%であった。この段階での熱媒浴の温度は305℃、反応圧力は130kPa、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比は1.85である。なお、分子状酸素/原料モル比を増加する際は、原料の濃度は一定とし、分子状酸素の濃度だけを増加させ、窒素の濃度をその分減少させたので、空間速度も一定であった。
(第3反応)
第2反応の後、メタクロレインの運転管理反応率が75%程度で一定になるように熱媒浴の温度を上昇させる制御を行いつつ、熱媒浴の温度が320℃になるまで反応を継続した。第3反応終了までの連続運転の期間は通算で4704時間となった。この段階の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.2%、メタクリル酸の選択率81.2%、メタクリル酸の収率61.1%であった。
[比較例1]
(第1反応)
実施例1と同様に第1反応を行った。
(第2反応)
第1反応に続いて、図2に示すように、熱媒浴の温度、及び反応圧力を変更して、メタクロレイン反応率を75±2.5%に維持した以外は、実施例1と同様に第2反応を行った。第2反応の連続運転の期間は2616時間となった。この段階の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.1%、メタクリル酸の選択率82.5%、メタクリル酸の収率62.0%であった。この段階での熱媒浴の温度は305℃、反応圧力は130kPa、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比は1.65である。
(第3反応)
第2反応の後、実施例1と同様に第3反応を行った。第3反応終了までの連続運転の期間は通算で4464時間となった。この段階の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.2%、メタクリル酸の選択率81.0%、メタクリル酸の収率60.9%であった。
[比較例2]
(第1反応)
実施例1と同様に第1反応を行った。
(第2反応)
第1反応に続いて、図3に示すように、熱媒浴の温度を変更して、メタクロレイン反応率を75±2.5%に維持した以外は、実施例1と同様に第2反応を行った。第2反応の連続運転の期間は2160時間となった。この段階の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.2%、メタクリル酸の選択率82.5%、メタクリル酸の収率62.0%であった。この段階での熱媒浴の温度は305℃、反応圧力は110kPa、反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比は1.65である。
(第3反応)
第2反応の後、実施例1と同様に第3反応を行った。第3反応終了までの連続運転の期間は通算で3792時間となった。この段階の反応生成物を分析した結果、メタクロレイン反応率75.1%、メタクリル酸の選択率81.2%、メタクリル酸の収率61.0%であった。
Figure 0005340732
以上のように、原料であるメタクロレインの反応率が一定になるように、反応圧力、及び/又は反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比を変更する制御を行うことで、触媒を長期間使用可能となる。

Claims (3)

  1. モリブデンおよびリンを含有する複合酸化物を含む触媒の存在下、原料であるメタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化して、メタクリル酸を製造する方法であって、285℃以上305℃以下の反応温度範囲で前記原料の反応率が定常運転時の管理反応率から±2.5%の範囲になるように、反応圧力を90kPa〜140kPaの範囲で段階的または連続的に変更する圧力制御を行うとともに、当該圧力制御と同時または独立に反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比を1.4〜1.9の範囲で段階的または連続的に変更するモル比制御を行うことを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
  2. 反応圧力を110kPa〜130kPaの範囲で段階的または連続的に変更する圧力制御を行う請求項1に記載のメタクリル酸の製造方法。
  3. 反応ガス中の分子状酸素/原料のモル比を1.65〜1.85の範囲で段階的または連続的に変更するモル比制御を行う請求項1又は2に記載のメタクリル酸の製造方法。
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