JPH0622679B2 - メタクリル酸製造用触媒の調整方法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒の調整方法

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JPH0622679B2
JPH0622679B2 JP59127372A JP12737284A JPH0622679B2 JP H0622679 B2 JPH0622679 B2 JP H0622679B2 JP 59127372 A JP59127372 A JP 59127372A JP 12737284 A JP12737284 A JP 12737284A JP H0622679 B2 JPH0622679 B2 JP H0622679B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメタクリル酸製造用触媒の調整方法に関する。
詳しく述べると本発明は、モリブデン、バナジウム、リ
ンなどを含有してなるヘテロポリ酸系触媒を使用して、
メタクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガス
により接触気相酸化し高収率かつ長期安定した性能でメ
タクリル酸を製造するための触媒の調整方法に関するも
のである。メタクロレインの接触気相酸化用触媒は数多
く提案されており、そのうちのいくつかは工業的規模で
のメタクリル酸製造に用いられはじめた。提案されてい
る触媒は、大部分がモリブデンおよびリンを主成分とす
るものであり、それらの調製法を見る限り構造的にリン
モリブデン酸またはその塩たとえばアンモニウム塩、ア
ルカリ金属塩であり、ヘテロポリ酸およびヘテロポリ酸
塩構造を有する混合組成物よりなると考えられるもので
ある。しかしながら、かかる触媒系の問題点はメタクリ
ル酸の収率の面だけではなく工業触媒として具有すべき
寿命の点で依然として欠陥を持つことが指摘されてい
る。すなわち長期にわたって反応を継続させるとこの触
媒系においてはヘテロポリ酸塩構造よりもヘテロポリ酸
構造の法が分解が著るしく使用に耐ええない状態となる
ことである。もとよりヘテロポリ酸のほうがその塩より
も触媒活性の面で有効に作用するからである。
したがってヘテロポリ酸を耐久性よく安定化させ、その
触媒活性を長期にわたって維持させることが要求され、
種々検討がなされてきた。たとえば、モリブデン、バナ
ジウム、リン、アルカリ金属またはタリウムとセリウム
を含む触媒系として特開昭51-76217号、同52-36619号、
同52-12231号、同54-144311号、同 55-2619号、同 55-1
05641号、同 55-122734号、同 55-124734号、同56-9184
6号、同57-56043号、同 57-171934号、同 57-204230号
などの発明がある。しかしかかる触媒系の技術内容を見
る限り、これらの工業触媒として具備しなければならな
い高い収率および長寿命の点ではまだ満足しうる域に至
っていない。とくにヘテロポリ酸の安定化効果を狙った
発明においても反応温度が300℃以上において添加効
果が見出せるという開示はあるものの収率の面では全く
満足のいくものとはならず、しかも反応温度を300℃
を越えて設定すること自体この種のヘテロポリ酸触媒の
耐久性維持に無理があるからである。さらにかかるモリ
ブデン、リンを含む触媒系において有効とされるもとは
モリブデンとリンの原子比を12:1なる関係で示され
るケギン構造を有する結晶型が主体を占めるといわれ、
とくにメタクロレインの酸化に有効な組成としてはリン
とモリブデンの原子比が1:12以上、好適には1:1
2〜3:12の間にあるものがすぐれて有効であるとい
われている。実際に触媒中の過剰なリンの形態について
は結合状態等不明であるが、リン成分はケギン構造をと
るリンとモリブデンとの比が1:12のリンモリブデン
酸(あるいはモリブデンの一部がバナジウムで置換され
たリンバナドモリブデン酸)あるいはその塩と残りのリ
ン成分は単独ないし他の添加成分と結合して存在して、
有効に触媒作用をしているものと思われる。ところで本
発明者らはリンとモリブデンの比率が1:12以上のP
−Mo−V系触媒について、高空間速度、高濃度のメタ
クロレインかつ低濃度の酸素含有の原料ガスを用い、そ
して可能な限り高い反応温度の採用としう過酷な反応条
件でのメタクロレインの接触気相酸化を行なわしめる方
法での劣化加速テスト後の触媒あるいは長期の通常反応
後の抜き出し触媒の元素分析によるリンの含有量をしら
べたところとくに触媒層の反応ガス入口側でリン含量が
減少しており、且つ、反応の経過と共に遊離ヘテロポリ
酸の凝集が進行しそれが原因でその分解が起こり三酸化
モリブデンが生成してくること、それと共に活性の低下
とメタクリル酸への選択性の低下とを伴っていることが
確認された。たしかにかかるリン成分の飛散の現象は今
までにも指摘されているところであり、その対策も種々
提案されている。たとえば特開昭57-72937号公報の開示
例によれば燐化合物を担持した無機質多孔質担体を触媒
層に混合および/またはその反応ガス上流側に充填する
ことにより触媒の反応性の低下を大巾に減少せしめてい
る。また特開昭 59- 20243号公報の開示例においてはP
−V−Mo系あるいはP−Mo系ヘテロポリ酸系触媒は
反応中にリンの飛散が起こるために活性の低下が起こる
とし、その対策として反応ガスの入口側の触媒に出口側
よりもリン含量の多い触媒を充填し、かかる積層充填式
により活性低下の対策を講じている。かかる対策法はそ
れなりに効果を発揮しているが別にリン化合物を担持し
た担体を調製したり、リン含量の多い触媒を別に調製し
たりする必要があり繁雑な工程がふくまれる。
本発明者等はかかるヘテロポリ酸の高温度反応による耐
久性の問題、あるいはリン成分の飛散の問題を解決する
方法を講ずる中で触媒成分中のリンの一部をあらかじめ
たとえばオルトリン酸と硝酸セリウムとを水溶液中で反
応せしめ、えられるリン酸セリウムの形態で導入するこ
とにより、さらにはセリウム源として酸化セリウムを使
用することによりリンの飛散を極力抑え、且つ遊離ヘテ
ロポリ酸の凝集、分解を抑制する効果があることを見い
出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の如く特定される。
(1)メタクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有
ガスにより気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際
に使用する触媒として、一般式 MoCe 〔式中Mo、V、P、Ce、Oはそれぞれモリブデン、
バナジウム、リン、セリウムおよび酸素を示し、Xはカ
リウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムよりなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yは銅、
ヒ素、アンチモン、コバルト、ジルコニウム、ビスマ
ス、ニツケル、クロム、マンガンおよび亜鉛よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の元素を示す。また添字a
、b 、c 、d 、e 、f およびg は各元素の原子比を表
わし、a=12としたとき、b 、d 、f はそれぞれ0(ゼ
ロ)を含まない3以下の値、c は 0.5〜3の値、e は0
〜3の値をとりかつg は他の元素の原子価および原子比
の値によつて定まる値をとる。〕で表わされ、かつこの
ものが遊離のモリブドバナドリン酸を含有してなるもの
であって、この触媒を調製するに際して、セリウム源と
して酸化セリウムおよび/またはリン酸セリウムを、か
つリン源としてその一部にリン酸セリウムを用いること
を特徴とするメタクリル酸製造用触媒の調製方法。
本発明方法はその使用する触媒組成物における遊離のヘ
テロポリ酸の存在についてのべるとカリウム、ルビジウ
ム、セシウムおよびタリウムの含有量が低い範囲では、
たとえばモリブデンとバナジウムの合計原子数が12に
対してアルカリ金属(あるいはタリウム)原子数が1近
辺であれば焼成後の触媒のX線回折(対陰極Cu−K
α)において遊離のヘテロポリ酸に有効なピーク群2θ
=約8.0゜、約8.9゜、約9.3゜で確認が可能で
あり、さらにアルカリ金属(あるいはタリウム)の原子
数が1より大きく3以下の範囲の場合には焼成後の触媒
を粉砕しイオン交換水に懸濁させて不溶分を濾別し、え
られる水溶液を濃縮し、えられる固形物のX線回折によ
り分析することにより遊離のヘテロポリ酸に特有な上記
ピーク群が確認可能である。
本発明方法は、そこで使用する触媒組成物において、リ
ンの一部分、とくに、ケギン構造に組み込まれていない
過剰のリン成分を安定なリン酸セリウムの形態で導入す
ることと、セリウム成分を、その一部酸化セリウムの形
で導入することに特徴がある。まず酸化セリウムの添加
効果について言及すると(I)酸化セリウムは塩基性を
示すことが一般にいわれているが、この塩基性を示す酸
化セリウムと遊離のヘテロポリ酸との反応性の結果、遊
離のヘテロポリ酸の3次、4次凝集が抑制され、その結
果遊離ヘテロポリ酸の分解を極力おさえられること、
(II)酸化セリウムは気相酸素に対する親和性が高く、
触媒上でのメタクロレイン触媒気相反応中の触媒の酸化
還元サイクルをきわめてスムーズに行なわしめる効果を
有し、活性を高めしたがって低い反応温度に於ても反応
が可能である。(III)酸素への親和性の結果、ガス中
のメタクロレインに対する酸素比率が低くてもメタクリ
ル酸への酸化反応がスムーズに進行すること、(IV)さ
らには比較的空間速度の影響を受けないという安定性を
示す等の効果がみとめられる。
次にリン酸セリウムの効果についてのべる。リン酸セリ
ウムはきわめて安定であり、たとえば反応性からみる
と、通常三酸化モリブデンとオイトリン酸を水媒体中で
100℃近くで還流下に加熱処理すると反応が起りリン
モリブデン酸の均一溶液が生成するが、このオルトリン
酸の代りにたとえばオルトリン酸と硝酸セリウムとから
調製した白色沈澱のリン酸セリウムを使用した場合には
リンモリブデン酸が生成しにくくなること、そして他の
ヘテロポリ酸を形成させる方法、たとえばパラモリブデ
ン酸アンモニウムとオルトリン酸を水媒体中で反応後熱
処理によりリンモリブデン酸(あるいはそのアンモニウ
ム塩)を調製せしめる場合に、オルトリン酸の代りにリ
ン酸セリウムを使用した場合にも三酸化モリブデンの形
成が多くなり、ヘテロポリ酸(あるいはその塩)は生成
しにくいこと、またリン酸セリウムは示差熱分析によれ
ば400℃以上までも安定であること等から、そのもの
自体きわめて安定であり、且つこのようにリン成分を安
定化させるだけではなく、触媒中においてモリブドバナ
ドリン酸の安定化に寄与し、メタクリル酸への選択活性
の維持に有効に作用している。
かくしてリン酸セリウム、酸化セリウムの共存により、
調製されたモリブドバナドリン酸、このヘテロポリ酸の
塩の共存、場合によってはY成分である銅、コバルト等
の成分との相乗効果により、ヘテロポリ酸の安定化をは
かりリンの飛散をおさえ、触媒の寿命が大巾に改善され
ると共にメタクリル酸の高収率がもたらされるものであ
る。
本発明による触媒を使用するにあたってはその触媒組成
物を単味でペレット状、球状、円柱状、リング状等に押
し出しまたはタブレット成形したものを用いてもよく、
α−アルミナ、シリカアルミナ、シリコンカーバイド、
酸化チタン、酸化マグネシウム、アルミニウムスポンジ
などのあらかじめ成形された担体に含浸または付着させ
たものを用いてもよく、一方、シリコンカーバイド、珪
藻土、アルミナなどの粉末を加えて成形したものを用い
てもよい。また触媒原料物質としては種々のものが使用
可能である。たとえばモリブデン化合物としてパラモリ
ブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、三酸化モリブデ
ン、リンモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等が、
バナジウム化合物としてメタバナジン酸アンモニウム、
五酸化バナジウム、蓚酸バナジル、硫酸バナジル等が、
リン化合物としてリン酸、リン酸第1アンモニウム、リ
ン酸第2アンモニウム等が、X、Y成分としては、それ
らの成分元素の硝酸塩、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、酸
化物等が、またセリウム成分として硝酸塩、酸化物、硝
酸アンモニウム塩、水酸化物等が使用される。
本発明による触媒をメタクロレインの気相接触酸化反応
に用いる際の原料メタクロレインは純粋なガス状メタク
ロレインでも、一般にイソビチレンやターシャリブタノ
ールを原料とする気相接触酸化反応でえられたメタクロ
レイン含有ガスでも、または液相法で合成されたメタク
ロレインからえられるガス状メタクロレインでもよく、
とくに限定はされない。原料ガスはこれらいずれかに分
子状酸素を混合して用いられる。酸素源は工業的には空
気が有利である。その他希釈剤として不活性ガスたとえ
ば窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン、一酸化炭
素、水蒸気等を用いることができる。
酸化反応におけるメタクロレイン濃度は0.5〜15容
量%、好ましくは1〜10容量%である。メタクロレイ
ンに対する酸素は容量比で0.5〜10の範囲、好まし
くは1〜5の範囲である。原料ガスの空間速度は 100〜
5000hr-1(STP) 、好ましくは 300〜3000hr-1(STP) の範
囲が適当である。反応温度は 200〜 350℃の範囲、好ま
しくは 240〜 300℃である。反応圧力は通常常圧近くで
操作されるが、加圧下でも源圧下でも可能である。
本発明による触媒を用いる際に反応装置は一般に固定床
形式で用いるが、流動床、移動床のいずれの形式におい
ても用いることができる。
以下実施例、比較例をあげてさらに具体的に説明するが
本発明はこれに限定されるものではない。なおこの実施
例および比較例における転化率、選択率、単流収率はつ
ぎの定義による。
実施例 1 加熱した水1.2にパラモリブデン酸アンモニウム3
53.2gとメタバンジン酸アンモニウム21.3g、
85%オルトリン酸21.0gを溶解撹拌した。そこへ
50mlの水に溶解した硝酸カリウム25.3gを添加
し、さらに硝酸水溶液を加えてPHを約1.0に調整し
た後粉末状酸化セリウム14.3gを加えた。別に10
0mlに硝酸セリウム30.6gを溶解し、そこへ85%
オルトリン酸8.1gを加えると白色の沈澱が生じるが
この沈澱液を上記溶液へ酸化セリウム添加後に加え、撹
拌しながら加熱濃縮した。えられた粘土状物質を約10
0℃で乾燥後粉砕し、これに適量の水を加えてよく練っ
たのち200℃で4時間乾燥後平均径約5mmの粒径に粉
砕し、これを空気流通下400℃で4時間焼成した。こ
うしてえられた触媒組成はMo121.11.51.5Ce
0.9(ただし酸素を除く原子比)であった。
この触媒20mlを内径13mmのステンレスU字間に充填
し、270℃の溶融塩浴に浸漬した。この反応管にメタ
クロレイン5モル%、酸素10モル%、水蒸気30モル
%、窒素55モル%からなる組成の混合ガスを導入し、
その空間速度を1500hr-1(STP) に保ちメタクロレインの
酸化反応を行い触媒性能試験を行ったところメタクロレ
イン転化率83.7モル%、メタクリル酸への選択率8
1.5モル%の結果がえられた。
次にこの触媒を用いて長期反応テストを行い性能の経時
変化をみた。反応条件はメタクロレインの製造用反応器
をメタクロレイン酸化長期反応テスト用装置の前段階に
設置し、その反応器にモリブデン−コバルト含有多元系
酸化触媒を充填し、この反応器の出口ガス中にほぼメタ
クロレイン5モル%、酸素10モル%、水蒸気30モル
%が含有されるようにイソブチレン、酸素、水蒸気、窒
素を導入しえられた生成ガスを上記触媒に供給する方法
で長期反応テストを行った。長期反応テストの空間速度
は1500hr-1(STP) とし、反応温度は270℃に設定し
た。その結果3000時間後の収率はメタクロレイン転化率
83.8モル%、メタクリル酸への選択率81.9モル
%、6000時間後にはメタクロレイン転化率、メタクリル
酸への選択率はそれぞれ83.4モル%、81.6モル
%、 12000時間後には反応温度を殆んど変更することな
くメタクロレイン転化率、メタクリル酸への選択率それ
ぞれ83.3モル%、81.8モル%であった。
実施例 2 実施例1におけると同様にしてえた触媒を用いて実施例
1と同様の反応装置を用いて以下の触媒劣化加速テスト
法を採用し、寿命テストとの対応を行った。すなわち、
触媒性能試験を行った後、溶融塩浴温度を380℃にあ
げ、さらに供給ガス組成を容量比でメタクロレイン:酸
素:窒素:水蒸気=2:6:32:10となるように変
更し、かつ空間速度を2000hr-1(STP) で連続して通過さ
せ、各時間経過後に塩浴温度、供給ガス組成、空間速度
を触媒性能試験に戻して性能テストを行い、次に反応条
件を劣化加速テスト条件に戻すことを繰り返すことによ
り長期反応テストとの対応を行った。その結果反応初期
の触媒性能試験結果はメタクロレイン転化率83.6モ
ル%、メタクリル酸への選択率は81.4モル%であっ
た。その後劣化加速テスト時間 300時間後メタクロレイ
ン転化率83.6モル%、メタクリル酸への選択率は8
1.5モル%、 500時間後メタクロレイン転化率83.
4モル%、メタクリル酸への選択率81.2モル%、10
00時間後のメタクロレイン転化率82.8モル%、メタ
クリル酸への選択率81.4モル%であった。1000時間
劣化加速テスト後の触媒を抜き出しX線回折分析および
元素分析により三酸化モリブデンの生成およびリン量を
調べたところ三酸化モリブデンに相当するピークはわず
かであるが認められる程度であり、リンの飛散も殆んど
認られなかった。
比較例 1〜7 実施例1の触媒調製法においてオルトリン酸、硝酸カリ
ウムと酸化セリウム、硝酸セリウムを添加しない触媒
(比較例1)、硝酸カリウム、酸化セリウム、硝酸セリ
ウムの添加しない触媒(比較例2)、メタバナジン酸ア
ンモニウムを添加しない触媒(比較例3)、オルトリン
酸および硝酸セリウムを添加しない触媒(比較例4)、
硝酸カリウムを添加しない触媒(比較例5)をそれぞれ
調製し、実施例1と同じ反応条件で触媒性能試験を行っ
た。さらに実施例1に於て硝酸セリウムを使用せずリン
成分であるオルトリン酸の全量をメタバナジン酸アンモ
ニウム添加後のオルトリン酸添加時に添加した触媒(比
較例6)、酸化セリウムおよび硝酸セリウムを使用せ
ず、リン成分であるオルトリン酸の全量をメタバナジン
酸アンモニウム添加後のオルトリン酸添加時に添加した
触媒(比較例7)を用いて実施例2と同様の方法で触媒
性能試験および劣化加速テストを行った。これらを表−
1に示す。
実施例 3〜13 実施例1における触媒調製法においてメタバナジン酸ア
ンモニウム量、硝酸カリウム量、酸化セリウム量をかえ
て調製した触媒、さらにはオルトリン酸と硝酸セリウム
との量をかえて調製した触媒を用いて実施例1と同じ反
応条件にて触媒性能試験を行った。その結果を表−2に
示す。
実施例 14〜16 実施例1の触媒の調製において硝酸カリウムの代りに硝
酸ルビジウム、硝酸セシウム、硝酸タリウムを使用した
触媒を用いて実施例1と同じ反応条件にて触媒性能試験
を行った。その結果を表−3に示す。
実施例 17 三酸化モリブデン288.0g、五酸化バナジウム1
6.5gおよび85%オルトリン酸21.0gを水1
に加え、24時間加熱還流した。そこへ50mlの水に溶
解した硝酸カリウム25.3gと硝酸銅12.1gの水
溶液を加えた。次にこの溶液に酸化セリウム14.3g
を加えた。別に水100mlに硝酸セリウム30.6gを
溶解し、そこへ85%オルトリン酸8.1gを加えると
白色の沈澱が生じたが、この沈澱液を上記溶液への酸化
セリウム添加後に加え撹拌しながら加熱濃縮した。えら
れた粘土状物質を約100℃で乾燥後粉砕し、これに適
量の水を加えてよく練ったのち、200℃で4時間乾燥
後平均径約5mmの粒径に粉砕し、これを窒素気流中43
0℃で3時間、つづいて空気気流中400℃で3時間焼
成した。こうしてえられた触媒の組成はMo121.1
1.51.5Cu0.3Ce0.9(ただし酸素を除く原子比)で
あった。
この触媒を実施例2と同じ反応条件にて触媒性能試験お
よび劣化加速テストを行った。反応当初の性能効果はメ
タクロレイン転化率92.6モル%、メタクリル酸への
選択率は82.6モル%であった。劣化加速テスト30
0時間後メタクロレインの転化率92.3モル%、メタ
クリル酸への選択率は82.3モル%、500時間後メ
タクロレイの転化率91.8モル%、メタクリル酸への
選択率は82.4モル%、1000時間後メタクロレイ
の転化率90.5モル%、メタクリル酸への選択率は8
2.2モル%であった。
実施例 18〜26 実施例17に於いて硝酸銅の代りに硝酸コバルト、硝酸
ニッケル、酸化クロム、硝酸マンガン、硝酸ビスマス、
硝酸亜鉛、ヒ酸、酸化アンチモン、酸化ジルコニウムを
それぞれ用いて実施例17の方法にしたがって触媒の調
製を行った。触媒性能試験は実施例1と同じ方法で行っ
た。結果を表−4に示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−2619(JP,A) 特開 昭55−124734(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクロレインを分子状酸素または分子状
    酸素含有ガスにより気相接触酸化してメタクリル酸を製
    造する際に使用する触媒が、一般式 MoabcdeCefg 〔式中Mo、V、P、Ce、Oはそれぞれモリブデン、
    バナジウム、リン、セリウムおよび酸素を示し、Xはカ
    リウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムよりなる
    群から選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yは銅、
    ヒ素、アンチモン、コバルト、ジルコニウム、ビスマ
    ス、ニツケル、クロム、マンガンおよび亜鉛よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種の元素を示す。また添字
    a、b、c、d、e、fおよびgは各元素の原子比を表
    わし、a=12としたとき、b、d、fはそれぞれ0
    (ゼロ)を含まない3以下の値、cは0.5〜3の値、
    eは0〜3の値をとりかつgは他の元素の原子価および
    原子比の値によつて定まる値をとる。〕 で表わされ、かつこのものが遊離のモリブドバナドリン
    酸を含有してなるものであって、この触媒を調製するに
    際して、セリウム源として酸化セリウムおよび/または
    リン酸セリウムを、かつリン源としてその一部にリン酸
    セリウムを用いることを特徴とするメタクリル酸製造用
    触媒の調製方法。
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