JP5301110B2 - メタクロレインの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒の存在下に、第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化するメタクロレインの製造方法に関する。
第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを触媒の存在下に気相接触酸化するメタクロレインの製造方法は広く知られており、工業的にも利用されている。触媒としては、例えば、モリブデン、ビスマス及び鉄を必須成分として含有する、複合酸化物からなる触媒が使用されている(特許文献1〜6)。このような場合には、反応は触媒を固定相として用い、300〜400℃の温度で行われる。
気相接触酸化反応に用いられる触媒は比較的長期間使用されるが、通常、触媒の活性は経時的に低下し、原料の反応率が低下する。そこで、固定床反応器では、経時的な活性の低下に伴い、反応温度を許容温度の限界まで上昇させることで、原料の反応率を維持する方法がとられている(特許文献7、非特許文献1)。
しかしながら、工業的な実施の観点から見れば、この方法では十分な収率でメタクロレインを製造できていない。したがって、触媒の活性を向上させた、より高収率なメタクロレインの製造方法が望まれている。
モリブデン−バナジウム系触媒下に、メタクロレインを気相接触酸化するアクリル酸、メタクリル酸の製造方法では、原料ガス中に二酸化硫黄等の還元性ガスを含有させて反応率を向上させる方法が開示されている(特許文献8)。また、液相酸化によるアクリル酸、メタクリル酸の製造方法では、K等の硫黄化合物を反応溶媒に加えて、アクリル酸、メタクリル酸を高い選択率で得る方法が示されている(特許文献9)。
以上のように、特許文献8、9では、硫黄化合物を利用して触媒性能を向上させている。
しかしながら、これらの技術は、いずれもメタクロレインを酸化してメタクリル酸を製造する方法であり、メタクロレインの製造方法に関するものではない。
特開昭53−19188号公報 特開昭54−66610号公報 特開昭55−359号公報 特開昭55−19227号公報 特開昭56−95135号公報 特開昭60−28824号公報 特開平11−263739号公報 特開2002−322116号公報 特開昭50−19717号公報 村上雄一監修 触媒劣化メカニズムと防止対策 17項(技術情報協会)
本発明は、触媒の存在下に第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化するメタクロレインの製造方法において、高収率なメタクロレインの製造方法を提供する。
上記の課題を達成するために、本発明は、触媒の存在下、第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化するメタクロレインの製造方法において、前記第三級ブタノールとイソブチレンとの合計質量に対し、硫黄原子として0.1〜5000質量ppmとなるように、メチルメルカプタンおよびターシャリーブチルメルカプタンの少なくとも一方からなる硫黄化合物を含む原料ガスを使用することを特徴とする、メタクロレインの製造方法を提供する。
また、本発明のメタクロレインの製造方法では、触媒として、下記組成式(1)のものを使用することが望ましい。
MoBiFeSi (1)
ここで、Mo、Bi、Fe、Si及びOは、それぞれモリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素および酸素を示し、Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、各元素の原子比率を表し、a=12のとき、b=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。
本発明によれば、触媒の存在下に、第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化するメタクロレインの製造方法において、高い収率でメタクロレインを製造できる。
以下に、本発明のメタクロレインの製造方法の一例を示し、詳細に説明する。
本発明のメタクロレインの製造方法に用いる触媒としては、例えば、モリブデン、ビスマス及び鉄を必須成分として含有する、複合酸化物からなる触媒が挙げられる。なかでも、下記式(1)で表される組成を有する触媒であるのが好ましい。
MoaBibFecdefgSihi (1)
ここで、Mo、Bi、Fe、Si及びOは、それぞれモリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素及び酸素を示し、Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、各元素の原子比率を表し、a=12のとき、b=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。
触媒は、担体に担持されていてもよい。担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、シリコンカーバイト等が挙げられる。
以下、本発明で使用する触媒の好適な製造方法について説明する。
触媒に含まれている元素の原料(以下、触媒原料と略すことがある)としては、特に限定されないが、酸化物、塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、又はそれらの混合物等が挙げられる。塩化物としては、強熱することにより酸化物となるものが好ましい。また、一般的によく用いられる水溶性化合物だけでなく、金属及び難溶性化合物等を使用することも可能である。
まず、少なくともモリブデンを含有する溶液又は分散液(A液)を調製する。モリブデンの原料としては、パラモリブデン酸アンモニウムを用いることが好ましいが、三酸化モリブデン及び塩化モリブデン等、種々の原料を使用できる。A液は、鉄を含んでいないことが好ましい。A液の溶媒としては、水、アルコール、アセトン等を使用することができ、これらの群から選択した2種以上の混合溶媒でもよい。また、少なくとも水を含んでいる溶媒がよく、特に、溶媒全体の50質量%以上が水であるのが好ましい。したがって、溶媒として水単独を使用することも好ましい。A液を調製する際の溶媒の質量は、A液に添加する触媒原料の合計を100質量部として、70〜270質量部であるのが好ましい。
また、少なくとも鉄を含有する溶液又は分散液(B液)を調製する。鉄の原料としては、硝酸第二鉄を用いることが好ましいが、水酸化鉄、三酸化鉄等の種々の原料が使用できる。B液は、モリブデンを含有しないことが好ましい。B液の溶媒としては、水、アルコール、アセトン等を使用することができ、これらの群から選択した2種以上の混合溶媒でもよい。また、少なくとも水を含んでいる溶媒がよく、特に、溶媒全体の50質量%以上が水であるのが好ましい。したがって、溶媒として水単独を使用することも好ましい。B液を調製する際の溶媒の質量は、B液に添加する触媒原料の合計を100質量部として、30〜230質量部であるのが好ましい。
次に、調製したA液とB液とを混合し、C液を調製する。このC液に、上記記載の式(1)で表される触媒に含まれる、ビスマス、M成分、X成分、Y成分、Z成分、及びケイ素の触媒原料を全て加え、D液とする。尚、これらの触媒原料は、A液、B液に添加しても構わない。触媒原料が最終的に式(1)を満たすのに必要な量であれば、それぞれの触媒原料について、A液、B液、C液のいずれかに全量を一度に添加しても、2つ以上に複数回に分けて添加してもよい。また、触媒原料の添加は、溶液又は分散液の調製途中であっても、調整後であってもよい。
以上のように、少なくともモリブデン、ビスマス、及び鉄を含有するD液を調製する。複合酸化物が担体に担持されている触媒を製造する場合には、D液中に担体を共存させて以後の処理を行えばよい。
得られたD液は、80〜120℃の温度範囲で保持することが好ましく、90〜110℃での保持がさらに好ましい。D液をこの温度範囲で保持することにより、触媒性能を向上させることができる。保持時間は特に限定されないが、1秒〜30時間の範囲が適当であり、1分〜20時間の範囲が好ましく、3分〜15時間の範囲が最適である。D液を1分以上保持すれば、保持することによる効果がある程度得られ、また、20時間保持することによりその効果が十分に得られる。
次に、必要に応じて乾燥、焼成を行う。乾燥方法としては、箱形乾燥機によるものや、蒸発乾燥、噴霧乾燥等、種々の乾燥方法を用いることができる。乾燥条件は、例えば、箱形乾燥機であれば30〜150℃、噴霧乾燥機であれば入口温度で100〜500℃が好ましい。焼成は、塩分解とその後の焼成に分けて行なうのが好ましい。また、焼成は通常200〜600℃の温度範囲で0.5〜10時間行われるが、これらは特に限定されない。
その後、得られた触媒は成型できる。触媒を成型する方法は特に限定されず、打錠成型機、押出成型機、転動造粒機等の一般粉体用成型機で、球状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に成型できる。また、触媒を成型する際には、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の有機化合物を添加してもよい。また、グラファイト及びケイソウ土等の無機化合物、ガラス繊維、セラミックファイバー及び炭素繊維等の無機ファイバーを添加してもよい。
また、成型された触媒は必要に応じて熱処理される。熱処理条件については特に限定はなく、通常150〜600℃の温度範囲で、0.5〜80時間行われる。
以上のようにして、少なくともモリブデン、ビスマス、及び鉄を含有する複合酸化物からなる触媒を得ることができる。尚、この触媒は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、シリコンカーバイト等の不活性物質で希釈して用いることもできる。
以上のように製造した触媒の存在下、原料である第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化し、メタクロレインを製造する。例えば、前記の触媒が充填された反応管に、第三級ブタノール及び分子状酸素を含む原料ガスを通過させ、気相接触酸化を行うことができる。
ここで、本発明のメタクロレインの製造方法では、硫黄化合物を含む原料ガスを使用することを特徴とし、原料ガスが硫黄化合物を含むことによって、触媒活性が実質的に向上し、高収率でメタクロレインを製造できる。このとき、原料ガス中の硫黄化合物の濃度は、該原料ガス中の第三級ブタノールとイソブチレンとの合計質量に対し、硫黄原子として0.1〜5000質量ppmの範囲であれば、触媒活性が高く、10〜3000質量ppmであれば触媒活性がさらに高く、30〜2000質量ppmの範囲が最も触媒活性が高い。したがって、上記のような条件で硫黄化合物が含まれた原料ガスを用いると、非常に高い収率でメタクロレインを製造できる。
硫黄化合物を含むことで触媒活性が向上する理由は明らかではないが、ICP発光分析により、硫黄化合物を含んだ原料流通後の触媒上に硫黄分が検出されることから、硫黄化合物が触媒上に吸着し、触媒構成元素の電子状態に影響を及ぼしているためであると考えられる。
硫黄化合物としては、特に限定はないが、第三級ブタノールとの親和性という点から、メルカプタン類が好ましく、特に、メチルメルカプタン、ターシャリーブチルメルカプタンで顕著な収率の向上が見られる。硫黄化合物の濃度は反応中に変更することもできる。また、硫黄化合物は、原料ガス中に予め含有させておいても、原料ガスと別にフィードしてもよいが、濃度の調整が容易であるという点で、原料ガス中に予め含有させておくのが好ましい。
分子状酸素源としては、空気を用いるのが最も経済的であるが、必要であれば純酸素で富化した空気を用いることもできる。原料ガス中の分子状酸素/原料のモル比は0.5〜3の範囲がよく、1.8〜2.4であるのが好ましい。また、最適なモル比は1.9〜2.3である。原料ガスは、希釈のための不活性ガスを含むことが好ましく、水蒸気を含んでいてもよい。また、原料ガス中の原料の濃度は、1〜10容量%であるのが好ましい。
反応圧力は、反応管の入口圧及び出口圧の平均圧力が、20〜300kPa(ゲージ圧;以下、圧力表記は全てゲージ圧である)であることが好ましい。反応は200〜450℃の範囲で行うことができ、250〜400℃の範囲が好ましく、310〜380℃の範囲が最適である。
以下、実施例を具体的に示し、詳細に説明する。
各実施例中で、「部」は質量部を意味する。原料ガス中の硫黄含有量はICP発光分析法による定量分析により決定した。反応の評価は、第三級ブタノールの反応率と、メタクロレインとメタクリル酸の選択率を求めることにより行った。原料ガス及び反応管を通過後の生成ガスの分析はガスクロマトグラフィーで行った。
触媒存在下に、第三級ブタノールを分子状酸素により気相接触酸化してメタクロレインを製造する場合には、副反応として第三級ブタノールの脱水反応が起こり、イソブチレンが生成する。したがって、第三級ブタノールの反応率(X)、気相接触酸化された第三級ブタノール(X)、メタクロレインの選択率(Y)、メタクリル酸の選択率(Y)を、以下のように定義した。
(%)=[(B−A)/B]×100
(%)=[(B−A−C)/B]×100
(第三級ブタノール1モルよりイソブチレン1モルが生成すると仮定)
(%)=[D/(B−A−C)]×100
(%)=[E/(B−A−C)]×100
ここで、Aは生成ガス中の第三級ブタノールのモル数、Bは原料ガス中の第三級ブタノールのモル数、Cは生成ガス中のイソブチレンのモル数、Dは生成ガス中のメタクロレインのモル数、Eは生成ガス中のメタクリル酸のモル数である。
以下に、本実施例及び比較例で使用した触媒の製造方法について説明する。
60℃の温度条件下、純水1000部に、パラモリブデン酸アンモニウム500部と、パラタングステン酸アンモニウム6.2部と、硝酸セシウム27.6部とを加え、溶解させてA液とした。次いで、このA液に三酸化ビスマス22.0部を加えた。また、純水1000部に、硝酸第二鉄171.6部と硝酸ニッケル78.9部と硝酸亜鉛14.0部と硝酸コバルト357.1部とを順次加えて溶解し、B液とした。
次に、上記A液(白色の懸濁液)にB液を加えてスラリー状のC液とし、C液に三酸化アンチモン20.7部を加えてD液を調製した。その後、D液を80℃で1時間保持(熟成)した後、103℃まで昇温して1時間濃縮し、スプレードライヤを用いて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を300℃で4時間焼成して触媒前駆体粉末を得た。次いで、得られた触媒前駆体粉末3920部をメチルセルロース粉末80部とよく混合した後、純水1490部を加え、混練り、押出し成形して、外径5mm、内径2mm、高さ5mmのリング状に成形し、成形体を500℃で2時間熱処理し、触媒を得た。
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、以下に示すとおりである。
Mo12Bi0.4Fe2.0Ni2.3Co5.2Zn0.20.1Sb0.6Cs0.6
前記の触媒をステンレス製反応管に充填した後、第三級ブタノール5%、酸素12%、水蒸気10%、窒素73%(容量%)からなる原料ガスを反応管に通し(触媒層への接触時間3.6秒)、340℃で反応させた。このとき、原料ガス中にはメチルメルカプタンを含有させた。本実施例及び比較例では、メチルメルカプタンの含有率以外は、全て上記と同様の方法により触媒の製造と反応の評価を行った。実施例1〜5及び比較例1の、原料ガス中のメチルメルカプタンの含有量を表1に示す。また、各条件における反応結果を表2に示す。
Figure 0005301110
Figure 0005301110
原料ガス中にメチルメルカプタンを含有させなかった場合は(比較例1)、第三級ブタノールの反応率(X)は100%であるが、気相接触酸化された第三級ブタノール(X)は95.9%であった。また、メタクロレインの選択率(Y)は89.6%、メタクリル酸の選択率(Y)は3.6%であった。以上のように、原料ガス中にメチルメルカプタンを含有させない場合は、高い収率でメタクロレインを製造できなかった。メタクロレインの収率は85.9%であった。
一方、第三級ブタノールに対して硫黄原子として50質量ppmとなるように、原料ガス中に硫黄化合物を含有した実施例1では、第三級ブタノールの反応率(X)が100%、気相接触酸化された第三級ブタノール(X)が97.5%となった。また、メタクロレインの選択率(Y)は89.7%、メタクリル酸の選択率(Y)は3.8%であった。このように、原料ガス中にメチルメルカプタンを含有させると、メタクロレインの選択率が変わらずに、第三級ブタノールの気相接触酸化反応の効率が高くなり、実質的に触媒活性を向上させることができ、高い収率でメタクロレインを製造できた。メタクロレインの収率は87.5%であった。
同様に、第三級ブタノールに対して硫黄原子として1500、3000、5000質量ppm(実施例2、3、4)となるように、原料ガス中にメチルメルカプタンを含有させた場合も、実質的に触媒活性を向上させ、高収率でメタクロレインを製造できた。

Claims (2)

  1. 触媒の存在下、第三級ブタノール及び/又はイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化するメタクロレインの製造方法において、前記第三級ブタノールとイソブチレンとの合計質量に対し、硫黄原子として0.1〜5000質量ppmとなるように、メチルメルカプタンおよびターシャリーブチルメルカプタンの少なくとも一方からなる硫黄化合物を含む原料ガスを使用することを特徴とする、メタクロレインの製造方法。
  2. 触媒として、下記組成式(1)のものを使用することを特徴とする、請求項1に記載のメタクロレインの製造方法。
    MoBiFeSi (1)
    ここで、Mo、Bi、Fe、Si及びOは、それぞれモリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素および酸素を示し、Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、各元素の原子比率を表し、a=12のとき、b=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。
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