JP5340211B2 - 沸騰水型原子力プラント - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型原子力プラントに係り、特に、オフガス系に再結合装置を有する沸騰水型原子力プラントに適用するのに好適な沸騰水型原子力プラントに関する。
COなどによる地球温暖化が深刻になる状況化にあって、COを発生しない原子力発電プラントは、将来のエネルギー供給源として、年々、全世界で需要が高まっている。
原子力プラントとして、沸騰水型原子力プラント(以下、BWRプラントと称する)がある。BWRプラントには、原子炉圧力容器内の炉心への冷却水の供給を、原子炉圧力容器に接続された再循環系配管に設けられた再循環系ポンプを駆動して行うタイプと、その冷却水の供給を、原子炉圧力容器の底部に設けられてインペラが原子炉圧力容器内に配置されたインターナルポンプを用いて行うタイプの二種類がある。インターナルポンプを有する後者のタイプのBWRプラントは、改良型原子炉(ABWR)プラントと呼ばれている。
BWRプラントでは、原子炉圧力容器内の炉心に装荷された複数の燃料集合体に含まれる核燃料物質の核分裂によって発生する熱により冷却水を加熱して蒸気を発生させる。原子炉圧力容器内で発生したその蒸気がタービンに直接供給される。BWRプラントの運転中、炉心内の冷却水は、核分裂によって発生する中性子及びγ線等の放射線の照射により、放射線分解され、水素及び酸素が発生する。この水素及び酸素は原子炉内で発生する水蒸気とともにタービンに移行し、非凝縮性ガスとなる。この水素及び酸素の気相反応が生じると燃焼する危険性がある。このため、BWRプラントでは、水素と酸素の再結合を促進させる燃焼触媒を充填した再結合器をオフガス系の配管に設け、この再結合器で、放射線分解により発生した水素と酸素を再結合させている。水素と酸素を再結合は、(1)式に示す反応によって行われる。
2H + O → HO ……(1)
オフガス系配管が、タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器に接続されている。復水器の真空度を上げるために、オフガス系配管に設けられた空気抽出器により、復水器内のガスが抽気される。冷却水の放射線分解で発生した水素及び酸素は、蒸気と共に原子炉圧力容器から主蒸気配管を通ってタービンに導かれ、タービンから復水器に排出される。復水器内に到達した水素及び酸素等のガスは、空気抽出器の作用によって、吸引され、オフガス系配管に排出され、この配管に設けられた再結合器に導かれる。水素と酸素は、再結合器内で燃焼触媒の作用により再結合されて水になる。
復水器に接続されたオフガス系配管に再結合器を設け、この再結合器で水素と酸素の再結合を行うことは、特開平11−352287号公報、特開昭63−122997号公報及び特開平3−95498号公報に記載されている。
オフガス系配管が接続された復水器に設置されている低圧タービンでは、パッキング部のシール剤として亜麻仁油を使用していた。しかしながら、最近、タービン効率の低下を改善するために亜麻仁油より気密性を維持し易い液状パッキンに変更するプラントが増加している。
Karl Arnby et al. Applied Catalysis B, Characterization of Pt/Fe-Al2O3 catalysts deactivated by hexamethyldisiloxane, pp.1-7(2004)、Masahiko Matsumiya et al. Sensors and Actuators B, Poisoning of platinum thin film catalyst by hexamethyldisiloxane(HMDS) for thermoelectric hydrogen gas sensor, pp516-522(2003)、及びJean-Jacques Ehrhardt et al. Sensors and Actuators B, Poisoning of platinum surfaces by hexamethyldisiloxane(HMDS): Application to catalytic methane sensors, pp117-124(1997)は、室温でも液状パッキングから微量のヘキサメチレンジシロキサン(HMDS)が発生し、このHMDSが可燃式水素センサーの電極に付着して可燃式水素センサーの性能を低下させることを報告している。
特開2004−157022号公報は、原子炉格納容器内に配置された水素酸素再結合器内の金属触媒の劣化を防止する方策について説明している。水素酸素再結合器内に配置された水素と酸素の再結合反応を促進させる金属触媒の上流に、ヨウ素を吸着するフィルタを設置している。これにより、酸素再結合器に流入するガスにヨウ素が含まれているとき、このヨウ素がゼオライトフィルタで除去されるので、ヨウ素による金属触媒の劣化を防止することができる。
特開2009−136841号公報は、揮発性有機化合物を扱っている製造工程から排気される排ガスに含まれる揮発性有機化合物を処理する触媒酸化処理装置を記載している。この触媒酸化処理装置は、排ガスに含まれる揮発性有機化合物を酸化分解する酸化分解触媒を充填した触媒層を有し、排ガスに微量含まれる触媒毒を除去する前処理触媒を蒸気の触媒層の上流に配置している。前処理触媒の設置により、触媒毒により酸化分解触媒が劣化することを防止している。
特開平11−352287号公報 特開昭63−122997号公報 特開平3−95498号公報 特開2004−157022号公報 特開2009−136841号公報
Karl Arnby et al. Applied Catalysis B, Characterization of Pt/Fe-Al2O3 catalysts deactivated by hexamethyldisiloxane, pp.1-7(2004) Masahiko Matsumiya et al. Sensors and Actuators B, Poisoning of platinum thin film catalyst by hexamethyldisiloxane(HMDS) for thermoelectric hydrogen gas sensor, pp516-522(2003) Jean-Jacques Ehrhardt et al. Sensors and Actuators B, Poisoning of platinum surfaces by hexamethyldisiloxane(HMDS): Application to catalytic methane sensors B, pp117-124(1997)
オフガス系配管が接続された復水器に設置されている低圧タービンでは、パッキング部のシール剤として亜麻仁油を使用していた。しかしながら、最近、タービン効率の低下を改善するために亜麻仁油より気密性を維持し易い液状パッキンに変更するプラントが増加している。
Karl Arnby et al.、Masahiko Matsumiya et al.及びJean-Jacques Ehrhardt et al.の各報告事例を踏まえると、液状パッキングを使用しているBWRプラントの再結合触媒もシリカの付着により性能が劣化する可能性があると考えられる。
本発明の目的は、復水器から排出されたガスがケイ素原子を含む有機化合物を含んでいるときにおいても、オフガス系に設けられた再結合装置の触媒性能を向上させることができる沸騰水型原子力プラントを提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、原子炉圧力容器から排出された蒸気を凝縮する復水器と、復水器に接続されて復水器から排出されたガスを導くオフガス系配管と、オフガス系配管に設けられ、触媒を充填した触媒層及びこの触媒層の上流に配置されたγアルミナのそれぞれを内部に有する再結合装置とを備えたことにある。
復水器から排出されたガスがケイ素原子を含む有機化合物(例えば、シロキサン)を含んでいるとき、この有機化合物が触媒層の上流に配置されたγアルミナで除去される。このため、ケイ素原子を含む有機化合物の触媒層への流入が抑制され、再結合装置の触媒性能を向上させることができる。
本発明によれば、復水器から排出されたガスがケイ素原子を含む有機化合物を含んでいるときにおいても、オフガス系に設けられた再結合装置の触媒性能を向上させることができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の沸騰水型原子力プラントの構成図である。 図1に示す再結合器の縦断面図である。 環状シロキサンの化学構造を示す説明図である。 αアルミナ及びγアルミナを用いた場合での触媒出口での水素濃度の変化を示す特性図である。
HMDSは、ケイ素原子を2個含む鎖状化合物であるが、ケイ素数が3以上になると、図3に示すような環状シロキサン化合物(以下、D類という)になる場合もある。環状シロキサン化合物はケイ素原子を含む有機化合物である。直鎖型シロキサンもケイ素原子を含む有機化合物である。発明者らは、D類が再結合器に充填された燃焼触媒の触媒毒となると推定し、液状パッキングから放出されるD類の発生条件を検討した。この結果、高温、高真空条件である程、D類の揮発量が増加することが分かった。また、BWRプラントのオフガス系の再結合器入口でガスの定量分析を行った結果、D類が検出された。
発明者らは、基礎試験により、5kPaの真空下では材料の表面温度が上昇するにつれて、D類成分の揮発量がより増加することを確認した。また、150℃及び5kPaの条件を維持した場合には、時間とともにD類の揮発成分量が増加していくことを確認した。
発明者らは、D類及び直鎖型シロキサン等のケイ素原子を含む有機化合物が触媒毒となってオフガス系に設けられた再結合器内の触媒に付着することが、その触媒の性能を低下させる可能性を想定した。そこで、発明者らは、ケイ素原子を含む有機化合物を除去することとし、ケイ素原子を含む有機化合物の除去について検討した。この検討結果を以下に説明する。
触媒の性能を高めるため担体には、単位体積当りの表面積(比表面積)が大きく、且つ使用温度で安定な物質が使用される。アルミニウム酸化物は、高温でも安定でありかつ比表面積を大きく維持できるため、触媒の担体として多用されている。
Figure 0005340211
触媒の担体として使用されるアルミニウム酸化物をX線回により分析すると、ベーマイト(AlOOH)、γ−アルミナ及びα−アルミナ等が検出される。これらのアルミニウム酸化物が安定に存在できる温度と比表面積を測定した結果を表1に示す。表1に示された測定結果によれば、ベーマイトは、約400℃で使用されるBWRプラントのオフガス系配管に設けられた再結合器内で触媒の上流に、ケイ素原子を含む有機化合物の除去のために配置する場合には、変質する可能性があり好ましくない。また、比表面積はγ−アルミナが最も大きいので、比表面積の観点からはγ−アルミナがケイ素原子を含む有機化合物のトラップとして最も好ましい。このため、上記の再結合器内でケイ素原子を含む有機化合物(例えば、D類)のトラップとしては、熱的安定性及び比面積の確保の観点から、γ−アルミナが最も有効と考えられる。
そこで、発明者らは、ケイ素原子を含む有機化合物のトラップ(例えば、シロキサントラップ)としてγアルミナ及びαアルミナを用い、金属触媒としてPt触媒を用いて、Pt触媒へのケイ素原子を含む有機化合物の付着抑制効果を調べた。
Pt触媒へのケイ素原子を含む有機化合物の付着抑制効果を調べる実験において、γアルミナとして直径4〜6mmの球状に成形したγアルミナを、αアルミナとして直径4〜6mmの球状に成形したαアルミナをそれぞれ用いた。アルミナの結晶構造を解析できるX線回折法を用いることによって、ベーマイト(AlOOH)、γアルミナ及びαアルミナを調べることができる。直径4〜6mmの球状に成形したγアルミナがγアルミナであることを、また、直径4〜6mmの球状に成形したαアルミナがαアルミナであることを、X線回折法で確認した。
金属触媒は、以下のようにして製作した。Ni−Cr合金製のスポンジ状の金属基材の表面にアルミナをコーティングし、このアルミナに塩化Pt溶液を浸漬した後、乾燥して焼成した。その後、温水洗浄により脱塩素処理をした後、350℃で水素還元を実施することにより、金属触媒であるPt触媒を得ることができた。Pt触媒のスポンジ状の金属基材は、目開きを1個が2〜3mmの孔を有している。また、その金属基材は直径27mm、及び厚さ11mmの形状を有し、製作されたPt触媒では単位金属単位体積あたり金属換算で2g/LのPtが金属基材にコーティングされたアルミナに添着されていた。
発明者らが行ったPt触媒へのケイ素原子を含む有機化合物の付着抑制効果を調べる実験について説明する。内径28mmの石英製反応管内に、製作したPt触媒を5個充填し、これらのPt触媒の上方で石英製反応管内に、直径4〜6mmの球状に成形した40gのγアルミナの充填層を形成し、Pt触媒による水素浄化率を調べた。さらに、αアルミナを用いた実験も行った。γアルミナの場合と同様に、Pt触媒5個の上方で石英製反応管内に、直径4〜6mmの球状に成形した40gのαアルミナの充填層を形成した。これらの実験において、シロキサントラップであるγアルミナ及びαアルミナは、石英製反応管内でPt触媒層の上流に配置されている。
実験条件を以下に述べる。実験に用いた反応ガスは、デカメチルシクロペンタシロキサン(以下、D5)を100ppm、水素を0.06%、酸素を0.04%、窒素を0.02%、蒸気を99.88%含んでいる。石英製反応管内に供給する反応ガスの流速は0℃換算で3m/s、Pt触媒の入口温度は155℃である。γアルミナ及びαアルミナを用いたそれぞれの実験では、反応ガスを、石英製反応管の上端からその下端に向かって流れるように、石英製反応管内に供給した。Pt触媒の出口(石英製反応管の下端部)での水素濃度を、ガスクロマトグラフを用いて測定した。
γアルミナ及びαアルミナを用いたそれぞれの実験で得られた実験結果を図4に示す。
シロキサントラップとしてγアルミナを用いた場合(図4内の黒丸)では、反応ガス供給開始後、700分を経過しても、Pt触媒の出口での水素濃度は1.5%以下であった。一方、シロキサントラップとしてαアルミナを用いた場合(図4内の白丸)では、反応ガス供給開始後、400分を経過した時点からPt触媒の出口での水素濃度が急激に上昇し、700分を経過した時点ではPt触媒の出口での水素濃度が5%程度まで上昇した。この結果は、シロキサントラップとしてαアルミナを用いた場合には、反応ガス供給開始後、400分を経過した時点からαアルミナがD5をトラップする能力が低下し、D5がPt触媒の表面に付着して反応ガスに含まれた水素と酸素の再結合反応((1)式の反応)を阻害し、Pt触媒の出口での水素濃度が上昇したことを示している。これに対して、シロキサントラップとしてγアルミナを用いた場合には、γアルミナによるシロキサンの除去性能が保持され、Pt触媒に到達するシロキサンがほとんど無く、Pt触媒による水素と酸素の再結合反応が阻害されない。
発明者らは、実験終了後に、実験に用いたγアルミナ及びαアルミナのそれぞれに蓄積されたSi濃度を、蛍光X線分析法で調べた。この結果、γアルミナには1.3wt%のSiが蓄積されていることが確認された。しかしながら、αアルミナのSi濃度は0.1%であった。
以上の実験結果に基づいて、発明者らは、水素と酸素の再結合反応を促進する金属触媒(例えば、Pt触媒)の上流側にγアルミナを設置することによって、復水器から排出された排ガスに含まれるシロキサンをγアルミナで除去し、γアルミナの下流に配置された金属触媒へのシロキサンの付着を大幅に抑制できることを確信した。
BWRプラントが停止している定期検査の期間中に、再結合器を開放して、シロキサンをトラップするγアルミナの取替えを行うことにより、継続的に金属触媒へのシロキサンの付着を抑制することができる。
オフガス系に設けられた再結合器から排出されたガスに含まれる水素濃度が許容値以上になる事例が、BWRプラントの起動時において原子炉出力が75%に到達するまでの期間で発生している。
以上の検討結果を反映した、本発明の実施例を、以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の沸騰水型原子力プラント(BWRプラント)を、図1及び図2を用いて説明する。本実施例のBWRプラント18は、原子炉、低圧タービン2、復水器3、オフガス系配管6、再結合器(再結合装置)9を備えている。原子炉は、原子炉圧力容器1及び原子炉圧力容器1内に配置した炉心(図示せず)を有する。核燃料物質を含む複数の燃料集合体が炉心に装荷されている。原子炉圧力容器1には複数の制御棒が設けられ、これらの制御棒が炉心に出し入れされることによって原子炉出力が制御される。
高圧タービン(図示せず)及び低圧タービン2が主蒸気配管4によって原子炉圧力容器1に接続される。低圧タービン2は、高圧タービンの下流に配置されて復水器3に設置される。低圧タービン2のパッキング部にシール材として液状パッキングが用いられている。復水器3に接続された給水配管5が原子炉圧力容器1に接続される。給水ポンプ(図示せず)が給水配管5に設けられる。発電機(図示せず)が高圧タービン及び低圧タービン2の回転軸に連結される。
オフガス系配管6が復水器3に接続され、空気抽出器7、排ガス予熱器8、再結合器(再結合装置)9、排ガス復水器13、希ガスホールドアップ装置14及び空気抽出器15がこの順番にオフガス系配管6に設けられる。オフガス系配管6は主排気筒16に接続される。
再結合器9は、容器10内に設置した、Pt触媒が充填される触媒層11、及び触媒層11の上流に配置されたシロキサン除去層であるγアルミナ層12を有している。γアルミナ層12は粒状のγアルミナを充填している。
BWRプラント18の運転中、原子炉圧力容器1内の冷却水が、図示されていない再循環ポンプ(またはインターナルポンプ)で昇圧されて炉心に供給される。この冷却水は、炉心に装荷されている燃料集合体内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気は、主蒸気配管4を通って、高圧タービン及び低圧タービン2に順次供給され、高圧タービン及び低圧タービン2を回転させる。これらのタービンに連結された発電機も回転し、電力を発生する。
低圧タービン2から排気された蒸気は復水器3で凝縮されて水になる。復水器3の底部に溜まっているこの水は、給水として、給水ポンプにより昇圧され、給水配管5を通って原子炉圧力容器1に供給される。
復水器6内のガスが、空気抽出器7によって吸引され、オフガス系配管6内に排出される。タービン効率を向上させるために、復水器3内の圧力は、空気抽出器7の作用によって約5kPaの真空になっている。炉心内の冷却水は、核分裂によって発生する放射線(中性子及びγ線等)を照射されることによって水素及び酸素に分解される。この水素及び酸素は、炉心で発生する蒸気に随伴し、高圧タービン及び低圧タービン2を経て復水器3に排出される。復水器3に排出された水素及び酸素も、空気抽出器7の吸引作用により、オフガス系配管6に排出される。
復水器3から排出された水素及び酸素を含むガスは、オフガス系配管6を通って流れ、排ガス予熱器8に到達する。ガスが排ガス予熱器8で所定温度まで加熱される。再結合器9内の触媒層11のPt触媒による水素と酸素の結合反応は温度が高いほど促進されるので、排ガス予熱器8でのガスの加熱は再結合器9内での水素と酸素の結合反応を促進させることになる。温度が上昇して排ガス予熱器8から排出されたガスは、再結合器9に供給される。ガスに含まれている水素と酸素が、再結合器9内の触媒層11に含まれたPt触媒の作用によって再結合され、水になる。このため、再結合器9から排出されるガスに含まれる水素の濃度が許容範囲内に低減される。再結合器9から排出されたガスは、オフガス系配管6に設けられた排ガス復水器13にて冷却され、ガスに含まれている水分が除去される。その後、ガスは、希ガスホールドアップ装置14に供給される。希ガスホールドアップ装置14は、ガスに含まれる半減期の短いクリプトン及びキセノンの放射能を減衰させる。規定値以下の放射能になったガスが、空気抽出器15の作動により主排気筒16から外部環境に放出される。
低圧タービン2では、パッキング部のシール剤として高い気密性が得られる液状パッキングを使用している。このため、復水器3内で揮発性の環状シロキサン化合物(D類)が発生し易くなる。揮発性のD類(ケイ素原子を含有する有機化合物)も、空気抽出器7の作用により、復水器3からオフガス系配管6に排出される。復水器3からオフガス系配管6へのD類の排出が、BWRプラント18の起動時において原子炉出力が75%に到達するまでの期間で生じている。このため、その期間では、復水器3からオフガス系配管6に排出されるガスが、D類を含んでいる可能性がある。
D類を含むガスがオフガス系配管6に排出されたとき、水素、酸素及びD類を含むガスが、再結合器9の容器10内に流入する。ガスは、容器10内で、まず、γアルミナ層12に流入する。ガスに含まれたD類は、γアルミナ層12内のγアルミナによって除去される。γアルミナ層12から排出された、D類を含まないガスが触媒層11に流入する。触媒層11内のPt触媒が、ガスに含まれている水素と酸素の再結合反応を促進させて水を生成する。この再結合反応は発熱反応であるため、生成された水は、蒸気になってガスと共に再結合器9から排出され、排ガス復水器13で除去される。
本実施例では、再結合器9内で、触媒層11の上流にγアルミナ層12を配置しているため、復水器3からオフガス系配管6にD類が排出された場合であっても、このD類をγアルミナ層12で除去することができる。したがって、触媒層11に流入するD類の量が著しく低減され、触媒層11内のPt触媒にD類が付着して触媒性能が低下することを避けることができる。触媒層11内のPt触媒の機能を保持できるので、再結合器9から排出されるガスの水素濃度を許容値(例えば、ドライガス濃度換算で4%)以下に保つことができる。
本実施例によれば、γアルミナ層12の設置により、BWRプラント18の運転期間中において再結合器9の出口における水素濃度が変動する事象の発生を回避することができる。このため、本実施例では、BWRプラント18を安全に起動することができ、長期間に亘って連続運転が可能でBWRプラント18の稼働率を向上させることができる。
液状パッキングから発生したD類が加水分解することによって、直鎖型シロキサンが発生する。この直鎖型シロキサンも、D類と同様に、γアルミナ層12で除去され、触媒層11への流入が著しく抑制される。
触媒層11に充填する、水素と酸素の再結合反応を促進させる触媒として、金属基材にコーティングされたアルミナにパラジウムを添着したパラジウム触媒を用いてもよい。
本発明の他の実施例である実施例2の沸騰水型原子力プラント(BWRプラント)を説明する。本実施例のBWRプラントは、実施例1のBWRプラント18において再結合器9のγアルミナ層12に、スポンジ状(またはハニカム状)の基材の表面にγアルミナをコーティングしたシロキサントラップ部材を配置した構成を有する。本実施例のBWRプラントの他の構成はBWRプラント18と同じである。
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、スポンジ状(またはハニカム状)の基材の表面にγアルミナをコーティングしたシロキサントラップ部材を容器10内のγアルミナ層12に配置しているので、BWRプラントの運転停止時にγアルミナ層12内のシロキサントラップ部材の取替えを容易に行うことができる。また、シロキサントラップ部材の取替え時において、γアルミナの微粉が発生することを防止できる。復水器2から排気されるガスに微量の放射性物質が含まれている可能性もある。したがって、実施例1のようにγアルミナ層12に粒状のγアルミナを充填した場合には、これらのγアルミナを、BWRプラントの運転停止時に交換する際に、放射性物質が付着した、γアルミナの微粉が発生しないように、細心の注意を払う必要がある。
しかしながら、基材の表面にγアルミナをコーティングしたシロキサントラップ部材をγアルミナ層12に配置する本実施例では、γアルミナの微粉が発生する恐れがないので、上記したように、γアルミナ層12内のシロキサントラップ部材の取替えが容易になる。
1…原子炉圧力容器、2…低圧タービン、3…復水器、6…オフガス系配管、7…空気抽出器、9…再結合器、10…容器、11…触媒層、12…γアルミナ層。

Claims (3)

  1. 原子炉圧力容器から排出された蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器に接続されて前記復水器から排出されたガスを導くオフガス系配管と、前記オフガス系配管に設けられ、触媒を充填した触媒層及び前記触媒層の上流に配置されたγアルミナのそれぞれを内部に有する再結合装置とを備えたことを特徴とする沸騰水型原子力プラント。
  2. 前記触媒がPt触媒及びパラジウム触媒のいずれかである請求項1に記載の沸騰水型原子力プラント。
  3. 前記γアルミナが、スポンジ状及びハニカム状のいずれかの基材の表面にコーティングされている請求項1に記載の沸騰水型原子力プラント。
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