JP5340155B2 - 細胞結合分子を有するジソラゾールのコンジュゲート及びそれらの誘導体、新規ジソラゾール誘導体、それらの製法ならびに使用 - Google Patents

細胞結合分子を有するジソラゾールのコンジュゲート及びそれらの誘導体、新規ジソラゾール誘導体、それらの製法ならびに使用 Download PDF

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Description

本発明は、ペプチド及びタンパク質のような細胞結合分子を有するジソラゾールのコンジュゲート及びそれらの誘導体ならびに新規ジソラゾール及びそれらの製法に関する。これらの化合物は、医薬品として特に様々な腫瘍の治療に使用できる。
従来技術
数年後には、腫瘍症及び腫瘍に関連する死亡例は世界的に著しく増大すると見込まれている。2001年には、世界的に約1000万人の人々が癌にかかり、かつ6万人以上の人々がこの疾患で死亡している。腫瘍の発生は、植物界、動物界及びヒトにおける高等生物の基本的な疾患である。一般的に認識されている発癌現象の多段階モデルは、各細胞内での多くの突然変異の蓄積の結果、これがその増殖と分化挙動において変更されてしまい、最終的に良性の中間段階を経て転位を伴う悪性段階に達すると仮定されている。
癌又は腫瘍という用語は、200種類以上の様々な個々の疾患を有する病像に関する。腫瘍症は、良性又は悪性の方法で進行し得る。最も重大な腫瘍は、肺癌、乳癌、胃癌、子宮頚癌、前立腺癌、頭部及び頚部癌、大腸及び小腸癌、肝臓癌及び血管系の癌である。経路、予後及び治療挙動に関しては大きな違いがある。認識されているケースの90%以上は、充実性腫瘍に関し、これは特に進行した段階又は転移している場合には、治療が困難であるか又は治療不可能である。癌のコントロールの3つの柱は、外科的切除、放射線照射及び化学療法である。優れた進歩にもかかわらず、目立った生存期間の延長をもたらすか、又は幅広く拡がった充実性腫瘍の完治をもたらす医薬品の開発はできていない。従って、癌をコントロールする新規医薬品の発明には意味がある。
天然物質は、製剤学的研究における新規リード構造にとって重要な根源であり、場合によっては新規医薬品の開発にとって直に適切である(Shu Y, J Nat. Prod. 1998、61: 1053-1071)。多くの天然物質は、強い細胞毒性作用を有する(Ram VJ et al., Drug News Perspect 2001, 14(8):465-482)。
ジソラゾールから成るグループの天然物質はSoragium cellulosum So ce12の細菌から単離されることは公知である(Jansen R et al., Liebigs Ann. Chem. 1994, (8): 759-773)。
全部で29個のジソラゾールが単離され、かつ物理化学的に特徴付けられている。ジソラゾールA1に関しては、細胞モデルで抗増殖作用を有することが報告されていた(Irschik H et al., J. Antibiotics 1995, 48(1): 31-35; Elnakady YA, Dissertation 2001, Technische Univertiraet Carolo-Wilhelmina zu Braunscgweig)。しかし、腫瘍症の治療に使用することは、開示も提案もされていない。他のジソラゾールの生物学的調査は行われていなかった。
WO 2004/024149には、特にジソラゾールE1とD1が様々なヒト腫瘍細胞系において細胞毒性を有することが報告されている。ナノ及びピコ濃度で、特に卵巣癌、前立腺癌、神経グリア芽細胞腫、肺癌及び乳癌細胞の分裂が阻害されている。この場合にジソラゾールE1とD1の作用は、この場合に細胞サイクルに依存する。ナノモラー濃度でさえも、細胞サイクルはG2/Mフェーズで行われ、かつ癌細胞はアポトーシスを生じる。
更にWO 2004/024149には、ジソラゾールの抗増殖作用が特にチューブリン重合の効果的阻害に基づいていることが示されている。更に、ジソラゾールE1はパクリタキセル耐性細胞系とビンデシン耐性細胞系に対して活性である。このことは、特にジソラゾールA1が細胞増殖抑制剤として使用するために不適切であるからである(Hoefle G, Annual Report 1999/2000 of the Gesellschaft fuer Biotechnologische Forschung(GBF)、101/103頁)。
Wipf及びその同僚等は、ジソラゾールCの細胞活性とその類似体の8個の構造活性の関係を試験した(Wipf et al., Chem. Biol. Drug Des. 2006, 67(1):66-73)。
ジソラゾールA1とC1を合成する全体的な合成手法は研究され、かつ徹底的に記載されている(Hillier MC et al., J. Org. Chem. 2001, 66:6037-6045; Hartung IV et al., Organic Letters 2002, 4(19): 3239-3242; Wipf P et al., J. Am. Chem. Soc. 204, 126(47): 15346-15347)。
ジソラゾールA1は、更に次のように特徴付けられた:これはチューブリン重合における有糸分裂阻害剤として作用し、かつ哺乳類細胞でアポトーシスを引き起こすことが示された(Elnakady YA et al., Biochem. Pharmacol. 2004, 67(5): 927-935)。更に、ジソラゾールA1のメタノリシス生成物が生成され、かつ可能性のある抗増殖性活性に研究されている(Haern BR et al., J. Nat. Prod. 2006, 69(1): 148-150)。
以下の従来技術の文献は、ジソラゾール又は関連化合物の生合成に関するものである:WO 2004/053065には、ジソラゾールポリケチドシンターゼをコードするポリヌクレオチドが記載されている。Schupp及び同僚等は、マクロライド系抗生物質Soraphen Aを生合成するSorangium Cellulosum 遺伝子集団を特徴付けている(Schupp T et al., Journal of Bacteriology 1995, 177: 3673-3679)。ジソラゾール生合成用の生合成遺伝は、Carvalho R et al.により特徴付けられている(Carvalho R et al., Gene 2005, 359: 91-98)。Kopp 及び同僚等(Kopp M et al., Chembiochem. 2005, 6(7): 1277-1286)及びWO 2006/075013。
しかし、前記のいずれの従来技術の文献にもジソラゾールのコンジュゲートは開示又は示唆されていない。
US 6214969には、細胞毒性部分を有する黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体が記載されている。このような部分は、D−/L−Mel(4-[ビス(2−クロロエチル)アミノ])−D/L−フェニルアラニン)、クロロプロパンアルカノイル、アジリジン−2−カルボニル、エポキシアルキル、1,4−ナフトキノン−5−オキシカルボニル−エチル、ドキソルビシニル(ドキソルビシン、DOX)、マイトマイシン(MitomycinC)、エスペラミシニル(esperamycinyl)又はメトトレキソイル(methotrexoyl)であることができる。
しかし、チューブリン重合阻害剤であり、かつアポトーシスを誘発するジソラゾールは記載されておらず、かつそれらの使用も明らかになっていない。
US5843903には、細胞毒性のアントラサイクリン類似体、特にドキソルビシン(DOX)又はそのダウノサミン変性誘導体が記載されている。このような細胞毒性部分は、LHRH、ボンベシン及びソマトスタチン及びそれらの類似体のようなペプチドホルモンにコンジュゲートする。
Schally 及びNagyは、ドキゾルビシン(DOX)又は2−ピロリノ−DOX含有のLHRH、ボンベシン及びソマトスタチンの的を絞った細胞毒性類似体の使用から成る様々な癌の新規理学療法を再検討している(Schally AV et al., Life Sciences 2003, 72: 2305-2320; Nagy A et al., Current Pharmaceutical Design 2005, 11: 1167-1180)。
前記の3つの参考文献ではジソラゾールは開示又は示唆されていない。
コンジュゲート含有の細胞毒性剤を扱う他の従来技術の文献は、癌治療で使用するための抗体−細胞毒性剤コンジュゲート(Chen J et al., Expert Opin. Drug Deliv. 2005, 2(5): 873-890)、オンコロジーで使用するための抗体−薬剤コンジュゲート(Hamann PR, Expert Opin. Drug Deliv. 2005, 15(9): 1087-1103)、腫瘍のターゲッティングで使用するためのマルチクラス−抗ガン剤コンジュゲート(Jaracz S et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry 2005, 13: 5043-5054)、前立腺癌及び/又は良性前立腺肥厚を治療するためのビンカアルコロイド細胞毒性剤−オリゴペプチドコンジュゲート(WO 97/12624, WO 98/10651及びWO 99/02175)、前立腺癌を治療するためのプロドラッグビンブラスチン−ペプチジルコンジュゲート(Brady SF et al., J. Med. Chem. 2002, 45: 4706-4715)、選択的抗癌治療のための酵素活性化プロドラッグ及びプロトン−活性化プロドラッグ(Tietze LF et al., Current Pharmaceutical Design 2003, 9: 2155-2175)及び抗体指向性酵素プロドラッグセラピーで使用するための天然アントラサイクリンのプロドラッグ(Michel S et al., Studies in Natural Products Chemistry 2000, 21: 157-180)から成る。
しかし、これら全ての前記参考文献では、チューブリン重合阻害剤であり、かつアポトーシスを誘発するジソラゾールは、記載されておらず、かつそれらの使用も示唆されていない。
本発明の説明
本発明は、ジソラゾールのコンジュゲート及び細胞結合分子を有するそれらの誘導体を提供する課題がある。本発明の根底にあるもう1つの課題は、新規ジソラゾール誘導体の提供である。本発明の更なる課題は、これらの製法の提供である。本発明の根底にある更なる課題は、ジソラゾールのコンジュゲート及び細胞結合分子を有するそれらの誘導体ならびに医薬品として、特に様々な腫瘍の治療に使用できる新規ジソラゾール誘導体である。
意外にも、本発明の課題は式(I)
C1−B1−A−B2−C2 (I)
[式中、
Aは、式(II)
Figure 0005340155
(式中、
Ran、Rbn、Rcn、Rdn、Rem、Rfm、Rgm、Rhm、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24は、互いに独立に"水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキルシアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択され、これらは場合によりアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、アルコキシル、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、アルキル−シアノ、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル基内で、互いに独立に"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、=O、=S、=S(O)2、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)OH、−C(O)NH2、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されている;
場合により、ラジカルRan、Rbn、Rcn、Rdn、Rem、Rfm、Rgm、Rhm、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24の隣接する2個のラジカルRは、原子結合を形成して二重結合を生じるか、又はエポキシド(オキシラン)、アジラン(アジリジン)、アルキル−、シクロアルキル−、シクロアルキル−アルキル−、ヘテロアリール−、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリル−及び/又はヘテロシクリル−アルキル置換アジラン(アジリジン)、チイラン及び/又はチイラン−S−オキシド基を形成できる)
によるジソラゾール部分であり、
B1、B2は、互いに独立にAとC1及び/又はC2と共有結合により結合するリンカーであり;
C1、C2は、互いに独立に"ペプチド、ペプチドホルモン、タンパク質、タンパク質ホルモン、レセプターリガンド、血漿タンパク質、血清タンパク質、抗体、抗体断片"から成るグループから選択される細胞結合分子であり;
nは0、1、2、3であり;
mは0、1、2、3である]
による化合物の提供により解決された。
明瞭にするために、上記式(I)と(II)による化合物、また下記の式(III)〜(VI)による化合物は、可能性として有り得る全ての二重結合異性体の形、例えば、"純粋"なE−異性体又はZ−異性体又はこれらの二重結合異性体の混合物の形で存在できる。
更に、上記式(II)、また下記の式(III)〜(VI)に関して、n/o=0は、左側のオキサゾール環と右側のカルボニル基の間に6個の炭素原子だけが存在することを意味する。n/o=1、2、3に関しては、これは8個、10個又は12個の炭素源が含まれることを意味する。同様に、同じことはm/p=0、1、2、3の場合にも当てはまり、これはそれぞれ6、8、10又は12個の炭素原子が右側のオキサゾール環と左側のカルボキシル基の間に含まれることを意味する。
有利な実施態様では、Aが式(III)
Figure 0005340155
[式中、
Rio、Rjo、Rkp、Rlp、Rmp、Rnp、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44は互いに独立に、"水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択され、これらは場合によりアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、アルコキシル、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、アルキル−シアノ、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル基内で、互いに独立に"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、=O、=S、=S(O)2、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)OH、−C(O)NH2、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択される1個、2個又は3個の置換基で置換されている;
場合により、ラジカルRio、Rjo、Rkp、Rlp、Rmp、Rnp、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44の隣接する2個のラジカルRは、原子結合を形成し、二重結合を生じるか、又はエポキシド(オキシラン)、アジラン(アジリジン)、アルキル−、シクロアルキル−、シクロアルキル−アルキル−、ヘテロアリール−、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリル−及び/又はヘテロシクリル−アルキル置換アジラン(アジリジン)、チイラン及び/又はチイラン−S−オキシド基を形成できる;
oは、0、1、2、3であり;
pは、0、1、2、3である]
によるジソラゾール部分である式(I)と(II)による化合物が提供される。
もう1つの有利な実施態様では、リンカーB1、B2が、互いに独立に、"酵素により開裂可能なリンカー、タンパク質分解により開裂可能なリンカー、自壊牲リンカー、酸不安定性リンカー、ジスルフィド(交換)リンカー、加水分解不安定性リンカー、二官能性リンカー、多機能性リンカー、エステルリンカー、ペプチドリンカー、1、2、3、4、5個のアミノ酸残基を有するリンカー、ジペプチドリンカー、テトラペプチドリンカー、ヒドラゾンリンカー、ヒドラジドリンカー、二炭酸残基リンカー、ポリ−エチレングリコール(PEG)リンカー"から成るグループから選択される上記の式(I)、(II)及び(III)による化合物ならびに上記の実施態様が提供される。
更に有利な実施態様では、リンカーB1、B2が互いに独立に、次のもの:
"X1−アルキル−X2、X3−シクロアルキル−X4、X5−シクロアルキル−アルキル−X6、X7−アルキル−シクロアルキル−アルキル−X8、X9−アリール−X10、X11−アリール−アルキル−X12、X13−アルキル−アリール−アルキル−X14、X15−ヘテロアリール−X16、X17−ヘテロアリール−アルキル−X18、X19−アルキル−ヘテロアリール−アルキル−X20、X21−ヘテロシクリル−X22、X23−ヘテロシクリル−アルキル−X24、X25−アルキル−ヘテロシクリル−アルキル−X26"(ここで、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26は、互いに独立に、"O−、S−、S−S−、C(O)O−、C(O)−、OC(O)O−、C(O)NH−、OC(O)NH−、NHC(O)−、NHC(O)O−、NH−、NY1−、C(O)NY2−、OC(O)NY3−、NY4C(O)−、NY5C(O)O−、C=N−NH−、NH−N=C−、C=N−NY6−、NY7−N=C−"から成るグループから選択され、その際、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7は、互いに独立に、"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル"
から成るグループから選択される);
オキサリル、マロニル、スクシニル、グルタリル、アジピニル、マレイニル、フマリル;
及び以下の分子:
Gly−Phe−Leu−Gly、Phe−Lys、Val−Cit(シトルリン);
1,4−ビス(アミノメチル−)−シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル−)−シクロヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル−)−シクロペンタン、1−アミノ−4−(アミノメチル)−シクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン、γ−マレイミドカプロイルヒドラジド、4−ヒドラジノスルホニル安息香酸、SMCC二官能性リンカー、MDS(メチルジスルファニル)、PEG2、PEG3、PEG7
をベースとするリンカー;
Figure 0005340155
Figure 0005340155
から成るグループから選択される式(I)、(II)及び(III)による化合物ならびに上記の実施態様が提供される。
"リンカー"という用語は、本明細書の範囲内では、当業者に公知であり、かつジソラゾール部分Aを細胞結合分子C1及び/又はC2に結合するために適切な任意のリンカー、結合部分、スペーサー及び他の分子/部分も含むことにする。
最終的なコンジュゲートを生成するために有利な上記のリンカー分子の適切な活性型及び/又はラジカルを使用することは、当業者の専門知識の範囲である。
適切なリンカーに関する関連する従来技術文献には、例えば、Michel S et al., Studies in Natural Products Chemistry 2000, 21: 157-180; Tietze LF et al., Current Pharmaceutical Design 2003, 9: 2155-2175; Brady SF et al., J. Med. Chem. 2002, 45: 4706-4715; WO 99/02175; Jaracz S et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry 2005, 13: 5043-5054; Hamann PR, Expert Opin. Drug Deliv. 2005, 15(9): 1087-1103; Chen J et al., Expert Opin. Drug Deliv. 2005, 2(5): 873-890; US 5843903, US 6214969が含まれる。
他の有利な実施態様では、細胞結合分子C1、C2が互いに独立に、次のものから成るグループから選択される上記式(I)、(II)及び(III)の化合物ならびに上記実施態様が提供される:
"オクタマーペプチド、ノナマーペプチド、デカマーペプチド、LHRH類似体、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、ボンベシン、ボンベシン類似体、ボンベシンアンタゴニスト、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体、血清アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ガラニンレセプターリガンド、GAL1レセプターリガンド、GAL2レセプターリガンド、ガラニン(CAS登録番号119418-04-1)及び類似体、ソマトスタチンレセプターリガンド、sst1レセプターリガンド、sst2レセプターリガンド、sst4レセプターリガンド、sst5レセプターリガンド、ソマトスタチン(CAS登録番号38916-34-6)及び類似体、オクトレオチド(CAS登録番号83150-76-9)及び類似体、RC−121(D-Phe-Cys-Tyr-D-Try-Lys-Val-Cys[サイクリック(2→7)ジスルフィド]−Thr-NH2;CAS登録番号99660-13-6)及び類似体、ボンベシンレセプターリガンド、BB1レセプターリガンド、BB2レセプターリガンド、BB3レセプターリガンド、ガストリン放出ペプチド−レセプター(GRP-R)リガンド、ボンベシン(Bn;CAS登録番号31362-50-2)及び類似体、ガストリン放出ペプチド(GRP)及び類似体、ニューロメジンB(CAS登録番号102577-19-5)及び類似体、[D-Tyr6、beta-Ala11、Phe13、Nle(ニューロシン)14]−ボンベシン(6-14)及び類似体、RC−3095(H-D-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Leu-NH2;CAS登録番号138147-78-1;US 5244883;US 5369094)及び類似体、Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Psi−Leu−Leu−NH2(US 5843903)及び類似体、ゴナドトロピン放出ホルモンレセプター(GnRH-R)リガンド、GnRH−RタイプIリガンド、GnRH−RタイプIIリガンド、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH;Glp−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Arg−Pro−Gly−NH2)及び類似体、[D-Lys6]−LHRH、トリプトレリン([D-Lys6]−LHRH;CAS登録番号57773-63-4)及び類似体、ヒストレリン(6-[1−(フェニルメチル)−D−ヒスチジン]−9−(N−エチル−L−プロリンアミド)−10−デグリシンアミド−LHRH;CAS登録番号76712-82-8)及び類似体、ブセレリン(6−[O−(1,1−ジメチルエチル)−D−セリン]−9−(N−エチル−L−プロリンアミド)−10−デグリシンアミド−LHRH;CAS登録番号57982-77-1)及び類似体、ロイプロレリン(6−D−ロイシン−9−(N−エチル−L−プロリンアミド)−10−デグリシンアミド−LHRH;CAS登録番号53714-56-0)及び類似体、ゴセレリン(6−[O−(1,1−ジメチルエチル)−D−セリン]−LHRH−2−(アミノカルボニル)ヒドラジド;CAS登録番号65807-02-5)及び類似体、ナファレリン(6−[3−(2−ナフタレニル)−D−アラニン]−LHRH;CAS登録番号76932-56-4)及び類似体、LHRH-II(Pyr−His−Trp−Ser−His−Gly−Trp−Tyr−Pro−Gly−NH2)及び類似体、セトロレリックス(CAS登録番号120287-85-6)及び類似体、テベレリックス/アンタレリックス(CAS登録番号144743-92-0)及び類似体、オザレリックス(D-63153; CAS登録番号295350-45-7)及び類似体、アバレリックス(CAS登録番号183552-38-7)及び類似体、デガレリックス(CAS登録番号214766-78-6)及び類似体、デチレリックス(CAS登録番号89662-30-6)及び類似体、ガニレリックス(CAS登録番号124904-93-4)及び類似体、イツレリックス/アンチド(CAS登録番号112568-18-0)及び類似体、GPR54レセプターリガンド、キスペプチン及び類似体、キスペプチン−13/Kp-13(CAS登録番号374675-18-0)及び類似体、メタスチン(CAS登録番号388138-21-4)及び類似体、ニューロキンレセプターリガンド、NK1/NKAレセプターリガンド、NK2/NKBレセプターリガンド、NK3レセプターリガンド、物質P(H−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−NH2;CAS登録番号33507-63-0)及び類似体、H−Asp−Ser−Phe−Val−Gly−Leu−Nle−NH2及び類似体、[Sar9、Met(O2)11]−物質P及び類似体、[Nle10]−ニューロキニンA(4-10)及び類似体、[MePhe7]−ニューロキニンB及び類似体、[ベータ−Ala8]−ニューロキニンA(4-10)及び類似体、ブラジキニンレセプターリガンド、B1レセプターリガンド、B2レセプターリガンド、ブラジキニン(H−Arg−Pro−Pro−Gly−Phe−Ser−Pro−Phe−Arg−OH;CAS登録番号58-82-2)及び類似体、desArg9[Leu8]−ブラジキニン及び類似体、desArg9−ブラジキニン及び類似体、LysdesArg9−ブラジキニン及び類似体、LysdesArg9[Leu8]−ブラジキニン及び類似体、[Hyp3,Tyr(Me)8]−ブラジキニン及び類似体、D−Arg[Hyp3,D-Phe7, Leu8]−ブラジキニン及び類似体、BKM718(CAS登録番号259883-69-7)及び類似体、BKM822(CAS登録番号259884-10-1)及び類似体、BKM570(CAS登録番号259885-54-6)及び類似体、BKM-638(CAS登録番号259885-81-9)及び類似体、GHSレセプターリガンド、グレリン(CAS登録番号304853-26-7)及び類似体、ヘキサレリン(CAS登録番号140703-51-1)及び類似体、GHRP-1(CAS登録番号141925-59-9)及び類似体、GHRP-2(CAS登録番号158861-67-7)及び類似体、GHRP-6(His-D-Trp-Ala-Try-D-Phe-Lys-NH2;CAS登録番号87616-84-0)及び類似体、D-Lys3-GHRP-6及び類似体、EP-1572(CAS登録番号381231-18-1)及び類似体、des−オクタノイル−グレリン及び類似体、リラキシンレセプターリガンド、LGR7レセプターリガンド、LGR8レセプターリガンド、リラキシン(CAS登録番号9002-69-1)及び類似体、インスリン様3ペプチド(INSL3;CAS登録番号166515-61-3)及び類似体、グルカゴン様ペプチド1レセプターリガンド、グルカゴンレセプターリガンド、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1;CAS登録番号89750-14-1)及び類似体、グルカゴン様ペプチド−2(GLP-2;CAS登録番号116469-36-4)及び類似体、コレシストキニンレセプターリガンド、CCK1/CCKAレセプターリガンド、CCK2/CCKBレセプターリガンド、CCKCレセプターリガンド、コレシストキニン(CAS登録番号9011-97-6)及び類似体、ニューロペプチドY(NPY)レセプターリガンド、NPY1レセプターリガンド、NPY2レセプターリガンド、NPY3レセプターリガンド、ニューロペプチドY(NPY;CAS登録番号82785-45-3)及び類似体、[Leu31、Pro34]NPY及び類似体、NPY−(13-36)及び類似体、ペプチドyy(CAS登録番号106388-42-5)及び類似体、エンドセリンレセプターリガンド、ETAレセプターリガンド、ETBレセプターリガンド、エンドセリン1(CAS登録番号123626-67-5)及び類似体、エンドセリン2(CAS登録番号122879-69-0)及び類似体、エンドセリン3(CAS登録番号125692-40-2)及び類似体、血管作用性腸管ポリペプチド(VPAC1, VIP1)リガンド、VPAC2/VIP2レセプターリガンド、PAC1/PACAレセプターリガンド、PACAP(1-27)(CAS登録番号137061-48-4)及び類似体、PACAP(1-38)(CAS登録番号137061-48-4)及び類似体、PACAP(6-27)(CAS登録番号137061-48-4)及び類似体、PACAP(6-38)(CAS登録番号137061-48-4)及び類似体、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)(CAS登録番号37221-79-7)及び類似体、VIP(6-28)(CAS登録番号37221-79-7)及び類似体、[(Ac-His1,D-Phe2,Lys15,Arg16,Leu27)−VIP(1-7)-GRF(8-27)及び類似体、[Lys1,Pro2.5,Arg3.4,Tyr6]−VIP及び類似体、VEGFレセプターリガンド、NP-1レセプターリガンド、ニューロピリン−1レセプターリガンド、血管内皮成長因子(VEGF;CAS登録番号127464-60-2)及び類似体、線維芽細胞成長因子レセプターリガンド、線維芽細胞因子(FGF;CAS登録番号62031-54-3)及び類似体"、ならびに有利には次のグループから選択される:"オクタマーペプチド、ノナマーペプチド、デカマーペプチド、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)、[D-Lys6]−LHRH、LHRH類似体、LHRHアゴニスト、トリプトレリン([D-Try6]-LHRH)、LHRHアンタゴニスト、ボンベシン、ボンベシン類似体、ボンベシンアンタゴニスト、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体、血清アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)"。
これらの全ての細胞結合分子ならびにそれらの類似体は当業者に周知である。利用可能な場合には、Chemical Abstract Services(CAS)登録番号が与えられている。しかし、細胞結合分子の範囲を、個々のCAS登録番号により参照されたものにだけ限定するわけではない。細胞結合分子という用語には、可能性として有り得る任意の構造及び/又は官能性変異体/ファミリーメンバーが含まれる。
細胞結合分子を意味する"類似体"という用語により、従来技術から当業者に公知の構造及び/又は機能的に関連する任意の細胞結合分子類似体を本発明の範囲内に含めることにする。例えばLHRH、例えばトリポレリン、セトロレリックス及びその他のものは、限定されない例である。
また細胞結合分子を意味する"類似体"という用語には、適用可能な場合には、該当する細胞結合分子のアゴニストとアンタゴニストを含むことにする。すなわち、本発明の範囲内では、LHRH類似体という用語には、LHRHアゴニストとLHRHアンタゴニストが含まれる。
本発明の他の有利な実施態様では、リンカーB1、B2が同一で、かつ細胞結合分子C1とC2が同一である上記式(I)、(II)及び(III)の化合物ならびに上記実施態様が提供される。
本発明の他の有利な実施態様では、リンカーB2と細胞結合分子C2が存在しない、
C1−B1−A (IV)
による上記式(I)、(II)及び(III)の化合物ならびに上記実施態様が提供される。
本発明のもう1つの他の有利な実施態様では、
Aが式(III)によるジソラゾール部分であり;
Rio、Rjo、Rkp、Rmp、R28、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R38、R40、R41、R42、R43、R44が水素であり;
Rlp、Rnpが一緒に二重結合を形成するか又は、独立に"水素、アルコキシル"から成るグループから選択され;
R27、R29が一緒に二重結合又はエポキシド(オキシラン)を形成し;
R37、R39が一緒に二重結合又はエポキシド(オキシラン)を形成し;
R25、R26が互いに独立に次のもの:"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、=O、=S、=S(O)2、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択される1個、2個又は3個の置換基によりアルキル基内で場合により置換されている"アルキル"であり;
B1及び/又はB2は、互いに独立に"二炭酸残基リンカー、スクシニル、グルタリル"から成るグループから選択され;
C1及び/又はC2は互いに独立に、"LHRH、[D-Lys6]-LHRH、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体、ヒト血清アルブミン(HSA)"から成るグループから選択され;
oは1又は2であり;
pは1又は2である
上記式(I)、(II)及び(III)の化合物ならびに上記実施態様が提供される。
もう1つの有利な実施態様では、n又はoは1であり、m又はpは1である。他の有利な実施態様では、n又はoは2であり、m又はpは2である。
更に有利な実施態様では、該化合物は次のグループ:
Figure 0005340155
Figure 0005340155
Figure 0005340155
から成る。
もう1つの態様では、本発明の対象は、式(V)
Figure 0005340155
[式中、
Zan、Zbn、Zcn、Zdn、Zem、Zfm、Zgm、Zhm、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18、Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24は、互いに独立に"水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択され、これらは場合により、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、アルコキシル、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、アルキル−シアノ、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル基内で、"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、=O、=S、=S(O)2、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)OH、−C(O)NH2、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されている;
但し、ラジカルZan、Zbn、Zcn、Zdn、Zem、Zfm、Zgm、Zhm、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18、Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24のうち少なくとも1つは"カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基"から成るグループから独立に選択され;
但し、更にアセチルは"カルボキシルエステル"から除かれ;
場合により、ラジカルZan、Zbn、Zcn、Zdn、Zem、Zfm、Zgm、Zhm、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18、Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24の2個の隣接するラジカルZは、原子結合を形成して二重結合を生じるか、又はエポキシド(オキシラン)、アジラン(アジリジン)、アルキル−、シクロアルキル−、シクロアルキル−アルキル−、ヘテロアリール−、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル−、ヘテロシクリル−及び/又はヘテロシクリル−アルキル置換アジラン(アジリジン)、チイラン及び/又はチイラン−S−オキシド基を形成できる;
nは1、2、3であり;
mは0、1、2、3である]
によるジソラゾール化合物の提供により意外にも解決された。
本発明の有利な実施態様では、以下の式(VI)
Figure 0005340155
[式中、
Zio、Zjo、Zkp、Zlp、Zmp、Znp、Z25、Z26、Z27、Z28、Z29、Z30、Z31、Z32、Z33、Z34、Z35、Z36、Z37、Z38、Z39、Z40、Z41、Z42、Z43、Z44は、互いに独立に"水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択され、これらは場合によりアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、アルコキシル、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、アルキル−シアノ、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル基内で、互いに独立に"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、=O、=S、=S(O)2、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)OH、−C(O)NH2、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及び/又はアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されている;
但し、ラジカルZio、Zjo、Zkp、Zlp、Zmp、Znp、Z25、Z26、Z27、Z28、Z29、Z30、Z31、Z32、Z33、Z34、Z35、Z36、Z37、Z38、Z39、Z40、Z41、Z42、Z43、Z44のうち少なくとも1つは"カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基"から成るグループから独立に選択され;
但し、更にアセチルは"カルボキシルエステル"から除かれ;
場合により、ラジカルZio、Zjo、Zkp、Zlp、Zmp、Znp、Z25、Z26、Z27、Z28、Z29、Z30、Z31、Z32、Z33、Z34、Z35、Z36、Z37、Z38、Z39、Z40、Z41、Z42、Z43、Z44の2個の隣接するラジカルZは、原子結合を形成して二重結合を生じるか、又はエポキシド(オキシラン)、アジラン(アジリジン)、アルキル−、シクロアルキル−、シクロアルキル−アルキル−、ヘテロアリール−、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル−、及び/又はヘテロシクリル−アルキル置換アジラン(アジリジン)、チイラン及び/又はチイラン−S−オキシド基を形成できる;
oは1、2、3であり;
pは0、1、2、3である]
によるジソラゾール化合物が提供される。
更に有利な実施態様では、n又はoが1であり、かつm又はpが1である式(V)と(VI)によるジソラゾール化合物が提供される。他の有利な実施態様では、n又はoが2であり、m又はpが2である式(V)と(VI)によるジソラゾール化合物が提供される。
もう1つの有利な実施態様では、ジソラゾール誘導体は次のもの:
Figure 0005340155
Figure 0005340155
Figure 0005340155
Figure 0005340155
から成るグループから選択される。
全ての化合物、すなわち本明細書内に[一般に式(I)〜(VI)と種々のRラジカルにより]記載されたジソラゾールコンジュゲートとジソラゾール誘導体を以後(本)発明の化合物と称する。
本発明の上記化合物の説明に示した用語は、説明文又は請求項内で特記されない限り、以下の意味を有する:
"置換された"という用語は、相応するラジカル又は基が1つ以上の置換基を有することを意味する。ラジカルが複数の置換基を有し、かつ様々な置換基の選択が明記されている場合には、置換基は互いに独立に選択され、かつ同じである必要はない。"非置換"という用語は、相応の基が置換基を有さないことを意味する。"場合により置換された"という用語は、相応する基が非置換であるか、又は1つ以上の置換基により置換されていることを意味する。"3個までの置換基により置換された"という用語は、ラジカル又は基が1つ又は2つ又は3つの置換基により置換されていることを意味する。
"アルキル"という用語には、本発明の範囲内では、C1〜C12炭素原子を有する非環式飽和、部分的に不飽和又は不飽和の炭化水素が含まれ、前記炭化水素は、直鎖であるか又は分枝していてもよく、かつ1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を含有していてもよい。"アルキル"という用語は、有利には1〜8個、特に有利には1〜6個の炭素原子のアルキル鎖から成る。適切なアルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−又は3−メチルペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−イコサニル、n−ドコサニル、エチレニル(ビニル)、プロペニル(−CH2CH=CH2;−CH=CH−CH3、−C(=CH2)−CH3)、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、オクタジエニル、オクタデセニル、オクタデセ−9−エニル、イコセニル、イジセ−11−エニル、(Z)−イコセ−11−エニル、ドコセニル、ドコセ−13−エニル、(Z)−ドコセ−13−エニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル及びオクチニルである。
"シクロアルキル"という用語は、単環式アルキル、二環式アルキル及び三環式アルキルを含む1個、2個又は3個の環を有し、かつ環を形成する全部で3〜20個、有利には3〜10個の炭素原子、最も有利には(C3〜C8)−シクロアルキルを有する、飽和又は部分的に不飽和の非芳香族環式炭化水素基/ラジカルから成る。適切なシクロアルキルラジカルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクタジエニルである。
"シクロアルキル−アルキル"という用語は、シクロアルキル基がアルキル基を介して結合したラジカルを意味し、その際、前記アルキル基とシクロアルキル基は、本明細書内で定義した意味を有し、有利には(C3〜C8)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキルラジカルである。この例は、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキセニルエチルである。
"アリール"という用語は、3〜14個、有利には5〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素系を意味する。"アリール"という用語には、芳香環が二環式又は多環式の飽和、部分的に不飽和の及び/又は芳香族系の部分である系も含まれる。例えば、このような芳香環は、本明細書内で定義したような"アリール"、"シクロアルキル"、"ヘテロアリール"又は"ヘテロシクリル"基に、いずれかの望ましい、かつ可能性としてあり得るアリールラジカルの環メンバーを介して融合する。このような"アリール"ラジカルは、どの環メンバーを介しても結合できる。"アリール"の例は、特にフェニル、ビフェニル、ナフチル及びアントラセニル、またインダニル、インデニル又は1,2,3,4−テトラヒドロナフチルでもある。
"ヘテロアリール"という用語は、少なくとも1つの、適切な場合には2、3、4又は5個のヘテロ原子、有利には窒素、酸素及び/又は硫黄(ここで、ヘテロ原子は同じ又は異なっている)を有する5員、6員又は7員環の環式芳香族ラジカルを意味する。窒素原子の数は、有利には0、1、2又は3個であり、かつ酸素と硫黄原子の数は独立に0個又は1個である。"ヘテロアリール"という用語には、芳香環が二環式又は多環式の飽和、部分的に不飽和の及び/又は芳香族系の部分である系も含まれる。例えば、このような芳香環は、本明細書内で定義したような"アリール"、"シクロアルキル"、"ヘテロアリール"又は"ヘテロシクリル"基に、いずれかの望ましい、かつ可能性としてあり得るヘテロアリールラジカルの環メンバーを介して融合する。このような"ヘテロアリール"ラジカルは、どの環メンバーを介しても結合できる。"ヘテロアリール"の例には、ピロリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾイル、イソキサゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリダジニル、フタラジニル、インダゾリル、インドリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、アクリジニルが含まれる。
"アリール−アルキル"及び"ヘテロアリール−アルキル"という用語は、アリール又はヘテロアリールラジカルがアルキル基(ここで、アルキル、アリール及びヘテロアリール基は本明細書で定義した意味を有する)を介して結合しているラジカルを意味する。有利な"アリール−アルキル"基はフェニル−(C1−C4)−アルキルラジカル、有利にはベンジル又はフェニルエチルラジカルである。有利な"ヘテロアリール−アルキル"基は、インドリル−(C1−C4)−アルキルラジカル、有利には1H−インドール−3−イル−メチル又は2−(1H−インドール−3−イル)−エチルである。
"ヘテロシクリル"という用語は、炭素原子と1、2、3、4又は5個のヘテロ原子、特に窒素、酸素及び/又は硫黄(同種又は異種の)を有する3〜20個、有利には5もしくは6〜14環原子の単環式又は多環式系を意味する。環系は、飽和、モノ不飽和又は多不飽和であって良いが、芳香族ではない。少なくとも2つの環から成る環系の場合には、環は融合、又はスピロ又は結合していてよい。このような"ヘテロシクリル"ラジカルは、どの環メンバーを介しても結合することができる。"ヘテロシクリル"という用語には、ヘテロシクリルが二環又は多環式飽和、部分的に不飽和である系及び/又は芳香族系も含まれる。例えば、ヘテロシクリルは、本明細書内で定義したような"アリール"、"シクロアルキル"、"ヘテロアリール"又は"ヘテロシクリル"基に、いずれかの望ましい、かつ可能性としてあり得るヘテロシクリルラジカルの環メンバーを介して融合する。このような"ヘテロシクリル"の例には、ピロリジニル、チアピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサピペラジニル、オキサピペリジニル、オキサジアゾリル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロピラニルが含まれる。
"ヘテロシクリルアルキル"という用語は、ヘテロシクリル基がアルキル基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、アルキル基とヘテロシクリル基は、本明細書内で定義した意味を有する。ヘテロシクリル−(C1−C4)−アルキルラジカルが有利である。
"アルキルスルホニル"、"アリールスルホニル"及び"アリール−アルキルスルホニル"という用語は、アルキル基、アリール基又はアリール−アルキル基が−SO2−基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、アルキル基、アリール基及びアリール−アルキル基は、本明細書内で定義した意味を有する。例としては、メチルスルホニルとフェニルスルホニルである。
"ハロゲン"、"ハロゲン原子"又は"ハロゲン置換基"(Hal-)という用語は、1個の、適切な場合には複数のフッ素(F, fluoro)、臭素(Br, bromo)、塩素(Cl, chloro)又はヨウ素(I, iodo)原子を意味する。"ジハロゲン"、"トリハロゲン"及び"パーハロゲン"の定義は、それぞれ2個、3個及び4個の置換基を意味し、その際、各置換基は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から成るグループから独立に選択できる。"ハロゲン"は有利には、フッ素、塩素又は臭素原子を意味する。
"カルボニル"という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基が、−C(O)−基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基は、本明細書内で定義した意味を有する。例としては、−C(O)−CH3、−C(O)−CH2CH3、−C(O)−イソプロピル及び−C(O)−tBu(tBu=第三ブチル)である。
"カルボキシル"という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基が、−C(O)O−基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基は、本明細書内で定義した意味を有する。例としては、−C(O)O−CH3及び−C(O)O−フェニルである。
"カルボキシルエステル"という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基が、−OC(O)−基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基は、本明細書内で定義した意味を有する。例としては、−OC(O)−フェニル及びそのようなもの。
"カーボネート"という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基が、−OC(O)O−基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基は、本明細書内で定義した意味を有する。例としては、−OC(O)O−CH3及び−OC(O)O−フェニルである。
"カルバメート"という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基及び/又はヘテロシクリル−アルキル基が、−OC(O)NH−基、−NHC(O)O−基、−OC(O)NR−基又は−NRC(O)O−基を介して結合しているラジカルを意味する。ここで、Rは、"アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリル−アルキル基、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル" から成るグループから独立に選択され、ここで、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリル−アルキル基、アルコキシル基、ヒドラジニル基及び/又はアルキル−シアノ基は、本明細書内で定義された意味を有する。
本明細書内で"α−アミノ酸残基"という用語は、公知である20種類のタンパク質分解性α−アミノ酸ならびに天然に(すなわち生物系で)存在するα−アミノ酸の全て、例えば、セレノシステイン、ピロリシン、シトルリン、オルニチン、ホモシステイン、N−メチルアルギニン、N−アセチルリシン、γ−カルボキシグルタメート、5−ヒドロキシリシン、3−メチルヒスチジン及び/又はN,N,N−トリメチルリシンを意味する。これに関連して、"残基"はα−炭素原子が結合した側鎖と骨格を含むアミノ酸部分の全体を意味する。本発明の明細書の範囲内では"α−アミノ酸残基"という用語は、タンパク質分解性でもなく、天然に(すなわち生物系で)存在することも公知ではない全ての公知のα−アミノ酸も意味する。例としては、ニューロロイシン、シクロヘキシルグリシン、2−ナフチルアラニン、置換α−アミノ酸(例えば、ハロゲン置換Tyr又はPhe)ならびに保護アミノ酸側鎖であり、その際、保護基、例えばFmoc、Boc、Cbz、Aloc、トリチル、アセチル及び/又はベンジルは、直接に結合/反応して官能化される(例えば、アミノ、ヒドロキシ及び/又はカルボキシ残基)。これに関連して"残基"とはα−炭素原子が結合した側鎖と骨格を含むアミノ酸全体を意味する。
従って、本発明の範囲内での"β−アミノ酸残基"とは、タンパク質分解性でもなく、天然に(すなわち生物系で)存在することも公知ではない全ての公知のβ−−アミノ酸を意味する。これに関連して"残基"とは、β−炭素原子が結合した側鎖と骨格を含むアミノ酸全体を意味する。
"アルコキシル"という用語は、"アルキル"、"シクロアルキル"、"シクロアルキル−アルキル"、"アリール"、"アリール−アルキル"、"ヘテロアリール"、"ヘテロアリール−アルキル"、"ヘテロシクリル"及び/又はヘテロシクリル−アルキル基が酸素原子(−O−基)を介して結合したラジカルを意味する。ここで、"アルキル"、"シクロアルキル"、"シクロアルキル−アルキル"、"アリール"、"アリール−アルキル"、"ヘテロアリール"、"ヘテロアリール−アルキル"、"ヘテロシクリル"及び"ヘテロシクリル−アルキル"は本明細書内で定義したような意味を有する。
"モノ−アルキルアミノ"と"ジ−アルキルアミノ"という用語は、1個又は2個のアルキル基が、それぞれ窒素原子を介して結合したラジカルを意味し、その際、アルキル基は本明細書内で定義したような意味を有する。例は、エチルアミノ、ジメチルアミノ及びイソプロピルエチルアミノである。
"ヒドラジニル"という用語は、C=N−NH−、NH−N=C−、C=N−NR−及び/又はNR−N=C−基を意味し、ここで、Rは"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N3、−NO2、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル"から成るグループから独立に選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルコキシル、ヒドラジニル及び/又はアルキル−シアノ基は、本明細書内で定義したような意味を有する。
"アルキル−シアノ"という用語は、アルキル基がシアノ基を介して結合したラジカルを意味し、ここでアルキル基は本明細書内で定義したような意味を有する。例は、メチルシアノとn−プロピルシアノである。
"ジスルフィドアルキル"という用語は、アルキル基が−S−S−基を介して結合したラジカルを意味し、ここでアルキル基は本明細書内で定義したような意味を有する。
"アルキル−スルフィジル"という用語は、アルキル基が硫黄原子を介して結合したラジカルを意味し、ここでアルキル基は本明細書内で定義したような意味を有する。
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物の形、又は純粋な形又は殆ど純粋な形である。本発明の化合物は、置換基ラジカルのうち1つを含むどの炭素原子でも不斉中心を有する。従って、本発明の化合物はそれらのラセミ体の形、純粋なエナンチオマーの形及び/又はジアステレオマーの形又はこれらのエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物の形で存在できる。混合物は、所望する任意の混合比の立体異性体を有していてもよい。これらの種々の全ての立体異性体の形及び混合物も、本発明の範囲内である。
従って、例えば1つ以上のキラル中心を有し、かつラセミ体として又はジアステレオマー混合物として存在する本発明の化合物は、自体公知の方法によりその光学的に純粋な異性体、すなわち、エナンチオマー又はジアステレオマーに分別できる。本発明の化合物の分離は、キラル又はノンキラル相にてカラム分離により、又は任意に光学活性溶剤からの、又は光学活性酸もしくは塩基を用いる再結晶化により、又は光学活性剤、例えば光学活性アルコールを用いる誘導化に引き続くラジカルの除去により行うことができる。
明確にするために、本発明の化合物は可能性としてあり得る全ての二重結合異性体の形、例えば、"純粋な"E−異性体又はZ−異性体又はこれらの二重結合異性体の混合物の形で存在できる。
可能な場合には、本発明の化合物は互変異性体の形であってもよい。
同様に、本発明の化合物は、所望する任意のプロドラッグの形、例えば、エステル、カーボネート、カルバメート、ウレア、アミド又はホスフェートであることができ、この場合に実際に生物学的に活性な形は代謝によってのみ放出される。In vivoで変換して生物活性剤を提供できるどの化合物(すなわち、本発明の化合物)も本発明の範囲内であり、かつ意図するプロドラックである。
様々な形のプロドラッグが周知であり、かつ例えば以下に記載されている:
(i)The Practice of Medicinal Chemistry (Wermuth CG et al., Chapter 31, Academic Press 1996);
(ii)Design of Prodrugs(編者:Bundfaaed H, Elsevier 1985);及び
(iii)A Textbook of Drug Design and Development (Krogsgaard-Larson P and Bungaard H, eds., Chapter 5: 113-191, Harwood Academic Publishers 1991)。
前記参考文献を参照して本明細書に取り入れることにする。
更に化学物質が体内で変換されて、適切な場合には所望する生物学的作用を引き出す(状況によってはより明白な形で)代謝産物になることは公知である。
本発明のいずれかの化合物から代謝によりin vivoで変換されたどの生物活性化合物も、本発明の範囲かつ趣旨の範囲内では代謝産物である。
本発明の化合物は、十分に塩基性の基、例えば、第一アミン、第二アミン又は第三アミンを有する場合には、無機酸と有機酸で塩に変換できる。本発明の化合物の製剤学的に認容性の塩は、有利には塩酸、臭化水素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、炭酸、ギ酸、酢酸、スルホ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、ブドウ酸、リンゴ酸、エンボン酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、タウロコール酸、グルタル酸、ステアリン酸、グルタミン酸又はアスパラギン酸で形成される。形成される塩は、特に、ヒドロクロリド、クロリド、ヒドロブロミド、ブロミド、ヨージド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、トシレート、カーボネート、バイカーボネート、ホルメート、アセテート、スルホアセテート、トリフラート、オキサレート、マロネート、マレエート、スクシネート、タルトレート、マレート、エンボネート、マンデレート、フマレート、ラクテート、シトレート、グルタレート、ステアレート、アスパルテート及びグルタメートである。更に本発明の化合物から形成された塩の化学量論比は、1の整数倍又は非整数倍であってよい。
本発明の化合物は、十分に酸性の基、例えば、カルボキシ、スルホン酸、リン酸又はフェノール基を含有する場合には、無機塩基と有機塩基でそれらの生理学的に認容性の塩に変換される。適切な無機塩基の例は、アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムであり、かつ有機塩基の例は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレン−ジアミン及びリシンである。更に本発明の化合物から形成される塩の化学量論比は、1の整数倍又は非整数倍であることができる。
同様に、本発明の化合物は、それらの溶媒化合物、特に水和物の形であることができ、これは例えば溶剤から又は水溶液から結晶化により得ることができる。更に、1つ、2つ、3つ又は任意の数の溶媒化合物又は水分子は、本発明の化合物と結合して溶媒化合物及び水和物を生成できる。
化学物質は、多形型又は変異種と称される種々の大きさの状態で存在する固形分を形成することが公知である。多形物質の様々な変異種は、その物理特性において著しく異なる。本発明の化合物は、様々な多形型で存在でき、かつ更に特定の変異種が準安定であり得る。本発明の化合物の全ての多形型は、本発明に属するものとしてみなされる。
本発明の化合物は、有利には強力な生物学的作用により特徴付けられる。本発明のジソラゾールコンジュゲートに関しては、これらは固有の潜在能力ゆえに従来技術のコンジュゲートよりも優れている。更に、意外にも特にビス−置換されたC1−B1−A−B2−C2コンジュゲートは、細胞毒性ジソラゾール部分を放出する前に、より高い特異性と低い毒性を示す。
本発明のコンジュゲートと一緒に、例えば、コンジュゲートをレセプター発現(腫瘍)組織に方向付ける細胞結合分子として所望のレセプターリガンドを使用することにより、対象となる(腫瘍)組織の特異的なターゲッティングを可能にする。特異的なターゲッティングは有利にはin situにて(腫瘍部位で)コンジュゲートを高い局所濃度で生じ、著しい効力の増大につながる。言い換えると、これらの利点は、診療所で投与される潜在的な薬物の用量を減らし、ならびに医学的な逆効果を殆どなくすか、全くなくすことになる。
他の態様では、本発明の対象は、本発明の化合物を製造する方法の提供により意外にも解決された。
有利な実施態様では、本発明の化合物の製法は、次の工程:
a)ジソラゾール化合物とリンカー、有利には無水物リンカーを反応させ、一官能化−及び/又は二官能化ジソラゾール−リンカー部分を生じ、
b)場合により、一官能化−及び/又は二官能化ジソラゾール−リンカー部分を反応遊離体と副生成物から分離(精製)し、
c)場合により分離(精製)した一官能化−及び/又は二官能化ジソラゾール−リンカー部分を細胞結合分子とカップリングして、式(I)C1−B1−A−B2−C2及び/又は式(IV)C1−B1−Aのジソラゾールコンジュゲートを生じ、
d)場合により、式(I)C1−B1−A−B2−C2及び/又は式(IV)C1−B1−Aのジソラゾールコンジュゲートを反応遊離体と副生成物から分離する
を有する。
本発明の化合物は、生理学的及び/又は病態生理学的症状の治療又は予防のために、ヒトを含む様々な哺乳類種に投与できる。
本発明の範囲内では全ての哺乳類種が含まれると考えられる。有利には、このような哺乳類は、
"ヒト、家畜家禽、ウシ、家畜、ペット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、ポニー、ロバ、ケッテイ、ラバ、ノウサギ、ウサギ、ネコ、イヌ、テンジクネズミ、ハムスター、ラット、マウス"から成るグループから選択される。より有利にはこのような哺乳類はヒトである。
他の態様では、本発明の対象は医薬品を製造するための本発明の化合物の提供により意外にも解決された。
もう1つの態様では、本発明の対象は、"急性白血病、腺癌、基底細胞腫、良性腫瘍、膀胱癌、腸癌、脳腫瘍、乳癌、気管支癌、カルチノイド、カルチノーマ、子宮頚癌、子宮カルチノーマ、慢性白血病、大腸癌、大腸カルチノーマ、結腸直腸癌、結合組織癌、子宮体癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、ガストリノーマ、グリア芽細胞腫、グリオーム、婦人科腫瘍、頭部癌及び/又は頚部癌、肝芽細胞腫、肝細胞癌、肥厚、過増殖性疾患、眼内メラノーマ、カポージ肉腫、咽頭カルチノーマ、喉頭癌、子宮筋腫、白血病、肝腫瘍、肺癌、非小細胞肺癌、リンパ腫、悪性腫瘍、乳癌、髄芽腫、メラノーマ、マルチプルメラノーマ、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、骨肉腫、卵巣癌、膵腫瘍、前立腺癌、前立腺カルチノーマ、直腸カルチノーマ、腎臓癌、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、ラブロイド腫瘍、肉腫、皮膚癌、柔軟部肉腫、充実性腫瘍、棘細胞癌、胃癌、睾丸癌、胸腺腫、甲状腺癌、脳及び/又は神経系及び/又は髄膜(WO 99/01764)から出発する腫瘍、泌尿器癌及び/又は子宮癌"を治療及び/又は予防するための医薬品を製造するための本発明の化合物の提供により意外にも解決された。
更なる態様では、本発明の対象は医薬品を製造するための本発明の化合物の提供により意外にも解決され、その際、前記医薬品は、少なくとも1つの更なる製剤学的活性物質を有する。
もう1つの態様では、本発明の対象は医薬品を製造するための本発明の化合物の提供により意外にも解決され、その際、前記医薬品は、少なくとも1つの更なる薬理学的活性物質と一緒に治療の前及び/又は間及び/又は後に投与される。
もう1つの態様では、本発明の対象は医薬品を製造するための本発明の化合物の提供により意外にも解決され、その際、前記医薬品は、放射線治療及び/又は手術の前及び/又は間及び/又は後に投与される。
従って、本発明の過程では、本発明の化合物は先に説明したように単一の物質として、又は公知の全ての薬理学的活性物質と一緒に併用療法の間に投与される。
有利な実施態様では、本発明の化合物は上記の用途用に提供され、その際、更なる薬理学的活性物質は、次のもの:"DNAトポイソメラーゼI及び/又はIIインヒビター、DNAインターカレーター、アルキル化剤、微小管不安定化剤、ホルモン−及び/又は成長因子レセプターアゴニスト及び/又は−アンタゴニスト、シグナルトランスダクションのインヒビター、成長因子に対する抗体及びそれらのレセプター、キナーゼインヒビター、抗−代謝産物"から成るグループ選択される。
有利な実施態様では、本発明の化合物は先に説明したような用途に提供され、その際、更なる薬理学的活性物質は、次のもの"アクチノマイシンD、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、アバスチン、アザチオプリン、BCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、DTIC(ダカルバシン)、エピルビシン、エポチロン、エルビタックス、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、エトポシド、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、グリーベック/グリベック、ヘルセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン、イレッサ、イリノテカン、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペントスタチン、プリカマイシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ラパマイシン、セムスチン、ソラフェニブ、ステプトゾシン、タモキシフェン、タルセバ、タキソテレ、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トリメチルメラミン、ウリジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−アザシチジンクラドリビン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル(5-FU)、6−メルカプトプリン"から成るグループから選択される。
本発明の化合物は、公知の方法で投与できる。従って、投与のルートは、適切な又は所望する活性の部位に活性化合物を効率的に輸送するどのルートでもよく、例えば、非経口又は経口、特に静脈内、局所的、経皮、肺、直腸、膣内、鼻又は腸管外又は移植によるのが有利である。静脈内投与が有利である。
本発明の化合物は、投与可能な形、かつ適切な場合に製剤学的に認容性の担体又は希釈剤と一緒に混合できる形に変換される。適切な付形剤と担体は、例えば、Ullman’s Encyclopedia of Technical Chemistry, Vol. 4, (1953), 1-39; Journal of Pharmaceutical Sciences, Vol. 52(1963), 918頁以下参照;H. v. Czetsch-Lindenwald, "Hilfsstoff fuer Pharmazie and angrenzend Gebiete", pharm. Ind. 2, 1961, 72頁以下参照; Dr. H. P. Fiedler, "Lexikon der Hisfsstoffe fuer Pharmazie, Kosmetik and angrenzende Gebiete", Cantor KG, Ailendorf in Wuerttemberg, 1971に記載されている。
非経口投与は、例えば無菌の水溶液又は油性液、懸濁液又はエマルションの静脈内、皮下、筋内注射により、又は植込錠を用いるか又は軟膏、クリーム又は坐剤により行うことができる。適切な場合には、持続放出型としての投与も可能である。植込錠は、不活性材料、例えば、生分解性ポリマー又は合成シリコン、例えば、シリコーンゴムを有していてもよい。膣内投与は、例えば、膣リングを用いることにより可能である。子宮内投与は、例えばダイアフラム又は他の適切な子宮内器具を用いることにより可能である。経皮投与は、この目的に適切な処方及び/又は適切な手段、例えばパッチを用いることにより更に提供される。
経口投与は、例えば、タブレット、カプセル、ジェルカプセル、コーチング錠、顆粒又は粉末として固形の形で、また飲料用溶液の形でも行うことができる。本発明の化合物は、経口投与のために、公知かつ通常使用される生理学的に認容性の付形剤及び担体、例えばアラビアガム、タルク、スターチ、糖、例えばマンニトール、メチルセルロース、ラクトース、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、シクロデキストリン、水性又は非水性担体、希釈剤、分散剤、乳化剤、滑剤、保護剤及び着香剤(例えば、精油)と組み合わせて投与できる。本発明の化合物は、ミクロ粒子、例えば、ナノ粒子、組成物内で分散してもよい。
既に先に説明したように、本発明の化合物は他の製剤学的に活性成分と組み合わせることもできる。併用療法のために、個々の活性成分を、特に同じルートにより(例えば、静脈内)、又は別々のルートにより(例えば、静脈内、かつ経口投与として)同時に又は別々に投与することができる。これらは、同じ又は異なる単位用量で存在し、かつ投与できる。適切であるように思われる場合には、特定の投与量レジュメを使用することもできる。このように、一般式の本発明の複数の新規化合物を互いに組み合わせることもできる。
投与量は、生理学的及び/又は病態生理学的状態のタイプ及び/又は重さ、投与の方法、年齢、性別、体重及び感受性に応じて、広い範囲内で変化してもよい。本発明の化合物及び/又は薬理学的活性物質の"薬理学的に活性な量"を決定することは、当業者の能力の範囲内である。投与は、単量で、又は複数の別々の投与量で行うことができる。
適切な単位用量は、例えば、活性成分、すなわち少なくとも1つの本発明の化合物及び適切な場合には、少なくとも1つの更なる薬理学的活性物質0.0001mg〜100mg(患者の体重1kg当たり)である。
他の態様では、本発明は、薬理学的に活性な量の少なくとも1つの本発明の化合物、特に、
"ジソラゾールA1−スクシニル[D-Lys6] LHRH(位置異性体化合物11と12)、
ジソラゾールE1−スクシニル−[D-Lys6]LHRH(位置異性体化合物13と14)、
ジソラゾールA1−(スクシニル−[D- Lys6] LHRH)2(化合物15)、
ジソラゾールZ−スクシニル−[D- Lys6] LHRH(化合物16)、
ジソラゾールZ−(グルタリル−[D- Lys6] LHRH] )2(化合物17)、
ジソラゾールZ−スクシニル−ソマトスタチン(化合物18)、
位置異性体化合物1と2、化合物3、化合物4、位置異性体化合物5、6、化合物7、化合物9、化合物10、化合物19、化合物20、化合物21"
を有する製剤学的組成物に関する。
もう1つの態様では、このような製剤学的組成物は、更に少なくとも1つの製剤学的に認容性のキャリヤー及び/又は付形剤を有していてもよく、かつ/又は少なくとも1つの更なる薬理学的活性物質を有していてもよい。
有利な実施態様では、このような更なる薬理学的活性物質は、次のもの:"DNAトポイソメラーゼI及び/又はIIインヒビター、DNAインターカレーター、アルキル化剤、微少管不安定化剤、ホルモン−及び/又は成長因子レセプターアゴニスト及び/又は−アンタゴニスト、シグナルトランスダクションのインヒビター、成長因子に対する抗体及びそれらのレセプター、キナーゼインヒビター、抗−代謝産物"
から成るグループから選択される。
もう1つの有利な実施態様では、このような薬理学的活性物質は、次のもの"アクチノマイシンD、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、アバスチン、アザチオプリン、BCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタルビン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、DTIC(ダカルバシン)、エピルビシン、エポチロン、エルビタックス、エリストヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、エトポシド、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、グリベック、ヘルセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン、イレッサ、イリノテカン、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシンC、ミトテン、ミトキサントロン、N−ホスホノアセチル−L−アスパラテート(PALA)、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペントスタチン、プリカマイシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ラパマイシン、セムスチン、ソラフェニブ、ステプトゾシン、タモキシフェン、タルセバ、タキソテレ、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トリメチルメラミン、ウリジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−アザシチジンクラドリビン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル(5-FU)、6−メルカプトプリン"から成るグループから選択される。
本発明の製剤学的組成物の関しては、本発明の化合物の少なくとも1つは、薬理学的に有効な量で、有利には単位用量で、例えば前記の単位用量で、特異的に、かつ有利には静脈内投与を可能にする投与型で存在する。更に、本発明の化合物の可能な用途と投与に関して既に述べた濃度を参照してもよい。
更なる態様では、本発明の対象は本発明の少なくとも1つの化合物の薬理学的活性量と、上記に定義したような少なくとも1つの更なる製剤学的活性物質の薬理学的活性量を有するキットを提供することにより意外にも解決された。
化学合成:
一般式(I)C1−B1−A−B2−C2と(IV)C1−B1−Aのジソラゾールコンジュゲートを生成する一般的合成法をこの箇所に挙げる。
ジソラゾールを得るための全体的な合成及び/又は単離の手法は、従来技術から公知であり、かつ例えば以下の従来技術文献に記載されている:
Jansen R et al., Liebigs Ann. Chem. 1994, (8): 759-773;WO 2004/024149; Wipf et al., Chem. Biol. Drug Des. 2006, 67(1): 66-73); Hiller MC et al., J. Org. Chem. 2001, 66: 6037-6045; Hartung IV et al., Organic Letters 2002, 4(19): 3239-3242; Wipf P et al., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126(47): 15346-15347; Carvalho R et al., Gene 2005, 359: 91-98; Kopp M et al., Chembiochem. 2005, 6(7): 1277-1286; WO 2006/075013。
ジソラゾールZは、
Figure 0005340155
上記の従来技術の説明により完全に化学合成されるか、又は実施例の箇所II)で説明したように発酵により製造される。
本発明によるコンジュゲートの合成は有機化学に基づき一般的な解法により行った。
A. 有機無水物でのエステル化によるジソラゾール第二ヒドロキシル基の誘導化
一般的な反応で、固形ジソラゾールを予め分子篩い(40nm)上で乾燥させておいた水不含ピリジン内に溶かした。種々のジソラゾール分子内で入手可能な2つの第二OH−基のモノエステル化又はビス−エステル化に計算した通りに、窒素雰囲気下に1〜2.5mol当量のDMAPと1.5〜10mol当量の有機無水物(無水グルタル酸、無水コハク酸)を添加した。水不含の条件を常に確実にするために、場合により反応に分子篩いを加えた。混合物を場合により個々の所望する誘導体に関して、室温で又は60℃の浴温で6時間〜5日間撹拌した。エステル化は分析HPLC-UVによりモニターした。
一般的分析HPLC条件:
溶出液A:20mM NH4OAc、5%(v/v)AcN, 0.2%(v/v)HOAc
溶出液B:95%(v/v) AcN, 5%(v/v)H2O
カラム:Merck LiChrosphere 100 C18, 5μm、250×4 mm
フロー:1ml/分
検出:UV-DAD, 220-380nm
勾配:40%〜100%B 18分、100% B 5分、100%〜40%B 2分
モノエステル化又はビスエステル化ジソラゾールの精製を、Isco Companion systemを用いる自動化フラッシュ液体クロマトグラフィーにより、又は分取HPLCにより行った。従って、反応混合物の過剰ピリジンを減圧下に取り除き、かつ油性残留物を10%酢酸でpH4〜6に酸性化した。Companion精製に関しては、酸性化した水相を酢酸エチルで数回抽出し、有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ減圧下にRP担体材料に吸収させた。フラッシュクロマトグラフィーをビスエステル化したジソラゾールの精製に使用し、溶出液Aとして5% AcN(v/v)0.1%HOAcならびに溶出液Bとして95%AcNを用いて逆相条件下に実施した。
分取HPLCに関しては、酸性化した水性混合物を出発溶出液(50%B)で希釈し、シリンジフィルター膜を介して濾過し、かつ分取HPLC系に注入した。
一般的な分取HPLC−条件:
溶出液A:20mM NH4OAc、5%(v/v)AcN, 0.2%(v/v)HOAc
溶出液B:95%(v/v) AcN , 5%(v/v)H2O
カラム:Macherey & Nagel VarioPrep Nucleodur 100 C18, 7μm、250×21mm
フロー:20ml/分
検出:UV
勾配:50%B 5分、50% 〜100%B 25分、100%B 10分
所望の生成物を含有するLCフラクションを分析HPLCにより分析し、減圧下にAcN とHOAcから遊離し、かつ水性濃縮物を凍結乾燥させて、固形化合物として個々のエステルを得た。
B. ペプチドとのジソラゾールモノ−及びビスヘミ−カルボン酸エステルのアミドカップリング
ジソラゾールのモノ及びビス官能化カルボン酸誘導体を従来のアミドカップリング手法によりペプチドにカップリングさせた。簡単に説明すると、カルボン酸ジソラゾール化合物を3〜6mol当量のDIPEA含有の無水DMF中に溶解させ、かつ遊離カルボキシル残基あたり1.1〜1.5mol当量のHATUの添加により活性化させ、かつ引き続き周囲温度で15分間撹拌した。次に遊離アミノ基を有するペプチド化合物を僅かにモル過剰(1.1〜1,3当量)で添加し、かつ反応混合物を室温で0.5〜12時間撹拌した。カップリング効率は分析HPLC(上記の方法)によりモニターした。
分取HPLC精製のために、DMF溶液を10%HOAcでpH5〜6に酸性化し、かつ出発溶出液4〜6体積で希釈した(40〜50%B)。同じ一般的な分取HPLC法を上記のように用いた。純粋なコンジュゲートは、個々のフラクションの分析HPLC評価の後に得られ、AcNとHOAcを減圧下に除去し、かつ引き続き水性濃縮物を凍結乾燥させた。
C. 血清アルブミンとのジソラゾールビスヘミ−カルボン酸エステルのアミドカップリング
官能化ジソラゾール誘導体の、血清アルブミンのようなより大きなタンパク質へのカップリングをNHS/DCC法を用いて実施した。タンパク質とジソラゾール化合物の種々のモル比を使用して、ジソラゾールと担体タンパク質の種々の負荷率を達成した。一般的な反応で、血清アルブミンを初期濃度20mg/mlで10mM PBS pH 7.4中に溶かした。引き続き、DMFでの1:1(v.v)希釈により、最終濃度10mg/mlで透明な血清アルブミン溶液が得られた。ジソラゾールビス又はモノヘミカルボン酸エステルをDMF中に溶かし、DCC1.2〜5当量とNHS2〜10当量を添加し、かつ20分間撹拌し、活性化NHS−エステルの形成が可能になった。活性化の効率は分析HPCL(上記の一般的方法参照)により推測した。この溶液の明確な分取を一滴ずつ、かつ強力に撹拌しながら血清アルブミンバッファー/DMF溶液に加えた。ジソラゾールNHSエステルと血清アルブミンの比率は、経験的データに基づき、種々の負荷率に関して選択した。水性アミドカップリングを周囲温度で20分間実施した。次に僅かに濁った反応混合物をSteriCup Filter(Milipore)を介して減圧濾過し、かつ脱イオン水で濾過洗浄した。次に濾液を脱イオン水で希釈し、かつ低分子量化合物を限外濾過により分離した。次に希釈したSteriCup濾液を30000Daの排除サイズを有するAmicon Ultra(milipore)濾過装置に移し、かつ4000×gで15分間遠心分離した。遠心分離した残留タンパク質溶液を脱イオン水で3回洗浄し、かつ遠心分離して全ての過剰塩、DMFならびに結合していないジソラゾール及びDCC/NHSを除去した。引き続き精製した血清アルブミンジソラゾールコンジュゲート溶液を凍結乾燥さえて、淡黄色の結晶を得た。上記の一般的な方法を用いて、分析HPLCにより結合していないジソラゾールに関して限外濾過物を分析し、血清アルブミン分子当たりのジソラゾールの平均負荷率を推定した。
D. デス・マーチン・ペルヨージナン(Dess-Martin periodinane)試薬でのジソラゾールの酸化
ジソラゾール(例えばA1, E1又はZ)をジクロロメタンに溶かした。ピリジン12Mol当量を加え、かつ混合物を氷浴上で5℃未満まで冷却した。デス・マーチン・ペルヨージナン試薬(トリアセトキシペリオジネート)の3Mol当量を数回に分けて加え、かつ氷浴上で15分間撹拌した。混合物を室温まで温め、かつ30分間撹拌を続けた(TLC control witジクロロメタン/メタノール95:5)。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、かつ0.5N塩酸に注いだ。有機相を殆ど中性(pH6)になるまでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ真空内で還元させた。引き続き、ジクロロメタン/メタノールを用いるフラッシュクロマトグラフィーによりジソラゾール−ケトン誘導体を生じた。
E. 略語
5-FU 5−フルオロウラシル
AcN アセトニトリル
Ala アラニン(イル)
Aloc アリルオキシカルボニル
Arg アルギニン(イル)
Asn アスパラギン(イル)
BCNU カルムスチン
Boc t.ブチルオキシカルボニル
Cbz カルボベンゾオキシカルボニル
CCNU ロムスチン
Cit シトルリン
DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP N,N’−4−ジメチルアミノピリジン
DMEM ダルベッコ変性イーグル培地
DMF N,N’−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Dox ドキソルビシン
DTIC ダカルバシン
e.g. 例示
EDTA エチレンジアミン−四酢酸
ELISA 酵素免疫測定法
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
Gln グルタミン(イル)
Glp プログルタメート(イル)
h 時間
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸
HOAc 酢酸
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HAS ヒト血清アルブミン
hTyr ホモ−チロシン(イル)
Hyp ヒドロキシプロリン
lle イソロイシン(イル)
IPA イソプロピルアルコール
Leu ロイシン(イル)
LH 黄体化ホルモン
LHRH(GnRH)黄体化ホルモン放出ホルモン
LHRH-R 黄体化ホルモン放出ホルモンレセプター
Lys リシン(イル)
MDS メチルジスルファニル
Me メチル
D-/L−Mel (4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−D/L−フェニルアラニン)
MeOH メタノール
min 分
ml ミリリットル
NHS N−ヒドロキシスクシンイミド
Nle ノルロイシン
PALA N−ホスホノアセチル−L−アスパラテート
PEG2 2個のエチレングリコール部分から成るポリエチレングリコール
PEG3 3個のエチレングリコール部分から成るポリエチレングリコール
PEG7 7個のエチレングリコール部分から成るポリエチレングリコール
PMS N−メチルジベンゾピラジンメチルスルフェート
Pyr ピログルタメート(イル)
RIA 放射同位元素標識免疫検定法
RT 室温
Sar サルコシン
tBu t−ブチル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
Tpi テトラヒドロノルハマン−3−カルボン酸
trityl トルフェニルカルボニル
Tyr チロシン(イル)
Val バリン(イル)
XTT ナトリウム3’−[1−(フェニルアミノカルボニル)−3,4−テトラゾリウム]−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸
図面の簡単な説明
図1〜17には、本発明の選択化合物:化合物1/2、3、4、5/6、7、8、9、10、11/12、13/14、15、16、17、18、19、20、21のH-NMR測定スペクトルが示されている。
記載した参考文献及び特許の内容を本明細書に取り入れることにする。本発明を以下の実施例を用いてより詳細に説明するが、これに限定されるわけではない。
図1は、本発明の化合物1/2のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図2は、本発明の化合物3のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図3は、本発明の化合物4のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図4は、本発明の化合物5/6のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図5は、本発明の化合物7のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図6は、本発明の化合物8のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図7は、本発明の化合物9のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図8は、本発明の化合物10のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図9は、本発明の化合物11/12のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図10は、本発明の化合物13/14のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図11は、本発明の化合物15のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図12は、本発明の化合物16のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図13は、本発明の化合物17のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図14は、本発明の化合物18のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図15は、本発明の化合物19のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図16は、本発明の化合物20のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 図17は、本発明の化合物21のH-NMR測定スペクトルを示す図である。 実施例I)本発明の化合物の合成 例1:ジソラゾールE1モノヘミ−スクシネート、位置異性体(1)と(2)の両方
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールE1 30mg、DMAP 12mg及び無水コハク酸150mgを無水ピリジン2ml中に溶かし、かつ室温で窒素下に4日間撹拌した。TLC−コントロール:DCM-MeOH9:1/DCM−IPA9:1+分析HPCL。反応混合物を冷たいブライン/0.5M HCl上に注ぎ、かつ酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄してpH4にし、Na2SO4上で乾燥させ、かつ過剰溶剤を減圧下に除去した。DCM/MeOH勾配を用いるIsco CompanionによるLCにより粗生成物の精製を行った。純粋な生成物13mgが位置異性体(1)と(2)の両方の1:1混合物(合計収率:39%)として得られた。
LC-MS:[M+H]+ 875.6
計算質量:874
H−NMR:図1参照
例2:
ジソラゾールE1 ビスヘミグルタレート(3)
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールE1 100mg、DMAP 30mg及び無水コハク酸150mgを無水ピリジン3ml中に溶かし、かつTEA 100μmを添加し、室温で窒素下に4日間撹拌した。TLC−コントロール:DCM-MeOH9:1/DCM−IPA9:1+分析HPCL。反応混合物を冷たいブライン/0.5M HCl上に注ぎ、かつ酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄してpH4にし、Na2SO4上で乾燥させ、かつ過剰溶剤を減圧下に除去した。DCM/MeOH勾配を用いるIsco CompanionによるLCにより粗生成物の精製を行った。純粋な生成物35mg(収率:24%)が得られた。
LC-MS:[M+H]+ 1003.7
計算質量:1002
H−NMR:図2参照
例3:
ジソラゾールE1 ビスヘミスクシネート(4)
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールE1 138mg、DMAP 70mg及び無水コハク酸730mgを無水ピリジン10ml中に溶かし、スパチュラ先端量の分子篩い(4A)を加え、かつ室温で窒素下に4日間撹拌した。TLC−コントロール:DCM-MeOH9:1/DCM−IPA9:1+分析HPCL。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、氷冷したブライン/HClpH3〜4上に注ぎ、かつ酢酸エチルで抽出し、有機相をブラインで洗浄してpH4にし、Na2SO4上で乾燥させ、かつ過剰溶剤を減圧下に除去した。DCM/MeOH勾配を用いるIsco CompanionによるLCにより精製を行い、固形生成物80mg(39%収率)が得られた。
LC-MS:[M+H]+ 975.5
計算質量:974
H−NMR:図3参照
例4:
ジソラゾールA1 モノヘミスクシネート、位置異性体(5)と(6)の両方
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールA1 30mg、DMAP 15mg及び無水コハク酸160mgを無水ピリジン2ml中に溶かし、かつ室温で窒素下に4日間撹拌した。TLC−コントロール:DCM-MeOH9:1/DCM−IPA9:1+分析HPCL。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、氷冷したブライン/HCl pH3〜4上に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、pH4.5になるまで有機相をブラインで洗浄して、Na2SO4上で乾燥させ、かつ過剰溶剤を減圧下に除去した。DCM/MeOH勾配を用いるIsco Companionにより精製を行い、1:1の比で両方の位置異性体を含有する固形生成物5.3mgが得られた(合計収率15%)。
LC-MS:[M+H]+ 859.6
計算質量:858
H−NMR:図4参照
例5:
ジソラゾールA1 ビスヘミスクシネート(7)
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールA1 138mg、DMAP 70mg及び無水コハク酸730mgを無水ピリジン10ml中に溶かし、スパチュラ先端量の分子篩い(4A)を加え、かつ反応物を窒素下に室温で4日間撹拌した。TLC−コントロール:DCM-MeOH9:1/DCM−IPA9:1。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、氷冷したブライン/HClpH3〜4上に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、pH4〜5になるまで有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ過剰溶剤を減圧下に除去した。DCM/MeOH勾配を用いるIsco CompanionによるLCにより精製を行い、固形生成物(7)37mg(収率:20%)が得られた。
LC-MS:[M+H]+ 959.4
計算質量:958
H−NMR:図5参照
例6:
ジソラゾールZ モノヘミスクシネート(8)
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZ 80mg、DMAP 16mg及び無水コハク酸13mgをピリジン1.5ml中に溶かし、少量の分子篩い(4A)を反応に加えた。混合物を60℃まで(油浴温度)加熱し、かつ24時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターした。室温まで冷却した後に、酢酸エチルを加え、かつ分子篩いを濾別した。濾液を減圧下に乾燥するまで蒸発させ、残留物を40%溶剤B混合物5ml中に溶かした(A: 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2%HOAc pH 4.5; B: 95% AcN 、5%水)。ルーアーロック膜フィルターを介して濾過した後に、溶液を分取HPLC(40%B→85%B、25分間で)に注入した。ヘミモノスクシネートのピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥して31mgの純粋な生成物(8)が淡褐色の固体として得られた(35%)。
LC-MS:[M+H]+ 847.0
計算質量:846
H−NMR:図6参照
例7:
ジソラゾールZ ビスヘミスクシネート(9)
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZ 188mg、DMAP 31mg及び無水コハク酸500mgをピリジン4ml中に溶かし、少量の分子篩い(4A)を反応に加えた。混合物を40℃まで(油浴温度)加熱し、かつ72時間撹拌した。反応をHPLC-UVとTLC(DCM/MeOH 9:1)によりモニターした。反応物をDCMで希釈し、エバポレーターフラスコに移し、かつ溶剤を減圧下に除去した。粗油を再びDCM中に溶かし、RP18シリカゲルに吸収させ、2つの同じフラクションに分け、かつIsco Companion LCによる12gのRPカラムを備えたRP−フラッシュクロマトグラフィーに使用した(アセトニトリル/水/0.1% 酢酸)。試験番号1からのフラクションNo.12〜14と、試験番号2からのフラクションNo. 2〜3を収集し、1つにまとめ、溶剤を減圧下に除去/凍結乾燥させた。淡褐色の生成物105mgが得られた(45%)。
LC-MS:[M+H]+ 947.3
計算質量:946
H−NMR:図7参照
例8:
ジソラゾールZ ビスヘミグルタレート(10)
Figure 0005340155
A.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZ 183mg、4-DMAP 30mg及びグルタル酸無水物560mgをピリジン4ml中に溶かし、少量の分子篩い(4A)を反応に加えた。混合物を40℃まで(油浴温度)加熱し、かつ72時間撹拌した。反応をHPLC-UVとTLC(DCM/MeOH 9:1)によりモニターした。反応物をDCMで希釈し、エバポレーターフラスコに移し、かつ溶剤を減圧下に除去した。次に粗油を酢酸エチル中に溶かし、氷冷したブライン/HCl上に注ぎ、ブライン/水でpH4.5になるまで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、かつ溶剤を減圧下に除去した。残留物をDCM中に溶かし、かつIsco Companion LCによるPR−フラッシュクロマトグラフィー用のRP18シリカゲルに吸収させた(アセトニトリル/水/0.1% 酢酸)。減圧下にAcN/酢酸を除去し、水性濃縮物を凍結乾燥した後に、純粋な(10)75mg(32%)が淡褐色の固体として得られた。
LC-MS:[M+H]+ 975.3
計算質量:974
H−NMR:図8参照
例9:
ジゾラゾールA1 モノヘミスクシニル[D-Lys6]LHRH、位置異性体(11)と(12)の両方
Figure 0005340155
B.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールA モノヘミスクシネート(両方の位置異性体の1:1混合物)6mgとHATU 3.2mgをDMF0.25mlに溶かした。DIPEA 5μlを加え、かつ室温で20分間撹拌し、活性化エステル錯体を形成させた。[D-Lys6]LHRHペプチド10.1mgをDMF0.25ml中に溶かし、混合物に加え、反応物を周囲温度で1.5時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターし、引き続き混合物を分取HPLCに課した。次に、反応混合物を40%溶剤B混合物1.5mlで希釈した(A. 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2% HOAc pH 4.5;B: 95% AcN、5% 水)。溶液を10%HOAc約0.1mlでpH6まで酸性化した。ルーアーロック膜フィルターを通す濾過の後に、溶液を分取HPLC(40%B→85% B、25分間で)に注入した。メインピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥させて5mgの(11)と(12)が淡褐色のフレーク(1:1比、合計収率:35%)として得られた。
HR-ESl-MS:(電荷状態+2)1048.0
計算質量:2092
H−NMR:図9参照
例10:
ジゾラゾールE1 モノヘミスクシニル[D-Lys6]LHRH、位置異性体(13)と(14)の両方
Figure 0005340155
B.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールE1 モノヘミスクシネート(両方の位置異性体の1:1混合物)40mgとHATU 18mgをDMF1mlに溶かした。DIPEA25μlを加え、かつ室温で15分間撹拌し、活性化エステル錯体を形成させた。[D-Lys6]LHRHペプチド54mgをDMF1ml中に溶かし、混合物に加え、かつ反応物を周囲温度で2時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターし、引き続き混合物を分取HPLCに課した。次に、反応混合物を40%溶剤B混合物3.5mlで希釈した(A. 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2% HOAc pH 4.5;B: 95% AcN、5% 水)。溶液を10%HOAc約0.5mlでpH6まで酸性化した。ルーアーロック膜フィルターを通す濾過の後に、溶液を分取HPLC(40%B→85% B、25分間で)に注入した。メインピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥させて29mgの(13)と(14)が淡褐色のフレーク(1:1比、合計収率:36%)として得られた。
HR-ESl-MS:(電荷状態+2)1056.0
計算質量:2108
H−NMR:図10参照
例11:
ジゾラゾールA1 ビスヘミスクシニル[D-Lys6]LHRH(15)
Figure 0005340155
B.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールA1 ビスヘミスクシネート15.7mgとHATU 7.5mgをDMF1mlに溶かした。DIPEA11μlを加え、かつ室温で20分間撹拌し、活性化エステル錯体を形成させた。[D-Lys6]LHRHペプチド23.6mgをDMF1ml中に溶かし、混合物に加え、反応物を周囲温度で2時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターし、引き続き混合物を分取HPLCに課した。次に、反応混合物を40%溶剤B混合物4.5mlで希釈した(A. 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2% HOAc pH 4.5;B: 95% AcN、5% 水)。溶液を10%HOAc約0.5mlでpH6まで酸性化した。ルーアーロック膜フィルターを通す濾過の後に、溶液を分取HPLC(40%B→85% B、25分間で)に注入した。メインピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥させて18mgの(15)が白色のフレーク(収率:32%)として得られた。
HR-ESl-MS:(電荷状態+4)858.4
計算質量:3426
H−NMR:図11参照
例12:
ジゾラゾールZ モノヘミスクシニル[D-Lys6]LHRH(16)
Figure 0005340155
B.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZ モノヘミスクシネート45mgとHATU 24mgをDMF1mlに溶かした。DIPEA 37μlを加え、かつ室温で20分間撹拌し、活性化エステル錯体を形成させた。[D-Lys6]LHRHペプチド76mgをDMF1ml中に溶かし、混合物に加え、反応物を周囲温度で1.5時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターし、引き続き混合物を分取HPLCに課した。次に、反応混合物を40%溶剤B混合物4.5mlで希釈した(A. 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2% HOAc pH 4.5;B: 95% AcN、5% 水)。溶液を10%HOAc約0.75mlでpH6まで酸性化した。ルーアーロック膜フィルターを通す濾過の後に、溶液を分取HPLC(40%B→85% B、25分間で)に注入した。メインピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥させて42mgの(16)が淡褐色のフレーク(収率:38%)として得られた。
HR-ESl-MS:(電荷状態+2)1042.0
計算質量:2080
H−NMR:図12参照
例13:
ジゾラゾールZ ビスヘミグルタリル[D-Lys6]LHRH(17)
Figure 0005340155
B.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZ ビスヘミグルタリル35mgとHATU34mgをDMF1mlに溶かした。DIPEA54μlを加え、かつ室温で20分間撹拌し、活性化エステル錯体を形成させた。[D-Lys6]LHRHペプチド128mgをDMF1ml中に溶かし、混合物に加え、反応物を周囲温度で2時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターし、引き続き混合物を分取HPLCに課した。次に、反応混合物を40%溶剤B混合物4.5mlで希釈した(A. 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2% HOAc pH 4.5;B: 95% AcN、5% 水)。溶液を10%HOAc約1mlでpH6まで酸性化した。ルーアーロック膜フィルターを通す濾過の後に、溶液を分取HPLC(40%B→85% B、25分間で)に注入した。メインピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥させて39mgの(17)が白色のフレーク(収率:33%)として得られた。
HR-ESl-MS:(電荷状態+4)862.4
計算質量:3442
H−NMR:図13参照
例14:
ジソラゾールZ モノヘミスクシニルソマトスタチン(18)
Figure 0005340155
B.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZモノヘミスクシネート20mgとHATU21mgをDMF1mlに溶かした。DIPEA15μlを加え、かつ室温で15分間撹拌し、活性化エステル錯体を形成させた。合成ペプチドH-D-Phe-Cys-Tyr-D-Trp-Lys(Fmoc)-Val-Cys-Thr-NH2×HCl(ジスルフィド結合)25mgをDMF1ml中に溶かし、混合物に加え、反応物を周囲温度で4時間撹拌した。反応をHPLC-UVによりモニターした。粗反応混合物をDMF2mlで希釈し、かつピペリジンを加え10%(v/v)の最終濃度にした。5分間室温で撹拌した後に、直に混合物を分取HPLCに課した。次に、反応混合物を50%溶剤B混合物4.5mlで希釈した(A. 20mM NH4AcO、5% AcN、0.2% HOAc pH 4.5;B: 95% AcN、5% 水)。溶液を10%HOAc約1.5mlでpH6まで酸性化した。ルーアーロック膜フィルターを通す濾過の後に、溶液を分取HPLC(50%B→100% B、25分間で)に注入した。メインピークを収集し、かつフラクションを凍結乾燥させて12mgの(18)がベージュのフレーク(収率:33%)として得られた。
HR-ESl-MS:(電荷状態+2)937.4
計算質量:1873
H−NMR:図14参照
例15
化合物19:
Figure 0005340155
D.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールE120mgを酸化し、ジケトン生成物10mg(56%)を得た。
LC-MS:[M+H]+:771.5
計算質量:770
H−NMR:図15参照
例16
化合物20:
Figure 0005340155
D.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールA125mgを酸化し、ジケトン生成物17mg(67%)を得た。
LC-MS:[M+H]+:755.6
計算質量:754
H−NMR:図16参照
例17
(化合物21):
Figure 0005340155
D.に挙げられている一般的な合成法に倣い、ジソラゾールZ44mgを酸化し、ジケトン生成物15mg(29%)を得た。
LC-MS:[M+H]+:743.3
計算質量:742
H−NMR:図17参照
II)発酵によるジソラゾールZの製造
ジソラゾールZをミクソバクテリアSorangium cellulosum生産株Soce 1875(DSMZにて登録番号DSM53600で入手可能)の発酵により製造した。
発酵槽の接種には、振盪フラスコ中で培養した出発培養が好ましい。発酵法は、例えばバッチ又は流加バッチとして行う。
出発培養として、以下の成分を有する培地を培養の開始時にpH7.4で使用した:0.8%可溶性デンプン(Merck1.01252)、0.2%酵母エキス、0.2%脱脂大豆粉、0.1%CaCl2×2H2O、0.1%MgSO4×7H2O、8mg/L Na-Fe-EDTA、1%HEPES緩衝液、0.2%グルコース、1%XAD樹脂。出発培養振盪フラスコは160rpmの撹拌速度で30℃でインキュベートできた。発酵に関しては、出発培養と同じ培地(但し、HEPES緩衝液不含)70リットルのバッチ発酵をオートクレーブの前にpH7.9で使用した。1%(vol/vol)XAD(Amberlite XAD 16, Rohm and Haas)を加えてジソラゾールZを吸収した。
発酵槽を出発培養1リットルで接種した。培養を30℃の温度で、80rpmの撹拌速度で5.5L/分の空気混入で行った。必要な場合には、発酵の過程でpHを一定に保持するか又は5%KOH溶液の添加により6.8以上にした。残留デンプンをヨウ素反応により制御した。グルコース濃度を例えば、試験ストライプ(Roche)の使用によりモニターした。
グルコースとデンプンが十分に代謝されている場合、かつジソラゾールZの濃度が平坦になる場合には、製造培養を回収する用意ができている。全部で12日後に、発酵を中止し、かつ篩いによりXAD樹脂を収集することにより回収した。XAD樹脂に結合した細胞を後続の抽出と精製工程に含めた。
分析の目的で、発酵培養からのアリコートをXAD樹脂と細胞塊の収集に使用し、引き続き、メタノール:エタノール:イソプロパノール(80:15:5)を用いて抽出し、最後の工程でアセトンを使用した。抽出物を合わせ、濃縮し、かつHPLC-MSにより分析した。
二者択一的なSorangium cellulosum株を使用する場合には、Soce 427(DSMZに登録番号DSM53419で掲載)が好ましく、出発培養に以下の培地をpH7.5で使用できる:0.3%デンプン(Cerestar SF 12618, Cerestar Deutschland, Krefeld)、0.2%脱脂大豆粉(Soyamine 50T, Lucas Meyer, Hamburg)、0.1%酵母エキス(Marcor)、0.1%硫酸マグネシウム(Roth, P027.2)、0.05%塩化カルシウム(Merck, 1.02382)、8mg/Lエチレンジアミン四酢酸のナトリウム−鉄塩(Na-Fe-EDTA)(Merck, 108413)及び0.9% HEPES緩衝液(Roth, 9105.3)。オートクレーブの後に、20%グルコース溶液(Riedel-de Haen 16301)を加えて最終的に0.3%グルコースにした。発酵に関しては、HEPES緩衝液以外は同じ培地をオートクレーブ処理の前にpH7.9で使用した。
上記の発酵に続き、Sorangium cellulosum、菌株Soce 427の70リットル発酵浴の遠心分離により収集した湿った細胞塊とXAD樹脂をメタノール3リットル分で抽出した。合わせた濾液を蒸発させ、残留混合物を得た。必要な場合には、水を加えて1.2〜1.5リットルにし、これを3量分のジクロロメタン1.2リットルで抽出した。合わせた有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に乾燥するまで蒸発させた。残留物を水性メタノール(97%)1リットル中に再び溶かし、かつヘプタンで3つに分けた。メタノール層を蒸発させ、トルエンで希釈し、かつ乾燥するまで蒸発させた。Sephadex LH-20(Pharmacia)上でメタノールを用い、残留物をゲルクロマトグラフィーにより分け、ジソラゾールZに富むフラクションが得られた。これをメタノール水(65/35)でRP-MPLC(ODS-AQ、120Å、S16μm)により精製し、精製したジソラゾールZが得られた。
III)様々な腫瘍細胞系における抗増殖作用
本発明の選択化合物を確立された腫瘍細胞系における増殖試験で抗増殖作用について調べた。
使用された試験は細胞のデヒドロゲナーゼ活性を決定し、かつ細胞の生存率ならびに間接的に細胞数を決定することができる。
使用した細胞系は、ヒト子宮頚癌細胞系KB/HeLa(ATCCCCL17)、卵巣腺癌細胞系SKOV-3(ATCC HTB77)、ヒト神経グリア芽細胞腫細胞系SF-268(NCl 503138)及び肺癌細胞系NCl-H460(NCl 503473)である。更に、本発明の化合物の細胞周期に特異的な作用を調べるために、RKOp27細胞システムを使用した(Schmidt M et al., Oncogene 2000, 19(20): 2423-2429)。RKOは、ヒト結腸癌細胞系(ATCC CRL-2577)であり、その際、エクジソン発現系を用いて誘発した細胞周期インヒビターp27kip1を発現し、かつ特にG2で細胞周期の停止を導くことができる。非特異的作用物質は、RKO細胞がG1又はG2で停止するか、又はしないかとは独立に増殖を阻害する。しかし細胞周期に特異的な物質、例えば、チューブリン阻害剤は、細胞が停止せず、かつ細胞周期が通過する場合にだけ細胞毒性である。
細胞デヒドロゲナーゼ活性用のXTT試験
粘着性成長腫瘍細胞系KB/Hela、SKOV-3、SF-258及びNCl-H460をインキュベーター内で、37℃、5%CO2及び95%大気湿度で標準条件下に培養した。実験1日目に、トリプシン/EDTAを用いて細胞を切り離し、遠心分離によりペレット化した。引き続き、細胞ペレットを相応の細胞数で各々の培養培地に再懸濁させ、96ウェル−マイクロタイタープレート内で反応させた。次にプレートをインキュベーター内で一晩培養した。試験物質をDMSO中1mg/mlストック溶液として調製し、かつ試験2日目に培養培地を用いて適切な濃度まで希釈した。次に培養培地中の物質を細胞に加え、かつインキュベーター内で45時間インキュベートした。コントロールとして、試験物質で処理しなかった細胞を使用した。XTTアッセイでは、フェノールレッド不含のRPMI-1640培地中にXTT(3’−[1−(フェミルアミノカルボニル)−3,4−テトラゾリウム]−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム)1mg/mlを溶かした。更に、リン酸緩衝生理水溶液(PBS)中のPMS(N−メチルジベンゾピラジンメチルスルフェート)溶液0.383mg/mlを調製した。試験4日目に、試験物質と一緒に45時間インキュベートしておいた細胞プレートにXTT-PMS混合物4.75μl/ウェルをピペットで入れた。このために、使用直前にXTT溶液をPMS溶液と50:1(vol:vol)の比率で混合した。次に細胞プレートを更にインキュベーター内で3時間インキュベートし、かつ光学密度(OD490nm)を光度計で測定した。測定したOD490nmを用いて、コントロールに対してパーセンテージ阻害を計算し、かつ濃度−作用曲線の形で半対数的にプロットした。濃度−作用曲線からの回帰分析を用いて、Graphpad PrismプログラムによりIC50を計算した。
RKOp27モデルを用いた細胞周期分析
分析は96ウェルプレート内で実施した。p27Kip1の誘発可能な発現により、細胞は完全に成長を中断したが死んでいなかった。誘発細胞と非誘発細胞における活性の比較により、治療の作用メカニズム(細胞周期に特異的)に関して結論を導き出すことができる。非誘発細胞を約3倍高い細胞数で接種した。それというのも、非誘発細胞(20000個の細胞/ウェルが誘発され、6250個の細胞/ウェルが誘発されなかった)と比較してアッセイの間に分裂が行われないからである。コントロールは処理していない細胞である(+/−誘発)。誘発は3μMムリステロンAで行った。1日目に、細胞を暴露(+/−ムリステロンA)し、かつ37℃で24時間インキュベートした。2日目に、試験物質を加え(コントロールDMSO)、かつ標準XTTアッセイを行う前にインキュベーションを更に37℃で45時間続けた。
表1には、細胞毒性部分ドキソルビシン、従来技術のコンジュゲートAN-152、及びジソラゾール部分であるジソラゾールA1、E1及びZならびに本発明の選択化合物:
ジソラゾールZ−(グルタリル-[D-Lys6]LHRH)2−化合物17;
ジソラゾールZ−スクシニル−[D- Lys6]LHRH−化合物16;
ジソラゾールE1−スクシニル−[D-Lys6]LHRH−化合物13/14;
ジソラゾールA1−スクシニル−[D-Lys6]LHRH−化合物11/12;
ジソラゾールA1−(スクシニル−[D-Lys6]LHRH)2−化合物15
と比較した、p27kip1発現あり/発現なしの本発明の選択化合物の細胞毒性及び/又は成長阻害活性が示されている。
試験した化合物は、p27kip1の発現状態では細胞毒性活性を示さなかった。選択された腫瘍細胞系の増殖が、本発明の選択化合物により極めて効果的に阻害された結果が示されている。更に、試験したコンジュゲートはコンジュゲートしていない遊離ジソラゾール部分と比べて明らかに毒性の減衰を示している。
Figure 0005340155
IV)GnRH−レセプター依存性増殖アッセイ
本発明の選択化合物の細胞増殖の用量依存性レセプター媒介阻害を調べた。
これらの効果を試験するために、ヒトGnRHレセプター(hGnRH-R)陽性細胞系(5C6;Beckers et al., Eur. J. Biochem. 1995, 231: 535-543)とhGnRH-Rマイナス細胞系(LTK; ECACC No. 85011432)を使用した。
個々の細胞を24ウェルマルチライタープレート(MTPs)中の1ml培養培地に、1ウェル当たり15000個の細胞数で暴露した。未処理のコントロール細胞を試験した5日後に、指数成長相でなお指数成長相があるように調節した。
試験化合物は、初期成長(粘性)の4時間後に、100μLの体積で培養細胞に加え、最終的に表2に挙げられた最終濃度を生じた。
37℃で30分インキュベーションした後に、全体の培養培地を吸引し、かつ試験化合物不含の培養培地で細胞を2回洗浄した。細胞を洗浄した後に、インキュベーター(37℃、5%CO2及び95%大気湿度)に置き、更に4日間インキュベートした。
インキュベーションの後に細胞数を測定するために、トリプシン/EDTAを用いて細胞を切り離し、かつ遠心分離した。生細胞の数と全細胞数をVi−Cellアナライザー(Beckman Coulter)を用いて数えた。
生細胞数を未処理のコントロール細胞(=100%)と比較して分析した。全細胞の生存度が90%以上である細胞グループ(個々のウェル)だけを考慮した。すなわち、非特異的細胞毒性による細胞増殖の阻害を除くことができる。
表2には、種々の濃度の試験化合物の存在と不在で、hGnRH−R陽性細胞と陰性細胞を96時間インキュベーションした後の増殖状態が示されている。96時間後の未処理コントロール細胞の増殖状態を100%に設定した。使用した試験化合物は、従来技術のコンジュゲートAN−152ならびに以下の本発明の選択化合物であった:ジソラゾールZ−(グルタリル−[D-Lys6]LHRH)2−化合物17;ジソラゾールZ−スクシニル−[D-Lys6]LHRH−化合物16;ジソラゾールE1−スクシニル−[D-Lys6]LHRH−化合物13/14;ジソラゾールA1−スクシニル−[D-Lys6]LHRH−化合物11/12;ジソラゾールA1−(スクシニル−[D-Lys6]LHRH)2−化合物15。
本発明の全ての試験化合物は、96時間の試験期間にわたり用量依存性の細胞増殖阻害を示した。この阻害効果は、hGnRH−R陰性細胞系LTKを用いた結果から分かるように特異的である。
Figure 0005340155
V)化合物16のGnRH−レセプター依存性抗増殖作用(in vivo)
30 CD 1 nu/nuヌードマウスにGnRHレセプター陽性、ヒト卵巣癌細胞系OVCAR-3(動物1匹当たり細胞500万個)を皮下に接種した。充実性腫瘍の形成後に実験を開始した。1用量グループ当たり5匹の動物を使用した。
実験0日目に、個々の腫瘍体積を触診により測定し、かつ100%に設定した。引き続き試験化合物を実験の0日目に実験動物の尾の静脈に注射により投与した。
1kg当たり、必要な濃度で試験化合物を含有している0.9%食塩水10ml(マウス20g当たり200μl)の標準体積を実験の0日目だけに1回投与した。
実験18日目に腫瘍サイズを再び触診により測定した。更なる腫瘍が現れた場合には、ボリュームを足した。実験を通して体重減少のような毒性作用は報告されなかった。
Figure 0005340155
結果は、未処理の腫瘍の成長、ジソラゾールZだけによる腫瘍成長の穏やかな抑制、及び用量依存性は、ジソラゾールZの[D-Lys6]−LHRHへのコンジュゲーションにより得られる抗増殖作用により明らかに改善されたことを裏付けている。

Claims (17)

  1. 式(I)
    C1−B1−A−B2−C2 (I)
    または
    式(IV)
    C1−B1−A (IV)
    [式中、
    Aは、式(III)
    Figure 0005340155
    (式中、
    Rio、Rjo、Rkp Rmp R28R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36R38R40、R41、R42、R43、R44が水素であり;
    Rl p 、Rn p が一緒に二重結合を形成するか又は、独立に"水素、アルコキシル"から成るグループから選択され;
    R27、R29が一緒に二重結合又はエポキシド(オキシラン)を形成し;
    R37、R39が一緒に二重結合又はエポキシド(オキシラン)を形成し;
    R25、R26が互いに独立に次のもの:"アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−アルキルスルホニル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−N 3 、−NO 2 、=O、=S、=S(O) 2 、ヒドロキシル、カルボニル、アセチル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミド、カーボネート、カルバメート、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、アルコキシル、アミノ、イミノ、ヒドロキシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ヒドラジニル、シアノ、アルキル−シアノ、スルフヒドリル、ジスルフィジルアルキル及びアルキル−スルフィジル"から成るグループから選択される1個、2個又は3個の置換基によりアルキル基内で場合により置換されている"アルキル"であり;
    oは1又は2であり;
    pは1又は2である)によるジソラゾール部分であり、
    B1及び/又はB2は、互いに独立に"二炭酸残基リンカー、スクシニル、グルタリル、アジピン酸リンカー、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸リンカー及びテレフタル酸リンカー"から成るグループから選択され;
    C1及び/又はC2は互いに独立に、"LHRH、[D-Lys 6 ]-LHRH、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体、ヒト血清アルブミン(HSA)"から成るグループから選択される]
    の化合物。
  2. 化合物は、次のもの:
    Figure 0005340155
    Figure 0005340155
    Figure 0005340155
    から成るグループから選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 次の工程:
    a)ジソラゾール化合物とリンカー、有利には無水物リンカーを反応させ、一官能化−及び/又は二官能化ジソラゾール−リンカー部分を生じ、
    b)場合により、一官能化−及び/又は二官能化ジソラゾール−リンカー部分を反応遊離体と副生成物から分離(精製)し、
    c)場合により分離(精製)した一官能化−及び/又は二官能化ジソラゾール−リンカー部分を細胞結合分子とカップリングして、式(I)C1−B1−A−B2−C2及び/又は式(IV)C1−B1−Aのジソラゾールコンジュゲートを生じ、
    d)場合により、式(I)C1−B1−A−B2−C2及び/又は式(IV)C1−B1−Aのジソラゾールコンジュゲートを反応遊離体と副生成物から分離する
    を有する、請求項1または2に記載の化合物を製造する方法。
  4. 請求項1または2に記載の少なくとも1つの化合物の薬理学的活性量を有する製剤学的組成物。
  5. 少なくとも1つの化合物は、患者の体重1kg当たり0.0001mg〜100mgの単位用量で存在する、請求項に記載の製剤学的組成物。
  6. 組成物は更に少なくとも1つの製剤学的に認容性の担体及び/又は付形剤を有している、請求項又はに記載の製剤学的組成物。
  7. 組成物は少なくとも1つの更なる薬理学的活性物質を有している、請求項からまでのいずれか1項に記載の製剤学的組成物。
  8. 更なる薬理学的活性物質は、次のもの:
    "DNAトポイソメラーゼI及び/又はIIインヒビター、DNAインターカレーター、アルキル化剤、微小管不安定化剤、ホルモン−及び/又は成長因子レセプターアゴニスト及び/又は−アンタゴニスト、シグナルトランスダクションのインヒビター、成長因子に対する抗体及びそれらのレセプター、キナーゼインヒビター、抗−代謝産物"
    から成るグループから選択される、請求項に記載の製剤学的組成物。
  9. 更なる薬理学的活性物質は、次のもの:
    "アクチノマイシンD、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、アバスチン、アザチオプリン、BCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、DTIC(ダカルバシン)、エピルビシン、エポチロン、エルビタックス、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、エトポシド、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、グリーベック/グリベック、ヘルセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン、イレッサ、イリノテカン、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペントスタチン、プリカマイシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ラパマイシン、セムスチン、ソラフェニブ、ステプトゾシン、タモキシフェン、タルセバ、タキソテレ、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トリメチルメラミン、ウリジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−アザシチジンクラドリビン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル(5-FU)、6−メルカプトプリン"から成るグループから選択される、請求項又はに記載の製剤学的組成物。
  10. 医薬品を製造するための、請求項1または2に記載の化合物の使用。
  11. "急性白血病、腺癌、基底細胞腫、良性腫瘍、膀胱癌、腸癌、脳腫瘍、乳癌、気管支癌、カルチノイド、カルチノーマ、子宮頚癌、子宮カルチノーマ、慢性白血病、大腸癌、大腸カルチノーマ、結腸直腸癌、結合組織癌、子宮体癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、ガストリノーマ、グリア芽細胞腫、グリオーム、婦人科腫瘍、頭部癌及び/又は頚部癌、肝芽細胞腫、肝細胞癌、肥厚、過増殖性疾患、眼内メラノーマ、カポージ肉腫、咽頭カルチノーマ、喉頭癌、子宮筋腫、白血病、肝腫瘍、肺癌、非小細胞肺癌、リンパ腫、悪性腫瘍、乳癌、髄芽腫、メラノーマ、マルチプルメラノーマ、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、骨肉腫、卵巣癌、膵腫瘍、前立腺癌、前立腺カルチノーマ、直腸カルチノーマ、腎臓癌、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、ラブロイド腫瘍、肉腫、皮膚癌、柔軟部肉腫、充実性腫瘍、棘細胞癌、胃癌、睾丸癌、胸腺腫、甲状腺癌、脳及び/又は神経系及び/又は髄膜から出発する腫瘍、泌尿器癌及び/又は子宮癌"を治療及び/又は予防するための医薬品を製造するための、請求項1または2に記載の化合物の使用。
  12. 医薬品は、少なくとも1つの更なる製剤学的活性物質を有している、請求項10又は11に記載の使用。
  13. 医薬品は、少なくとも1つの薬理学的活性物質と一緒に治療の前及び/又は間及び/又は後に投与される、請求項10から12までのいずれか1項に記載の使用。
  14. 更なる薬理学的活性物質は、次のもの:
    "DNAトポイソメラーゼI及び/又はIIインヒビター、DNAインターカレーター、アルキル化剤、微小管不安定化剤、ホルモン−及び/又は成長因子レセプターアゴニスト及び/又は−アンタゴニスト、シグナルトランスダクションのインヒビター、成長因子に対する抗体及びそれらのレセプター、キナーゼインヒビター、抗−代謝産物"
    から成るグループから選択される、請求項12又は13に記載の使用。
  15. 更なる薬理学的活性物質は、次のもの:"アクチノマイシンD、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、アバスチン、アザチオプリン、BCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、CCNU(ロムスチン)、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、DTIC(ダカルバシン)、エピルビシン、エポチロン、エルビタックス、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、エトポシド、フルダラビンホスフェート、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、グリーベック/グリベック、ヘルセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロン、イレッサ、イリノテカン、L−アスパラギナーゼ、ロイコボリン、メクロレタミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、N−ホスホノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペントスタチン、プリカマイシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ラパマイシン、セムスチン、ソラフェニブ、ステプトゾシン、タモキシフェン、タルセバ、タキソテレ、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トリメチルメラミン、ウリジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン、5−フルオロデオキシウリジンモノホスフェート、5−アザシチジンクラドリビン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル(5-FU)、6−メルカプトプリン"から成るグループから選択される、請求項12から14までのいずれか1項に記載の使用。
  16. 医薬品は、放射線治療及び/又は手術の前及び/又は間及び/又は後に投与される、請求項10から15までのいずれか1項に記載の使用。
  17. 請求項1または2に記載の少なくとも1つの化合物の薬理学的活性量と、請求項12から15までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの更なる製剤学的活性物質の薬理学的活性量を有するキット。
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