JP5339355B2 - 門 - Google Patents

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本発明は、設置面に沿って閉じ状態と開き状態とに亘って移動し、出入口を開閉する門扉を備えた門に関する。
従来、設置面に沿って閉じ状態と開き状態とに亘って移動する門扉によって出入口を開閉する門が種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示したように、複数の縦桟をパンタグラフ機構で伸縮可能に連結し、その吊元側の端部縦桟に吊元側端枠を取付け、戸当側の端部縦桟に戸当側端枠を取付けると共に、車輪を取付けて伸縮門扉とし、設置面に設置した吊元側支柱に吊元側端枠を取付け、前記設置面に沿って戸当側端枠を移動して戸当側支柱に接して閉じ状態とするようにした門が提案されている。
実開平6−58096号公報
前述した門においては、設置面に設置した戸当側支柱の高さのばらつきがある場合や、傾斜した設置面に設置する門の場合に、戸当側端枠と戸当側支柱の高さがずれて戸当部分の見栄えが悪くなることがあるし、錠と錠受けを戸当側端枠と戸当側支柱に取付けて施錠する場合に、その錠と錠受けの高さがずれて施錠できないことがある。
前述した伸縮門扉を左側と右側に設け、左側の伸縮門扉の吊元側端枠を左側の支柱に取付け、右側の伸縮門扉の吊元側端枠を右側の支柱に取付けると共に、左右側の伸縮門扉の戸当側端枠を突き合わせるようにした両開きの門とした場合に、設置面が水平に対して左右方向に傾斜した傾斜面であると、引用文献1の図14に示すように、左側の伸縮門扉の戸当側端枠の高さと右側の伸縮門扉の戸当側端枠の高さが異なり、段差ができるので、左側の伸縮門扉と右側の伸縮門扉の突き合せ部の見栄えが悪くなる。
また、左右一方側の伸縮門扉の戸当側端枠に鍵を取付け、左右他方側の伸縮門扉の戸当側端枠に錠受けを取付けて施錠するようにした場合には、その錠の高さと錠受けの高さが異なり、施錠できないことがある。
前述した課題は、伸縮門扉に限らず門扉全体を設置面に沿って閉じ状態と開き状態とに亘って移動する門扉の場合も同様に生ずる。
本発明の目的は、門扉の戸当側部分の高さを任意に調整できるようにして、傾斜した設置面に設置した両開きの門の場合に、突き合せ部の見栄えを良くできると共に、錠と錠受けを用いて確実に施錠できるようにした門とすることである。
本発明の門は、設置面に沿って閉じ状態と開き状態とに亘って移動自在な左側の門扉と右側の門扉を備え、前記左側の門扉の戸当側端部材と右側の門扉の戸当側端部材が突き合うことで出入口を閉じる両開きの門であって、
前記少なくとも一方の戸当側端部材は、車輪を備えた内側部材と、この内側部材に高さ調整自在に取付けた外側部材を有し、
前記一方の戸当側端部材の外側部材に錠受け又は錠を取付け、他方の戸当側端部材に錠又は錠受けを取付け、
前記錠受けと錠を係合、離脱して施錠、解錠するようにしたことを特徴とする門とすることができる。
本発明においては、前記内側部材と外側部材の一方に上下方向の長孔を形成し、この長孔を挿通したねじを、前記内側部材と外側部材の他方に螺合して内側部材に外側部材を高さ調整自在に取付けることができる。
このようにすれば、ねじを弛めて外側部材を上下に移動して所定の高さとし、再びねじを締め付けることで、外側部材の高さを簡単に調整できる。
本発明においては、前記門扉を、吊元側端部材と複数の縦桟と戸当側端部材をパンタグラフ機構で伸縮自在に連結した伸縮門扉とすることができる。
このようにすれば、水平に対して傾斜した設置面に設置した場合に、吊元側端部材、縦桟、戸当側端部材を水平に対して直角とすることができる。
本発明においては、前記戸当側端部材は、車輪と前後一対の縦材を有した内側部材と、この一対の縦材に亘って高さ調整自在に取付けた外側部材を備え、
前記パンタグラフ機構の端部を、前記一対の縦材間に、その縦材側に張り出すことがないように連結し、
前記縦材からねじを、上下方向の長孔を通して外側部材に螺合することで、外側部材を内側部材に高さ調整自在に取付けることができる。
このようにすれば、ねじを弛めることで外側部材を内側部材に対して上下に移動し、そのねじを再び締め付けることで、外側部材の高さを調整できる。
しかも、前記ねじを弛め、締め付け操作する工具が、パンタグラフ機構と干渉することがないので、外側部材の高さ調整作業が簡単である。
本発明によれば、水平に対して傾斜した設置面に設置した場合に、左側の門扉の外側部材と右側の門扉の外側部材を同一高さとして突き合せ部の見栄えを良くすることができる。
しかも、水平に対して傾斜した設置面に設置した場合に、左側の門扉の外側部材と右側の門扉の外側部材の高さを調整して錠と錠受けの高さを合わせることができるので、錠と錠受けを係合して確実に施錠することができる。
伸縮門扉を用いた両開きの門の正面図である。 突き合せ部の見栄えを良くした状態の正面図である。 一対の戸当側端部材の拡大正面図である。 一方の戸当側端部材の側面図である。 図3の拡大横断面図である。
図1に示すように、左側の支柱(吊元側支柱)1と右側の支柱(吊元側支柱)2と左側の門扉3と右側の門扉4とで両開きの門としてある。
前記左側の門扉3、右側の門扉4は、吊元側端部材10と複数の縦桟11と戸当側端部材12を上下のパンタグラフ機構13で左右方向に伸縮可能に連結した伸縮門扉である。
前記左側の門扉3の吊元側端部材10を左側の支柱1に取付けて戸当側端部材12を設置面aに沿って閉じ状態と開き状態に亘って移動自在としてある。
右側の門扉4の吊元側端部材10を右側の支柱2に取付けて戸当側端部材12を設置面aに沿って閉じ状態と開き状態に亘って移動自在としてある。
左右側の門扉3,4を閉じ状態とすることで、その戸当側端部材12相互を突き合わせて出入口を閉じるようにしてある。
前記戸当側端部材12は、内側部材12aと外側部材12bを備え、その内側部材12aに前記パンタグラフ機構13が連結してあると共に、車輪14が取付けてある。
前記外側部材12bは内側部材12aに高さ調整自在に取付けてある。
例えば、内側部材12aと外側部材12bの一方に上下方向の長孔を形成し、その長孔を通してねじを内側部材12aと外側部材12bの他方に螺合し、そのねじを弛めることで外側部材12bを上下に移動して高さ調整自在とする。
この外側部材12bは、内側部材12aよりも門扉伸縮方向の伸び側、つまり閉じ側に位置し、左右側の門扉3,4を閉じたときに外側部材12b相互が突き合うようにしてある。
そして、左右一方の外側部材12bと左右他方の外側部材12bに錠と錠受けが対向してそれぞれ取付けてある。
このようであるから、水平に対して左右方向に傾斜した設置面aに設置した場合には、図1に示すように左側の門扉3の車輪14と右側の門扉4の車輪14の接地点の高さが異なり、左側の門扉3の戸当側端部材12の高さと右側の門扉3の戸当側端部材12の高さが異なり、段差ができる。
図1においては、設置面aが、右側が左側よりも高くなるように右上りに傾斜しているので、右側の門扉4の戸当側端部材12が高く、左側の門扉3の戸当側端部材12が低くなっている。なお、伸縮門扉であるから、吊元側端部材10、縦桟11、戸当側端部材12は水平に対して直角とすることができる。
このような場合には、戸当側端部材12の内側部材12aに対して外側部材12bを上下に移動して高さ調整し、図2に示すように左右の戸当側端部材12の外側部材12bの高さを合わせる。
これによって、両開き門の突き合せ部の見栄えを良くできる。
前述の外側部材12bの高さを合わせる動作は、左右側一方の戸当側端部材12の外側部材12bを上下に移動するようにしても良いし、左右両方の戸当側端部材12の外側部材12bをそれぞれ上下に移動しても良い。
図1、図2においては、戸当側端部材12における内側部材12aの外観上の左右寸法よりも外側部材12bの外観上の左右寸法が大きく、戸当側端部材12の外観は外側部材12bによって決定されるようにしてあるので、左右の戸当側端部材12における内側部材12aの高さが異なっても突き合せ部の見栄えを良くできる。
前述の外観上の左右寸法とは、内側部材12a、外側部材12bにおける外部から見える部分の左右寸法である。
また、前述のように一方の戸当側端部材12の外側部材12bと他方の戸当側端部材12の外側部材12bとに、相対向して取付けた錠と錠受けの高さが異なる場合には、前述のように外側部材12bの高さを調整することで、錠と錠受けの高さを合わせることができるので、傾斜した設置面aに設置した場合でも錠と錠受けの高さを合わせて確実に施錠することができる。
前述のように、左側の門扉3の戸当側端部材12と右側の門扉4の戸当側端部材12を、それぞれ高さ調整可能な外側部材12bを有する形状とすれば、突き合わせ部での高さの差が大きくとも高さを合わせることができる。
なお、左側の門扉3と右側の門扉4のどちらか一方の門扉の戸当側端部材12を前述のように、内側部材12aに外側部材12bを高さ調整可能に取付けたものとし、残りの門扉の戸当側端部材12を内側部材12aと外側部材12bが一体となったものとしても良い。
次に、各部材の具体形状を図3〜図5に基づいて説明する。
前記左右の戸当側端部材12における内側部材12aは、左右方向と直角な前後方向に向かう下横材20と、この下横材20に、前後方向に離隔して立設した前後一対の縦材21と、この一対の縦材21の上部間に亘って嵌合して取付けた上キャップ22を備え、その下横材20に車輪14、例えばキャスタ車輪が取付けてある。
前記一対の縦材21は、左右方向に対向した一側縦板21a、他側縦板21bと、前後方向に対向した一端縦板21c、他側縦板21dを有した中空形状で、その一側縦板21aが左右方向における外側(吊元側と反対側)に位置し、他側縦板21bが左右方向における内側(吊元側)に位置している。
前記一側縦板21aと他側縦板21bとの間の寸法が前述の内側部材12aの外観上の左右寸法である。
前記パンタグラフ機構13の端部は、前記一対の縦材21における前後方向に対向した他端縦板21dに上下回動可能に連結され、このパンタグラフ機構13は一対の縦材21間に位置している。なお、前述のパンタグラフ機構13の連結部の構造は図示を省略してある。
前記左右の戸当側端部材12における外側部材12bは、前後方向に向かう一側縦板30と、この一側縦板30の前後端と連続して左右方向の内側に向かう前後一対の端部縦板31と、この各端部縦板31の内側端と連続し前後方向に向かう前後一対の他側縦板32を有した断面ほぼコ字形状である。
前記一側縦板30と他側縦板32との間の寸法が前述の外側部材12bの外観上の左右寸法である。
前記一対の縦材21の一側縦板21aに外側部材12bの他側縦板32が上下移動可能にそれぞれ連結してある。
例えば、前記縦材21の一側縦板21aにねじ挿通孔23、他側縦板21bにねじ挿入孔24を対向して形成する。前記外側部材12bの他側縦板32に上下の長孔33を形成すると共に、その他側縦板32にナット部材34を設ける。
そして、ねじ35を前記ねじ挿入孔24から縦材21の中空部内に挿入し、そのねじ35をねじ挿通孔23、長孔33を通してナット部材34に螺合して一対の縦材21に一対の他側縦板32を連結する。
前記ねじ35の長さは、縦材21の一側縦板21aと他側縦板21bとの間の寸法よりも長く、そのねじ35の先端部がナット部材34に螺合した状態で、頭部35aが他側縦板21bよりも内側に位置するようにしてある。
このようにすることで、ねじ35をナット部材34に螺合する操作がやり易い。
なお、外側部材12bの他部縦板31は内向片31aが有し、この内向片31aに上下方向の長孔31bを形成し、この長孔31bにねじ35の先端部分が挿通するようにしてある。
このようであるから、ねじ35を弛めることで他側縦板32を長孔33に沿って上下に移動し、再びねじ35を締め付けることで内側縦板12aに対して外側部材12bを上下に移動して高さ調整できる。
しかも、ねじ35の頭部35aが縦材21の中空部内に位置して外部から見えないので、見栄えが良い。
前記ねじ挿入孔24にはキャップ25が着脱自在に取付けてある。
前述の実施の形態では、外側部材12bの他側縦板32に長孔33を形成したが、内側部材12aに上下方向の長孔を形成しても良い。
例えば、ねじ挿通孔23、ねじ挿入孔24を上下方向の長孔とする。
前記パンタグラフ機構13の端部は一対の縦材21間に位置し、そのパンタグラフ機構13は一対の縦材21に向けて張り出していないので、前述のねじ35を締め付け、弛め操作する工具がパンタグラフ機構13と干渉することがなく、左右方向の内側からねじ35を用いて外側部材12bを内側部材12aに連結でき、その操作が容易である。
前記左右一方の外側部材12bにおける一側縦板30に錠40が取付けてある。
この錠40は、開閉する上下一対の錠杆41を有し、その錠杆41は閉じ状態に保持され、かつ外側部材12bの各端部縦板31に取付けたハンドル42によって開放作動する。
前記左右他方の外側部材12bにおける一側縦板30に錠受け50が取付けてある。
この錠受け50は、前記一対の錠杆41が係合、離脱する受け部51を有し、この錠受け50と錠杆41が当接することで一対の錠杆41が錠受け50の受け部51に係合して施錠状態となる。
前記一対の錠杆41は、外側部材12bの一側縦板30に形成した開口部30bに入り込むことで、錠杆41が一側縦板30に干渉しないようにしてある。
前記ハンドル42を操作して一対の錠杆41を開放することで受け部51から離脱し、解錠状態とすることができる。
前記錠40と錠受け50は前述の形状に限ることはなく、従来から用いられている形状の錠、錠受けを用いることができる。
図5において、外側部材12bの一側縦板30には引寄せ片60が取付けてあり、この引寄せ片60が一側縦板30の段差部30aに接して左右の外側部材12bが正しく突き合うようにしてある。
前記内側部材12aと外側部材12bの連結は、前述の連結に限ることはない。
例えば、縦材21の他側縦板21bを、外側部材12bの他側縦板32の一側面に接し、その他側縦板32の孔からねじを縦材21に設けたナット部材に螺合して連結する。
前述の実施の形態では傾斜した設置面aに設置した両開きの門としたが、水平な設置面に設置した両開きの門としても良い。
また、両開きの門ではなく、1つの門扉を吊元側支柱と戸当側支柱との間に設けた門としても良い。
この場合には、戸当側支柱に高さのばらつきがある場合には、その戸当側支柱の高さに応じて外側部材12bの高さを調整して戸当部分の見栄えを良くする。
また、傾斜した設置面に設置する場合には、その設置面の傾斜角度に応じて外側部材12bの高さを調整して戸当部分の見栄えを良くする。
前述の場合には、戸当側端部材12の外側部材12bに錠、又は錠受けを取付け、戸当側支柱に錠受け、又は錠を取付けて施錠できるようにする。
前述の実施の形態では伸縮門扉としたが、矩形状の門扉枠体に、縦・横格子又はパネル、網体などを取付けた門扉でも良いし、パネル体のみより成る門扉でも良い。
前者の門扉の場合には、門扉枠体を形成する一方の枠体を前述した戸当側端部材とすれば良い。
後者の門扉の場合には、パネル体の戸当側の縦縁部に戸当縦材を高さ調整自在に設け、その戸当側の縦縁部と戸当縦材で戸当側端部材とすれば良い。
1…支柱、2…支柱、3…左側の門扉、4…右側の門扉、10…吊元側端部材、11…縦桟、12…戸当側端部材、13…パンタブラフ機構、14…車輪、20…横部材、21…縦材、23…上下の長孔、34…ナット、35…ねじ、40…錠、50…錠受け。

Claims (4)

  1. 設置面に沿って閉じ状態と開き状態とに亘って移動自在な左側の門扉と右側の門扉を備え、前記左側の門扉の戸当側端部材と右側の門扉の戸当側端部材が突き合うことで出入口を閉じる両開きの門であって、
    前記少なくとも一方の戸当側端部材は、車輪を備えた内側部材と、この内側部材に高さ調整自在に取付けた外側部材を有し、
    前記一方の戸当側端部材の外側部材に錠受け又は錠を取付け、他方の戸当側端部材に錠又は錠受けを取付け、
    前記錠受けと錠を係合、離脱して施錠、解錠するようにしたことを特徴とする門。
  2. 前記内側部材と外側部材の一方に上下方向の長孔を形成し、この長孔を挿通したねじを、前記内側部材と外側部材の他方に螺合して内側部材に外側部材を高さ調整自在に取付けた請求項記載の門。
  3. 前記門扉を、吊元側端部材と複数の縦桟と戸当側端部材をパンタグラフ機構で伸縮自在に連結した伸縮門扉とした請求項1又は2記載の門。
  4. 前記戸当側端部材は、車輪と前後一対の縦材を有した内側部材と、この一対の縦材に亘って高さ調整自在に取付けた外側部材を備え、
    前記パンタグラフ機構の端部を、前記一対の縦材間に、その縦材側に張り出すことがないように連結し、
    前記縦材からねじを、上下方向の長孔を通して外側部材に螺合することで、外側部材を内側部材に高さ調整自在に取付けた請求項記載の門。
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