JP5339120B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
ホログラムや液晶表示による奥行き感のある表示を実現する技術は既に周知で数多くあるが例えば特許文献1や特許文献2を挙げる。また、ハーフミラーを利用して奥行き感のある表示を実現する技術として例えば特許文献3が挙げる。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、嵩張らずに低コストで奥行き感のあるハーフミラーを利用した表示像を結像させることのできる表示装置を提供することである。
一方、パターン面の像は第1及び第2のハーフミラー層で一部反射されることとなる。このうち、図6の破線で示すように第1のハーフミラー層で反射された像パターンは更に第2のハーフミラー層に反射して虚像Bを映し出すこととなる。虚像Bの光路長は同図に示すように基材間を往復して基材の厚みの倍の距離となるため虚像Bは実際のパターン面よりも奥まった位置に見えることとなる。また、虚像Bも同様の反射をして二次的な虚像をその奥位置に映し出すこととなる。つまり、虚像Bを多重化して映し出すこととなる。光量が大きく減衰する場合には二次的な虚像はあまり明瞭には目視されない。ハーフミラー層の反射率を調整することで多重化を変更することが可能である。例えば十分な光量があり反射率が大きければ多くの虚像Bを写し出すことが可能となる。
図6で示すように、このような光学系においては第1のハーフミラー層側から表示装置を目視した観察者は正像Aと虚像Bの2つの像パターンを目視することとなる。正像Aはそれほど減衰しないため明度が大きく、第1及び第2のハーフミラー層での反射の際に透過する光もあるため減衰量が多く相対的に明度は小さい。そのため、正像Aの後方にそれよりも明るさの少ない虚像Bが寄り添うように目視され、虚像Bの存在で像パターンにあたかも奥行きがあるかのように感じられることとなる。基材が厚くなるほど正像Aと虚像Bは離間することとなり奥行きが出る。
ハーフミラー層は金属や誘電体多層膜等から構成されており、成膜方法に特に限定的な意味はないが一般的には蒸着法やスパッタリング法で成膜されることが膜の滑らかさや密着性から好ましい。
ハーフミラー層が成膜される基材は必ずしも平板である必要はない。
また、パターン面における像パターンは背景よりも明度の高いパターンあるいは背景よりも明度の低いパターンとされた部分であって、例えば背景が黒色で像パターンが白色である場合が典型的であるが、白色以外でもよく、背景も黒以外を使用することは可能である。また、像パターン部分に併せて蛍光色を配するようにしてもよい。像パターンは印刷でも背景に貼り絵状に貼付されるような構成でもよい。
パターン面は板状体側に第2のハーフミラー層に密着するように取り付けてもよく、板状体とは別体の他のベース体に取り付けた状態で第2のハーフミラー層に密着あるいは近接させるようにしてもよい。
このような構成では、いわゆるバックライトとなる光源の光によってパターン面の裏面側から像パターン位置から光が板状体側に透過することとなり、パターン面の明度が大きくなって、より明瞭に正像及び虚像を視認することができる。
つまり、可視光域における反射特性がある波長で大きかったり逆に小さかったりすることがあるということである。これによって像パターンの正像及び虚像及び背景の色が単純な銀色の反射色ではなく、色を伴ったものとすることが可能となる。
これによって表示装置が外部に設置されるような劣悪な環境下に配置される場合に特に外側となる第1のハーフミラー層の劣化が防止できる。
保護層は、ハードコートなどによる硬質化のほか、撥水コートなどのように防汚性と滑り性を合わせ持つものをスプレー法、浸漬法、スパッタリング法、真空蒸着法などで成膜することができる。
(実施例1)
図1は表示装置11を使用した案内プレートの一例である。実施例1の表示装置11は長方形の外形を有するホルダーフレーム12に保持されている。図2に示すように、ホルダーフレーム12は前フレーム12aと後フレーム12bとに分割可能とされ、ネジ13によって両者は連結されている。ホルダーフレーム12は組み立てられた状態で内周にチャンネル状に溝14が形成され、表示装置11は同溝14内に嵌合されている。表示装置11は板状体としてのディスプレイプレート15を備えている。ディスプレイプレート15はアクリル製の透明な長方形形状の基板16と、基板16の表裏に蒸着によって成膜された誘電体多層膜よりなる第1及び第2のハーフミラー層17,18から構成されている。本実施例1での第1及び第2のハーフミラー層17,18は図5のような反射率特性を示している。
ディスプレイプレート15の背面にはパターン面としての印刷紙19が配設されている。本実施例1では印刷紙19は黒色の背景に白抜きで像パターンとして「TOKAI OPTICAL」と記載されている。つまり、像パターン部分が紙そのものの地の色で背景を黒く印刷したものである。
印刷紙19の背面にはアクリル製の透明な長方形形状の押さえプレート20が配設されている。ホルダーフレーム12は組み立てられた状態で印刷紙19はディスプレイプレート15と押さえプレート20に挟持されることとなる。
本実施例における基板16の厚みは20mm、押さえプレート20の厚みは15mmとされる。また、第1及び第2のハーフミラー層17,18はそれぞれ50nm、印刷紙19は200μmとした。但し、上記各図では作図上の制限からこれらの厚みは実際の厚みとは異なって表現されている。
また、第2のハーフミラー層18はその反射率(透過率)を適宜調整することで以下のような作用を奏する。第2のハーフミラー層18の反射率を上げると、多重反射による反射像が鮮明となり、生じる影は単数から複数になり合わせ鏡の像となる。ここで、影(虚像B)の繰り返しが多く文字などの判読性を損なったり、煩雑な印象を伴う場合は、主として第2のハーフミラー18の反射率を制御することで調整することが可能である。
(1)簡単な構成でありホログラムを使わずにホログラムのような奥行きのある画面を構成することができ、高級感のある表示装置11を低コストで供給することが可能となる。(2)非常に薄く構成できるため、嵩張ることがない。一方、実際の厚さの主体をなす透明板状体の2倍の奥行き感を付与することが可能である。
(3)見る位置によって正像21と虚像22との位置関係が変化し、なおかつ実際よりも奥行きがあるように感じられるため、意匠的な効果が大きい。
(4)印刷紙19を簡単に交換できるため、ディスプレイしたい像パターンを所望によって容易に変更できる。
(5)第1及び第2のハーフミラー層17,18の反射率特性を図5のように青の波長帯で大きく反射させるような設定としたため、背景全体として青みがかった色調を与えることが可能となっている。
図3は表示装置11を使用した広告ディスプレイの一例である。実施例1と共通する構成については同じ符号を付すことで詳しい説明は省略する。
実施例2では表示装置11の背後に光源としての白色LED24が搭載されたLED発光基板25が配設されている。LED発光基板25と表示装置11の間にはLED発光基板25を包囲するように反射器26が配設されている。反射器26は表示装置11側ほど拡開されたアルミ合金製の筒状体である。
このような構成とすることで、実施例2では実施例1の効果に加え、印刷紙19の像パターンが白色LED24によって照らしだされ(乱反射して)明るくなるため、正像21及び虚像22がより鮮明に表示され、暗い場所に設置されても像パターンを目視することが可能となる。また、図4において虚像22の奥に更に明瞭に二次的な虚像を映し出すことも可能である。また、第1のハーフミラー層17の反射率を上げることで、通常の外光が強い状態では無地のミラー状の外観とすることができる。そして、背面から照光することでパターンが浮かび上がるようにすることが可能である。
・上記実施例では印刷紙19はディスプレイプレート15と押さえプレート20に挟持されるようになっていたが、上記のようなホルダーフレーム12を備えていない場合もありうるため、印刷紙19を押さえプレート20のようなプレートに貼着するようにしてもよい。
・ディスプレイプレート15の前面、つまり第1のハーフミラー層17の上に保護層として例えばハードコート層を成膜するようにしてもよい。
・上記表示装置11の外形形状は一例であり、他の形状を採用することは自由である。
・上記第1及び第2のハーフミラー層17,18の光学特性の設定は一例であって、他の特性であっても構わない。第1及び第2のハーフミラー層17,18の光学特性が異なっても構わない。
・印刷紙19の白黒パターンは逆でもよい。
その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (2)
- 可視光を透過する基材の表裏にそれぞれ第1及び第2のハーフミラー層を成膜させた三層構造の板状体の背後に背景に対して相対的に明度の高い像パターン又は背景に対して相対的に明度の低い像パターンによって構成された交換可能なパターン面を配置してなり、前記パターン面の背後には光源が配置され、同光源から入射した光を前記パターン面において前記像パターンから前記板状体側に透過させるようにするとともに、前記パターン面は前記板状体と、前記板状体の背後に配置された透明な第2の板状体によって挟持されていることを特徴とする表示装置。
- 前記板状体及び前記第2の板状体は前記パターン面を挟持した状態で分解可能なホルダーによって保持されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
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