JP5339104B2 - 硫黄系ガス除去材の製造方法 - Google Patents
硫黄系ガス除去材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5339104B2 JP5339104B2 JP2012130637A JP2012130637A JP5339104B2 JP 5339104 B2 JP5339104 B2 JP 5339104B2 JP 2012130637 A JP2012130637 A JP 2012130637A JP 2012130637 A JP2012130637 A JP 2012130637A JP 5339104 B2 JP5339104 B2 JP 5339104B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silver
- adsorbent
- sulfur
- based gas
- supported
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Description
反応式(1):Ag2O2+SO2→Ag2SO4
反応式(2):Ag2O+SO2+1/2O2→Ag2SO4
反応式(3):2Ag+SO2+O2→Ag2SO4
このような反応式(1)〜(3)に記載された反応のギブスエネルギー(ΔG298 0)は、それぞれ−82.672kcal/mol、−73.392kcal/mol、−76.072kcal/molである。このように、反応式(1)〜(3)で表されるAg、Ag2O2又はAg2Oと亜硫酸ガス(SO2)との反応においてギブスエネルギーに殆ど差がないことから、各反応はほぼ同様に進行するものと推察される。しかしながら、本発明者らが実験したところ、その理由は必ずしも定かではないが、Ag、Ag2O及びAg2O2の中でもAg2O2(AgO)の形態の酸化銀(II)が、他の形態の酸化銀(Ag2O)及び銀(Ag)と比較して一段と反応速度が速いことを見出した。本発明の硫黄系ガス除去材の製造方法により得ることができる硫黄系ガス除去材においては、このような反応速度が速い酸化銀(II)が吸着材に担持されているため、十分に高い硫黄系ガスの除去性能が発揮される。なお、上記特許文献1〜2に記載のような従来の脱臭材において、十分な硫黄系ガス除去性能が得られなかった理由について検討すると、特許文献1に記載のような従来の脱臭材においては、粉末状の銀酸化物と活性炭とを混合したものであったことから、銀酸化物が十分に分散された状態で活性炭の表面に担持されておらず、活性炭に銀酸化物が担持されている場合と比較して活性炭の近傍に銀酸化物が存在せず、活性炭に吸着された硫黄系ガスを銀酸化物により効率よく除去することができなかったものと推察される。なお、このような特許文献1に記載のような脱臭材は、その製造コストが高く、経済性の観点からも十分なものではない。一方、特許文献2に記載のような従来の脱臭材においては、活性炭に銀又は銀化合物が担持されている。また、特許文献2に記載のような従来の脱臭材を製造する際においては、活性炭に銀又は銀化合物を担持させるために含浸法等の公知の担持方法が採用されていた。このような特許文献2に記載のような従来公知の担持方法を採用した場合には、含浸法等に用いた銀塩がそのまま活性炭に担持されるか、あるいは焼成等によってメタルの銀が活性炭に担持されている。このように、特許文献2に記載のような従来公知の担持方法を採用した場合には、銀を、より反応速度の速いAgO(Ag2O2:酸化銀(II))として活性炭に担持することができなかったため、硫黄系ガスの除去性能を十分なものとすることができなかったものと推察される。
活性炭とセピオライトとを含有する板状成型体(吸着材)を製造した。すなわち、先ず、粒子径10μmのヤシガラ活性炭(キャタラー社製商品名「BFG」:比表面積1140m2/g)と、セピオライト(近江鉱業社製の商品名「P−150」)とを質量比([活性炭]:「セピオライト」)が7:3となる条件で混合し、混合物を得た。次に、前記混合物100質量部を容器に入れ、その容器中に水140質量部とメチルセルロース10質量部とを加えてニーダーにより十分混練し、混練物を得た。次いで、前記混練物を真空押出機により押し出し成形して、板状の成型体(縦1cm、横1cm、厚み0.3cm)を得た。次いで、前記成型体を室温(25℃)下、24時間静置して乾燥させた後、乾燥機中に入れ、105℃の条件で3時間乾燥させた。そして、このような乾燥処理後の成型体を焼成炉に入れ、焼成炉中の雰囲気を窒素ガス雰囲気にした後、750℃で3時間加熱して焼結させ、活性炭とセピオライトとからなる板状成型体(吸着材)を得た。
先ず、調製例1で得られた吸着材を濃度0.05mol/Lの硝酸銀水溶液中に浸漬して前記吸着材中に硝酸銀水溶液を含浸せしめた後に引き上げた。次いで、硝酸銀の担持量が吸着材100質量部に対して1.5質量部程度となるように、前記吸着材に担持されている硝酸銀水溶液のうちの余剰分をペーパータオルに吸収させることにより取り除き、室温(25℃)で乾燥させて、硝酸銀が担持された吸着材を得た。次に、硝酸銀が担持された前記板状成形体を焼成炉に入れ、焼成炉中の雰囲気を窒素ガス雰囲気にして500℃で3時間焼成し、メタル状の銀(Ag)が担持された吸着材(除去材前駆体)を得た。
陽極酸化処理の際の印加電圧を0.4V(vs.SCE)とした以外は実施例1と同様の方法を採用して、吸着材と前記吸着材に担持されたAg2O(酸化銀(I))とを備える比較用硫黄系ガス除去材を得た。
陽極酸化処理を行わない以外は実施例1と同様の方法を採用して、吸着材と前記吸着材に担持された銀とを備える比較用硫黄系ガス除去材を得た。
調製例1で得られた板状成型体を、そのまま比較用硫黄系ガス除去材とした。
先ず、硝酸銀10質量部を水70質量部に溶かし、硝酸銀水溶液を調製した。次に、前記硝酸銀水溶液を粒径1〜2mmのヤシガラ活性炭(キャタラー社製商品名「GA−5」:比表面積1000m2/g)100質量部に含浸させた後、熱風乾燥機中に入れ、105℃の温度条件で6時間加熱乾燥して、活性炭と活性炭に担持された硝酸銀とからなる比較用硫黄系ガス除去材を得た。
粒径1〜2mmのヤシガラ活性炭キャタラー社製商品名「GA−5」:比表面積1000m2/g)を、そのまま比較用硫黄系ガス除去材とした。
〈硫黄系ガスの吸着性能の評価試験(A)〉
実施例1及び比較例1〜3で得られた硫黄系ガス除去材を用いて、硫黄系ガスの吸着性能の評価試験を行った。すなわち、先ず、実施例1及び比較例1〜3で得られた硫黄系ガス除去材を、それぞれ乳鉢で磨り潰して粉末状とし、測定用サンプルをそれぞれ得た。次に、5Lの容量のガス非透過性の容器をそれぞれ用い、各容器に各実施例等で得られた硫黄系ガス除去材の測定用サンプル0.1gをそれぞれ配置し、それぞれの容器内のガス雰囲気を濃度1400ppmのSO2を含む空気として密封した。その後、前記容器を25℃一定に保った恒温槽内に静置し、所定時間ごとに前記容器内の雰囲気ガス中のSO2濃度をガス検知管で測定した。このようにして得られた濃度減衰曲線を図2に示す。
比較例4〜5で得られた硫黄系ガス除去材を用いて、硫黄系ガスの吸着性能の評価試験を行った。すなわち、このような硫黄系ガスの吸着性能の評価試験には、図3に模式的に示すカラム10を用いた。このようなカラム10においては、硫黄系ガス除去材1gからなる破砕状の試料11を、直径1cmの石英管12中の2cm3の領域に充填させた。そして、カラム入口10aから濃度10ppmのSO2を含む空気を流速2.1m/sの条件で流入させることによりカラム中に硫黄系ガスを流通させ、所定時間ごとにカラム出口10bから流出する出ガス中のSO2の濃度を測定し、硫黄系ガスの除去率の時間変化を求めた。なお、図3中の矢印Aはガスが流れる方向を模式的に示したものである。また、硫黄系ガスの除去率は、下記式:
[除去率(%)]={(10−[出ガス中のSO2濃度(ppm)])/10}×100
を計算することにより求められる(式中の数値10は、入口から流入させるガス中のSO2の濃度である。)。各比較例で得られた硫黄系ガス除去材の硫黄系ガスの除去率と、時間との関係を示すグラフを図4に示す。
Claims (6)
- 活性炭を含有する吸着材に、銀塩と溶媒とを含有する溶液を接触せしめて、前記吸着材に前記銀塩を担持して銀塩担持吸着材を得る工程と、前記銀塩担持吸着材を焼成して前記吸着材にメタル状の銀が担持されたガス除去材前駆体を得る工程と、前記ガス除去材前駆体に対して陽極酸化処理を施すことにより、前記吸着材と該吸着材に担持された酸化銀(II)とを備える硫黄系ガス除去材を得る工程とを含むことを特徴とする硫黄系ガス除去材の製造方法。
- 前記銀塩が硝酸銀であることを特徴とする請求項1に記載の硫黄系ガス除去材の製造方法。
- 前記溶媒が水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫黄系ガス除去材の製造方法。
- 前記銀塩と溶媒とを含有する溶液において、前記銀塩の含有量が0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の硫黄系ガス除去材の製造方法。
- 前記陽極酸化処理に用いる電解液が、アルカリ金属の水酸化物を水に溶解したアルカリ性水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の硫黄系ガス除去材の製造方法。
- 前記アルカリ性水溶液における前記アルカリ金属の水酸化物の濃度が0.1〜10mol/Lであることを特徴とする請求項5に記載の硫黄系ガス除去材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012130637A JP5339104B2 (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 硫黄系ガス除去材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012130637A JP5339104B2 (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 硫黄系ガス除去材の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008312183A Division JP2010131565A (ja) | 2008-12-08 | 2008-12-08 | 硫黄系ガス除去材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012196676A JP2012196676A (ja) | 2012-10-18 |
JP5339104B2 true JP5339104B2 (ja) | 2013-11-13 |
Family
ID=47179434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012130637A Expired - Fee Related JP5339104B2 (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 硫黄系ガス除去材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5339104B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55154064A (en) * | 1979-05-18 | 1980-12-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Silver electrode for silver cell |
JPH07155611A (ja) * | 1993-12-09 | 1995-06-20 | Toyo C C I Kk | 悪臭物質除去用触媒と除去方法 |
JP2006176721A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 有機硫黄化合物含有燃料油用脱硫剤及び燃料電池用水素の製造方法 |
JP2007222853A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Hitachi Metals Ltd | 触媒担体およびその製造方法 |
-
2012
- 2012-06-08 JP JP2012130637A patent/JP5339104B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012196676A (ja) | 2012-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8308847B2 (en) | Filter for removing a sulfur-containing-gas and method for removing a sulfur-containing-gas using the same | |
EP2959970A1 (en) | Carbon material for use as catalyst carrier | |
CN104646020A (zh) | 一种臭氧催化剂及制备方法 | |
Cao et al. | Adsorption of NO on ordered mesoporous carbon and its improvement by cerium | |
CN109772442B (zh) | 负载型复合过渡金属氧化物及制备方法与作为催化剂应用 | |
JP2009119423A (ja) | 活性b−c−n材料及びその製造方法 | |
CN102772953B (zh) | 一种负载脱硝催化剂的复合滤料的制备方法 | |
JP2010214366A (ja) | 有毒ガス分解触媒用担体及びその製造方法 | |
JP2006305406A (ja) | 排NOx浄化用触媒 | |
JP4930910B2 (ja) | オゾン分解除去用触媒及びオゾン分解除去用触媒の製造方法 | |
JP5339104B2 (ja) | 硫黄系ガス除去材の製造方法 | |
JP2006297348A (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP2015134318A (ja) | 酸性ガス吸着・除去フィルタ | |
CN116283359A (zh) | 纳米过渡金属氧化物改性平板陶瓷膜的制备方法与应用 | |
JP2010131565A (ja) | 硫黄系ガス除去材及びその製造方法 | |
JP2007069095A (ja) | NOx浄化用触媒の担体 | |
CN114644334A (zh) | 一种高效去除重金属污染物的多层氮掺碳材料的制备方法 | |
JPH0810619A (ja) | オゾン分解用触媒及びオゾン分解方法 | |
JP2010000446A (ja) | リーンバーン排ガス浄化用触媒 | |
JP2009189911A (ja) | 一酸化炭素選択酸化触媒体、及びそれを用いたフィルタ、一酸化炭素選択除去装置。 | |
JP4949795B2 (ja) | 水素発生媒体の製造方法 | |
JP4753613B2 (ja) | 排NOx浄化用触媒 | |
CN108745350A (zh) | 一种双金属核壳催化剂的制备方法及其应用 | |
JP6762269B2 (ja) | 触媒成分担持体の製造方法及び触媒成分担持体 | |
JP6264639B2 (ja) | N2o分解触媒及びそれを用いたn2o含有ガスの分解方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130322 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130418 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130524 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130710 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130723 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |