JP5338761B2 - 車載内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動回転式のポンプ等、冷却水の吐出量を適宜変更可能なポンプを有し、機関冷間時にポンプの吐出量を制限することにより暖機を促進する暖機促進処理を実行するとともに、その実行態様を機関燃焼室周囲における冷却水温度と排熱回収器における冷却水温度との関係に基づいて制御する車載内燃機関の冷却装置に関する。
近年の車両用の内燃機関にあっては、空燃比制御も含め燃料噴射制御の精度向上や、各構成部品の軽量化、更には駆動部分における駆動抵抗を低減する種々の対策により、その燃費について著しい改善がなされている。しかしながら、暖機完了前の機関冷間時にあっては、潤滑油の粘度が低いために駆動部分における駆動抵抗が大きくなり、また噴射燃料が霧化し難い等の要因により未燃燃料の排出量が増大する等、機関高温時と比較すると燃費の悪化が避けられないものとなっている。このため、内燃機関にあっては、その暖機を速やかに完了することが燃費の更なる改善を図るうえでは望まれる。
そこで、従来では特許文献1に記載されるように、内燃機関の循環水路に冷却水を循環させるポンプとして、電動回転式のポンプを採用し、機関燃焼室周囲に滞留する冷却水の温度が低いとき、この温度が上限水温に達するまでポンプの吐出量を制御して内燃機関における冷却水の循環量を制限し、その冷却能力を低下させることにより、内燃機関の暖機を促進する処理(以下、「暖機促進処理」という)を実行する冷却装置が提案されている。
またその他にも、こうした暖機の更なる促進を図るために、内燃機関の排気管を流通する排気の熱によって循環水路の冷却水を加熱する熱回収器(排熱回収器)を備えるようにした冷却装置も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2008−169750号公報 特開2009−173124号公報
ところで、熱回収器を備える内燃機関において、上述のような暖機促進処理を実行する場合、以下のような問題が生じることがある。即ち、暖機促進処理の実行中、機関負荷が増大したり、排気管で未燃燃料が燃焼するいわゆる後燃えが生じたりした場合、排気の温度が上昇することにより熱回収器の冷却水の温度が急激に上昇して機関燃焼室周囲に滞留する冷却水の温度よりも高くなることがある。そしてこのような場合に暖機促進処理が継続されると熱回収器の冷却水は排気の熱により更に温度上昇して沸騰に至るおそれがある。こうした沸騰が生じると、冷却水に含まれるエチレングリコールや防錆剤が変質して劣化したり、循環水路の内圧が上昇してこれを構成する配管類に過大な負荷が作用したりするおそれがある。
このような状況を回避するため、暖機促進処理の実行中、熱回収器に滞留する冷却水の温度がある程度高くなったときには、暖機促進処理を終了し、ポンプの運転を開始することも考えられる。しかしこの場合、循環水路に滞留する低温の冷却水が機関燃焼室周囲に流入するようになるため、機関燃焼室の温度が急激に低下するようになる。そしてこのように機関燃焼室の温度が低下すると熱損失が再び増大するようになり、燃費の悪化を招くこととなる。このため、従来の冷却装置にあっては、暖機促進処理を通じて暖機の促進が図られるとはいえ、上述したような熱回収器に滞留する冷却水の沸騰までを考慮するとなると、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気の熱で冷却水を加熱する熱回収器を有する内燃機関において、熱回収器における冷却水の沸騰を抑制しつつ、内燃機関の暖機を促進することができる車載内燃機関の冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、循環水路に冷却水を循環させるポンプの吐出量を可変制御するポンプ制御手段と、機関燃焼室周囲の冷却水の温度を監視する第1の監視手段と、排気管の排気により前記循環水路を流通する冷却水を加熱する熱回収器とを有し、前記第1の監視手段により監視される機関水温が上限温度未満であるときには同上限温度以上であるときと比較して前記ポンプの吐出量が制限されるように前記ポンプを制御する暖機促進処理を実行する車載内燃機関の冷却装置において、前記熱回収器にて温度上昇した冷却水の温度を監視する第2の監視手段を備え、前記ポンプ制御手段は、前記暖機促進処理の実行中に前記第2の監視手段により監視される熱回収器水温が前記第1の監視手段により監視される機関水温よりも高いか否かを判定し高い旨の判定がなされたことを条件として、前記暖機促進処理を前記熱回収器の冷却水が前記機関燃焼室周囲に移送されるまで一時的に中断することを要旨としている。
同構成では、暖機促進処理の実行中、循環水路において熱回収器の内部に滞留する冷却水の温度(熱回収器水温)が機関燃焼室周囲に滞留する冷却水の温度(機関水温)よりも高い旨の判定に基づいて暖機促進処理を一時的に中断するようにしている。これにより、循環水路に滞留する低温の冷却水が熱回収器に流入して、熱回収器水温は低下するようになる。その結果、熱回収器における冷却水が沸騰する等、同冷却水が過度に温度上昇することを抑制することができる。また、この暖機促進処理の中断に伴って、熱回収器において温度上昇した冷却水が機関燃焼室の周囲に移送されるため、機関燃焼室水温が上昇した状況のもと断機促進処理を再開することができる。従って、熱回収器を有する内燃機関において、熱回収器における冷却水の沸騰を抑制しつつ、機関始動後における内燃機関の暖機を促進することができるようになる。尚、第1の監視手段、第2の監視手段はいずれも、冷却水の温度を直接検出するものの他、その精度が確保できるのであれば、例えば機関運転状態に基づいて冷却水の温度を推定することによりこれを間接的に検出する、といった態様にてこれを具現化することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載内燃機関の冷却装置において、前記内燃機関が搭載される車両はその駆動源として同内燃機関に加え電動機を含み、前記判定結果に基づいて前記暖機促進処理を一時的に中断する際、その中断期間では前記内燃機関の運転を停止するとともに前記電動機を車両の駆動源として選択する選択手段を更に備えることを要旨としている。
暖機促進処理を中断した場合、循環水路において滞留していた低温の冷却水が機関燃焼室周囲に流入してその温度が一時的に低下するものの、熱回収器に滞留していた高温の冷却水が機関燃焼室周囲に流入し始めれば、同機関燃焼室周囲の温度は暖機促進処理を中断する前の温度よりも上昇するようになる。但しこのように、機関燃焼室周囲の温度が低下する期間が存在すると、一時的とはいえ、その期間は燃焼の不安定化や熱損失の増大に起因する燃費の悪化を招くこととなる。
この点、請求項2に記載の発明では、暖機促進処理を中断する期間、即ち冷却水が機関燃焼室に流入してその温度が一時的に低下する期間は、内燃機関の運転を停止して電動機を車両の駆動源として選択するようにしている。このため、暖機促進処理の中断によって機関燃焼室周囲の温度が低下しても機関運転が停止されているため、それに伴って燃焼の不安定化や熱損失の増大、ひいてはそれに起因する燃費の悪化が生じることを回避することができるようになる。
尚、このように暖機促進処理を一時的に中断する処理を実行する際、その処理を開始する場合には熱回収器水温が機関水温よりも高い旨の判定がなされたことを必要条件とし、その処理を終了する場合には熱回収器の冷却水が機関燃焼室周囲に移送されたことを必要条件とするのであれば、その処理の開始時期及び終了時期は適宜設定することができる。
例えば、請求項3に記載されるように、第2の監視手段により監視される熱回収器水温が第1の監視手段により監視される機関水温よりも高い旨判定されたときから、機関水温がその判定温度よりも高くなるまで暖機促進処理を中断するようにしてもよい。
或いは、請求項4に記載されるように、第2の監視手段により監視される熱回収器水温が第1の監視手段により監視される機関水温よりも高い旨の判定結果がなされたときから熱回収器の冷却水が機関燃焼室周囲に移送されるのに要すると想定される所定期間が経過するまで暖機促進処理を中断するようにしてもよい。
但し、請求項4に記載の構成を採用する場合には、種々の条件によって熱回収器の冷却水が機関燃焼室周囲に移送されるのに要する期間が異なるものとなる場合であっても、暖機促進処理を中断してからその所定期間が経過していれば確実に熱回収器の冷却水が機関燃焼室周囲に移送されている必要がある。このため、これを考慮して上記所定時間を予め長めに設定しておくことが望ましい。
また、暖機促進処理を中断する際におけるポンプの吐出量を都度変更する必要がある場合には、上記所定期間はこのポンプの吐出量により変化するようになるため、同ポンプの吐出量に基づいて所定期間を可変設定するようにするのが望ましい。具体的には、ポンプの吐出量が相対的に多いときほど所定期間が短くなるようにこれを設定する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載内燃機関の冷却装置において、前記ポンプ制御手段は、前記暖機促進処理を中断して前記ポンプを運転する際、その吐出量が最大となるように同ポンプを制御することを要旨としている。
暖機促進処理を中断してポンプを運転する場合には、循環水路に滞留する低温の冷却水が機関燃焼室に流入して、その温度が一時的に低下し、その後、熱回収器で温度上昇した冷却水が機関燃焼室周囲に流入することによりその温度が上昇するようになる点については上述したとおりである。ここで、暖機促進処理を中断しているときのポンプの吐出量、即ち循環水路における冷却水の循環量が少ない場合は、熱回収器で温度上昇した冷却水が機関燃焼室周囲に流入するまでの期間、即ち機関燃焼室の温度が一時的に低下した状態となる期間が長くなる。このため、燃焼の不安定化や熱損失の増大、ひいてはそれに起因する燃費の悪化が生じる他、機関暖機に要する期間が長くなるといった不都合も生じることとなる。
この点、請求項5に記載の発明によれば、暖機促進処理を中断してポンプを運転する際、その吐出量が最大となるようにポンプを制御するようにしている。このため、熱回収器で温度上昇した冷却水を速やかに機関燃焼室周囲に流入させることができ、機関燃焼室周囲の冷却水の温度を速やかに上昇させることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載内燃機関の冷却装置において、前記ポンプ制御手段は、機関始動時から前記暖機促進処理が完了するまでの期間において、前記熱回収器水温が予め定められた所定温度より高い旨判定したときには暖機促進処理を中断することを要旨としている。
内燃機関の高温再始動時、特に排気系が温度上昇した状態で機関運転が再開される場合など、機関運転状態によっては、機関始動時から熱回収器水温が極めて高温になっている場合がある。このような場合にあっても、機関水温が熱回収器水温以上であって上限温度未満であれば暖機促進処理が実行されることとなる。このため、熱回収器に滞留する冷却水は排気の熱を受けて更に温度上昇して沸騰に至るおそれがある。
この点、同構成によれば、熱回収器水温が所定温度より高い旨判定したときには、暖機促進処理を中断して冷却水を循環させるようにしている。このため、循環水路に滞留する低温の冷却水が熱回収器に流入するようになり、熱回収器の冷却水が沸騰することを抑制することができるようになる。
本発明の実施形態にかかる内燃機関の冷却装置を示す概略構成図。 機関始動時から暖機促進処理が完了するまでの期間におけるポンプ及び内燃機関の制御についてその処理手順を示すフローチャート。 (a)機関負荷、(b)機関水温及び熱回収器水温、(c)ポンプの運転状態、(d)内燃機関及び電動機の運転状態、についてそれらの推移の一例を示すタイミングチャート。 他の実施形態にかかる機関始動時から暖機促進処理が完了するまでの期間におけるポンプ及び内燃機関の制御についてその処理手順の一部を示すフローチャート。
以下、この発明の実施形態にかかる車載内燃機関の冷却装置について図1〜3を併せ参照して説明する。尚、この内燃機関を搭載する車両は、その駆動源として同内燃機関の他、電動機(図示せず)を搭載する、いわゆるハイブリッド車両である。
図1に示されるように、内燃機関10、具体的にはそのシリンダブロック11及びシリンダヘッド12の内部には機関燃焼室14が区画形成されている。また、これらシリンダブロック11及びシリンダヘッド12において機関燃焼室14の周囲には冷却水が循環するウォータジャケット13が形成されている。シリンダヘッド12にはウォータジャケット13の最も下流側に位置する部分に冷却水の温度を検出する機関水温センサ92が取り付けられている。冷却装置では、この機関水温センサ92により検出される冷却水の温度を機関燃焼室14の周囲、即ちウォータジャケット13に滞留する冷却水の温度(以下、「機関水温θ1」という)の代替値としている。
冷却装置の循環水路20は、大きくは、このウォータジャケット13の他、同ウォータジャケット13から流出する冷却水をラジエータ25を介してサーモスタット24に戻すラジエータ通路22と、このラジエータ通路22から分岐してラジエータ25を迂回する態様でサーモスタット24に接続され、同ウォータジャケット13から流出する冷却水をサーモスタット24に直接戻す迂回通路21とにより構成されている。
サーモスタット24は、その開度に応じてラジエータ通路22を流通する冷却水の流量を調節する。即ち、サーモスタット24の感温部に接触する冷却水の温度がその開弁温度よりも低いときには、同サーモスタット24は閉弁状態となるため、ウォータジャケット13から流出した冷却水はラジエータ25に流入することなく全て迂回通路21に流入するようになる。その一方、サーモスタット24の感温部に接触する冷却水の温度がその開弁温度より高くなるとサーモスタット24は開弁状態となるため、ウォータジャケット13から流出した冷却水は迂回通路21に加え、ラジエータ25にも流入するようになる。またこのようにラジエータ25に流入した冷却水は、外気との間の熱交換を通じて冷却される。
この循環水路20の途中には同循環水路20に所定量の冷却水を循環させるためのポンプ23が設けられている。このポンプ23は、モータ(図示せず)を駆動源とする電動回転式のポンプであり、このモータの回転速度、即ちポンプ23の回転速度が高くなるほどその吐出量は多くなる。
また、迂回通路21の途中には、排気管15を流通する排気との熱交換を通じて冷却水を温度上昇させることにより、機関冷間時に暖機を促進させるための熱回収器30が設けられている。この熱回収器30には、排気管15の一部を二重管としてその内管と外管との間の隙間により形成される排気流路32、その排気流路32に設けられた円筒状の冷却水流路31、排気の流通状態を切り替える流路切替弁33、及びこの流路切替弁33を駆動するアクチュエータ34がそれぞれ設けられている。
このアクチュエータ34には、冷却水流路31の冷却水の温度に応じて体積変化する感温体(図示せず)が内蔵されており、この感温体の体積変化に基づいて流路切替弁33を開閉する。即ち、冷却水流路31の冷却水の温度が低いときには、流路切替弁33を閉弁状態として、排気管15の排気を排気流路32に流入させる。これにより、排気流路32の排気と冷却水流路31の冷却水との間で熱交換が行われ、冷却水流路31の冷却水の温度は上昇するようになる。そして冷却水流路31の冷却水の温度がある程度高くなった場合、即ち暖機がほぼ完了した場合、アクチュエータ34は、流路切替弁33を開弁状態として排気流路32に流入する排気の量を低下させる。これにより、排気と冷却水との間では、熱交換はほとんど行われないようになり、熱回収器30における排気熱の回収能力、換言すると冷却水の加熱能力は低下することとなる。
内燃機関10には、上述した機関水温センサ92の他、熱回収器30の冷却水流路31における冷却水の温度(以下、「熱回収器水温θ2」という)を検出する熱回収器水温センサ93や吸入空気量を検出するエアフロメータ94等、各種センサが設けられている。これらセンサの検出信号を取り込む制御装置91は、その検出結果に基づいてポンプ23の制御や、燃料噴射制御等の各種制御を実行する。尚、制御装置91はこうした各種制御のプログラムやその制御による結果等を記憶するためのメモリ91aを備えている。
また、制御装置91は、機関始動時から機関水温θ1を監視し、この機関水温θ1が所定温度(以下、「上限水温θc」という)未満であるときには、ポンプ23の運転を停止して循環水路20における冷却水の循環を停止する処理(以下、「暖機促進処理」という)を実行する。この上限水温θcは、内燃機関10の暖機が十分に進行しておらず、冷却水を循環させて内燃機関10を冷却する必要がない状態にあることを機関水温θ1との比較のもと判定するための値である。即ち、この上限水温θcよりも機関水温θ1が低い場合には、冷却水を循環させることにより内燃機関10を冷却する必要が無いため、暖機促進処理が実行される。こうした暖機促進処理が実行されることにより、冷却装置の冷却能力が低下するため、内燃機関10の暖機が促進されるようになる。尚、上限水温θcはサーモスタット24の開弁温度よりも低い温度に設定されている。このため、機関水温θ1が上限水温θc未満であるときには、サーモスタット24は閉弁状態に維持される。
ところで、暖機促進処理の実行中、熱回収器30の冷却水が排気の熱により温度上昇し、沸騰してしまうおそれがある点、及びこのような状況を回避するため、熱回収器水温θ2がある程度高くなったときに暖機促進処理を終了すると、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入するため、機関燃焼室14の温度が低下して燃焼の不安定化や熱損失の増大を招く点については上述したとおりである。尚、上述したように冷却水流路31の冷却水の温度が上昇すると、アクチュエータ34により流路切替弁33が開弁状態とされるため、熱回収器30の冷却能力は大きく低下するようになる。しかしながら、高負荷運転時等、熱回収器30の温度が高いときは、流路切替弁33の開弁に伴って低下するとはいえ、熱回収器30による冷却水の加熱能力はまだ十分に残っており、また暖機促進処理の実行時には熱回収器30の冷却水が滞留状態となっていることも起因して、流路切替弁33が開弁状態になっていても冷却水の温度が徐々に上昇してその局所的な沸騰を招くおそれがある。
そこで、本実施形態では、暖機促進処理の実行中、熱回収器水温θ2が機関水温θ1よりも高い旨の判定がなされた場合、暖機促進処理を一時的に中断してポンプ23を運転させるようにしている。そして、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されたときに、ポンプ23の運転を停止して、暖機促進処理を再開するようにしている。
以下、図2に示されるフローチャートを参照して、機関始動時から暖機促進処理が完了するまでの期間におけるこうしたポンプ23及び内燃機関10の制御について説明する。尚、図2に示される一連の処理は制御装置91により所定の制御周期をもって繰り返して実行される。
この処理が開始されると、まず機関水温θ1が上限水温θc未満であるか否かが判定される(ステップS100)。機関水温θ1が上限水温θc以上であると判定された場合(ステップS100:NO)、即ち内燃機関10の暖機がほぼ完了していると判定された場合は、暖機促進処理を実行する必要がないため、ポンプ23は通常運転に移行する(ステップS110)。尚、このように通常運転に移行したときには、機関負荷及び機関回転速度NE等、機関運転状態に基づいてポンプ23の目標吐出量が設定され、同目標吐出量に基づいて生成される駆動信号に基づいてポンプ23が制御される。
一方、機関水温θ1が上限水温θc未満であると判定された場合(ステップS100:YES)、次に熱回収器水温θ2が所定温度θx未満であるか否かが判定される(ステップS101)。この所定温度θxは、熱回収器30における冷却水が沸騰するおそれのある温度にまで上昇したか否かを熱回収器水温センサ93により検出される熱回収器水温θ2との比較のもと判定するための値である。
ここで、熱回収器水温θ2が所定温度θx以上であると判定された場合(ステップS101:NO)、即ち、熱回収器30に滞留する冷却水が排気の熱を受けて更に温度上昇すると、沸騰してしまうおそれがあると判定された場合、ポンプ23が運転されて循環水路20において冷却水の循環がなされる(ステップS111)。即ちこの場合には、機関水温θ1の状況に関係なくポンプ23が運転される。これにより熱回収器30の冷却水流路31には、循環水路20の温度の低い冷却水が流入するようになるため、熱回収器30に滞留する冷却水の沸騰を回避することができる。このようにポンプ23を運転状態とした後、この処理を一旦終了する。
一方、熱回収器水温θ2が所定温度θx未満であると判定された場合(ステップS101:YES)、次にフラグFが「オフ」であるか否かが判定される(ステップS102)。このフラグFは、暖機促進処理を一時的に中断してポンプ23を運転とする必要が生じた場合に「オン」に設定される。尚、このフラグFは機関始動時にその初期値である「オフ」に設定される。
フラグFが「オフ」であると判定された場合(ステップS102:YES)、次に熱回収器水温θ2が機関水温θ1より高く、その偏差が所定値α(>0)以上であるか否かが判定される(ステップS103)。この所定値αは、熱回収器水温θ2が機関水温θ1よりも高くなり、こうした状況が継続した場合には熱回収器30の冷却水が局所的に沸騰する等、これが過度に上昇するおそれがあるか否かを機関水温θ1と熱回収器水温θ2との比較のもと判定するための値として試験等を通じて予め設定されている。
熱回収器水温θ2と機関水温θ1との偏差が所定値α未満であると判定された場合(ステップS103:NO)、ポンプ23の運転は停止される(ステップS113)。即ち、暖機促進処理が実行される。そして、この処理は一旦終了される。
一方、熱回収器水温θ2と機関水温θ1との偏差が所定値α以上であると判定された場合(ステップS103:YES)、その判定時の機関水温θ1が判定温度θaとしてメモリ91aに記憶される(ステップS104)。そして、ポンプ23の運転が開始される(ステップS105)。即ち、暖機促進処理の実行中であれば同暖機促進処理が一旦中断されることとなる。またこの際、ポンプ23は、その吐出量が最大となるように、その回転速度が最大回転速度に設定される。このようにポンプ23の吐出量を最大とすることにより、熱回収器30で温度上昇した冷却水を速やかにウォータジャケット13に移送し、機関燃焼室14の温度を速やかに上昇させることができる。そしてこれにより、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入して、その温度が一時的に低下する期間、即ち、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されるまでの期間を短くすることができるようになる。
次に、車両の駆動源として電動機が選択される。即ち、内燃機関10の運転が停止されて、車両走行時の駆動源として電動機が選択される(ステップS106)。上述のようにポンプ23の運転が開始されると、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入するため、機関燃焼室14の温度が一時的に低下する。このように機関燃焼室14の温度が低下する期間では、燃焼の不安定化や熱損失の増大、ひいてはそれに起因する燃費の悪化が懸念される。このため、このように機関燃焼室14の温度が一時的に低下する期間は、内燃機関10の運転を停止する一方で電動機のみを駆動源として車両走行を行うようにしている。そして、フラグFが「オン」に設定される(ステップS107)。
このようにフラグFが「オン」に設定された後、又はステップS102でフラグFが既に「オン」に設定されている旨判定された場合(ステップS102:NO)、以下の判定処理が実行される。即ち、機関水温θ1が暖機促進処理を中断したときの判定温度θaよりも高くなり、それら偏差が所定値βを上回っているか否かが判定される(ステップS108)。この所定値βは、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されたか否かを判定温度θaと機関水温θ1との比較のもと判定するための値として試験等を通じて予め設定されている。尚、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入すると、機関燃焼室14の周囲の温度は一旦低下するが、循環水路20に滞留する冷却水の量は、ウォータジャケット13及び熱回収器30に滞留する冷却水の量を除いた場合、そのウォータジャケット13及び熱回収器30に滞留する冷却水の量と比較すると無視することができる程度に少ない。このため、循環水路20においてウォータジャケット13及び熱回収器30を除く部分に滞留している冷却水とそれらウォータジャケット13及び熱回収器30に滞留している冷却水とが混合された場合であってもそれによる影響は小さい。従って、循環水路20において冷却水が循環されることにより、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されると、機関水温θ1は判定温度θaに対して常に上昇するようになる。
この判定処理において、機関水温θ1と判定温度θaとの偏差が所定値β以下であると判定された場合(ステップS108:NO)、この処理を一旦終了する。一方、機関水温θ1と判定温度θaとの偏差が所定値βを上回っていると判定された場合(ステップS108:YES)、即ち、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されたことによって機関水温θ1が十分に上昇したと判定された場合は、内燃機関10の運転が開始される(ステップS109)。そして、フラグFが「オフ」に設定され(ステップS112)、この処理を一旦終了する。このように、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されたことにより、機関水温θ1が上昇したと判定された場合には、先のステップS103で否定判定され暖機促進処理が再開されるようになるため(ステップS113)、機関燃焼室14の温度はその上昇した温度から更に上昇するようになる。従って、内燃機関10の運転は再開された場合であっても、上述したような機関燃焼室14の温度が一時的に低下することによる燃焼の不安定化や熱損失の増大を招くことはない。
図3は、機関始動時から暖機促進処理が完了するまでの期間においてこうしたポンプ23及び内燃機関10の制御が実行された場合における、(a)機関負荷、(b)機関水温θ1(実線)、熱回収器水温θ2(一点鎖線)、(c)ポンプ23の運転状態、(d)内燃機関10(実線)及び電動機(一点鎖線)の運転状態の推移をそれぞれ示している。因みに、機関負荷は、そのときの内燃機関10の回転速度において機関燃焼室14に流入可能な最大の吸入空気量に対する実際の吸入空気量、換言すれば最大燃料噴射量に対する実際の燃料噴射量の割合を意味する。
例えば、機関始動時から短時間しか経過していないときのように、機関水温θ1及び熱回収器水温θ2が低い期間は、同図(c)に示されるように、ポンプ23の運転が停止され、暖機促進処理が実行される(機関始動時〜タイミングt1)。このとき、機関水温θ1は内燃機関10の熱によって、熱回収器水温θ2は排気の熱によってそれぞれ上昇する。そして、アクセル操作量が増大するなどして、機関負荷が増大すると(タイミングt1)、熱回収器水温θ2は速やかに上昇する。この一方、機関水温θ1は熱回収器水温θ2と比較すると緩やかに上昇する。熱回収器30を含め、その冷却水流路31に滞留する冷却水の熱容量は、機関燃焼室14の周囲部分を含め、ウォータジャケット13に滞留する冷却水の熱容量よりも小さいためである。この結果、熱回収器水温θ2の方が機関水温θ1よりも高くなる。
そして、熱回収器水温θ2が更に上昇して、熱回収器水温θ2と機関水温θ1との偏差が所定値αに達すると(タイミングt2)、暖機促進処理が一時的に中断され、ポンプ23の運転が開始される(タイミングt2〜)。これにより、循環水路20に滞留する低温の冷却水が熱回収器30に流入するため、同図(b)に示されるように、熱回収器水温θ2は速やかに低下するようになる。一方、ウォータジャケット13にも循環水路20に滞留する低温の冷却水が流入するため、機関水温θ1が一時的に低下するようになる。
またこのように、暖機促進処理を一時的に中断してポンプ23を運転する期間は、駆動源として電動機が選択される。即ち、同図(d)に示されるように、内燃機関10の運転は停止されて、車両の走行要求がある場合には電動機による走行が行われる。上述のように、この期間は循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入し、機関燃焼室14の温度が低下するため、内燃機関10が運転されると、燃焼の不安定化や熱損失の増大するためである。
そして、このようにポンプ23が運転されると、機関水温θ1は上述のように一旦低下するものの、熱回収器30で温度上昇した冷却水が循環水路20を流通してウォータジャケット13に移送されるため、その後、徐々に上昇するようになる(タイミングt2〜t3)。また、ウォータジャケット13で温度上昇した冷却水も同様に、熱回収器30に移送されるため、熱回収器水温θ2も温度上昇するようになる。
このように、機関水温θ1が上昇して、機関水温θ1が判定温度θaよりも高くなり、その偏差が所定値βに達したとき(タイミングt3)、暖機促進処理が再開される。即ち、同図(c)に示されるように、ポンプ23の運転が停止される。また、同図(d)に示されるように、内燃機関10の運転が再開される。このように内燃機関10の運転が再開されても、熱回収器30で温度上昇した冷却水により機関水温θ1が暖機促進処理を中断したときよりも上昇しているため、上述したような燃焼状態の不安定化や燃費の悪化を招くことはない。
そして、このように暖機促進処理が再開されることで、機関水温θ1が上昇し、上限水温θcに達したとき(タイミングt4)、同図(c)に示されるように、ポンプ23の運転が開始される。即ち暖機促進処理を終了してポンプ23は通常運転に移行する。この際、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13及び熱回収器30に流入するため、機関水温θ1及び熱回収器水温θ2のいずれも一旦低下するものの、これらは機関燃焼室14及び排気の熱によって再度上昇する。因みに、先の図2に示すステップS100の処理では、機関水温θ1≧上限水温θcの関係が一旦満たされた場合には、その後にこの関係が満たされないようになっても常にステップS110の処理に移行するようにしている。
以上説明したように本実施形態によれば、以下に記載の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、暖機促進処理の実行中、熱回収器水温θ2が機関水温θ1よりも高く、その偏差が所定値α以上であると判定されたとき、暖機促進処理が一時的に中断され、ポンプ23の運転が開始される。これにより、循環水路20に滞留する低温の冷却水が熱回収器30に流入して、熱回収器水温θ2は低下するため、熱回収器30において冷却水が沸騰する等、これが過度に温度上昇することを抑制することができるようになる。また、この暖機促進処理の中断に伴って、熱回収器30において温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されたとき、即ち機関水温θ1が、暖機促進処理を中断したときの温度、即ち判定温度θaより高くその偏差が所定値β以上となったときに暖機促進処理を再開するようにした。これにより、機関水温θ1が上昇した状況のもと暖機促進処理を再開することができるようになる。従って、熱回収器30を有する内燃機関10において、熱回収器30における冷却水の沸騰を抑制しつつ、機関始動後における内燃機関10の暖機を促進することができるようになる。
(2)また、暖機促進処理が中断されてポンプ23の運転が開始されることにより、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入してその温度が一時的に低下する期間は、内燃機関10の運転が停止されるとともに車両の駆動源として電動機が選択される。このため、ウォータジャケット13に低温の冷却水が流入し、機関燃焼室14の温度が低下することに伴う燃焼の不安定化や熱損失の増大、ひいてはそれに起因する燃費の悪化が生じることを抑制することができるようになる。
(3)また、暖機促進処理が中断されてポンプ23の運転が開始される際、ポンプ23は、その吐出量が最大となるように制御される。これにより、循環水路20における冷却水の循環量も最大となるため、熱回収器30で温度上昇した冷却水は速やかにウォータジャケット13に移送されて、機関水温θ1は速やかに上昇する。従って、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13に移送されるまでの期間、即ち同ウォータジャケット13の機関水温θ1が一時的に低下する期間が短くなる。このため、循環水路20に滞留する低温の冷却水がウォータジャケット13に流入することにより、内燃機関10において燃焼の不安定化や熱損失の増大、ひいてはそれに起因する燃費の悪化が生じる期間を短くすることができ、併せて機関暖機に要する期間を短くすることができるようになる。
(4)また、熱回収器水温θ2が所定温度θx以上であると判定されたときは、ポンプ23の運転を開始するようにしている。このため、内燃機関10の高温再始動時等、排気管15が温度上昇した状態で内燃機関10の運転が再開される場合など、機関始動時から熱回収器30が極めて高温になっている場合、循環水路20に滞留する低温の冷却水が熱回収器30に流入して熱回収器水温θ2が低下するため、熱回収器30の冷却水が沸騰することを抑制することができるようになる。
尚、本発明の実施態様は、上記各実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示されるように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例を適宜組み合わせた態様にて実施することもできる。
・図4に示されるように、熱回収器水温θ2が機関水温θ1よりも高く、その偏差が所定値α以上であると判定された場合(ステップS103:YES)、所定期間T1が経過するまでポンプ23を運転し(ステップS201)、その後、暖機促進処理を再開するようにしてもよい。尚、この所定期間T1は、熱回収器30の冷却水がウォータジャケット13に移送されるまでに要すると想定される期間であり、暖機促進処理を中断してポンプ23を運転する際におけるポンプ23の吐出量に応じて、試験等を通じて予め設定されている。
・上記変形例において、暖機促進処理を中断してポンプ23を運転する際のポンプ23の吐出量がそのときどきの状況により変更される場合には、ポンプ23の吐出量が多いときほど所定期間T1が短くなるようにこれを都度設定してもよい。本変形例によれば、所定期間T1をより適切な期間に設定することができるようになる。
・上記実施形態では、機関水温θ1が判定温度θaよりも高く、その偏差が所定値β以上である旨の判定がなされたことをもって、暖機促進処理を再開するようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。即ち、機関水温センサ92はウォータジャケット13の出口近傍に設けられているため、同機関水温センサ92により検出される機関水温θ1について上昇傾向がみられた場合には、その上流側に位置するウォータジャケット13の冷却水は既に温度上昇していると考えられる。このため、例えば、機関水温θ1は判定温度θaよりも低いものの、機関水温θ1と判定温度θaとの偏差が小さく、機関水温θ1が上昇する傾向にある場合など、熱回収器30で温度上昇した冷却水がウォータジャケット13近傍まで移送されたと考えられる条件が成立したときに、暖機促進処理を再開するようにしてもよい。
・機関負荷や機関回転速度等機関運転状態に基づいて機関水温θ1及び熱回収器水温θ2を推定するようにしてもよい。
・暖機促進処理が一時的に中断され、ポンプ23の運転が開始された際であっても内燃機関10の運転を継続するようにしてもよい。
・上記変形例においては、電動回転式のポンプ23に代えて、吐出量を変更可能な機関駆動式のポンプ、即ち、内燃機関10の出力軸にクラッチを介してその回転軸が駆動連結され、このクラッチを係合/遮断することにより冷却水を吐出する状態と吐出を停止した状態に切り替えるポンプを採用することもできる。またこの場合、内燃機関10の出力軸からの動力伝達を断接することができれば、例えば、ポンプの回転軸に取り付けられたプーリ(図示せず)を出力軸の回転に伴って走行するベルトに対して押圧/離間することにより動力伝達を断接する等、その他の断接機構によりこれを行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、駆動源として内燃機関10及び電動機を搭載するハイブリッド車両を例示したが、本発明は内燃機関10のみを搭載する車両における内燃機関の冷却装置として具体化することもできる。
・その他、暖機促進処理を一時的に中断して、ポンプ23を運転する際、機関燃焼室14の温度が一時的に低下することに伴う機関出力の低下分を補うために、燃料噴射量を増量補正するようにしてもよい。
・上述した変形例を含め各実施形態では、暖機促進処理としてポンプ23の運転を停止して循環水路20における冷却水の循環を停止する処理を例示したが、本発明における暖機促進処理には、ポンプ23を駆動するものの、例えば、ウォータジャケット13において冷却水の局所的な沸騰が発生しない最小量の冷却水を循環水路20に循環させる等、その吐出量を所定量以下に制限するものも含まれる。
10…内燃機関、11…シリンダブロック12…シリンダヘッド13…ウォータジャケット、14…機関燃焼室、15…排気管、20…循環水路、21…迂回通路、22…ラジエータ通路、23…ポンプ、24…サーモスタット、25…ラジエータ、30…熱回収器、31…冷却水流路、32…排気流路、33…流路切替弁、34…アクチュエータ、91…制御装置(ポンプ制御手段、選択手段)、91a…メモリ、92…機関水温センサ(第1の監視手段)、93…熱回収器水温センサ(第2の監視手段)、94…エアフロメータ。

Claims (6)

  1. 循環水路に冷却水を循環させるポンプの吐出量を可変制御するポンプ制御手段と、機関燃焼室周囲の冷却水の温度を監視する第1の監視手段と、排気管の排気により前記循環水路を流通する冷却水を加熱する熱回収器とを有し、前記第1の監視手段により監視される機関水温が上限温度未満であるときには同上限温度以上であるときと比較して前記ポンプの吐出量が制限されるように前記ポンプを制御する暖機促進処理を実行する車載内燃機関の冷却装置において、
    前記熱回収器にて温度上昇した冷却水の温度を監視する第2の監視手段を備え、
    前記ポンプ制御手段は、前記暖機促進処理の実行中に前記第2の監視手段により監視される熱回収器水温が前記第1の監視手段により監視される機関水温よりも高いか否かを判定し高い旨の判定がなされたことを条件として、前記暖機促進処理を前記熱回収器の冷却水が前記機関燃焼室周囲に移送されるまで一時的に中断する
    ことを特徴とする車載内燃機関の冷却装置。
  2. 請求項1に記載の車載内燃機関の冷却装置において、
    前記内燃機関が搭載される車両はその駆動源として同内燃機関に加え電動機を含み、前記判定結果に基づいて前記暖機促進処理を一時的に中断する際、その中断期間では前記内燃機関の運転を停止するとともに前記電動機を車両の駆動源として選択する選択手段を更に備える
    ことを特徴とする車載内燃機関の冷却装置。
  3. 前記ポンプ制御手段は、前記暖機促進処理の実行中に前記第2の監視手段により監視される熱回収器水温が前記第1の監視手段により監視される機関水温よりも高いか否かを判定し、高い旨の判定結果がなされたときの前記機関水温を判定温度として記憶するとともに同判定がなされたときから前記機関水温が前記判定温度よりも高くなるまで前記暖機促進処理を一時的に中断する
    請求項1又は請求項2に車載内燃機関の冷却装置。
  4. 前記ポンプ制御手段は、前記暖機促進処理の実行中に前記第2の監視手段により監視される熱回収器水温が前記第1の監視手段により監視される機関水温よりも高いか否かを判定し、高い旨の判定結果がなされたときから前記熱回収器の冷却水が前記機関燃焼室周囲に移送されるのに要する所定期間が経過するまで前記暖機促進処理を一時的に中断する
    請求項1又は請求項2に車載内燃機関の冷却装置。
  5. 前記ポンプ制御手段は、前記暖機促進処理を中断して前記ポンプを運転する際、その吐出量が最大となるように同ポンプを制御する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載内燃機関の冷却装置。
  6. 前記ポンプ制御手段は、機関始動時から前記暖機促進処理が完了するまでの期間において、前記熱回収器水温が予め定められた所定温度より高い旨判定したときには暖機促進処理を中断する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載内燃機関の冷却装置。
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