JP5338503B2 - 紙幣取扱装置 - Google Patents

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本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗のレジにおいて使用されるPOSレジスタに接続する自動釣銭機に内蔵された紙幣取扱装置に関し、特に1種類の残留検知センサで、容量の異なる様々な紙幣回収カセット内の紙幣の残留を検知するための方法に関する。
一般的に、店舗の係員が自動釣銭機内の紙幣を回収するときには、金種別の紙幣収納庫から着脱式の紙幣回収カセットに紙幣を移動させ、紙幣回収カセットを取り外すことで、紙幣を回収するようにしている。
従来の紙幣取扱装置の紙幣回収カセットは、集積する紙幣の重量によって下降するステージの上方と下方に残留センサの発光部と受光部とを配し、残留センサの光軸がステージを貫くようにし、ステージ上に紙幣があるときは光軸が紙幣によって遮られたときに、残留センサはステージ上に紙幣が有ることを検知している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−230741号公報(段落「0022」、図1)
しかしながら、上述した従来の技術においては、残留センサの光軸をステージ上の紙幣が直接遮る方式では、ステージの可動範囲に合わせてステージの上方と下方とに配する発光部と受光部の位置を変える必要があり、紙幣回収カセットを装着させるときは、その紙幣回収カセットの容量等に合わせた残留検知センサを有する自動釣銭機が必要となり、自動釣銭機ごとに使用できる紙幣回収カセットの種類が限られてしまい、様々な種類の紙幣回収カセットを利用する店舗ではその紙幣回収カセットの種類の数だけ紙幣取扱装置を用意しなくてはならないためにコストが高くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、スプリングによって押し上げられ紙幣の集積量に応じて徐々に下降するステージを有する着脱可能な紙幣回収カセットと、該紙幣回収カセット内の紙幣の残留を検知する光学式のセンサとを備える紙幣取扱装置であって、前記ステージは、紙幣が集積していないときに前記センサの光が当たる箇所がその光を透過させる構造で、かつ紙幣を集積する集積空間の外側に突出する突起部を有し、前記紙幣回収カセットの前記突起部が突出する側の壁と、その壁に前記ステージを挟んで対向する壁とに前記センサからの光を通過させる透孔を設け、前記ステージに紙幣が集積していないときの前記突起部に支持される上下動可能な遮光板と、該遮光板の下方に位置する係止部とを配し、前記ステージに紙幣を集積していないとき、前記突起部によって前記遮光板が前記透孔を通過する光を遮らない位置に持ち上げ、紙幣の集積により前記ステージが下降したとき、前記遮光板を前記係止部で支持される位置まで下降して前記透孔を塞ぐことを特徴とする。
これにより、本発明は、ステージが下降したときに遮光板が透孔を塞ぐ位置に下降することで、残留検知センサでの紙幣の残留を検知することができることから、残留検知センサの位置を紙幣回収カセットに集積される紙幣の集積量に左右されることなく決定できる。このため、紙幣の集積容量が異なる複数の仕様の紙幣回収カセットに自動釣銭機を対応させる場合においても、紙幣回収カセットの種類に応じて残留検知センサ及び基板等を複数箇所に配置する必要がなくなり、自動釣銭機の製造上のコストを抑えることができるという効果が得られる。また、利用者は一種類の自動釣銭機を導入することで複数の紙幣回収カセットを使用することができるので装置の導入コストを抑制することができる。
実施例1の紙幣取扱装置を内蔵する自動釣銭機を示す外観斜視図 紙幣入出金部の各部の配置を示す概略図 実施例1の自動釣銭機を示すブロック図 紙幣回収カセットの内部を示す概略構成図 紙幣集積ステージおよび遮光板の配置を示す説明図 遮光板が回動した様子を示す説明図 透孔を通過する光の高さより紙幣上面の方が低いときの様子を示す説明図
以下に、図面を参照して本発明による紙幣取扱装置の実施例について説明する。
図1は実施例1の紙幣取扱装置を内蔵する自動釣銭機を示す外観斜視図である。
図1において、1は自動釣銭機であり、紙幣および硬貨の入出金処理を行うものである。
この自動釣銭機1はPOSレジスタ15と相互に通信可能に接続されていて、POSレジスタ15によって紙幣および硬貨の入出金管理が行なわれる。
また、自動釣銭機1は、硬貨の入出金を行うための硬貨入出金部2と、紙幣の入出金を行うための紙幣取扱装置としての紙幣入出金部3とによって構成されている。
4は硬貨入金口であり、入金する硬貨を投入する入金口である。この硬貨入金口4から硬貨を投入するとその硬貨は硬貨入出金部2内に引き込まれて金種別に振り分けて図示しない硬貨収納庫に収納される。
5は硬貨出金口であり、出金する硬貨を蓄積する出金口である。硬貨の釣銭が必要なときは硬貨入出金部2内に収納された硬貨をこの硬貨出金口5に払い出す。
6は硬貨リジェクト口であり、硬貨入金口4に投入された硬貨を硬貨入出金部2内に引き込み鑑別した結果、1円、5円、10円、50円、100円、500円硬貨のいずれでもないと判断したリジェクト硬貨を返却する返却口である。
ここで、図2は紙幣入出金部の各部の配置を示す概略図であり、(a)は正面側から見た配置、(b)は側方から見た配置を示している。
8は紙幣入出金口であり、入金する紙幣を投入する紙幣投入口および出金する紙幣を蓄積する出金口である。この紙幣入出金口8に投入された紙幣は紙幣入出金部3内に引き込まれ、図2(b)に示す紙幣の金種の正損等を鑑別する紙幣鑑別部9で鑑別され、鑑別された紙幣は金種別に振り分けられて紙幣収納庫10a、10bに収納される。
11は紙幣回収カセットであり、紙幣入出金部3内の紙幣収納庫10a、10bに収納した紙幣を一括して回収する場合や出金時に異常な紙幣を検出した場合にその紙幣を収納するカセットである。
図2(a)において、12は残留検知センサであり、斜めに対向して配された発光部と受光部とからなる光学式のセンサであって、図2(a)に示すように発光部と受光部は光軸が紙幣回収カセット11内を斜め方向に横断するように、紙幣回収カセット11を挟み左右両側で、かつ互いの高さの位置をずらして配されている。また図2(a)に示す方向から見たときの前後方向にも光軸が横断する、つまり図2(b)に示す側方から見た紙幣回収カセット11の左右方向に光軸が横断するように発光部と受光部が配置されているものとする。
そのため、紙幣回収カセット11の壁には光軸を通過させるための透孔が設けられ、その透孔が設けられる箇所は、後述するステージ40の突起部40aが突出している壁と、その突起部40aが突出している壁とステージ40を挟んで対向する壁であり、この両壁に設けた2つの透孔を残留検知センサ12の光軸を通ることで、紙幣回収カセット11内を光軸が通過する。なお透孔のより詳細な配置は後述する。
13は表示操作部であり、液晶ディスプレイ等の表示部とその表示部上に配されたタッチパネル等の操作部とからなり、自動釣銭機1への現金補充に関する操作者への操作案内を表示する他、操作者による入力操作等を受け付ける。
POSレジスタ15は、商品に付されているバーコードから商品の金額を読取る図示しないバーコード読取部を備えると共に、表示画面とその上に配されたタッチパネルからなるレジスタ表示操作部16を備えており、表示画面に顧客が購入する商品の総額等やバーコードの付されていない商品の金額を入力するためのテンキー等の入力キーを表示し、その入力キーをタッチパネル上から押下することで入力キーに定義された情報を入力できるものとなっている。
17はレシート印字部であり、顧客が購入した商品の総額や顧客から預かった現金金額および顧客に支払う釣銭等を印字したレシートを発行する機能を有する。
図3は実施例1の自動釣銭機を示すブロック図である。
図3において、20は制御部であり、記憶部21に格納された制御プログラムに従って自動釣銭機1の各部を制御して各種処理を遂行すると共に、通信部23によりPOSレジスタ15と通信可能に接続する。
21は記憶部であり、制御プログラムを格納する他、制御部20による処理結果を記憶する。
22は紙幣入出金部3の抜き取り検知センサであり、例えば光学式のセンサ等によって構成され、紙幣入出金口8に出金した紙幣の抜き取りを検知する検知手段として機能する。
図4は紙幣回収カセットの内部を示す概略構成図であり、(a)は正面図、(b)は図4(a)の正面図の右側からみた側面図、図5は紙幣集積ステージおよび遮光板の配置を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図4において、40は上面に紙幣を集積するための紙幣集積ステージであり、下方からスプリング41による押圧力が作用することで、ホームポジション(基準位置)まで押し上げられた状態となっている。
なお、上述した残留検知センサ12は紙幣の残留を検知することからホームポジションに位置しているときの光軸は、紙幣集積ステージ40を通るように延びるため、紙幣集積ステージ40にはその光軸を通過させるために一部に開口が設けられている。
43はカセット内壁であり、紙幣集積ステージ40とスプリング41の周囲を囲む壁であって、上側の一部には搬送されてくる紙幣を内部の紙幣集積ステージ40上に集積するための開口が設けられている。
44は遮光板であり、図4(a)に示すように紙幣回収カセット11を正面から見た際の一側方で、カセット内壁43と、紙幣回収カセット11の外周面となる外壁45との間に設けた空間に配されている。
なお、上述した紙幣集積ステージ40は図5(a)に示すように紙幣を集積する集積空間の外側に突出して遮光板44を下側から支持するための突起部40aを有し、その突起部40aはカセット内壁43を貫通して外壁45に接触しない長さに形成される。
そのため、カセット内壁43には、紙幣集積ステージ40の突起部40aを貫通させると共に、紙幣集積ステージ40の昇降の際に突起部40aとの接触を避けるための切り欠き部43aが設けられる。
図5(b)には紙幣集積ステージ40より手前側のカセット内壁43を省略しているが、その省略したカセット内壁43に形成した切り欠き部43aの位置を示しており、図5(b)に示すように切り欠き部43aは突起部40aの幅よりも広い幅で、かつ上下方向の長さが紙幣集積ステージの昇降する範囲に応じた長さで形成される。よって突起部40aと切り欠き部43aとは接触することがない。
47は回転軸であり、カセット内壁43と外壁45との間で伸長するように外壁45に取り付けられ、遮光板44を回転可能に支持する。
また回転軸47は、図示しない上下に長い楕円状の溝に嵌まっており、これによって上下方向にスライド移動可能な状態で外壁45に取り付けられ、また遮光板44を図4(b)に示す状態から矢印で示す反時計回りの方向に回動させ傾かせるように重心からずれた位置で遮光板44に挿通している。
これによって、ホームポジションにある紙幣集積ステージ40によって支持された状態の遮光板44は、回転係止ストッパ48によって回転軸47を中心とした回転が係止される。そして紙幣集積ステージ40が下降した際、回転軸47が前記スライド部材によって下降する構造であることから、遮光板44も紙幣集積ステージ40と共に下降する。
上述した紙幣回収カセット11の透孔50aは図4(a)に示すように外壁45とカセット内壁43における左上部に設け、透孔50bは外壁45とカセット内壁43における略右中央部に設けている。
また、回転係止ストッパ48よりも下方で透孔50bの近傍には、下降した遮光板44が光軸50bを遮る位置に回動した状態を保つように支える係止部52がカセット内壁43と外壁45間に取り付けられている。
この係止部52は、例えば遮光板44に設けた溝に嵌まる形状であって、係止部52がその溝に嵌まり込むことで、透孔50bを塞ぐ位置まで回動した遮光板44を支持して固定する。
さらに遮光板44が係止部52によって支持された状態で、遮光板44と紙幣集積ステージ40とは、分離するように構成されているものとする。
このように紙幣回収カセット11を構成したことにより、紙幣集積ステージ40上に紙幣が無いときは、残留検知センサ12の光軸が透孔50a、50bと、紙幣集積ステージ40の開口とを通過することとなるが、紙幣集積ステージ40に紙幣が集積しているが、集積している紙幣枚数が少なく、スプリング41による押圧力よりも集積している紙幣の重さによる圧力が小さい場合、紙幣集積ステージ40は下降せずスプリング41によってホームポジションまで押し上げられた状態となるが、集積している紙幣が紙幣集積ステージ40の開口を塞ぐので、残留検知センサ12の発光部からの光軸が受光部に到達することが無い。そのため自動釣銭機1の制御部20は紙幣回収カセット11内に紙幣が集積していることを認識する。
次に集積している紙幣の重さによる圧力がスプリング41の押圧力よりも大きい場合は、スプリング41が撓んで紙幣集積ステージ40が下降する。
遮光板44は、紙幣集積ステージ40と共に下降するようになり、下降することによって回転係止ストッパ48に当接する箇所が徐々にずれ、それに伴って図4(b)の矢印で示す反時計回りに回動する。
ここで、図6は遮光板が回動した様子を示す説明図であり、紙幣が集積したことでステージ40が下降したときの遮光板44の状態を示しており、ここではステージ40上の紙幣を省略して示している。
さらに遮光板44が下降することで、係止部52が遮光板44の溝に嵌まり込み、図6に示すように遮光板44は透孔50bを遮る向きのまま固定される。
そのため、残留検知センサ12は受光部で光を受光しないことから、制御部20は紙幣回収カセット11内に紙幣が集積していることを認識する。
以上説明したように、本実施例では、紙幣集積ステージが下降すると、それに連動して遮光板が下降すると共に、透孔を塞ぐ位置まで回動して固定されるため、紙幣回収カセットの容量に依存せず、紙幣回収カセット内の紙幣の残留検知を実現できる。これによって1台の紙幣取扱装置としての紙幣入出金部に対して容量の異なる様々な紙幣回収カセットの装着が可能となり紙幣回収カセットの互換性を持たせることができ、自動釣銭機を設置する店舗側としては運用形態の自由度が増すという効果が得られる。
また、利用する紙幣回収カセットの大きさに合わせた配置の残留検知センサを有する紙幣取扱装置を内蔵する自動釣銭機を用意することが無くなるので、その分自動釣銭機を設置する店舗側としてはコストを低減することができる。
ここで、図7は透孔を通過する光の高さより紙幣上面の方が低いときの様子を示す説明図であり、紙幣が集積したことでステージが下降し、そのときの集積している紙幣上面の位置が透孔よりも下方となる場合があっても、遮光板44が下降すると共に回動して透孔50bを塞ぐので、遮光板44を設けていない場合では残留検知センサの光がステージに集積する紙幣の上方を通過してしまい紙幣の残留を検知できないのに対し、本実施例では図7に示すように遮光板44が透孔50bを通過する光を遮るようになるので、確実に紙幣の残留を検知することができるという効果が得られる。
なお、上記実施例1においては、紙幣の集積していないステージ40よりも下方に位置する透孔50bが設けられている側に遮光板44を配したが、遮光板44を配する側はこれに限るものではなくステージ40よりも上方に位置する透孔50aがある側に設けてもよく、その場合遮光板44の形状は、上記実施例1の形状に限るものでなく、少なくともステージ40がホームポジションにあるときに透孔50aを遮らないようにした形状であればよい。
1 自動釣銭機
2 硬貨入出金部
3 紙幣入出金部
4 硬貨入金口
5 硬貨出金口
6 硬貨リジェクト口
8 紙幣入出金口
9 紙幣鑑別部
10a、10b 紙幣収納庫
11 紙幣回収カセット
12 残留検知センサ
13 表示操作部
15 POSレジスタ
16 レジスタ表示操作部
17 レシート印字部
20 制御部
21 記憶部
22 抜き取り検知センサ
23 通信部
40 紙幣集積ステージ
40a 突起部
41 スプリング
43 カセット内壁
43a 切り欠き部
44 遮光板
45 外壁
47 回転軸
48 回転係止ストッパ
50a、50b 透孔
52 係止部

Claims (2)

  1. スプリングによって押し上げられ紙幣の集積量に応じて徐々に下降するステージを有する着脱可能な紙幣回収カセットと、該紙幣回収カセット内の紙幣の残留を検知する光学式のセンサとを備える紙幣取扱装置であって、
    前記ステージは、紙幣が集積していないときに前記センサの光が当たる箇所がその光を透過させる構造で、かつ紙幣を集積する集積空間の外側に突出する突起部を有し、
    前記紙幣回収カセットの前記突起部が突出する側の壁と、その壁に前記ステージを挟んで対向する壁とに前記センサからの光を通過させる透孔を設け、
    前記ステージに紙幣が集積していないときの前記突起部に支持される上下動可能な遮光板と、該遮光板の下方に位置する係止部とを配し、
    前記ステージに紙幣を集積していないとき、前記突起部によって前記遮光板が前記透孔を通過する光を遮らない位置に持ち上げ、紙幣の集積により前記ステージが下降したとき、前記遮光板を前記係止部で支持される位置まで下降して前記透孔を塞ぐことを特徴とする紙幣取扱装置。
  2. 請求項1に記載の紙幣取扱装置において、
    前記紙幣回収カセットの前記突起部が突出する側の壁と、その壁に前記ステージを挟んで対向する壁とに前記センサからの光を通過させる透孔の内、前記突起部が突出する側の壁に設けた透孔は紙幣が集積していないときの前記ステージよりも下方で、もう1つの透孔は紙幣が集積していないときの前記ステージよりも上方となるように位置させ、
    前記係止部は、前記遮光板の下方でかつ前記透孔の近傍に配し、
    前記ステージに紙幣を集積していないとき、前記突起部によって前記遮光板を前記透孔よりも上方に持ち上げ、紙幣の集積により前記ステージが下降したとき、前記遮光板を前記係止部で支持される位置まで下降して前記透孔を塞ぐことを特徴とする紙幣取扱装置。


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