JP5337984B2 - 鼻腔内塗布製剤及び鼻腔内におけるダレを防止する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、花粉症などに有効な鼻腔内塗布製剤に関し、特に、鼻腔内に塗布しやすく、鼻腔内でダレを生じ難く、使用感に優れた鼻腔内塗布製剤に関する。
近年、花粉症などの鼻炎の症状に悩む人が増えており、これは花粉、菌類の胞子、ハウスダスト、動物の毛などのアレルギーの原因物質(アレルゲン)により、鼻炎が起きる機会が増えていることによる。またこのような症状は、排気ガスによる空気汚染による影響があるとされている。特に、花粉によるものは、杉の花粉など季節との関係もあって、春から初夏にかけて症状に悩む人が多くなる状況にある。
上記のアレルゲンを鼻から吸入した場合には、鼻、咽喉及びのどがかゆみを覚え、鼻汁が排泄され、さらには頭痛、食欲減退、不眠症などを起こすこともある。
このような症状が続くと、日常生活に支障をきたすことになるので、室内や車などにアレルゲンが入らないようにすることが考慮されたが、空調などでこれを排除することは困難である。そのためマスクで鼻や口を覆う対策が取られ、花粉が多い時期にはそれなりの効果を得ることができる。しかしマスクを着用することは、簡便で経済的にも有用ではあるが、生活上不便であるし、暑苦しく、呼吸器を弱めるという弊害もある。
そこで、鼻腔内に軟膏を塗り、それによって鼻腔内でのアレルゲンによる刺激を低減しようとする手段が提案され、その一つとして、粘度がDIN51 562法による6mm/秒(100℃)以上である飽和炭化水素の少なくとも1つの混合物を含んでいる、吸入アレルギー性反応の予防のための鼻用軟膏が示されている(特許文献1)。
また、季節的に多くなる花粉症に関しては、カチオン界面活性剤、特に分子中に少なくとも1個以上のグアニジノ基を有し、かつ界面活性能を有する化合物、又はその塩が、有効成分として含有する花粉症予防剤が提案されている(特許文献2)。この界面活性能を有する化合物、又はその塩は、花粉に対し、特異的にその表面に吸着し、さらにこれらの化合物は花粉の外膜を割って内部の原形質に対しても作用を及ぼし、その原形質を変化させると共に花粉症の原因となる抗原自体を変性させることができるものである。花粉症予防剤はその作用機作により種々の形態で適用することができるもので、点鼻薬としても使用することができるとされている。
さらに、鼻腔内に塗布して使用される剤としては、亜鉛材及び塗布後、皮膚表面で凝固する凝固成分を主成分とし、生体上で滞留可能な形態を有する抗アレルギー組成物が知られている(特許文献3)。この組成物はクリーム状、ゲル状の形態で使用される。
特開2001−342131号公報 特開平9−157152号公報 特開2006−342152号公報
上記に説明したように、花粉症予防剤を点鼻薬として鼻腔内に適用するものは、その適用した時だけに効くという一時的なものであって持続性がなく、また人によっては十分効くとはいえないという個人差があった。また、鼻腔内に塗布して使用される剤は、使用が非常に簡便であるという長所があり、従来使用されているワセリンは刺激が少ないという点で優れているものの、鼻腔内でダレを生じて製剤が流れ出し、十分な効果が得られず、また不快感を与えるという問題があった。特に、鼻腔内は比較的体温が高いところであり、鼻から出す息も湿気が多いものであるために、一層製剤が流れやすくなる状況下にある。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、鼻腔内の面に塗布しやすく、鼻腔内でダレを生じ難く、使用感に優れた鼻腔内塗布製剤を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、鼻腔内に塗布した場合に発生するダレの問題は、ワセリンにセレシンを添加することにより著しく改善されることを見出し、それを基礎として本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の構成とすることにより上記の課題を解決するに至った。
(1)ワセリンにセレシンを配合し、前記セレシンの配合量が全体の2〜7質量%であることを特徴とする鼻腔内塗布製剤。
(2)鼻腔内塗布製剤において、ワセリンにセレシンを配合し、前記セレシンの配合量を全体の2〜7質量%にすることにより、前記鼻腔内塗布製剤を鼻腔内に塗布した際の、鼻腔内におけるダレを防止する方法。
本発明では、ワセリンにセレシンを配合した鼻腔内塗布製剤であって、この製剤を人の鼻腔内に塗布することにより、鼻腔内粘膜上に薄い塗膜を形成させることができ、その塗膜は呼吸に伴って外部から鼻腔内に入ってきた花粉、粉塵などのアレルゲンを捕らえてその影響を防ぐことができる。そして、ワセリンにセレシンを添加することにより塗膜のダレの発生が著しく少なくなり改善される。その発生を抑えられる程度はセレシンの添加量とも関係するので、最適の添加量を選択する。これにより、製剤を塗布してからの持続時間を長くすることができる。
本発明によれば、この鼻腔内塗布製剤は、人の鼻腔内に容易に塗布することができ、塗布することにより、鼻腔内粘膜上に薄い塗膜を形成させることができ、その塗膜は呼吸に伴って外部から鼻腔内に入ってきた花粉、粉塵などのアレルゲンを捕らえて鼻腔から直接体内に侵入するのを防ぐことができるので、外気からのアレルゲンによる人体への影響を著しく低減させることができる。そしてマスクの着用の場合に比して、著しく簡便であり、息苦しいなどの不快感を伴わない。
さらに、従来の鼻腔内塗布製剤に比して、塗布した後に塗膜にダレを生じないので、鼻水が出るような不快感がなく、不潔感も生じない。セレシンの添加により製剤の延びが良くなるので、必要以上に塗布することがなくなり、使用感が良い。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明によれば、製剤のベースとしてワセリンを用いており、このワセリンは、ペトロラタムの1種である。このワセリンは、日本薬局方によれば、白色ワセリンと黄色ワセリンとがあるが、いずれも本発明に使用することができる。白色ワセリンは、黄色ワセリンを脱色、精製して得たものである。ワセリンの凝固点(融点)は一般に38〜60℃のものである。本発明では、ワセリンとして凝固点が38〜60℃で、稠度が140〜200のものを用いるのが好ましい。このワセリンは、鼻腔用製剤として使用する関係で、鼻腔内に塗布したときに、塗布しやすいものであることが好ましく、そのため凝固点(融点)や粘度はそれに適する範囲にあることが好適である。鼻腔内は、体温の関係で温度が周囲の温度よりも高いので、融点が低い場合には、塗布したワセリンが鼻腔内で流れて鼻腔内壁を十分覆うことができないことになる。なお、鉱物油の融点は、鉱物油は一般に炭化水素の混合物からなる関係で、正確な温度を測定することが困難であるが、凝固点の方がより正確な温度を測定できるという関係から、凝固点で表す場合がある。
本発明において、製剤のダレを生じ難くするために添加するセレシンは、鉱物油の一種で、天然に産出するオゾケライト(地ロウ)を精製したものであって、白色ワックスに属し、炭化水素の混合物である。性質がパラフィンに似ているものの、分子量、比重、粘度、硬度が高く、融点も高いのが特徴である。本発明においてセレシンは、上記の天然に産出されたものの他に、同様な性状を有する合成パラフィン、具体的には、マイクロクリスタリンワックスと流動パラフィンの混合物(商品名:セレシン#810、日興リカ株式会社製)などを用いてもよい。またオゾケライトや同様の性状をもつ合成パラフィンを用いてもよい。
本発明における製剤中のセレシンの配合量は、該製剤の使用対象が人であり、鼻腔内への塗布の状態に個人差があるものの、鼻腔内への塗布しやすく、ダレを生じ難くするという点から、製剤100g中、2〜7g、好ましくは4〜6gとするのがよい。特に、製剤100g中、2〜6gが使用感にも優れ好適である。
セレシンの融点は前記したように高く、60℃以上であるために、セレシンの配合によって製剤の融点がワセリン単独の場合の融点よりも高くなり、その配合量に比例したような融点になるが、セレシンは親油性増粘剤としての性質などもあるので、ダレ難さを得ることができる。
また、上記ワセリンの1種には、親水ワセリンがあり、これはさらしろう、ステアリルアルコール、コレステロールを白色ワセリンに配合したもので、水を混和しても稠度を保つことができ、従来軟膏基材として用いられているものであるが、これも使用することができる。
また、各種添加剤を添加することにより、その性状を改善することができる。その添加剤としては、香料、清涼剤、湿潤剤等の各種機能成分が挙げられ、例えば、L−メントール、L−メチルグリセリンエーテル、スペアミントオイル、ペパーミントオイル、セリシン等のアミノ酸、アミノペプチド、ペプチドグルカン、ヒアルロン酸、セラミド、乳酸菌及びその精製物、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(商品名:リピジュア)、香料、精油類等を用いることができる。
本発明の鼻腔内塗布製剤は、使用する際には、約10〜40mgを指で鼻腔内壁に塗布するか、あるいは綿棒のような補助具を用いて鼻腔内壁に塗布する。鼻腔内壁への塗布面の広さは、鼻孔の入口から10〜20mm程度の深さで充分である。
次に、本発明の鼻腔内塗布製剤を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例1
(検体の調製)
1.ベースの基剤としてワセリン用い、ワセリンだけのもの、それにセレシンを配合した検体を調製した。ワセリンとしては、凝固点が56℃、稠度が188の白色ワセリンを使用した。また、セレシンとしては、マイクロクリスタリンワックスと流動パラフィンの混合物(商品名:セレシン#810、日興リカ株式会社製)を用いた。なお、稠度は、JIS K2235「石油ワックス、ちょう度試験方法」の測定法によったものである。
2.ベースの基剤として、ワセリンを用い、処方として、ワセリンだけのもの、ワセリンにセレシン、デキストリンパルミテート、又は無水ケイ酸を各5%配合した検体を調製した。デキストリンパルミテートは、(デキストリンパルミチン酸エステル、商品名:レオパールKL等)の製品であり、無水ケイ酸は平均凝集粒子径11μm、表面積195m/gのもの(商品名:トクシールNP)である。
試験に用いた検体の処方を第1表に示す。
Figure 0005337984
1.試験1
(試験方法)
被験者の鼻の左の鼻腔に検体1の製剤を塗布し、右の鼻腔に検体2の製剤を塗布し、塗り易さとダレ難さを評価した。被験者としては、それぞれの組合せについて延べ12回の試験が行われるようにした。
塗布は、1回に製剤20mgが塗布される量を用い、綿棒を用いて塗布した。塗り易さは、官能をもって基準とし、ダレ難さは処理回数が1日数回となる実使用場面を想定して塗布後2時間後の官能を基準として評価した。
(試験結果)
各組合せについて12回の試験を行った結果について、第2表に評価結果を示した。第2表によれば、ワセリンにセレシンを配合することにより、ダレの防止効果(ダレ難さ)が得られた。また、ワセリン単独の製剤よりもセレシンを配合したワセリンの製剤の方が鼻腔内に塗布し易いことが分かった。
Figure 0005337984
2.試験2
(試験方法)
被験者の鼻の左の鼻腔に検体1の製剤を塗布し、右の鼻腔に検体3又は検体4の製剤を塗布し、塗り易さとダレ難さを評価した。被験者としては、4人にそれぞれの組合せについて各4回の試験が行われるようにした。
塗布は、1回に製剤20mgが塗布される量を用い、綿棒を用いて塗布した。塗り易さは、官能をもって基準とし、ダレ難さは処理回数が1日数回となる実使用場面を想定して塗布後2時間後の官能を基準として評価した。
(試験結果)
各組合せについて各4回の試験を行った結果について、第3表及び第4表に評価結果を示した。第3表及び第4表によれば、ワセリンにセレシンを配合することにより、ダレ防止効果が得られた。また、セレシンを配合したワセリンの製剤は、添加剤としてデキストリンパルミテート又は無水ケイ酸を用いたものよりも鼻腔内に塗布し易いことが分かった。
Figure 0005337984
Figure 0005337984
実施例2
この実施例では、製剤を加温した場合における軟化状態を調べるために試験を行った。本発明の製剤は、その使用の態様では、人間の鼻腔内に塗布されるため、そこで人間の体温で暖められて、流れやすくなるため、その軟化状態とダレが起こりやすいかを調べておくことが重要である。
(検体の調製)
基剤として、ワセリンを用い、それにセレシンを配合した検体を調製した。ワセリン及びセレシンとしては、実施例1で使用したものと同じものを用いた。
処方として、ワセリンだけのもの、ワセリンにセレシンを配合した検体を調製した。検体の処方を第5表に示す。
Figure 0005337984
(試験方法)
45度の傾斜で配置したアルミニウム板の上に、前記の各製剤を同じ高さの位置に25mmの間隔を空けて0.5gずつ塗布した。製剤を塗布した高さに温度計を取り付け、30分間で25℃から45℃までアルミニウム板の温度を上げた。なお、アルミニウム板を45度に傾斜させたのは、人間の鼻腔の内面は体の内部に近い面でも傾斜している事実を考慮したのと、表面が平滑なアルミニウム板を傾斜させておくことにより、ダレの現象が大きく現れるため測定しやすい点を考慮したものである。
加温終了時の各製剤のだれた距離を測定した。その測定結果を第6表に示す。
Figure 0005337984
試験の結果、セレシンを添加することで製剤の融点の上昇がみられ、ダレが改善されることがわかった。とくにセレシンを5%以上添加した製剤では、45℃条件下ではダレはほとんどみられず、使用時での体温による軟化を抑えることができると考えられる。
実施例3(ダレ試験)
この実施例では、実施例2と同様に、製剤を加温した場合における軟化状態を調べるために試験を行った。
(検体の調製)
ベースの基剤として、ワセリンを用い、それにセレシン、あるいは他の添加剤を配合した検体を調製した。ワセリン及びセレシンとしては、実施例1で使用したものと同じものを用いた。
処方として、ワセリンだけのもの、ワセリンにセレシン、あるいは他の添加剤を配合した検体を調製した。検体の処方を第7表に示す。
(試験方法)
45度の傾斜で配置したアルミニウム板の上に、前記の各製剤を2.5mmの間隔で同じ高さの位置に0.5gずつ塗布した。製剤を塗布した高さに温度計を取り付け、25℃からアルミニウム板の温度をだんだん上げていった(温度は5分間隔で、1〜2℃ずつ段階的に上昇させた)。
各検体のダレが始まる温度を測定し、ダレが始まってから5分後におけるダレの距離を測定した。その測定結果を第7表に示す。
Figure 0005337984
実施例4(粘着度測定)
この実施例では、製剤の組成とダレとの関係を調べるために試験を行った。本発明の製剤は、その使用の態様では、ダレが生じないことが重要であるため、その製剤の成分、あるいは特定の成分の組成とダレの関係を調べておくことが重要である。ここでは化粧料などで増粘性を付与したり、使用感を向上させるための各種成分を用いて試験を行い、粘着度をもって評価した。
(検体の調製)
基剤として、ワセリンを用い、それにセレシン或いはその他の成分を配合した検体を調製した。ワセリン及びセレシンとしては、実施例1で使用したものと同じものを用いた。デキストリンパルミテートは、(デキストリンパルミチン酸エステル、商品名:レオパールKL等)の製品であり、無水ケイ酸は平均凝集粒子径11μm、表面積195m/gのもの(商品名:トクシールNP)であり、カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール(日光ケミカルズ社製))である。検体の組成を第8表に示す。
(試験方法)
1.直径(内径)85mmのシャーレに製剤40gを入れ、40℃の温度で静置する。(同じ高さの平滑な表面になるまで静置する)
2.直径4.75mm、重量0.45gの鉄球を前記シャーレの表面で、端部に載せ、転がらないように固定し、次いで前記端部が最上端になり反対側の端部が最下端になるように、シャーレを45度に傾けた後、鉄球の固定を解いて、転がす。
3.鉄球が最上端の端部から最下端の端部まで転がる時間を測定し、粘着度の指標とした。なお、鉄球はシャーレの中心を通って転がり、その転がる距離は75.5mmである。
(測定結果)
測定結果を第8表及び第9表に示す。鉄球が転がる時間はセレシンを添加すると硬度が上昇して短くなり、粘着力が低下することがわかった。このような現象はセレシンの添加量が2%から確認されており、6%を越えて7%になると、時間が短くなって粘着度が低下することから、セレシンの添加量としては、概ね2〜7%が好適であると判断された。
Figure 0005337984
Figure 0005337984
実施例5(製剤の硬度試験)
この実施例では、製剤の塗り易さ(広げやすさ)、使用感について評価するために、製剤の硬度について試験を行った。
(検体の調製)
ベースの基剤として、ワセリンを用い、それにセレシン、あるいは他の添加剤を配合した検体を調製した。ワセリン及びセレシンとしては、実施例1で使用したものと同じものを用いた。
処方として、ワセリンだけのもの、ワセリンにセレシン、あるいは他の添加剤を配合した検体を調製した。検体の処方を第10表及び第11表に示す。
(試験方法)
デジタルフォースゲージ先端に直径11mmの治具を取り付けた。容器に検体を30mmの深さに入れ、その上から垂直に38mm/分の速度で15mm進入させたときにかかる圧を測定した。
引張圧縮試験機:SV−5,デジタルフォースゲージ DPSS 5R(株式会社今田製作所製)
(測定結果)
測定結果を第10表及び第11表に示す。試験の結果は3回の平均値で示した。
Figure 0005337984
Figure 0005337984
この試験により、ワセリンにセレシンを添加することで、製剤の硬度が増加することがわかった。この効果によって、ワセリンだけでは製剤が柔らかすぎて鼻腔内粘膜に均一に塗り広げることが難しいという問題を解消することができる。セレシン以外の成分では硬度の増加はほとんどなく、ワセリンと大差ないと考えられる。
以上の実施例における試験結果から、各種成分の中でもセレシンだけが粘着力、硬度、融点を向上させることができる。また実使用において、体温、呼吸や湿気などの影響を受けてもセレシンは鼻腔内でダレを生じ難く、使用感にも優れることがわかった。
本発明によれば、鼻腔内の粘膜に塗布することにより、アレルゲンの吸入による人体への影響を防ぐことができる鼻腔内塗布製剤について、鼻腔内に塗布しやすく、ダレを生じ難く、使用感に優れたものとして提供する。

Claims (2)

  1. ワセリンにセレシンを配合し、前記セレシンの配合量が全体の2〜7質量%であることを特徴とする鼻腔内塗布製剤。
  2. 鼻腔内塗布製剤において、ワセリンにセレシンを配合し、前記セレシンの配合量を全体の2〜7質量%にすることにより、前記鼻腔内塗布製剤を鼻腔内に塗布した際の、鼻腔内におけるダレを防止する方法。
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