以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、画像形成装置の一例である複合機に本発明を適用した例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による複合機の概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明の一実施形態による複合機の操作パネルの平面図である。図3〜図6は、本発明の一実施形態による複合機のアドレス帳を説明するための図である。まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による複合機1の構成について説明する。
一実施形態による複合機1は、スキャナ、プリンタ、複写機、ファクシミリなどとしての機能を併せ持つネットワーク対応のディジタル複合機であり、複数の送信方法でデータを送信する送信機能を有している。
また、一実施形態による複合機1は、図1に示すように、制御部10によって装置全体の動作が制御される。この制御部10に接続され諸機能を担う入出力機器として、複合機1は、スキャナ部20、エンジン部30、操作パネル40および通信部50を備えている。
制御部10は、CPU11、画像処理部12、および、記憶部13を含んでいる。CPU11は、中央演算処理装置(Central Processing Unit)であり、記憶部13に格納され展開される制御プログラムに基づき複合機1の各部を制御する。画像処理部12は、スキャナ部20で読み取られた画像データ、印刷を行うための画像データ、ユーザ端末1000(たとえば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置)や相手方のファクシミリ端末2000に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性および揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。この記憶部13には、複合機1の制御用プログラム、制御用データ、設定データおよび画像データなどの各種データが記憶される。
スキャナ部20は、スキャナを構成する画像照射ランプ21および撮像素子(たとえば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなど)22を含んでいる。このスキャナ部20は、画像照射ランプ21により原稿を照射し、その反射光を撮像素子22で受光することにより、原稿から画像を読み取る。そして、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部12に出力する。
エンジン部30は、図示しない給紙カセットや給紙ローラなどを有し用紙を搬送する用紙搬送部31と、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部(プリンタヘッドや感光ドラムなど)32と、画像形成部32で得られた画像に熱を加えて定着させる定着部33とを含んでいる。また、エンジン部30は、スキャナ部20で読み取られた画像データ、通信部50を介して得られた画像データなどを用いて画像を用紙に印刷する。
操作パネル40は、画面上に仮想キー(入力キー)を表示してキー操作を受け付けることにより諸機能を選択的に入力操作する操作表示部41と、操作表示部41の表示内容を制御する表示制御部42と、画面上に表示された入力キーのキー操作を検出するキー操作検出部43とを含んでいる。上記操作表示部41は、処理対象となる項目を表示する液晶表示部41aと、液晶表示部41aに重ねて設けられ、ユーザの指などが触れた位置を検出するためのタッチパネル部41bとを有している。表示制御部42は、CPUやICなどから構成されており、液晶表示部41aの表示内容を制御する。キー操作検出部43は、タッチパネル部41bで検出された位置に基づき、画面上に表示される入力キーがユーザによって操作されたか否かを検出する。なお、表示制御部42およびキー操作検出部43は、上記CPU11からの命令によって制御され、記憶部13に記憶された制御プログラムに基づき操作表示部41での処理(動作)が実行される。
また、図2に示すように、液晶表示部41a(操作表示部41)は、操作パネル40の略中央部に配置されている。この液晶表示部41a(操作表示部41)は、8インチ(X方向に800ピクセル、Y方向に480ピクセル)の画面サイズを有しており、カラー表示が可能に構成されている。また、操作表示部41の周辺には、数字入力を受け付けるテンキー44、各種動作の開始指示を受け付けるスタートキー45、各種動作の停止指示を受け付けるストップキー46、各種設定のリセット指示を受け付けるリセットキー47およびエンターキー48などが設けられている。なお、エンターキー48は、操作表示部41の各画面操作における「OK」の指示と同様の働きをする。
通信部50は、ファクシミリ通信部51およびネットワークI/F部52を含んでいる。ファクシミリ通信部51は、スキャナ部20によって読み取られた原稿の画像データなどを、公衆回線を介して相手方のファクシミリ端末2000などへ送信したり、ファクシミリ端末2000などから送信された画像データを受信したりする。ネットワークI/F部52は、ネットワーク(たとえば、インターネットやLAN(Local Area Network)など)を介して接続された複数のユーザ端末1000に対する種々のデータの送受信を制御する。このように、一実施形態による複合機1は、複数の送信方法でデータを送信する送信機能を有している。
また、複合機1は、データを送信する送信先を管理するためのアドレス帳機能(送信先管理システム)を有している。このアドレス帳機能では、操作表示部41の画面上に図3に示すようなアドレス帳画面を表示させ、予め登録された送信先情報(送信先アドレス)をアドレス帳画面に一覧表示する。そして、一覧表示された送信先情報から目的とする送信先情報をユーザが指定することにより、送信先が設定される。
また、操作表示部41の画面上に表示されるアドレス帳画面には、送信先情報を一覧表示する送信先表示領域110、送信先情報の登録/編集を行う画面を呼び出す(表示させる)ための登録画面呼出キー120、詳細情報を表示させるための詳細キー130、送信先情報を、対応付けられた名称(宛先名称)の頭文字で絞り込むための絞り込みキー140、送信先情報の送信方法の種類を選択するための選択キー150、OKキー160およびキャンセルキー170などが配置されている。
上記送信先表示領域110には、送信先情報が名称(宛先名称)とともに表示される。この送信先表示領域110の左側には、送信先情報を指定するためのチェックボックス111が配置されており、送信先表示領域110の右側には、送信先情報を上下にスクロールさせるスクロールバー112が配置されている。
登録画面呼出キー120は、ユーザの操作により、操作表示部41(図2参照)の画面に図4に示すような送信先登録画面を表示させる機能を有している。そして、この画面から、送信先情報を含む送信先(宛先)が登録され、送信先情報が各々の名称と対応付けられて上記記憶部13(図1参照)に記憶される。なお、本実施形態の複合機1では、アドレス帳に登録される送信先の登録件数は、名称単位(宛先名称単位)で約2000件である。
ここで、本実施形態では、複合機1は、1つの名称(宛先名称)に対して、複数(たとえば、5つ)の送信方法に対応する複数種類の送信先情報を登録可能に構成されている。具体的には、複合機1は、1つの名称(宛先名称)に対して、ファクシミリ端末アドレス、ネットワークファクシミリ端末アドレス、電子メースアドレス、SMB(Server Message Block)フォルダアドレス、FTP(File Transfer Protocol)フォルダアドレスの5つの送信先アドレス(送信先情報)を登録することが可能に構成されている。なお、ファクシミリ端末アドレスは、「FAX」のタブ画面で登録することができ、ネットワークファクシミリ端末アドレスは、「i−FAX」のタブ画面で登録することができ、電子メースアドレスは、「E−mail」のタブ画面で登録することができる。また、SMBフォルダアドレスおよびFTPフォルダアドレスは、「Folder」や「Group」のタブ画面で登録することができる。「Folder」および「Group」は、階層化が可能に構成されている。また、宛先名称は、「名称」と、その名称の「よみがな」とを入力可能に構成されている。
また、図3に示す詳細キー130がユーザに操作されることによって、選択された送信先の詳細情報が表示される。
絞り込みキー140は、図3に示すように、五十音表の「あ行」から「わ行」の各行先頭文字が表記された複数の第1絞り込みキー141と、数字キー142およびアルファベットキー143とを含む複数の入力キー群からなる。なお、第1絞り込みキー141は、本発明の「第1入力キー」の一例である。また、図5に示すように、絞り込みキー140は、数字キー142がユーザに操作されることによって、1〜0の各数字が表記された10個の入力キー142aに展開される。このとき、複数の第1絞り込みキー141は、かなキー144に格納される。一方、このかなキー144が操作されることによって、かなキー144が、複数の第1絞り込みキー141に展開される。また、アルファベットキー143がユーザに操作されることによって、7つの入力キー143aに展開される。
選択キー150は、図3に示すように、送信方法の種類毎に割り当てられた5つの入力キー群からなる。具体的には、各選択キー150には、異なる送信方法である、「E−mail」、「Folder」、「FAX」、「i−FAX」および「Group」がそれぞれ割り当てられている。この選択キー150がユーザに操作されることにより、操作された選択キー150に割り当てられた送信方法の送信先情報(送信先アドレス)のみがアドレス帳画面に表示される。なお、本実施形態の複合機1は、複数の選択キー150を同時に操作可能に構成されている。
また、本実施形態では、複合機1は、選択キー150が操作された状態を初期設定として上記記憶部13(図1参照)に記憶させておくことが可能に構成されている。すなわち、複合機1は、特定の送信方法に該当する送信先情報を、アドレス帳画面を表示させたとき(アドレス帳を開いたとき)に、最初にアドレス帳画面に表示する送信先情報として予め設定(初期設定)しておくことが可能に構成されている。具体的には、アドレス帳を開いたときに、最初にアドレス帳画面に表示する送信先情報の送信方法を、図6に示す初期設定画面から設定することができる。この初期設定画面には、選択キー150と対応する設定キー180が配置されており、これらの設定キー180がユーザに操作されることにより、操作された設定キー180に割り当てられた送信方法の送信先情報が、初期状態として表示される送信先情報に設定される。
また、上記初期設定画面では、複数の設定キー180を操作することにより、複数の送信方法を選択(設定)することも可能である。このとき、操作された設定キー180は反転表示される。これにより、どの設定キー180が操作されたかをユーザに認識させることが可能となる。なお、「Off」の設定キー180が操作されることにより、全ての設定が解除される。一方、設定された(反転表示された)設定キー180を再度操作することにより、個別に設定が解除される。このとき、設定キー180の表示は元に戻る(反転表示されない)。
図7は、本発明の一実施形態による複合機における送信先の設定動作を説明するためのフローチャートである。図8〜図10は、本発明の一実施形態による複合機における送信先の設定動作を説明するための図である。次に、図1〜図3および図7〜図10を参照して、本発明の一実施形態による複合機1の送信先の設定動作について説明する。
まず、図7のステップS101において、操作表示部41(図2参照)の画面上に図3に示したようなアドレス帳画面が表示される。このとき、アドレス帳画面の送信先表示領域110には、登録されている送信先情報(全ての送信先情報)が先頭から五十音順に表示される。
次に、図7のステップS102において、第1絞り込みキー141が操作されたか否かが判断される。すなわち、図3に示したように、アドレス帳画面に目的とする送信先(送信先情報)が表示されていない場合には、スクロールバー112を操作することによって送信先を上下にスクロールさせ、目的の送信先を探す方法があるが、登録されている送信先件数が多い場合には、この方法で目的の送信先を探すとその操作が煩雑となる。このため、ユーザは、絞り込みキー141を操作することによって、アドレス帳画面に表示させる送信先(送信先情報)を、その名称(宛先名称)の頭文字で絞り込むことができる。ステップS102では、このような操作がなされたか否かが判断される。
図7のステップS102において、第1絞り込みキー141が操作されていないと判断された場合には、ステップS102における第1絞り込みキー141が操作されたか否かの判断が繰り返される。一方、ステップS102において、第1絞り込みキー141が操作されたと判断された場合には、ステップS103において、表示制御部42により、アドレス帳画面にダイアログボックス(Dialog Box)が表示される。具体的には、図8に示すように、第1絞り込みキー141がユーザに操作されることにより、五十音表の「あ段」から「お段」の各文字がそれぞれ表記された複数の第2絞り込みキー210が、ダイアログボックス200によって表示される。なお、第2絞り込みキー210は、本発明の「第2入力キー」の一例である。
そして、ステップS104において、第2絞り込みキー210が操作されたか否かが判断される。ステップS104において、第2絞り込みキー210が操作されていないと判断された場合には、ステップS105において、ダイアログボックス200のキャンセルキー220が操作されたか否かが判断される。ステップS105において、キャンセルキー220が操作されていないと判断された場合には、ステップS104に戻り、ステップS104の判断が繰り返される。一方、ステップS105において、キャンセルキー220が操作されたと判断された場合には、ステップS102に戻り、ステップS102〜S104の処理が繰り返される。すなわち、絞り込み処理が実行されずに、ダイアログボックス200が閉じられる。また、ステップS104において、第2絞り込みキー210が操作されたと判断された場合には、ステップS106に進み、ダイアログボックス200が閉じられるとともに、表示制御部42により、操作された第2絞り込みキー210に表記された文字で送信先情報(送信先情報の宛先名称)が絞り込まれてアドレス帳画面に表示される。
具体的には、たとえば、目的とする送信先の名称の頭文字が「き」であって「き」の頭文字で名称(宛先名称)を絞り込みたい場合、「き」は「か行」に含まれるので、図8に示すように、ユーザにより、まず、「か」の文字が表記された第1絞り込みキー141が操作される。第1絞り込みキー141が操作されると、「か行」に属する文字(「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」)が表記された第2絞り込みキー210がダイアログボックス200によって表示される。このとき、ユーザがダイアログボックス200のキャンセルキー220を操作すると、絞り込み処理が実行されずに、ダイアログボックス200が閉じられる。一方、「き」の文字が表記された第2絞り込みキー210が操作されると、ダイアログボックス200が閉じられるとともに、図9に示すように、送信先の名称(宛先名称)が「き」の頭文字で絞り込まれ、絞り込まれた送信先情報がアドレス帳画面に表示される。
なお、「あ」から「わ」の各第1絞り込みキー141が選択(操作)された際に表示される第2絞り込みキー210は、図10(a)から図10(j)の通りである。すなわち、第1絞り込みキー141が操作されると、対応する第1絞り込みキー141の行に属する「あ段」から「お段」の各文字が表記された第2絞り込みキー210がダイアログボックス200によって表示される。また、「ん」の文字が表記された第2絞り込みキー210(図10(j)参照)は、「わ」の文字が表記された第1絞り込みキー141(図8参照)が操作された際に表示される。濁音、半濁音については、濁点、半濁点をとった場合の清音として扱われる。
続いて、図7のステップS107に進み、ステップS107において、表示制御部42(図1参照)により、操作された第1絞り込みキー141の表示が変更されてアドレス帳画面に表示される。具体的には、図9に示すように、操作された第1絞り込みキー141が反転表示されるとともに、表記された文字が、操作された第2絞り込みキー210(図8参照)に表記された文字(たとえば、「き」)に変更される。これにより、たとえば、送信先の名称(宛先名称)が「き」の頭文字で絞り込まれていることをユーザに認識させ易くすることができる。
その後、ステップS108に進み、ステップS108において、送信先情報(送信先)が指定されたか否かが判断される。送信先の指定は、図9に示すように、チェックボックス111にチェックを入れることによりなされる。また、送信先の指定は、複数指定することも可能である。図7のステップS108において、送信先が指定されていないと判断された場合には、ステップS108における送信先情報(送信先)が指定されたか否かの判断が繰り返される。一方、ステップS108において、送信先情報(送信先)が指定されたと判断された場合には、ステップS109において、送信先が設定される。その後、アドレス帳画面のOKキー160(図9参照)が操作されるとアドレス帳画面が閉じられる。アドレス帳画面を閉じる操作は、上記したエンターキー48(図2参照)を操作することによっても行うことができる。これにより、本実施形態による複合機1の送信先の設定動作が終了する。
なお、反転表示された第1絞り込みキー141が再度操作されると、絞り込みが解除される。また、送信先の名称の絞り込みは、名称の「よみがな」の頭文字で行われる。
図11は、本発明の一実施形態による複合機における絞り込み条件の変更動作を説明するためのフローチャートである。次に、図1、図7および図11を参照して、一実施形態による複合機1における絞り込み条件(絞り込み文字)の変更動作について説明する。なお、アドレス帳画面には、送信先が所定の文字で絞り込まれて表示されているものとする。
まず、図11のステップS201において、他の第1絞り込みキー141が操作されたか否かが判断される。ステップS201において、他の第1絞り込みキー141が操作されていないと判断された場合には、ステップS201における他の第1絞り込みキー141が操作されたか否かの判断が繰り返される。一方、ステップS201において、他の第1絞り込みキー141が操作されたと判断された場合には、ステップS202において、操作された第1絞り込みキー141に対応する第2絞り込みキー210が、ダイアログボックス200によってアドレス帳画面に表示される。そして、ステップS203に進み、ステップS203において、第2絞り込みキー210が操作されたか否かが判断される。ステップS203において、第2絞り込みキー210が操作されていないと判断された場合には、ステップS204において、ダイアログボックス200のキャンセルキー220が操作されたか否かが判断される。
ステップS204において、キャンセルキー220が操作されていないと判断された場合には、ステップS203に戻り、ステップS203の判断が繰り返される。一方、ステップS204において、キャンセルキー220が操作されたと判断された場合には、ステップS201に戻り、ステップS201〜S203の処理が繰り返される。すなわち、新たな条件(文字)での絞り込み処理が実行されずに、ダイアログボックス200が閉じられる。また、ステップS203において、第2絞り込みキー210が操作されたと判断された場合には、ステップS205において、先の絞り込みが解除される。そして、ステップS206において、新たな条件(操作された第2絞り込みキー210上に表記されている文字)で送信先情報(送信先情報の宛先名称)が絞り込まれてアドレス帳画面に表示され、ステップS207に進む。最後に、ステップS207において、上記した図7のステップS107と同じ処理が行われ、表示制御部42(図1参照)により、操作された第1絞り込みキー141の表示が変更されてアドレス帳画面に表示される。これにより、本実施形態による複合機1における絞り込み条件の変更動作が終了する。
図12は、操作表示部に表示する送信先情報の種類を選択する動作を説明するためのフローチャートである。図13および図14は、操作表示部に表示する送信先情報の種類を選択する動作を説明するための図である。次に、図3、図6、図7、図9および図11〜図14を参照して、操作表示部41に表示させる送信先情報(送信先アドレス)の種類を選択することによる送信先の設定動作について説明する。
まず、図12のステップS301において、アドレス帳を開いたときに表示する特定の送信方法の送信先情報が初期設定として設定されているか否かが判断される。具体的には、図6に示した初期設定画面において「E−mail」、「Folder」、「FAX」、「i−FAX」および「Group」のいずれか(複数を含む)の設定キー180が操作(設定)されているか否かが判断される。ステップS301において、アドレス帳を開いたときに表示する特定の送信方法の送信先情報が初期設定として設定されていると判断された場合(初期設定画面で上記の設定キー180が操作(設定)されている場合)には、ステップS302に進み、ステップS302において、アドレス帳画面を表示(起動)させたとき(アドレス帳を開いたとき)に、初期設定された選択キー150に割り当てられた送信方法の送信先情報(送信先アドレス)のみがアドレス帳画面に表示される。具体的には、たとえば、初期設定画面(図6参照)において「FAX」の設定キー180が操作(設定)されている場合、図13に示すように、アドレス帳画面の起動時にファクシミリ端末アドレスのみが送信先情報(送信先アドレス)として表示される。すなわち、アドレス帳画面への表示対象が、ファクシミリ端末アドレスに絞られる。このため、アドレス帳の起動速度(アドレス帳を開く速度)が速くなる。このとき、「FAX」の設定キー180と対応する「FAX」の選択キー150は、反転表示された状態となる。これにより、どのような条件(どのような送信方法)の送信先情報が表示されているのかをユーザに認識させることが可能となる。上記した状態は、操作された設定キー180と対応する選択キー150が操作された状態と同様の状態である。
なお、反転表示されている選択キー150を操作することにより、選択キー150の操作状態が解除される。たとえば、「FAX」の選択キー150を操作することにより、「FAX」の選択キー150の操作状態が解除され、図3に示したように、アドレス帳画面に全ての送信方法の送信先情報が表示される。また、たとえば、他の選択キー150がユーザに操作された場合には、表示されている送信先情報に加えて、操作された選択キー150に割り当てられた送信方法の送信先情報(送信先アドレス)がアドレス帳画面に表示される。このとき、操作された選択キー150は、反転表示される。
すなわち、アドレス帳画面が表示された後は、選択キー150の操作によって、アドレス帳画面に表示させる送信先情報の送信方法の種類を選択することが可能となる。ただし、選択キー150が操作された場合でも、初期設定が変更されるわけではない。
そして、ステップS306に進む。
一方、図12のステップS301において、アドレス帳を開いたときに表示する特定の送信方法の送信先情報が初期設定として設定されていないと判断された場合には、アドレス帳画面の起動時(アドレス帳を開いたとき)に、登録されている全ての送信先(全ての送信方法の送信先情報)が表示される。そして、ステップS303において、選択キー150がユーザによって操作されたか否かが判断される。ステップS303において、選択キー150が操作されていないと判断された場合には、ステップS303における選択キー150が操作されたか否かの判断が繰り返される。一方、ステップS303において、選択キー150がユーザによって操作されたと判断された場合には、ステップS304において、操作された選択キー150に割り当てられた送信方法の送信先情報(送信先アドレス)のみがアドレス帳画面に表示される。
そして、ステップS305において、図13に示すように、操作された選択キー150が反転表示され、図12のステップS306に進む。
続いて、ステップS306において、送信先情報(送信先)が指定されたか否かが判断される。具体的には、アドレス帳画面のチェックボックス111(図3参照)にチェックが入れられたか否かが判断される。ステップS306において、送信先が指定されていないと判断された場合には、ステップS306における送信先情報(送信先)が指定されたか否かの判断が繰り返される。一方、ステップS306において、送信先情報(送信先)が指定されたと判断された場合には、ステップS307において、送信先が設定される。これにより、送信先情報(送信先アドレス)の種類を選択することによる送信先の設定動作が終了する。
なお、アドレス帳画面から送信先(送信先情報)を設定(指定)する場合に、図7に示した動作、図11に示した動作および図12に示した動作を組み合わせることもできる。たとえば、図9に示したように、絞り込みキー(第1絞り込みキー141および第2絞り込みキー210)の操作により、送信先の名称(宛先名称)を頭文字で絞り込んだ後、図14に示すように、選択キー150の操作により、さらに、表示される送信先情報(送信先アドレス)の種類を絞り込むこともできる。図14では、一例として、「FAX」の選択キー150を操作することによって、ファクシミリ端末アドレスのみを表示させた状態を示している。また、先に、選択キー150の操作によって、所望の送信方法の送信先情報(送信先アドレス)のみをアドレス帳画面に表示させておき、その後、絞り込みキー(第1絞り込みキー141および第2絞り込みキー210)の操作により、送信先の名称(宛先名称)を頭文字で絞り込むこともできる。上記のように構成すれば、送信先情報(送信先アドレス)を探し出す操作の操作性がより向上する。また、アドレス帳を開いたときに表示する特定の送信方法の送信先情報を初期設定として設定しておけば、その後、絞り込みキー(第1絞り込みキー141および第2絞り込みキー210)の操作によって送信先の名称(宛先名称)を頭文字で絞り込むことにより、さらに、送信先情報(送信先アドレス)を探し出す操作の操作性が向上する。
本実施形態では、上記のように、第1絞り込みキー141の操作により対応する第1絞り込みキー141の行に属する「あ段」から「お段」の各文字が表記された第2絞り込みキー210をダイアログボックス200で表示することによって、送信先情報の名称(宛先名称)を、各行の「あ段」から「お段」の各文字でさらに絞り込むことができる。このため、「あ行」から「わ行」の行単位の条件で送信先情報を絞り込む場合に比べて、送信先情報をより詳細な条件で絞り込むことができる。これにより、メモリ容量の増加によってアドレス帳として記憶可能な送信先件数が増加した場合でも、送信先情報の検索性を向上させることができる。その結果、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができ、容易に、目的とする送信先を指定することができる。
また、本実施形態では、第1絞り込みキー141および第2絞り込みキー210の操作により、送信先情報の名称(宛先名称)を頭文字で絞り込むように構成することによって、五十音表の全ての文字で送信先情報を絞り込むことができる。このため、操作表示部41(液晶表示部41a)の画面サイズが8インチと比較的小さく、アドレス帳画面に五十音表の全ての文字の入力キーを配置することがスペース的に困難な場合でも、五十音表の全ての文字の入力キーが配置されている場合と同等の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、第1絞り込みキー141が操作されたことを検出することにより送信先情報をさらに絞り込むための第2絞り込みキー210を表示するように構成することによって、アドレス帳画面に予め表示しておく入力キーの数を減らすことができる。このため、アドレス帳画面において、送信先情報を表示するための送信先表示領域110を大きくすることができるので、アドレス帳画面に表示される送信先情報の数を増やすことができる。これにより、容易に、目的とする送信先情報の検索性を向上させることができるので、操作表示部41の画面サイズが比較的小さく、操作表示部41の表示スペースが小さい場合でも、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2絞り込みキー210が操作されると、対応する第1絞り込みキー141に表記されている文字を、操作された第2絞り込みキー210に表記されている文字と同じ文字に変更して表示することによって、どのような条件(文字)で送信先情報の名称が絞り込まれているのかを、ユーザに認識させ易くすることができる。このため、絞り込み条件が間違っていないか否かの判断を容易化することができるので、これによっても、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、操作された第1絞り込みキー141を反転表示することによって、どのような条件(文字)で送信先情報が絞り込まれているのかを、ユーザに、より認識させ易くすることができる。
本実施形態では、上記のように、アドレス帳を開いたときに表示する特定の送信方法の送信先情報を初期設定として設定しておくことによって、アドレス帳を開いたときに、初期状態として、初期設定された特定の送信方法に該当する送信先情報のみをアドレス帳画面に表示させることができる。すなわち、アドレス帳を開いたときに、最初に表示する送信先情報を、登録されている送信先情報のなかから所望の送信方法に該当する送信先情報に絞り込んでアドレス帳画面に表示させることができる。このため、最初に表示される送信先情報の数を減らすことができるので、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができる。また、上記のように構成することによって、選択キー150を操作する手間を省くことができるので、容易に、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように構成することによって、初期設定された特定の送信方法の送信先情報のみが初期状態としてアドレス帳画面に表示されるので、誤って他の送信方法で情報を送信してしまうという不都合が生じるのを抑制することもできる。
また、本実施形態では、特定の送信方法に該当する送信先情報を初期設定として設定することによって、アドレス帳の起動時(アドレス帳を開いたとき)に、初期設定された送信方法の送信先情報のみがアドレス帳画面への表示対象となるので、アドレス帳の起動速度を速めることができる。このため、これによっても、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、初期設定された送信先情報の送信方法に対応する選択キー150を、それ以外の選択キー150との視認差が大きくなるように反転表示することによって、表示されている送信先情報(送信先アドレス)が、どのような送信方法の送信先情報であるのかを、ユーザに認識させ易くすることができるので、送信方法が間違っていないか否かの判断を容易化することができる。このため、これによっても、送信先情報を探し出す操作の操作性を向上させることができる。なお、操作された選択キー150を反転表示することによっても、上記と同様の効果が得られる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例である複合機に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、通信機能を有する画像形成装置であれば、複合機以外の画像形成装置に本発明を適用してもよい。たとえば、ファクシミリ装置に、本発明を適用することもできる。
また、上記実施形態では、第1絞り込みキーおよび第2絞り込みキーを用いて、かな文字で送信先を絞り込む例を示したが、本発明はこれに限らず、第1絞り込みキーおよび第2絞り込みキーを用いて、かな文字以外の符号で送信先を絞り込むようにしてもよい。たとえば、アルファベット、ハングル文字、アラビア文字などのかな文字以外の文字で送信先を絞り込むようにしてもよいし、記号や図形などで送信先を絞り込むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1絞り込みキーおよび第2絞り込みキーを用いて、宛先名称の「よみがな」の頭文字で送信先を絞り込むように構成した例を示したが、「よみがな」がない言語の場合は、「よみがな」以外の頭文字で送信先を絞り込むようにしてもよい。また、宛先名称以外で送信先を絞り込むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、操作された第1絞り込みキーを反転表示することによって、他の第1絞り込みキーとの視認差が大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、反転表示以外の方法で、操作された第1絞り込みキーを他の第1絞り込みキーとの視認差が大きくなるように構成してもよい。たとえば、操作された第1絞り込みキーの色を変えたり、大きさや形を変えたりすることによって、他の第1絞り込みキーとの視認差が大きくなるように構成してもよいし、表記される文字(符号)等のフォントを変更することによって、他の第1絞り込みキーとの視認差が大きくなるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、五十音表の各文字を、第1絞り込みキー上および第2絞り込みキー上に表記した例を示したが、本発明はこれに限らず、第1絞り込みキー上および第2絞り込みキー上以外の部分に各文字を表記してもよい。
また、上記実施形態では、初期設定された送信先情報の送信方法に対応する選択キー、および、操作された選択キーを反転表示することによって、他の選択キーとの視認差が大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、反転表示以外の方法で、操作された選択キーを他の選択キーとの視認差が大きくなるように構成してもよい。たとえば、操作された選択キーの色を変えたり、大きさや形を変えたりすることによって、他の選択キーとの視認差が大きくなるように構成してもよいし、表記される文字(符号)等のフォントを変更することによって、他の選択キーとの視認差が大きくなるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ファクシミリ端末アドレス、ネットワークファクシミリ端末アドレス、電子メースアドレス、SMBフォルダアドレス、FTPフォルダアドレスの5つの送信先アドレスを登録可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記以外の送信先アドレスを登録可能に構成してもよい。また、上記のいずれかの送信先アドレスが登録できない構成であってもよい。
また、上記実施形態で示した送信方法以外の送信方法で、データを送信可能に構成されていてもよい。
なお、上記実施形態において、操作表示部は、タッチパネル機能を有する表示部であれば、タッチパネルにおける画面への接触感知方式は特に問わない。タッチパネルの接触感知方式は、感圧式(圧力の変化を感知する方式)および静電式(静電気による電機信号を感知する方式)のいずれであってもよいし、感圧式および静電式以外の感知方式であってもよい。
また、上記実施形態において、アドレス帳画面、送信先登録画面および初期設定画面などのデザインやレイアウト等は適宜変更することができる。