JP5336770B2 - 昇圧回路 - Google Patents

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Description

本発明は、昇圧回路に関するものである。
近年、不揮発性記憶装置であるフラッシュメモリにおいては、単一電源電圧あるいは低い電源電圧でのデータの読み出し、データの書き換えが要求されており、各動作を実施する際にオンチップで正昇圧電圧,あるいは負昇圧電圧を供給する昇圧回路が必要とされている。また、CMOSプロセスにおいても昇圧回路で発生された電圧を電源としてアナログ回路の特性改善に用いられている。
図17は、従来の昇圧回路の構成を示す(特許文献1参照)。昇圧回路900は、互いに位相が異なる2つのクロック信号CLK1,CLK2を入力して昇圧動作を実施する。昇圧回路900の141及び161は昇圧動作を行う昇圧セル、146及び166は入力端子INPUT2A(又は2B)から出力端子OUTPUT2A(又は2B)へ電荷を転送する電荷転送トランジスタ、147及び167は入力端子INPUT2A(又は2B)と出力端子OUTPUT2A(又は2B)との間に備えられたダイオード手段、148及び168はクロック信号CLK1とCLK2に応じて昇圧される昇圧容量、150及び170は出力端子OUTPUT2A(又は2B)の電位に応じて昇圧セル141(又は161)の入力端子INPUT2A(又は2B)と他方の昇圧セル161(又は141)の出力端子OUTPUT2B(又は2A)とを切り替えて電荷転送トランジスタ146(又は166)を制御するインバータであり、152及び172はインバータ150,170の出力である。
次に、図18を参照しつつ、図17に示した昇圧回路の動作について簡単に説明する。
まず、時刻T1の状態では、クロック信号CLK1が「L」から「H」となり、昇圧セル141の出力端子OUTPUT2Aが昇圧される。出力端子OUTPUT2Aが昇圧されることにより、インバータ150の出力152が昇圧セル161の出力端子OUTPUT2Bの電圧から、昇圧セル141の入力端子INPUT2Aの電圧に切り替えられる。これにより電荷転送トランジスタ146のゲート電圧とソース電圧とが同電位となり、電荷転送トランジスタ146が導通状態から非導通状態となる。また一方でクロック信号CLK2が「H」から「L」となり、昇圧セル161の出力端子OUTPUT2Bの電位が降圧される。出力端子OUTPUT2Bが降圧されることにより、インバータ170の出力172が昇圧セル161の入力端子INPUT2Bの電圧から、昇圧セル141の出力端子OUTPUT2Aの電圧に切り替えられる。これにより電荷転送トランジスタ166のゲート電圧がソース電圧より高くなり、電荷転送トランジスタ166が非導通状態から導通状態となって、入力端子INPUT2Bから出力端子OUTPUT2Bに電荷が転送される。
次に、時刻T2においては、時刻T1のクロック信号CLK1,CLK2における昇圧セル141,161の反転動作が行われ、昇圧セル141では入力端子INPUT2Aから出力端子OUTPUT2Aに電荷が転送され、昇圧セル161では出力端子OUTPUT2Bが昇圧される。
以降、上記動作が繰り返されることで昇圧動作が行われる。
米国特許第7,023,260号明細書
しかしながら、上記従来の昇圧回路は、クロック信号が「L」から「H」となり、昇圧セルの出力端子が昇圧された後、インバータの出力が論理反転して、電荷転送トランジスタを導通状態から非導通状態に遷移させるため、昇圧直後、導通状態である電荷転送トランジスタを介して電荷が昇圧セルの出力端子から入力端子へ逆流し、昇圧効率が低下する課題があった。
本発明の目的は、昇圧回路における電荷転送トランジスタを介した電荷の逆流を防止することにある。
上記課題を解決するため、本発明の1つの局面に従うと、約(360度/M)の位相差を有するM個(M≧4)のクロック信号に同期して昇圧動作を行うM並列かつL段(L≧2)の昇圧セルを有する昇圧回路において、K列目(1≦K≦M)、I段目(1≦I≦L)に備えられた当該昇圧セルは、当該昇圧セルの前段からの電圧を受ける入力端子と、当該昇圧セルの後段へ電圧を供給するための出力端子と、当該昇圧セルの出力端子に一端が接続され、(K−1)列目(K=1のときはM列目)、I段目の昇圧セルに対応するクロック信号より約(360度/M)だけ位相の遅れたクロック信号を他端に受ける昇圧容量と、当該昇圧セルの入力端子と出力端子との間に接続され、導通状態になると当該入力端子から当該出力端子へ電荷を転送する電荷転送トランジスタとを備えた構成を採用し、更に、K列目よりA列前(1≦A≦M/2−1:Aは自然数)であるKA列目((K−A)>0のときはKA=(K−A)、(K−A)≦0のときはKA=(M−|K−A|))の昇圧セルの出力端子電圧に応じて、当該KA列目の昇圧セルが昇圧状態にある場合に前記電荷転送トランジスタが非導通となるように制御する状態制御部を有することとした。
請求項1、5、8の発明によれば、2相クロック昇圧回路をベースとした多相並列昇圧回路において、2相クロック昇圧回路の利点である簡易なクロック信号の利用と、サブ容量による面積増大の回避を残したまま、昇圧動作時に電荷転送トランジスタを非導通状態に設定することが可能となり、電荷転送トランジスタを介した電荷の逆流を抑制することができ、昇圧効率を向上させることができる。
また、昇圧セル列を増やすことによって、電荷転送時間を長くすることができ、電荷転送トランジスタのレイアウトサイズの増大を抑制できる
また、昇圧セル(逆流防止セル)の制御信号をA列前(1≦A≦M/2−1)の昇圧セル(逆流防止セル)の出力端子に接続することで、電荷転送トランジスタに対して、最適な昇圧準備状態の時間を設定し、かつ十分な電荷転送時間の調整を可能とする。
なお、昇圧セル列が4並列以上であれば、昇圧セル列は偶数列でも奇数列でも、上記述べた効果を得ることができる。
また、請求項1315の発明によれば、昇圧セル間の配線遅延増大を抑制でき、昇圧動作時のタイミングマージンを確保できる。
これらの効果は、正昇圧のみでなく、負昇圧回路においても同様に得られる。また、電荷転送トランジスタとしてPch(Pチャネル)トランジスタを用いることで、Nch(Nチャネル)トランジスタを用いた場合に懸念事項となる寄生バイポーラ形成がなく、安定した昇圧動作が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(第1の実施形態)
<構成>
図1は、本発明の第1の実施形態による昇圧回路100の構成を示す。この昇圧回路100は、複数の昇圧セル列L01〜L04を備え、昇圧ステージST1〜ST3と逆流防止回路ST4とからなる。それぞれ昇圧セル列L01〜L04において、1段目である昇圧ステージST1には昇圧セルP101〜P104、2段目である昇圧ステージST2には昇圧セルP201〜P204、3段目である昇圧ステージST3には昇圧セルP301〜P304が含まれ、逆流防止回路ST4には逆流防止セルP401〜P404が含まれ、それぞれクロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bに同期して動作することで、昇圧動作が行われる。
複数(N=4)のクロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bは、約(360度/N)の位相差を有するクロック信号であり、CLK1Aが「L」から「H」に遷移した後、CLK2Aが「L」から「H」に遷移し、その後、CLK1Bが「L」から「H」に遷移して、最後にCLK2Bが「L」から「H」に遷移する。CLK1AとCLK1B、及びCLK2AとCLK2Bは、それぞれ約180度の位相差を有することが望ましい。なお、昇圧セル列L01と昇圧セル列L03に対して、CLK1AとCLK1Bとをクロック信号として入力しているが、昇圧セル列L03に対して、CLK1Bに相当するCLK3Bを、CLK1Aに相当するCLK3Aをそれぞれ用いてもよい。また、同様に昇圧セル列L04に対してもCLK2Bに相当するCLK4Bを、CLK2Aに相当するCLK4Bをそれぞれ用いてもよい。N001〜N004、N101〜N104、N201〜N204、N301〜N304は昇圧セルP101〜P104,P201〜P204,P301〜P304の入出力端子であり、N401〜N404は逆流防止セルP401〜P404の中間端子である。
ここで昇圧セル列の順番について説明する。代表として昇圧ステージST1を一例とするが、他の昇圧ステージ、あるいは逆流防止回路でも同じである。
昇圧ステージST1に含まれる昇圧セルP101〜P104において、入力されるクロック信号が「L」から「H」に遷移する順番が昇圧セル列の順番となる。したがって、クロック信号CLK1Aが入力される昇圧セル列L01の昇圧セルP101を第1列目とすると、クロック信号CLK1Aが「L」から「H」に遷移した後、次に「L」から「H」に遷移するクロック信号CLK2Aを入力とする昇圧セル列L02の昇圧セルP102が第2列目となり、その次に「L」から「H」に遷移するクロック信号CLK1Bを入力する昇圧セル列L03の昇圧セルP103が第3列目となる。同様に、その次に「L」から「H」に遷移するクロック信号CLK2Bを入力する昇圧セル列L04の昇圧セルP104が最終列である第4列目となる。以上は、昇圧セル列が4並列を超える場合においても同様であり、任意の昇圧段における昇圧セルに入力されるクロック信号の「L」から「H」(「H」から「L」でも同様)への遷移順番が、昇圧セル列の順番となる。
昇圧セル列L01の昇圧セルP101,P201,P301、逆流防止セルP401は直列に接続され、先頭から(2K+1)段目(K≧0)の昇圧セルP101,P301はクロック信号CLK1Aを受け、一方先頭から(2K+2)段目の昇圧セルP201はクロック信号CLK1Bを受ける。また逆流防止セルP401は最終段の昇圧セルP301より1段前の昇圧セルP201と同様のクロック信号CLK1Bを受ける。
昇圧セル列L02の昇圧セルP102,P202,P302、逆流防止セルP402は直列に接続され、先頭から(2K+1)段目(K≧0)の昇圧セルP102,P302はクロック信号CLK2Aを受け、一方先頭から(2K+2)段目の昇圧セルP202はクロック信号CLK2Bを受ける。また逆流防止セルP402は最終段の昇圧セルP302より1段前の昇圧セルP202と同様のクロック信号CLK2Bを受ける。
昇圧セル列L03の昇圧セルP103,P203,P303、逆流防止セルP403は直列に接続され、先頭から(2K+1)段目(K≧0)の昇圧セルP103,P303はクロック信号CLK1Bを受け、一方先頭から(2K+2)段目の昇圧セルP203はクロック信号CLK1Aを受ける。また逆流防止セルP403は最終段の昇圧セルP303より1段前の昇圧セルP203と同様のクロック信号CLK1Aを受ける。
昇圧セル列L04の昇圧セルP104,P204,P304、逆流防止セルP404は直列に接続され、先頭から(2K+1)段目(K≧0)の昇圧セルP104,P304はクロック信号CLK2Bを受け、一方先頭から(2K+2)段目の昇圧セルP204はクロック信号CLK2Aを受ける。また逆流防止セルP404は最終段の昇圧セルP304より1段前の昇圧セルP204と同様のクロック信号CLK2Aを受ける。
これらにより、昇圧セルP101〜P104,P201〜P204,P301〜P304、逆流防止セルP401〜P404は図1に記載の通り、ある時間における昇圧クロックの状態は『0』『1』の関係で示される。
次に、各昇圧ステージST1〜ST4に含まれる各昇圧セルP101〜P104,P201〜P204,P301〜P304、逆流防止セルP401〜P404について説明する。
1段目の昇圧ステージST1に含まれる昇圧セルP101〜P104において、昇圧セル列L01の昇圧セルP101は、昇圧セル列L04の昇圧セルP104の入出力端子N104に接続され、入出力端子N104の電位に応じて、クロック信号CLK1Bの電位あるいは昇圧セル列L03の昇圧セルP103の入出力端子N103の電位を切り替えて昇圧動作を行う。
同様に、昇圧セル列L02の昇圧セルP102は、昇圧セル列L01の昇圧セルP101の入出力端子N101に接続され、入出力端子N101の電位に応じて、クロック信号CLK2Bの電位あるいは昇圧セル列L04の昇圧セルP104の入出力端子N104の電位を切り替えて昇圧動作を行う。
また、昇圧セル列L03の昇圧セルP103は、昇圧セル列L02の昇圧セルP102の入出力端子N102に接続され、入出力端子N102の電位に応じて、クロック信号CLK1Aの電位あるいは昇圧セル列L01の昇圧セルP101の入出力端子N101の電位を切り替えて昇圧動作を行う。
また、昇圧セル列L04の昇圧セルP104は、昇圧セル列L03の昇圧セルP103の入出力端子N103に接続され、入出力端子N103の電位に応じて、クロック信号CLK2Aの電位あるいは昇圧セル列L02の昇圧セルP102の入出力端子N102の電位を切り替えて昇圧動作を行う。
これらは、M並列(M=4)から構成される昇圧セル列L01〜L04の1段目の昇圧ステージST1において、K列目の昇圧セルは、(K−1)列目(1≦K≦M、K=1のときは(K−1)=M列目)の昇圧セルの出力端子に接続され、(K−1)列目の昇圧セルの出力端子の電位に応じて、昇圧セルに入力されるクロック信号に対して逆相のクロック信号の電圧と、K列目の昇圧セルに対して約180度位相が異なって動作しているKB列目の昇圧セル(K≦(M/2)のときはKB=(M/2+K)、K>(M/2)のときはKB=(K−M/2)列目)の出力端子電圧とを切り替えていることを意味する。
また、2段目の昇圧ステージST2において、K列目の昇圧セルは、(K−1)列目(1≦K≦M、K=1のときは(K−1)=M列目)の昇圧セルの出力端子に接続され、(K−1)列目の昇圧セルの出力端子の電位に応じて、K列目の昇圧セルに接続されている入出力端子(N201〜N204のいずれか)の電圧と、K列目の昇圧セルに対して約180度位相が異なって動作しているKB列目の昇圧セル(K≦M/2のときはKB=(M/2+K)、K>M/2のときはKB=(K−M/2))の出力端子電圧とを切り替えて昇圧動作を行う。3段目の昇圧ステージST3も、2段目の昇圧ステージST2と同様である。
逆流防止回路ST4において、K列目の逆流防止セルは、(K−1)列目(1≦K≦M、K=1のときは(K−1)=M列目)の逆流防止セルの中間端子(N401〜N404のいずれか)に接続され、(K−1)列目の逆流防止セルの中間端子の電位に応じて、K列目の逆流防止セルの中間端子(N401〜N404のいずれか)の電圧と、K列目の逆流防止セルに対して約180度位相が異なって動作しているKB列目の逆流防止セル(K≦M/2のときはKB=(M/2+K)、K>M/2のときはKB=(K−M/2))の出力端子電圧とを切り替えて昇圧動作を行う。
なお、昇圧ステージは3段に限らなくてよい。
<昇圧セルの構成>
図2(b)は、図1に示した昇圧ステージST2の昇圧セルP201〜P204、昇圧ステージST3の昇圧セルP301〜P304の構成を示す。昇圧セルP201〜P204,P301〜P304の各々は、電荷転送トランジスタM1と、オフスイッチ・トランジスタM2と、オンスイッチ・トランジスタM3と、昇圧容量C1とを含む。
電荷転送トランジスタM1は、入力端子INPUTから出力端子OUTPUTへ電荷を転送する。オフスイッチ・トランジスタM2は、制御信号Sigの電位に応じて電荷転送トランジスタM1のゲートN1の電圧を入力端子INPUTの電圧とイコライズして電荷転送トランジスタM1をオフ状態にする。オンスイッチ・トランジスタM3は、制御信号Sigの電位に応じてソース信号SourcePの電位を電荷転送トランジスタM1のゲートN1に供給し、電荷転送トランジスタM1をオン状態にする。昇圧容量C1は、昇圧セルP201〜P204,P301〜P304に入力されるクロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bのいずれかに同期してポンピングされる。
図2(a)は、図1に示した1段目の昇圧ステージST1に含まれる昇圧セルP101〜P104の構成を示す。昇圧セルP101〜P104は、図2(b)に示した昇圧セルP201〜P204,P301〜P304の構成に対して、オフスイッチ・トランジスタM2のソースに与える信号SourceNを昇圧セルP101〜P104に入力されるクロック信号と逆相のクロック信号で制御したものである。なお、1段目の昇圧ステージST1に、2,3段目の昇圧セルP201〜P204,P301〜P304を用いることも可能である。
<逆流防止セル>
図2(c)は、図1に示した逆流防止回路ST4に含まれる逆流防止セルP401〜P404の構成を示す。逆流防止セルP401〜P404の構成は、図2(b)に示した昇圧セルP201〜P204,P301〜P304に対して、出力端子OUTPUTに加えて、中間端子IntNoDeを設け、入力端子INPUTと中間端子IntNoDeとの間にダイオード接続トランジスタM4を接続し、更に昇圧容量C1を中間端子IntNoDeとクロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bとの間に配置したものであり、クロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bのいずれかに同期させて昇圧動作を行う。
なお、図2(c)に示す逆流防止セルの構成は一例であり、同様の機能を満たすものであれば、他の構成でもよい。例えば、図2(d)に示すようにソース信号SourcePにゲートを接続し、出力端子OUTPUTと中間端子IntNoDeとの間にトランジスタM5を設ける。昇圧容量C1を中間端子IntNoDeとクロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bとの間に配置する。ダイオード接続トランジスタM4は、図2(d)に示すように電源電圧と中間端子IntNoDeとの間に接続してもよいし、入力端子INPUTと中間端子IntNoDeとの間に接続してもよい。このようにすることで、図2(c)と同様の機能を満たすことができる。したがって、図2(c)と同様の機能を満たすものであれば、構成は図2(c)に限らない。
<動作>
次に、図3を参照しつつ、図1に示した昇圧回路100による動作について説明する。なお、クロック信号CLK1A,CLK2A,CLK1B,CLK2Bの各々は、電源電位Vddと接地電位Vssとの間で振幅するものとし、昇圧回路100の出力端子には電流負荷が存在せずかつ電圧リミットがない場合について説明する。また、図中のVV1,VV2,VV3,VV4は、
(VV1)=Vdd+α・Vdd
(VV2)=Vdd+2α・Vdd
(VV3)=Vdd+3α・Vdd
(VV4)=Vdd+4α・Vdd−Vt
の通りである。
また、図4(a)〜図4(d)を用いて、昇圧セルP101〜P104,P201〜P204,P301〜P304、逆流防止セルP401〜P404の代表として昇圧セルP301を用いて、昇圧セルと逆流防止セルとの動作モードを分類すると共に、各動作モードにおけるクロック信号CLK、昇圧セルの入力端子(INPUT)の電圧、制御信号Sig、ソース信号SourcePの電位の関係と制約条件とを明確にする。
〔時刻T1〕
まず、時刻T1において、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を行う昇圧セル列L01の昇圧ステージST1の昇圧セルP101と、昇圧ステージST3の昇圧セルP301との各々のオフスイッチ・トランジスタM2のソース信号SourceNの電圧は、
(CLK1B) = H = Vdd
(VN201) = VV2
である。また、昇圧セル列L03の昇圧セルP103,P303に入力されているクロック信号CLK1Bは「H」であり、入出力端子N103,N303の電圧VN103,VN303は、
(VN103)= VV1
(VN303)= VV3
である。また、昇圧セル列L04の昇圧セルP104,P304に入力されているクロック信号CLK2Bも「H」であり、入出力端子N104,N304の電圧VN104,VN304は、
(VN104)= VV1
(VN304)= VV3
に設定されている。これらにより、昇圧セル列L01の昇圧セルP101,P301の各々では、オンスイッチ・トランジスタM3のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN104)−(VN103) = VV1−VV1 = 0
(VN304)−(VN303) = VV3−VV3 = 0
となる。一方、オフスイッチ・トランジスタM2のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN104)−(CLK1B) = VV1−Vdd = α・Vdd
(VN304)−(VN201) = VV3−VV2 = α・Vdd
となり、オフスイッチ・トランジスタM2が導通状態となっている。したがって、昇圧セル列L01の昇圧セルP101,P301の各々の電荷転送トランジスタM1のゲートN1の電圧VN1は、それぞれVdd、VV2となり、昇圧セルP101,P301の各々の電荷転送トランジスタM1のゲートとソースとの間の電位差は、
(P101のVN1)−(VN001)= Vdd−Vdd = 0
(P301のVN1)−(VN201)= VV2−VV2 = 0
となり同電位に設定され、電荷転送トランジスタM1が非導通状態となっている。
また、同様に、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を行う昇圧セル列L03の昇圧ステージST2の昇圧セルP203と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP403とにおいても、各々のオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態となり、電荷転送トランジスタM1は、ゲートとソースとが同電位に設定され、非導通状態となっている。
〔時刻T2〕
次に、時刻T2になると、クロック信号CLK1Aが「L」から「H」へ遷移する。これにより、昇圧セル列L01の昇圧ステージST1の昇圧セルP101と昇圧ステージST3の昇圧セルP301との各々の入出力端子N101,N301の電圧VN101,VN301が昇圧され、
(VN101)= VV1
(VN301)= VV3
となる。このとき、昇圧セルP101,P301の各々の電荷転送トランジスタM1は、時刻T1において非導通状態に設定されているため、これらの電荷転送トランジスタM1を介した電荷の逆流が発生することがないことは明らかである。
また、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧セルP101,P301の昇圧動作が行われると同時に、クロック信号CLK1Bが「H」から「L」に遷移するため、昇圧セル列L01の昇圧ステージST2の昇圧セルP201と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP401とは電荷転送状態となる。昇圧セルP201と逆流防止セルP401との各端子電圧は以下の通りである。
昇圧セル列L04の昇圧ステージST2の昇圧セルP204と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP404とに入力されるクロック信号CLK2Aは「L」が保持され、入出力端子N204と中間端子N404との電圧VN204,VN404は、
(VN204)= VV1
(VN404)= VV3−Vt
である。また、昇圧セル列L03の昇圧ステージST2の昇圧セルP203と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP403とは、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧されるため、入出力端子N203と中間端子N403との電圧VN203,VN403は、
(VN203)= VV2
(VN403)= VV4
となる。これらにより、昇圧セル列L01の昇圧ステージST2の昇圧セルP201と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP401との各々では、オンスイッチ・トランジスタM3のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN204)−(VN203) = VV1−VV2 = −α・Vdd
(VN404)−(VN403) = VV3−Vt−VV4= −α・Vdd
となる。一方、オフスイッチ・トランジスタM2のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN204)−(VN101) = VV1−VV1 = 0
(VN404)−(VN301) = VV3−Vt−VV3 = −Vt
となり、オンスイッチ・トランジスタM3が導通状態となる。これにより、昇圧セルP201と逆流防止セルP401との各々の電荷転送トランジスタM1のゲートN1の電圧VN1は、それぞれVV2、VV4となり、昇圧セルP201と逆流防止セルP401との各々の電荷転送トランジスタM1のゲートとソースとの間の電位差は、
(P201のVN1)−(VN101) = VV2−VV1 = α・Vdd
(P401のVN1)−(VN301) = VV4−VV3 = α・Vdd−Vt
となり、昇圧セルP201と逆流防止セルP401との電荷転送トランジスタM1が導通状態となって電荷転送状態になる。これにより、昇圧ステージST1の昇圧セルP101で昇圧された入出力端子N101の電荷は、昇圧ステージST2の昇圧セルP201を介して入出力端子N201へ転送される。また、昇圧ステージST3の昇圧セルP301で昇圧された入出力端子N301の電荷は、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP401を介して昇圧回路100の出力端子に転送され、昇圧回路の出力電圧VPUMPを上昇させる。
更に、昇圧セル列L01の昇圧ステージST1の昇圧セルP101で昇圧された入出力端子N101の電荷は、次列である昇圧セル列L02の同1段である昇圧ステージST1の昇圧セルP102にも供給される。同様に、昇圧セル列L01の昇圧ステージST3の昇圧セルP301で昇圧された入出力端子N301の電荷は、次列である昇圧セル列L02の同1段である昇圧ステージST3の昇圧セルP302にも供給される。これにより、次列である昇圧セルP102,P302のオンスイッチ・トランジスタM3とオフスイッチ・トランジスタM2とのゲート電圧が上昇し、昇圧セルP102,P302の各々では、オンスイッチ・トランジスタM3のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN101)−(VN104) = (VV1)−(VV1) = 0
(VN301)−(VN304) = (VV3)−(VV3) = 0
となる。一方、オフスイッチ・トランジスタM2のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN101)−(CLK2B) = (VV1)−(Vdd) = α・Vdd
(VN301)−(VN202) = (VV3)−(VV2) = α・Vdd
となり、オフスイッチ・トランジスタM2が導通状態となる。これにより、時刻T1における昇圧セルP101,P301と同様に、昇圧セル列L02の昇圧ステージST1の昇圧セルP102と、昇圧ステージST3の昇圧セルP302との各々の電荷転送トランジスタM1のゲートN1の電圧VN1は、それぞれVdd、VV2となり、ゲートとソースとが同電位に設定されて、これらの電荷転送トランジスタM1が非導通状態となる。
以上のように、時刻T2における昇圧セル列L01の昇圧セルP101,P301と同様の動作が、昇圧セル列L03の昇圧セルP203と、逆流防止セルP403とにおいても実施される。簡単に説明すると、時刻T1に昇圧セル列L03の昇圧セルP203と、逆流防止セルP403との電荷転送トランジスタM1が非導通状態に設定された状態において、時刻T2で昇圧セルP203の入出力端子N203と逆流防止セルP403の中間端子N403とが昇圧される。電位が上昇した入出力端子N203の電荷は次段である昇圧ステージST3の昇圧セルP303を介して入出力端子N303に転送される。更に、昇圧セルP203の入出力端子N203の電荷は次列である昇圧セル列L04の昇圧セルP204に入力され、また、同様に逆流防止セルP403の中間端子N403の電荷も次列である昇圧セル列L04の逆流防止セルP404に入力される。これにより、昇圧セル列L04の昇圧セルP204と逆流防止セルP404とのそれぞれのオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態に設定され、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に設定する。
〔時刻T3〕
次に、時刻T3になると、クロック信号CLK2Aが「L」から「H」へ遷移する。これにより、昇圧セル列L02の昇圧ステージST1の昇圧セルP102と、昇圧ステージST3の昇圧セルP302との各々の入出力端子N102,N302の電圧VN102,VN302が昇圧され、
(VN102)= VV1
(VN302)= VV3
となる。このとき、昇圧セルP102,P302の各々の電荷転送トランジスタM1は、時刻T2において非導通状態に設定されているため、これらの電荷転送トランジスタM1を介した電荷の逆流が発生することがないことは明らかである。
また、クロック信号CLK2Aに同期して昇圧セルP102,P302の昇圧動作が行われると同時に、クロック信号CLK2Bが「H」から「L」に遷移するため、昇圧セル列L02の昇圧ステージST2の昇圧セルP202と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP402とは電荷転送状態となる。昇圧セルP202と逆流防止セルP402との各端子電圧は以下の通りである。
昇圧セル列L01の昇圧ステージST2の昇圧セルP201と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP401とに入力されるクロック信号CLK1Bは「L」が保持され、入出力端子N201と中間端子N401との電圧VN201,VN401は、
(VN201)= VV1
(VN401)= VV3−Vt
である。また、昇圧セル列L04の昇圧ステージST2の昇圧セルP204と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP404とは、クロック信号CLK2Aに同期して昇圧されるため、入出力端子N204と中間端子N404との電圧VN204,VN404は、
(VN204)= VV2
(VN404)= VV4
となる。これらにより、昇圧セル列L02の昇圧ステージST2の昇圧セルP202と、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP402との各々では、オンスイッチ・トランジスタM3のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN201)−(VN204) = VV1−VV2 = −α・Vdd
(VN401)−(VN404) = VV3−Vt−VV4= −α・Vdd
となる。一方、オフスイッチ・トランジスタM2のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN201)−(VN102) = VV1−VV1 = 0
(VN401)−(VN302) = VV3−Vt−VV3 = −Vt
となり、オンスイッチ・トランジスタM3が導通状態となる。これにより、昇圧セルP202と逆流防止セルP402との各々の電荷転送トランジスタM1のゲートN1の電圧VN1は、それぞれVV2、VV4となり、昇圧セルP202と逆流防止セルP402との各々の電荷転送トランジスタM1のゲートとソースとの間の電位差は、
(P202のVN1)−(VN102) = VV2−VV1 = α・Vdd
(P402のVN1)−(VN302) = VV4−VV3 = α・Vdd−Vt
となり、昇圧セルP202と逆流防止セルP402との電荷転送トランジスタM1が導通状態となって電荷転送状態になる。これにより、昇圧ステージST1の昇圧セルP102で昇圧された入出力端子N102の電荷は、昇圧ステージST2の昇圧セルP202を介して入出力端子N202へ転送される。また、昇圧ステージST3の昇圧セルP302で昇圧された入出力端子N302の電荷は、逆流防止回路ST4の逆流防止セルP402を介して昇圧回路100の出力端子に転送され、昇圧回路の出力電圧VPUMPを上昇させる。
更に、昇圧セル列L02の昇圧ステージST1の昇圧セルP102で昇圧された入出力端子N102の電荷は、次列である昇圧セル列L03の同1段である昇圧ステージST1の昇圧セルP103にも供給される。同様に、昇圧セル列L02の昇圧ステージST3の昇圧セルP302で昇圧された入出力端子N302の電荷は、次列である昇圧セル列L03の同1段である昇圧ステージST3の昇圧セルP303にも供給される。これにより、次列である昇圧セルP103,P303のオンスイッチ・トランジスタM3とオフスイッチ・トランジスタM2とのゲート電圧が上昇し、昇圧セルP103,P303の各々では、オンスイッチ・トランジスタM3のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN102)−(VN101) = (VV1)−(VV1) = 0
(VN302)−(VN301) = (VV3)−(VV3) = 0
となる。一方、オフスイッチ・トランジスタM2のゲートとソースとの間の電位差は、
(VN102)−(CLK1A) = (VV1)−(Vdd) = α・Vdd
(VN302)−(VN203) = (VV3)−(VV2) = α・Vdd
となり、オフスイッチ・トランジスタM2が導通状態となる。これにより、時刻T2における昇圧セルP102,P302と同様に、昇圧セル列L03の昇圧ステージST1の昇圧セルP103と、昇圧ステージST3の昇圧セルP303との各々の電荷転送トランジスタM1のゲートN1の電圧VN1は、それぞれVdd、VV2となり、ゲートとソースとが同電位に設定されて、これらの電荷転送トランジスタM1が非導通状態となる。
以上のように、時刻T3における昇圧セル列L02の昇圧セルP102,P302と同様の動作が、昇圧セル列L04の昇圧セルP204と、逆流防止セルP404とにおいても実施される。簡単に説明すると、時刻T2に昇圧セル列L04の昇圧セルP204と逆流防止セルP404との各々の電荷転送トランジスタM1が非導通状態に設定された状態において、時刻T3で昇圧セルP204の入出力端子N204と逆流防止セルP404の中間端子N404とが昇圧される。電位が上昇した入出力端子N204の電荷は、次段である昇圧ステージST3の昇圧セルP304を介して入出力端子N304に転送される。更に、最終列である昇圧セルP204の入出力端子N204の電荷は、最初の列である昇圧セル列L01の昇圧セルP201に入力され、また、同様に最終列である逆流防止セルP404の中間端子N404の電荷も最初の列である昇圧セル列L01の逆流防止セルP401に入力される。これにより、昇圧セル列L01の昇圧セルP201と逆流防止セルP401とのそれぞれのオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態に設定され、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に設定する。
〔時刻T4〕
次に、時刻T4になると、クロック信号CLK1Bが「L」から「H」へ遷移する。これにより、昇圧セル列L03の昇圧ステージST1の昇圧セルP103と昇圧ステージST3の昇圧セルP303との各々の入出力端子N103,N303の電圧VN103,VN303が昇圧される。このとき、昇圧セルP103,P303の各々の電荷転送トランジスタM1は、時刻T3において非導通状態に設定されているため、これまでと同様、これらの電荷転送トランジスタM1を介した電荷の逆流が発生することがないことは明らかである。
電位が上昇した昇圧セルP103の入出力端子N103の電荷は、次段である昇圧ステージST2の昇圧セルP203を介して入出力端子N203に転送され、昇圧セルP303の入出力端子N303の電荷は、次段である逆流防止回路ST4の逆流防止セルP403を介して昇圧回路100の出力端子に転送され、昇圧電圧VPUMPを上昇させる。更に、昇圧セルP103の入出力端子N103の電荷は次列である昇圧セル列L04の昇圧セルP104に入力され、また、同様に昇圧セルP303の入出力端子N303の電荷も次列である昇圧セル列L04の昇圧セルP304に入力される。これにより、昇圧セル列L04の昇圧セルP104,P304のそれぞれのオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態に設定され、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に設定する。
以上のように、時刻T4における昇圧セル列L03の昇圧セルP103,P303と同様の動作が、昇圧セル列L01の昇圧セルP201と逆流防止セルP401とにおいても実施される。簡単に説明すると、時刻T3に昇圧セル列L01の昇圧セルP201と逆流防止セルP401との各々の電荷転送トランジスタM1が非導通状態に設定された状態において、時刻T4で昇圧セルP201の入出力端子N201と逆流防止セルP401の中間端子N401とが昇圧される。電位が上昇した入出力端子N201の電荷は、次段である昇圧ステージST3の昇圧セルP301を介して入出力端子N301に転送される。更に、昇圧セルP201の入出力端子N201の電荷は次列である昇圧セル列L02の昇圧セルP202に入力され、また、同様に逆流防止セルP401の中間端子N401の電荷も次列である昇圧セル列L02の逆流防止セルP402に入力される。これにより、昇圧セル列L02の昇圧セルP202と逆流防止セルP402とのそれぞれのオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態に設定され、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に設定する。
〔時刻T5〕
次に、時刻T5になると、クロック信号CLK2Bが「L」から「H」へ遷移する。これにより、昇圧セル列L04の昇圧ステージST1の昇圧セルP104と昇圧ステージST3の昇圧セルP304との各々の入出力端子N104,N304の電圧VN104,VN304が昇圧される。このとき、昇圧セルP104,P304の各々の電荷転送トランジスタM1は、時刻T4において非導通状態に設定されているため、これまでと同様、これらの電荷転送トランジスタM1を介した電荷の逆流が発生することがないことは明らかである。
電位が上昇した昇圧セルP104の入出力端子N104の電荷は、次段である昇圧ステージST2の昇圧セルP204を介して入出力端子N204に転送され、昇圧セルP304の入出力端子N304の電荷は、次段である逆流防止回路ST4の逆流防止セルP404を介して昇圧回路100の出力端子に転送され、昇圧電圧VPUMPを上昇させる。更に、最終列である昇圧セルP104の入出力端子N104の電荷は、最初の列である昇圧セル列L01の昇圧セルP101に入力され、また、同様に最終列である昇圧セルP304の入出力端子N304の電荷も最初の列である昇圧セル列L01の昇圧セルP301に入力される。これにより、昇圧セル列L01の昇圧セルP101,P301のそれぞれのオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態に設定され、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に設定する。
以上のように、時刻T5における昇圧セル列L04の昇圧セルP104,P304と同様の動作が、昇圧セル列L02の昇圧セルP202と逆流防止セルP402とにおいても実施される。簡単に説明すると、時刻T4に昇圧セル列L02の昇圧セルP202と逆流防止セルP402との各々の電荷転送トランジスタM1が非導通状態に設定された状態において、時刻T5で昇圧セルP202の入出力端子N202と逆流防止セルP402の中間端子N402とが昇圧される。電位が上昇した入出力端子N202の電荷は、次段である昇圧ステージST3の昇圧セルP302を介して入出力端子N302に転送される。更に、昇圧セルP202の入出力端子N202の電荷は次列である昇圧セル列L03の昇圧セルP203に入力され、また、同様に逆流防止セルP402の中間端子N402の電荷も次列である昇圧セル列L03の逆流防止セルP403に入力される。これにより、昇圧セル列L03の昇圧セルP203と逆流防止セルP403とのそれぞれのオフスイッチ・トランジスタM2が導通状態に設定され、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に設定する。
時刻T5に遷移することで、時刻T1と同様の状態に戻る。このようにして、昇圧動作が繰り返される。
これまで、昇圧回路100の動作に関して説明を行ってきた。以上より、各昇圧セルP101〜P104,P201〜P204,P301〜P304、逆流防止セルP401〜P404の全ての昇圧セル、逆流防止回路の昇圧動作は、時刻T1〜T4の動作を繰り返すことで昇圧動作を行い、動作対象となる昇圧セルに対しては、昇圧準備状態として昇圧動作前に電荷転送トランジスタM1を導通状態から非導通状態に遷移させ、その後昇圧を実施(昇圧状態)し、昇圧後に電荷転送状態となって、昇圧準備状態に戻っていることが分かる。
したがって、1つの昇圧セルの昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態を説明することで、他の昇圧セル、逆流防止セルの動作を網羅することが可能である。
また、昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態における昇圧セル、あるいは逆流防止セルの端子電圧条件を明確にすることが可能であれば、端子電圧の条件が満たされていることを示すことで昇圧動作の実施が可能であることを示すことができる。
以上より、昇圧セル列L01の昇圧ステージST3の昇圧セルP301を代表として、図3と、図4(a)〜図4(d)とを用いて、昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態における昇圧セルへのクロック信号と各端子の電圧条件とを明らかにする。
まず、時刻T1において昇圧セルP301は、電荷転送トランジスタM1を導通状態から非導通状態に遷移させて、昇圧動作に備える必要がある。このときのクロック信号と各端子電圧は、
クロック信号 =L(CLK1A)
入力端子INPUT=VV2
出力端子OUTPUT=VV2
制御信号Sig=VV3(昇圧セルP304の入出力端子N304の電圧VN304)
SourceP=VV3(昇圧セルP303の入出力端子N303の電圧VN303)
である。これらより、クロック信号が「L」のとき、電荷転送トランジスタM1を非導通状態にするには、
1.オフスイッチ・トランジスタM2を導通状態にするために
V(制御信号Sig) ≧ V(INPUT)+Vtm2
2.オンスイッチ・トランジスタM3を非導通状態にするために
V(SourceP) ≦ V(Sig)+|Vtm3|
を満たせれば、電荷転送トランジスタM1のゲートとソースとの間をイコライズすることができる。ここでVtm2はオフスイッチ・トランジスタM2の閾値電圧、|Vtm3|はオンスイッチ・トランジスタM3の閾値電圧の絶対値である。
次に、時刻T2において昇圧セルP301は、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に保持させて、昇圧動作を行う必要がある。このときのクロック信号と各端子電圧は、
クロック信号 =H(CLK1A)
入力端子INPUT=VV1
出力端子OUTPUT=VV3
制御信号Sig=VV3(昇圧セルP304の入出力端子N304の電圧VN304)
SourceP=VV2(昇圧セルP303の入出力端子N303の電圧VN303)
である。これらより、クロック信号が「H」のとき、電荷転送トランジスタM1を非導通状態にするには、
1.オフスイッチ・トランジスタM2を導通状態にするために
V(制御信号Sig) ≧ V(INPUT)+Vtm2
2.オンスイッチ・トランジスタM3を非導通状態にするために
V(SourceP) ≦ V(Sig)+|Vtm3|
を満たせれば、電荷転送トランジスタM1のゲートとソースとの間をイコライズすることができる。
次に、時刻T3において昇圧セルP301は、電荷転送トランジスタM1を非導通状態に保持させて、昇圧動作を保持する必要がある。このときのクロック信号と各端子電圧は、
クロック信号 =H(CLK1A)
入力端子INPUT=VV1
出力端子OUTPUT=VV3
制御信号Sig=VV2(昇圧セルP304の入出力端子N304の電圧VN304)
SourceP=VV2(昇圧セルP303の入出力端子N303の電圧VN303)
である。これらより、クロック信号が「H」のとき、電荷転送トランジスタM1を非導通状態にするには、
1.オフスイッチ・トランジスタM2を導通状態にするために
V(制御信号Sig) ≧ V(INPUT)+Vtm2
2.オンスイッチ・トランジスタM3を非導通状態にするために
V(SourceP) ≦ V(Sig)+|Vtm3|
を満たせれば、電荷転送トランジスタM1のゲートとソースとの間をイコライズすることができる。上記クロック信号が「H」のときの電圧条件は、時刻T2と同じ条件である。
最後に、時刻T4において昇圧セルP301は、電荷転送トランジスタM1を非導通状態から導通状態に遷移させて、入力端子INPUTから出力端子OUTPUTに電荷を転送する必要がある。このときのクロック信号と各端子電圧は、
クロック信号 =L(CLK1A)
入力端子INPUT=VV2
出力端子OUTPUT=VV2
制御信号Sig=VV2(昇圧セルP304の入出力端子N304の電圧VN304)
SourceP=VV3(昇圧セルP303の入出力端子N303の電圧VN303)
である。これらより、クロック信号が「L」のとき、電荷転送トランジスタM1を導通状態にするには、
1.オフスイッチ・トランジスタM2を非導通状態にするために
V(制御信号Sig) ≦ V(INPUT)+Vtm2
2.オンスイッチ・トランジスタM3を非導通状態にするために
V(SourceP) ≧ V(Sig)+|Vtm3|
を満たせれば、電荷転送トランジスタM1を導通状態にすることができる。
以上より、昇圧セル、逆流防止セルの昇圧動作状態をまとめたものが図5である。昇圧動作状態としては、(1)昇圧準備状態、(2)昇圧状態、(3)電荷転送状態があり、クロック信号と各端子の電圧条件は図5の通りである。
追記すべき条件として、次のような禁止条件と許容条件とがある。まず、各動作状態の遷移時における禁止条件として、ソース信号SourcePと入力端子INPUTとが短絡してしまい、電荷が後段から前段へ逆流する電圧条件がある。その条件は、
禁止条件:
V(INPUT)+Vtm2≦V(Sig)+|Vtm3|≦V(SourceP)
である。
また、動作遷移時に、電荷転送トランジスタM1のゲートN1がHiz(ハイ・インピーダンス)状態となるが、後段の入出力端子から前段の入出力端子へと電荷の逆流が発生しない許容条件がある。その条件は、
許容条件:
V(INPUT) = V(Sig) = V(SourceP)
である。
以上より、動作対象となる昇圧セル、逆流防止セルのクロック信号に対して、V(Sig)、V(SourceP)は、上記条件を満たすものであれば、本実施形態でのV(Sig)、V(SourceP)の接続に限らず、昇圧動作において電荷転送トランジスタM1を介した電荷の逆流を防止できる効果が期待できる。
なお、昇圧セル、逆流防止セルの構成は一例であり、同様の機能を満たすものであればよく、昇圧ステージ数も3段に限らず任意でよい。
以降の実施形態では、昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態における昇圧セル、あるいは逆流防止セルの端子電圧条件を明確にし、端子電圧の条件が満たされていることを示すことで昇圧動作の実施が可能であることを示す。
<効果>
以上のように、4つのクロック信号を4並列(M=4)の昇圧セル列に適用し、K列目(1≦K≦M)の昇圧セルを(K−1)列目((K−1)=0のときは、(K−1)はM列目となる)の昇圧セルの出力端子に接続して、(K−1)列目の昇圧セルの出力端子の電位に応じて、K列目の昇圧セルの入力端子の電圧と、約180度位相が異なって動作しているKB列目の昇圧セル(K≦M/2のときはKB=(M/2+K)、K>M/2のときはKB=(K−M/2)列目)の出力端子電圧とを切り替えて制御することで、複雑なクロックを使わずとも昇圧動作時に電荷転送トランジスタを非導通状態に設定することが可能となり、昇圧効率の低下を抑制することが可能となった。
(第2の実施形態)
<構成>
図6は、本発明の第2の実施形態による昇圧回路200を示す。図6は、図1の昇圧回路100の3段目の昇圧ステージST3に相当する回路ブロックであり、昇圧回路100の昇圧ステージST3からの変更点として、昇圧セル列数を4並列から昇圧セル列L01〜L12の12並列に変更して、昇圧セルP301〜P312としている。それに伴い、昇圧セルP301〜P312の入出力端子N201〜N212,N301〜N312を備え、更に各昇圧セルP301〜P312はクロック信号CLK1A〜CLK6A,CLK1B〜CLK6Bに同期して昇圧動作を繰り返し、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を行う昇圧セル列を1列目(L01)とし、以降、クロック信号CLK2A〜CLK6Aに同期して昇圧動作を行う昇圧セル列を2〜6列目(L02〜L06)、クロック信号CLK1B〜CLK6Bに同期して昇圧動作を行う昇圧セル列を7〜12列目(L7〜L12)とする。なお、クロック信号CLK1AとCLK1Bは、相補的に振幅するクロック信号であり、同様にCLK2AとCLK2B、CLK3AとCLK3B、CLK4AとCLK4B、CLK5AとCLK5B、CLK6AとCLK6Bもそれぞれ相補的な関係にある。
図8は、12並列である昇圧回路200の動作波形である。第1の実施形態で述べたように、複数の昇圧セル、逆流防止セルの動作状態は互いに同様であることから、ここではクロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を繰り返す昇圧セルP301を代表として、昇圧回路200の動作を説明する。ここで、図8の制御信号Sigは、CaseAが適用され、クロック信号CLK6Bに同期して昇圧動作を繰り返す昇圧セル列L12の昇圧セルP312の入出力端子N312の電圧であり、ソース信号SourcePは、クロック信号CLK1Bに同期して昇圧動作を繰り返す昇圧セル列L07の昇圧セルP307の入出力端子N307の電圧である。
なお、昇圧セル列がM列(M=12)である昇圧回路200のK列目(1≦K≦M)の昇圧セルは、(K−1)列目((K−1)=0のときは、(K−1)はM列目となる)に対応する昇圧セルP301〜P312の入出力端子N301〜N312に接続され、(K−1)列目の昇圧セルP301〜P312の入出力端子N301〜N312の電位に応じて、K列目の昇圧セルの入力端子INPUTの電圧と、約180度位相が異なって動作しているKB列目(K≦M/2のときはKB=(M/2+K)、K>M/2のときはKB=(K−M/2))の昇圧セルの出力端子電圧とを切り替えて昇圧動作を行っている。
<動作>
第1の実施形態の図5に述べたように、図8の動作波形(制御信号:SigはCaseA)を用いて、クロック信号CLK1Aに同期している昇圧回路200の動作状態を昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態に分類することができる。
時刻Taにおいて、クロック信号CLK1Aが「L」であり、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV3 = V(Sig)=VV3
であることから、時刻Taにおいて昇圧準備状態である。
次に、時刻Tbにおいて、クロック信号CLK1Aが「H」であり、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP)=VV2 < V(Sig)=VV3
であることから、時刻Tbにおいて昇圧状態である。
時刻Tgにおいて、クロック信号CLK6Bが「H」から「L」に遷移するが、
V(制御信号Sig)=VV2 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP)=VV2 = V(Sig)=VV2
であることから、昇圧状態を保持する。
次に、時刻Thにおいて、クロック信号CLK1Aが「H」から「L」へ遷移し、
V(制御信号Sig)=VV2 = V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV3 > V(Sig)=VV2
となって、電荷転送状態となる。
次に、時刻Tmになって、時刻Taと同じ状態である昇圧準備状態となる。
このとき、第1の実施形態で示した電荷転送時間が(クロック信号サイクル/4)であったのに対し、(クロック信号サイクル×5/12)と長くなり、電荷転送時間を長くすることができ、電荷転送トランジスタのレイアウトサイズの増大を抑制できる。
なお、昇圧セル列を12並列として説明を行ったが、第1の実施形態でも示した4並列、6並列、8並列など、昇圧セル列2N+4(N≧0)並列であれば、同様の効果を期待できる。また、昇圧回路200の昇圧段数は3段に限らず任意でよい。
<効果>
昇圧セル列を増やすことによって、電荷転送時間を長くすることができ、電荷転送トランジスタのレイアウトサイズの増大を抑制できる。
(第3の実施形態)
<構成>
図7は、本発明の第3の実施形態による昇圧回路210を示す。図7は、図6の昇圧回路200の変形例であり、昇圧回路200からの変更点として、昇圧セルP301の制御信号Sigとして、クロック信号CLK2Bに同期して昇圧動作を繰り返す昇圧セル列L08の昇圧セルP308の入出力端子N308が接続されている(図8では、制御信号Sigにおいて、CaseBが適用される)。
また他の昇圧セルについても、M並列(M=12)から構成される昇圧セル列において、K列目(1≦K≦M)の昇圧セルは、A列前(A=M/2−1=5)であるKA列目((K−A)>0のとき、KA=(K−A)、(K−A)≦0のとき、KA=(M−|K−A|))の昇圧セルP301〜P312の入出力端子N301〜312の電位に応じて、K列目の昇圧セルの入力端子INPUTの電圧と、約180度位相が異なって動作しているKB列目(K≦M/2のときはKB=(M/2+I)、K>M/2のときはKB=(I−M/2))の昇圧セルの出力端子電圧とを切り替えて昇圧動作を行っている。
なお、第2の実施形態と同様、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を繰り返す昇圧セルP301を代表として、昇圧回路210の動作を説明する。
<動作>
第1の実施形態の図5に述べたように、図8の動作波形(制御信号:SigはCaseB)を用いて、クロック信号CLK1Aに同期している昇圧回路210の昇圧セルP301の動作状態を昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態に分類することができる。
時刻Taにおいて、クロック信号CLK1Aが「L」であり、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV3 = V(Sig)=VV3
であることから、時刻Taにおいて昇圧準備状態である。
次に、時刻Tbにおいて、クロック信号CLK1Aが「H」であり、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP)=VV2 < V(Sig)=VV3
であることから、時刻Tbにおいて昇圧状態である。
時刻Tcにおいて、クロック信号CLK2Bが「H」から「L」に遷移するが、
V(制御信号Sig)=VV2 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP)=VV2 = V(Sig)=VV2
であることから、昇圧状態を保持する。
次に、時刻Thにおいて、クロック信号CLK1Aが「H」から「L」へ遷移し、
V(制御信号Sig)=VV2 = V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV3 > V(Sig)=VV2
となって、電荷転送状態となる。
次に、時刻Tmになって、時刻Taと同じ状態である昇圧準備状態となる。
これらより、電荷転送時間が(クロック信号サイクル×1/12)となり、電荷転送時間が短くなっていることが分かる。
第2の実施形態及び第3の実施形態より、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を行う昇圧セルP301の制御信号Sigはクロック信号CLK6B〜CLK4B〜CLK2Bに同期して昇圧動作を行う昇圧セルの出力端子OUTPUTに接続することが可能であり、電荷転送時間を(クロック信号サイクル×1/12)から(クロック信号サイクル×5/12)まで調整可能であることを示している(第1の実施形態で示した昇圧セルの電圧条件を満たす)。
つまり、M並列(M≧4)から構成される昇圧セル列において、K列目(1≦K≦M)の昇圧セルは、A列前(1≦A≦M/2−1)であるKA列目((K−A)>0のときはKA=(K−A)、(K−A)≦0のときはKA=(M−|K−A|))の昇圧セルの出力端子OUTPUTの電位に応じて、電荷転送トランジスタM1を制御することが可能であり、電荷転送時間を一定の制約の元で調整することが可能である。
昇圧セル列数Mが大きくなると、クロック信号間の時間差ΔTが小さくなり、昇圧準備状態から昇圧状態への遷移時間が短くなる。それによって、電荷転送トランジスタM1が十分に非導通状態に設定することが困難となる課題に対して、制御信号Sigを接続する昇圧セルの出力端子を任意に変更(Aを設定)することで、最適な昇圧準備状態の時間を設定し、かつ十分な電荷転送時間を設定して解決している。
<効果>
M並列(M≧4)から構成される昇圧セル列において、K列目の昇圧セルの制御信号SigをA列前(1≦A≦M/2−1)の昇圧セルの出力端子OUTPUTに接続することで、電荷転送トランジスタに対して、最適な昇圧準備状態の時間を設定し、かつ十分な電荷転送時間の調整を可能とする。
(第4の実施形態)
<構成>
図9は、本発明の第4の実施形態による昇圧回路220を示す。図9は、図6の昇圧回路200の変形例であり、昇圧回路200からの変更点として、昇圧セルP301のソース信号SourcePに、クロック信号CLK5Bに同期して昇圧動作を行う昇圧セル列L11の昇圧セルP311の入出力端子N311を接続している。
また、他の昇圧セルにおいても、M並列(M=12)から構成される昇圧セル列において、K列目(1≦K≦M)の昇圧セルのソース信号SourcePは、B列前(A<B≦M/2:Aは第3の実施形態に記載した値)であるKB列目((K−B)>0のときはKB=(K−B)、(K−B)≦0のときはKB=(M−|K−B|))の昇圧セルの出力端子OUTPUTに接続してもよい。昇圧回路220では、B=2列前を一例として説明する。
<動作>
第1の実施形態の図5に述べたように、図10の動作波形(ソース信号SourcePはCaseC)を用いて、クロック信号CLK1Aに同期している昇圧回路220の昇圧セルP301の動作状態を昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態に分類することができる。
なお、図10中のCaseAは、第2の実施形態で述べた昇圧回路200の動作波形である。
時刻Taにおいて、クロック信号CLK1Aが「L」であり、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV3 = V(Sig)=VV3
であることから、時刻Taにおいて昇圧準備状態である。
次に、時刻Tbにおいて、クロック信号CLK1Aが「H」であり、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP)=VV3 = V(Sig)=VV3
であることから、時刻Tbにおいて昇圧状態である。
時刻Tfにおいて、クロック信号CLK5Bが「H」から「L」に遷移するが、
V(制御信号Sig)=VV3 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP)=VV2 = V(Sig)=VV3
であることから、昇圧状態を保持する。
次に、時刻Thにおいて、クロック信号CLK1Aが「H」から「L」へ遷移し、
V(制御信号Sig)=VV2 = V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV2 = V(Sig)=VV2
となって、電荷転送トランジスタM1のゲートN1がHizとなる。しかし、昇圧セルの後段から前段への電荷の逆流は発生しない。
次に、時刻Tlにおいて、クロック信号CLK5Bが「L」から「H」へ遷移し、
V(制御信号Sig)=VV2 = V(INPUT)=VV2
V(SourceP)=VV3 > V(Sig)=VV2
となって、電荷転送状態となる。
次に、時刻Tmになって、時刻Taと同じ状態である昇圧準備状態となる。
これらより、電荷転送状態前に、電荷転送トランジスタM1のゲートN1がHizとなる。しかし、電荷転送トランジスタM1を介した昇圧セルの後段から前段への電荷の逆流は発生しない。
第2の実施形態及び第4の実施形態より、クロック信号CLK1Aに同期して昇圧動作を行う昇圧セルP301のソース信号SourcePは、クロック信号CLK5B〜CLK3B〜CLK1Bに同期して昇圧動作を行う昇圧セルの出力端子OUTPUTに接続することが可能である(第1の実施形態で示した昇圧セルの電圧条件を満たす)。
クロック信号CLK5BはCLK1Aより2つ前の列の昇圧セル列を駆動させ、クロック信号CLK1BはCLK1Aより6つ前の列の昇圧セル列を駆動させる。
上記CLK1Aからのクロック信号のずれ量をBとすると、CLK5BはA=2、CLK2B=6=M/2となる。
ここで、図5の電圧条件を守るために、ソース信号SourcePは制御信号Sigより1つ以上前の昇圧セル列に同期させることが必要となる。
以上より、M並列(M≧4)から構成される昇圧セル列において、K列目(1≦K≦M)の昇圧セルは、A列前(1≦A≦M/2−1)であるKA列目((K−A)>0のときはKA=(K−A)、(K−A)≦0のときはKA=(M−|K−A|))の昇圧セルの出力端子OUTPUTの電位に応じて、K列目の昇圧セルの入力端子INPUTの電圧と、B列前(A+1≦B≦M/2)であるKB列目((K−B)>0のときはKB=(K−B)、(K−B)≦0のときは(M−|K−B|))の昇圧セルの出力端子OUTPUTの電圧とを切り替えて昇圧動作を繰り返すことができる。
<効果>
M並列(M≧4)から構成される昇圧セル列において、K列目(1≦I≦M)の昇圧セルの昇圧動作に関して、電荷転送トランジスタを介した逆流を抑制して実施することができる。
(第5の実施形態)
<構成>
図11は、本発明の第5の実施形態による昇圧回路230を示す。これまで偶数列2N+4(N≧0)の昇圧回路について述べてきたが、ここでは設定値A(1≦A≦M/2−1)の制約を満たす最小の奇数列の昇圧回路として5並列(M=5)からなる昇圧回路230について説明する。
昇圧回路230は、図1の昇圧回路100の変形例であり、昇圧回路100からの変更点として、昇圧セル列L05の昇圧セルP205とP305とを追加している。ここで、偶数段の昇圧ステージST2の昇圧セルP201〜P205には、それぞれクロック信号CLK1A〜CLK5Aを入力し、それぞれは、360/5=72度の位相差を有する。また、奇数段の昇圧ステージST3の昇圧セルP301〜P305には、それぞれクロック信号CLK1A〜CLK5Aの反転信号であるクロック信号CLK1B〜CLK5Bを入力する。ここでは、昇圧動作について、昇圧セルP301を用いて説明する。
昇圧セルP301には、制御信号Sigとしてクロック信号CLK5Bに同期して昇圧動作を行う昇圧セルP305の入出力端子N305の電圧VN305と、ソース信号SourcePとしてクロック信号CLK4Bに同期して昇圧動作を行う昇圧セルP304の入出力端子N304の電圧VN304とが入力される。
<動作>
第1の実施形態の図5に述べたように、図12の動作波形を用いて、クロック信号CLK1Bに同期している昇圧回路230の昇圧セルP301の動作状態を昇圧準備状態、昇圧状態、電荷転送状態に分類することができる。
時刻Taにおいて、クロック信号CLK1Bが「L」であり、
V(制御信号Sig=N305)=VV3 > V(INPUT)=VV2
V(SourceP=N304)=VV3 = V(Sig)=VV3
であることから、時刻Taにおいて昇圧準備状態である。
次に、時刻Tbにおいて、クロック信号CLK1Bが「H」であり、
V(制御信号Sig=N305)=VV3 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP=N304)=VV3 = V(Sig)=VV3
であることから、時刻Tbにおいて昇圧状態である。
時刻Tcにおいて、クロック信号CLK4Bが「H」から「L」に遷移するが、
V(制御信号Sig=N305)=VV3 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP=N304)=VV2 < V(Sig)=VV3
であることから、昇圧状態を保持する。
次に、時刻Teにおいて、クロック信号CLK5Bが「H」から「L」へ遷移し、
V(制御信号Sig=N305)=VV2 > V(INPUT)=VV1
V(SourceP=N304)=VV2 = V(Sig)=VV2
であることから、昇圧状態を保持する。
次に、時刻Tgにおいて、クロック信号CLK1Bが「H」から「L」へ遷移し、
V(制御信号Sig=N305)=VV2 = V(INPUT)=VV2
V(SourceP=N304)=VV2 = V(Sig)=VV2
となって、電荷転送トランジスタM1のゲートN1がHizとなる。しかし、昇圧セルの後段から前段への電荷の逆流は発生しない。
次に、時刻Thにおいて、クロック信号CLK4Bが「L」から「H」へ遷移し、
V(制御信号Sig=N305)=VV2 = V(INPUT)=VV2
V(SourceP=N304)=VV3 > V(Sig)=VV2
となって、電荷転送状態となる。
次に、時刻Tkになって、時刻Taと同じ状態である昇圧準備状態となる。
以上によって、昇圧セル列として、5並列であっても昇圧動作が可能であることが明確になった。なお、昇圧セル列として、奇数列(2N+5)(N≧0)以上であれば、同様の動作が可能であることは明確であり、かつ、これまでの実施形態とあわせると、4並列(M≧4)以上の昇圧セル列を有する昇圧回路であれば、同様の昇圧回路が可能であることがわかる。また、奇数列で構成された昇圧セル列を有する昇圧回路においても、第3、第4の実施形態で示したように、各昇圧セルの制御信号Sigと、ソース信号SourcePとの条件を適用することができる。
<効果>
M並列(M:5以上の奇数列)から構成される昇圧セル列においても、K列目(1≦K≦M)の昇圧セルの昇圧動作に関して、電荷転送トランジスタを介した電荷の逆流を抑制して昇圧動作を実施することができる。
(第6の実施形態)
図13(a)は図1の昇圧回路100におけるレイアウト構成例を示す平面図であり、T101(電荷転送トランジスタと状態制御部:オンスイッチ・トランジスタとオフスイッチ・トランジスタ)と、C101(昇圧容量)とにより昇圧セルP101が構成されている。同様に各昇圧セルが構成される。図13(b)は図6の昇圧回路200であり、昇圧ステージST3を代表として記載している。
図13(a)より、昇圧ステージST1,ST2,ST3、逆流防止回路ST4を配置する際、昇圧セル列L01の昇圧セルと昇圧セル列L04の昇圧セルとが交互に設けられ、同様に昇圧セル列L02の昇圧セルと昇圧セル列L03の昇圧セルとが交互に設けられている。これにより、各昇圧セルP101〜P104に含まれる電荷転送トランジスタ及び状態制御部であるT101〜T104を互いに近接して配置することが可能となり、昇圧セル間の配線遅延増大を抑制でき、昇圧動作時のタイミングマージンを確保できる。同様に、各昇圧セルP201〜P204,P301〜P304と、逆流防止セルP401〜P404とに含まれる電荷転送トランジスタ及び状態制御部であるT201〜T204、T301〜T304、T401〜T404も、それぞれ近接して配置することが可能となる。
図13(b)より、昇圧ステージST3を構成する際、昇圧セル列L01,L06,L05の3並列の昇圧セルが順次設けられ、同様に昇圧セル列L07,L12,L11、昇圧セル列L02,L03,L04、昇圧セル列L08,L09,L10が順次設けられ、電荷転送トランジスタ及び状態制御部であるT301〜T312を互いに近接して配置することが可能となり、昇圧セル間の配線遅延増大を抑制でき、昇圧動作時のタイミングマージンを確保できる。
つまり、K列目(1≦K≦M)のI段目(I≧1)の昇圧セルとI+1段目の昇圧セルとの間に、K列目以外の昇圧セルを配置することで、昇圧セル間の配線遅延増大を抑制でき、昇圧動作時のタイミングマージンを確保できる。
更に、K列目(1≦K≦M)のI段目(I≧1)の昇圧セルと、J列目(1≦K≦M、J≠K)のI段目(I≧1)の昇圧セルとの間に、K列目とJ列目以外の昇圧セルを配置することで、昇圧セル間の配線遅延増大を抑制でき、昇圧動作時のタイミングマージンを確保できる。
なお、昇圧セルに含まれる電荷転送トランジスタ、状態制御部、昇圧容量が一箇所に固まって配置される必要はない。
また、昇圧セルに含まれる電荷転送トランジスタ、状態制御部、昇圧容量のうち、電荷転送トランジスタ及び状態制御部が上記条件を満たせば、上記効果を期待することができる。
(第7の実施形態)
以上の各実施形態についての説明において、例えば昇圧回路100は電源電圧を受けて正電圧の昇圧電圧を生成するものであったが、図14のように、接地電圧を受けて負電圧の昇圧電圧を生成する昇圧回路300であってもよい。この場合、各実施形態において昇圧回路を構成する各トランジスタの極性を逆極性にすることによって、負電圧の昇圧電圧を生成する昇圧回路を構成することができる。例えば、図2(a)〜図2(c)に示した昇圧セルP101〜P104,P201〜P204,P301〜P304と、逆流防止セルP401〜P404とを、図15(a)〜図15(c)のように構成すればよい。ここで、MN1〜MN4は、それぞれM1〜M4に対して逆導電型のトランジスタである。
図14のように構成することにより、図16に示すように、昇圧回路300において昇圧ステージST1の入出力端子電圧VN101〜VN104はVssと−VV1との間で振幅し、昇圧ステージST2の入出力端子電圧VN201〜VN204は−VV1と−VV2との間で振幅し、昇圧ステージST3の入出力端子電圧VN301〜VN304は−VV2と−VV3との間で振幅し、逆流防止回路ST4の中間端子電圧VN401〜VN404は−VV3+Vtと−VV4との間で振幅し、負昇圧回路300の出力端子には−VV3の負昇圧電圧を生成することができる。電荷転送トランジスタMN1としてPchトランジスタを用いることで、Nchトランジスタを用いた場合に懸念事項となる寄生バイポーラ形成がなく、安定した昇圧動作が可能となる。
本発明にかかる昇圧回路は、2相昇圧回路で発生する電荷転送トランジスタを介した電荷の逆流を抑制できるため、不揮発性半導体記憶装置やCMOSプロセスでのアナログ回路特性改善のための電源発生回路等として有用である。また、DRAM等の揮発性半導体装置や液晶装置、携帯機器の電源回路等の用途にも応用できる。
本発明の第1の実施形態による昇圧回路の構成を示すブロック図である。 (a)〜(d)は図1に示した昇圧セル、逆流防止セルの構成を示す回路図である。 図1に示した昇圧回路による動作について説明するための波形図である。 (a)〜(d)は図1に示した昇圧回路による動作について説明するための昇圧セルの動作モード図である。 図1に示した昇圧回路による昇圧セルの動作モードと電圧制約条件とを示す図である。 本発明の第2の実施形態における昇圧回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態における昇圧回路の構成を示すブロック図である。 図6、図7に示した昇圧回路による動作について説明するための波形図である。 本発明の第4の実施形態における昇圧回路の構成を示すブロック図である。 図9に示した昇圧回路による動作について説明するための波形図である。 本発明の第5の実施形態における昇圧回路の構成を示すブロック図である。 図11に示した昇圧回路による動作について説明するための波形図である。 (a)及び(b)は本発明の第6の実施形態による昇圧回路のレイアウト構成である。 本発明の第7の実施形態における昇圧回路の構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は図14に示した昇圧セル、逆流防止セルの構成を示す回路図である。 図14に示した昇圧回路による動作について説明するための波形図である。 昇圧回路の従来例の構成を示す回路図である。 図17に示した昇圧回路による動作について説明するための波形図である。
100 昇圧回路
200,210,220,230 昇圧回路
300,900 昇圧回路
C1 昇圧容量
C101〜C404 昇圧容量
CLK1A〜CLK6A クロック信号
CLK1B〜CLK6B クロック信号
L01〜L12 昇圧セル列
M1,MN1 電荷転送トランジスタ
M2,MN2 オフスイッチ・トランジスタ
M3,MN3 オンスイッチ・トランジスタ
M4,MN4 ダイオード接続されたトランジスタ
P101〜P104 昇圧セル
P201〜P205 昇圧セル
P301〜P312 昇圧セル
P401〜P404 逆流防止セル
ST1〜ST3 昇圧ステージ
ST4 逆流防止回路
T101〜T404 状態制御部及び電荷転送トランジスタ

Claims (16)

  1. 約(360度/M)の位相差を有するM個(M≧4)のクロック信号に同期して昇圧動作を行うM並列かつL段(L≧2)の昇圧セルを有する昇圧回路であって、
    K列目(1≦K≦M)、I段目(1≦I≦L)に備えられた当該昇圧セルは、
    当該昇圧セルの前段からの電圧を受ける入力端子と、
    当該昇圧セルの後段へ電圧を供給するための出力端子と、
    当該昇圧セルの出力端子に一端が接続され、(K−1)列目(K=1のときはM列目)、I段目の昇圧セルに対応するクロック信号より約(360度/M)だけ位相の遅れたクロック信号を他端に受ける昇圧容量と、
    当該昇圧セルの入力端子と出力端子との間に接続され、導通状態になると当該入力端子から当該出力端子へ電荷を転送する電荷転送トランジスタとを備え、更に、
    K列目よりA列前(1≦A≦M/2−1:Aは自然数)であるKA列目((K−A)>0のときはKA=(K−A)、(K−A)≦0のときはKA=(M−|K−A|))の昇圧セルの出力端子電圧に応じて当該KA列目の昇圧セルが昇圧状態にある場合に前記電荷転送トランジスタが非導通となるように制御する状態制御部を有することを特徴とする昇圧回路。
  2. 請求項1記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、K列目の入力端子電圧と、K列目よりB列前(A+1≦B≦M/2:Bは自然数)であるKB列目((K−B)>0のときはKB=(K−B)、(K−B)≦0のときはKB=(M−|K−B|))の昇圧セルの出力端子電圧とを切り替えて前記電荷転送トランジスタを制御することを特徴とする昇圧回路。
  3. 請求項1記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、K列目に入力されるクロック信号を反転したクロック信号の電圧と、K列目よりB列前(A+1≦B≦M/2:Bは自然数)であるKB列目((K−B)>0のときはKB=(K−B)、(K−B)≦0のときはKB=(M−|K−B|))の昇圧セルの出力端子電圧とを切り替えて前記電荷転送トランジスタを制御することを特徴とする昇圧回路。
  4. 請求項2又は3に記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、前記KA列目の昇圧セルの出力端子電圧に応じて、前記K列目の入力端子電圧、あるいはK列目に入力されるクロック信号を反転したクロック信号の電圧と、前記KB列目の昇圧セルの出力端子電圧とを切り替えるインバータ手段を有することを特徴とする昇圧回路。
  5. 位相の異なる複数のクロック信号に同期して昇圧動作を行うM並列(M≧4)の逆流防止セルを有する昇圧回路であって、
    K列目(1≦K≦M)に備えられた当該逆流防止セルは、
    当該逆流防止セルの前段からの電圧を受ける入力端子と、
    前記昇圧回路の出力端子へ電圧を供給するための出力端子と、
    他の逆流防止セルへ電圧を供給するための中間端子と、
    前記入力端子あるいは前記出力端子と前記中間端子との間に備えられた電荷転送手段と、
    当該逆流防止セルの中間端子に一端が接続され、当該逆流防止セルに対応するクロック信号を他端に受ける昇圧容量と、
    当該逆流防止セルの入力端子と出力端子との間に接続され、導通状態になると当該入力端子から当該出力端子へ電荷を転送する電荷転送トランジスタとを備え、更に、
    K列目よりA列前(1≦A≦M/2−1:Aは自然数)であるKA列目((K−A)>0のときはKA=(K−A)、(K−A)≦0のときはKA=(M−|K−A|))の逆流防止セルの中間端子電圧に応じて前記電荷転送トランジスタを制御する状態制御部を有することを特徴とする昇圧回路。
  6. 請求項記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、K列目の入力端子電圧と、K列目よりB列前(A+1≦B≦M/2:Bは自然数)であるKB列目((K−B)>0のときはKB=(K−B)、(K−B)≦0のときはKB=(M−|K−B|))の逆流防止セルの中間端子電圧とを切り替えて前記電荷転送トランジスタを制御することを特徴とする昇圧回路。
  7. 請求項記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、前記KA列目の逆流防止セルの出力端子電圧に応じて、前記K列目の入力端子電圧と、前記KB列目の逆流防止セルの中間端子電圧とを切り替えるインバータ手段を有することを特徴とする昇圧回路。
  8. 位相の異なる複数のクロック信号に同期して昇圧動作を行うM並列(M≧4)の逆流防止セルを有する昇圧回路であって、
    K列目(1≦K≦M)に備えられた当該逆流防止セルは、
    当該逆流防止セルの前段からの電圧を受ける入力端子と、
    前記昇圧回路の出力端子へ電圧を供給するための出力端子と、
    他の逆流防止セルへ電圧を供給するための中間端子と、
    前記入力端子あるいは前記出力端子と前記中間端子との間に備えられた電荷転送手段と、
    当該逆流防止セルの中間端子に一端が接続され、当該逆流防止セルに対応するクロック信号を他端に受ける昇圧容量と、
    当該逆流防止セルの入力端子と出力端子との間に接続され、導通状態になると当該入力端子から当該出力端子へ電荷を転送する電荷転送トランジスタとを備え、更に、
    K列目よりA列前(1≦A≦M/2−1:Aは自然数)であるKA列目((K−A)>0のときはKA=(K−A)、(K−A)≦0のときはKA=(M−|K−A|))の逆流防止セルの中間端子が第1の端子に接続され、前記電荷転送トランジスタのゲートが第2の端子に接続された状態制御部を有することを特徴とする昇圧回路。
  9. 請求項記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、K列目の入力端子が第3の端子に接続され、K列目よりB列前(A+1≦B≦M/2:Bは自然数)であるKB列目((K−B)>0のときはKB=(K−B)、(K−B)≦0のときはKB=(M−|K−B|))の逆流防止セルの中間端子が第4の端子に接続されていることを特徴とする昇圧回路。
  10. 請求項記載の昇圧回路において、
    前記状態制御部は、前記第1の端子にゲートが接続され、前記第2の端子にドレインが接続された第1導電型の第1のトランジスタと第2導電型の第2のトランジスタとであって、
    前記第1のトランジスタは、ソースが前記第3の端子に接続され、
    前記第2のトランジスタは、ソースが前記第4の端子に接続されていることを特徴とする昇圧回路。
  11. 請求項又はに記載の昇圧回路において、
    前記電荷転送手段は、前記入力端子と前記中間端子との間に備えられたダイオード接続された第3のトランジスタであることを特徴とする昇圧回路。
  12. 請求項又はに記載の昇圧回路において、
    前記電荷転送手段は、前記出力端子と前記中間端子との間に備えられ、前記KB列目の逆流防止セルの中間端子電圧に応じて制御されることを特徴とする昇圧回路。
  13. 請求項1記載の昇圧回路において、
    K列目、かつI段目の前記昇圧セルのトランジスタ部と、K列目、かつ(I+1)段目の前記昇圧セルのトランジスタ部との間に、K列目以外の前記昇圧セルのトランジスタ部をレイアウトしていることを特徴とする昇圧回路。
  14. 請求項1記載の昇圧回路において、
    K列目、かつI段目の前記昇圧セルのトランジスタ部と、J列目(1≦K≦M、J≠K)、かつI段目の前記昇圧セルのトランジスタ部との間に、K列目、J列目以外の前記昇圧セルのトランジスタ部をレイアウトしていることを特徴とする昇圧回路。
  15. 請求項又はに記載の昇圧回路において、
    K列目、かつI段目の前記逆流防止セルのトランジスタ部と、J列目(1≦K≦M、J≠K)、かつI段目の前記逆流防止セルのトランジスタ部との間に、K列目、J列目以外の前記逆流防止セルのトランジスタ部をレイアウトしていることを特徴とする昇圧回路。
  16. 請求項1315のいずれか1項に記載の昇圧回路において、
    前記トランジスタ部は、前記電荷転送トランジスタ及び前記状態制御部のうち両方あるいは一方であることを特徴とする昇圧回路。
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