JP5335510B2 - 押下げヘッド付き容器 - Google Patents

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この発明は、主に化粧品やシャンプーなどの液体又は流体を収容した容器に関する。特に、ポンプを用いて内容物を取り出す構造の容器における「未使用状態」を確保する構造の改良に関する。
一般に、ポンプ付き容器が未使用状態であることを確保する為に、ポンプの首の部分に初回使用時に切り離し可能なストッパを設ける構造が知られている。特許文献1、特許文献2には、破断可能なストッパを備えた容器が開示されている。従来の容器においては、ストッパに破断容易な脆弱部が設けられ、初回使用時に、ストッパ自身を掴み取るか又は捩じるなどして脆弱部を破断する。これによってストッパが外れ、ポンプが作動可能な状態となる。
特開2006―282197 特開2004―338788
しかしながら、ストッパを捩り切る構成とする場合には、ポンプのヘッドや容器本体のストッパが連結された部品の剛性を高くする必要がある。また、ストッパ周囲の部品の剛性が高くなるため、その破断には比較的大きな力が必要となる他、設計上の制約も大きくなる。一方、ツマミを掴んで取る場合には、「つかむ」という比較的大きな力が必要となる。また、手が滑りやすくなっている場合には、上手く掴めないことも多い。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、単純な構造でありながら、安価で容易に(弱い力で)解除できるストッパを備える容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る容器は、所定の流体が収容される本体容器部と;前記本体容器部の内部と連通したポンプ機構部と;前記ポンプ機構部の上端に連結され、下側に向かってスライド可能なポンプヘッドと;その周囲を前記ポンプヘッドがスライドする案内筒とを備える。そして、前記ポンプヘッドを押し下げることによって、前記ポンプ機構が作動し、当該本体容器内の前記流体を当該ポンプヘッドから排出可能な構成である。前記ポンプヘッドと一体的に成形され、前記ポンプヘッドと前記案内筒の下端部との間に配置され、当該容器の未使用時に前記ポンプヘッドの押し下げを防止するストッパを更に備える。前記ストッパは、前記ポンプヘッドの一部に対して破断可能な状態で連結される連結部と、前記案内筒の下端部付近に係止される係合部とを有する。更に、前記ストッパの連結部を破断することにより、前記ポンプヘッドの押し下げ動作を許容するとともに、前記係合部が離脱可能になるように構成されている。
好ましくは、前記ストッパは、前記連結部から概ね水平方向に延びる押圧部を更に備える。この押圧部に対して下方向の力を加えたときに、前記係合部付近が支点となって前記連結部に破断力が作用する構造とする。この構成により、小さな力でストッパを取り外すことができる。また、力を加える方向が下方向なので、「てこ」の原理を有効に働かせることができ、手指で加圧しやすいという利点がある。なお、押圧部が水平方向(ポンプヘッド吐出口と同方向)に延びることから、この機構にオーバーキャップ(ノズルカバー)を装着することも可能である。
更に好ましくは、前記本体容器の上部に設けられるキャップを更に備え、前記案内筒を前記キャップと一体的に成形する。前記案内筒には、上下方向に延びる溝が形成される。前記溝は前記キャップの上面から入り込んで凹部を形成する。そして、前記ストッパの係合部が前記凹部に係止される。これにより、未使用時のストッパの固定(組み立て)がより容易且つ確実に行えるという効果がある。
なお、本発明において、容器に収容される流体は、シャンプーや化粧水などの液体ばかりでなくジェル状の流体や粉体等が混合された流体物なども含む。
図1は、本発明に係る容器を示す斜視図であり、未使用の状態を示す。 図2は、本発明に係る容器を示す斜視図であり、使用開始後(ストッパ解除後)の状態を示す。 図3は、図1の容器に使用されるポンプヘッドを示す側面図である。 図4は、図1の容器に使用されるポンプヘッドを示す正面図である。 図5は、図1の容器の要部(ポンプヘッド+ストッパ)を示す側面図であり、成形直後(組み付け前)の状態を示す。 図6は、図1の容器に使用されるポンプヘッドの組み立て工程を示す側面図である。 図7は、図1の容器に使用されるポンプヘッドの組み立て工程を示す側面図である。 図8は、図1の容器の要部(ポンプヘッド周辺)を示す側面図であり、未使用の状態を示す。 図9は、図1の容器の要部(ポンプヘッド周辺)を示す側面図であり、ストッパ解除の途中状態を示す。 図10は、図1の容器の要部(ポンプヘッド周辺)を示す側面図であり、ストッパ除去後の状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2は、本発明に係る容器を示す斜視図であり、各々未使用の状態、使用開始後(ストッパ解除後)の状態を示す。本発明に係る容器は、シャンプーや化粧水等の所定の流体が収容される本体容器部14と;本体容器部14の内部と連通したポンプ機構部(22他)と;ポンプ機構部の上端に連結され、下側に向かってスライド可能なポンプヘッド12と;その周囲をポンプヘッド12がスライドする案内筒22と;本体容器部14の上部に設けられるキャップ16とを備えている。
ポンプヘッド12を本体容器部14側に向かって押し下げることによって、ポンプ機構(図示せず)が作動し、当該本体容器14内の流体を当該ポンプヘッド12のノズル20から排出可能となる。本発明の特徴は、ポンプヘッド12の作動を規制するストッパ18の構造にある。ストッパ18は、ポンプヘッド12と一体的に成形され、ポンプヘッド12と案内筒22の下端部との間に配置され、当該容器の未使用時にポンプヘッド12の押し下げを防止する。ストッパ18を含むポンプヘッド12は、ポリプロピレン、ポリエチレン等によって成形することができる。なお、ストッパ18の詳細については後述する。
キャップ16は、案内筒22と一体的に成形することができる。案内筒22には、上下方向に延びる断面矩形の溝40が形成されている。溝40の下端は、キャップの上面から入り込んで凹部40aを形成する。
図3及び図4は、ポンプヘッド12を示す側面図及び正面図である。ストッパ18は、ポンプヘッド12の一部に対して破断可能な状態で連結される連結部(脆弱部)32を有している。連結部32は、他の部分より薄肉且つ細身に形成され、破断容易な脆弱部として機能する。ストッパ18の連結部32を破断することにより、ポンプヘッド12の押し下げ動作を許容する。なお、連結部32の肉厚は例えば、約0.3mmとすることができる。また、連結部32の破断時の押し強度は5〜30Nとすることができる。
ストッパ18は、垂直方向に延びる基幹部38を備えている。基幹部38の下端部付近には、溝40の凹部40aに嵌め込まれてストッパ18を固定する係合部38aが設けられている。このような構造により、未使用時のストッパの固定(組み立て)がより容易且つ確実に行える。ストッパ18が容器に固定された後、押圧部34に下方向の力が加えられると、係合部38aは凹部40aの内壁又は角部と強く接触し、「てこ」の支点を形成する。
ストッパ18が容器に固定される前(係合部38aが凹部40aに嵌め込まれる前)の状況では、ポンプヘッド12は上下に摺動可能である。従って、ポンプヘッド12を容器に取り付けた状態でも、ポンプ機能等の検査をすることが可能となる。従来の液体容器では、ポンプヘッドとストッパが容器又はキャップ(フタ)部分に対して熔着等によって初めから固定されているため、ポンプヘッドを取り付けた状態で、作動検査をすることができなかった。また、ポンプヘッドの組み立てが困難であった。
ストッパ18は、更に、連結部32の下端付近から概ね水平方向に延びる押圧部34を更に備える。この押圧部34に対して下方向の力を加えたときに、基幹部38の係合部38a付近が支点となって連結部32に破断力が作用する。これにより、小さな力でストッパ18を取り外すことが可能となる。また、力を加える方向が下方向なので、「てこ」の原理を有効に働かせることができ、手指で加圧しやすいという利点がある。
ストッパ18は、押圧部34と基幹部38の間に三角形状の支持板36を備える。支持板36は、押圧部34に下方向に加えられる力を十分に基幹部38で受けるために設けられる。本実施例の支持板36は、押圧部34と基幹部38のそれぞれ一部を一辺とする三角形状をしている。この支持板36により、押圧部34に加えられた下方向のほとんどの力が、基幹部38に伝えられる。
更にストッパ18は、基幹部38を補強する背板39を備えている。背板39は、基幹部38の中心付近を長手方向に延び、基幹部38から直角方向に立ち上がるように設けられる。背板39は、基幹部38の剛性を高めて撓み変形を防ぎ、連結部32に充分な破断力が伝わるように配慮されている。
ポンプヘッド12の内側には、案内筒22の溝40に沿って摺動するガイド突起12aが上下方向に延びている。このガイド突起12aと溝40との係合によってポンプヘッド12のスライドがガイドされ、ポンプヘッド12の不要な回転を規制している。結局、溝40は容器の使用前においては、ストッパ18の係合部38aを保持する凹部40aを形成し、ストッパ18を除去した後はポンプヘッド12のガイド溝として機能する。
次に、ポンプヘッド12の取り付け工程について、図5〜図7を参照して簡単に説明する。ポンプヘッド12が容器に組み付けられる前の単体の状態では、図5に示すように、ストッパ18は連結部32のみによってポンプヘッド12に連結された状態となる。この時、ストッパ18はポンプヘッド12から水平方向に延び、連結部32を軸にしてポンプヘッド12に対して自由に揺動または回動可能となる。
ポンプヘッド12を容器にセットする際には、図6に示すように、ポンプヘッド12を案内筒22の上部に差し込む。次に、図7に示すように、ストッパ18を案内筒22側に向かって移動させ、係合部38aを凹部40aに嵌め込む。この際、連結部32は弾性変形する。ストッパ18が組み付けられると、ポンプヘッド12は上下に摺動不能となる(図8参照)。この状態で、例えばオーバーキャップ(図示せず)を被せ、包装を施して出荷する。なお、ストッパ18は凹部40aに係止されている状態では、連結部32がつながっており、使用時に当該部分32を破断しない限り使用できないようになっている。
次に、ストッパ18の解除動作について図8〜図10を参照して説明する。図8〜図10は、図1の容器の要部(ポンプヘッド周辺)を示す側面図であり、各々未使用の状態、ストッパ解除の途中状態、ストッパ除去(解除)後の状態を示す。
消費者が購入後はじめて使用するに際し、ストッパ18の押圧部34を押し下げると、係合部38a付近が支点となり、連結部32に破断力が作用し、連結部32が破断する(図9参照)。破断には、てこの原理が働くため比較的小さな力で連結部32を破断することができる。
ストッパ18の係合部38aは、凹部40aに、単に嵌め込まれているだけであり、連結部32が破断した後のストッパ18は容易に凹部から離脱可能となる。ストッパ18が取り外されると(図10参照)、ポンプヘッド12の押し下げ動作が許容される。
このように、一度ストッパ18が固定されると、連結部32が破断されストッパ18が外されない限り、ポンプヘッド12が押し下げられることはない。ストッパ18の破断状態を見ることにより、初回の使用時まで、容器の不正使用や未使用状態を目視で確認することができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。
例えば、実施例ではストッパ18の支持板36は三角形だが、アーチ形状や、四角形状等であってもよい。また、押圧版の形状も長方形の他、楕円や丸形状しても良い。すなわち、押圧板34に加えられた力が基幹部38を介して係合部38aに上手く伝わる形状であれば、これらの形状に限らない。
12:ポンプヘッド
14:本体容器部
16:キャップ
18:ストッパ
20:ノズル
22:案内筒
38a:係合部
40:溝部
40a:凹部
32:連結部(脆弱部)
34:押圧部
36:支持板

Claims (3)

  1. 所定の流体が収容される本体容器部と;
    前記本体容器部の内部と連通したポンプ機構部と;
    前記ポンプ機構部の上端に連結され、下側に向かってスライド可能なポンプヘッドと;
    その周囲を前記ポンプヘッドがスライドする案内筒とを備え、
    前記ポンプヘッドを押し下げることによって、前記ポンプ機構が作動し、当該本体容器部内の前記流体を当該ポンプヘッドから排出可能な構成であり、
    前記ポンプヘッドと一体的に成形され、前記ポンプヘッドと前記案内筒の下端部との間に配置され、当該容器の未使用時に前記ポンプヘッドの押し下げを防止するストッパを更に備え、
    前記ストッパは、前記ポンプヘッドの一部に対して破断可能な状態で連結される連結部と、前記案内筒の下端部付近に係止される係合部とを有し、
    前記ストッパの連結部を破断することにより、前記ポンプヘッドの押し下げ動作を許容するとともに、前記係合部が離脱可能になるように構成されたことを特徴とする容器。
  2. 前記ストッパは、更に、前記連結部と前記係合部との間に延びる基幹部と;前記基幹部から当該基幹部に対して概ね垂直方向に延びる押圧部を更に備え、
    当該押圧部に対して下方向の力を加えたときに、前記係合部付近が支点となって前記連結部に破断力が作用する構成であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記本体容器の上部に設けられるキャップを更に備え、
    前記案内筒は前記キャップと一体的に成形され、
    前記案内筒には、上下方向に延びる溝が形成され、
    前記溝は前記キャップの上面から入り込んで凹部を形成し、
    前記ストッパの係合部が前記凹部に係止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
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