JP5335147B2 - 優れた安全性プロファイルを有する血漿陽イオンを含む診断用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた心臓安全性プロファイルを示す新規な診断用X線組成物に関する。かかる組成物は、薬学的に許容されるキャリア中に非イオン性ヨウ素化二量体を含んでいる。本発明はまた、かかる診断用組成物を用いるイメージング方法にも関する。
すべての診断イメージングは、身体内部の異なる構造から異なる信号レベルを得ることに基づいている。したがって、例えばX線イメージングにおいて所定の身体構造が画像中で見えるためには、その構造によるX線減衰度が周囲の組織のX線減衰度と違っていなければならない。身体構造とその周囲との間における信号の差はしばしばコントラストと呼ばれ、診断イメージングでのコントラストを高めるための手段に多大の努力が捧げられてきた。これは、身体構造とその周囲との間のコントラストが大きいほど画像の品質が高くなり、診断を行う医師にとってのそれの価値が高くなるからである。その上、コントラストが大きいほど、イメージング操作で可視化できる身体構造は小さくなる。即ち、コントラストの向上は空間解像度の向上をもたらすことができる。画像の診断品質はイメージング操作における固有ノイズレベルに大きく依存し、したがってコントラストレベルとノイズレベルとの比は診断画像に関する有効診断品質因子となることがわかる。かかる診断品質因子の向上を達成することはずっと以前から重要な目標であって、今なお変わっていない。
X線のような技術では、診断品質因子を向上させるための1つのアプローチは、コントラスト媒体として処方されたコントラスト増強物質をイメージングすべき身体領域中に導入することであった。即ち、X線の場合、造影剤の初期の例は、それが分布した身体領域のX線減衰度を高める不溶性の無機バリウム塩であった。最近の50年間、X線造影剤の分野では可溶性のヨウ素含有化合物が支配的であった。ヨウ素化造影剤を含む商業的に入手可能なコントラスト媒体(CM)は、通常、(例えばGastrografen(商標)の商品名で市販されている)ジアトリゾエートのようなイオン性単量体、(例えばHexabrix(商標)の商品名で市販されている)イオキサグレートのようなイオン性二量体、(例えばOmnipaque(商標)の商品名で市販されている)イオヘキソールや(例えばIsovue(商標)の商品名で市販されている)イオパミドールや(例えばIomeron(商標)の商品名で市販されている)イオメプロールのような非イオン性単量体、及び(例えばVisipaque(商標)の商品名で市販されている)非イオン性二量体イオジキサノールに分類される。ヨウ素化X線コントラスト媒体の臨床安全性は、最近の数十年間にわたり、新しい薬剤の開発を通じて(即ち、イオン性単量体(Isopaque(商標))から非イオン性単量体(例えば、Omnipaque(商標))及び非イオン性二量体(例えば、Visipaque(商標))へと)絶えず改良されてきた。しかし、現在市場にある高度に精製されたX線コントラスト媒体でも、低度の望ましくない副作用(例えば、造影剤誘発腎症(CIN)、有害な心臓事象及び遅延副作用(DAR))を示す。その結果、特にこれらの副作用が起こるリスクの高い患者に関係する診断検査について、新規で一層安全なX線コントラスト媒体に対する臨床的ニーズが存在している。
コントラスト媒体の有用性は、主としてその毒性、その診断効果、コントラスト媒体を投与された被験者が受けることがある副作用、並びに製造、貯蔵及び投与の容易性によって支配される。コントラスト媒体の毒性及び有害な生物学的効果は、配合媒体(即ち、診断用組成物)の成分(例えば、溶媒又はキャリア)並びに造影剤自体及びその成分(例えば、イオン性造影剤用のイオン)によって生み出され、またその代謝産物によって生み出される。
冠動脈造影処置の回数は、経皮経管腔冠動脈形成術、ステント移植、及び治療薬の冠動脈内投与をはじめとする冠動脈介入能力の拡大に伴って増加し続けている。年間7千万を超える回数の処置が世界中で実施されており、その大部分が冠動脈に関係している。ヨウ素化放射線コントラスト媒体によって引き起こされるいくつかの副作用は稀であるが、ハイリスク患者及び経皮冠動脈介入では起こることがある。
冠動脈造影では、放射線写真の減衰度を最大にし、それによって診断イメージングを最適化するため、冠動脈中の血液をボーラス量のヨウ素化放射線コントラスト媒体によって理想的には完全に置換すべきである。コントラスト媒体が血液を置換した場合、コントラスト媒体は冠動脈血管に化学毒性効果及び浸透圧効果を引き起こすと共に、電解質濃度、粘度及び酸素張力の変化を引き起こす。これらの変化は収縮力及び心臓リズムに影響を及ぼし、心室細動(VF)を引き起こすことがある。冠動脈中へのコントラスト媒体の選択的注入は、局所電気生理学的効果及び血行力学的効果を誘起する。重篤な心室性不整脈並びに心臓抑制が、コントラスト媒体に関係し得る冠動脈造影の公知合併症である。
国際公開第91/13636号及び同第90/11094号(いずれもNycomed AS、現在はGE Healthcare AS)は、X線コントラスト媒体及び様々な塩を含むその製剤に関する。また、塩(主としてNaCl)の含有を伴うX線造影剤の製剤の利点に関する多数の研究が文献中に存在している。研究は、ラット(Jynge et al.,Investigative Radiology 1993,28,20−25)及びウサギ(Baath et al,Investigative Radiology 1993,28,223−227)からの単離心臓に関して実施され、またイヌ(Pedersen et al.,Acad.Radiol.1994,1,136−144)及びブタにおいて実施されている。特に重要なのはChai et al.(Acad.Radiol.2004,11,583−593)による研究であって、そこには19mMのNaCl及び0.3mMのCaCl2を含むイオジキサノールの製剤が単独のイオジキサノールより低い頻度の心室細動を示すことが証明されている。
Jacobsen et al.(Investigative Radiology 1993;28,917−924)は、イヌにおけるコントラスト媒体の急速な反復注入が心筋変力作用(inotropy)及び単相性活動電位に対する追加の効果を生じるのに対し、リンガー液はいかなる効果も生じないことを示している。これは、冠動脈樹全体を満たすために反復注入が稀ではない臨床現場での血管造影が心臓パラメーターの変化を誘発して合併症を引き起こし得る機序を理解するために研究された。
現在市販されているイオジキサノール製剤(320mgI/ml)は、19mMのナトリウムイオン及び0.3mMのカルシウムイオンを含んでいる(Visipaque(商標))。この製剤は、主としてブタ心臓モデルでのインビボ研究によるばかりでなく、単離された動物心臓に関する研究によっても、塩を添加しないイオジキサノールに比べて優れた心臓安全性プロファイルを示すことが実験的に証明された。同様な研究において、イオヘキサノールも添加塩(主としてNaCl)と共に製剤化された場合に心臓耐性の増大を示すことが証明された。
GE Healthcare ASの国際公開第2009/008734号は、新規な部類の化合物及びX線造影剤としてのそれの使用を開示している。かかる化合物は、2つの連結されたヨウ素化フェニル基を含む二量体である。2つのヨウ素化フェニル基を連結するブリッジは、1〜6の−OH基又はOCH3基で任意に置換された直鎖C3〜C8アルキレン鎖である。この出願の一般式(I)では一連の化合物がカバーされ、多数の特定化合物が示唆されている。
国際公開第2009/008734号の式(I)の範囲内に含まれる、1つの特定二量体X線造影剤である化合物Iは、好ましい性質を有することが出願人によって見出されている。なお、この化合物Iの医薬品としての国際一般名(INN)は、all-ambo-5,5’-[2-Hydroxypropane-1,3-diylbis(formylazanediyl)]bis[N,N’-bis(2,3-dihydroxypropyl)-2,4,6-triiodobenzene-1,3-dicarboxamide]である。
国際公開第2009/008734号パンフレット
今回、出願人は、意外にも、上述のものと同様なインビボ研究において証明される通り、Visipaque(商標)に比べて優れた心臓安全性プロファイルを示す新規な診断用X線組成物を同定した。
かくして第1の態様では、本発明は、
次式の化合物Iと、
薬学的に許容されるキャリアと、
上記キャリア中に溶解されて40〜50mMのナトリウムイオン濃度及び0.1〜0.7mMのカルシウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物及びカルシウム化合物と
を含む診断用組成物を提供する。
化合物Iの生理化学的性質は下記のように見出される。生体分布情報及び急性毒性情報に加えて、使用した方法に関する追加の情報は実施例1に示される。
タンパク質結合:平衡透析法を用いて、ヒト血清アルブミン(HSA)に対する化合物Iの結合を測定した。ヒト血清アルブミンに対する化合物Iの結合は非常に低い(3.1±1.3%)と測定され、該物質と内因性タンパク質との相互作用は無視できることが確認された。
分配係数:オクタノールと水との間における分配によって化合物Iの親水性を測定したところ、化合物Iは非常に親水性が高くて、−4.28のlogPを有することが示された。
粘度:化合物Iの粘度を3種の濃度について20℃及び37℃で測定した。結果を図4に示す。320mgI/ml及び20℃での粘度は約24mPasである。
重量オスモル濃度:化合物Iの重量オスモル濃度を4種の濃度(204、254、310及び324mgI/ml)で測定した。320mgI/mlでの化合物Iの重量オスモル濃度は136mOsm/kgである。
図1は、[123I]標識化合物Iの投与から48時間後における雄及び雌Wistarラットでの放射能分布の比較を示している。 図2は、マンニトール、マンニトール+添加ナトリウム及びカルシウム、イオジキサノール+マンニトール、Visipaque(商標)並びにリンガー液の注入によって引き起こされた心室細動の頻度を示している。データはChai et al.から取得した。 図3は、様々な濃度の塩化カルシウムを含む化合物Iの組成物の注入によって引き起こされた心室細動の頻度を、Visipaqueの注入と比較して示している。注入容量は62.5秒間にわたって25mlであり、溶液はLADに選択的に注入した。 図4は、濃度に対してプロットした20℃及び37℃での化合物Iの粘度を示している。 図5は、正常ブタのLADへの注入開始から45〜70秒後のLVSPに対する化合物I(Ca添加及び無添加)並びにVisipaqueの効果を、リンガー乳酸塩(LR)の注入に対して正規化して示している。 図6は、正常ブタのLADへの40ml(5ml/秒)のリンガー乳酸塩、化合物I、Visipaque又はイオパミドールの注入後における、心臓血管パラメーターに対する効果を示している。
Visipaque(商標)に比べて優れた心臓安全性プロファイルを示す新規な診断用X線組成物が同定された。化合物自体(即ち、コントラストを与える化合物)の安全性に加えて、診断用組成物の追加成分が決定的に重要である。
Chai et al.による研究では、19mMのNaCl及び0.3mMのCaCl2を含むイオジキサノールの製剤が単独のイオジキサノールより低い頻度の心室細動(VF)を示すことが証明されている。この研究は、ブタにおいて、予め閉塞させた左冠動脈(LCA)に媒体を直接注入することで実施された。Visipaque(商標)を注入しても心室細動の発生は認められなかった。化合物Iの安全性試験及びそのための製剤の同定の一部として、化合物Iの製剤を試験し、Visipaque(商標)と比較した。以前に発表した研究(上記)では、20mlのイオジキサノールの冠動脈内注入を40秒の注入時間にわたって実施してもVFの発生例はなかったので、注入容量を62.5秒間にわたって25mlに増加させることで比較目的のためにVF発生例を増加させるた。加えて、モデルの感度をさらに高めるため、試験溶液及び参照溶液を左前下行冠動脈(LAD)に選択的に注入した。このような高い容量では、Visipaqueでも顕著な頻度(100%)の心室細動を示した(図3)。これらの実験は実施例2に略述されている。
意外にも、新規なX線造影剤である化合物Iは、40〜50mMという多量のNaCl及び0.1〜0.7mMのCaCl2と共に診断用組成物として製剤化した場合、心室細動の発生を示さなかった(詳細については図3及び表3を参照されたい)。
2つの異なる研究からの結果を比較した場合、Visipaqueでは心室細動の頻度が0%から100%に増加した。しかし、高い用量においても、二量体X線造影剤である化合物Iは心室細動を示さなかった。主たる相違点は、本研究では化合物Iが45mMのNaClと共に製剤化されたことであり、これはVisipaqueの場合(19mM)より実質的に高い。0.1〜0.7mMのカルシウムイオン濃度に関しては、心室細動(VF)の点で顕著な効果は見られなかったが、存在するカルシウムが少ない場合、収縮期動脈血圧(SAP)及び左心室収縮期血圧(LVP)の顕著な低下が見られた(表2)。これらのデータが示す通り、心室細動の頻度を左右する主因子は塩化ナトリウムの濃度である一方、カルシウムは収縮期動脈血圧及び左心室収縮期血圧(LVSP)に対して顕著な効果を及ぼす。実際、正常ブタにおける研究では、45mMのNaClを含むがCaCl2を添加しない化合物Iの組成物のLAD注入は注入から45〜70秒後にLVSPの低下(リンガー乳酸塩に対して正規化して平均−5.7mmHg)を生じたが、45mMのNaCl及び0.5mMのCaCl2を含む化合物Iの組成物の注入はVisipaqueと同様にしてLVSPを維持した(リンガー乳酸塩に対して正規化してそれぞれ−0.3及び+0.1mmHg)(実施例2b)。加えて、同じ速度及び容量でのイオパミドールの注入は、あらゆる場合において(3頭のブタにおける全部で9回の注入時において)、注入の開始から約27〜50秒後にVFを誘発した(これはLVSPの分析を制限した)。これらの結果はさらに、化合物Iの組成物中における0.5mMのCaCl2の存在が有益であり、Visipaqueと同様にしてLVSPに対する負の効果を制限することを示している。さらに、化合物Iの診断用組成物及びVisipaque中に存在する添加電解質は、添加電解質を含まないイオパミドールに比べてVFを誘発する傾向を低下させることができる。試験した電解質の量及び比は、実施例2bの表4に示されている。
一層急速な注入(5ml/秒で40ml)の研究では、45mMのNaCl及び0.5mMのCaCl2を含む組成物中の化合物Iを正常ブタのLADに選択的に注入した場合、左心室収縮期血圧はリンガー乳酸塩及びVisipaqueの投与後に観測される値と同様に維持された。それとは対照的に、添加電解質を含まないイオパミドールの注入はLVSPの有意な低下を誘発した(実施例2c)。さらに、イオパミドールはdP/dtの実質的な増加(69%)を誘発したのに対し、化合物Iはこの点に関してはリンガー乳酸塩及びVisipaqueと同様であった(30%以下の控えめな増加)。試験した化合物Iの製剤及びVisipaque中におけるナトリウム(Na)及びカルシウム(Ca)電解質の存在及び比(これらはリンガー乳酸塩及び間質液のNa/Caバランス組成に一層近い)は、添加電解質を含まないイオパミドールの注入後の状態に比べて優れた心臓機能の維持に寄与すると考えられる。電解質の量及び比は、実施例2bの表5に示されている。
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の組成物は、42〜47mMのナトリウムイオン濃度、さらに好ましくは44〜46mMのナトリウムイオン濃度、最も好ましくは45mMのナトリウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物を含んでいる。
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の組成物は、0.3〜0.6mMのカルシウムイオン濃度、さらに好ましくは0.4〜0.5mMのカルシウムイオン濃度、最も好ましくは0.5mMのカルシウムイオン濃度を与えるカルシウム化合物を含んでいる。
この態様では、ナトリウムイオン濃度とカルシウムイオン濃度との比は57〜500(例えば、63〜117)、さらに好ましくは70〜156、さらに好ましくは85〜115、最も好ましくは88〜95とすべきである。
第2の態様では、本発明は、
次式の化合物I、
薬学的に許容されるキャリア、並びに
上記キャリア中に溶解されたナトリウム化合物及びカルシウム化合物であって、ナトリウムイオン濃度とカルシウムイオン濃度との比が40〜45、好ましくは43であるナトリウム化合物及びカルシウム化合物
を含む診断用組成物を提供する。これは、リンガー乳酸塩組成物の電解質濃度を反映するものである。
本組成物のナトリウム化合物及びカルシウム化合物は、塩の形態で供給すればよい。即ち、これらの塩は生理学的に認容される対イオン、例えば塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び炭酸水素イオンからなる群から選択される対イオンを含んでいる。好ましくは、ナトリウム化合物は塩化ナトリウムであり、カルシウム化合物は塩化カルシウムである。
薬学的に許容されるキャリアは水溶液であり、好ましくは純水である。
ナトリウムは、内向きのNa+の流れに依存する心筋の脱分極のために不可欠である。化合物Iに40〜50mMのナトリウムイオン(好ましくは45mMのNaCl)を添加することは、それをイオジキサノール+19mM Na+/Lよりも正常Na+間質濃度に近づけると考えられる。それにより、化合物Iは一層生理的であり、速いナトリウムチャンネルの活動電位を一層良好に維持することができ、かくしてナトリウムの量が過少又はゼロであることで引き起こされる「遅応答性」活動電位を阻止することができる。
以前の研究では、少量(10〜30mmol/L)のナトリウムを非イオン性コントラスト媒体に添加すると、これらのコントラスト媒体に由来する心室細動(VF)のリスクを減少させ得ることが示された。しかし、研究はまた、収縮期動脈血圧/左心室収縮期血圧(SAP/LVP)の低下によって表されるように、コントラスト媒体に対する多量のナトリウムの添加は負の心筋変力作用を増大させ得ることも示されている。正常な細胞外及び細胞内ナトリウム−カルシウム(Na−Ca)関係を維持するためには、非イオン性コントラスト媒体に対するカルシウムの添加が負の心筋変力作用を低減させる。しかし、重要な問題点は、負の心筋変力作用を防止するためにどれだけの量のカルシウムを添加すべきかである。Visipaque製剤においてイオジキサノール(320mgI/mL)に19mMのNaCl及び0.3mMのCaCl2を添加することは、冠動脈造影に際してVFや負の心筋変力作用の増大のような生理学的障害を最小限に抑えるために最適であると考えられた。
我々の研究では、45mMのNaClを含む化合物Iに対してCaCl2がもたらす利益が確認された(表3)。0.1mM CaCl2を含む製剤(F1)は、それぞれ0.3mM CaCl2(F3)又は0.7mM CaCl2(F5)を含む製剤より顕著に低いSAP及びLVPを誘発した。0.3mM CaCl2を含む化合物Iの製剤は、0.3mM CaCl2を含む製剤より低いSAPを引き起こした。コントラスト媒体へのカルシウムイオンの添加は、ナトリウムの添加によって引き起こされる負の心筋変力作用を阻止し得るということになる。
しかし、ナトリウムイオンとカルシウムイオンとの間には決定的に重要なバランスが存在している。非イオン性コントラスト媒体に適正な濃度のナトリウム及びカルシウムを添加すれば、VFのリスクが減少すると共に、収縮力に対する悪影響が低減する。過大な量のナトリウムを添加すると、心筋の収縮力が減少する。後者の効果は、Caイオンの添加によって阻止される。45mMのNaCl及び0.7mMのCaCl2を含む化合物Iの製剤(F7)は、VFを引き起こさないと共にF1及びF3製剤より良好な心筋変力作用を維持したので、最良の製剤であると思われる。しかし、化合物IのF5製剤の血行力学的効果はVisipaqueのものに等しいので、F3とF5との間のカルシウム濃度が好ましい。かくして、特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は45mMのNaCl及び0.5mMのCaCl2を含んでいる。
このような化合物Iの組成物の静脈内及び動脈内安全性が、別の研究において証明された。この研究では、45mM NaCl及び0.5mM CaCl2を含む組成物中の化合物Iの心臓血管効果が、急性ブタモデルを用いて3種の用量レベルについてインビボで評価された。要約すれば、組成物を静脈内及び動脈内経路で投与した場合、心筋性能に対する総合的な変化は存在しなかった。この研究は実施例3に一層詳しく記載されている。
一般に、ヨウ素化コントラスト媒体は、敏感な患者においては、暴露から1時間乃至数日後に遅延型過敏反応を引き起こすことがある。これらの反応は主として、斑状疹、斑丘疹及びじんま疹様発疹のような重篤でない皮膚発疹である。発疹のようなコントラスト媒体で誘発される遅延型副作用(DAR)は、コントラスト媒体を再認識すると増殖し、次いで皮膚における炎症反応を手配するコントラスト媒体反応性T細胞によって引き起こされると思われる。出願人は、化合物Iのようなコントラスト媒体が血管内投与後の患者において遅延型皮膚反応を引き起こす相対頻度を予測するように設計されたインビトロT細胞増殖モデルを評価した。既知の遅延型皮膚反応率を有する2種のコントラスト媒体(イオジキサノール及びイオヘキソール)並びに新規なコントラスト媒体(化合物I)を、世界人口のHLA−DR頻度を表す100名のドナーからのCD25+−欠損末梢血液単核細胞中でのインビトロT細胞増殖についてスクリーニングした(2及び5mgI/mL)。公表されているプロトコル及び刺激指数値(陽性応答≧1.9)に従って陽性のT細胞応答を評価した。最初の10のドナー試料試験コントラスト媒体(5mgI/mL)と共にインキュベートして細胞生存度を測定することで、インビトロ毒性を試験した。結果は、すべての主たるHLA−DRアロタイプが世界人口と同等な頻度で表されていた。試験したコントラスト媒体はいずれも、細胞生存度に対して有意な効果を及ぼさないように思われた。化合物Iは、両方の濃度において、イオジキサノール及びイオヘキソールより少ない陽性のT細胞増殖ドナー試料を示した。イオジキサノール及びイオヘキソールに関しては、大抵のドナーにおけるT細胞増殖応答は7日目及び8日目に起こった。統計的有意性は、8日目の化合物Iに対する増殖応答の低下について認められた。結論として、このモデルはコントラスト媒体がインビトロT細胞活性化を引き起こす相対頻度を確認することに成功した。結果は、2種の市販コントラスト媒体に関して報告された遅延型皮膚反応の頻度と相関しており、化合物Iに関する低い頻度を確認した。
したがって、かかる結果は、インビトロT細胞増殖を刺激する化合物Iの能力がイオジキサノール及びイオヘキソールに比べて最も低いことを示している。DARが二量体コントラスト媒体と高い頻度で関連すると仮定すれば、イオジキサノールと密接に関係する非イオン性二量体がインビトロT細胞増殖をイオジキサノールと同程度まで刺激せず、実際には単量体のイオヘキソールと同程度にしか刺激しないという我々の所見は、大いに興味深いことである。現在、T細胞増殖がDARの基礎をなすことが知られているので、我々のデータは、二量体構造自体が本質的に高い頻度のT細胞増殖を引き起こすわけではないことを示唆している。化合物Iとイオジキサノールとの間における基本的な構造の差は、イオジキサノールにおける2つのアセチル基が化合物Iでは2つのホルミル基で置換されていることである。このような変更は分子のリンカー構造、コンフォメーション及び物理化学的挙動に影響を及ぼし、そして意外にもインビトロT細胞増殖を刺激する化合物Iの能力はイオジキサノール及びイオヘキソールよりも低い。したがって、本発明の第1の態様に係る診断用組成物は、Omnipaque(商標)(イオヘキソール)及びVisipaque(商標)(イオジキサノール)のような市販のコントラスト媒体より遅延型過敏反応を引き起こすことが少ないと期待される。
化合物Iは、国際公開第2009/008734号に略述されているようにして製造できる。一般手順は国際公開第2009/008734号の16〜20頁に略述されており、詳細な製造方法はその実施例1に示されている。国際公開第2009/008734号の開示内容は、製造方法の記載を含め、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
化合物Iは、キラル炭素原子のため、いくつかの異性体形態で存在し得る。加えて、かかる化合物は、大きなヨウ素原子の近接によって引き起こされるホルミル官能基中のN−CO結合の制限された回転のためにエキソ/エンド異性を示す。両方の鏡像異性的に純粋な生成物並びに光学異性体の混合物が含まれる。
本発明の診断用組成物は、すぐに使用できる濃度を有する。一般に、すぐに使用できる形態の組成物は100mgI/ml以上、好ましくは150mgI/ml以上のヨウ素濃度を有し、300mgI/ml以上(例えば、320mgI/ml)の濃度が好ましい。診断用組成物は、好ましくはさらに薬学的に許容されるキャリア又は賦形剤を含んでいる。その例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)である。
本発明の診断用組成物は、好ましくはX線診断又はX線イメージングにおいてX線コントラスト媒体として使用するためのものである。本組成物はボーラス注射として又は輸液によって投与できる。さらに、本組成物は血管内、静脈内又は動脈内投与によって投与できる。別法として、本組成物は経口投与することもできる。
第3の態様では、本発明は、X線診断で使用するための診断用組成物であって、薬学的に許容されるキャリア、並びに上記キャリア中に溶解されて40〜50mMのナトリウムイオン濃度及び0.1〜0.7mMのカルシウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物及びカルシウム化合物を含む診断用組成物を製造するための、次式の化合物Iの使用を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本発明の診断用組成物をヒト又は動物の身体に投与する段階、診断装置で身体を検査する段階、及び検査からのデータをコンパイルする段階を含む診断方法を提供する。本診断方法では、身体に診断用組成物を予め投与することもできる。
さらに別の態様では、本発明は、インビボイメージング検出方法であって、
i)本発明の診断用組成物の検出可能な量を投与する段階、
ii)投与された組成物を分布させる段階、
iii)分布した組成物の化合物Iによって放出される信号を検出する段階、及び
iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を生成する段階
を含むインビボイメージング検出方法を提供する。
イメージング方法はX線イメージング方法であり、この態様の好ましい実施形態では、検出方法は冠動脈造影法であり、さらに好ましくは、診断用組成物はボーラス注射として冠動脈に投与される。
さらに別の態様では、本発明は、X線イメージング又は診断(例えば、冠動脈造影)で使用するための本発明の組成物を提供する。
実施例1.化合物Iに関する生理化学的性質、急性毒性及び生体分布データ
タンパク質結合
平衡透析法を用いて、ヒト血清アルブミン(HSA)に対する化合物Iの結合を測定した。化合物Iの原液(リン酸緩衝食塩水(PBS)中5.0mg/ml)を1:9の比のクエン酸塩:ヒト血漿と混合した。Diachem Dianorm Dialyserにおいて、Diachem 10.17 MWカットオフ10000膜を用いてリン酸緩衝食塩水に対する平衡化を25時間実施した。ICP−AES測定器を用いて溶液の分析を行った。加えて、平衡が達成されたことを保証するため、スパイクされたPBS溶液をクエン酸塩添加ヒト血漿溶液に対して平衡化した。ヒト血清アルブミンに対する化合物Iの結合は非常に低い(3.1±1.3%)と測定され、該物質と内因性タンパク質との相互作用は無視できることが確認された。参考として、HSAに対するイオジキサノールの結合は0.4±0.9%と測定された。
分配係数
化合物Iの親水性の尺度として、オクタノールと水との間の分配係数を測定した。試験物質(0.3mg/ml)を含む水(5ml)を15mlのn−オクタノールと共に、平衡が得られるまで振盪した。水性相を遠心分離によって分離し、244nmでのUV検出及び0.3ml/分の流量を用いたHPLC(Discovery C18カラム、100×2.1mmを備えたHP1100)によって分析した。水中8%アセトニトリル(v/v)のイソクラティックHPLC条件を使用した。オクタノール相(12.5ml)を平衡が得られるまで水(0.73ml)で抽出し、遠心分離によって相を分離した。上記に詳述した条件を用いたHPLCによって水性相を分析した。分配係数実験に先立ち、オクタノール及び水の両方をそれぞれ水及びオクチルで予め飽和させた。オクタノールと水との間における分配によって化合物Iの親水性を測定したところ、化合物Iは非常に親水性が高くて、−4.28のlogPを有することが示された。比較として、イオジキサノールの対応するlogPは−4.02と測定された。報告されている文献値は−4.058である。イオジキサノールに比べて上昇した化合物Iの親水性は、そのHPLC挙動によって確認される。
粘度
化合物Iの粘度を、2種の温度(20℃及び37℃)並びに3種の濃度(246、295及び313mgI/ml)で測定した。試験溶液は、NaClによる重量オスモル濃度の調整によって等張とし、オートクレーブ処理によって滅菌した。密度メーターDMA58(Anton Paar社)を用いて溶液の密度を測定した。落下時間を動的粘度の尺度として用いる較正U管技法を使用した。化合物Iの粘度を3種の濃度について20℃及び37℃で測定した。結果を図4に示す。Visipaqueと比較したところ、320mgI/ml及び20℃での粘度は同様であって、約24mPasである。
重量オスモル濃度
化合物Iの重量オスモル濃度を4種の濃度(204、254、310及び324mgI/ml)で測定した。Vapro Inc.からのVapro 5520蒸気圧浸透圧計を使用した。化合物Iの重量オスモル濃度は、濃度に対し、直線に近い関係を示している。320mgI/mlでの化合物Iの重量オスモル濃度はイオジキサノールの重量オスモル濃度より低い(320mgI/mlで136mOsm/kg対210mOsm/kg)。
急性毒性
体重200±20gの若い成体雄Sca:SDラット(Scanbur社、スウェーデン)に、化合物I(340mgI/mL、286mosmol/kg)、イオジキサノール(321mgI/mL、284mosmol/kg)、浸透圧調節用マンニトール(283mosmol/kg)又は食塩水(290mosmol/kg)を1.2ml/分の速度で静脈内注射し、各々を2回分の用量として4時間間隔で投与した。中間屠殺動物(処置後2日目)に関しては、化合物I及びイオジキサノールはそれぞれ23.7、29.7及び38.0ml/kg並びに25、31.3及び40ml/kgの総投与容量に相当する8、10及び12.8gI/kgで投与したのに対し、マンニトール及び食塩水についての投与容量は40ml/kgであった。7日目の最終屠殺動物に関しては、4つの投与群、即ち化合物I及びイオジキサノール(12.8gI/kg)並びに食塩水及びマンニトール(40mL/kg)が存在していた。いずれの場合にも、各群は8頭の動物を含んでいた。
研究中に以下の評価を行った。即ち、0、2及び7日目には臨床徴候及び体重を検査し、血液学及び臨床化学検査のために血液を採取し、2又は7日目には過剰の静脈内チオペンタール注射によって屠殺した動物からの組織の肉眼観察、臓器重量測定及び組織形態学的検査を行った。投与日を0日目として定義した。臨床生化学パラメーター(Na、K、Cl、PO4、Ca、AST、ALT、ALP、コレステロール、クレアチニン、CK、GGT、TG(トリグリセリド)、総ビリルビン、総タンパク質、尿素、アルブミン、LDH及びGLDH)はBeckman Synchron CX5上において37℃で測定した。血液学パラメーター(WBC、分別WBC、RBC、WBC/RBC比、Hgb、PLT、HCT、MCH、MCHC、MCV、MPV及びRDW)は、Abbott Cell−Dyn 3500 CS自動血液学分析装置を用いて分析した。食塩水対照並びに12.8gI/kg化合物I及びイオジキサノール群からの腎臓を10%中性緩衝ホルマリン中に浸漬固定し、パラフィンろう中に包埋し、5μmの公称厚さで切片化し、ヘマトキシリン及びエオシンで染色し、光学顕微鏡で検査した。
2日間及び7日間のイオジキサノール群及び化合物I群と比較するために2日間及び7日間の食塩水群を使用しながら、パラメトリックワンウェイANOVA、次いでDunnettの事後検定によってデータを分析した。統計的分析は、−1日目(基線)、2日目及び7日目に適用した。
生体分布
各時点(2分、20分、1時間、2時間、4時間、24時間、48時間)について、各性別の動物3頭をイソフルランで麻酔した。各試験動物は約20秒以内に2回の注射を受けた。最初の注射は約320mgI/mlの化合物I(非放射性)であり、特定の尾静脈(左又は右)を通して約1.6gI/kgの総化学用量を与えるように投与した。その後できるだけ早く(約20秒以内に)、放射性[123I]化合物I試験品(約1〜約8MBq、350μg以下)を静脈内ボーラスとして反対側の尾静脈に注射した。このアプローチでは、化合物Iの総化学用量を顕著に変化させることなく、投与する放射能の量を解剖時点(試験日1、2及び3)に従って調整することができる。次いで、動物を尿及び糞便回収用の代謝ケージ内に配置し、標識化合物Iの注射後の適当な時点まで維持した。この時点で、動物をイソフルランで再び麻酔し、頸部脱臼によって屠殺した。選択された器官及び組織(血液、腎臓、膀胱及び尿、肺、肝臓、胃、小腸及び大腸、心臓、睾丸、卵巣、子宮並びに糞便)を取り出すと共に、尾を注射部位として分析した。次いで、選択された器官、組織及び排泄物中の放射能の量を、自動双晶型γ線カウンター及び分析システムを用いて測定した。
急性毒性の結果:
食塩水又はマンニトールで処置されたラットでは有害な臨床徴候は見られなかったのに対し、化合物I及びイオジキサノールで処置されたラットでは、軽度乃至中度の抑うつ状態、非協調運動及び虚弱/無気力、並びに四肢の浮腫及び紅斑が見られた。これらの効果は最初の投与から10〜20分後に始まり、2〜3時間続いたが、明確な用量−応答関係はなかった。血液学及び臨床化学データの解析は、いずれの群においても毒物学的に有意な悪影響は存在しないことを示した。
腎臓では、主たる処置関連所見は近位細管の細胞質空胞化であり、糸球体では、タンパク質様物質を含むボーマン腔の拡張であった。2日目では、空胞化の程度は化合物Iに比べてイオジキサノール投与群で高かった。7日目までには、いずれの群においても空胞化の程度は2日目に比べてやや低くなり、ポーマン腔の拡張及びタンパク質様物質の存在についても同様であった。
生体分布の結果:
静脈内投与後、[123I]標識化合物Iは急速に排出され、注射後2時間では注射用量(id)の>80%が膀胱及び尿中に存在していた。血液中のレベルは、注射後2分での21%idから注射後2時間での0.6%idに減少した。糞便経路を通じて少ないが実質的な量の排出が存在しており、これは注射後48時間では雄の動物(糞便中8.2%id)に比べて雌の動物(糞便中14.3%id)で僅かに高いと思われた。ただし、この差は統計的に有意でなかった。標識化合物Iの注射から48時間後には、2%id未満が体内に保持されていた。約0.5%が腎臓に保持され、0.1%が肝臓に保持され、1%未満が残りの胴体に保持されていた(図1)が、これらのすべてが24時間時点からさらに減少していた。これは、初期の急速排出段階後、体内に保持された化合物Iが継続的にゆっくりと排出されることを反映しているようである。生殖器官における放射能の保持は存在しなかった。全体として、標識化合物Iの生体分布プロファイルは他の二量体ヨウ素化造影剤と同様であった。
実施例2:比較研究
2a)ブタLAD閉塞モデルにおけるVisipaque(商標)及び化合物Iの診断用組成物の心臓毒性の比較
19mMのNaCl及び0.3mMのCaCl2を含むイオジキサノールの製剤が単独のイオジキサノールより低い頻度の心室細動を示すことを証明したChai et al.(Acad.Radiol.2004,11,583−593)による研究を参照されたい。この研究は、ブタにおいて、予め閉塞させた左冠動脈(LCA)に媒体を直接注入することで実施された。19mMのNaCl及び0.3mMのCaCl2を含むイオジキサノールの製剤が単独のイオジキサノールより低い頻度の心室細動を示すことは、図2から明らかである(P<0.01)。この場合、Visipaque(商標)の注入後に心室細動の発生は認められなかった。これらの実験で投与された用量は、2.0ml/分の注入速度で20mlであった。
Chai et al.による研究では、(Visipaqueとして製剤化された)20mlのイオジキサノールの冠動脈内注入を40秒の注入時間にわたって実施してもVFの発生例はなかったので、我々は、注入容量を62.5秒間にわたって25mlに増加させることで比較目的のためにVF発生例を増加させる研究を実施した。加えて、モデルの感度をさらに高めるため、試験溶液及び参照溶液を左前下行冠動脈(LAD)に選択的に注入した。試験溶液の物理的及び化学的性質を表2に示し、結果を図3に示す。
このような高い注入容量では、Visipaqueでも顕著な頻度(100%)の心室細動を示した(図3)。
しかし、意外にも、新規なX線造影剤である化合物Iは、45mMのNaCl及び0.1〜0.7mMのCaCl2と共に製剤化した場合、心室細動の発生を示さなかった(詳細については図3及び表3を参照されたい)。
2つの異なる研究からの結果を比較した場合、Visipaque(商標)では、0%から100%への心室細動の頻度の増加が認められる。しかし、高い用量でも、診断用組成物中における二量体X線造影剤の化合物Iは心室細動を示さない。主たる相違点は、化合物IがVisipaqueの場合(19mM)より顕著に高い45mMのNaClと共に製剤化されたことである。0.1〜0.7mMのカルシウムイオン濃度ではVFに対する顕著な効果は見られなかったものの、カルシウムの存在量が少ない場合にはSAP及びLVPの顕著な低下があった(表3)。
これらのデータが示す通り、心室細動の頻度を左右する主因子は塩化ナトリウムの濃度である一方、カルシウムは収縮期動脈血圧及び左心室収縮期血圧に対して顕著な効果を及ぼす。
2b:CaCl 2 添加及び無添加の組成物中における化合物IとVisipaque及びイオパミドールとの比較
パルーン閉塞を施さない正常ブタのLADへの選択的投与後において、CaCl2添加及び無添加の化合物Iの組成物の血行力学的効果をVisipaque及びイオパミドールと比較した。各コントラスト媒体の効果は、容量及び電解質「比」対照として作用するリンガー乳酸塩溶液の等価注入で見られた効果に対して正規化した。この研究では全部で12頭のブタが使用され、各ブタには単一のCMが10ml(4ml/秒)、20ml(1ml/秒)及び25ml(0.4ml/秒)の容量で3回注入された(各ブタにおいて全部で9回のCM注入)。各CMの前又は後にはリンガー乳酸塩の対照注入が行われ、各注入(容量)の順序は各ブタにおいてランダム化された。表4は、使用したナトリウム及びカルシウム電解質の量及び比を示している。
25mlの注入容量では、添加CaCl2を含まない組成物中の化合物Iは注入から45〜70秒後にLVSPの低下(リンガー乳酸塩に対して正規化して平均−5.7mmHg)を生じたのに対し、添加CaCl2を含む組成物中の化合物I及びVisipaqueはほとんど又は全く効果を及ぼさなかった(リンガー乳酸塩に対して正規化してそれぞれ−0.3及び+0.1mmHg)(図5)。添加CaCl2を含まない化合物Iの組成物に関して認めるられたLVSPの低下は、添加CaCl2を含むものに対して有意差があったが、後者はVisipaqueに対して有意差がなかった。加えて、イオパミドール注入に対しての対応する応答は分析できなかった。これは、各々の場合において、25ml注入の開始から約27〜50秒後にVFが認められたからである。これらの結果は、化合物Iの組成物中における0.5mMのCaCl2の存在が有益であり、Visipaqueと同様にしてLVSPに対する負の効果を制限することを示している。加えて、化合物Iの診断用組成物及びVisipaque中に存在する添加電解質は、添加電解質を含まないイオパミドールに比べてVFを誘発する傾向を低下させることができる。
2c:急速注入速度を用いた正常ブタにおける化合物Iの組成物とVisipaque、イオパミドール及びリンガー乳酸塩との比較
さらに別の研究では、急速注入速度(5ml/秒)を用いて正常ブタのLADに選択的に投与した後において、45mMのNaCl及び0.5mMのCaCl2を含む組成物中の化合物Iの血行力学的効果をVisipaque及びイオパミドールと比較した。リンガー乳酸塩もまた、容量及び電解質「比」対照として試験した。全部で3頭のブタを試験し、各CMをランダムな順序で各ブタに2回投与した。使用した注入速度は5ml/秒であり、総注入容量は40mlであった。表5は、試験したナトリウム及びカルシウム電解質の量及び比を示している。
化合物I及びVisipaqueの注入は、リンガー乳酸塩の投与とは有意に異なる基線からのLVSP又はdP/dtの変化を誘発しなかったのに対し、イオパミドールはLVSP値の有意な低下及びdP/dt値の有意な増加を誘発した(図6)。イオパミドールの投与後、LVSPは9%±6だけ低下し、dP/dtは69%±16だけ増加した。これは、LVSPの僅かな増加(約5%)及びdP/dtの控えめな増加(約30%以下)を生じたリンガー乳酸塩、化合物I及びVisipaqueの注入と対照的であった。これらの結果は、正常ブタのLADに急速注入した場合、45mMのNaCl及び0.5mMのCaCl2を含む組成物中の化合物IがVisipaque又は生理的リンガー液と同じく血行力学的パラメーターに対して最小の効果しか及ぼさないことを示している。試験した化合物Iの製剤及びVisipaque中に、リンガー乳酸塩及び間質液のバランス組成に一層類似した電解質が存在することは、添加電解質を含まないイオパミドールの注入後の状態に比べて優れた心臓機能の維持に寄与すると考えられる。
実施例3:化合物Iの診断用組成物の静脈内及び動脈内安全性
化合物Iの組成物の静脈内(i.v.)及び動脈内(i.a.)安全性が、別の研究(参考文献B145095)において証明された。この研究では、45mMのNaCl及び0.5mMのCaCl2を含む組成物中の化合物Iの心臓血管効果が、急性ブタモデルを用いて3種の容量レベルについてインビボで評価された。
方法:3頭ずつの動物群に対し、3種の用量レベルの1つ(2ml/kgの標準容量の1倍、2倍又は3倍)で組成物を動脈内又は静脈内に投与した。各動物はまた、容量対照として同容量のリンガー乳酸塩溶液の投与を受けた。CV効果として、心拍数(HR)、脈拍酸素測定値、心電図(ECG)、大動脈血圧(収縮期、拡張期及び平均)並びに左心室最終拡張期血圧(LVEDP)を評価した。一回拍出量、駆出率及び心臓収縮性を評価するための超音波/エコー心臓検査も行った。
結果:予備データ要約の評価は、ブタ心臓において、HR、脈拍酸素測定値及びECGに対する化合物Iの重要な用量又は経路関連効果が存在しないことを示唆している。脈拍酸素測定値の分析は、投与期間全体を通じて酸素飽和度が約98%に保たれたことを示した。HRも正常範囲内に保たれた。化合物Iに関連する調律障害は存在しなかった。即ち、化合物Iの動脈内又は静脈内投与にかかわらず、QT間隔は正常範囲内にあった。同様に、用量範囲全体にわたり、大動脈血圧(収縮期、拡張期及び平均)に対する化合物Iの効果はほとんど又は全く認められなかった。化合物Iが静脈内又は動脈内経路のいずれで投与されたにせよ、大動脈血圧の変化は同様であると思われた。化合物Iの用量の増加に伴ってLVEDPの僅かな増加が存在したが、その効果は化合物Iが静脈内又は動脈内経路のいずれで投与されても同様であった。加えて、LVEDPの増加の大きさは、増加した容量のリンガー乳酸塩を投与した後に見られるものと同様であった。エコー心臓検査による一回拍出量、駆出率及び心臓収縮性の分析は最終拡張期容量(EDV)の僅かな変化のみを示し、いずれの効果も容量に関連するものであり、化合物Iの投与に特有のものではないことが確認された。
したがって、化合物Iを静脈内又は動脈内経路で投与した場合、心筋性能の総合的変化は存在しなかった。CV機能パラメーターの小さな変化は投与した容量によるものであり、試験品の化合物Iによるものではなかった。その理由は、リンガー乳酸塩溶液の注入後に同様な効果が見られたことにある。2ml/kgの標準投与容量の3倍までの化合物Iの静脈内又は動脈内投与後、すべての心筋パラメーターは正常範囲内にあった。

Claims (12)

  1. 次式の化合物Iと、
    薬学的に許容されるキャリアと、
    上記キャリア中に溶解されて40〜50mMのナトリウムイオン濃度及び0.1〜0.7mMのカルシウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物及びカルシウム化合物と
    を含む診断用組成物。
  2. 42〜47mMのナトリウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物を含む、請求項1記載の診断用組成物。
  3. 44〜46mMのナトリウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物を含む、請求項1記載の診断用組成物。
  4. 45mMのナトリウムイオン濃度を与えるナトリウム化合物を含む、請求項1記載の診断用組成物。
  5. 0.3〜0.6mMのカルシウムイオン濃度を与えるカルシウム化合物を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の診断用組成物。
  6. 0.4〜0.5mMのカルシウム濃度を与えるカルシウム化合物を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の診断用組成物。
  7. 0.5mMのカルシウム濃度を与えるカルシウム化合物を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の診断用組成物。
  8. ナトリウムイオン濃度とカルシウムイオン濃度との比が63〜117である、請求項1記載の診断用組成物。
  9. ナトリウム化合物及びカルシウム化合物が、塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン及び炭酸水素イオンからなる群から選択される対イオンを含む塩である、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の診断用組成物。
  10. ナトリウム化合物が塩化ナトリウムであり、カルシウム化合物が塩化カルシウムである、請求項記載の診断用組成物。
  11. さらにEDTA及び/又はTRISを含む、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の診断用組成物。
  12. X線診断又はX線イメージングにおいてX線コントラスト媒体として使用するための、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の診断用組成物。
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