JP5334936B2 - コアバック発泡成形型及び車両用エンジンカバーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、固定型とコアバック可動型との間のキャビティに溶融樹脂を充填後、コアバック可動型を後退させることでキャビティ内の溶融樹脂を発泡させて発泡成形品を成形するコアバック発泡成形型及びそのコアバック発泡成形型を用いた車両用エンジンカバーの製造方法に関する。
近年、樹脂製品の軽量化のためにコアバック発泡成形型が多く使用されるようになってきている。その一例として車両用エンジンカバーを製造するためのコアバック発泡成形型が知られている。このコアバック発泡成形型は、車両用エンジンカバーの主板部の板厚方向にコアバック可動型を後退させて、主板部の板厚方向における中央部を発泡させる構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−257442号公報(段落[0061]、図4)
しかしながら、上記した従来のコアバック発泡成形型では、車両用エンジンカバーの主板部の板厚が不均一であると、板厚が小さい部分で発泡倍率が高くなり過ぎて強度が低下するという問題が生じる。このように、従来のコアバック発泡成形型では、成形可能な発泡成形品の構造が制限されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、成形可能な発泡成形品の構造の自由度を高くすることが可能なコアバック発泡成形型及び車両用エンジンカバーの製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るコアバック発泡成形型(10)は、固定型(11)との間にキャビティ(30)を有するコアバック可動型(20)を、固定型(11)に最も接近させた型閉じ位置からその後方のコアバック位置へと直動させることでキャビティ(30)内の溶融樹脂を発泡させて発泡成形品(90)を成形するコアバック発泡成形型(10)において、キャビティ(30)の外側に配置されて、コアバック可動型(20)と同方向に直動可能となるように固定型(11)に支持されると共に、コアバック位置から型閉じ位置に移動するコアバック可動型(20)に押圧されて追従終端位置から追従始端位置まで移動する追従可動体(56)と、型閉じ位置からコアバック位置に移動するコアバック可動型(20)に追従して追従可動体(56)が追従始端位置から追従終端位置まで移動するように付勢する追従付勢手段(51)と、固定型(11)におけるキャビティ(30)の内面からコアバック可動型(20)の直動方向に延びたコア嵌合部(14)を有しかつ末端部が固定型(11)のうち追従可動体(56)との対向面に開口したコアガイド孔(13)と、コア嵌合部(14)に直動可能に嵌合し、一端部がキャビティ(30)内に露出してコアバック可動型(20)に対して離間状態で対向すると共に、他端部が追従可動体(56)に固定された追従コア(40)とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコアバック発泡成形型(10)において、コアバック可動型(20)の直動方向で、追従可動体(56)に対する追従コア(40)の固定位置を変更可能とした固定位置調整手段(55)を備えたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のコアバック発泡成形型(10)において、コアバック可動型(20)がコアバック位置に配置された状態における追従可動体(56)の固定型(11)に対する位置を変更可能とした当接位置調整手段(58)を備えたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載のコアバック発泡成形型(10)において、固定型(11)のうちコアバック可動型(20)との反対面に対して間隔を開けて対向配置された背面固定ベース(17)と、固定型(11)と背面固定ベース(17)との間に差し渡されたガイドシャフト(18)と、固定型(11)と背面固定ベース(17)との間に配置されて、ガイドシャフト(18)に直動可能に支持された背面可動ベース(50)と、背面可動ベース(50)からコアバック可動型(20)に向かって延び、固定型(11)のうちキャビティ(30)の側方部分に形成されたシャフトガイド孔(52)を貫通しかつ、先端部がコアバック可動型(20)に当接可能な当接シャフト(54)と、背面可動ベース(50)からコアバック可動型(20)に向かって延びてコアガイド孔(13)に突入し、先端に追従コア(40)が固定された中継シャフト(42)と、背面可動ベース(50)と背面固定ベース(17)との間に配置された追従付勢手段(51)としての圧縮コイルバネ(51)とを備え、追従可動体(56)は、背面可動ベース(50)、当接シャフト(54)及び中継シャフト(42)を含んで構成されたところに特徴を有する。
請求項5の発明に係る車両用エンジンカバー(90)の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか1の請求項に記載のコアバック発泡成形型(10)を用いて発泡成形品(90)としての車両用エンジンカバー(90)を成形する車両用エンジンカバー(90)の製造方法であって、コアバック発泡成形型(10)のキャビティ(30)に溶融樹脂を充填するための樹脂注入口(12G)を固定型(11)に配置しておき、車両用エンジンカバー(90)の意匠面をコアバック可動型(20)側で成形する一方、車両用エンジンカバー(90)の裏面を固定型(11)で成形するところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、コアバック可動型(20)を型閉じ位置に配置すると、コアバック可動型(20)と固定型(11)との間にキャビティ(30)が形成される。このとき、追従コア(40)の一端部が固定型(11)におけるキャビティ(30)の内面の一部を構成し、コアバック可動型(20)に対して離間状態で対向する。そして、キャビティ(30)に溶融樹脂を充填してコアバック可動型(20)を型閉じ位置からコアバック位置に直動する(以下、これを適宜「コアバックする」という)と、キャビティ(30)が拡張されて溶融樹脂が発泡する。このとき、追従コア(40)は、コアバック可動型(20)に追従して移動するので、キャビティ(30)のうち追従コア(40)が配置された部分では、それ以外の部分に比べてコアバックによるキャビティ(30)の拡張量が小さくなる。これにより、コアバック発泡成形型(10)にて発泡成形する発泡成形品(90)のうちコアバック可動型(20)の直動方向における板厚が全体に比べて比較的小さいところに追従コア(40)を配置して発泡倍率の均一化を図ったり、発泡成形品(90)の部位に応じて発泡倍率を異ならせることで、発泡成形品(90)の部位ごとに強度や振動伝達率等の物性を異ならせることができる。即ち、本発明のコアバック発泡成形型(10)によれば、成形可能な発泡成形品(90)の構造の自由度が高くなる。しかも、追従コア(40)は、コアバック可動型(20)からの動力と、その動力を蓄えた追従付勢手段(51)とによって直動するので、追従コア(40)のために別途駆動源を設けずに済む。
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、固定位置調整手段(55)によりコアバック前及び後のコアバック可動型(20)と追従コア(40)との離間距離を変更することができる。これにより、コアバック可動型(20)と追従コア(40)との間で成形される発泡成形品(90)の板厚を変更することが可能になる。
[請求項3の発明]
請求項3の構成によれば、当接位置調整手段(58)により、コアバック可動型(20)が型閉じ位置からコアバック位置に到達するまでの間のどの位置で追従コア(40)が追従終端位置に到達して停止するかを変更することができる。また、その変更により、コアバック可動型(20)と追従コア(40)との間のキャビティ(30)の拡張量やコアバック可動型(20)と追従コア(40)との間で成形される発泡成形品(90)の板厚を変更することが可能になる。
[請求項4の発明]
請求項4の構成では、コアバック可動型(20)から追従コア(40)へと力を伝達する追従可動体(56)が、背面可動ベース(50)、当接シャフト(54)及び中継シャフト(42)を含んでなる。そして、その背面可動ベース(50)は、固定型(11)のうちコアバック可動型(20)の反対側に広いスペースを確保して配置することができるので、十分な強度を確保することができる。また、当接シャフト(54)及び中継シャフト(42)は、軸方向でのみ力を受けるので変形し難く、十分な強度を確保することができる。即ち、本発明によれば、コアバック可動型(20)と追従コア(40)との間で力を伝達する追従可動体(56)の強度を高くすることができ、追従コア(40)の挙動が安定する。
[請求項5の発明]
請求項5の発明では、樹脂注入口(12G)を有する固定型(11)で車両用エンジンカバー(90)の裏面を形成する一方、樹脂注入口(12G)を有しないコアバック可動型(20)で車両用エンジンカバー(90)の意匠面を成形するので、樹脂の注入跡が目立たない車両用エンジンカバー(90)を製造することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンカバーの側断面図 (A)エンジンカバーの側断面図,(B)型閉じ状態のキャビティの側断面図,(C)コアバック途中のキャビティの側断面図,(D)コアバック済みのキャビティの側断面図 型閉じ状態のコアバック発泡成形型の側断面図 追従コアが追従終端位置に配置されたコアバック発泡成形型の側断面図 コアバック済みのコアバック発泡成形型の側断面図 型開き状態のコアバック発泡成形型の側断面図 変形例に係るコアバック発泡成形型の型閉じ状態の側断面図
以下、本発明に係る一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1に示した車両用エンジンカバー90(以下、単に「エンジンカバー90」という)は、エンジン99の上面に対向配置される主板部91と、その主板部91の外縁全体から垂下した周囲壁92とを備えている。主板部91のうち外側に配置された意匠面91Aは、なだらかで平坦面になっている。一方、主板部91のうち意匠面91Aとは反対側の裏面91Bは、裏面凹部93を有した凹凸面になっている。また、裏面凹部93を設けたことで、主板部91には、裏面凹部93の上方の比較的板厚が小さい薄板部94と、薄板部94以外の比較的板厚が大きな厚板部95とが備えられている。
なお、裏面凹部93は、例えば、エンジン99の上面突部99Tとの対向位置に配置されている。その理由は、万が一、歩行者がボンネットに衝突してエンジンカバー90が押し潰された場合に、裏面凹部93を設けたことで主板部91とエンジン99との間隔を広くして、エンジンカバー90の変形によって衝撃エネルギーをより多く吸収して衝撃を緩和させるためである。
本実施形態のエンジンカバー90は、コアバック発泡成形品であって、その特徴である三層断面構造が図2(A)に強調して示されている。即ち、主板部91は、意匠面91A側と裏面91B側とに非発泡樹脂層96A,96Cを備えると共に、それら非発泡樹脂層96A,96Cの間に中間発泡樹脂層96Bを備えた三層断面構造になっている。また、本実施形態のエンジンカバー90は、次述する本発明に係るコアバック発泡成形型10で製造されることで、主板部91のうち薄板部94における中間発泡樹脂層96Bの発泡率が、厚板部95における中間発泡樹脂層96Bの発泡率より小さくなっている。即ち、薄板部94の中間発泡樹脂層96Bの方が厚板部95より中間発泡樹脂層96Bより樹脂が密になっている。
図3には、コアバック発泡成形型10の全体が示されている。このコアバック発泡成形型10は、下側に固定型11、上側にコアバック可動型20を配置して備え、コアバック可動型20が上下動するようになっている。
コアバック可動型の下面には、メイン成形凹部22が形成される一方、固定型11の上面にはメイン成形突部12が形成されている。これらメイン成形凹部22の内側面22S及びメイン成形突部12の外側面12Sは、共にコアバック可動型の直動方向と略平行な面になっている。また、メイン成形突部12の外側面12Sには、上下方向における中間部に段差面12Dが設けられ、段差面12Dより上部側が下側部分より一周り小さくなっている。そして、コアバック可動型20を固定型11に接近させると、メイン成形突部12のうち段差面12Dより下側部分がメイン成形凹部22の内側に嵌合し、固定型11とコアバック可動型20との間にキャビティ30が形成される。そして、固定型11側のキャビティ30の内面で主板部91の裏面91Bと周囲壁92の裏面92B及び下面92C(図2(A)参照)とが成形され、コアバック可動型20側のキャビティ30の内面で主板部91の意匠面91Aと周囲壁92の意匠面92A(図2(B)参照)とが成形される。
図3に示すように、固定型11には、キャビティ30内に溶融樹脂を注入するための樹脂注入路12Rが設けられている。そして、樹脂注入路12Rは、メイン成形突部12の上端面12Jで開口し、その開口が本発明に係る樹脂注入口12Gになっている。なお、樹脂注入路12R内には、樹脂注入口12Gを開閉するための可動栓12Kが設けられている。
さて、固定型11には、本発明に係るコアガイド孔13が形成されている。コアガイド孔13は、メイン成形突部12の上端面12Jから固定型11の上下方向における中間位置まで陥没したコア嵌合部14と、そのコア嵌合部14の底面から固定型11の下面まで貫通した複数のシャフト挿通部15,15とからなる。そして、そのコア嵌合部14に、裏面凹部93を成形するための追従コア40が上下動可能に嵌合している。
追従コア40には、複数のシャフト挿通部15に対応させて複数のシャフト取付孔41が上下方向に貫通形成されている。各シャフト取付孔41は、上側から順番に螺子ヘッド収容部41A、螺子挿通部41B及びシャフト嵌合部41Cを備えている。また、螺子ヘッド収容部41Aとシャフト嵌合部41Cとが略同一の内径をなし、それらより螺子挿通部41Bの内径が段付き状に小さくなっている。そして、各シャフト嵌合部41Cには、ワッシャ状の複数の第1調整シム55(本発明の「固定位置調整手段」に相当する)が挿入されてから中継シャフト42の上端部が挿入されている。また、上方から螺子ヘッド収容部41A及び螺子挿通部41Bにシャフト固定ボルトB1が挿通され、中継シャフト42の上端部の中心に形成された螺子孔に締め付けられ、これにより複数の中継シャフト42が追従コア40から垂下した状態に固定されている。そして、それら中継シャフト42は、シャフト挿通部15に挿通されて固定型11の下方に備えたベース収容部屋16内に突出している。なお、螺子ヘッド収容部41A及の上端開口は、詰め栓59にて閉塞されている。
上記したベース収容部屋16は、図3に示すように、固定型11の下面に形成した凹部11Aの下面開口を平板状の背面固定ベース17にて閉塞してなる。また、ベース収容部屋16内には、上下方向に延びたガイドシャフト18が設けられ、そのガイドシャフト18の上下の両端部が固定型11と背面固定ベース17とに固定されている。さらに、ベース収容部屋16内には、平板状の背面可動ベース50が収容され、その背面可動ベース50をガイドシャフト18が貫通している。そして、中継シャフト42の下端部が背面可動ベース50に固定されて、追従コア40と背面可動ベース50とが一体になって上下動するようになっている。また、背面可動ベース50の下面と背面固定ベース17との間には、圧縮コイルばね51が設けられ、その圧縮コイルばね51の弾発力によって背面可動ベース50及び追従コア40が可動範囲の上端部へと付勢されている。
ベース収容部屋16及び背面可動ベース50は、共に図3の左右方向において、メイン成形突部12より両側方に大きくなっている。そして、固定型11のうちメイン成形突部12の側方かつベース収容部屋16の上方部分を、シャフトガイド孔52及びベース位置調整孔53が上下に貫通している。シャフトガイド孔52には、当接シャフト54が挿通され、当接シャフト54の下端部が背面可動ベース50に固定されている。そして、当接シャフト54の上端部が固定型11からコアバック可動型20に向かって突出している。なお、本実施形態では、背面可動ベース50及び当接シャフト54と前記した中継シャフト42とから本発明に係る追従可動体56が構成されている。
ベース位置調整孔53は、螺子孔部53Nの上端部にザグリ孔部53Mを設けてなる。そして、ワッシャ状の複数の第2調整シム58(本発明の「当接位置調整手段」に相当する)がベース位置調整孔53に上方から挿入され、次いで、当接位置調整ボルトB2が上方から螺子孔部53Nに締め付けられて、その当接位置調整ボルトB2の下端部がベース収容部屋16内に突出している。
本実施形態のコアバック発泡成形型10の構成に関する説明は以上である。次に、このコアバック発泡成形型10の作用効果について説明する。図6に示すように、コアバック可動型20が固定型11の上方に離間した型開き位置に配置されているときには、圧縮コイルばね51の弾発力によって追従コア40及び追従可動体56が上方に押し上げられ、背面可動ベース50が当接位置調整ボルトB2の先端に当接することで、追従コア40及び追従可動体56が本発明に係る追従終端位置に位置決めされている。
コアバック可動型20を型開き位置(図6参照)から降下していくと、その降下過程で、図5に示すように、固定型11のうちメイン成形突部12における段差面12Dより下側部分がメイン成形凹部22内に嵌合してキャビティ30が閉塞され、さらに降下すると、図4に示すようにコアバック可動型20が当接シャフト54の先端に当接する。そこからコアバック可動型20が当接シャフト54を押し下げながらさらに降下すると、図3に示すように、コアバック可動型20のうちメイン成形凹部22の開口縁が固定型11におけるメイン成形突部12の周辺部分に当接し、本発明に係る型閉じ位置に位置決めされて停止する。このとき当接シャフト54を含む追従可動体56と追従コア40も停止して、本発明に係る追従始端位置に位置決めされる。そして、追従コア40の上面は、固定型11におけるメイン成形突部12の上端面12Jと面一になり、コアバック可動型20におけるメイン成形凹部22の奥面22Jと離間状態になって対向する。
この状態で、樹脂注入口12Gからキャビティ30内の溶融樹脂Y(図2(B)参照)を充填し、樹脂注入口12Gを可動栓12Kによって閉塞する。すると、キャビティ30内の溶融樹脂は、キャビティ30の内面に接触した部分から熱を奪われて硬化し始める。そこで、キャビティ30内の溶融樹脂Yの全体が硬化する前にコアバック可動型20が型閉じ位置から上昇する。即ち、コアバック可動型20がコアバックする。これによりキャビティ30内の溶融樹脂の一部が発泡する。
詳細には、図3から図4の変化に示すように、コアバック可動型20が型閉じ位置から上昇していくと、そのコアバック可動型20に追従して追従コア40が圧縮コイルばね51の弾発力により上昇してキャビティ30内に突出していく。そして、図4に示すように、背面可動ベース50が当接位置調整ボルトB2の先端に当接することで、追従コア40が追従終端位置に位置決めされて先に停止する。よって、コアバックするコアバック可動型20に追従コア40が追従して上昇している間は、メイン成形凹部22の奥面22Jと追従コア40の上面との間(以下、「薄肉成形部30B」という)の溶融樹脂Yは、上下に引っ張られることはなく、発泡が抑えられる。これに対し、メイン成形凹部22の奥面22Jとメイン成形突部12の上端面12Jとの間(以下、「厚肉成形部30A」という)の溶融樹脂Yは、上下に引っ張られて発泡が促進される。
追従コア40が追従終端位置に停止してからコアバック可動型20は更に上昇して、図5に示すように、メイン成形突部12における段差面12Dより下側部分がメイン成形凹部22から離脱する手前のコアバック位置で停止する。この追従コア40が停止した状態でコアバック可動型20がコアバックしている間は、図2(C)から図2(D)の変化に示すように、厚肉成形部30A及び薄肉成形部30Bの両方で溶融樹脂Yが上下に引っ張られて発泡が促進される。そして、発泡した樹脂が固化したらコアバック可動型20を型開き位置(図6参照)まで上昇して、コアバック発泡成形型10からエンジンカバー90を取り出す。以上で、コアバック発泡成形型10によるエンジンカバー90の製造が終了する。
上記したように本実施形態のコアバック発泡成形型10では、キャビティ30のうち厚肉成形部30Aの拡張量は、コアバック可動型20の型閉じ位置からコアバック位置へのコアバック移動量L1(図5参照)と同じであるのに対し、薄肉成形部30Bの拡張量は、上記したコアバック移動量L1から追従コア40の追従始端位置から追従終端位置への追従移動量L2(図4参照)を引いた差分移動量L3(図5参照)となり、厚肉成形部30Aの拡張量より小さくなる。一方、コアバック可動型20を上昇させる前は、厚肉成形部30Aと薄肉成形部30Bの上下方向の寸法は同一であるので(図3及び図2(B)参照)、厚肉成形部30Aより薄肉成形部30Bの溶融樹脂の発泡倍率の方が小さくなる。これにより、エンジンカバー90における薄板部94の強度が確保される。
ここで、本実施形態のコアバック発泡成形型10では、第1調整シム55及び第2調整シム58の枚数調整によって、厚肉成形部30Aと薄肉成形部30Bの溶融樹脂の発泡倍率とを同じにすることもできるし、上記した一例とは逆に、厚肉成形部30Aより薄肉成形部30Bの溶融樹脂の発泡倍率を大きくすることもできる。具体的には、第2調整シム58の枚数を現状より少なくして当接位置調整ボルトB2のベース収容部屋16内における突出量を多くすると、追従コア40の追従移動量L2(図4参照)が現状より小さくなる。これにより、薄肉成形部30Bにおける溶融樹脂の発泡倍率を変更して、厚肉成形部30Aの溶融樹脂の発泡倍率との差異を大きくしたり小さくしたりすることができる。また、第2調整シム58の枚数調整を行うと、それに伴ってエンジンカバー90における裏面凹部93の陥没量まで変わってしまうが、第2調整シム58を減らした分、第1調整シム55を増やすか、第2調整シム58を増やした分、第1調整シム55を減らせば、エンジンカバー90の形状を変更せずに薄肉成形部30Bにおける溶融樹脂の発泡倍率を変更することができる。また、追従可動体56が追従始端位置に配置されたときに(図3参照)、追従コア40の上面がメイン成形突部12の上端面12Jの下方に位置しかつ、追従可動体56が追従終端位置に配置されたときに(図4参照)、追従コア40の上面がメイン成形突部12の上端面12Jと面一になるように第1調整シム55を枚数調整すれば、エンジンカバー90の主板部91に板厚は同一であるが発泡倍率が部位によって異なる構成にすることもできる。
上記したように本実施形態のコアバック発泡成形型10によれば、発泡成形品であるエンジンカバー90のうちコアバック可動型20の直動方向における板厚が全体に比べて比較的小さいところに追従コア40を配置して発泡倍率の均一化を図ったり、エンジンカバー90の部位に応じて発泡倍率を異ならせることで、エンジンカバー90の部位ごとに強度や振動伝達率等の物性を異ならせることができる。即ち、本実施形態のコアバック発泡成形型10によれば、成形可能な発泡成形品(例えば、エンジンカバー90)の構造の自由度が高くなる。また、樹脂注入口12Gを有する固定型11でエンジンカバー90の裏面91B,92Bを形成する一方、樹脂注入口12Gを有しないコアバック可動型20でエンジンカバー90の意匠面91A,92A(図1参照)を成形するので、樹脂の注入跡が目立たない車両用エンジンカバー90を製造することができる。しかも、追従コア40は、コアバック可動型20からの動力と、その動力を蓄えた圧縮コイルばね51とによって直動するので、追従コア40のために別途駆動源を設けずに済む。
また、第1調整シム55によりコアバック前及び後のコアバック可動型20と追従コア40との離間距離を変更することができる。これにより、コアバック可動型20と追従コア40との間で成形されるエンジンカバー90の板厚を変更することが可能になる。さらに、第2調整シム58により、コアバック可動型20が型閉じ位置からコアバック位置に到達するまでの間のどの位置で追従コア40が追従終端位置に到達して停止するかを変更することができる。また、その変更により、コアバック可動型20と追従コア40との間のキャビティ30の拡張量やコアバック可動型20と追従コア40との間で成形されるエンジンカバー90の板厚を変更することが可能になる。
また、本実施形態のコアバック発泡成形型10では、コアバック可動型20から追従コア40へと力を伝達する追従可動体56が、背面可動ベース50、当接シャフト54及び中継シャフト42を含んでなる。そして、その背面可動ベース50は、固定型11のうちコアバック可動型20の反対側に広いスペースを確保して配置することができるので、十分な強度を確保することができる。また、当接シャフト54及び中継シャフト42は、軸方向でのみ力を受けるので変形し難く、これらも十分な強度を確保することができる。即ち、本実施形態のコアバック発泡成形型10の構造によれば、コアバック可動型20と追従コア40との間で力を伝達する追従可動体56の強度を高くすることができ、追従コア40の挙動が安定する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態のコアバック発泡成形型10には、コアバック可動型20に対する追従移動量がL2である追従コア40が1つのみ設けられていたが、コアバック可動型に対する追従移動量が異なる複数の追従コアを備えた構造にしてもよい。
(2)前記実施形態では、背面可動ベース50に固定された当接シャフト54がコアバック可動型20に向かって延びていたが、コアバック可動型20に固定した当接シャフト54を背面可動ベース50に向けて延ばした構成としてもよい。
(3)図7に示すように、固定型11に対して型閉じ位置と型開き位置との間を移動する可動型70の一部のみをコアバック可動型71とすると共に残りを可動本体型72とし、可動型70を固定型11に対して型閉じ位置に配置してから、可動本体型72を型閉じ位置に保持してコアバック可動型71のみをコアバックさせる構成にしてもよい。
(4)前記実施形態は、エンジンカバー90を製造するためのコアバック発泡成形型10に本発明を適用したものであったが、本発明は、上記したエンジンカバー90を製造するものに限定されるものではなく、例えば、発泡樹脂製のオイルパンやダッシュボード等を製造するためのコアバック発泡成形型に適用してもよい。
10 コアバック発泡成形型
11 固定型
12G 樹脂注入口
13 コアガイド孔
14 コア嵌合部
15 シャフト挿通部
16 ベース収容部屋
17 背面固定ベース
18 ガイドシャフト
20,71 コアバック可動型
30 キャビティ
40 追従コア
42 中継シャフト
50 背面可動ベース
51 圧縮コイルばね(追従付勢手段)
52 シャフトガイド孔
54 当接シャフト
55 第1調整シム(固定位置調整手段)
56 追従可動体
58 第2調整シム(当接位置調整手段)
70 可動型
72 可動型本体
90 エンジンカバー(発泡成形品)
91A 意匠面
91B 裏面
93 裏面凹部

Claims (5)

  1. 固定型(11)との間にキャビティ(30)を有するコアバック可動型(20)を、前記固定型(11)に最も接近させた型閉じ位置からその後方のコアバック位置へと直動させることで前記キャビティ(30)内の溶融樹脂を発泡させて発泡成形品(90)を成形するコアバック発泡成形型(10)において、
    前記キャビティ(30)の外側に配置されて、前記コアバック可動型(20)と同方向に直動可能となるように前記固定型(11)に支持されると共に、前記コアバック位置から前記型閉じ位置に移動する前記コアバック可動型(20)に押圧されて追従終端位置から追従始端位置まで移動する追従可動体(56)と、
    前記型閉じ位置から前記コアバック位置に移動する前記コアバック可動型(20)に追従して前記追従可動体(56)が前記追従始端位置から前記追従終端位置まで移動するように付勢する追従付勢手段(51)と、
    前記固定型(11)における前記キャビティ(30)の内面から前記コアバック可動型(20)の直動方向に延びたコア嵌合部(14)を有しかつ末端部が前記固定型(11)のうち前記追従可動体(56)との対向面に開口したコアガイド孔(13)と、
    前記コア嵌合部(14)に直動可能に嵌合し、一端部が前記キャビティ(30)内に露出して前記コアバック可動型(20)に対して離間状態で対向すると共に、他端部が前記追従可動体(56)に固定された追従コア(40)とを備えたことを特徴とするコアバック発泡成形型(10)。
  2. 前記コアバック可動型(20)の直動方向で、前記追従可動体(56)に対する前記追従コア(40)の固定位置を変更可能とした固定位置調整手段(55)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコアバック発泡成形型(10)。
  3. 前記コアバック可動型(20)が前記コアバック位置に配置された状態における前記追従可動体(56)の前記固定型(11)に対する位置を変更可能とした当接位置調整手段(58)を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコアバック発泡成形型(10)。
  4. 前記固定型(11)のうち前記コアバック可動型(20)との反対面に対して間隔を開けて対向配置された背面固定ベース(17)と、
    前記固定型(11)と前記背面固定ベース(17)との間に差し渡されたガイドシャフト(18)と、
    前記固定型(11)と前記背面固定ベース(17)との間に配置されて、前記ガイドシャフト(18)に直動可能に支持された背面可動ベース(50)と、
    前記背面可動ベース(50)から前記コアバック可動型(20)に向かって延び、前記固定型(11)のうち前記キャビティ(30)の側方部分に形成されたシャフトガイド孔(52)を貫通しかつ、先端部が前記コアバック可動型(20)に当接可能な当接シャフト(54)と、
    前記背面可動ベース(50)から前記コアバック可動型(20)に向かって延びて前記コアガイド孔(13)に突入し、先端に前記追従コア(40)が固定された中継シャフト(42)と、
    前記背面可動ベース(50)と前記背面固定ベース(17)との間に配置された前記追従付勢手段(51)としての圧縮コイルバネ(51)とを備え、
    前記追従可動体(56)は、前記背面可動ベース(50)、前記当接シャフト(54)及び前記中継シャフト(42)を含んで構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載のコアバック発泡成形型(10)。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1の請求項に記載のコアバック発泡成形型(10)を用いて前記発泡成形品(90)としての車両用エンジンカバー(90)を成形する車両用エンジンカバー(90)の製造方法であって、
    前記コアバック発泡成形型(10)の前記キャビティ(30)に溶融樹脂を充填するための樹脂注入口(12G)を前記固定型(11)に配置しておき、前記車両用エンジンカバー(90)の意匠面を前記コアバック可動型(20)側で成形する一方、前記車両用エンジンカバー(90)の裏面を前記固定型(11)で成形することを特徴とする車両用エンジンカバー(90)の製造方法。
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