JP5333837B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータにより油圧ポンプを駆動して操舵補助力を発生するパワーステアリング装置に関する。
ラックアンドピニオン機構等の操舵機構に連結されたパワーシリンダに、油圧ポンプからの作動油を供給することによって、ステアリングホイールの操作を補助するパワーステアリング装置において、油圧ポンプの駆動源として、例えば3相ブラシレスモータからなる電動モータが用いられている場合がある。この場合、電動モータがステアリングホイールの操舵速度に応じた目標回転速度で回転されるように、電動モータに供給される駆動電力が制御される。
上記電動モータの駆動方式を、120度通電方式と180度通電方式とに切り替えることが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特許第4016835号公報
例えば、電動モータの実際の回転速度(実回転速度)に応じて、120度通電方式および180度通電方式を切り替えることが考えられる。すなわち、低回転速度領域では120度通電方式とすることで省エネルギ性の向上(高効率化)を図るとともに、高回転速度領域では180度通電方式として充分なトルクを確保することができる。
しかし、実回転速度のみを基準にして通電方式を切り替えても、必ずしも最適な通電方式を選択することができない。
例えば、悪路走行中には、緩やかな操舵速度であるにもかかわらず、大きな操舵トルクが要求される場合がある。この場合、実回転速度が、120度通電方式から180度通電方式への切り替え条件の回転速度に満たないときに、電動モータの負荷が増大したとき、電動モータがトルク不足となる。その結果、電動モータの実回転速度が、目標回転速度に追従できなくなる。このため、操舵補助が十分でなく、操舵フィーリングに、いわゆる「ひっかかり感」を生じ、操舵フィーリングが悪くなる。
また、電動モータの現在の負荷に対して最適な通電方式が採用されていないときには、エネルギ効率が悪い。例えば、比較的滑り易い路面では電動モータの負荷が小さいから、電動モータの実回転速度が目標回転速度に追従し易い傾向にある。このような場面において、電動モータの負荷とは無関係に、実回転速度に応じて180度通電方式が採用された場合、無駄なエネルギを消費することになり、電動モータの効率が悪くなる。また、操舵フィーリングとして、安定した中立感や安定した保舵感が得られない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高効率で且つ操舵フィーリングに優れたパワーステアリング装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、操舵補助力を発生する油圧ポンプ(22)を駆動するための電動モータ(24)と、駆動回路(26)から電動モータへの駆動電流の供給をPWM制御して、電動モータを目標回転速度で回転させるモータ制御装置(25)と、を備え、上記モータ制御装置は、電動モータの駆動方式を120度通電方式および180度通電方式に択一的に切り替える駆動方式切替手段(38)と、電動モータの回転速度を演算する回転速度演算手段(35)と、電動モータの消費電流を検出する消費電流検出手段(29)と、を含み、上記駆動方式切替手段(38)は、上記回転速度演算手段により演算された回転速度に基づいて駆動方式を切り替える通常制御部(381)と、通常制御部による切替に拘らず上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流および上記回転速度演算手段により演算された上記回転速度に基づいて駆動方式を切り替える最適化制御部(382)とを含むことを特徴とするものである。
本発明では、回転速度演算手段により演算された回転速度(電動モータの実際の回転速度)に基づく通常制御部の切替に拘らず、消費電流検出手段により検出された上記消費電流および回転速度演算手段により演算された回転速度に基づいて、すなわち電動モータの実際の負荷に基づいて、駆動方式を最適化する。したがって、電動モータの回転速度を目標回転速度に精度良く追従させて操舵フィーリングを向上することができ、また、電動モータの効率を向上することができる。
また、120度通電方式での電動モータの駆動時に、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流(i)が所定値以上になった(i1≦i)ときには、上記最適化制御部が駆動方式を180度通電方式に切り替える場合がある(請求項2)。このような構成とすれば、120度通電方式での電動モータの駆動時において、仮に、電動モータの実際の回転速度が低い場合でも、電動モータの負荷が大きいときには、最適化制御部が180度通電方式に切り替えるので、電動モータがトルク不足になることがない。その結果、電動モータの回転速度の追従性を向上することができる。また、操舵フィーリングにおける、いわゆる「ひっかかり感」をなくして操舵フィーリングを向上することができる。
また、180度通電方式での電動モータの駆動時に、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流(i)が所定値未満になった(i<i2またはi<i1)ときには、上記回転速度演算手段により演算された回転速度(ω)が120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内(ω<ω1またはω<ω2)にあることを条件として、上記最適化制御部が駆動方式を120度通電方式に切り替える場合がある(請求項3)。
この場合、180度通電方式での電動モータの駆動時において、電動モータの負荷が小さいときには、電動モータの実際の回転速度が120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内になれば、最適化制御部が直ちに120度通電方式に切り替える。これにより、省エネルギを図ることができ、電動モータの効率を向上することができる。
また、上記パワーステアリング装置が、上記油圧ポンプの油圧力を受けて軸方向(X1)に移動する転舵軸(7)と、転舵軸の転舵位置を検出する転舵位置検出手段(13)と、を備え、上記駆動方式切替部が、転舵位置検出手段によって検出された転舵位置が、転舵軸のストロークエンドを含む所定範囲内にあるときに、上記最適化制御部による処理を禁止する最適化制御禁止部(383)を含む場合がある(請求項4)。
この構成では、転舵位置が転舵軸のストロークエンドを含む所定範囲内にあることを検出した場合には、最適化制御禁止部が最適化制御部の処理を禁止する。したがって、転舵軸がストロークエンドに達しているか脱輪等により、それ以上移動できない状態になっているにもかかわらず、電動モータが180度通電方式に切り替えられて無駄にエネルギが浪費されるようなことがない。これにより、省エネルギを図ることができる。なお、最適化制御部による処理の禁止により、通常制御部による処理が実行されることになる。
また、上記パワーステアリング装置が、上記油圧ポンプの油圧力を受けて軸方向に移動する転舵軸を備え、上記駆動方式切替部が、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流が所定値以上にある状態が所定時間以上継続したときに、上記最適化制御部による処理を禁止する最適化制御禁止部(384)を含む場合がある(請求項5)。
この構成では、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流が所定値以上にある状態が所定時間以上継続した場合には、転舵軸がストロークエンド付近にあると判断し、最適化制御禁止部が最適化制御部の処理を禁止する。したがって、転舵軸がストロークエンドに達しているか脱輪等により、それ以上移動できない状態になっているにもかかわらず、電動モータが180度通電方式に切り替えられて無駄にエネルギが浪費されるようなことがない。これにより、省エネルギを図ることができる。なお、最適化制御部による処理の禁止により、通常制御部による処理が実行されることになる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 電動モータおよびECUの概略図である。 (a)は本実施の形態において、回転速度演算部により演算された回転速度、電流検出回路により検出された電流、および駆動方式の変化を示すタイミングチャートであり、(b)は比較形態における、回転速度および駆動方式の変化を示すタイミングチャートである。 本発明の別の実施の形態における電動モータおよびECUの概略図である。 大電流域、中電流域および小電流域にそれぞれ従う制御の切り替えにヒステリシスを付加する例を説明するための図である。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るパワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本パワーステアリング装置1は、車両のステアリング機構2に関連して設けられ、このステアリング機構2に操舵補助力を与えるためのものである。
ステアリング機構2は、車両の操向のために運転者によって操作される操作部材としてのステアリングホイール3と、このステアリングホイール3に連結されたステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4の先端部に油圧制御弁14を介して連結されピニオンギヤ6を持つピニオンシャフト5と、ピニオンギヤ6に噛合するラックギヤ部7aを有し、車両の左右方向に延びた転舵軸としてのラック軸7とを備えている。
ラック軸7の両端にはタイロッド8がそれぞれ連結されており、このタイロッド8は、それぞれ、左右の転舵輪9,10を支持するナックルアーム11に連結されている。ナックルアーム11は、キングピン12回りに回動可能に設けられている。
ステアリングホイール3が操作されてステアリングシャフト4が回転されると、この回転が、ピニオンギヤ6およびラックギヤ部7aによって、ラック軸7の軸方向X1に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム11のキングピン12まわりの回動に変換され、これにより、左右の転舵輪9,10の転舵が達成される。
油圧制御弁14は、ロータリバルブであり、ステアリングシャフト4に接続されたスリーブ弁体(図示せず)と、ピニオンシャフト5に接続されたシャフト弁体(図示せず)と、両弁体を連結するトーションバー(図示せず)とからなる。トーションバーは、ステアリングホイール3に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてねじれを生じ、このトーションバーのねじれの方向および大きさに応じて油圧制御弁14の開度が変化する。
この油圧制御弁14は、ステアリング機構2に操舵補助力を与えるパワーシリンダ15に接続されている。パワーシリンダ15は、ラック軸7に一体に設けられたピストン16と、このピストン16によって区画された一対のシリンダ室17,18とを有しており、シリンダ室17,18は、それぞれ、対応する油路19,20を介して、油圧制御弁14に接続されている。
油圧制御弁14は、さらに、リザーバタンク21および操舵補助力発生用の油圧ポンプ22を通る油循環路23の途中部に介装されている。油圧ポンプ22は、例えば、ギヤポンプからなり、電動モータ24によって駆動され、リザーバタンク21に貯留されている作動油をくみ出して油圧制御弁14に供給する。余剰分の作動油は、油圧制御弁14から油循環路23を介してリザーバタンク21に帰還される。
電動モータ24は、一方向に回転駆動されて、油圧ポンプ22を駆動するものである。具体的には、電動モータ24は、その出力軸が油圧ポンプ22の入力軸に連結されており、電動モータ24の出力軸が回転することで、油圧ポンプ22の入力軸が回転して油圧ポンプ22の駆動が達成される。
油圧制御弁14は、トーションバーに一方方向のねじれが加わった場合には、油路19,20のうちの一方を介してパワーシリンダ15のシリンダ室17,18のうちの一方に作動油を供給するとともに、他方の作動油をリザーバタンク21に戻す。また、トーションバーに他方方向のねじれが加えられた場合には、油路19,20のうちの他方を介してシリンダ室17,18のうちの他方に作動油を供給するとともに、一方の作動油をリザーバタンク21に戻す。
トーションバーにねじれがほとんど加わっていない場合には、油圧制御弁14は、いわば平衡状態となり、操舵中立でパワーシリンダ15の両シリンダ室17,18は等圧に維持され、作動油は油循環路23を循環する。操舵により油圧制御弁14の両弁体が相対回転すると、パワーシリンダ15のシリンダ室17,18のいずれかに作動油が供給され、ピストン16が車幅方向に沿って移動する。これにより、ラック軸7に操舵補助力が作用することになる。
電動モータ24は三相ブラシレスモータからなる。その電動モータ24の駆動は、モータ制御装置としてのECU(電子制御ユニット)25によって制御されるようになっている。ECU25は、電動モータ24の駆動電力を生成する駆動回路26と、駆動回路26を制御するための制御部27とを備えている。制御部27は、CPUとこのCPUの動作プログラム等を記憶したメモリとを含むマイクロコンピュータで構成されている。
ECU25の制御部27には、操舵角検出手段としての操舵角センサ13の出力信号と、上記駆動回路26に設けられた消費電流検出手段としての電流検出回路29の出力信号と、電動モータ24のロータの回転位置を検出する回転位置センサ30の出力信号とが、それぞれ与えられるようになっている。
操舵角センサ13は、ステアリングホイール3の操舵角を検出するようステアリングシャフト4に取り付けられるものであり、出力信号を制御部27に与える。操舵角センサ13は、転舵軸としてのラック軸7の転舵位置を検出する転舵軸検出手段としても機能している。電流検出回路29は、電動モータ24を流れる電流値(消費電流値に相当)を検出するための回路である。制御部27は、回転位置センサ30から与えられた信号に基づいて、電動モータ24の出力軸の回転速度(実回転速度)を演算する。
また、制御部27には、車両の速度を検出する車速検出手段としての車速センサ31の出力信号が与えられるようになっている。車速センサ31は、車両の速度を直接的に検出するものであってもよいし、転舵輪9,10に関連して設けられた車輪速センサの出力パルスに基づいて車両の速度を計算により求めるものであってもよい。
ECU25は、操舵角センサ13、電流検出回路29、回転位置センサ30および車速センサ31から与えられる信号に基づいて、適切な操舵補助力がステアリング機構2に与えられるように電動モータ24の駆動を制御する。
図2は、モータ制御装置としてのECU25の構成を示す概略図である。電動モータ24は、U相界磁コイル24U、V相界磁コイル24VおよびW相界磁コイル24Wを有するステータと、これらの界磁コイル24U,24V,24Wからの反発磁界を受ける永久磁石が固定されたロータとを備えている。このロータの回転位置が回転位置センサ30によって検出されるようになっている。回転位置センサ30は、ロータの回転位置を30deg/360deg(=1/12)以上の分解能で検出可能なものであり、その検出信号は、制御部27に入力されるようになっている。
駆動回路26は、3相ブリッジインバータ回路であり、電動モータ24のU相に対応した一対の電界効果トランジスタUH,ULの直列回路と、V相に対応した一対の電界効果トランジスタVH,VLの直列回路と、W相に対応した一対の電界効果トランジスタの直列回路WH,WLとを、直流電源32とアース33との間に並列に接続して構成されている。電動モータ24のU相界磁コイル24Uは、電界効果トランジスタUH,ULの間の接続点に接続されており、V相界磁コイル24Vは、電界効果トランジスタVH,VLの間の接続点に接続されており、W相界磁コイル24Wは、電界効果トランジスタの直列回
路WH,WLの間の接続点に接続されている。
直流電源32と3相ブリッジインバータ回路とを連結する直流回路に、電動モータ24の消費電流に相当する直流電流を検出する消費電流検出手段としての電流検出回路29が配されている。電流検出回路29の検出信号は、制御部27に与えられるようになっている。
制御部27は、そのマイクロコンピュータが実行するプログラム処理により、電動モータ24の目標回転速度ωを設定する目標回転速度設定部34と、回転位置センサ30の検出信号に基づいて、電動モータ24の回転速度(実回転速度)ωを演算する回転速度演算手段としての回転速度演算部35と、電動モータ24を120度通電方式で駆動するために必要な演算を行う120度通電演算部36と、電動モータ24を180度通電方式で駆動するために必要な演算を行う180度通電演算部37と、電動モータ24の駆動方式を120度通電方式と180度通電方式とに切り替える駆動方式切替手段としての駆動方式切替部38と、120度通電演算部36または180度通電演算部37の演算結果に基づいて、目標回転速度ωを達成するために駆動回路26の電界効果トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WLに与えるべき駆動信号を生成する駆動信号生成部39の各機能を実現する。
目標回転速度設定部34は、ステアリングホイール3の操舵角速度および車速センサ31により検出された車速に基づいて、電動モータ24の目標回転速度ωを設定するものであってもよい。なお、操舵角速度は、操舵角センサ13の出力値を時間で微分することによって演算される。
駆動方式切替部38は、回転速度演算部35により演算された回転速度ωに基づいて駆動方式を切り替える通常制御部381と、通常制御部381による切替に拘らず、電流検出回路29により演算された電流i(電動モータ24の消費電流に相当)に基づいて最適な通電方式に駆動方式を切り替える最適化制御部382と、所定の禁止条件が満足されたときに最適化制御部382による制御処理を禁止する最適化制御禁止部383とを含んでいる。
駆動信号生成部39は、たとえば、駆動回路26の電界効果トランジスタUH,VH,WHに対して、電気角で120度または180度に相当する期間だけ順にオン状態とする信号を与える一方で、電界効果トランジスタUL,VL,WLに対しては、PWM(Pulse Width Modulation)パルスからなる駆動信号を与えるようになっている。
120度通電方式での電動モータ24の駆動時に、駆動信号生成部39から電界効果トランジスタUL,VL,WLに与えられるPWMパルス信号のデューティ(PWMデューティ)は、120度通電演算部36によって演算される。すなわち、120度通電演算部36は、120度通電方式による電動モータ24の駆動時に、目標回転速度設定部34が設定した目標回転速度ωに応じたPWMデューティを設定するデューティ設定部361を有している。デューティ設定部361は、目標回転速度設定部34が設定した目標回転速度ωと回転速度演算部35が演算した回転速度ωとの偏差に基づいて、PI(Proportional-Integral :比例積分)制御演算を行い、電動モータ24に印加すべき制御電圧値を求め、この制御電圧値に応じたPWMデューティを設定する。
そして、駆動信号生成部39は、120度通電演算部36から与えられたPWMデューティおよび回転位置センサ30によって検出されるロータの回転位置に基づいて、120度通電方式に従う駆動信号を生成する。電界効果トランジスタUH,VH,WHに対しては、電気角で120度の期間にわたってオン状態とする駆動信号を120度ずつ位相をずらして与える。その一方で、電界効果トランジスタUL,VL,WLには、120度通電演算部36が設定したPWMデューティのPWMパルス信号を与える。これにより、そのPWMデューティに応じた駆動電圧が駆動回路26から電動モータ24に印加され、電動モータ24が目標回転速度設定部34によって設定された目標回転速度ωで駆動される。
一方、180度通電方式での電動モータ24の駆動時に、駆動信号生成部39から電界効果トランジスタUL,VL,WLに与えられるPWMパルス信号のデューティ(PWMデューティ)は、180度通電演算部37によって演算される。すなわち、180度通電演算部37は、180度通電方式による電動モータ24の駆動時に、目標回転速度設定部34が設定した目標回転速度ωに応じたPWMデューティを設定するデューティ設定部371を有している。デューティ設定部371は、目標回転速度設定部34が設定した目標回転速度ωと回転速度演算部35が演算した回転速度ωとの偏差に基づいて、PI(Proportional-Integral :比例積分)制御演算を行い、電動モータ24に印加すべき制御電圧値を求め、この制御電圧値に応じたPWMデューティを設定する。
そして、駆動信号生成部39は、180度通電演算部37から与えられたPWMデューティおよび回転位置センサ30によって検出されるロータの回転位置に基づいて、180度通電方式に従う駆動信号を生成する。電界効果トランジスタUH,VH,WHに対しては、電気角で180度の期間にわたってオン状態とする駆動信号を180度ずつ位相をずらして与える。その一方で、電界効果トランジスタUL,VL,WLには、180度通電演算部37が設定したPWMデューティのPWMパルス信号を与える。これにより、そのPWMデューティに応じた駆動電圧が駆動回路26から電動モータ24に印加され、電動モータ24が目標回転速度設定部34によって設定された目標回転速度ωで駆動される。
次いで、駆動方式切替部38が、120度通電方式および180度通電方式に駆動方式を切り替える動作について図3を参照して説明する。
駆動方式切替部38の通常制御部381は、回転速度演算部35により演算された回転速度ωに基づいて、駆動方式を切り替える。具体的には、通常制御部381は、下記の通常制御Aと通常制御Bを実行する。
(1)通常制御A
通常制御部381は、120度通電方式での電動モータ24の駆動時において、回転速度演算部35により演算された回転速度ωが第1閾値ω1以上の高速域(ω1≦ω)になった時点(すなわち、上記回転速度ωが増加して第1閾値ω1に達した時点)で、駆動方式を180通電方式に切り替える。
(2)通常制御B
また、通常制御部381は、180度通電方式での電動モータ24の駆動時において、回転速度演算部35により演算された回転速度ωが、第1閾値ω1よりも低い第2閾値ω2未満の低速域(ω<ω2)になった時点(すなわち、上記回転速度ωが減少して第2閾値ω2を下回った時点)で、駆動方式を120度通電方式に切り替える。
なお、上記回転速度ωが第1閾値ω1以上である領域が、高速域であり、180度通電方式でないと駆動できない領域である。また、上記回転速度ωが第2閾値ω2未満である領域が、低速域であり、120度通電方式でも十分に駆動できる領域である。
また、上記回転速度ωが第2閾値ω2以上第1閾値ω1未満である領域が、中速域である。上記中速域は、電動モータ24の負荷が大きい(すなわち、検出された電流iが後述する大電流域にある)場合には、180度通電方式でないと駆動できないが、電動モータ24の負荷が小さい(すなわち、検出された電流iが後述する中電流域、または後述する小電流域にある)場合には、120度通電方式で駆動可能である中間領域である。
駆動方式切替部38の最適化制御部382は、下記の最適化制御A、最適化制御Bおよび最適化制御Cを実行する。
(1)最適化制御A
最適化制御部382は、120度通電方式での電動モータ24の駆動時において、電流検出回路29により検出された電流i(電動モータ24の消費電流に相当)が第1閾値i1以上の大電流域(i1≦i)になった時点(すなわち、上記電流iが増加して第1閾値i1に達した時点。後述する図3(a)のタイミングチャートのタイミングt1,t3およびt5に相当)で、駆動方式を180通電方式に強制的に切り替える。つまり、最適化制御Aは、大電流域(i1≦i)において、通常制御に介入する。
このときの切替条件は、操舵角の増大する方向に操舵を行う、いわゆる切り操舵のときに適合する条件である。切り操舵のときは、電動モータ24の負荷が大きく増大するが、この負荷の増大に素早く対応して180度通電方式に切り替えることができる。したがって、ステアリングホイール3を素早く切り操舵したときに、運転者が、操舵トルクの不足を感じることがない。換言すると、切り操舵に要する時間全体に占める、180度通電方式での駆動時間の割合を高くすることにより、操舵トルクの不足を解消することができる。
なお、タイミングt1,t3は悪路等で操舵角速度が小さく、従って、モータ回転速度が低速に制御されているにもかかわらず、電動モータ24の負荷が大きい状況である。
(2)最適化制御B
また、最適化制御部382は、180度通電方式での電動モータ24の駆動時において、電流検出回路29により検出された電流i(電動モータ24の消費電流に相当)が減少して第2閾値i2未満の小電流域(i<i2)になったときは、回転速度演算部35により演算された回転速度ωが高速域にないこと(ω<ω1)を条件として、駆動方式を120度通電方式に切り替える(後述する図3(a)のタイミングチャートのタイミングt4に相当)。つまり、最適化制御Bは、小電流域(i<i2)において、回転速度ωが高速域でない(ω<ω1)ときに、通常制御に介入する。
(3)最適化制御C
また、最適化制御部382は、180度通電方式での電動モータ24の駆動時において、電流検出回路29により検出された電流i(電動モータ24の消費電流に相当)が減少して第1閾値i1未満の中電流域(i<i1)になったときは、回転速度演算部35により演算された回転速度ωが低速域にあること(ω<ω2)を条件として、駆動方式を120度通電方式に切り替える(後述する図3(a)のタイミングチャートのタイミングt2に相当)で、駆動方式を120度通電方式に切り替える。
操舵角の減少する方向に操舵を行う、いわゆる戻り操舵のときは、電動モータ24の負荷が格段に小さい(i<i1)。この場合には、最適化制御B,Cにより、180度通電方式での駆動中に、上記回転速度ωが第1閾値ω1(i<i2のとき)または第2閾値ω2(i<i1のとき)を下回って120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内になった時点で、直ちに120度通電方式に切り替えられる。とくに、最適化制御Bにより、回転速度ωが中速域(ω2<ω<ω1)であっても、電流iが小電流域であれば、強制的に120度通電方式とされる。これにより、省エネルギを図ることができる。換言すると、戻り操舵に要する時間全体に占める、180度通電方式での駆動時間の割合を低くすることにより、省エネルギを達成することができる。
最適化制御禁止部383は、操舵角センサ13によって検出された転舵位置が、ラック軸7のストロークエンドを含む所定範囲内にあるという禁止条件が満足されたときに、最適化制御部382による制御処理を禁止する。
下記の表1は、通常制御部38および最適化制御部382を含む駆動方式切替部38全体としての制御ロジックを示すものである。
Figure 0005333837
表1に示すように、回転速度演算部35により演算された回転速度ωが、高速域(ω1≦ω)、中速域(ω2≦ω<ω1)および低速域(ω<ω2)の3つのレベルで判定される。また、電流検出回路29により検出された電流i(電動モータ24の消費電流に相当)が、大電流域(i1≦i)、中電流域(i2≦i<i1)および小電流域(i<i2)の3つのレベルで判定される。
上記回転速度ωが高速域にあること、および上記電流iが大電流域にあることの少なくとも一方が満たされた場合には、180度通電方式で駆動される。また、上記電流iが小電流域にあって、且つ上記回転速度ωが中速域または低速域にあるときは、120度通電方式で駆動される。
また、電流検出回路29により検出された電流iが中電流域にあり、且つ回転速度演算部35により演算された回転速度ωが中速域にあるときは、それまで実行していた通電方式を継続する。これは、最適化制御部382の制御において、上記電流iの増加時と減少時とで、駆動方式の切替のための閾値ω1,ω2を異ならせて、切替特性にヒステリシスを持たせていることによる。
そして、電流検出回路29により検出された電流iが中電流域にあり、且つ回転速度演算部35により演算された回転速度ωが低速域にあるときは、120度通電方式で電動モータ24が駆動される。
つまり、中電流域(i2≦i<i1)においては、通常制御部381による通電方式切替制御に従う。そして、電動モータ24の負荷が大きな大電流域(i1≦i)においては、最適化制御部382による最適化制御Aに従って、強制的に180度通電方式となる。また、電動モータ24の負荷が小さな小電流域(i<i2)においては、高速域(ω≧ω1)では通常制御部381による通電方式切替制御に従い、中速域(ω2≦ω<ω1)および低速域(ω<ω2)では最適化制御部382による最適化制御Bに従って、強制的に120度通電方式となる。
図3(a)は本実施の形態において、回転速度演算部35により演算された回転速度ω、電流検出回路29により検出された電流i、および駆動方式の変化を示すタイミングチャートである。図3(b)は、通常制御部のみで駆動方式の切替を行う比較形態において、回転速度ωが本実施の形態の図3(a)の回転速度ωと同じ変化をするときの、駆動方式の変化を示すタイミングチャートである。
図3(a)を参照して、120度通電方式での電動モータ24の駆動時に、悪路等で緩やかな切り操舵が行われると、検出された電流iが増加して第1閾値i1に達したタイミングt1で、回転速度ωが低速域(ω<ω2)にあるに拘らず、180度通電方式に切り替えられている。この切り替えには、最適化制御部382による最適化制御Aが寄与している。すなわち、回転速度ωが低速域にあっても、負荷が大きくなれば、ただちに180度通電方式に切り替えられ、トルク不足となることを抑制または防止している。
次いで、180度通電方式での電動モータ24の駆動時に、検出された電流iが低下して第1閾値i1を下回ったタイミングt2で、120度通電方式に切り替えられている。すなわち、回転速度ωが低速域(ω<ω2)であるため、電流iが中電流域(i2≦i<i1)まで低下すると、ただちに120度通電方式に切り替えられ、省エネルギが図られている。この切り替えには、最適化切替部382による最適化制御Cが寄与している。
次いで、120度通電方式での電動モータ24の駆動時に、検出された電流iが増加して第1閾値i1に達したタイミングt3で、上記回転速度ωが中速域(ω2≦ω<ω1)にあるに拘らず、180度通電方式に切り替えられている。この切り替えには、最適化制御部382による最適化制御Aが寄与している。
タイミングt3での電流iおよび回転速度ωの増加は、切り操舵に伴うものである。この切り操舵のときに、電動モータ24の負荷の増大に素早く対応して、180度通電方式に切り替えることができる。したがって、切り操舵のときに運転者がトルク不足を感じることがなく、操舵フィーリングを向上することができる。
これに対して、比較形態である図3(b)を参照して、通常制御部のみで駆動方式の切替を行う比較形態では、回転速度ωが高速域に達しない限り、180度通電方式への切り替えが起こらない(通常制御A)。そのため、比較形態では、切り操舵のときの電動モータ24の負荷の増大に素早く対応できないので、切り操舵のときに運転者がトルク不足を感じて操舵フィーリングが悪くなる。
図3(a)を参照して、その後、180度通電方式での電動モータ24の駆動時に、検出された電流iが減少して第2閾値i2を下回ったタイミングt4において、回転速度ωが中速域(ω2≦ω<ω1)にあるに拘わらず、120度通電方式に切り替えられている。この切り替えには、最適化制御部382による最適化制御Bが寄与している。すなわち、中速域であっても、負荷が小さければ(i<i2)、回転速度ωの低下を待つことなく120度通電方式に切り替えられるので、省エネルギが図られる。
さらに、その後、120度通電方式での電動モータ24の駆動時に、検出された電流iが増加して第1閾値i1に達したタイミングt5で、回転速度ωが低速域(ω<ω2)にあるに拘らず、180度通電方式に切り替えられている。この切り替えには、最適化制御部382による最適化制御Aが寄与している。
タイミングt5での電流iおよび回転速度ωの増加は、切り操舵に伴うものである。この切り操舵のときに、電動モータ24の負荷の増大に素早く対応して、180度通電方式に切り替えることができる。したがって、切り操舵のときに運転者がトルク不足を感じることがなく、操舵フィーリングを向上することができる。
これに対して、比較形態である図3(b)を参照して、通常制御部のみで駆動方式の切替を行う比較形態では、本実施の形態の図3(a)での上記タイミングt5から所定時間経過して、上記回転速度ωが第1閾値ω1に達したタイミングt6で、180度通電方式に切り替えられることになる(通常制御A)。このため、比較形態では、切り操舵のときの電動モータ24の負荷の増大に素早く対応できないので、切り操舵のときに運転者がトルク不足を感じて操舵フィーリングが悪くなる。
再び、本実施の形態の図3(a)を参照して、タイミングt7では、180度通電方式での電動モータ24の駆動時に、検出された電流iが減少して第2の閾値i2を下回るが、演算された回転速度ωが第1閾値ω1以上の高速域にあるため、最適化制御部382の最適化制御Bの条件を満足せず、最適化制御Bが介入しない。したがって、120度通電方式に切り替えられることがない。
次いで、180度通電方式での電動モータ24の駆動時に、検出された電流iが第2閾値i2未満の小電流域にある期間に、演算された回転速度ωが120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内(ω<ω1。すなわち、中速域または低速域)になったタイミングt8で、120度通電方式に切り替えられている。この切り替えには、最適化制御部382の最適化制御Bが寄与している。タイミングt8での、上記電流iが小電流域にある状態での上記回転速度ωの減少は、戻り操舵に伴うものである。この戻り操舵のときに、回転速度ωが120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内になった時点で素早く120度通電方式に切り替えることができるので、省エネルギを図ることができる。
これに対して、比較形態である図3(b)を参照して、通常制御部のみで駆動方式の切替を行う比較形態では、本実施の形態の図3(a)の上記タイミングt8から所定時間経過して、上記回転速度ωが第2閾値ω2を下回ったタイミングt9で、120度通電方式に切り替えられることになる(通常制御B)。このため、比較形態では、戻り操舵のときに120通電方式への切り替えが遅くなるので、省エネルギ上、好ましくない。
本実施の形態によれば、回転速度演算部35により演算された回転速度ω(電動モータ24の実際の回転速度)に基づく通常制御部381の切替に拘らず、電流検出回路29により演算された電流i(電動モータ24の消費電流に相当)に基づいて、すなわち電動モータ24の実際の負荷に基づいて、駆動方式を最適化するので、電動モータ24の回転速度を目標回転速度に精度良く追従させて操舵フィーリングを向上することができ、また、電動モータ24の効率を向上することができる。
また、120度通電方式での電動モータ24の駆動時に、電流検出回路29により検出された電流iが第1閾値i1以上になった(i1≦i)ときには、回転速度演算部35により演算された回転速度ωの大小に拘らず、上記したタイミングt1,t3およびt5での切り替えのように、最適化制御部382が駆動方式を180度通電方式に切り替える。したがって、下記の利点がある。すなわち、120度通電方式での電動モータ24の駆動時において、仮に、電動モータ24の実際の回転速度ωが低い場合でも、電動モータ24の負荷が大きいときには、最適化制御部382が180度通電方式に切り替えるので、電動モータ24がトルク不足になることがない。その結果、電動モータ24の回転速度の追従性を向上することができる。また、操舵フィーリングにおける、いわゆる「ひっかかり感」をなくして操舵フィーリングを向上することができる。
また、180度通電方式での電動モータ24の駆動時に、電流検出回路29により検出された電流iが第1閾値i1未満になった(i<i1)ときには、回転速度演算部35により演算された回転速度ωが120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内(i<i2ならω<ω1、i2≦i<i1ならω<ω2)にあることを条件として、上記したタイミングt8での切り替えのように、最適化制御部382が駆動方式を120度通電方式に切り替える。したがって、下記の利点がある。すなわち、180度通電方式での電動モータ24の駆動時において、電動モータ24の負荷が小さいときには、電動モータ24の実際の回転速度ωが120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内になれば、最適化制御部382が直ちに120度通電方式に切り替える。これにより、省エネルギを図ることができ、電動モータ24の効率を向上することができる。とくに、最適化制御Bにより、電流iが第2閾値i2未満になると、回転速度ωが中速域(ω2≦ω<1)であっても、120度通電方式に切り替えられるので、優れた省エネルギ効果を得ることができる。
また、操舵角センサ13により検出された転舵位置がラック軸7のストロークエンドを含む所定範囲内にあることを検出した場合には、最適化制御禁止部383が、最適化制御部382による処理を禁止する。したがって、ラック軸7がストロークエンドに達して、それ以上移動できない状態になっているにもかかわらず、電動モータ24が180度通電方式に切り替えられて無駄にエネルギが浪費されるようなことがない。これにより、省エネルギを図ることができる。
図4は本発明の別の実施の形態を示している。本実施の形態が図2の実施の形態と異なるのは、下記である。すなわち、図2の実施の形態では、駆動方式切替部38の最適化制御禁止部383が、操舵角センサ13により検出された転舵位置に基づいて、最適化制御部382の制御処理を禁止していた。これに対して、本実施の形態では、駆動方式切替部38は、電流検出回路29により検出された電流が所定値以上にある状態が所定時間以上継続したときに、最適化制御部382による処理を禁止する最適化制御禁止部384を有している。
本実施の形態では、最適化制御禁止部384は、電流検出回路29により検出された電流iが所定値以上である状態が所定時間以上継続したときには、ラック軸7がストロークエンド付近にあるとともに、油圧ポンプ22のリリーフバルブ(図示せず)が解放された状態であると判断し、最適化制御部382の処理を禁止する。本実施の形態においても、ラック軸7がストロークエンドに達して、それ以上移動できない状態になっているにもかかわらず、電動モータが180度通電方式に切り替えられて無駄にエネルギが浪費されるようなことがない。これにより、省エネルギを図ることができる。
以上、この発明の一実施の形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することができる。たとえば、前述の実施形態では、大電流域と中電流域とを一つの閾値i1により区別しているが、図5に示すように、2の閾値i11,i12(i11>i12)を用いてもよい。より具体的には、中電流域に対応する制御(表1の中段)が実行されているときには、電流iが第1高閾値i11以上となることを大電流域に対応する制御(表1の上段)への切替条件とする。逆に、大電流域に対応する制御(表1の上段)が実行されているときには、電流iが第2高閾値i12未満となることを中電流域に対応する制御(表1の中段)への切替条件とする。同様に、前述の実施形態では、中電流域と小電流域とを一つの閾値i2により区別しているが、図5に示すように、2つの閾値i21,i22(i21>i22)を用いて判断してもよい。より具体的には、小電流域に対応する制御(表1の下段)が実行されているときには、電流iが第1低閾値i21以上となることを中電流域に対応する制御(表1の中段)への切替条件とする。逆に、中電流域に対応する制御(表1の中段)が実行されているときには、電流iが第2低閾値i22未満となることを小電流域に対応する制御(表1の下段)への切替条件とする。
このように、電流iに基づく駆動方式切替制御にヒステリシス特性を導入することによって、駆動方式が頻繁に切り換わるハンチングを抑制または防止できるので、操舵フィーリングを一層向上することができる。
その他、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…パワーステアリング装置、2…ステアリング機構、7…ラック軸(転舵軸)、X1…軸方向、13…操舵角センサ(転舵位置検出手段)、22…油圧ポンプ、24…電動モータ、25…ECU(モータ制御装置)、26…駆動回路、27…制御部、29…電流検出回路(消費電流検出手段)、30…回転位置センサ、34…目標回転速度設定部、35…回転速度演算部(回転速度演算手段)、36…120度通電演算部、37…180度通電演算部、361,371…デューティ設定部、38…駆動方式切替部(駆動方式切替手段)、381…通常制御部、382…最適化制御部、383,384…最適化制御禁止部、39…駆動信号生成部、i…電流、i1…第1閾値(所定値)、i2…第2閾値(所定値)、ω…回転速度、ω1…第1閾値、ω2…第2閾値

Claims (5)

  1. 操舵補助力を発生する油圧ポンプを駆動するための電動モータと、
    駆動回路から電動モータへの駆動電流の供給をPWM制御して、電動モータを目標回転速度で回転させるモータ制御装置と、を備え、
    上記モータ制御装置は、電動モータの駆動方式を120度通電方式および180度通電方式に択一的に切り替える駆動方式切替手段と、
    電動モータの回転速度を演算する回転速度演算手段と、
    電動モータの消費電流を検出する消費電流検出手段と、を含み、
    上記駆動方式切替手段は、上記回転速度演算手段により演算された回転速度に基づいて駆動方式を切り替える通常制御部と、通常制御部による切替に拘らず上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流および上記回転速度演算手段により演算された上記回転速度に基づいて駆動方式を切り替える最適化制御部とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1において、120度通電方式での電動モータの駆動時に、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流が所定値以上になったときには、上記最適化制御部が駆動方式を180度通電方式に切り替えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 請求項1において、180度通電方式での電動モータの駆動時に、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流が所定値未満になったときには、上記回転速度演算手段により演算された回転速度が120度通電方式で駆動可能な回転速度の範囲内にあることを条件として、上記最適化制御部が駆動方式を120度通電方式に切り替えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、上記油圧ポンプの油圧力を受けて軸方向に移動する転舵軸と、転舵軸の転舵位置を検出する転舵位置検出手段とを備え、
    上記駆動方式切替手段は、上記転舵位置検出手段により検出された転舵位置が転舵軸のストロークエンドを含む所定範囲内にあるときに、上記最適化制御部による処理を禁止する最適化制御禁止部を含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  5. 請求項1から3の何れか1項において、上記油圧ポンプの油圧力を受けて軸方向に移動する転舵軸を備え、
    上記駆動方式切替手段は、上記消費電流検出手段により検出された上記消費電流が所定値以上にある状態が所定時間以上継続したときに、上記最適化制御部による処理を禁止する最適化制御禁止部を含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
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