JP5007935B2 - 電気式動力舵取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータ駆動されるモータのアシスト力により操舵を補助する電気式動力舵取装置に関するものである。
従来より、インバータ駆動に関する技術として、下記特許文献1に示す、電源回路のインバータが知られている。この電源回路は、インバータに入力される入力電源電圧が高くなり電圧共振期間が長くなる場合には、第1、第2のスイッチング素子に対する駆動信号が双方同時にOFFとなる期間(デッドタイム)を長くすることで、入力電源電圧の上昇に伴うデッドタイムマージンの減少を緩和している。
特開平10−136647号公報
ところで、上述のようなインバータ駆動に関する技術を電気式動力舵取装置におけるモータのインバータ駆動に適用した場合、単純にデッドタイムを長くするだけではインバータ駆動効率が落ちてしまう。
逆にインバータ駆動効率を高めるためにデッドタイムを短くすると、スイッチング回路の各一対のスイッチング素子がそれぞれ導通して貫通電流が流れ、ラジオノイズの発生原因となるノイズ源が発生してしまう。このようにラジオノイズが発生すると、車両に搭載されているラジオを聞いている搭乗者に不快感を与えるという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、非操舵時におけるラジオノイズ性能を向上させる電気式動力舵取装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の電気式動力舵取装置では、車両のステアリングホイール(21)による操舵を補助可能なアシスト力を発生させるモータ(40)と、前記ステアリングホイールによる操舵トルク(T)を検出するトルクセンサ(30)と、前記操舵トルクに基づいて前記モータの電流指令値(Iq*)を演算する演算手段(60)と、一対のスイッチング素子(Q11・Q21、Q12・Q22、Q13・Q23)を有するスイッチング回路(54b)を備え前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させるか否かにかかわらず前記一対のスイッチング素子をONまたはOFFする駆動回路(54)であって、前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させる場合には前記一対のスイッチング素子のONまたはOFFにより直流電源(Batt)から供給される電力をPWM制御して前記モータに出力する駆動回路と、前記操舵トルクおよび前記電流指令値に基づいて前記駆動回路を制御する制御手段(60)と、を備えた電気式動力舵取装置(10)であって、前記制御手段は、前記一対のスイッチング素子に対する駆動信号(Vs、Vs)を双方同時にOFFするためのデッドタイム(Dt)を、前記電流指令値が前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させていないと判断される所定の電流閾値(Iq*)以下の場合または前記操舵トルクが前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させていないと判断される所定のトルク閾値(T)よりも小さい場合には、前記電流指令値が前記所定の電流閾値より大きくかつ前記操舵トルクが前記所定のトルク閾値以上の場合よりも長い設定値(Dt)に設定して前記駆動回路を制御することを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、駆動回路のスイッチング回路における一対のスイッチング素子に対する駆動信号を双方同時にOFFするためのデッドタイムを、電流指令値がモータの駆動によりアシスト力を発生させていないと判断される所定の電流閾値、例えば、0.01A以下の場合(すなわち、電流指令値が0(ゼロ)Aに近似している場合)または操舵トルクがモータの駆動によりアシスト力を発生させていないと判断される所定のトルク閾値、例えば、0.3Nmよりも小さい場合(以下、非操舵時ともいう)には、電流指令値が上記所定の電流閾値より大きくかつ操舵トルクが上記所定のトルク閾値以上の場合(以下、操舵時ともいう)よりも長い設定値に設定して駆動回路を制御する。
本願構成では、操舵をアシストするモータに直流電源からの電力をPWM制御して出力する駆動回路、例えば、インバータは、モータの駆動によりアシスト力を発生させるか否かにかかわらず、制御手段から出力されるPWM信号に基づいてスイッチング回路の各スイッチング素子をONまたはOFFしている。
ところで、非操舵時には、そもそもモータによりアシスト力を発生させる必要がないので、インバータ駆動効率が低下しても問題はない。そこで、モータをインバータ駆動しない非操舵時には、デッドタイムを操舵時よりも長い設定値に設定して駆動回路を制御することにより、スイッチング回路の各一対のスイッチング素子間の導通を確実に防止してラジオノイズ性能を向上させる。したがって、ラジオノイズを低減させるためのハードウェアを別途設けることなく、非操舵時におけるラジオノイズ性能を向上させることができる。
請求項2の発明では、上記長い設定値、すなわち、非操舵時におけるデッドタイムを、操舵時におけるデッドタイム、すなわち通常のデッドタイムの150%以上200%以下に設定して駆動回路を制御する。非操舵時におけるデッドタイムが、通常のデッドタイムの150%未満ではスイッチング回路の各一対のスイッチング素子がそれぞれ導通して貫通電流が流れラジオノイズの発生原因となるノイズ源が発生してしまう可能性があるからである。また、非操舵時におけるデッドタイムが、通常のデッドタイムの200%を超えてもラジオノイズ防止の効果は変わらないからである。これにより、非操舵時には、より適切かつ確実にスイッチング回路の各一対のスイッチング素子間の導通を防止してラジオノイズ性能を向上させることができる。
請求項3の発明では、上記長い設定値、すなわち、非操舵時におけるデッドタイムを、電流指令値の増加に伴い減少させるように設定して駆動回路を制御する。これにより、操舵状況を考慮したデッドタイムを設定することができるので、操舵時におけるインバータ駆動効率の低下を防止するとともに非操舵時におけるラジオノイズ性能をより向上させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る電気式動力舵取装置について図を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電気式動力舵取装置10の構成を示す構成図であり、図2(A) は、第1実施形態の電気式動力舵取装置10のモータ制御に関する電気的構成を示すブロック図で、図2(B) はインバータ54の構成を示す回路図である。
図1および図2に示すように、電気式動力舵取装置10は、主に、ステアリングホイール21、ステアリング軸22、ピニオン軸23、ラック軸24、トルクセンサ30、アシストモータ40、モータレゾルバ42、ボールねじ機構44等を備える操舵機構20と、この操舵機構20のアシストモータ40を駆動制御するモータ制御装置としてのECU(Electronic Control Unit )50とから構成されている。
電気式動力舵取装置10は、トルクセンサ30により検出された操舵トルクTなどの操舵状態に基づいて、アシストモータ40を駆動して運転者による操舵をアシストするものである。なお、ラック軸24の両側には、それぞれタイロッド等を介して図略の操舵輪が連結されている。
図1に示すように、ステアリングホイール21には、ステアリング軸22の一端側が連結され、このステアリング軸22の他端側には、ピニオンハウジング25内に収容されたトルクセンサ30の入力軸23aおよび図略のトーションバーが連結されている。またこのトーションバーの他端側には、ピニオン軸23の出力軸23bがスプライン結合により連結されている。なお、ピニオン軸23の出力軸23bの端部にはピニオンギヤが形成されている。
トルクセンサ30は、入力軸23aとピニオンハウジング25との間に介在する第1レゾルバ35と、出力軸23bとピニオンハウジング25との間に介在する第2レゾルバ37とによって構成されている。このトルクセンサ30は、ステアリングホイール21による操舵状態(操舵トルクTや操舵角)を検出する機能を有するもので、ECU50に電気的に接続されている(図2(A) 参照)。これにより、トルクセンサ30は、第1レゾルバ35により検出される第1操舵角と第2レゾルバ37により検出される第2操舵角との角度差や角度比等から得られるトーションバーの捻れ角相当のトルク信号をECU50に出力している。
ラック軸24は、ラックハウジング26およびモータハウジング27内に収容されており、ピニオン軸23のピニオンギヤに噛合可能な図略のラック溝を備えている。これにより、ピニオン軸23とともにラックアンドピニオン機構を構成している。またラック軸24の中間部には、螺旋状にボールねじ溝24aが形成されている。
アシストモータ40は、ラック軸24と同軸に回転可能にベアリング29により軸受される円筒形状のモータ軸43、このモータ軸43の外周に設けられた図略の永久磁石、図略のステータや励磁コイル等により構成されている電動機である。
即ち、このアシストモータ40は、ステータに巻回された例えば3相(U相、V相、W相)分の励磁コイルにより発生する界磁が、回転子に相当するモータ軸43の永久磁石に作用することよって、モータ軸43が回転し得るように構成されている。なお、この励磁コイルに印加される電圧を検出し得る図略の電圧センサおよび励磁コイルに流れる電流(U相実電流値Iu、V相実電流値Iv、W相実電流値Iw)を検出し得る電流センサ47が、それぞれU相、V相、W相ごとにアシストモータ40またはECU50に設けられている。
モータレゾルバ42は、アシストモータ40が収容されているモータハウジング27とモータ軸43との間に設けられており、モータ軸43の回転角(以下「モータ回転角」という。)θmを検出する機能を有するように構成されている。このモータレゾルバ42も、トルクセンサ30と同様、ECU50に電気的に接続され(図2(A) 参照)、モータ回転角θmに対応する信号をECU50に出力している。
ボールねじ機構44は、ラック軸24とモータ軸43との間に介在して、モータ軸43の正逆回転の回転トルクをラック軸24の軸線方向における往復動に変換する機能を有するものである。これにより、この往復動は、ラック軸24とともにラックアンドピニオン機構を構成するピニオン軸23を介してステアリングホイール21の操舵力を軽減するアシストカにすることができる。
このように操舵機構20を構成することにより、ステアリングホイール21による操舵状態をトルクセンサ30から出力される操舵トルクTのトルク信号により検出することができ、またアシストモータ40の動作状態をモータレゾルバ42から出力されるモータ回転角θmの信号や電流センサ47から出力される3相実電流値Iu,Iv,Iwにより検出することができる。
次に、このような操舵機構20を構成するアシストモータ40の駆動制御を担うECU50の電気的構成を図2に基づいて説明する。図2(A) に示すように、ECU50は、主に、インターフェイス52、インバータ54、入出力バッファ56、CPU60等により構成されており、CPU60を中心に入出力バスを介してインターフェイス52やインバータ54や入出力バッファ56が接続されている。また、CPU60には、車両の車速Vを検出するための車速センサ70が電気的に接続されている(図2(A) 参照)。
CPU60は、例えば、マイコン、半導体メモリ装置(ROM、RAM、EEPROM等)等から構成されており、電気式動力舵取装置10の基本的なモータ制御を所定のコンピュータプログラムにより実行する機能を有するものである。即ち、CPU60は、モータレゾルバ42により検出されたモータ回転角θmに基づいてアシストモータ40をベクトル制御する。
インターフェイス52は、上述したトルクセンサ30、モータレゾルバ42、電流センサ47あるいは車速センサ70等から入力される各種センサ信号を、A/D変換器等を介してCPU60の所定ポートに入力したり、またCPU60から出力されるレゾルバ励磁信号をA/D変換器等を介してモータレゾルバ42やトルクセンサ30(第1レゾルバ35、第2レゾルバ37)に出力したりする機能を有するものである。なお、図2(A) では、CPU60からレゾルバに出力されるレゾルバ励磁信号やレゾルバからCPU60に入力される sin相信号や cos相信号は、便宜上、入出力バッファ56を介して入出力されているように図示されているが、この入出力バッファ56はインターフェイス52の概念に含まれるものである。
図2(B) に示すように、インバータ54は、直流電源Batt (直流電源電圧Vb)から供給される電力を制御可能な3相交流電力に変換する機能を有するもので、PWM回路54aとスイッチング回路54b等から構成されている。
PWM回路54aは、後述するように、CPU60から出力される各相のPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*に基づいて、U相、V相、W相ごとにスイッチング回路54bをONまたはOFFし得るスイッチング信号を発生するパルス変調回路で、発生させたスイッチング信号はスイッチング回路54bに出力される。
スイッチング回路54bは、スイッチング素子Q11、Q12、Q13、Q21、Q22、Q23(以下「スイッチング素子Q11〜Q23」ともいう)と帰還ダイオードとから構成されている。スイッチング素子Q11〜Q23には、例えば高速スイッチング用のMOSFETが用いられており、各相ごとに、直流電源Batt とアースとの間に2個1組のスイッチング素子がトーテムポール接続されている。
例えば、U相であればスイッチング素子Q11とスイッチング素子Q21とが直列接続され直流電源Batt (直流電源電圧Vb)とアース(基準電位)との間に介在している。またこのように接続された両スイッチング素子の接続部、例えばU相であればスイッチング素子Q11とスイッチング素子Q21との接続部にはアシストモータ40の励磁コイル(U相)に接続されるU相出力端子が接続されている。
このように直流電源Batt とアースと間には、トーテムポール接続された両スイッチング素子Q11〜Q23が介在するため、各一対のスイッチング素子Q11・Q21、Q12・Q22、Q13・Q23に対する駆動信号が双方同時にOFFとなる期間、つまりデッドタイムDtが設けられている。
このように構成することにより、図2に示すECU50のCPU60では、トルクセンサ30により検出される操舵トルクT、車速センサ70により検出される車速V、モータレゾルバ42により検出されるモータ回転角θmおよび電流センサ47により検出される3相実電流値Iu,Iv,Iwに応じたモータ電流指令値Iq*を演算し、さらにこのモータ電流指令値Iq*に基づいてアシストモータ40によるアシスト力の発生をインバータ54により制御する。これにより、電気式動力舵取装置10は、操舵トルクTおよび車速Vに応じて発生するアシストモータ40のアシスト力により当該車両の運転者のステアリングホイール21による操舵を補助可能にしている。
次に、以上のように構成されたECU50およびインバータ54によるアシスト力の制御処理の概要を図3に基づいて説明する。図3は、第1実施形態に係る電気式動力舵取装置10のECU50による制御概要を示す制御ブロック図である。
ECU50のCPU60により行われるアシスト力の制御は、位相補償部60a、電流指令値演算部60b、電流制御部60cおよびPWM演算部60dにより構成されている。
まずトルクセンサ30により検出された操舵トルクTは、インターフェイス52を介してCPU60に入力されると、電気式動力舵取装置10の安定性を高めるために位相補償部60aにより位相補償処理が行われた後、電流指令値演算部60bに出力される。位相補償された操舵トルクTが入力される電流指令値演算部60bには、車速センサ70により検出された車速Vも入力されるので、電流指令値演算部60bでは、CPU60のメモリに予め記憶されている図略のアシストマップに基づいて、操舵トルクTおよび車速Vに対応した電流目標値Iqmを演算する。この電流指令値演算部60bでは、操舵トルクTのみならず車速Vにも対応した電流目標値Iqmの演算を行っているので、例えば、車速Vが小さいときには大きなアシスト力を出力するように、また車速Vが大きいときには小さなアシスト力を出力するように、電流目標値Iqmを演算する、いわゆる車速依存型の電流指令値演算が行われている。
電流指令値演算部60bから電流目標値Iqmが入力された電流制御部60cでは、電流センサ47により検出された3相実電流値Iu,Iv,Iwとの差に相当する信号およびモータレゾルバ42にて検出されたモータ回転角θmに基づいて、PI制御値又はPID制御値を演算して得られたモータ電流指令値Iq*をPWM演算部60dに出力する。
PWM演算部60dでは、このモータ電流指令値Iq*に応じた電圧指令値Vqを演算して、さらに、PWM演算を行う。その際、後述するように、非操舵時には通常設定されるデッドタイムDtよりも長くなるように設定されたデッドタイムDtでもって上記演算が行なわれる。このように設定されたデッドタイムに基づくPWM演算処理の流れについては後述する図4に示すフローチャートにて詳細に説明する。このように演算されたPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*は、インバータ54に出力される。
インバータ54では、PWM演算部60dから出力される各相のPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*に基づいて、U相、V相、W相ごとにスイッチング回路54bをONまたはOFFする。これにより、インバータ54は、直流電源Battから供給される直流電力を予定する3相交流電力に変換してアシストモータ40を駆動制御することでアシストモータ40による適正なアシスト力を発生させることが可能となる。
ところで、上述したようにインバータ駆動効率を高めるためにデッドタイムDtを短くすると、例えばスイッチング回路54bの両スイッチング素子Q11、Q21が双方同時にONして導通することにより貫通電流が流れ、ラジオノイズの発生原因となるノイズ源が発生してしまう。
そこで、本第1実施形態においては、アシストモータ40をインバータ駆動しない非操舵時には、通常設定されるデッドタイムDtよりも長くなるように設定されたデッドタイムDtでもってPWM演算を行うことにより、非操舵時におけるラジオノイズ性能を向上させている。
以下、設定されたデッドタイムに基づくPWM演算処理の流れを、図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、図4のステップS101において、位相補償部60aにて位相補償された操舵トルクTおよび電流制御部60cにて設定されたモータ電流指令値Iq*がPWM演算部60dに入力されると、ステップS102において、モータ電流指令値Iq*の絶対値がアシストモータ40の駆動によりアシスト力を発生させていないと判断される所定の電流閾値(以下、操舵判定電流閾値Iq*ともいう)以下であるか否かについて判定される。本第1実施形態においては、操舵判定電流閾値Iq*は、0.01Aに設定されているが、0(ゼロ)Aを含め、0(ゼロ)Aに近似するように0.01Aよりも小さくなるように設定されてもよい。
ここで、モータ電流指令値Iq*の絶対値が操舵判定電流閾値Iq*よりも大きい場合(S102でNO)、ステップS103において、操舵トルクTの絶対値がアシストモータ40の駆動によりアシスト力を発生させていないと判断される所定のトルク閾値(以下、操舵判定トルク閾値Tともいう)よりも小さいか否かについて判定される。なお、本第1実施形態において、操舵判定トルク閾値Tは、0.3Nmに設定されている。
ここで、操舵トルクTの絶対値が操舵判定トルク閾値T以上である場合(S103でNO)には、操舵時であるとして、ステップS104でデッドタイムDtが通常のデッドタイムDtに設定される。
一方、モータ電流指令値Iq*の絶対値が操舵判定電流閾値Iq*以下の場合(S102でYES)、または、操舵トルクTの絶対値が操舵判定トルク閾値Tよりも小さい場合(S103でYES)には、非操舵時であるとして、ステップS105でデッドタイムDtが、通常設定されるデッドタイムDtよりも長くなるように設定されたデッドタイムDtに設定される。本第1実施形態においては、デッドタイムDtは通常のデッドタイムDtの200%に設定されているが、操舵状況に応じて150%以上200%以下にて適宜設定されてもよい。
ステップS104またはステップS105にてデッドタイムDtが設定されると、ステップS106において、モータ電流指令値Iq*に応じた電圧指令値Vqを演算して、この電圧指令値Vqおよび上述のように設定されたデッドタイムDtに基づいてPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*を演算する。そして、ステップS107にて、このように演算されたPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*がインバータ54に出力される。
以上のように構成した電気式動力舵取装置10のECU50においてPWM演算部60dからインバータ54に出力されるPWM信号PWMu*(Q11ゲート信号Vs、Q21ゲート信号Vs)の信号波形およびインバータ54から出力されるU相電圧(Q11電圧V、Q21電圧V)の電圧波形を、図5および図6を用いて説明する。図5は、操舵時におけるゲート信号と出力電圧の関係を示す波形図であり、図6は、非操舵時におけるゲート信号と出力電圧の関係を示す波形図である。なお、図5および図6には、代表例として、U相に関するゲート信号と出力電圧との関係を例示しているが、V相およびW相についても同様の関係が成り立つ。
まず、操舵時では、図5に示すように、Q11ゲート信号VsがONからOFFに変わると、実際にスイッチング素子Q11に入力されているQ11実ゲート信号Vgが減少し始める。この減少するQ11実ゲートVgが所定の閾値Vthよりも小さくなると、スイッチング素子Q11がOFFになりQ11電圧Vが減少し始める。
一方、Q11ゲート信号VsがOFFに変わってからデッドタイムDt=Dtだけ経過した後、Q21ゲート信号VsがOFFからONに変わると、実際にスイッチング素子Q21に入力されるQ21実ゲート信号Vgが増加し始める。この増加するQ21実ゲートVgが所定の閾値Vthよりも大きくなると、スイッチング素子Q21がONになりQ21電圧Vが増加し始める。
ここで、図5から判るように、操舵時では、スイッチング素子Q11のQ11電圧Vが0(ゼロ)Vになる前に、スイッチング素子Q21のQ21電圧Vが0(ゼロ)Vから増加し始める。このため、わずかな時間(tn)ではあるが、スイッチング素子Q11、Q21が双方同時に導通状態となり、両スイッチング素子Q11、Q21が導通して貫通電流が流れることとなる。
次に、非操舵時では、図6に示すように、Q11ゲート信号VsがONからOFFに変わり、減少するQ11実ゲートVgが所定の閾値Vthよりも小さくなると、スイッチング素子Q11がOFFになりQ11電圧Vが減少し始める。
一方、Q11ゲート信号VsがOFFに変わってからデッドタイムDt=Dtだけ経過した後、Q21ゲート信号VsがOFFからONに変わり、増加するQ21実ゲートVgが所定の閾値Vthよりも大きくなると、スイッチング素子Q21がONになりQ21電圧Vが増加し始める。
ここで、図6から判るように、非操舵時では、デッドタイムDtがDtに設定されているので、スイッチング素子Q11のQ11電圧Vが0(ゼロ)Vになっても、スイッチング素子Q21のQ21電圧Vは0(ゼロ)Vから増加し始めていない。このため、スイッチング素子Q11、Q21が双方同時に導通状態となる場合がないので、スイッチング素子Q11、Q21の導通により貫通電流が流れてラジオノイズの発生原因となるノイズ源が発生してしまうことはない。
以上説明したように、本第1実施形態に係る電気式動力舵取装置10では、インバータ54のスイッチング回路54bにおける一対のスイッチング素子Q11・Q21、Q12・Q22、Q13・Q23に対する駆動信号(Vs、Vs)を双方同時にOFFするためのデッドタイムDtを、モータ電流指令値Iq*の絶対値が操舵判定電流閾値Iq*(0.01A)以下の場合(すなわち、モータ電流指令値Iq*が0(ゼロ)Aに近似している場合)、または、操舵トルクTが操舵判定トルク閾値T(0.3Nm)よりも小さい場合(非操舵時)には、モータ電流指令値Iq*の絶対値が操舵判定電流閾値Iq*より大きくかつ操舵トルクTが操舵判定トルク閾値T以上の場合(操舵時)よりも長い設定値(Dt)に設定してインバータ54を制御する。
このように、アシストモータ40をインバータ駆動しない非操舵時には、デッドタイムDtを操舵時よりも長い設定値(Dt)に設定してインバータ54を制御することにより、スイッチング回路54bの一対のスイッチング素子Q11・Q21、Q12・Q22、Q13・Q23間の導通を確実に防止してラジオノイズ性能を向上させる。したがって、ラジオノイズを低減させるためのハードウェアを別途設けることなく、非操舵時におけるラジオノイズ性能を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る電気式動力舵取装置10では、非操舵時におけるデッドタイムDtを、操舵時におけるデッドタイム、すなわち通常のデッドタイムDtの200%に設定してインバータ54を制御する。これにより、非操舵時には、より適切かつ確実にスイッチング回路54bの一対のスイッチング素子Q11・Q21、Q12・Q22、Q13・Q23間の導通を防止してラジオノイズ性能を向上させることができる。なお、上述したようにデッドタイムDtは、通常のデッドタイムDtの150%以上200%以下に設定されてもよい。非操舵時におけるデッドタイムDtが通常のデッドタイムDtの150%未満ではスイッチング回路54bの各一対のスイッチング素子Q11・Q21、Q12・Q22、Q13・Q23がそれぞれ導通して貫通電流が流れ、ラジオノイズの発生原因となるノイズ源が発生してしまう可能性があるからである。また、非操舵時におけるデッドタイムDtが通常のデッドタイムDtの200%を超えてもラジオノイズ防止の効果は変わらないからである。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電気式動力舵取装置について図7を参照して説明する。図7は、第2実施形態に係る電気式動力舵取装置10にて実行される設定されたデッドタイムDtに基づくPWM演算処理の流れを示すフローチャートである。なお、第2実施形態の電気式動力舵取装置10の機械的構成については、図1〜図3を参照して上述した第1実施形態と同様であるため、同図を参照すると共に説明は省略する。
上述した第1実施形態では、非操舵時である場合のデッドタイムDtを、通常設定されるデッドタイムDtの200%に設定されたデッドタイムDtに設定してPWM演算を行う。これに対して、本第2実施形態では、非操舵時である場合のデッドタイムDtを、モータ電流指令値Iq*の増加に伴い減少させるように設定してPWM演算を行う。
以下、本第2実施形態に係る電気式動力舵取装置10にて実行される設定されたデッドタイムに基づくPWM演算処理の流れを、図7に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
第1実施形態と同様に、ステップS101にて操舵トルクTおよびモータ電流指令値Iq*がPWM演算部60dに入力されると、操舵状態であれば(S102およびS103でNO)ステップS104でデッドタイムDtが通常のデッドタイムDtに設定される。
一方、非操舵状態であれば、ステップS108において、デッドタイムDtがモータ電流指令値Iq*に基づいて決定される。具体的には、モータ電流指令値Iq*が0(ゼロ)Aであれば、デッドタイムDtが通常のデッドタイムDtの200%に設定され、モータ電流指令値Iq*が0(ゼロ)Aから操舵判定電流閾値Iq*に向けて増加するほどデッドタイムDtが通常のデッドタイムDtの200%から150%に向けて減少するように設定される。
ステップS104またはステップS108にてデッドタイムDtが設定されると、ステップS106でモータ電流指令値Iq*に応じた電圧指令値Vqを演算して、この電圧指令値Vqおよび上述のように設定されたデッドタイムDtに基づいてPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*を演算する。そして、ステップS107にて、このように演算されたPWM信号PWMu*,PWMv*,PWMw*がインバータ54に出力される。
以上説明したように、本第2実施形態に係る電気式動力舵取装置10では、非操舵時におけるデッドタイムDtを、モータ電流指令値Iq*の増加に伴い減少させるように設定してインバータ54を制御する。これにより、操舵状況を考慮したデッドタイムDtを設定することができるので、操舵時におけるインバータ駆動効率の低下を防止するとともに非操舵時におけるラジオノイズ性能をより向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る電気式動力舵取装置の構成を示す構成図である。 図2(A) は、第1実施形態の電気式動力舵取装置のモータ制御に関する電気的構成を示すブロック図で、図2(B) はインバータの構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る電気式動力舵取装置のECUによる制御概要を示す制御ブロック図である。 第1実施形態に係る電気式動力舵取装置にて実行される設定されたデッドタイムに基づくPWM演算処理の流れを示すフローチャートである。 操舵時におけるゲート信号と出力電圧の関係を示す波形図である。 非操舵時におけるゲート信号と出力電圧の関係を示す波形図である。 第2実施形態に係る電気式動力舵取装置にて実行される設定されたデッドタイムに基づくPWM演算処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10…電気式動力舵取装置
20…操舵機構
21…ステアリングホイール
30…トルクセンサ
35…第1レゾルバ
37…第2レゾルバ
40…アシストモータ(モータ)
50…ECU
54…インバータ(駆動回路)
54a…PWM回路
54b…スイッチング回路
60…CPU(演算手段、制御手段)
60c…電流制御部(制御手段)
60d…PWM演算部(制御手段)
Batt…直流電源
Dt、Dt、Dt…デッドタイム
Iq*…モータ電流指令値(電流指令値)
Iq*…操舵判定電流閾値(所定の電流閾値)
T…操舵トルク
…操舵判定トルク閾値(所定のトルク閾値)
Q11、Q12、Q13、Q21、Q22、Q23…スイッチング素子
…Q11電圧
…Q21電圧
Vg…Q11実ゲート信号
Vg…Q21実ゲート信号
Vs…Q11ゲート信号
Vs…Q21ゲート信号

Claims (3)

  1. 車両のステアリングホイールによる操舵を補助可能なアシスト力を発生させるモータと、
    前記ステアリングホイールによる操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記操舵トルクに基づいて前記モータの電流指令値を演算する演算手段と、
    一対のスイッチング素子を有するスイッチング回路を備え前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させるか否かにかかわらず前記一対のスイッチング素子をONまたはOFFする駆動回路であって、前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させる場合には前記一対のスイッチング素子のONまたはOFFにより直流電源から供給される電力をPWM制御して前記モータに出力する駆動回路と、
    前記操舵トルクおよび前記電流指令値に基づいて前記駆動回路を制御する制御手段と、
    を備えた電気式動力舵取装置であって、
    前記制御手段は、前記一対のスイッチング素子に対する駆動信号を双方同時にOFFするためのデッドタイムを、前記電流指令値が前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させていないと判断される所定の電流閾値以下の場合または前記操舵トルクが前記モータの駆動により前記アシスト力を発生させていないと判断される所定のトルク閾値よりも小さい場合には、前記電流指令値が前記所定の電流閾値より大きくかつ前記操舵トルクが前記所定のトルク閾値以上の場合よりも長い設定値に設定して前記駆動回路を制御することを特徴とする電気式動力舵取装置。
  2. 前記制御手段は、前記長い設定値を、前記電流指令値が前記所定の電流閾値より大きくかつ前記操舵トルクが前記所定のトルク閾値以上の場合におけるデッドタイムの150%以上200%以下に設定して前記制御手段を制御することを特徴とする請求項1記載の電気式動力舵取装置。
  3. 前記制御手段は、前記長い設定値を前記電流指令値の増加に伴い減少させるように設定して前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項1記載の電気式動力舵取装置。
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