JP2003319681A - モータ制御装置、及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
モータ制御装置、及び電動パワーステアリング装置Info
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- JP2003319681A JP2003319681A JP2002123512A JP2002123512A JP2003319681A JP 2003319681 A JP2003319681 A JP 2003319681A JP 2002123512 A JP2002123512 A JP 2002123512A JP 2002123512 A JP2002123512 A JP 2002123512A JP 2003319681 A JP2003319681 A JP 2003319681A
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- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
Abstract
を確保する。また、電動パワーステアリング装置の所謂
「引っ掛かり感」を解消又は緩和する。 【解決手段】 q軸電圧補正部13では次式(2)を用
いてq軸指令電圧Vq*に対する補正量δVq* を算出
する。ただし、この関数fは例えば図1にその概略形状
を例示する様に、f(−Iq* )=−f(Iq* )を満
たす広義の単調増加関数であり、この単調増加関数fの
傾き(1次導関数f′(Iq* )の値)は、|Iq* |
>ε1(>0)なる所定のマクロ領域において略0とな
っている。この補正量δVq* を指令電圧Vq* の値に
加算することにより、新たに指令電圧Vq* の値を再設
定する。この補正により、デッドタイムに伴う出力トル
クの追随性の劣化が是正され、その結果、操舵時の引っ
掛かり感も解消できる。 δVq* =f(Iq* ) …(2)
Description
(ブラシレス直流モータ)をPWM制御に基づいて駆動
するインバータが有する直列接続されたm対(m>1)
のトランジスタが、各対内において双方同時にON状態
(通電状態)になった際に生じ得る過電流の発生を防止
するために、各対内のトランジスタを双方同時にOFF
状態にする期間(デッドタイム)を有するモータ制御装
置に関する。
流モータ)を駆動する3相ブリッジ型インバータ(m=
3)の基本的な構成を例示する回路図である。この回路
は周知の一般的なものであり、主に6つのトランジスタ
(Tr1,Tr2,Tr3,...,Tr6)と6つの
ダイオードと直流電源Eから構成されており、直列接続
された3対のトランジスタは、後で説明する様にそれぞ
れデッドタイムを設けて使用される。符号Rは永久磁石
を有するロータを示しており、記号U,V,Wはこのイ
ンバータによって出力される各相の電位Vu,Vv,V
wの位置をそれぞれ表している。
角センサ)や電流検出器の図示は省略されている。本図
4のBLDCモータの駆動制御は、基本的には駆動電流
の指令値(Iq* ,Id* )に関する、PI制御(比例
・積分制御)を基本とする周知のフィードバック制御に
より実行することができる。
(インバータ)では、直列に対を成す二つ一組のトラン
ジスタ、即ち、例えばトランジスタTr1とトランジス
タTr2が、同時にON状態(通電状態)に成った際に
は、回路が短絡して過電流が発生する恐れが有る。
は、例えば、インバータの各出力端子上の電流方向を切
り換える際に各対内のトランジスタを双方同時にOFF
状態にする期間である所謂デッドタイムを設ける方法が
一般的である。このデッドタイムの長さは、モータ制御
装置の制御精度や使用されるトランジスタ等の応答性
能、品質(応答性能等)のバラツキ等に応じて、経験的
に好適値或いは最適値を設定することができる。勿論、
これらの制御精度や応答性能が高い場合程、デッドタイ
ムは短く設定できる。
較的長めに設けると、所望の交流電流を円滑に生成する
ことが難しくなる。図5は、従来技術におけるq軸電流
の指令値Iq* に対する実測値Iqのグラフである。こ
の例は、デッドタイムを約10ミリ秒と比較的大きめに
確保した場合の例であるが、指令値Iq* に対する実測
値Iqの立ち上がりは、デッドタイムと略同じ長さ(時
間)の立ち遅れを示している。この立ち遅れは、指令値
Iq * が最大値を越えるまでの約30ミリ秒の間回復せ
ず、その間q軸電流(出力トルク)が不足している。指
令値Iq* に対する実測値Iqの立ち上がりも、立ち下
がりの際と略同様の遅れを示す。
を、例えば車載用の電動パワーステアリング装置に搭載
した場合、ハンドル(ステアリング・ホイール)を切り
込む操舵を実施した際に、所謂「引っ掛かり感」を生じ
る結果となってしまう。これは遅れが回復するまでの
間、所望の出力トルクと実際の出力トルクとの差異分を
運転者がハンドルに付与する操舵トルクによって補わざ
るを得ない結果生じるものである。例えばこの様に、上
記のデッドタイムが、例えば追随性等のモータの出力特
性に悪影響を与える事例は少なくない。
程、上記の現象を緩和することができる。しかしなが
ら、デッドタイムの長さを0に近付ける際には、モータ
制御装置やトランジスタ等に対して、極めて高い制御精
度や応答性能が要求されるため、デッドタイムの短縮だ
けでこの問題を解決することは、現在の半導体技術水準
やモータ制御装置の生産コスト等を考慮した場合、必ず
しも現実的な方法とは言えない。
されたものであり、その目的は、デッドタイムを設けた
インバータを有するモータ制御装置において、BLDC
モータの出力トルクの指令値に対する追随性を十分に確
保することである。
効果】上記の課題を解決するためには、以下の手段が有
効である。即ち、本発明の第1の手段は、BLDCモー
タ(ブラシレス直流モータ)をPWM制御に基づいて駆
動するインバータが有する直列接続されたm対(m>
1)のトランジスタが、各対内において双方同時にON
状態(通電状態)になった際に生じ得る過電流の発生を
防止するために、各対内のトランジスタを双方同時にO
FF状態にする期間(デッドタイム)を有するモータ制
御装置において、BLDCモータへのq軸指令電圧Vq
* に対する補正量δVq* を、BLDCモータのq軸指
令電流Iq* 又はq軸指令電流Iq* の関連値に基づい
て算出するq軸指令電圧補正手段を設けることである。
ただし、上記のq軸指令電流Iq* の関連値としては、
例えば、所望の出力トルクを表すトルク指令値等を挙げ
ることができる。
ば、上記に例示した様なデッドタイム近辺におけるq軸
指令電圧Vq* (出力トルクの指令値)が嵩上げされる
ため、このフィードフォワード作用により、従来問題と
なっていたデッドタイム近辺における出力トルクの不足
分が解消又は軽減できる。また、上記の補正は、前述の
様にPI制御(比例・積分制御)を基本とする周知のフ
ィードバック制御の中で行われるため、補正項(δVq
* )は特にq軸電圧Vq(出力トルクの指令値)の不足
分が大きいデッドタイム近辺で非常に効果的に作用し、
且つ、デッドタイムによる追随遅れが解消された後に
は、PI制御による補正作用により、上記の嵩上げに基
づく補正作用が相殺され、所望の指令値が達成される。
したがって、本発明の手段を用いれば、これらの作用に
より、デッドタイムが設けられたインバータを有するB
LDCモータ用のモータ制御装置において、従来よりも
大幅に良好な追随性を実現することができる。
の手段のq軸指令電圧補正手段において、f(−I
q* )=−f(Iq* )を満たす広義の単調増加関数f
により補正量δVq* を算出し、かつ、この単調増加関
数fの傾き(1次導関数f′(Iq* )の値)を、|I
q* |>ε1(>0)なる所定のマクロ領域において、
略0とすることである。ただし、ここで広義の単調増加
関数fとは「∀a<∀b⇒f(a)≦f(b)」なる関
数fのことを言う。また、上記の関数fは必ずしも微分
可能(よって連続)である必要はなく、例えば関数fは
データマップ等を用いて離散的に定義されたものであっ
ても良い。これらの場合の関数fの関数値や傾きは、補
間線、包絡線、近似曲線等を用いて適当に解釈するもの
とする。
|>ε1(>0)なる所定のマクロ領域において、補正
量δVq* の値を略定数にすることができる。この定数
は、補正量δVq* による上記の嵩上げの幅を与えるも
のになる。言い換えれば、補正量δVq* の値は、おお
よそIq* の符号にのみ依存する定数で定義しても良
い。例えば、適当な定数ε1(>0)に対して、Iq*
>ε1ならばδVq* =C1(=正定数)とし、Iq*
<−ε1ならばδVq* =−C1と定義する。ただし、
|Iq* |≦ε1なる所定のミクロ領域では、補正量δ
Vq* の値は、概ねq軸の電流指令値Iq* の値に比例
させることが望ましい。
正量δVq* の値)を適当に与えることができる。|I
q* |≦ε1なる所定のミクロ領域で、補正量δVq*
の値をq軸の電流指令値Iq* の値に略比例させること
が望ましい理由は、補正量δVq* に実質的な連続性を
与えるためである。この実質的な連続性により、補正に
よる電圧指令値の急変や、それに伴う出力トルクのバタ
ツキ(即ち、出力トルクのデッドタイム付近での急激な
時間変動)が解消又は緩和される。
ング装置に、上記の何れか一つの手段により構成された
本発明のモータ制御装置を搭載することである。これに
より、所望の指令トルク(トルク指令値)が、高い追随
性を示すため、その電動パワーステアリング装置を有す
る車両を運転(操舵)した際には、前述の所謂「引っ掛
かり感」が緩和或いは解消される。以上の本発明の手段
により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決する
ことができる。
基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例
に限定されるものではない。 〔実施例〕図1は、本実施例に係わるモータ制御装置1
00の基本的な制御方式を示す制御ブロックダイヤグラ
ムである。モータ制御装置100は、図略のCPU、R
OM、RAM等を有する図略のコンピュータを具備し、
3相インバータ3は、図略のバッテリー、PWM変換
器、PMOS駆動回路等から構成され、チョッパ制御に
より駆動電流を正弦波にしてBLDCモータ1に電力を
供給する。モータ1はブラシレス直流モータ(BLDC
モータ)で3相駆動制御される。
よりU,V,Wの3相に対する各モータ駆動電流Iu,
Iv,Iwが供給される。回転角センサ2はBLDCモ
ータ1の回転角θを出力する。
12、及びq軸電圧補正部13等は、上記の図略のコン
ピュータを制御するソフトウェアにより実現されてい
る。例えば、3相変換部11は、回転角θ、指令電圧V
q* ,Vd* を入力し、これらに基づいて、周知のdq
逆変換を実行し、更に、2相→3相変換を実行して、各
相毎の電圧指令値Vu* ,Vv* ,Vw* を出力する。
d軸とq軸の各電流指令値(Id* ,Iq* )は、「ト
ルク指令」の指令値に基づいて決定される。通常は、I
d* =0である。
圧補正部13の動作について、図2を用いて説明する。
図2は、上記のモータ制御装置100によるモータ制御
を実現するためのソフトウェア(制御プログラム)の制
御手順を例示するフローチャートである。本図中のステ
ップの右側に記載した番号11,12,13,14は、
それぞれ図1の対応箇所を示している。
ムの処理手順としては、まず最初に、図2のステップ2
00により、指令値(q軸指令電流Iq* ,d軸指令電
流Id* )や測定値(モータ回転角θ,各相の電流の測
定値Iu,Iv,Iw)の値を入力する。ただし、恒等
的にId* =0とする場合には、必ずしもd軸指令電流
Id* を毎回入力しなくとも良い。
12の処理を実行する。即ち、ステップ210では、2
相変換を実行する。また、ステップ220では、dq変
換を実行する。以上の2相変換部12の処理により、各
相の電流の測定値Iu,Iv,Iwに基づいて、q軸電
流Iqとd軸電流Idの各測定値が求められる。
て、各軸の電流偏差を求める。
差に基づいてPI制御を行うことにより、各軸の指令電
圧Vd* ,Vq* を求める。ステップ250(q軸電圧
補正部13)では、次式(2)を用いて、q軸指令電圧
Vq* に対する補正量δVq* を算出する。
示する様に、f(−Iq* )=−f(Iq* )を満たす
広義の単調増加関数であり、この単調増加関数fの傾き
(1次導関数f′(Iq* )の値)は、|Iq* |>ε
1(>0)なる所定のマクロ領域において略0となって
いる。ε1は、原点から関数値がちょうど略最大値まで
増加しきった点における横軸の値を示している。
をステップ240で求めた指令電圧Vq* の値に加算す
ることにより、新たに指令電圧Vq* の値を再設定す
る。
11の処理を実行する。即ち、ステップ270では、d
q逆変換を実行する。また、ステップ280では、3相
変換を実行する。以上の3相変換部11の処理により、
d軸指令電圧Vd* と補正後のq軸指令電圧Vq* に基
づいて、各相の電圧の指令値Vu* ,Vv* ,Vw*が
決定さられる。
u* ,Vv* ,Vw* をインバータに対して出力する。
以上の一連の処理は、所定の制御周期に従って周期的に
実行する。
によりON/OFF信号を生成し、図4のトランジスタ
Tr1〜Tr6をON/OFF制御する。ただし、この
PWM制御はソフトウェアにより実施しても良い。デッ
ドタイムは、このPWM制御により、トランジスタの応
答性能等に見合った、好適或いは最適な所定の長さが実
現される。
いて測定されたq軸電流Iq(測定値)のグラフであ
る。本図3のグラフから判る様に、上記のモータ制御装
置100においては、本発明の作用により、q軸電流の
指令値Iq* に対するq軸電流Iq(測定値)の追随性
が大幅に改善される。また、この様なモータ制御装置を
電動パワーステアリング装置に搭載した結果、前述の
「引っ掛かり感」が解消できることが判った。
の基本的な制御方式を示す制御ブロックダイヤグラム。
するためのソフトウェア(制御プログラム)の制御手順
を例示するフローチャート。
ラフ。
(m=3)の基本的な構成を例示する回路図。
Claims (3)
- 【請求項1】BLDCモータ(ブラシレス直流モータ)
をPWM制御に基づいて駆動するインバータが有する直
列接続されたm対(m>1)のトランジスタが、各対内
において双方同時にON状態(通電状態)になった際に
生じ得る過電流の発生を防止するために、前記各対内の
トランジスタを双方同時にOFF状態にする期間(デッ
ドタイム)を有するモータ制御装置において、 前記BLDCモータへのq軸指令電圧Vq* に対する補
正量δVq* を、前記BLDCモータのq軸指令電流I
q* 又は前記q軸指令電流Iq* の関連値に基づいて算
出するq軸指令電圧補正手段を有することを特徴とする
モータ制御装置。 - 【請求項2】前記q軸指令電圧補正手段は、 f(−Iq* )=−f(Iq* )を満たす広義の単調増
加関数fにより、前記補正量δVq* を算出し、 前記単調増加関数fは、|Iq* |>ε1(>0)なる
所定のマクロ領域において、傾き(1次導関数f′(I
q* )の値)が略0であることを特徴とする請求項1に
記載のモータ制御装置。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のモータ制御
装置を有することを特徴とする電動パワーステアリング
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002123512A JP2003319681A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | モータ制御装置、及び電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002123512A JP2003319681A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | モータ制御装置、及び電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003319681A true JP2003319681A (ja) | 2003-11-07 |
Family
ID=29538780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002123512A Pending JP2003319681A (ja) | 2002-04-25 | 2002-04-25 | モータ制御装置、及び電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003319681A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005023626A1 (ja) * | 2003-09-02 | 2005-03-17 | Nsk Ltd. | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP2008230547A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Jtekt Corp | 電気式動力舵取装置 |
JP2008254491A (ja) * | 2007-04-02 | 2008-10-23 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2011168168A (ja) * | 2010-02-18 | 2011-09-01 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
CN102570961A (zh) * | 2012-01-18 | 2012-07-11 | 中冶南方(武汉)自动化有限公司 | 基于应用宏的变频器多应用场合快速调试实现方法 |
-
2002
- 2002-04-25 JP JP2002123512A patent/JP2003319681A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7345442B2 (en) | 2003-09-02 | 2008-03-18 | Nsk Ltd. | Device for controlling electric-motor power steering device |
JP2008230547A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Jtekt Corp | 電気式動力舵取装置 |
JP2008254491A (ja) * | 2007-04-02 | 2008-10-23 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
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CN102570961A (zh) * | 2012-01-18 | 2012-07-11 | 中冶南方(武汉)自动化有限公司 | 基于应用宏的变频器多应用场合快速调试实现方法 |
CN102570961B (zh) * | 2012-01-18 | 2014-10-29 | 中冶南方(武汉)自动化有限公司 | 基于应用宏的变频器多应用场合快速调试实现方法 |
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