JP5333414B2 - 交流パルスアーク溶接方法、交流パルスアーク溶接装置および交流パルスアーク溶接システム - Google Patents

交流パルスアーク溶接方法、交流パルスアーク溶接装置および交流パルスアーク溶接システム Download PDF

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Description

本発明は、交流パルスアーク溶接方法および交流パルスアーク溶接装置、さらに交流パルスアーク溶接システムに関する。
従来の交流パルスアーク溶接装置では、ベース電流を正極性(EN)、ピーク電流を逆極性(EP)とした交流パルスと直流パルスを組み合わせることで、溶け込み制御やウロコ状ビードと呼ばれる規則正しい波形状のビード外観の作成を行っているものがあった(例えば、特許文献1、特許文献2)。
図5は、従来の交流パルスアーク溶接の溶接電流波形を示している。図からわかるように、溶接電流は逆極性状態でパルス電流Ipp、ベース電流Ibpが出力される。その後正極性に切り換わり、ベース電流Ibnが出力される。この一連の波形パターンが周期的に繰り返されている。図5ではこの周期をTfとしている。
従来の交流パルスアーク溶接では、正極性状態(図5のTen)のベース電流Ibnとベース期間Tbn(ベース電流Ibnが流れる時間)とを調整して正極性電流比率を変化させることによって、母材(ワーク)への入熱を調整することができる。
特開平10−328837号公報 特開2010−75983号公報
本来、交流溶接とは、逆極性(EP)状態でのワークへの入熱と正極性(EN)状態での溶接ワイヤの溶融を調整することでワークへの溶け込み制御を行うことを主な目的としている。
交流パルスアーク溶接装置では、逆極性状態でピークパルス電流(EPパルス電流)が流れ、正極性状態でベース電流(ENベース電流)が流れるため、
溶接ワイヤやワークの材質がアルミのような正極性状態での入熱に敏感な、すなわち融点が低い材質であれば正極性比率の調整を行うことでワークへの入熱の調整ができる。
しかしながら、ステンレスや鉄のように正極性状態での入熱に対してあまり敏感で無い、すなわち融点が高い材質の場合には、ワークへの入熱の調整が適切に行えないという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、ステンレスや鉄の溶接ワイヤやワークに対して、逆極性パルス電流群のパルス個数と正極性パルス電流群のパルス個数を調整し、さらに正極性でピーク電流を流す時間を逆極性でピーク電流を流す時間より短くし、正極性でのピーク電流の絶対値を逆極性でのピーク電流の絶対値より小さくすることで、ワークへの入熱の調整を適切に行うことができる交流パルスアーク溶接方法、溶接装置および溶接システムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、消耗電極と溶接対象物との間に正極性電流と逆極性電流とを交互に印加して溶接を行う交流パルスアーク溶接方法において、逆極性にて第1のピーク電流を通電する第1のピーク期間と逆極性にて第1のベース電流を通電する第1のベース期間とを含む逆極性パルスを第1の所定回数繰り返す逆極性期間と、正極性にて第2のピーク電流を通電する第2のピーク期間と正極性にて第2のベース電流を通電する第2のベース期間とを含む正極性パルスを第2の所定回数繰り返す正極性期間と、を1周期として繰り返して溶接を行うものであって、前記第2のピーク期間は前記第1のピーク期間より短く、前記第2のピーク電流の絶対値は前記第1のピーク電流の絶対値より小さいことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記第1の所定回数と前記第2の所定回数のうち少なくとも一方を変更することで正極性電流と逆極性電流の比率を変化させ、前記溶接対象物への入熱を調整することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記第1の所定回数または前記第2の所定回数の変更に伴い、前記ピーク電流値、前記ピーク期間、前記ベース電流値、前記ベース期間のうち少なくとも1つを変更することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、消耗電極と溶接対象物との間に正極性電流と逆極性電流とを交互に印加して溶接を行う交流パルスアーク溶接装置において、逆極性にて第1のピーク電流を通電する第1のピーク期間と逆極性にて第1のベース電流を通電する第1のベース期間とを含む逆極性パルスを第1の所定回数繰り返す逆極性期間と、正極性にて第2のピーク電流を通電する第2のピーク期間と正極性にて第2のベース電流を通電する第2のベース期間とを含む正極性パルスを第2の所定回数繰り返す正極性期間と、を1周期として繰り返して溶接を行うものであって、前記第2のピーク期間は前記第1のピーク期間より短く、前記第2のピーク電流の絶対値は前記第1のピーク電流の絶対値より小さいことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記第1の所定回数と前記第2の所定回数のうち少なくとも一方を変更することで正極性電流と逆極性電流の比率を変化させ、前記溶接対象物への入熱を調整することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記第1の所定回数または前記第2の所定回数の変更に伴い、前記ピーク電流値、前記ピーク期間、前記ベース電流値、前記ベース期間のうち少なくとも1つを変更することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記ピーク電流値、前記ピーク期間、前記ベース電流値、前記ベース期間、前記第1の所定回数、前記第2の所定回数、前記正極性電流の比率、前記逆極性電流の比率のうち少なくとも1つを外部に表示することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7のいずれか1項に記載された交流パルスアーク溶接装置と、前記消耗電極の先端部を前記溶接対象物に対して相対的に移動させるロボットを備えたことを特徴とする。
本発明によると、ステンレスや鉄のような融点の高い材質を溶接対象とした場合において、正極性(EN)状態でのピーク電流通電時間を逆極性(EP)状態でのピーク電流通電時間よりも短くし、正極性(EN)状態でのピーク電流値の絶対値を逆極性(EP)状態でのピーク電流値の絶対値よりも小さくすることで、正極性(EN)のパルスの個数を多くしても溶接ワイヤ先端の溶滴の肥大化が抑制され、アークの指向性を確保でき、安定した溶接が可能となる。
さらに逆極性(EP)のパルスの個数と正極性(EN)のパルスの個数を様々に変更することで、正極性電流と逆極性電流の比率を変化させ、入熱の調整を詳細に行うことが可能となる。
また正極性(EN)状態および逆極性(EP)状態それぞれにおけるピーク電流値、ベース電流値、ピーク電流期間、ベース電流期間、パルスの個数や、正極性電流の比率、逆極性電流の比率といった情報を表示することで作業者が溶接に関するパラメータを容易に設定したり確認したりすることができる。
本発明の交流パルスアーク溶接装置に係る模式図である。 (a)は本発明による交流パルスアーク溶接の溶接電流波形、(b)は溶接電圧波形である。 母材への溶け込み量を示す溶接断面のマクロ写真である。(a)は逆極性(EP)パルス個数が1個、正極性(EN)パルス個数が1個の場合、(b)は逆極性(EP)パルス個数が3個、正極性(EN)パルス個数が1個の場合、(c)は逆極性(EP)パルス個数が1個、正極性(EN)パルス個数が3個の場合である。 本発明の交流パルスアーク溶接システムに係る模式図である。 従来の交流パルスアーク溶接装置に係る溶接電流波形である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の交流パルスアーク溶接装置の構成を示す概略図である。
図において、10は制御部であり、後述するインバータ3とEP/EN切換部9に指令を与え、それぞれの動作を制御する。また、制御部10は電圧検出センサ7と電流検出センサ8からそれぞれ溶接電圧、溶接電流の値を得る。
1は三相交流電源である。三相交流電源1から出力された三相交流電流は、コンバータ2によって直流に変換され、さらにインバータ3で高周波電流に変換される。インバータ3は、制御部10からの指令に従って出力波形を制御する。インバータ3で変換された高周波電流は、トランス4で電流、電圧が変更された後、コンバータ5により直流電流に変換され、さらにリアクトル6で平滑化される。
リアクトル6で平滑化された電流はEP/EN切換部9に入力される。EP/EN切換部9は溶接ワイヤ22とワークWとの間に電流を流す際に逆極性(EP)または正極性(EN)となるよう極性の切り換えを行う。溶接ワイヤ22へは溶接トーチ21内の給電装置(コンタクトチップ)を介して電流が供給される。
なお逆極性(EP)とは、溶接ワイヤ22が正極(プラス)でワークWが負極(マイナス)の状態を意味し、正極性(EN)とは、溶接ワイヤ13が負極(マイナス)でワークWが正極(プラス)の状態を意味する。
溶接ワイヤ22(消耗電極)は、ワイヤ送給装置23によってワークWへ向かって送給される。また図1では省略しているが、実際の溶接作業の際にはシールドガスが溶接トーチに供給され、溶接トーチ先端部からワークWに向かって噴出する。
なお本実施例ではワークWとして鉄やステンレスを想定している。
溶接電流の制御は、制御部10から出力される指令に基づいて、インバータ3が出力電流を制御することで行われる。また逆極性(EP)と正極性(EN)の切り換えは、制御部10から出力される指令に基づいて、EP/EN切換部9が電流の流れる方向を反転させることにより行われる。逆極性(EP)と正極性(EN)の切り換えの手法については公知技術であるので詳細な説明は割愛する。
本実施例では、図1の破線で囲まれた部分を溶接電源15として1つの筐体に収めている。また溶接電源15は外部コントローラ30と接続され、外部コントローラ30は溶接電源15に指令を与えたり、溶接電源15から出力される溶接状態をモニタしたりする。
溶接を行う際には、外部コントローラ30が溶接電源15に溶接電圧、溶接電流の指令を与える。外部コントローラ30が溶接電源15に与える溶接電圧、溶接電流の指令は溶接作業中の電圧値、電流値の絶対値の平均といった大まかなもので、溶接電源15は外部コントローラ30からの指令に従って溶接ワイヤ〜ワーク間に溶接電流、溶接電圧を与え、これをμs〜ms単位で適切に制御することにより溶接ワイヤ22の先端部を溶融させて溶接を行う。
また溶接電源15は記憶部11を備えている。記憶部11は例えば書き換え可能な不揮発性のメモリによって構成され、溶接に関する各種パラメータ等を記憶しておく。溶接電源15はさらに操作部12aと表示部12bとを備えている。操作部12aは複数のキーやスイッチから構成されており、表示部12bは液晶パネル等によって実現される。
表示部12bには溶接作業中の溶接電圧、溶接電流の指令値や、電圧検出センサ7、電流検出センサ8による検出値などの情報を表示することができる。また作業者がキー操作によって指定したパラメータの内容を記憶部11から読み出して表示部12bに表示したり、パラメータの内容を変更したりすることも可能となっている。また操作部12aと表示部12bとをタッチパネルで構成し両者を一体化してもよい。
次に、本発明の溶接電流制御について説明する。
図2は、本発明の交流パルスアーク溶接装置による溶接電流と溶接電圧を示している。図2(a)が電流検出用センサ8で検出した溶接電流波形、図2(b)が電圧検出用センサ7で検出した溶接電圧波形である。以下、同図を参照して本発明によるパルスアーク溶接について説明する。
逆極性(EP)状態の期間であるTep中は、逆極性(EP)ピーク期間Tpp中に、逆極性(EP)ピーク電流Ippを出力し、逆極性(EP)ベース期間Tbp中に、逆極性(EP)ベース電流Ibpを出力する。なおピーク期間とはピーク電流を通電している時間を指し、ベース期間とはベース電流を通電している時間を指すものとする。
ピーク電流Ippおよびベース電流Ibpを逆極性(EP)パルス1個分とし、逆極性(EP)期間中に逆極性(EP)パルスを所定の個数Npだけ出力する。図2では3つの逆極性(EP)パルスを出力しているが後述するようにパルスの個数は変更可能である。
その後、制御部10からEP/EN切換部9へ指令を与え、極性を正極性(EN)に切り換える。
正極性(EN)状態の期間であるTen中は、正極性(EN)ピーク期間Tpn中に、正極性(EN)ピーク電流Ipnを出力し、正極性(EN)ベース期間Tbn中に、正極性(EN)ベース電流Ibnを出力する。ここで、正極性(EN)ピーク期間Tpnを逆極性(EP)ピーク期間Tppより短くし、正極性(EN)ピーク電流Ipnの絶対値を逆極性(EP)ピーク電流Ippより小さくする。
ピーク電流Ipnおよびベース電流Ibnを正極性(EN)パルス1個分とし、正極性(EN)期間中に、正極性(EN)パルスを所定の個数Nnだけ出力する。図2では3つの正極性(EN)パルスを出力しているが後述するようにパルスの個数は変更可能である。
その後、制御部10からEP/EN切換部9へ指令を与え、再度極性を逆極性(EP)に切り換える。このようなサイクルを交流1周期(図2中のTf)として、一連のサイクルを繰り返して溶接を行う。
なお、図2においては逆極性(EP)ピーク電流Ipp及び正極性(EN)ピーク電流Ipnの立ち上がり及び立下りが急峻であり、矩形波となる場合を示している。しかし、これらピーク電流の立ち上がり、立下りの一方または両方を緩やかにして所定の傾斜を持たせ、台形波となるようにしても良い。
正極性(EN)期間Tenでは、ワイヤ先端の溶滴が肥大化しやすい状態となるが、正極性(EN)ピーク期間Tpnを逆極性(EP)ピーク期間Tppより短くし、正極性(EN)ピーク電流Ipnの絶対値を逆極性(EP)ピーク電流Ippの絶対値より小さくすることで、溶接ワイヤ先端の溶滴の肥大化を抑制することができる。この結果アークの指向性を確保でき、安定した溶接が可能となる。
逆極性(EP)ピーク期間Tpp、逆極性(EP)ピーク電流Ipp、逆極性(EP)ベース期間Tbp、逆極性(EP)ベース電流Ibp、正極性(EN)ピーク期間Tpn、正極性(EN)ピーク電流Ipn、正極性(EN)ベース期間Tbn、正極性(EN)ベース電流Ibnについては、外部コントローラ30から与えられる様々な溶接電圧、溶接電流の指令に応じた適切な値を予め実験を行ってデータベース化しておく。
この際にも、正極性(EN)ピーク期間Tpnを逆極性(EP)ピーク期間Tppより短くし、正極性(EN)ピーク電流Ipnの絶対値を逆極性(EP)ピーク電流Ippより小さくするという条件を守るようにする。
蓄積したデータは記憶部11にパラメータとして記憶しておき、実際の溶接作業の際には外部コントローラ30から与えられる溶接電圧、溶接電流の指令に対応したパラメータの値を記憶部11から読み出し、その内容に従ってピーク期間、ベース期間、ピーク電流、ベース電流を決定し溶接を行う。
また逆極性(EP)パルス個数(Np)、正極性(EN)パルス個数(Nn)も、予め記憶部11にパラメータとして記憶させた設定値によって決定される。
ピーク期間やベース期間、ピーク電流やベース電流に関するパラメータや、パルス個数に関するパラメータは作業者が操作部12aを操作することで記憶部11内の設定値を変更することが可能である。
ここで、図2のように逆極性(EP)ピーク電流及び正極性(EN)ピーク電流を矩形波とした場合の正極性(EN)電流の比率Renを次の式で定義する。
Renは溶接電流の絶対値の平均値に占める正極性(EN)期間Tenの溶接電流の比率を表している。
制御部10は現在のパラメータ設定に基づくRenを計算して表示部12bに表示させることが可能である。作業者は溶接作業に先立ち、ピーク期間やベース期間、ピーク電流やベース電流に関するパラメータや、パルス個数に関するパラメータを変更しながらRenを確認し、パラメータを適切に調整、設定することができる。
また逆極性(EP)電流の比率をRepとすると、Repは次の式で簡単に求めることができる。
そこでRenに代わって、あるいはRenと並行してRepを表示部12bに表示させてもよい。
またピーク期間やベース期間、ピーク電流やベース電流に関するパラメータや、パルス個数に関するパラメータを作業者が個別に設定するほかに、作業者が設定したパルス個数に応じて、ピーク期間やベース期間、ピーク電流やベース電流に関するパラメータを溶接電源15が自動的に調整するようにしてもよい。
例えば作業者がパラメータを操作して正極性(EN)パルス個数(Nn)を1つ増やすごとに、制御部10が自動的に逆極性(EP)ピーク期間Tppを所定の時間だけ長くしたり逆極性(EP)ピーク電流Ippの絶対値を所定値だけ大きくしたり、あるいは正極性(EN)ピーク期間Tpnを所定の時間だけ短くしたり正極性(EN)ピーク電流Ipnの絶対値を所定値だけ小さくしたりする。
このようにすることで経験の浅い作業者であっても、ピーク期間やベース期間、ピーク電流やベース電流といった溶接に関するパラメータを意識することなくパルス個数を変更するのみで適切な溶接条件を実現することができる。
図3に、逆極性(EP)パルス個数Npと、正極性(EN)パルス個数Nnを変化させた場合のワークへの溶け込みの変化の様子を溶接断面のマクロ写真により示す。
図3の例では、ワークは板厚2mmの鉄であり、溶接ワイヤの材質は鉄であり、溶接継ぎ手は突合せ継ぎ手である。またシールドガスとして、アルゴン比率が80〜98%程度のアルゴンガスを用いた。
図3(a)は逆極性(EP)パルス個数Npが1個、正極性(EN)パルス個数Nnが1個の場合のワークへの溶け込みを示した写真である。
図3(b)は逆極性(EP)パルス個数Npを3個、正極性(EN)パルス個数Nnを1個とした場合、つまり正極性(EN)電流比率(Ren)を小さくした場合の写真である。図3(a)の溶け込みに比べワークへの溶け込みが深くなっている。
図3(c)は逆極性(EP)パルス個数Npを1個、正極性(EN)パルス個数Nnを3個とした場合、つまり正極性(EN)電流比率(Ren)を大きくした場合の写真である。図3(a)の溶け込みに比べワークへの溶け込みは浅くなっている。
なお、図3の例ではワークは鉄であったが、ワークの材質はステンレスであってもよい。また板厚についても図3の例(2mm)より厚くてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、ステンレスや鉄のワークに対して、ピーク期間やベース期間、ピーク電流やベース電流、さらに逆極性(EP)パルス個数Npと、正極性(EN)パルス個数Nnを様々に変更することで、正極性(EN)電流の比率Renを変化させ溶接ワイヤのワークへの溶け込み量を調整して安定した溶接を行うことができる。
図4は実施例1にて説明したパルスアーク溶接装置を先端に溶接トーチを取り付けたロボット26と組み合わせて構成した交流パルスアーク溶接システムを表す模式図である。送給装置23はロボット26に搭載され、溶接ワイヤ送給部24に内蔵された溶接ワイヤをロボット先端部の溶接トーチ21へと送給する。図1では省略していたが、図4ではシールドガスがガスボンベ25から溶接トーチ21へと供給される。
また図1における外部コントローラ30は図4においてはロボットコントローラとして機能する。すなわちロボット26を制御して先端部の溶接トーチ21の位置と姿勢を様々に変化させ、溶接トーチの先端がワークWに対して所望の溶接線を描くよう移動させて溶接を行うことができる。さらに溶接電源15に溶接に関する指令を与えたり溶接状況をモニタリングしたりする。
ロボットコントローラ30は教示装置31と接続されている。教示装置31は複数のキーやスイッチから構成される操作部31aと液晶パネル等によって実現される表示部31bを備えている。
実施例1においては、溶接電源15の操作部12aと表示部12bによって溶接に関する情報を表示したり各種パラメータの表示、変更を行ったりしたが、本実施例では教示装置31の操作部31aと表示部31bによって同様の機能を実現することができる。すなわちロボットコントローラ30が溶接電源15の制御部10と通信を行い、制御部10を介して電圧センサ7、電流センサ8の値を読み出したり、記憶部11の内容の読み出しや書き込みを行ったりすることができる。
1 三相交流電源
2 コンバータ
3 インバータ
4 トランス
5 コンバータ
6 リアクトル
7 電圧検出センサ
8 電流検出センサ
9 EP/EN切換部
10 制御部
11 記憶部
12a 操作部
12b 表示部
15 溶接電源
21 溶接トーチ
22 溶接ワイヤ(消耗電極)
23 溶接ワイヤ送給装置
24 溶接ワイヤ送給部
25 ガスボンベ
26 ロボット
30 外部コントローラ(ロボットコントローラ)
31 教示装置
31a 操作部
31b 表示部
W ワーク
Ipp 逆極性パルス電流
Ibp 逆極性ベース電流
Ipn 正極性パルス電流
Ibn 正極性ベース電流
Tpp 逆極性ピーク期間
Tbp 逆極性ベース期間
Tpn 正極性ピーク期間
Tbn 正極性ベース期間
Tep 逆極性期間
Ten 正極性期間
Tf 交流1周期

Claims (8)

  1. 消耗電極と溶接対象物との間に正極性電流と逆極性電流とを交互に印加して溶接を行う交流パルスアーク溶接方法において、
    逆極性にて第1のピーク電流を通電する第1のピーク期間と逆極性にて第1のベース電流を通電する第1のベース期間とを含む逆極性パルスを第1の所定回数繰り返す逆極性期間と、
    正極性にて第2のピーク電流を通電する第2のピーク期間と正極性にて第2のベース電流を通電する第2のベース期間とを含む正極性パルスを第2の所定回数繰り返す正極性期間と、
    を1周期として繰り返して溶接を行うものであって、
    前記第2のピーク期間は前記第1のピーク期間より短く、
    前記第2のピーク電流の絶対値は前記第1のピーク電流の絶対値より小さいことを特徴とする交流パルスアーク溶接方法。
  2. 前記第1の所定回数と前記第2の所定回数のうち少なくとも一方を変更することで正極性電流と逆極性電流の比率を変化させ、前記溶接対象物への入熱を調整することを特徴とする請求項1記載の交流パルスアーク溶接方法。
  3. 前記第1の所定回数または前記第2の所定回数の変更に伴い、前記ピーク電流値、前記ピーク期間、前記ベース電流値、前記ベース期間のうち少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項2記載の交流パルスアーク溶接方法。
  4. 消耗電極と溶接対象物との間に正極性電流と逆極性電流とを交互に印加して溶接を行う交流パルスアーク溶接装置において、
    逆極性にて第1のピーク電流を通電する第1のピーク期間と逆極性にて第1のベース電流を通電する第1のベース期間とを含む逆極性パルスを第1の所定回数繰り返す逆極性期間と、
    正極性にて第2のピーク電流を通電する第2のピーク期間と正極性にて第2のベース電流を通電する第2のベース期間とを含む正極性パルスを第2の所定回数繰り返す正極性期間と、
    を1周期として繰り返して溶接を行うものであって、
    前記第2のピーク期間は前記第1のピーク期間より短く、
    前記第2のピーク電流の絶対値は前記第1のピーク電流の絶対値より小さいことを特徴とする交流パルスアーク溶接装置。
  5. 前記第1の所定回数と前記第2の所定回数のうち少なくとも一方を変更することで正極性電流と逆極性電流の比率を変化させ、前記溶接対象物への入熱を調整することを特徴とする請求項4記載の交流パルスアーク溶接装置。
  6. 前記第1の所定回数または前記第2の所定回数の変更に伴い、前記ピーク電流値、前記ピーク期間、前記ベース電流値、前記ベース期間のうち少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項5記載の交流パルスアーク溶接装置。
  7. 前記ピーク電流値、前記ピーク期間、前記ベース電流値、前記ベース期間、前記第1の所定回数、前記第2の所定回数、前記正極性電流の比率、前記逆極性電流の比率のうち少なくとも1つを外部に表示することを特徴とする請求項5記載の交流パルスアーク溶接装置。
  8. 請求項4乃至7のいずれか1項に記載された交流パルスアーク溶接装置と、
    前記消耗電極の先端部を前記溶接対象物に対して相対的に移動させるロボットを備えたことを特徴とする交流パルスアーク溶接システム。

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