JP5982628B2 - アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 - Google Patents

アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、消耗性電極と溶接対象物との間にアークを発生させて溶接を行う消耗性電極式ガスシールドアーク溶接を行い、特に溶接スタート時に、消耗性電極を負極とし溶接対象物を正極とした正極性溶接、または、正極性比率の高い交流溶接を行う、アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置に関する。
消耗性電極と溶接対象物との間にアークを発生させて溶接を行う消耗性電極式ガスシールドアーク溶接方法では、一般に、消耗性電極を正極とし溶接対象物を負極として、両極間において逆極性で溶接を行っている。但し、薄鋼板を重ね合わせ、重ね合わせ端部を溶接する場合のように、いわゆる溶け落ちが発生し易い場合には、消耗性電極を負極とし溶接対象物を正極として、正極性で溶接を行うこともある。
このように、正極性で溶接を行う消耗性電極式ガスシールドアーク溶接方法は、薄鋼板のギャップ裕度を大幅に拡大させることができる。
なお、一般的に、溶け落ちが発生し易い条件は、薄板でギャップが存在する場合である。
ギャップが存在する場合には、双方の溶接対象物をブリッジする溶融プールを形成し、この溶融プール上にアークを発生させることで、ギャップが有っても溶け落ちせずに溶接を行うことができる。つまり、溶接対象物間をブリッジする溶融プールを形成させることができれば、ギャップ対応は可能となる。
しかし、溶接開始時の溶融プールが形成されていない箇所では、溶接入熱が溶接対象物の一方に集中してしまうので、溶け落ちが発生する場合が多い。
また、正極性では、溶接開始点付近のビードにおいて溶け込みが不十分なため、融合不良が生じるとして、溶接開始時は逆極性で溶接を行う方法が知られている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
特公昭62−19267号公報 特公平3−49665号公報
例えば特許文献1や特許文献2に記載されているような溶接開始点付近を逆極性の溶接出力で溶接を行う方法では、板厚1.0mm程度未満の薄板において、例えばギャップが板厚以上に空いている溶接対象物を溶接すると、溶接開始点付近の逆極性区間において、逆極性のためワイヤの溶融量が少なく、溶接対象物間をワイヤの溶滴(溶融プール)がブリッジせず、一方の溶接対象物に溶接入熱が集中するため、溶け落ちが発生してしまうといった課題がある。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接制御方法は、消耗電極としてイヤを用い、溶接用トーチを備えた溶接ロボットを使用して溶接を行うアーク溶接制御方法であって、溶接を開始するために教示された溶接開始ポイントから、溶接出力の制御を切り替えるために教示された所定の溶接ポイントまで、前記溶接用トーチが移動される間は、正極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性の比率が50%より大きい交流溶接を行い、前記溶接用トーチの移動が前記所定の溶接ポイントを過ぎると、逆極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性比率が50%以下の交流溶接を行うものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、前記ワイヤの送給を、溶接対象物の方向に行う正送と前記正送とは逆方向に行う逆送とに、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させるものである。
また、本発明のアーク溶接装置は、アークスタート期間において、消耗電極であるワイヤと溶接対象物との間に電圧を印加した状態で前記ワイヤを前記溶接対象物に接触させてアークスタートを行うアーク溶接装置であって、溶接用トーチを備えた溶接ロボットと、溶接経路上の溶接ポイントを教示するための教示部と、前記溶接ロボットの動作プログラムや前記教示部を用いて教示された教示ポイントを記憶する記憶部と、前記動作プログラムに基づいて前記溶接ロボットを制御するロボット制御部とを備え、溶接を開始するために教示された溶接開始ポイントから、溶接出力の制御を切り替えるために教示された所定の溶接ポイントまで、前記溶接用トーチが移動される間は、正極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性の比率が50%より大きい交流溶接を行い、前記溶接用トーチの移動が前記所定の溶接ポイントを過ぎると、逆極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性比率が50%以下の交流溶接を行うものである。
また、本発明のアーク溶接装置は、上記に加えて、前記ワイヤの送給を制御するワイヤ送給部を備え、前記ワイヤの送給を、溶接対象物の方向に行う正送と前記正送とは逆方向に行う逆送とに、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させるものである。
以上のように、本発明によれば、溶接開始時に正極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性の比率が50%より大きい交流溶接を行うことで、溶接開始時に逆極性を用いる場合と比べて溶着量を増やすことができ、溶接対象物間をワイヤの溶滴(溶融プール)でブリッジさせることができ、これにより、溶接対象物の溶け落ちが発生し難く、ギャップ裕度が高い溶接が可能となる。
本発明の実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性一定の直流溶接を行いその後は逆極性一定の直流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図 本発明の実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性一定の直流溶接を行いその後は正極性比率が50%以下の交流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図 本発明の実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性比率が50%より高い交流溶接を行いその後は逆極性一定の直流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図 本発明の実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性比率が50%より高い交流溶接を行いその後は正極性比率が50%以下の交流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図 本発明の実施の形態2におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態3におけるワイヤ送給速度の時間変化を示す図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図5を用いて説明する。図1は、本実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。図2は、本実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性一定の直流溶接を行いその後は逆極性一定の直流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図である。図3は、本実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性一定の直流溶接を行いその後は正極性比率が50%以下の交流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図である。図4は、本実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性比率が50%より高い交流溶接を行いその後は逆極性一定の直流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図である。図5は、本実施の形態1における制御切替信号の時間変化と所定時間経過までは正極性比率が50%より高い交流溶接を行いその後は正極性比率が50%以下の交流溶接を行う場合の溶接電流の時間変化を示す図である。
図1において、アーク溶接装置は主に、消耗性電極であるワイヤ12と溶接対象物15との間に電力を供給する溶接電源部16と、溶接トーチ13と、ワイヤ12を送給するワイヤ送給部11から構成される。
なお、溶接トーチ13は、例えば図示しない溶接ロボットに取り付けられ、溶接ロボットにより溶接が行われる。あるいは、溶接トーチ13は、例えば作業者に把持され、作業者により溶接が行われる。
溶接電源部16において、交流電力を出力する入力電源1から入力した電力は、1次整流部2で整流され、スイッチング部3により交流に変換され、トランス4により降圧され、2次整流部5及びDCL(インダクタンス)6により整流され、ワイヤ12と溶接対象物15との間に印加される。そして、ワイヤ12と溶接対象物15との間で溶接アーク14が発生して溶接が行われる。
また、溶接電源部16は、溶接電流を検出する溶接電流検出部7と、溶接電流検出部7の出力に基づいて、ワイヤ12と溶接対象物15との接触を検出するとともに、接触を検出した時点からの経過時間をカウントするカウンタ部8と、カウンタ部8の出力を入力し、ワイヤ12と溶接対象物15との接触を検出した時点から所定時間経過後に、溶接出力の制御を切り替えるための信号を出力する制御切替制御部9と、制御切替制御部9の出力に基づいて溶接出力の制御を切り替える制御切替スイッチング部10と、溶接条件等を設定するための設定部17を備えている。
なお、カウンタ部8は、溶接トーチ13に設けられた図示しないトーチスイッチが操作される、あるいは、溶接ロボットの動作プログラムが実行されることにより、溶接の開始が指示された後に、最初に生じるワイヤ12と溶接対象物15との接触を検出して時間のカウントを行う。また、設定部17は、溶接を行うために設定する設定溶接電流や、溶接を行うために設定する設定溶接電圧や、ワイヤ12の送給速度や、シールドガスの種類や、ワイヤ12の材質や、ワイヤ12の径や、パルス溶接等の溶接法等を設定するためのものである。
なお、溶接電源部16を構成する各構成部は、必要に応じて各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成するようにしてもよい。
次に、図1と図2を用いて、アーク溶接装置のアークスタート時の制御切替の例について説明する。
図1において、例えば作業者が溶接トーチ13を把持して溶接を行う場合、溶接トーチ13に設けられた図示しない起動スイッチを操作して溶接起動信号をONとする。ワイヤ送給部11は溶接起動信号がONされたことを示す信号を入力し、ワイヤ12を溶接対象物15に向かって送給し始める。このとき、溶接電源部16により、ワイヤ12と溶接対象物15との間には、無負荷電圧が印加されている。
無負荷電圧が印加された状態でワイヤ12が溶接対象物15に接触すると、ワイヤ12と溶接対象物15を介して溶接電源部16内にも溶接電流が流れ、この溶接電流は溶接電流検出部7により検出される。
図2に示す時点T1で溶接電流が検出されたとすると、図2に示すように時点T1で制御切替制御部9が出力する極性切替信号がONとなり、制御切替スイッチング部10の動作により、溶接電源部16からは、正極性一定の溶接電流が出力されることとなる。
なお、カウンタ部8は、溶接電流検出部7から溶接電流を検出したことを示す信号を受信すると、溶接電流を検出した時点からの経過時間を計時する。また、制御切替制御部9は、設定部17からの入力に基づいて時間経過の判定基準値となる所定時間を算出して保持している。そして、制御切替制御部9は、カウンタ部8から経過時間を示す信号を入力し、保持している所定時間と比較を行う。制御切替制御部9は、カウンタ部8から入力した経過時間が保持している所定時間になると、図2において時点T2で示すように、溶接出力の制御を切り替える信号、すなわち、制御切替信号がOFFであることを示す信号を制御切替スイッチング部10へ出力する。そして、制御切替スイッチング部10の動作により溶接出力の制御が切り替えられ、溶接電源部16から逆極性一定の溶接電流が出力される。なお、制御切替スイッチング部10は、例えば、複数のスイッチング素子からなるフルブリッジ回路等から構成される。
また、所定時間(時点T1から時点T2までの期間)は、例えば50ms〜2000ms程度である。この時間は、実験等から求めた固定値として設定部17を用いて設定するようにしても良いし、上述したように、設定部17により設定される設定溶接電流や、設定溶接電圧や、ワイヤ送給速度や、シールドガス種類や、ワイヤ材質や、ワイヤ径や、溶接法等に基づいて、制御切替制御部9により決定された値としてもよい。
以上のように、溶接の開始を指示してワイヤ12と溶接対象物15とが接触してから所定時間の間(時点T1から時点T2までの期間)では、正極性一定の直流溶接が行われ、所定時間が経過すると逆極性一定の直流溶接が行われる。
このように、溶接を開始して所定時間は、正極性一定の直流溶接が行われることで、逆極性の直流溶接を行う場合に比べ、溶接対象物15を同一の板厚とした場合、正極性の方が、溶接対象物に対する入熱が少なく、ワイヤ12が溶け易いので、同じ溶込みを得ようとした場合、ワイヤ12の送給量を高めることができ、それに伴って溶着量を多くすることができる。すなわち、溶着量が多いことで、溶接開始時点で確実に2つの溶接対象物15間をワイヤ12の溶滴(溶融プール)でブリッジさせることができ、溶接対象物15の溶け落ちを抑制することができる。そして、所定時間後は逆極性一定の直流溶接が行われることで、適切な溶け込みの溶接を行うことができる。すなわち、所定時間における正極性一定の直流溶接は、溶接開始時に溶接対象物15間を溶滴(溶融プール)でブリッジさせて溶接対象物15の溶け落ちを抑制するための制御である。
なお、所定時間後の溶接制御は、図2に示すように逆極性一定の直流溶接ではなく、図3に示すように正極性比率が50%以下の交流溶接を行うようにしてもよい。そして、溶接対象物15の板厚や材質等々の溶接条件に適するように、図2の制御を行うようにしてもよいし、図3の制御を行うようにしてもよい。なお、深い溶け込みを得たい場合には、図2に示すように逆極性一定の直流溶接を行うことが望ましい。また、図3に示す正極性比率が50%以下の交流溶接に関し、正極性比率を変更することで、溶け込みを調整することができる。
次に、図4を用いて、所定時間の間(時点T1から時点T2までの期間)は、正極性の比率が高い交流溶接を行う場合の例について説明する。なお、基本的な動作について図2を用いて説明した動作と同様なので、図2と異なる点について説明する。図2と異なる点は、図2に示すように所定時間の間に正極性一定の直流溶接を行うのではなく、図4に示すように所定時間の間は正極性の比率が高い交流溶接を行う点である。
溶接の開始指示が行われた後、図4に示す時点T1でワイヤ12と溶接対象物15とが接触したことにより流れる溶接電流が溶接電流検出部7で検出されると、図4に示すように時点T1で制御切替信号がONとなり、溶接電源部16からは正極性の比率が高い、例えば正極性の比率が50%より大きい交流が出力される。
なお、カウンタ部8は、溶接電流検出部7から溶接電流を検出したことを示す信号を受信すると、溶接電流を検出した時点からの経過時間を計時する。制御切替制御部9は、設定部17からの入力に基づいて時間経過の判定基準値となる所定時間を算出して保持している。そして、制御切替制御部9は、カウンタ部8から経過時間を示す信号を入力し、保持している所定時間と比較を行う。制御切替制御部9は、カウンタ部8から入力した経過時間が保持している所定時間になると、図4において時点T2で示すように、溶接出力の制御を切り替える信号、すなわち、極性切替信号がOFFであることを示す信号を制御切替スイッチング部10へ出力する。そして、制御切替スイッチング部10の動作により溶接出力の制御が切り替えられ、溶接電源部16から逆極性一定の溶接出力が出力される。
以上のように、溶接の開始を指示してワイヤ12と溶接対象物15とが接触してから所定時間の間(時点T1から時点T2までの期間)では、正極性の比率が50%より大きい交流溶接が行われ、所定時間が経過すると逆極性一定の直流溶接が行われる。
このように、溶接を開始して所定時間の間は、正極性の比率が50%より大きい交流溶接が行われることで、逆極性一定の場合に比べ、溶接対象物15を同一の板厚とした場合、正極性の方が、ワイヤ12が溶け易いことから、ワイヤ12の送給量を高めることができ、それに伴ってワイヤ12の溶着量を多くすることができる。すなわち、溶着量が多いことで、溶接開始時点で確実に2つの溶接対象物15間をワイヤ12の溶滴(溶融プール)でブリッジさせることができ、溶接対象物15の溶け落ちを抑制することができる。そして、所定時間後は逆極性一定の直流溶接が行われることで、適切な溶け込みの溶接を行うことができる。すなわち、所定時間における正極性の比率が50%より大きい交流溶接は、溶接開始時に溶接対象物15間を溶滴(溶融プール)でブリッジさせて溶接対象物15の溶け落ちを抑制するための制御である。
ここで、正極性比率が高ければ、溶接対象物15の溶け落ちを防ぐことができるので、所定時間の間の正極性比率は50%より大きいことが望ましい。
また、所定時間の間の制御に関し、図2のように、正極性一定の直流溶接を行うか、図4のように正極性比率が50%より大きい交流溶接を行うかは、溶接条件に基づいて決定すればよい。なお、溶接対象物15間のギャップが大きい場合には、図2に示すように正極性一定の直流溶接を行うことが望ましい。また、図4に示す正極性比率が50%以下の交流溶接に関し、正極性比率を変更することで、小さなギャップから大きなギャップに対応することができる。
なお、所定時間後の溶接制御は、図4に示すように逆極性一定の直流溶接ではなく、図5に示すように正極性比率が50%以下の交流溶接を行うようにしてもよい。そして、溶接条件に適するように、図4の制御を行うようにしてもよいし、図5の制御を行うようにしてもよい。なお、深い溶け込みを得たい場合には、図4に示すように逆極性一定の直流溶接を行うことが望ましい。また、図4に示す正極性比率が50%以下の交流溶接に関し、正極性比率を変更することで、溶け込みを調整することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図6は、本実施の形態2におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。
図6において、ロボット制御装置18は、マニピュレータ19の動作を制御するものである。なお、溶接トーチ13は、マニピュレータ19に取り付けられるものである。また、ロボット制御装置18は、動作プログラムや教示部20により入力された教示情報等を記憶する記憶部21と、記憶部21に記憶されている情報等に基づいてマニピュレータ19の動作の制御等を行うロボット制御部22を備えている。また、ロボット制御部22は溶接電源部16と情報の通信を行う機能を有しており、後述のように、溶接電源部16の制御切替制御部9に対して溶接出力の制御信号を出力する機能も有している。
なお、実施の形態1と異なる主な点は、マニピュレータ19により溶接トーチ13が教示された溶接開始ポイントに移動してきたときに制御切替信号をONにして溶接出力を行い、マニピュレータ19により溶接トーチ13が教示された所定の溶接ポイントに移動してきたときに制御切替信号をOFFにして溶接出力を切り替えるようにした点である。すなわち、時間ではなく、教示されたポイントにより溶接出力を切り替えるようにした点である。
図6において、ロボット制御装置18のロボット制御部22は、記憶部21に記憶されている動作プログラムに基づいてマニピュレータ19の動作を制御する。そして、動作プログラムに含まれ、教示部20で教示された溶接開始ポイントに移動する命令を実行すると、マニピュレータ19の動作を制御することで溶接トーチ13を溶接開始ポイントに移動させる。そして、溶接トーチ13を溶接開始ポイントに移動させると、ロボット制御部22は、制御切替制御部9に溶接トーチ13が溶接開始ポイントに移動したことを示す信号を出力する。ロボット制御部22からの信号を受信した制御切替制御部9は、出力する極性切替信号がONとなり(時点T1に相当)、制御切替スイッチング部10の動作により、溶接電源部16からは、図2に示すように、正極性一定の溶接電流が出力されることとなる。さらに、動作プログラムが実行され、溶接トーチ13が教示部20により教示された所定の溶接ポイントに移動すると、ロボット制御部22は、制御切替制御部9に溶接トーチ13が所定の溶接ポイントに移動したことを示す信号を出力する。ロボット制御部22からの信号を受信した制御切替制御部9は、出力する極性切替信号がOFFとなり(時点T2に相当)、制御切替スイッチング部10の動作により、溶接電源部16からは、図2に示すように、逆極性一定の溶接電流が出力されることとなる。
以上のように、教示された溶接開始ポイントおよび所定の溶接ポイントにより溶接制御を切り替えるようにしてもよい。このようにすることで、実施の形態1と同様に、溶接開始時点で確実に2つの溶接対象物15間をワイヤ12の溶滴(溶融プール)でブリッジさせることができ、溶接対象物15の溶け落ちを抑制することができる。そして、所定の溶接ポイントを過ぎると逆極性一定の直流溶接が行われることで、適切な溶け込みの溶接を行うことができる。
なお、実施の形態1と同様に、溶接制御は、図2から図5に示す制御を溶接条件等に基づいて適切に使い分けるようにすればよい。
また、溶接開始ポイントから所定の溶接ポイントまでの距離は、例えば、0.5mmから20mm程度である。
なお、溶接の開始時だけでなく、溶接の途中においても、制御切替信号をONにして正極性一定の直流溶接や正極性比率が50%より大きい交流溶接を行うようにしてもよい。例えば、溶接経路の途中に大きなギャップが存在する場合、そのギャップの始めのポイントと終了のポイントを予め教示しておき、始めのポイントにおいて制御切替信号をONにして正極性一定の直流溶接や正極性比率が50%より大きい交流溶接を行い、終了のポイントにおいて制御切替信号をOFFにして制御信号をONする前の溶接制御に戻すようにしてもよい。そして、ギャップのポイントは確認が比較的容易であり、教示を行い易いので、実施の形態1のように所定時間で溶接制御を切り替えるのではなく、本実施の形態2のように溶接ポイントで溶接制御を切り替えるようにした方が、対応が容易である。
(実施の形態3)
本実施の形態3において、実施の形態1や実施の形態2と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態3では、図7に示すように、ワイヤ12の送給を、溶接対象物15の方向に行う正送とこの正送とは逆方向に行う逆送とに、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させるものである。
ワイヤ12を周期的に正送および逆送させる短絡移行溶接では、ワイヤ12が正送する場合に短絡状態を形成し、逆送する場合にはワイヤ12を引き上げるので短絡状態が開放してアーク状態を形成する溶接法となる。この場合、短絡の時間比率は、一般的な短絡移行溶接の場合の比率である約15〜30%に比べ、30〜50%と高くなる。そのため、一般的な短絡移行溶接より入熱が低くなり、溶接対象物15の溶け落ちを抑制することが可能となる。このため、溶接開始の指示後に溶接電流を検出した時点である時点T1から所定時間後であり制御の切り替え指示を行う時点T2までの間を、溶け落ちを抑制する区間とする溶接法として、ワイヤ12を周期的に正送および逆送する短絡移行溶接を実施することで、さらに溶け落ちを防止する効果が高まる。
なお、ワイヤ12の送給は、図7に示すように正弦波状でもよいし、あるいは台形波状でもよく、周期的であることが望ましい。
本発明のアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置は、溶接開始時に溶け落ちが発生し難く、またギャップ裕度が高く、溶接条件調整を容易にするため条件調整時間を短縮することが可能となり、溶接対象物間にギャップがある場合に用いるアーク溶接制御方法およびアーク溶接装置として産業上有用である。
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング部
4 トランス
5 2次整流部
6 DCL(インダクタンス)
7 溶接電流検出部
8 カウンタ部
9 制御切替制御部
10 制御切替スイッチング部
11 ワイヤ送給部
12 ワイヤ
13 溶接トーチ
14 溶接アーク
15 溶接対象物
16 溶接電源部
17 設定部
18 ロボット制御装置
19 マニピュレータ
20 教示部
21 記憶部
22 ロボット制御部

Claims (4)

  1. 消耗電極としてイヤを用い、溶接用トーチを備えた溶接ロボットを使用して溶接を行うアーク溶接制御方法であって、
    溶接を開始するために教示された溶接開始ポイントから、溶接出力の制御を切り替えるために教示された所定の溶接ポイントまで、前記溶接用トーチが移動される間は、正極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性の比率が50%より大きい交流溶接を行い、前記溶接用トーチの移動が前記所定の溶接ポイントを過ぎると、逆極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性比率が50%以下の交流溶接を行うアーク溶接制御方法。
  2. 前記ワイヤの送給を、溶接対象物の方向に行う正送と前記正送とは逆方向に行う逆送とに、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させる請求項1載のアーク溶接制御方法。
  3. アークスタート期間において、消耗電極であるワイヤと溶接対象物との間に電圧を印加した状態で前記ワイヤを前記溶接対象物に接触させてアークスタートを行うアーク溶接装置であって、
    溶接用トーチを備えた溶接ロボットと、
    溶接経路上の溶接ポイントを教示するための教示部と、
    前記溶接ロボットの動作プログラムや前記教示部を用いて教示された教示ポイントを記憶する記憶部と、
    前記動作プログラムに基づいて前記溶接ロボットを制御するロボット制御部とを備え、
    溶接を開始するために教示された溶接開始ポイントから、溶接出力の制御を切り替えるために教示された所定の溶接ポイントまで、前記溶接用トーチが移動される間は、正極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性の比率が50%より大きい交流溶接を行い、前記溶接用トーチの移動が前記所定の溶接ポイントを過ぎると、逆極性一定の直流溶接を行う、あるいは、正極性比率が50%以下の交流溶接を行うアーク溶接装置。
  4. 前記ワイヤの送給を制御するワイヤ送給部を備え、前記ワイヤの送給を、溶接対象物の方向に行う正送と前記正送とは逆方向に行う逆送とに、所定の周期と所定の振幅で周期的に変化させる請求項記載のアーク溶接装置。
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