JP5332982B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を制御する車両用制御装置に関する。
例えば従来、特許文献1に記載のように、ステアリングハンドル(ステアリングホイール)と操舵輪との間の伝達系に、ステアリングハンドルと操舵輪との間の操舵量の伝達比(舵角比)を適宜変化させる伝達比可変手段(舵角可変手段)を備え、該伝達比可変手段に設けられたモータ(アクチュエータ)を駆動することによって伝達比を制御する操舵装置が知られている。この特許文献1に記載の操舵装置においては、伝達比可変手段のモータの温度が予防温度(X℃)以上となると伝達比可変手段を伝達比が1となるように変化させ、伝達比が1となると伝達比可変手段をロックしている。また、伝達比が1となる前にモータの温度が予防温度(X℃)よりも高い限界点(Y℃)以上となると、直ちに伝達比可変手段をロックしている。そして、モータ過熱のおそれのない状態(モータの温度が予防温度よりも低い、所定の温度Z℃以下)となると伝達比可変手段のロックを解除している。
特開2001−270453号公報
上記従来技術においては、伝達比が1となる前にモータの温度が限界点以上となると、直ちに伝達比可変手段をロックするため、ステアリングホイールの中立位置と直進操舵位置とがずれてしまい、運転者に違和感を与えるおそれがあった。
上記課題を解決するため、本発明においては、前輪転舵アクチュエータに作用する負荷を演算し、前輪転舵アクチュエータに作用する負荷が設定値以上になったときには、車両の横加速度を低下させるようにし、前輪転舵アクチュエータに作用する負荷が設定値以上になった後に、舵角比が前輪に接続するラックに噛合するピニオンの回転角と転舵角との比である固定舵角比となったときに舵角比をロックするようにした。
よって、アクチュエータは舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングホイールの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
実施例1の車両の車両用操舵装置の全体システム図である。 実施例1の舵角比可変コントローラの制御ブロック図である。 実施例1の制駆動力補正量演算部の制御ブロック図である。 実施例1の制駆動力補正量演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のタイムチャートである。 実施例2の制駆動力補正量演算部の制御ブロック図である。 実施例2の制駆動力補正量演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2のタイムチャートである。
[実施例1]
〔全体構成〕
図1は、実施例1の車両30に搭載した車両用制御装置1の全体システム図である。車両用制御装置1は、前輪4と後輪18のうち前輪4が操向輪となっており、ステアリングホイール2の操舵角に対する前輪4の転舵角の比である舵角比を可変にすることができる舵角比可変システムを備えている。
この車両用制御装置1は前輪側の機構として、ステアリングホイール2と、前輪4に接続されたラック9含む前輪転舵機構5と、ラック9に設けられたラックギヤにギヤ結合したピニオンギヤ8と、該ピニオンギヤ8に接続されたピニオンシャフト7と、ステアリングホイール2に連結されたステアリングシャフト6と、ピニオンシャフト7とステアリングシャフト6との間に設けられた舵角比可変機構19(舵角比可変手段)と、該舵角比可変機構を駆動して舵角比を可変する前輪転舵アクチュエータ10(アクチュエータ)とを有している。
前輪転舵アクチュエータ10は、例えば、モータと減速器等により構成され、舵角比可変コントローラ11(舵角比制御手段)からの駆動電流によって駆動する。舵角比可変機構19(舵角可変手段)は、前輪転舵アクチュエータ10の駆動によってステアリングホイール2の操舵によるステアリングシャフト6の回転角である操舵角を入力し、入力した操舵角に対して前輪補助転舵角を加減した回転角をピニオンシャフト7に出力することによって、ステアリングホイール2の操舵角に対するピニオンシャフト7の回転角の比を可変にするものである。なお、ピニオンシャフト7の回転角と前輪4の転舵角との関係は、ピニオンギヤ8とラックギヤとのギヤ比(即ち、いわゆるラック&ピニオン機構のギヤ比)で一意に決定される為、ピニオンシャフト7の回転角を以下では転舵角と言い、ステアリングシャフト6の回転角(操舵角)に対するピニオンシャフト7の回転角(転舵角)の比を舵角比と言う。
車両用制御装置1の制御系として、ステアリングホイール2の操舵角θhを検出する操舵角センサ3(操舵角検出手段)と、車速Vxを検出する車速センサ12と、車両30に作用する横加速度Vy'を検出する横加速度センサ13と、前輪転舵アクチュエータ10を制御するとともに例えばスロットルアクチュエータのように車両の駆動力を可変するアクチュエータとしての内燃機関アクチュエータ16および、ブレーキ液圧を制御するブレーキアクチュエータ17の補正量を演算する舵角比可変コントローラ11と、内燃機関アクチュエータ16を制御する内燃機関コントローラ14と、ブレーキアクチュエータ17を制御するブレーキコントローラ15とを有している。なお、横加速度センサ13が検出する横加速度Vy'が大きくなるほど前輪転舵アクチュエータ10の負荷は大きくなる。
〔制御ブロック〕
図2は車両用制御装置1の舵角比可変コントローラ11の制御ブロック図である。
舵角比可変コントローラ11は、前輪転舵アクチュエータ回転角目標値演算部20と、舵角サーボ制御部21と、アクチュエータ温度検出部22と、制駆動力補正量演算部23(横加速度補正手段)とを有している。
(前輪転舵アクチュエータ回転角目標値演算部)
前輪転舵アクチュエータ回転角目標値演算部20では、以下に示す車両モデルを用いて車両パラメータを演算する。一般に、2輪モデルを仮定すると、車両30のヨーレートψ'と横速度Vyは、下記の式(1)で表せる。
Figure 0005332982
ここで、
Figure 0005332982
である。また、
Figure 0005332982
である。
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレート、横速度の伝達関数を求めると、
Figure 0005332982
Figure 0005332982
となる。
Figure 0005332982
ヨーレート伝達関数は、式(3)より下記の式(5)で表される。
Figure 0005332982
ここで、
Figure 0005332982
以上から、車両パラメータ
Figure 0005332982
が求められる。
上記の車両パラメータを用いて、操舵角θh、車速Vxから目標ヨーレートψ'*、目標ヨー加速度ψ''*を求める。
目標ヨーレートψ'*、目標ヨー加速度ψ''*は、下記の式(7)により表される。
Figure 0005332982
ここで、目標ヨーレートψ'*のパラメータは、下記の式(11)で表される。
Figure 0005332982
ただし、yrate_gain_map,yrate_omegn_map,yrate_zeta_map,yrate_zero_mapはチューニングパラメータである。
目標ヨーレートψ'*から目標前輪転舵角θ*を演算する。
Figure 0005332982
このモデルから下記の式(10)を得る。
Figure 0005332982
(舵角サーボ制御部)
次に舵角サーボ制御部21において、前輪転舵アクチュエータ10を駆動する駆動電流Iθを演算する。
前輪4の実転舵角θと、前輪転舵アクチュエータ回転角目標値演算部20で求めた目標前輪転舵角θ*との偏差eは、次の式(11)で求められる。
Figure 0005332982
駆動電流Iθは、上記式(11)で求めた偏差e、比例ゲインP、微分ゲインDおよび積分ゲインIから次の式(12)で求められる。
Figure 0005332982
なお、比例ゲインP、微分ゲインDおよび積分ゲインIは、チューニングパラメータである。
(アクチュエータ温度検出部)
アクチュエータ温度検出部22は、前輪転舵アクチュエータ10の温度と、舵角サーボ制御部21から駆動電流Iθを入力してアクチュエータ温度Tactを求める。アクチュエータ温度検出部22では、前輪転舵アクチュエータ10の温度をそのままアクチュエータ温度Tactとしても良いし、駆動電流Iθからアクチュエータ温度Tactを推定しても良いし、アクチュエータ温度Tactを駆動電流Iθを用いて補正するようにしても良い。
(制駆動力補正量演算部)
制駆動力補正量演算部23では、操舵角θh、横加速度Vy'、アクチュエータ回転角θactおよびアクチュエータ温度Tactを入力して、内燃機関コントローラ14に出力する駆動力補正値Δa、およびブレーキコントローラ15に出力する制動力補正値Δbを演算して求める。
図3は制駆動力補正量演算部23の制御ブロック図である。制駆動力補正量演算部23は、加算部23a、横加速度補正ゲイン算出部23b、乗算部23e、横加速度制限部23f、加減算部23gおよび乗算部23hを有している。また横加速度補正ゲイン算出部23bは、加速度補正ゲイン算出部23cおよび減速度補正ゲイン算出部23dを有している。
加算部23aは、操舵角θhとアクチュエータ回転角θactとの和をピニオン角θpとして出力する。
加速度補正ゲイン算出部23cは、ピニオン角θpに応じた加速度補正ゲインKa1を算出する。加速度補正ゲイン算出部23cはピニオン角θpに対する加速度補正ゲインKa1のマップを有している。このマップは、ピニオン角θpがゼロのときには加速度補正ゲインKa1もゼロであって、ピニオン角θpが大きくなるにしたがって加速度補正ゲインKa1も大きくなり、所定のピニオン角θp以上では加速度補正ゲインKa1は一定値を示す。
減速度補正ゲイン算出部23dは、ピニオン角θpに応じた減速度補正ゲインKb1を算出する。減速度補正ゲイン算出部23dは、ピニオン角θpに対する減速度補正ゲインKb1のマップを有している。このマップは、ピニオン角θpがゼロのときには減速度補正ゲインKb1もゼロであって、ピニオン角θpが大きくなるにしたがって減速度補正ゲインKb1も大きくなり、所定のピニオン角θp以上では減速度補正ゲインKb1は一定値を示す。
横加速度制限部23fは横加速度Vy'を入力し、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_limより小さいときにはそのまま横加速度Vy'を出力し、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim以上であるときには横加速度制限値Vy'_limを出力する。横加速度制限値Vy'_limは、前輪アクチュエータ10に作用する負荷が大きくなる(そのままの状態では、前輪アクチュエータ10の温度が上昇して過熱状態となる)と判断できる程度の値であり、実験等により予め設定された値である。
加減算部23gでは、横加速度Vy'と、横加速度制限部23fから出力された値との差である偏差eVy'を求める。偏差eVy'は次の式(13)で表される。
Figure 0005332982
乗算部23eでは、次の式(14)より駆動力補正量Δaを求め、内燃機関コントローラ14に出力する。内燃機関コントローラ14は、この駆動力補正量Δaにより、運転者のアクセル操作によって発生している駆動力を小さく補正する。すなわち内燃機関コントローラ14には、運転者によって操作されるアクセル(不図示)の操作量(アクセル開度)が入力され、内燃機関コントローラ14は、入力された運転者のアクセル操作に応じたアクセル開度に基づいて算出した駆動力から駆動力補正量Δaだけ駆動力を低減した値に基づいて内燃機関アクチュエータ16を制御して、車両の駆動力を制御する。
Figure 0005332982
乗算部23hでは、次の式(15)より制動力補正量Δbを求め、ブレーキコントローラ15に出力する。ブレーキコントローラ15は、この制動力補正量Δbにより、運転者のブレーキ操作によって発生している制動力を大きく補正する。すなわちブレーキコントローラ15は、運転者のブレーキ操作によって発生しているブレーキ液圧に対して、制動力補正量Δbに相当する液圧分ブレーキ液圧を増大させるように、ブレーキアクチュエータ17を制御する。
Figure 0005332982
〔制駆動力補正処理〕
図4は、制駆動力補正量演算部23において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、ロックフラグが作動中であるか否かを判定し、ロックフラグが作動中であればステップS2に移行し、ロックフラグが作動中でなければステップS5へ移行する。このロックフラグは作動中には、舵角比可変機構19をロックして舵角比を固定していることを示す。
ステップS2では、アクチュエータ温度TactがT3℃以上であるか否かを判定し、T3℃以上であるときにはステップS3へ移行し、T3℃未満であるときにはステップS4へ移行する。なお、温度T3℃、および後述する温度T1℃,T2℃の関係は、T3<T1<T2となっている。
なお、温度T3℃はアクチュエータ温度Tactがそれ未満の温度であればアクチュエータ温度Tactが充分低く、前輪転舵アクチュエータ10を通常作動しても問題無い温度であり、温度T2℃はアクチュエータ温度Tactがそれ以上の温度となった場合には前輪転舵アクチュエータ10が過熱しており、前輪転舵アクチュエータ10の停止が必要な温度(限界温度)であり、温度T1℃はアクチュエータ温度Tactが高く、前輪転舵アクチュエータ10が過熱する(温度T2℃以上となる)可能性の有る温度である。これらは実験等や前輪転舵アクチュエータ10の性能に基づいて予め定められた温度である。
ステップS3では、舵角比可変機構19のロックを継続し、ロックフラグを保持して処理を終了する。
ステップS4では、舵角比可変機構19のロックを解除し、ロックフラグを閉じる。
ステップS5では、アクチュエータ温度TactがT1℃以上であるか否かを判定し、T1℃以上であるときにはステップS6へ移行し、T1℃未満であるときにはステップS13へ移行する。
ステップS6では、アクチュエータ温度TactがT2℃以下であるか否かを判定し、T2℃以下であるときにはステップS7へ移行し、T2℃より大きいときにはステップS12へ移行する。
ステップS7では、操舵角θhと転舵角θ(ピニオン角θp)との比(舵角比)が1となったか否かを判定し、舵角比が1となったときにはステップS9へ移行し、舵角比が1となっていないときにはステップS8へ移行する。
ステップS8では、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim(制限値)以上であるか否かを判定し、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim以上であるときにはステップS10へ移行し、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim未満であるときにはステップS11へ移行する。
ステップS9では、舵角比可変機構19のロックを作動し、ロックフラグを立てて処置を終了する。
ステップS10では、制駆動力の補正量Δa,Δbを計算して処置を終了する。
ステップS11では、制駆動力の補正量Δa,Δbをゼロとして処置を終了する。
ステップS12では、舵角比可変機構19のロックを作動し、ロックフラグを立てて処置を終了する。
ステップS13では、制駆動力の補正量Δa,Δbをゼロとして処置を終了する。
〔制駆動力補正処理動作〕
ロックフラグが作動中には、ステップS1→ステップS2と移行する。ステップS2において、アクチュエータ温度TactがT3℃以上であるときには、前輪転舵アクチュエータ10が十分に冷却されていないと判断し、ステップS3に移行して舵角比可変機構19のロックを継続する。ステップS2において、アクチュエータ温度TactがT3℃未満であるときには、前輪転舵アクチュエータ10が十分に冷却されたと判断し、ステップS3に移行して舵角比可変機構19のロックを解除する。
ロックフラグが作動中でないときであって、アクチュエータ温度TactがT1℃未満であるときには、ステップS1→ステップS5→ステップs13へと移行する。アクチュエータ温度TactがT1℃未満であるときには、前輪転舵アクチュエータ10は通常範囲の温度であると判断して、制駆動力の補正量Δa,Δbをゼロとする。
ロックフラグが作動中でないときであって、アクチュエータ温度TactがT2℃より大きいときには、ステップS1→ステップS5→ステップS6→ステップS12へと移行する。アクチュエータ温度TactがT2℃より大きいときには、前輪転舵アクチュエータ10は限界領域に入ったと判断し、ステップS12へ移行して舵角比可変機構19のロックを作動する。
ロックフラグが作動中でないときであって、アクチュエータ温度TactがT1℃以上T2℃以下のときには、ステップS1→ステップS5→ステップS6→ステップS7へと移行する。アクチュエータ温度TactがT1℃以上T2℃以下のときには、前輪転舵アクチュエータ10は限界領域に入りつつあると判断し、ステップS7に移行して舵角比可変機構19のロックを舵角比が1の時点で作動できるか否かを判定する。
ステップS7において、舵角比が1となったときには、ステップS9において舵角比可変機構19のロックを作動する。
ステップS7において、舵角比が1となっていないときには、ステップS8に移行する。ステップS8では、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim以上であるときには、そのままの状態ではアクチュエータ温度Tactが上昇してT2℃を超えると判断してステップS10に移行し、制駆動力の補正量Δa,Δbを計算する。制駆動力の補正量Δa,Δbを用いて制駆動力を補正することにより横加速度を小さくし、前輪転舵アクチュエータ10への負荷を小さくして温度上昇を抑制する。一方、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim(制限値)未満であるときには、ステップS11に移行し、制駆動力の補正量Δa,Δbをゼロとする。このときは横加速度Vy'が小さく前輪転舵アクチュエータ10への負荷が小さいため、温度上昇は押さえられており、運転者の操作にあった制駆動力を出力するようにしている。
〔作用〕
前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超えると、前輪転舵アクチュエータ10は駆動できないため直ちに舵角比可変機構19のロックを作動させる必要がある。舵角比可変機構19のロックを作動させたときに舵角比が1でなければ、ステアリングホイール2の中立位置と直進操舵位置とがずれてしまい運転者に違和感を与えてしまう。
そこで実施例1では、前輪転舵アクチュエータ10に作用する負荷(横加速度)が設定値以上になったときには、横加速度を低下させるようにした。
図5は実施例1の制駆動力補正処理を行った場合(一点鎖線)と制駆動力補正処理を行わなかった場合(実線)のタイムチャートである。図5に示すように、アクチュエータ温度TactがT1℃を超えたときに、横加速度Vy'が横加速度制限値Vy'_lim以上である。このとき図5の一点鎖線に示すように、駆動力や制動力を補正して車速Vxを低下させる。車速Vxが低下することによって横加速度Vy'が小さくなり、前輪転舵アクチュエータ10の電流は小さくなる。したがって、アクチュエータ温度Tactの上昇が抑制されて、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングハンドルの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
また実施例1では、車両の横加速度Vy'が高いほど負荷が高いと演算するようにした。すなわち横加速度Vy'が高いほど前輪4に入力する軸力が大きく、前輪転舵アクチュエータ10はこの軸力に対抗して出力を出すため負荷が大きくなる。よって、横加速度センサ13を用いて前輪転舵アクチュエータ10に入力する負荷を精度良く求めることができる。
また実施例1では、駆動力を小さく補正することにより横加速度Vy'を低下させるようにした。すなわち駆動力を小さくすることにより車速Vxを小さくすることができ、横加速度Vy'を低下させることができる。
また実施例1では、制動力を大きく補正することにより横加速度Vy'を低下させるようにした。すなわち制動力を大きくすることによって車速Vxを小さくすることができ、横加速度Vy'を低下させることができる。
また実施例1では、横加速度Vy'が設定値以上であるときには、横加速度Vy'と横加速度制限値Vy'_limとの差が大きいほど駆動力を小さく補正することにより横加速度を低下させるようにした。すなわち、負荷が大きいほどアクチュエータ温度Tactの上昇は早く、横加速度Vy'をより低下させることでアクチュエータ温度Tactの温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングハンドルの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
また実施例1では、横加速度Vy'が設定値以上であるときには、横加速度Vy'と横加速度制限値Vy'_limとの差が大きいほど制動力を大きく補正することにより横加速度を低下させるようにした。すなわち、負荷が大きいほどアクチュエータ温度Tactの上昇は早く、横加速度をより低下させることでアクチュエータ温度Tactの温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングハンドルの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
〔効果〕
次に実施例1の車両用操舵装置1の効果について、以下に列記する。
(1)ステアリングホイール2の操舵角θhと該ステアリングホイール2の操舵に伴って転舵する前輪4の転舵角θとの比である舵角比を可変する舵角比可変機構19と、該舵角比可変機構19を駆動する前輪転舵アクチュエータ10と、前輪転舵アクチュエータ10を制御して、舵角比を制御する舵角比可変コントローラ11と、前輪転舵アクチュエータ10に作用する負荷が所定の負荷以上であることを検出し、前輪転舵アクチュエータ10に作用する負荷が所定の負荷以上であることを検出されたときには、横加速度を低下させる制駆動力補正量演算部23とを設けた。
そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングホイール2の中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
(2)制駆動力補正量演算部23は、車両の横加速度が予め定められた横加速度制限値以上となった場合に負荷が所定の負荷以上であることを検出するようにした。
よって、横加速度センサ13を用いて前輪転舵アクチュエータ10に入力する負荷を精度良く求めることができる。
(3)制駆動力補正量演算部23は、駆動力を小さく補正することにより横加速度を低下させるようにした。
よって、駆動力を小さくすることにより車速を小さくすることができ、横加速度を低下させることができる。
(4)制駆動力補正量演算部23は、制動力を大きく補正することにより横加速度を低下させるようにした。
よって、制動力を大きくすることによって車速を小さくすることができ、横加速度を低下させることができる。
(5)制駆動力補正量演算部23は、横加速度が制限値以上であるときには、横加速度と制限値との差が大きいほど駆動力を小さく補正することにより横加速度を低下させるようにした。
負荷が大きいほどアクチュエータ温度Tactの上昇は早く、横加速度をより低下させることでアクチュエータ温度Tactの温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングハンドルの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
(6)制駆動力補正量演算部23は、横加速度が制限値以上であるときには、横加速度と制限値との差が大きいほど制動力を大きく補正することにより横加速度を低下させるようにした。
負荷が大きいほどアクチュエータ温度Tactの上昇は早く、横加速度をより低下させることでアクチュエータ温度Tactの温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングハンドルの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
[実施例2]
実施例2では、ピニオン角θp(前輪4の転舵角)と、車速Vxまたは前後加速度V'とによって前輪転舵アクチュエータ10の負荷を求めるようにした。
〔制御ブロック図〕
図2は車両用操舵装置1の舵角比可変コントローラ11の制御ブロック図である。
舵角比可変コントローラ11は、前輪転舵アクチュエータ回転角目標値演算部20と、舵角サーボ制御部21と、アクチュエータ温度検出部22と、制駆動力補正量演算部23とを有している。
(制駆動力補正量演算部)
制駆動力補正量演算部23では、操舵角θh、車速Vx、アクチュエータ回転角θactを入力して、内燃機関コントローラ14に出力する駆動力補正値Δa、およびブレーキコントローラ15に出力する制動力補正値Δbを演算して求める。
図6は制駆動力補正量演算部23の制御ブロック図である。制駆動力補正量演算部23は、加算部23i、加速度制限値算出部23j、加速度制限部23k、加減算部23m、加速度補正ゲイン出力部23n、乗算部23o、微分演算部23p、車速制限値算出部23q、車速制限部23r、加減算部23s、車速補正ゲイン出力部23t、乗算部23u、加算部23v、車速補正ゲイン出力部23wおよび乗算部23xを有している。
加算部23iは、操舵角θhとアクチュエータ回転角θactとの和をピニオン角θpとして出力する。
加速度制限値算出部23jは、ピニオン角θpから加速度制限値Vx'_limを算出する。加速度制限値算出部23jはピニオン角θpに対する加速度制限値Vx'_limのマップを有している。このマップは、ピニオン角θpが大きくなるにしたがって加速度制限値Vx'_limが小さくなるように設定している。なお、加速度制限値Vx'_limとは、ピニオン角に対して車両の加速度がそれ以上の値である場合には前輪転舵アクチュエータ10の負荷の増大速度が早く、前輪転舵アクチュエータ10の温度(アクチュエータ温度Tact)が限界温度を超える可能性が有ると判断できる加速度であって、上記マップは実験等によって予め求めたマップが用いられる。
微分演算部23pは、車速Vxを微分して前後加速度Vx'を演算している。
加速度制限部23kは前後加速度Vx'を入力し、前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_limより小さいときにはそのまま前後加速度Vx'を出力し、前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_lim以上であるときに加速度制限値Vx'_limを出力する。
加減算部23mでは、前後加速度Vx'と、加速度制限部23kから出力された値との差である偏差eVx'を求める。偏差eVx'は次の式(16)で表される。
Figure 0005332982
加速度補正ゲイン出力部23nは、任意の加速度補正ゲインKVx'を出力する。加速度補正ゲインKVx'は、車両30の特性により適宜設定される値である。
乗算部23oでは、次の式(17)より駆動力補正量Δa1を求める。
Figure 0005332982
車速制限値算出部23qは、ピニオン角θpから車速制限値Vx_limを算出する。車速制限値算出部23qはピニオン角θpに対する車速制限値Vx_limのマップを有している。このマップは、ピニオン角θpが大きくなるにしたがって車速制限値Vx_limが小さくなるように設定している。
なお、車速制限値Vx_limとは、ピニオン角に対して車両の速度がそれ以上の値である場合には前輪転舵アクチュエータ10の負荷が大きく、前輪転舵アクチュエータ10の温度(アクチュエータ温度Tact)が限界温度を超える可能性が有ると判断できる速度であって、上記マップは実験等によって予め求めたマップが用いられる。
車速制限部23rは車速Vxを入力し、車速Vxが車速制限値Vx_limより小さいときにはそのまま車速Vxを出力し、車速Vxが車速制限値Vx_lim以上であるときに車速制限値Vx_limを出力する。
加減算部23sでは、車速Vxと車速制限部23rから出力された値との差である偏差eVxを求める。偏差eVxは次の式(18)で表される。
Figure 0005332982
車速補正ゲイン出力部23tは、任意の車速補正ゲインKVx1を出力する。車速補正ゲインKVx1は、車両30の特性により適宜設定して良い。
乗算部23uでは、次の式(19)より駆動力補正量Δa2を求める。
Figure 0005332982
加算部23vでは、次の式(20)より駆動力補正量Δaを求め、この駆動力補正量Δaを内燃機関コントローラ14に出力する。内燃機関コントローラ14は実施例1と同様に、この駆動力補正量Δaにより、運転者のアクセル操作によって発生している駆動力を小さく補正する。
Figure 0005332982
車速補正ゲイン出力部23wは、任意の車速補正ゲインKVx2を出力する。車速補正ゲインKVx2は、車両30の特性により適宜設定して良い。
乗算部23xでは、次の式(21)より駆動力補正量Δbを求め、この駆動力補正量Δbをブレーキコントローラ15に出力する。ブレーキコントローラ15は実施例1と同様に、この制動力補正量Δbにより、運転者のブレーキ操作によって発生している制動力を大きく補正する。
Figure 0005332982
〔制駆動力補正処理〕
図7は、制駆動力補正量演算部23において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS20では、車速制限値Vx_limと加速度制限値Vx'_limを算出してステップS21へ移行する。
ステップS21では、車速Vxが車速制限値Vx_lim以上、または前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_lim以上であるか否かを判断し、車速Vxまたは前後加速度Vx'が制限値以上であると判定したときにはステップS22へ移行し、制限値未満であると判定したときにはステップS23へ移行する。
ステップS22では、制駆動力補正値Δa,Δbを計算して処理を終了する。
ステップS23では、制駆動力補正値Δa,Δbをゼロとして処理を終了する。
〔制駆動力補正処理動作〕
車速Vxが車速制限値Vx_lim以上、または前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_lim以上であるときには、ステップS20→ステップS21→ステップS22へと移行する。ステップS22では制駆動力補正値Δa,Δbを計算して、駆動力を小さくまたは制動力を大きくする補正を行う。
車速Vxが車速制限値Vx_lim未満、かつ前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_lim未満であるときには、ステップS20→ステップS21→ステップS23へと移行する。ステップS22では制駆動力補正値Δa,Δbをゼロとし、駆動力および制動力の補正を行わないようにする。
〔作用〕
ラックエンド近くまでステアリングホイール2を操舵した状態で加速を行う、所謂アクセルターンのような操作では、横加速度Vy'の立ち上がりが急峻となる。また可変舵角制御では車速Vxが小さいときには舵角比を大きくし、車速Vxが大きいときには舵角比を小さくしている。すなわち車速Vxが小さいときには、前輪転舵アクチュエータ10の回転角(作動量)を大きくして、操舵角θhに対して前輪4の転舵角を大きくしている。そのためアクセルターンを行うときには、前輪転舵アクチュエータ10の負荷が急増し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え易くなる。
このような場合、横加速度センサ13が検出した横加速度Vy'から前輪転舵アクチュエータ10の負荷の大小を判断してから横加速度Vy'を低下させる制御を行っていては、前輪転舵アクチュエータ10の負荷の低下制御が間に合わないおそれがある。
そこで実施例2では、前輪4の転舵角θ(ピニオン角θp)が大きいほど加速度制限値Vx'_limが小さくなるように設定して、前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_lim以上であるときには、横加速度Vy'を低下させるようにした。すなわち、ピニオン角θpと前後加速度Vx'とによって負荷の増加をフィードフォワード的に演算することができ、横加速度Vy'を低下させる制御を早めに行うことができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10の負荷の急増を防止し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。
また実施例2では、前輪4の転舵角θ(ピニオン角θp)が大きいほど車速制限値Vx_limが小さくなるように設定して、車速Vxが車速制限値Vx_lim以上であるときには、横加速度Vy'を低下させるようにした。すなわち、ピニオン角θpと車速Vxとによって負荷をフィードフォワード的に演算することができ、横加速度Vy'を低下させる制御を早めに行うことができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10の負荷の急増を防止し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。
図8はラックエンド近くまでステアリングホイール2を操舵した状態で加速を行ったときに、実施例2の制駆動力補正処理を行った場合(一点鎖線)と制駆動力補正処理を行わなかった場合(実線)のタイムチャートである。図8の一点鎖線に示すように、駆動力や制動力を補正して車速Vxを低下させる。車速Vxが低下することによって横加速度Vy'が小さくなり、前輪転舵アクチュエータ10の電流は小さくなる。したがって、アクチュエータ温度Tactの上昇が抑制されて、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングハンドルの中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
また実施例2では、前後加速度Vx'が加速度制限値Vx'_lim以上であるときには、前後加速度Vx'と加速度制限値Vx'_limとの差が大きいほど駆動力を小さく補正することにより横加速度Vy'を低下させるようにした。すなわち、負荷が大きいほどアクチュエータ温度Tactの上昇は早く、横加速度Vy'をより低下させることでアクチュエータ温度Tactの温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングホイール2の中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
また実施例2では、車速Vxが車速制限値Vx_lim以上であるときには、車速Vxと車速制限値Vx_limとの差が大きいほど制動力を小さく補正することにより横加速度Vy'を低下させるようにした。すなわち、負荷が大きいほどアクチュエータ温度Tactの上昇は早く、横加速度Vy'をより低下させることでアクチュエータ温度Tactの温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングホイール2の中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
〔効果〕
次に実施例2の車両用操舵装置1の効果について、以下に列記する。
(7)制駆動力補正量演算部23は、車両の前後加速度が予め定められた制限値以上となった場合に負荷が所定の負荷以上であることを検出するようにした。
そのため、前輪転舵アクチュエータ10の負荷が急増を防止し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。
(8)加速度制限値Vx'_limを算出して設定する加速度制限値算出部23jを備え、
加速度制限値算出部23jは、前輪4の転舵角(ピニオン角)が大きいほど加速度制限値Vx'_limを小さく算出するようにした。
そのため、前輪転舵アクチュエータ10の負荷が急増を防止し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。
(9)制駆動力補正量演算部23は、車速が予め定められた所定の車速制限値以上である場合に負荷が所定の負荷以上であることを検出するようにした。
そのため、前輪転舵アクチュエータ10の負荷が急増を防止し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。
(10)車速制限値Vx_limを算出して設定する車速制限値算出部23qを備え、
車速制限値算出部23qは、前輪4の転舵角(ピニオン角)が大きいほど車速制限値Vx_limを小さく算出するようにした。
そのため、前輪転舵アクチュエータ10の負荷が急増を防止し、前輪転舵アクチュエータ10の温度が限界温度を超え難くすることができる。
(11)制駆動力補正量演算部23は、前後加速度が制限値以上であるときには、前後加速度と制限値との差が大きいほど駆動力を小さく補正することにより横加速度を低下させるようにした。
よって、負荷が大きいほどアクチュエータ温度の上昇は早く、横加速度をより低下させることでアクチュエータ温度の温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングホイール2の中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
(12)制駆動力補正量演算部23は、車速が制限値以上であるときには、車速と制限値との差が大きいほど制動力を大きく補正することにより横加速度を低下させるようにした。
よって、負荷が大きいほどアクチュエータ温度の上昇は早く、横加速度をより低下させることでアクチュエータ温度の温度が限界温度を超え難くすることができる。そのため、前輪転舵アクチュエータ10は舵角比が1となるまでの待機する時間を稼ぐことができ、ステアリングホイール2の中立位置と直進操舵の位置とがずれることを抑制することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1および実施例2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1および実施例2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施例1および実施例2の車両用操舵装置1は、前輪4のみの舵角を可変にするものであるが、前輪4および後輪18の舵角を可変にする4輪アクティブステアシステムであっても良い。
実施例1および実施例2の車両用操舵装置1は、ステアリングシャフト6とピニオンシャフト7とが常時連結しているものであるが、ステアリングシャフト6とピニオンシャフト7の間にクラッチを設け、通常はステアリングシャフト6とピニオンシャフト7との力の伝達を切り離している所謂ステアバイワイヤシステムであっても良い。
1 車両用操舵装置
2 ステアリングホイール
4 前輪
10 前輪転舵アクチュエータ(アクチュエータ)
11 舵角比可変コントローラ(舵角比制御手段)
12 車速センサ
13 横加速度センサ
19 舵角比可変機構(舵角可変手段)
23 制駆動力補正量演算部(横加速度補正手段)
30 車両

Claims (13)

  1. ステアリングホイールの操舵角と該ステアリングホイールの操舵に伴って転舵する前輪の転舵角との比である舵角比を可変する舵角比可変手段と、
    該舵角比可変手段を駆動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータを制御して、前記舵角比を制御する舵角比制御手段と、
    前記アクチュエータに作用する負荷が所定の負荷以上であることを検出する負荷検出手段と、
    前記負荷検出手段によって、アクチュエータに作用する負荷が第1定負荷以上であることを検出されたときには、車両の横加速度を低下させるように車両を制御する横加速度補正手段と、
    を備え
    前記舵角比可変手段は、前記負荷検出手段によって前記負荷が前記第1所定負荷以上であることが検出された後に、前記舵角比が前記前輪に接続するラックに噛合するピニオンの回転角と前記転舵角との比である固定舵角比となったときに前記舵角比をロックすることを特徴とする車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制御装置において、
    前記舵角比可変手段は、前記負荷検出手段によって前記負荷が前記第1所定負荷より大きい第2所定負荷より大きいことを検出されたときには、前記舵角比が前記固定舵角比となることを待たずに前記舵角比をロックし、
    前記負荷検出手段によって前記負荷が前記第1所定負荷以上であって前記第2所定負荷未満であることが検出されたときであって、前記舵角比が前記固定舵角比となるまでは、前記舵角比の制限を行わないことを特徴とする車両用制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用制御装置において、
    前記負荷検出手段は、車両の加速度が予め定められた加速度制限値以上となった場合に前記負荷が所定の負荷以上であることを検出することを特徴とする車両用制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の車両用制御装置において、
    前記負荷検出手段は、車両の前後加速度が予め定められた前後加速度制限値以上である場合に前記負荷が所定の負荷以上であることを検出することを特徴とする車両用制御装置。
  5. 請求項に記載の車両用制御装置において、
    前記前後加速度制限値を算出して設定する前後加速度制限値算出手段を備え、
    前記前後加速度制限値算出手段は、前輪の転舵角が大きいほど前記前後加速度制限値を小さく算出することを特徴とする車両用制御装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の車両用制御装置において、
    前記負荷検出手段は、車速が予め定められた所定の車速制限値以上である場合に前記負荷が所定の負荷以上であることを検出する車両用制御装置。
  7. 求項6に記載の車両用制御装置において、
    前記車速制限値を算出して設定する車速制限値算出手段を備え、
    前記車速制限値算出手段は、前輪の転舵角が大きいほど前記車速制限値を小さく算出することを特徴とする車両用制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記横加速度補正手段は、駆動力小さく補正することにより前記横加速度を低下させることを特徴とする車両用制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記横加速度補正手段は、制動力を大きく補正することにより前記横加速度を低下させることを特徴とする車両用制御装置。
  10. 請求項3に記載の車両用制御装置において、
    前記横加速度補正手段は、車両の横加速度が横加速度制限値以上であるときには、前記横加速度と前記横加速度制限値との差が大きいほど駆動力小さく補正することにより前記横加速度を低下させることを特徴とする車両用制御装置。
  11. 請求項3に記載の車両用制御装置において、
    前記横加速度補正手段は、車両の横加速度が前記横加速度制限値以上であるときには、前記加速度と前記加速度制限値との差が大きいほど制動力大きく補正することにより前記横加速度を低下させることを特徴とする車両用制御装置。
  12. 請求項に記載の車両用制御装置において、
    前記横加速度補正手段は、前記前後加速度が前記前後加速度制限値以上であるときには、前記前後加速度と前記前後加速度制限値との差が大きいほど駆動力小さく補正することにより前記横加速度を低下させることを特徴とする車両用制御装置。
  13. 請求項6に記載の車両用制御装置において、
    前記横加速度補正手段は、前記車速が前記車速制限値以上であるときには、前記車速と前記車速制限値との差が大きいほど制動力を大きく補正することにより前記横加速度を低下させることを特徴とする車両用制御装置。
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