JP5332546B2 - 難燃性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
特許文献1においては、難燃剤として多量のポリリン酸アンモニウムに窒素含有環状化合物が併用されているものの、耐熱性および難燃性に改善すべき点があった。
(1)ポリカーボネート樹脂またはポリオレフィン樹脂を含む樹脂と、難燃剤とを含み、上記難燃剤は窒素含有化合物からなり、樹脂100重量部に対して、上記難燃剤を2〜10重量部含み、上記難燃剤の平均粒子径は、0.01〜30μmであることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(2)上記窒素含有化合物は、トリアジン骨格を有することを特徴とする(1)に記載の難燃性樹脂組成物。
(4)上記窒素含有化合物は、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレートおよびこれらの誘導体よりなる群から選択された1種以上であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(8)(1)乃至(7)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性絶縁シートまたはフィルム。
(9)(8)に記載の難燃性絶縁シートまたはフィルムを用いた電気・電子機器。
本発明の難燃性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂またはポリオレフィン樹脂を含む樹脂と、窒素含有化合物からなる難燃剤とを含む。
ポリカーボネート樹脂
本発明において使用されるポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明において用いられる難燃剤は、窒素含有化合物からなる。このように、難燃剤が実質的に窒素含有化合物のみからなることにより、得られる成形体の難燃性および耐熱性、さらに成形加工性および金型付着性のいずれにも優れる。
トリアジン骨格を有する化合物としては、メラミン;ブチルメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、リン酸メラミンなどのメラミン誘導体;シアヌル酸;メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレートなどのシアヌル酸誘導体;イソシアヌル酸;メチルイソシアヌレート、N,N'−ジエチルイソシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートなどのイソシアヌル酸誘導体;メラミンシアヌレート;メラミンイソシアヌレートなどを挙げることができる。これらの化合物は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、窒素含有化合物からなる難燃剤を多量に添加しても、耐熱性の低下が抑制される。
本発明の難燃性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、メラミンシアヌレ−トを0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部含むことができる。
・ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量:1.2×104〜3.5×104、好ましくは1.5×104〜3.0×104、さらに好ましくは1.8×104〜2.8×104である
・メラミンシアヌレ−トの平均粒子径:0.01〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm
本発明の難燃性樹脂組成物を用いて難燃性絶縁シートまたはフィルムを製造する方法は、特に限定されないが、カレンダリング法、押し出し法、プレス法、キャスト法などを用いることができる。
このようにして得られた難燃性絶縁シートまたはフィルムは、電気・電子機器において難燃性が必要とされる部位に用いることができる。
製品名:E−2000、重量平均分子量:20000、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製
・ポリカーボネート樹脂B
製品名:H−3000、重量平均分子量:27000、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製
製品名:MC−6000、平均粒子径(レーザー回折・散乱法):1〜5μm、日産化学株式会社製
・難燃剤B(リン酸エステル)
製品名:PSP−100、大塚化学株式会社製
・難燃剤C(芳香族ジホスフェート)
製品名:PX−200、大八化学株式会社製
製品名:ポリフロンFA500、ダイキン工業株式会社製
表1の組成にしたがって、2軸押出機により溶融混練しペレットを製造した。製造したペレットを同方向2軸押出機とT型ダイス等を用いてシート状に押し出し、所定の厚みに調整した。得られた難燃性絶縁シートを以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
押出した所定の厚み0.40mmのシートからUL94(V−0)に準じた試験片を作成し、垂直燃焼試験を実施した。
・耐熱性評価
ASTM D 648 (荷重:1.8MPa)の規定に準拠し、耐熱性を評価した。
同方向2軸押出機とT型ダイスを用いてシート状に押し出すことにより、成形加工性を評価した。成形加工性が良好なものを○、シートの発泡や波打ち、押し出し機の停止等成型加工性が不良なものを×として評価した。
・金型付着性
成形時のロールや金型などの成形機具への汚れを目視確認することにより、金型付着性を評価した。金型への付着がなく、汚れのないものを○、金型への付着が多く、汚れの多いものを×として評価した。
表1に記載の材料および添加量とした以外は、実施例1と同様に難燃性絶縁シートを製造した。評価結果を表1に示す。
(2)前記窒素含有化合物は、トリアジン骨格を有することを特徴とする(1)に記載の難燃性樹脂組成物。
(3)前記窒素含有化合物は、メラミン系化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の難燃性樹脂組成物。
(4)前記窒素含有化合物は、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレートおよびこれらの誘導体よりなる群から選択された1種以上であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(5)前記窒素含有化合物は、メラミンシアヌレ−トであることを特徴とする(4)に記載の難燃性樹脂組成物。
(6)樹脂100重量部に対して、前記難燃剤を0.1〜30重量部含むことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(7)前記難燃剤の平均粒子径は、0.01〜30μmであることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(8)前記樹脂はポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
(9)前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は1.2×10 4 〜3.5×10 4 であることを特徴とする(8)に記載の難燃性樹脂組成物。
(10)(1)乃至(9)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性絶縁シートまたはフィルム。
(11)(10)に記載の難燃性絶縁シートまたはフィルムを用いた電気・電子機器。
Claims (9)
- ポリカーボネート樹脂またはポリオレフィン樹脂を含む樹脂と、難燃剤とを含み、前記難燃剤は窒素含有化合物からなり、樹脂100重量部に対して、前記難燃剤を2〜10重量部含み、前記難燃剤の平均粒子径は、0.01〜30μmであることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
- 前記窒素含有化合物は、トリアジン骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記窒素含有化合物は、メラミン系化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記窒素含有化合物は、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレートおよびこれらの誘導体よりなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記窒素含有化合物は、メラミンシアヌレ−トであることを特徴とする請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記樹脂はポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は1.2×104〜3.5×104であることを特徴とする請求項6に記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性絶縁シートまたはフィルム。
- 請求項8に記載の難燃性絶縁シートまたはフィルムを用いた電気・電子機器。
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