JP5332371B2 - 軸受装置の製造方法及び軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受装置の製造方法及び軸受装置に関する。
一般に車両のハブ用軸受装置の製造方法では、中炭素鋼が熱間鍛造で成形されることによりハブ(内方部材)及び外輪(外方部材)となる部材が形成された後、旋削され、その後、必要部分、例えば、ハブの軸部の軌道面となる部分及び外輪の軌道面となる部分が高周波焼入されることにより、該軌道面となる部分に硬化層が形成されるようにしている。なお、上記熱間鍛造で成形された鍛造品は、製品缶までコンベアで運ばれる際に、冷却ファンで冷却されるが、従来はその冷却速度が標準化されておらず、前記高周波焼入に影響するハブや外輪の軌道面となる部分のフェライトサイズについては制御されていない。
なお、軸受装置の製造方法で本発明に関連したものでは下記の特許文献1がある。この特許文献1では、熱間鍛造工程の途中又は、最後に、冷媒を浴びせるか、又は冷却速度と温度を制御することにより、鍛造品の一部を冷却しても該鍛造品の母材部分と鍛造品の表面に異なる組織を形成することが開示されている。
具体的には、特許文献1では、熱間鍛造を終えた後、冷却して、その後、自己復熱させて温度上昇させた後、冷却する方法(特許文献1中の説明では曲線(1)で示されている方法)が開示されている。又、特許文献1の他の方法では、熱間鍛造を複数工程に分割し、その分割した工程の中で、冷却した後、熱間鍛造を行い、その後冷却する方法も開示されている(特許文献1中の説明では曲線(2)で示されている方法)。
さらに、特許文献1では、熱間鍛造後の最後に、鍛造品を部分的にMs温度以下で、かつMf温度以上の範囲まで冷却し、その後、所定温度内で復熱灼き戻しを行うことにより、鍛造品の母材部分と鍛造品の表面に異なる組織を形成することが開示されている(特許文献1中では曲線(3)、(4)で示される方法)。なお、Msはマルテンサイト・スタート・ポイントの温度であり、Mfはマルテンサイト・フィニッシュ・ポイントの温度である。
特開2007−24273号公報 (図5、段落0035〜0037参照)
図5は、熱間鍛造により鍛造品を形成した後に行われている従来の冷却の仕方を示している。同図に示すように熱間鍛造が終了した直後では、鍛造品は一般に900℃を越えた温度になっている。
この後、Aで示すように800〜700℃の温度域、及び650〜550℃の温度域の両方を含む温度域全体に亘って徐冷すると、フェライト生成温度域(800〜700℃)は、ゆっくり冷却されることから、鍛造品のフェライトサイズが大きくなる。この結果、高周波焼入温度を適正温度以上にあげなくてはならなくなり、硬化層となる部分が過熱組織となる問題がある。なお、鍛造品の硬さを決定する温度域(650〜550℃)では、ゆっくり冷却されることから、鍛造品の硬さは低くなり、切削性については向上する。
一方、図5のBで示すように800〜700℃、及び650〜550℃の温度域の両方を含む温度域全体に亘って、冷却ファンを強力にして冷却速度を速くして急冷すると、鍛造品の硬さを決定する温度域(650〜550℃)では急冷される。このため、部材の硬度が切削を行うことが可能な範囲の上限近くになり、鍛造品が硬くて切削性が悪化する問題がある。なお、フェライト生成温度域(800〜700℃)は、急冷されることから、鍛造品のフェライトサイズは小さくなり、高周波焼入温度は適正温度以上に上げる必要がなくなり、高周波焼入は容易となる。
このようにして、従来の軸受装置の製造方法では、旋削処理及び高周波焼入の処理の各処理において求められる品質が他の処理によって悪化するということになるため、両処理により得られる品質が共に求められるレベルとなることができなかった。すなわち、従来は、冷却速度が標準化されていないことにより、鍛造品の切削性にバラツキがでるとともに、高周波焼入を行うのに支障のないフェライトサイズを作ることが難しい問題があった。
又、特許文献1での方法は、いずれも、一旦冷却した後、鍛造品の温度を上げる処理を行う必要があり、熱間鍛造中の処理、或いは熱間鍛造後の処理が煩雑となる問題がある。
本発明の目的は、熱間鍛造後の冷却処理を適切に行うことにより、鍛造品の切削性にバラツキがでることがなく、高周波焼入を行うのに支障のないフェライトサイズを作ることができ、しかも、熱間鍛造中、或いは熱間鍛造後において、鍛造品の温度を上げる処理が必要でない、軸受装置の製造方法及び軸受装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、内方部材と外方部材との間に複数列の転動体が配置され、前記内方部材及び前記外方部材の一部が高周波焼入による硬化層を有し、前記一部は前記転動体の軌道面である軸受装置の製造方法であって、前記内方部材及び前記外方部材の部材が中炭素鋼を使用して熱間鍛造により成形した後、冷却処理し、その後、少なくとも前記硬化層となる部分を旋削した後、高周波焼入して前記硬化層を形成する軸受装置の製造方法において、前記冷却処理は、熱間鍛造後の前記部材を800〜650℃の温度域では、その後の650〜550℃の温度域の冷却よりも急速冷却し、前記650〜550℃においては、予め試験により取得された、前記硬化層となる前記軌道面の硬さがHRC15〜28となる徐冷時間で徐冷することにより、前記硬化層となる前記軌道面の硬さをHRC15〜28(但し、24以上を除く。)にすることを特徴とする軸受装置の製造方法を要旨とするものである。
請求項1の発明によれば、熱間鍛造処理で成形された鍛造品は、800〜650℃の温度域における急冷により、すなわち、フェライト生成温度域(800〜700℃)で急冷されることから、鍛造品のフェライトサイズは小さくなる。又、鍛造品の硬さを決定する温度域(650〜550℃)においては、硬化層となる部分が硬さHRC15〜28を得るように徐冷されることにより、旋削処理において切削性にバラツキがでることがなくなる。硬化層となる部分が硬さHRC15未満では、軌道面に必要とされる耐摩耗性がなくなるため好ましくない。硬化層となる部分が硬さHRC28を越えると、旋削処理での切削性が悪化するため好ましくない。
請求項2の発明は、請求項1において、前記急速冷却は、800〜650℃の温度域で、冷却速度3℃/秒以上で行うことを特徴とする。なお、冷却速度が3℃/秒未満であると、フェライト生成温度域ではゆっくりと冷却されることから、フェライトが大きくなりすぎ、後に行われる高周波焼入において、高周波焼入温度を適正温度以上に上げる必要があり、硬化層となる部分が過熱組織となる問題が生じ、好ましくない。冷却速度3℃/秒以上であれば、鍛造品のフェライトサイズは小さくなって、適度の大きさとすることができ、後に行われる高周波焼入において、高周波焼入温度を適正温度以上に上げる必要がなくなることから、高周波焼入を行うのに支障がなくなる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記急速冷却を、冷却ファンによる気体の吹き付けにより行うことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、冷却ファンにより、空気を吹き付けて冷却を行うことから、簡単な構成により、鍛造品を冷却することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記650〜550℃での徐冷は、前記部材を保温庫内に収納した状態で行うことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、保温庫内に前記部材(すなわち、鍛造品)を収納した状態で徐冷することにより、徐々に鍛造品を冷やすことができる。このように鍛造品を保温庫内で徐冷するようにすれば、例えば、冬等の外気温度が低くなる季節においても季節を問わず同じ温度の下がり方で徐冷することができ、後工程である旋削処理で、切削性のバラツキの抑制をさらに向上させる。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の製造方法により製造された軸受装置を要旨とするものである。
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちいずれかの作用を実現することができる軸受装置とすることができる。
請求項1の発明によれば、熱間鍛造後の冷却処理を適切に行うことにより、鍛造品の切削性にバラツキがでることがなく、高周波焼入を行うのに支障のないフェライトサイズを作ることができ、しかも、熱間鍛造中、或いは熱間鍛造後において、鍛造品の温度を上げる処理が必要でない、軸受装置の製造方法を提供できる。
請求項2の発明によれば、鍛造品のフェライトサイズは小さくなって、適度の大きさとすることができ、後に行われる高周波焼入において、高周波焼入温度を適正温度以上に上げる必要がなくなることから、高周波焼入を行うのに支障がなくなる効果がある。
請求項3の発明によれば、冷却ファンにより、空気を吹き付けて冷却を行うことから、簡単な構成により、鍛造品を冷却することができる。
請求項4の発明によれば、保温庫内に前記部材(すなわち、鍛造品)を収納した状態で徐冷することから、徐々に鍛造品を冷やすことができ、冬等の外気温度が低くなる季節においても季節を問わず同じ温度の下がり方で徐冷することができ、後工程である旋削処理で、切削性のバラツキの抑制をさらに向上させることができる。
請求項5の発明は、熱間鍛造後の冷却処理を適切に行うことにより、鍛造品の切削性にバラツキがでることがなく、高周波焼入を行うのに支障のないフェライトサイズを作ることができ、しかも、熱間鍛造中、或いは熱間鍛造後において、鍛造品の温度を上げる処理が必要でない、軸受装置を提供できる。
以下、本発明を具体化した軸受装置及び軸受装置の製造方法を、ハブ用軸受としての軸受装置及びその製造方法に具体化した一実施形態を図1〜4を参照して説明する。図1は、本実施形態のハブ用軸受である軸受装置を示す断面図である。
軸受装置は複列アンギュラ玉軸受であり、車体のナックルに取り付けられる固定輪としての外輪20と、外輪20の内側に設けられた転動体としての2列の玉30a,30bと、これらの玉30a,30bにより中心軸O周りに回転自在に支持されるハブシャフト10及び内輪部材40とを備えている。ハブシャフト10は、外輪20の内側に収められる内軸部10Hと、内軸部10Hの車両アウター側(図の右側)の端部に形成され、外輪20の外に出ているフランジ部10Fとを有している。
ここで、ハブシャフト10、内輪部材40は内方部材に相当する。又、外輪20は外方部材に相当する。
フランジ部10Fは、車輪側部材(車輪のホイールやディスクブレーキのディスクロータ(ともに図示しない))を取り付けるために設けられている。フランジ部10Fには、前記ホイールやディスクブレーキのディスクロータを装着するためのハブボルト(図示しない)を挿通する孔10aが、周方向に等間隔で形成されている。内輪部材40は、内軸部10Hの左端から外嵌され、その後、内軸部10Hの左端を図示のようにかしめて形成された抜け止め部10cにより、軸方向に固定されている。外輪20には、玉30a,30bの軌道面20a,20bが形成されている。内輪部材40には玉30aの軌道面40aが形成され、内軸部10Hには玉30bの軌道面10bが形成されている。
玉30aは、内輪部材40に所定の接触角で接している。また、玉30bは、内軸部10Hの軌道面10bに所定の接触角で接している。玉30a,30bの周方向間隔は、保持器80により保持されている。外輪20の右端とハブシャフト10との隙間はシール部材90によりシールされている。
次に、上記のように構成された軸受装置の10の製造方法を説明する。
図2(a)は、軸受装置の製造工程のうち、中炭素鋼(炭素含有量が約0.3〜0.7mass%)からなる断面円形状のビレット100を示し、図2(b)は、熱間鍛造工程を示し、図2(c)はハブシャフト10の熱間鍛造後の旋削処理工程を示し、図2(d)は、高周波焼入処理工程を示している。
図2(a)に示すように、中炭素鋼からなるバー材(図示しない)が所定長さに切断されてハブシャフト10の素材であるビレット100が用意され、図2(b)に示すようにビレット100を熱間鍛造することによりハブシャフト10の形状に近似させて鍛造品110が得られる。熱間鍛造は、公知の方法で行われるが、ここで、鍛造品110は1000℃以上の温度から900℃の半ばまでの温度域の温度を持つ。
この後、鍛造品110は図3に示すように、ベルトコンベア200,210により、搬送されて、ベルトコンベア210を覆うように配置された保温庫220に収納される。このベルトコンベア200,210上において、鍛造品110は冷却処理される。すなわち、ベルトコンベア200の上方には、冷却ファン230が設けられていて、ベルトコンベア200にて搬送される鍛造品110に常温の空気又は冷気を吹き付けて急冷する。
このようにベルトコンベア200上では、急冷処理がされる。急冷処理では、例えばベルトコンベア200に鍛造品110が載せられた際、鍛造品110の温度が900℃以上であっても、800℃から650℃の温度域においては冷却時間が50秒以内、すなわち、3℃/秒以上の冷却速度で行われるように、前記冷却ファン230による単位時間当たりの吹き付け量が設定される。
上記のように800℃から650℃のフェライト生成温度域において、3℃/秒以上の冷却速度で行われる結果、鍛造品110において、その表面から深さ1mmまでにおけるフェライトサイズは小さく形成され、そのフェライトサイズは最大でも内接円径20μm以下のものとなる。なお、内接円径とは、フェライトの結晶の形状に内接する円の径である。
そして、ベルトコンベア200からベルトコンベア210に鍛造品110が移送されて、保温庫220内に収納される際には、鍛造品110が650℃程度近傍の温度に達するように、ベルトコンベア200の搬送速度が設定されている。ベルトコンベア210上に移送された鍛造品110は保温庫220内で徐冷処理が行われる。前記保温庫220は、その壁には図示しない断熱材で覆われていることが好ましい。保温庫220内での徐冷は、鍛造品110の硬度がHRC15〜28となる時間まで行う。なお、この徐冷時間は、予め試験等を行うことにより鍛造品110の硬度がHRC15〜28となる徐冷時間を取得しておき、鍛造品110の製造時にこの取得された徐冷時間で管理するものとする。
鍛造品110に対する徐冷処理が終了すると、鍛造品110に対して図2(c)に示すように、旋削処理により、軌道面10bを含む旋削必要箇所が旋削される。そして、図2(d)に示すように軌道面10b等が高周波焼入される。この高周波焼入された部分の表面には硬化層が形成される。すなわち、軌道面10bには硬化層が形成されることになる。この後、焼入処理が完了した鍛造品110に対して、必要であるならば、二次旋削加工等を行った後、図1に示すように軸受装置に組立てられる。
又、外輪20及び内輪部材40の製造については図示はしないが、下記の通りである。なお、説明の便宜上、外輪20及び内輪部材40は当然のことながら個別に製造されるが、共通している処理であるため、以下では、単に「鍛造品」と言う場合は、外輪20及び内輪部材40のそれぞれの鍛造品を示していると理解されたい。
中炭素鋼よりなるビレットを型鍛造による熱間鍛造を行い、最終外形形状に近似する形状の鍛造品を取得する。そして、この鍛造品は前記ハブシャフト10の鍛造品110と同様に1000℃以上の温度から900℃の半ばまでの温度域の温度を持つ。
この後、鍛造品は、鍛造品110と同様にベルトコンベアで搬送中に冷却ファンで急冷処理される。すなわち、この急冷処理は800℃から650℃の温度域において冷却時間が50秒以内、すなわち、3℃/秒以上の冷却速度で行われる。このように、800℃から650℃のフェライト生成温度域において、3℃/秒以上の冷却速度で行われる結果、鍛造品110の表面全体は深さ1mmまで、生成されるフェライトのサイズ(フェライトサイズ)は小さく、そのフェライトサイズは最大でも内接円径20μm以下のものとなる。
続いて、急冷処理された鍛造品は、鍛造品110の場合と同様に次のベルトコンベアで保温庫内に収納されて徐冷処理がされる。この処理においても、保温庫内に収納される際には、鍛造品が650℃程度近傍の温度に達するように、急冷処理行う側のベルトコンベアの搬送速度が設定されている。保温庫内での徐冷は、鍛造品の硬度がHRC15〜28となる時間まで行う。なお、この徐冷時間は、予め試験等を行うことにより鍛造品の硬度がHRC15〜28となる徐冷時間を取得しておき、鍛造品の製造時にこの取得された徐冷時間で管理するものとする。
鍛造品に対する徐冷処理が終了すると、鍛造品(外輪20,内輪部材40)に対し、旋削処理により、軌道面20a,20b,40aを含む旋削必要箇所が旋削される。そして、軌道面20a,20b,40a等が高周波焼入される。この高周波焼入された部分の表面には硬化層が形成される。すなわち、軌道面20a,20b,40aには硬化層が形成されることになる。この後、焼入処理が完了した鍛造品に対して、必要であるならば、二次旋削加工等を行った後、前述したようにハブシャフト10と合わせて軸受装置に組立てられる。
以上のように構成された実施形態は、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態の軸受装置の製造方法は、ハブシャフト10及び内輪部材40(内方部材)及び外輪20(外方部材)の部材は中炭素鋼を使用して熱間鍛造により成形した後、冷却処理し、その後、少なくとも前記硬化層となる部分を旋削した後、高周波焼入して硬化層を形成する。この場合、前記冷却処理は、熱間鍛造後の前記部材を800〜650℃の温度域では、その後の650〜550℃の温度域の冷却よりも急速冷却し、650〜550℃においては、硬化層となる部分が硬さHRC15〜28を得るように徐冷する。
この結果、熱間鍛造後の冷却処理を適切に行うことにより、鍛造品の硬化層となる部分が硬さHRC15〜28を得ることができ、切削性にバラツキがでることがなく、高周波焼入を行うのに支障のないフェライトサイズを作ることができる。しかも、熱間鍛造中、或いは熱間鍛造後において、鍛造品の温度を上げる処理が必要でない、軸受装置の製造方法を提供できる効果を奏する。
(2) 本実施形態の製造方法では、急速冷却は、800〜650℃の温度域で、冷却速度3℃/秒以上で行うようにしている。この結果、本実施形態の製造方法によれば、鍛造品のフェライトサイズは小さくなって、適度の大きさとすることができ、後に行われる高周波焼入において、高周波焼入温度を適正温度以上に上げる必要がなくなることから、高周波焼入を行うのに支障がなくなる効果がある。しかも、熱間鍛造後の鍛造品の表面全体は深さ1mmまで、生成されるフェライトのサイズ(フェライトサイズ)は小さく、そのフェライトサイズは最大でも内接円径20μm以下にすることができる。
(3) 本実施形態の製造方法では、急速冷却を、冷却ファン230による気体の吹き付けにより行うようにしている。この結果、本実施形態の製造方法によれば、冷却ファン230により、空気を吹き付けて冷却を行うことから、簡単な構成により、鍛造品を冷却することができる。
(4) 本実施形態の製造方法では、650〜550℃での徐冷は、部材を保温庫220内に収納した状態で行うようにしている。この結果、本実施形態の製造方法によれば、保温庫220内に鍛造品を収納した状態で徐冷することから、徐々に鍛造品を冷やすことができ、冬等の外気温度が低くなる季節においても季節を問わず同じ温度の下がり方で徐冷することができ、後工程である旋削処理で、切削性のバラツキの抑制をさらに向上させることができる。
(5) 本実施形態の軸受装置は、前記(1)乃至(4)の記載の製造方法により製造されている。この結果、本実施形態の軸受装置は、熱間鍛造後の冷却処理を適切に行うことにより、鍛造品の切削性にバラツキがでることがなく、高周波焼入を行うのに支障のないフェライトサイズを作ることができ、しかも、熱間鍛造中、或いは熱間鍛造後において、鍛造品の温度を上げる処理が必要でない、軸受装置を提供できる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、冷却を冷却ファン230で行うようにしたが、急冷方法は、この方法に限定されるものではなく、ブローで空気、或いは不活性ガス等の気体を吹き付けるようにしてもよい。又、吹き付けるための冷媒は、前述した空気、不活性ガス以外では、ミスト状にした液体であってもよい。
○ 前記実施形態では、転動体(玉30a,30b)を複数列として2列にしたが、転動体は3列以上であっても良い。
○ 本実施形態では、内輪であるハブシャフト10をフランジ(フランジ部10F)に一体化し外輪20をナックル(図示しない)と一体化させた第3世代タイプのものであるが、軸受装置は、第3世代に限定されるものではない。本実施形態の軸受装置を、主に従動輪側に使用され、ベアリングの外輪をフランジと一体化させた第2世代タイプのものに具体化してもよく、さらには、ハブ軸ユニットと駆動用のボールジョイントを完全に一体化させた第4世代タイプのものに具体化してもよい。
○ 前記軸受装置を、車両に使用されるオルタネータ用の軸受装置に具体化してもよい。
○ 前記実施形態では、鍛造品110の搬送をベルトコンベアで行ったが、搬送手段はベルトコンベアに限定されるものではなく、耐熱性の搬送手段であれば他の搬送手段でもよい。
軸受装置の断面図。 (a)は軸受装置の製造工程のうち、中炭素鋼からなる断面円形状のビレットの正面図、(b)は、熱間鍛造工程後の鍛造品の断面図、(c)はハブシャフト10の熱間鍛造後の旋削処理工程での鍛造品の断面図、(d)は高周波焼入処理工程での鍛造品の断面図。 冷却処理を行うための装置の説明図。 本実施形態の急冷処理と徐冷処理の温度を示すグラフ。 従来の冷却処理の温度を示すグラフ。
符号の説明
10…ハブシャフト(内方部材)、20…外輪(外方部材)、
30a,30b…玉(転動体)、40…内輪部材(内方部材)、
220…保温庫、230…冷却ファン。

Claims (5)

  1. 内方部材と外方部材との間に複数列の転動体が配置され、前記内方部材及び前記外方部材の一部が高周波焼入による硬化層を有し、前記一部は前記転動体の軌道面である軸受装置の製造方法であって、前記内方部材及び前記外方部材の部材が中炭素鋼を使用して熱間鍛造により成形した後、冷却処理し、その後、少なくとも前記硬化層となる部分を旋削した後、高周波焼入して前記硬化層を形成する軸受装置の製造方法において、
    前記冷却処理は、熱間鍛造後の前記部材を800〜650℃の温度域では、その後の650〜550℃の温度域の冷却よりも急速冷却し、前記650〜550℃においては、予め試験により取得された、前記硬化層となる前記軌道面の硬さがHRC15〜28となる徐冷時間で徐冷することにより、前記硬化層となる前記軌道面の硬さをHRC15〜28(但し、24以上を除く。)にすることを特徴とする軸受装置の製造方法。
  2. 前記急速冷却は、800〜650℃の温度域で、冷却速度3℃/秒以上で行うことを特徴とする請求項1に記載の軸受装置の製造方法。
  3. 前記急速冷却を、冷却ファンによる気体の吹き付けにより行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸受装置の製造方法。
  4. 前記650〜550℃での徐冷は、前記部材を保温庫内に収納した状態で行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の軸受装置の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の製造方法により製造された軸受装置。
JP2008190248A 2008-07-23 2008-07-23 軸受装置の製造方法及び軸受装置 Active JP5332371B2 (ja)

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