JP2007321196A - 車輪支持用転がり軸受ユニット及びそのハブ輪の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブ輪に内輪がかしめ固定される車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪を、必要な転がり疲れ寿命及びかしめ加工性を備えつつ、精度よく製造する。
【解決手段】車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪10を、C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼からなる素材を所定形状に加工する第一の処理と、かしめ加工が施される端部14に対して、誘導加熱によりAc1変態点以上に加熱保持し、その後、下部臨界冷却速度未満の速度で冷却することにより、かしめ加工が施される端部14のオーステナイト結晶粒度を6以上、表層部の硬さをHv200以上Hv300以下にする第二の処理と、内輪軌道面10aとなる部分に対して、高周波焼入れ及び焼戻しを施す第三の処理と、を行うことで製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するための車輪支持用転がり軸受ユニット及びそのハブ輪の製造方法に関する。
この種の車輪支持用転がり軸受ユニットの一例として、外周面に軌道面を有するハブ輪と、このハブ輪の一部に固定され且つ外周面に軌道面を有する内輪と、内周面にハブ輪及び内輪の軌道面に対する複列の軌道面を有する外輪と、ハブ輪及び内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備えた車輪支持用転がり軸受ユニットが知られている。
この転がり軸受ユニットでは、部品点数を低減することによる生産性の観点や、ユニットの小型化及び軽量化の観点から、ハブ輪への内輪の固定を、ナットによる締結ではなく
、ハブ輪の端部をかしめ拡げて行うことが一般的である。
このため、ハブ輪の端部をかしめ拡げる際に、この端部に材料の延性の限界を超えた加工が施されると、最も加工度が高くなる部分(例えば、ハブ輪の端部)に微小なひび割れが生じる場合がある。
よって、車輪支持用転がり軸受ユニットで使用されるハブ輪には、必要な転がり疲れ寿命及び切削性を有し、且つ、かしめ加工が施される部分に必要なかしめ加工性を有することが要求されている。
特許文献1では、ハブ輪の軌道面に焼入れ及び焼戻しを施して、その表層部の硬さをHv550〜900程度とするとともに、ハブ輪のかしめ端部には焼入れを施さずに、その表層部の硬さをHv200〜Hv300程度とし、且つ、かしめ端部をなす結晶粒の平均断面積を0.030mm2 以下(オーステナイト結晶粒度7以上)とすることが提案されている。
特開2001−239803号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、かしめ固定されるハブ輪の端部における結晶粒径を鍛造加工後の冷却速度により調整しているため、結晶粒の微細化が十分ではなく、必要なかしめ加工性が得られない場合がある。実際は、1000℃〜1200℃で熱間鍛造されるため、結晶粒度で6以上を得ることはできない。
そこで、本発明は、ハブ輪に内輪がかしめ固定される車輪支持用転がり軸受ユニットで使用されるハブ輪を、必要な転がり疲れ寿命及び切削性を有し、且つ、必要なかしめ加工性を有するように製造することを課題としている。
このような課題を解決するために、本発明は、外周面に軌道面を有するハブ輪と、このハブ輪の一部に固定され且つ外周面に軌道面を有する内輪と、内周面に前記ハブ輪及び前記内輪の軌道面に対する複列の軌道面を有する外輪と、前記第ハブ輪及び前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備え、前記ハブ輪の一部にかしめ加工を施すことで、前記ハブ輪に前記内輪がかしめ固定される車輪支持用転がり軸受ユニットの前記ハブ輪を製造する方法において、C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼からなる素材を所定形状に加工する第一の処理と、かしめ加工が施される部分に対して、誘導加熱によりAc1変態点以上に加熱保持し、その後、下部臨界冷却速度未満の速度で冷却することにより、前記かしめ加工が施される部分をなす表層部のオーステナイト結晶粒度を6以上とし、その表層部の硬さをHv200以上Hv300以下にする第二の処理と、軌道面となる部分に対して、高周波焼入れ及び焼戻しを施す第三の処理と、を行うことを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪の製造方法を提供する。
以下、本発明で用いる素材と熱処理方法について説明する。
<素材:C含有率が0.45〜0.70質量%の鋼>
ハブ輪を構成する素材として、C含有率が0.45質量%未満の鋼を用いると、ハブ輪の軌道面に必要な転がり疲れ寿命が得られなくなる。一方、ハブ輪を構成する素材として
、C含有率が0.7質量%よりも大きい鋼を用いると、かしめ加工が施される部分が硬くなり過ぎて、必要なかしめ加工性が得られなくなる。
なお、本発明で用いる鋼としては、例えば、炭素鋼や低合金鋼が挙げられる。
<ハブ輪のかしめ加工が施される部分に対する熱処理について>
ハブ輪のかしめ加工が施される部分には、かしめ固定可能な硬さを備えるために、その表層部の硬さがHv200以上Hv300以下で、その表層部のオーステナイト結晶粒度が6以上となるような熱処理を施す。
ここで、かしめ加工が施される部分をなす表層部の硬さをHv300よりも硬くすると、かしめ固定ができなくなるとともに、かしめ割れが生じたり、かしめ治具に摩耗が生じたりする。一方、前記表層部の硬さをHv200未満とすると、ハブ輪に必要な耐久性が得られなくなるとともに、長時間の熱処理が必要となる。
また、かしめ加工が施される部分をなす表層部のオーステナイト結晶粒度が6未満となると、オーステナイト結晶粒界に成長するフェライト面積率が少なくなるため、前記表層部が硬くなりすぎて、かしめ固定ができなくなる。一方、前記表層部のオーステナイト結晶粒度を大きくし過ぎると、ハブ輪に必要な耐久性が得られなくなるとともに、長時間の熱処理が必要となるため、前記表層部のオーステナイト結晶粒度は6以下とすることが好ましい。
通常、オーステナイト結晶粒度は、成形加工時の条件(例えば、鍛造温度や加工度)で決まる。ここで、かしめ加工が施される部分をなす表層部のオーステナイト結晶粒度を6以上にするためには、鍛造等の成形加工を1000℃以下の低温で行う必要があるが、低温で加工すると、複雑な形状のハブ輪を精度よく成形できなくなる。
そこで、本発明では、まず、複雑な形状のハブ輪を成形可能な温度(例えば、1100℃)で成形する第一の処理を行った後に、ハブ輪のかしめ加工が施される部分に対して、誘導加熱によりAc1変態点以上の温度(例えば、900℃)に加熱した後、下部臨界冷却速度よりも遅い速度(例えば、5℃/sec未満)で冷却する第二の熱処理を行う。これにより、第一の処理後に形成されたフェライト+パーライト組織が再度オーステナイト組織になった後、オーステナイト組織から再度フェライト+パーライト組織になる。
この方法によれば、第一の処理時の成形を高温で行うことで、複雑な形状のハブ輪を精度よく成形できるとともに、かしめ加工が施される部分をなす表層部のオーステナイト結晶粒度を微細にできる。よって、オーステナイト結晶粒界に成長するフェライトの面積率が大きくなり、かしめ加工が施される部分をなす表層部の硬さが低く、延性が向上するため、かしめ加工性が良好になる。
なお、第二の処理で施される誘導加熱は、誘導電流により表層部のみを加熱する熱処理であるが、この熱処理により、かしめ加工時に最も加工度が高くなる部分(かしめ加工が施される部分)の延性を向上させることができるため、かしめ加工が施される部分での微小なひび割れの抑制に高い効果が得られる。
<軌道面に対する熱処理について>
軌道面となる部分には、必要な転がり疲れ寿命が得られる硬さ(例えば、Hv650以上Hv800以下)が得られるように、高周波焼入れ及び焼戻しを施す。
また、本発明に係る車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪の製造方法において、かしめ加工が施される部分に対する第二の処理は、軌道面に対する第三の処理前に、又は、第三の処理と同時に、行うことが好ましい。
これによれば、かしめ加工が施される部分に対する第二の処理の熱伝導により、軌道面の焼入れ硬さが低下することなく、軌道面に必要な転がり疲れ寿命が得られる。
本発明はまた、外周面に軌道面を有するハブ輪と、このハブ輪の一部に固定され且つ外周面に軌道面を有する内輪と、内周面に前記ハブ輪及び前記内輪の軌道面に対する複列の軌道面を有する外輪と、前記ハブ輪及び前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備え、前記ハブ輪の一部にかしめ加工を施すことで、前記ハブ輪に前記内輪がかしめ固定される車輪支持用転がり軸受ユニットにおいて、前記ハブ輪は、C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼から構成され、かしめ加工が施される部分は、オーステナイト結晶粒度が6以上で、その表層部の硬さがHv200以上Hv300以下であることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットを提供する。
なお、本発明においてハブ輪とは、車軸を内嵌するハブと軌道輪とが一体に形成されたものを指し、車輪に固定されるフランジが形成されているものであってもよい。
本発明によれば、C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼からなる素材を所定形状に加工する第一の処理と、かしめ加工が施される部分に対して、オーステナイト結晶粒度を6以上とし、その表層部の硬さをHv200以上Hv300以下にする第二の処理と、軌道面となる部分に対して、必要な転がり疲れ寿命が得られる強度にする第三の処理と、を行うことにより、軌道面には必要な転がり疲れ寿命を有し、かしめ加工が施される部分には必要なかしめ加工性を有するハブ輪を精度よく製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る車輪支持用転がり軸受ユニットの一例を示す断面図である。
この車輪支持用転がり軸受ユニットは、図1に示すように、ハブ輪10と、内輪20と
、外輪30と、複数の転動体40と、保持器50と、を備えている。
ハブ輪10のアウトボード側(自動車への組み付け状態で車幅方向外側の端部であり、図1では左端部を指す)には、パイロット部11と車輪取付用フランジ12が設けられている。この車輪取付用フランジ12の側面には、図示しない車輪及びブレーキロータを取り付けるハブボルト60用のボルト穴12aが、周方向に略等間隔で複数設けられている
一方、ハブ輪10のインボード側(自動車への組み付け状態で車幅方向内側の端部であり、図1では右端部を指す)には、小径段部13が形成されている。この小径段部13には、内輪20が外嵌されている。また、ハブ輪10の軸方向の中間部外周面には、内輪軌道面10aが形成されており、内輪20の外周面には、内輪軌道面20aが形成されている。
また、ハブ輪10のインボード側における円筒状の端部(かしめ加工が施される部分)14は、径方向外方にかしめ加工が施されて、ハブ輪10の小径段部13に内輪20が固定されている。
外輪30の内周面には、ハブ輪10及び内輪20の内輪軌道面10a,20aに対する複列の外輪軌道面30a,30bが形成されている。この外輪30において、ハブ輪10の車輪取付用フランジ12から離間する側の端部には、懸架装置取付用フランジ31が設けられている。
そして、内輪軌道面10a,20aと、外輪軌道面30a,30bとの間には、複数の転動体40が保持器50を介して転動自在に配置されている。
上記構成の車輪支持用転がり軸受ユニットを自動車に組み付けるには、非回転側である外輪30の懸架装置取付用フランジ31を図示しない懸架装置に固定し、回転側であるハブ輪10の車輪取付用フランジ12に、図示しないブレーキロータ及び車輪を固定する。これにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持することができる。
本実施形態では、上述した図1に示す車輪支持用転がり軸受のハブ輪10を、以下に示す手順で製造した。
まず、C含有率が0.5質量%の炭素鋼からなる丸棒(直径6mm)に対して、100 0〜1200℃で鍛造処理を施した後、旋削処理を施して成形した(第一の処理)。
次に、ハブ輪10のかしめ加工が施される端部14に、以下に示す高周波誘導加熱処理を施して、Ac1変態点以上の温度(900℃)まで加熱した後、下部臨界冷却速度(5℃/sec)よりも遅い冷却速度で以下に示す冷却処理を施した(第二の処理)。
なお、高周波誘導加熱処理は、高周波加熱(周波数30kHz、電圧200V、電流200A)により800〜1200℃で10〜15秒加熱保持することで行った。また、冷却処理は、水冷(冷却速度50℃/sec)、ガス冷(冷却速度3℃/sec)、空冷(冷却速度0.5℃/sec)のいずれかを行った。
次に、ハブ輪10の内輪軌道面10aとなる部分に、以下に示す高周波焼入れ処理及焼戻し処理を施した(第三の処理)。
なお、高周波焼入れ処理は、高周波加熱(周波数30kHz、電圧200V、電流200A)により850〜950℃で10〜15秒加熱保持することで行った。また、焼戻し処理は、180℃で2時間加熱保持した後、空冷することにより行った。
また、本実施形態では、比較例として、上述した図1に示す車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪10を、上述した第二の処理を行わずに、第一の処理後に第三の処理を施して作製した。
さらに、本実施形態では、比較例として、上述した図1に示す車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪10を、上述した第三の処理を行わず、第一の処理後に第二の処理を施して作製した。
このようにして得られたハブ輪10の破壊検査用サンプルを用いて、かしめ加工が施される端部14のオーステナイト結晶粒度(γ粒度)と表層部の硬さを測定した。これらの結果を、表1に併せて示した。
オーステナイト結晶粒度は、以下に示す手順で測定した。まず、かしめ加工が施される端部14を研磨した面をエッチング液で腐食させることにより、オーステナイト結晶粒を現出させた。次に、現出させたオーステナイト結晶粒の大きさを光学顕微鏡(100倍)で観察して、JIS G 0551に規定された結晶粒度標準図に基づいて、結晶粒度を算出した。
表層部の硬さは、かしめ加工が施される端部14の表面から100μmの深さ位置での硬さを、JIS Z 2211に規定されたビッカース硬さ試験法により測定した。
また、得られたハブ輪10の破壊検査用サンプルを用いて、かしめ加工性評価試験を行った。この試験は、かしめ加工が施される端部14に、かしめ荷重を127MN(15ton)とし、揺動速度を300min-1とした条件下でかしめ加工を施した後、その端部14の表面における亀裂の有無を目視により観察した。そして、各サンプルで10個の試験を行い、10個のサンプルのうち1個でも亀裂が発生していたものを不合格「×」とし、10個のサンプル全てに亀裂が発生していなかったものを合格「○」として、表1に併せて示した。
次に、得られたハブ輪10の寿命試験用サンプルを、上述した図1に示す車輪支持用転がり軸受ユニットに組み込んだ後、この転がり軸受ユニットの外輪30を懸架装置取付用フランジ31を懸架装置に固定し、ハブ輪10の車輪取付用フランジ12に車輪を固定した状態で、寿命試験を行った。この寿命試験は、車輪側からの旋回荷重を0.6Gとし、回転速度を400min-1とした条件で、ハブ輪10を回転させることで行った。そして
、ハブ輪10の内輪軌道面10aに剥離が生じるまでの時間を寿命とし、No.8の寿命を1とした時の比を、表1に併せて示した。
Figure 2007321196
表1に示すように、ハブ輪10のかしめ加工が施される端部14において、オーステナイト結晶粒度が6以上で、表層部の硬さがHv200以上Hv300以下のNo.1〜No.6では、No.7〜No.11と比べて、必要な転がり疲れ寿命と優れたかしめ加工性が得られた。
一方、No.8〜No.10では、ハブ輪10のかしめ加工が施される端部14のオーステナイト結晶粒度が6未満であったため、優れたかしめ加工性が得られなかった。また、No.11では、ハブ輪10の内輪軌道面10aに高周波焼入れが施されていないため、必要な転がり疲れ寿命が得られなかった。
以上の結果から、車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪10を、C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼からなる素材を所定形状に加工した後、かしめ加工が施される端部14に対して、オーステナイト結晶粒度を6以上とし、その表層部の硬さをHv200以上Hv300以下となるような熱処理を施し、その後、内輪軌道面10aとなる部分に対して、必要な転がり疲れ寿命が得られるような熱処理を施すことにより、内輪軌道面10aには必要な転がり疲れ寿命が得られ、かしめ加工が施される端部14には優れたかしめ加工性が得られることを確認できた。
本発明に係る車輪支持用転がり軸受ユニットの一例を示す断面図である。
符号の説明
10 ハブ輪
10a 内輪軌道面
14 かしめ加工が施される端部(かしめ加工が施される部分)
20 内輪
20a 内輪軌道面
30 外輪
30a 外輪軌道面
40 玉(転動体)

Claims (3)

  1. 外周面に軌道面を有するハブ輪と、このハブ輪の一部に固定され且つ外周面に軌道面を有する内輪と、内周面に前記ハブ輪及び前記内輪の軌道面に対する複列の軌道面を有する外輪と、前記第ハブ輪及び前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備え、前記ハブ輪の一部にかしめ加工を施すことで、前記ハブ輪に前記内輪がかしめ固定される車輪支持用転がり軸受ユニットの前記ハブ輪を製造する方法において、
    C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼からなる素材を所定形状に加工する第一の処理と、
    かしめ加工が施される部分に対して、誘導加熱によりAc1変態点以上に加熱保持し、その後、下部臨界冷却速度未満の速度で冷却することにより、前記かしめ加工が施される部分のオーステナイト結晶粒度を6以上とし、その表層部の硬さをHv200以上Hv300以下とする第二の処理と、
    軌道面となる部分に対して、高周波焼入れ及び焼戻しを施す第三の処理と、
    を行うことを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪の製造方法。
  2. 前記第二の処理は、前記第三の処理前に、又は、前記第三の処理と同時に、行うことを特徴とする請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受ユニットのハブ輪の製造方法。
  3. 外周面に軌道面を有するハブ輪と、このハブ輪の一部に固定され且つ外周面に軌道面を有する内輪と、内周面に前記ハブ輪及び前記内輪の軌道面に対する複列の軌道面を有する外輪と、前記ハブ輪及び前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に転動自在に配置される複数の転動体と、を備え、前記ハブ輪の一部にかしめ加工を施すことで、前記ハブ輪に前記内輪がかしめ固定される車輪支持用転がり軸受ユニットにおいて、
    前記ハブ輪は、C含有率が0.45質量%以上0.70質量%以下の鋼から構成され、かしめ加工が施される部分は、オーステナイト結晶粒度が6以上で、その表層部の硬さがHv200以上Hv300以下であることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニット。
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