JP5331347B2 - 包装袋および内容物入り包装袋 - Google Patents
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Description
このような包装袋の開封には、通常、ハサミなどの道具が使用される。道具を使用せずに包装袋を開封する方法としては、ヒートシールした箇所にノッチや傷痕などの開封開始部を設ける方法等が挙げられる。
また、特許文献2には、背貼り部分の端縁に、横方向の短い傷痕が配置されたピロー形式の包装袋が開示されている。
しかし、特許文献1、2に記載の包装袋のように、合掌貼り部を袋の前面や背面に備えたピロー形の包装袋では、通常、合掌貼り部が備わる面のほぼ中央に合掌貼り部が位置することになり、印刷の内容によっては合掌貼り部が備わる面の意匠性が損なわれることがあった。合掌貼り部を袋の前面や背面に備えたガゼット形の包装袋の場合も同様である。
このような包装袋として、例えば特許文献3には、筒状フィルムシートの側端部に縦シール部が形成されたガゼット袋状容器が開示されている。該ガゼット袋状容器の縦シール部には、そのシール部外端側から内端側に亘って易剥離性シール領域が設けられており、袋状容器の側部全周に亘って帯状に切り裂き開封可能になっている。
さらに、前記フィルムが、前記合掌貼り部の長手方向と直交する方向に配向した一軸延伸フィルムを含むことが好ましい。
また、前記合掌貼り部が無色透明であることが好ましい。
さらに、前記第二の面が、V字状に折り込まれたガゼット部を有することが好ましい。
また、本発明によれば、包装袋の全面に印刷を施しても意匠性を保持できる。
図1は、本発明の包装袋において使用する筒状のフィルム10の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す筒状のフィルム10の部分拡大図である。
この例の筒状のフィルム10は、フィルムの両端をヒートシールした合掌貼り部11が形成され、該合掌貼り部11の形成された第一の面12と、該第一の面12に隣接した第二の面13との間に角部14が形成されている。また、合掌貼り部11は、前記角部14の近傍に位置し、かつ第一の面12の中央側に折り返されている。
なお、図1に示すように、筒状のフィルム10の幅をw1とする。
距離d1が筒状のフィルム10の幅w1の15%以内であれば、第一の面12に印刷を施す場合に合掌貼り部が邪魔になりにくく、意匠性を保持できる。
なお、合掌貼り部11は、無色透明であることが好ましい。合掌貼り部11が無色透明であれば、合掌貼り部11を折り返した際に第一の面12と重なる部分に印刷が施されていても、その印刷は合掌貼り部11によって隠されにくく、意匠性が損なわれにくい。また、合掌貼り部11は、後述する開封開始部が設けられた箇所の付近に、矢印などの開封開始部表示を印刷してもよい。開封開始部表示は、包装袋を開封する際に合掌貼り部11を摘む箇所の指標となる。
開封開始部15としては、I型、V字型、U字型、ペンタゴン型などのノッチ、弱化線、ティアテープなどが挙げられる。また、開封開始部15を設ける箇所の合掌貼り部の表面を、例えば紙やすり、砥石などを用いて粗面状に処理したり、金属刃、レーザー光線などを用いて傷痕を付与させたりしてもよい。粗面状に処理された部分や、傷痕が付与された部分は、フィルムが貫通している状態であってもよく、フィルムが完全には貫通していない半貫通の状態であってもよい。
積層フィルムを形成する内層、すなわち筒状のフィルム11の内側に位置する層を構成する材料としては、熱融着可能なフィルムを用いるのが好ましく、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンの未延伸フィルムからなるシーラントフィルムが挙げられる。中でも、衝撃強度物性に優れる点で、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、これらの樹脂を押出ラミネートにより、後述する外層または中間層上に押し出したものを内層としてもよい。
内層を構成するシーラントフィルムまたは樹脂の厚さは、10〜70μmが好ましい。
外層を構成するフィルムの厚さは、6〜30μmが好ましい。
中間層を構成するフィルムの厚さは、6〜30μmが好ましい。
一軸延伸フィルムは、上述した外層または中間層に設けるのが好ましい。また、一軸延伸フィルムの厚さは、6〜30μmが好ましい。
また、例えばフィルムの長手方向と包装袋の天地方向が一致するように包装袋を製造する場合、一軸延伸フィルムとしては横一軸延伸フィルムを用いる。ここで、包装袋の天地方向とは、包装袋の底部と、該底部に対向する天井部が位置する方向のことである。また、横一軸延伸フィルムの「横」とは、フィルムの長手方向と直交する方向のことであり、フィルムの配向方向を示す。
なお、筒状のフィルムが単層フィルムの場合、単層フィルムとしては、積層フィルムの内層を構成する材料、すなわちシーラントフィルムを用いるのが好ましい。ただし、この場合、シーラントフィルムは未延伸フィルムの場合が多く、引き裂き性に欠けることから、開封開始部としては弱化線、ティアテープを用いるのが望ましい。
まず、積層フィルムの内層を内側にして、図1に示すように、積層フィルムの両端をヒートシールして合掌貼り部11を形成する。該合掌貼り部11を第一の面12の中央側に折り返しつつ、合掌貼り部11が角部14の近傍に位置するように、第一の面12に隣接する第二の面13および第三の面16をV字状に折り込み、ガゼット部17を形成する。長手方向と直交するように適宜の寸法で裁断し、筒状のフィルム10とする。
また、合掌貼り部11の所定の位置に、開封開始部15を設け、包装袋1とする。なお、開封開始部15を設けるタイミングは特に限定されない。
また、ノッチやティアテープなどの開封開始部を設けているので、ハサミなどの道具を使用しなくても容易に開封できる。例えば、開封開始部としてノッチを設け、さらに合掌貼り部の長手方向と直交する方向に配向した一軸延伸フィルムを用いた包装袋の場合、合掌貼り部のノッチの両側を摘んで引き裂くことで、図6に示すように、引き裂き方向が正規の引き裂きライン相当部の方向に沿って内容物入り包装袋2を開封できると共に、開封形状が揃いやすくなる。
従って、本発明の包装袋および内容物入り包装袋は、道具を使用することなく開封できる。また、合掌貼り部のみを容易に掴むことができるので、開封性にも優れる。さらに、合掌貼り部が角部の近傍に位置するので、印刷を施す場合でも意匠性が損なわれにくい。
[実施例1]
<フィルムの構成>
フィルムとして、内層、中間層、外層が順次積層した積層フィルムを用いた。各層の構成およびフィルムの作製方法は以下の通りである。
中間層:電気化学工業社製の横一軸延伸フィルム「カラリヤンY」、厚さ18μm。
外層:ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム、厚さ12μm。
押出ラミネートにより、外層と中間層との間に、厚さが15μmになるようにポリエチレン樹脂を押し出すと共に、内層として、厚さ20μmのポリエチレン樹脂を押し出して、積層フィルムを作製した。
前記積層フィルムを用い、内層が内側になるように積層フィルムの両端をヒートシールし、第一の面とこれに隣接する第二の面との間に形成される角部の近傍に位置するように、合掌貼り部を形成した。さらに、該合掌貼り部が形成された第一の面の中央側に合掌貼り部を折り返すと共に、第一の面に隣接する第二の面および第三の面をV字状に折り込み、ガゼット部を形成し、合掌貼り部の所定の位置に開封開始部としてノッチを設け、図1に示すような筒状のフィルム10を作製した。
ついで、筒状のフィルム10の下端をヒートシールして、図4に示すように底部18を形成し、合掌貼り部11が第一の面12の中央側に折り返され、かつ、角部14の近傍に位置した包装袋1を製造した。
内層としてポリエチレン樹脂の代わりに、厚さ20μmのヒートシール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、外層としてポリエチレンテレフタレートの代わりに、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、内層、中間層、外層の各層をドライラミネートにより貼り合わせた積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして包装袋を製造した。
実施例2で得られた包装袋は、道具を使用することなく開封でき、かつ合掌貼り部のみを容易に摘むことができ、開封性に優れていた。
内層としてポリエチレン樹脂の代わりに、厚さ20μmのヒートシール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、内層、中間層、外層の各層をドライラミネートにより貼り合わせた積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして包装袋を製造した。
実施例3で得られた包装袋は、道具を使用することなく開封でき、かつ合掌貼り部のみを容易に摘むことができ、開封性に優れていた。
Claims (6)
- フィルムの両端をヒートシールした合掌貼り部が形成され、該合掌貼り部の形成された第一の面と、該第一の面に隣接した第二の面との間に角部が形成され、前記合掌貼り部に一つのノッチが設けられた包装袋において、
前記合掌貼り部は前記角部の近傍に位置し、かつ第一の面の中央側に折り返され、
前記合掌貼り部のノッチの両側を摘んで引き裂かれることで、二分割に開封されることを特徴とする包装袋。 - 前記フィルムが積層フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
- 前記フィルムが、前記合掌貼り部の長手方向と直交する方向に配向した一軸延伸フィルムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
- 前記合掌貼り部が無色透明であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装袋。
- 前記第二の面が、V字状に折り込まれたガゼット部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装袋。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の包装袋に、内容物が収容されたことを特徴とする内容物入り包装袋。
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