JP5330821B2 - ディスクブレーキのピストン変位量測定方法およびその方法に使用する装置 - Google Patents
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Description
ところでキャリパアッセンブリの状態におけるピストンの戻り量は、上記ピストンリトラクション機構とキャリパの変形やパッドの圧縮歪みの総合的な結果として通常1mm以下の値を示すことが良いとされている(非特許文献1)。
このため、ピストンの戻り量試験方法の一例として前記自動車規格に記載されているようなダイヤルゲージによるもの等が提案されている。
ディスクロータを跨いで配置するディスクブレーキのキャリパ2に、ロータ1に対向する少なくとも1個のシリンダ3を設け、前記シリンダに挿入したピストン4でブレーキパッド7を押圧して前記ディスクロータに摺接しブレーキを働かせることができるようにしたディスクブレーキにおいて、
前記ディスクロータにギャップセンサ10を設けるとともに前記ピストン4には前記ギャップセンサ10のターゲットを配置し、前記ギャップセンサ10の先端部は前記ピストンで押圧される摩擦パッドに形成した孔を介して前記ターゲット21に対向して配置されており、さらに、前記ピストン変位測定装置は、前記ピストン4とシリンダ3によって形成された液圧室5と、この液圧室に導入される液圧と、導入された液圧により、前記ピストン4を前進させてブレーキ作動状態にすることができ、さらに前記ブレーキパッドによるブレーキ作動状態の時に前記ギャップセンサ10とターゲット21とによりピストン移動量を測定し、ついで、前記液圧室5の液圧を開放しピストン4が初期位置に復帰した状態の時にギャップセンサ10とターゲットとによりピストン移動量を測定し、両測定値にもとづいて実際のピストン4の変位量を測定できるようにしたことを特徴とするピストン変位測定装置である。
また、前記ギャップセンサはディスクロータに孔を設け、同孔にアタッチメントを介して取り付けられていることを特徴とするピストン変位測定装置である。
また、前記アタッチメントはディスクロータに取り付けられていることを特徴とするピストン変位測定装置である。
また、前記ギャップセンサは前記アタッチメントに軸方向への変位が可能なようにネジ結合して取り付けられていることを特徴とするピストン変位測定装置である。
なお、本ピストン変位量測定装置は、ピストン対向型ディスクブレーキに限らず、当然のことながらピストンが片側にあるフローティング型ディスクブレーキのピストン変位量測定にも使用することができる。
図1において、ディスクブレーキは、ディスクロータ(以降ロータという)1と、このロータ1を跨ぐように配置されたキャリパ2とを備えており、ロータの左右キャリパ2には少なくとも1個以上のシリンダ3が左右それぞれ同数形成され、そのシリンダ3内にピストン4が軸方向に摺動自在に配置されている。前記ピストン4はロータ1を挟んで対向して配置されている。
アタッチメント9を介してピストン4に取り付けられたギャップセンサ10の先端部は、ブレーキパッド7に形成した孔11を介してロータ1の側面に対向して配置されている。またギャップセンサ10は図示せぬリード線を介して不図示のセンサ表示部に接続されている。図1中、符号40はキャリパの変形を測定するダイヤルゲージである。
アタッチメントを図3に示すようにA部材、B部材によって構成し、B部材をA部材内に螺合できる構成とする。またギャップセンサ10は外周に傾斜面を有する深さ調整ナット15を備えた構成とする。このアタッチメントでは、アタッチメントのA部材をピストン4に取り付けた後、深さ調整ナット15にてセンサ長さを調整し、つづいてB部材をA部材にネジ結合することによりナット15の傾斜面によりギャップセンサ10をアタッチメントの中心部に位置決めすることができる。
図4において、ピストン4の穴に固定するアタッチメント9は全てゴム材で構成し、中央部にギャップセンサ10を取り付けることができる穴16を形成する。アタッチメント9の外周は多少凹凸のある表面とし、また、アタッチメント9の表側一面には適宜形状をしたアタッチメント引き抜き用の突起17を形成しておく。アタッチメント9をピストン4に固定した状態でギャップセンサ10をギャップセンサ10とアタッチメント9とのシメシロを利用してアタッチメントに取り付ける。この構成では、ギャップセンサ10がピストン4にセンタリングが可能であり、またアタッチメント9の外周面の剛性を落とす為凹凸とさせたことによりアタッチメント9をピストン4に容易に挿入をさせ固定することができる。また、突起17を利用してアタッチメント9をピストン4から容易に取り外すことができる。
ピストン4とシリンダ3によって形成された液圧室5に液圧を導入すると、ピストン4が前進し、ピストン4に押圧されたブレーキパッド7がロータ面を押し、ブレーキ作動状態を再現することができる。このときブレーキパッドも反作用でロータに押圧されるため圧縮され僅かに歪む。このブレーキ作動状態の時にギャップセンサ10によりギャップ先端部とロータ1の押圧面との距離Xを測定する。
前記したブレーキ作動時のギャップセンサとロータ1との距離およびブレーキ開放時のギャップセンサとロータ1との距離から、実際のピストン4の変位量を正確に測定することができる。
なお、ダイヤルゲージ40はキャリパ剛性(キャリパの一次変形)を測定するための変位計であり、非接触型としても良い。
図5は、ギャップセンサをロータ側に取り付けた状態の断面図である。
図5(イ)(ロ)においてロータ1にはギャップセンサ10を取り付けるためのネジ孔18を形成する。ネジ孔18に螺合するネジ部材19は円筒状に形成されており、このネジ部材の中心部に(ロ)に示すように両側からギャップセンサ10を螺合することができる構成となっている。また、ピストン4に固定するブレーキパッド7には孔22を開け、その孔22内にギャップセンサ10のターゲット(適宜太さを有する棒状体)21を挿入し、そのターゲット21の端部をピストン4内に設けた硬質ゴム20に差し込み保持する。
図6〜9においてロータ1の左右面にはアタッチメント23を固定する孔30が形成されており、この孔30に連通してリード線28を通すためのスリット29が形成されている。ロータ1の孔には左右からアタッチメント23が適宜手段で前記孔30内に固定される。
ロータ1に固定したアタッチメント23には左右からギャップセンサ10が挿入固定される。アタッチメント23とギャップセンサ10との固定はネジまたはアタッチメントの変形を利用した方法等が採用できる。
ギャップセンサ10はピストン4に固定されたターゲット24との距離Xを計測することでピストン変位量を測定することができる。
ピストン変位量測定装置は、静的なテストであるため、制動トルクは入力されないことから、ギャップセンサをロータ1に取り付けることを可能としている。
〔0010〕にも記載したが、フローティング型ディスクブレーキにもこの発明を利用することができる。
図10にフローティング型ディスクブレーキに本発明を適用した例を示す。図10において、左側ピストン4の中心部にはロータ側に開口した円筒状の穴8が形成されており、この穴の底に金属等からなるアタッチメント9が取り付けられ、このアタッチメント9にギャップセンサ10が取り付けられている。なお、アタッチメント9の形状は上述した対向型ディスクブレーキに使用のものを採用することができる。アタッチメントを介してピストン4に取り付けられたギャップセンサ10の先端部は、ブレーキパッド7に形成した孔11を介してロータ1の側面に対向して配置されている。またギャップセンサ10は図示せぬリード線を介して不図示のセンサ表示部に接続されている。
この構成により、フローティング型ディスクブレーキでもキャリパの爪側形状が複雑であったりサポートのアウタブリッジの形状が特殊形状であって計測上問題なく、非接触で安定した、ピストン変位量を測定することが出来る。
さらに、実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
2 キャリパ
3 シリンダ
4 ピストン
5 液圧室
6 シール
7 ブレーキパッド
8 穴
9 アタッチメント
10 ギャップセンサ
11 孔
12 スリット
13 アルミ部材
14 ゴム部
15 調整ナット
17 突起
18 ネジ孔
19 ネジ部材
20 硬質ゴム
21 ターゲット
22 孔
23 アタッチメント
24 ターゲット
25 円形リング
26 テーゲット板
28 リード線
29 スリット
30 孔
Claims (4)
- ディスクロータを跨いで配置するディスクブレーキのキャリパ2に、ロータ1に対向する少なくとも1個のシリンダ3を設け、前記シリンダに挿入したピストン4でブレーキパッド7を押圧して前記ディスクロータに摺接しブレーキを働かせることができるようにしたディスクブレーキにおいて、
前記ディスクロータにギャップセンサ10を設けるとともに前記ピストン4には前記ギャップセンサ10のターゲットを配置し、前記ギャップセンサ10の先端部は前記ピストンで押圧される摩擦パッドに形成した孔を介して前記ターゲット21に対向して配置されており、さらに、前記ピストン変位測定装置は、前記ピストン4とシリンダ3によって形成された液圧室5と、この液圧室に導入される液圧と、導入された液圧により、前記ピストン4を前進させてブレーキ作動状態にすることができ、さらに前記ブレーキパッドによるブレーキ作動状態の時に前記ギャップセンサ10とターゲット21とによりピストン移動量を測定し、ついで、前記液圧室5の液圧を開放しピストン4が初期位置に復帰した状態の時にギャップセンサ10とターゲットとによりピストン移動量を測定し、両測定値にもとづいて実際のピストン4の変位量を測定できるようにしたことを特徴とするピストン変位測定装置。 - 前記ギャップセンサはディスクロータに孔を設け、同孔にアタッチメントを介して取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のピストン変位測定装置。
- 前記アタッチメントはディスクロータに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のピストン変位測定装置。
- 前記ギャップセンサは前記アタッチメントに軸方向への変位が可能なようにネジ結合して取り付けられていることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載のピストン変位測定装置。
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