JP5329197B2 - 貼付剤包装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、貼付剤と、該貼付剤を収容する包装体とを備える貼付剤包装構造に関する。
貼付剤は、傷口の保護、あるいは生理活性成分の生体への投与のために簡便かつ効果的な剤形である。しかし、その平面状の形状のため大きな表面積を有するので、その品質は貼付剤外部の環境からの影響を受けやすい。したがって、その包装構造には改良の余地がある。
特開2001−9985号公報(特許文献1)は、低密度ポリエチレン(以下「LDPE」という)層上に、無機フィラーを分散させたLDPE層、アルミニウム箔、及び高密度ポリエチレン(以下「HDPE」という)層をこの順にラミネートした包装材を用いた貼付剤包装構造を開示している。しかし、かかる貼付剤包装構造は、包装体の最内層がLDPEでできているので、これが生理活性成分を吸着して、貼付剤の生理活性成分の含量を低下させる恐れがある。また、LDPE層は剛性に乏しいので、包装体が外部から物理的衝撃を受けたときに貼付剤がかかる衝撃の影響を受けやすい。
特開2001−9985号公報
上記の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、外部からの物理的衝撃に対する貼付剤の保護効果に優れる、貼付剤包装構造を提供することである。
また、貼付剤の保管中に、その保管環境(貼付剤の包囲環境)を極度の乾燥条件にすることなく、貼付剤の粘着剤層の吸湿を効果的に抑制し得る、貼付剤包装構造を提供することである。
また、貼付剤の保管中に、貼付剤の生理活性成分を安定に保持し得る貼付剤包装構造を提供することである。
また、包装材のヒートシール性が良好で、包装体の製造が容易な、貼付剤包装構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採る。
(1)貼付剤と、該貼付剤を収容する包装体とを備える貼付剤包装構造であって、
該貼付剤は、支持体と、該支持体の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを含み、
該包装体は、第一包装材を含み、
該第一包装材は、アクリロニトリル系樹脂層と、該アクリロニトリル系樹脂層上に設けられた水分吸収性層と、該水分吸収性層上に設けられた水分不透過性層とを含み、
該アクリロニトリル系樹脂層が、該貼付剤の近位側に位置することを特徴とする、貼付剤包装構造。
(2)包装体が、第二包装材をさらに含み、第一包装材と第二包装材のいずれか一方が容体状の形状であり、いずれか他方がシート状の形状である、上記(1)記載の貼付剤包装構造。
(3)包装体が、第二包装材をさらに含み、第一包装材と第二包装材が共にシート状の形状である、上記(1)記載の貼付剤包装構造。
(4)貼付剤が生理活性成分を含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の貼付剤包装構造。
(5)第一包装材が、アクリロニトリル系樹脂層と水分吸収性層の間に水分透過制御層をさらに設けたものである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼付剤包装構造。
(6)アクリロニトリル系樹脂が、アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の貼付剤包装構造。
(7)アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、少なくとも、アクリロニトリルと、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを構造単位として含む共重合体である、上記(6)記載の貼付剤包装構造。
(8)アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、少なくとも、アクリロニトリルと、ブタジエンとを構造単位として含む共重合体である、上記(6)記載の貼付剤包装構造。
(9)アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、アクリロニトリルと、ブタジエンと、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを構造単位として含む共重合体である、上記(6)記載の貼付剤包装構造。
(10)第一包装材及び第二包装材が実質的に平面状である上記(3)記載の貼付剤包装構造。
(11)第二包装材が、アクリロニトリル系樹脂層と、該アクリロニトリル系樹脂層上に設けられた水分吸収性層と、該水分吸収性層上に設けられた水分不透過性層とを含み、
該アクリロニトリル系樹脂層が、貼付剤の近位側に位置してなる、上記(2)〜(10)のいずれかに記載の貼付剤包装構造。
(12)第二包装材が、アクリロニトリル系樹脂層と水分吸収性層の間に水分透過制御層をさらに設けたものである、上記(11)に記載の貼付剤包装構造。
(13)アクリロニトリル系樹脂が、アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体である、上記(11)又は(12)に記載の貼付剤包装構造。
(14)アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、少なくとも、アクリロニトリルと、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを構造単位として含む共重合体である、上記(11)又は(12)に記載の貼付剤包装構造。
(15)アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、少なくとも、アクリロニトリルと、ブタジエンとを構造単位として含む共重合体である、上記(11)又は(12)に記載の貼付剤包装構造。
(16)アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、アクリロニトリルと、ブタジエンと、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを構造単位として含む共重合体である、上記(11)又は(12)に記載の貼付剤包装構造。
貼付剤中の生理活性成分は、アクリロニトリル系樹脂層を透過し難く、また、アクリロニトリル系樹脂層に吸着され難い。よって、本発明の貼付剤包装構造では、アクリロニトリル系樹脂層が貼付剤の近位(近い位置)に配置されるので、貼付剤が生理活性成分を含む場合、貼付剤中の生理活性成分の含量低下を抑制することができる。
また、貼付剤及び包装体内側環境中の水分は、アクリロニトリル系樹脂層を透過して、水分吸収性層に吸収されるが、水分不透過性層は水分移動を実質的に遮断する。よって、貼付剤中の生理活性成分は、水分により分解されることが抑制されるので、分解による含量低下も抑制することができる。
すなわち、本発明によれば、貼付剤が生理活性成分を含む場合、貼付剤中の生理活性成分の含量低下だけでなく、分解による含量低下も抑制することが可能であり、したがって、貼付剤の保管中、貼付剤中の生理活性成分の安定保持を極めて高いレベルで達成することができる。また、貼付剤中の生理活性成分が水分の影響で変質して経皮吸収性が低下することも抑制することができる。また、粘着剤層は吸湿することで粘着剤層の粘着特性や生理活性成分の溶解度などの特性が変質し、目的特性の維持が困難になる場合があるが、本発明はかかる現象を効果的に抑制することができる。
また、アクリロニトリル系樹脂として、特に、アクリロニトリルと、ブタジエン等のゴム成分、及び/又は、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分を含む共重合体を使用することで、当該共重合体が適度な柔軟性と剛性とを併せ持つことから、貼付剤の保管中における、外部からの物理的衝撃に対する貼付剤の保護効果に優れる、貼付剤の包装構造を実現することができる。また、当該共重合体はポリアクリロニトリルよりも低融点化して、極めて良好なヒートシール性を示すことから、包装材のヒートシール性に優れ、包装体の製造が容易な、貼付剤の包装構造を実現することができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に即して説明する。
本発明の貼付剤包装構造は、貼付剤と、貼付剤を収容する包装体とを備えるものであり、包装体を構成する包装材として、アクリロニトリル系樹脂層/水分吸収性層/水分不透過性層の積層構造を有する包装材を使用し、そのアクリロニトリル系樹脂層を貼付剤の近位側に配置したことが主たる特徴である。
[貼付剤]
本発明において、「貼付剤」とは、例えば、ヒトや哺乳動物の外傷の傷口保護、生理活性成分の生体への投与等のためにヒトや動物の皮膚に貼付して使用される、少なくとも粘着層を有する物品であり、その形態は特に制限されないが、典型的には、図1に示す一例の貼付剤1に示されるように、支持体2の少なくとも片面上に粘着剤層3を設け、必要により粘着剤層3の表面を保護する剥離ライナー4をさらに設けた構造物である。
支持体としては、特に限定されないが、実質的に薬物等が不透過性であるもの、即ち、粘着剤層の生理活性成分や添加剤等が支持体中を通って背面から失われて含有量の低下を引き起こさないものが好ましい。このような支持体としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、サラン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サーリン(登録商標)、金属箔等の単独フィルム又はこれらの積層フィルム等が挙げられる。支持体の厚さは、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmである。
粘着剤層に使用される粘着剤は、皮膚接着性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。具体的には、アクリル系重合体からなるアクリル系粘着剤;スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体(例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体など)、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のゴム系粘着剤;シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベース等のシリコーン系粘着剤;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系粘着剤;酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル系粘着剤;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート等のカルボン酸成分とエチレングリコール等の多価アルコール成分からなるポリエステル系粘着剤等が挙げられる。これらの粘着剤はいずれか1種を使用しても2種以上を配合して用いてもよい。
かかる粘着剤のうち、容易に架橋でき、多量の液状成分の粘着剤層中への保持を可能にし、粘着剤層に皮膚貼付時におけるソフト感を付与できる観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。また、粘着剤層が後述の生理活性成分を含有する場合、生理活性成分の安定性の観点からゴム系粘着剤が好ましい。また、後述の包装体における水分吸収性層の水分吸収性をより有効に生かす観点及び粘着剤層が生理活性成分を含有する場合の生理活性成分の安定性の観点から、粘着剤層は実質的に水を含有しない非水系の粘着剤から形成するのが好ましい。なお、「実質的に水を含有しない」とは、製造工程で意識的に水を含有させないという意味であり、粘着剤層が空気中に曝された場合に自然に吸湿する水分をも含有しないという意味ではない。
なお、アクリル系粘着剤の中でも、ヒト皮膚への接着性と剥離の繰り返しが容易である観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましく、特に好ましくは一種もしくは二種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜98重量%と、一種もしくは二種以上の共重合性単量体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が挙げられる。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜18、好ましくは4〜12の一級〜三級アルコールと、アクリル酸もしくはメタクリル酸とから得られるエステルを用いることができる。また、共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、カルボキシル基(例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)やヒドロキシル基(例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなど)、スルホ基(例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基(例えば(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなど)、アミド基(例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)などの官能基を側鎖に有する単量体を用いることができる。また、これら以外に共重合できる単量体としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピベリドン、ビニルピリミジン、ビニルピベラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどを用いることができる。
かかる共重合性単量体は一種もしくは二種以上共重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝集性、粘着剤層中に含有する生理活性成分の放出性などの点から、カルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単量体の少なくとも一種を必須成分として1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲で共重合し、必要に応じて上記に例示の他の単量体、例えば酢酸ビニルやN−ビニル−2−ピロリドンのようなビニル系単量体を40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で共重合することが好ましい。
また、上記のゴム系粘着剤は、なかでも、ポリイソブチレン、ポリイソプレン及びスチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体から選ばれる少なくとも一種を主成分とするゴム系粘着剤が好ましく、特に、粘着剤層中に生理活性成分を含有させる場合、生理活性成分の安定性が高く、また、必要な接着力及び凝集力を両立できる観点から、粘度平均分子量500,000〜5,500,000の高分子量ポリイソブチレンと、粘度平均分子量10,000〜200,000の低分子量ポリイソブチレンとを、95:5〜5:95の重量比で配合した粘着剤が特に好ましい。
ここでいう、粘度平均分子量とは、シュタウディンガーインデックス(Jo)を、20℃にてウベローデ粘度計のキャピラリーのフロータイムからSchulz−Blaschke式(下記式(I))により算出し、このJo値を用いて下記式(II)により求められる。
式(I):Jo=ηsp/c(1+0.31ηsp
(式中、ηsp=t/to−1(式中、t:溶液のフロータイム(Hagenbach−couette補正式による)、to:溶媒のフロータイム(Hagenbach−couette補正式による))、c:溶液の濃度(g/cm3))
式(II):Jo=3.06×10-2Mv0.65
(式中、Mv:粘度平均分子量)
なお、ゴム系粘着剤を粘着剤層に使用する場合、粘着剤層に良好なタックを付与するためにタッキファイヤーを添加することができる。タッキファイヤーとしては、例えば、石油系樹脂(例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂)、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、水添石油樹脂(例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂)等が挙げられる。中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂が生理活性成分の保存安定性が良好になるため好適である。タッキファイヤーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、2種以上を組み合わせて使用する場合には、例えば、樹脂の種類や軟化点の異なる樹脂を組み合わせてもよい。タッキファイヤーの含有量は、粘着剤層の全重量に対して、好ましくは15〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%である。タッキファイヤーの含有量が15重量%未満であるとタック及び凝集力が乏しい場合があり、他方55重量%を超えると粘着剤層が固くなり、皮膚接着性が低下する傾向にある。
本発明において、貼付剤における粘着剤層の厚みは、貼付剤のヒトなどの哺乳動物への適用部位、粘着剤層に生理活性成分を含有させる場合の生理活性成分の種類等によっても異なるが、一般的には、10〜200μm程度が好ましく、特に好ましくは、15〜150μm程度である。
本発明において、粘着剤層には種々の生理活性成分を含有させることができるが、ヒトなどの哺乳動物にその皮膚を通して投与し得る、すなわち経皮吸収可能な生理活性成分が好ましい。そのような生理活性成分としては、具体的には、例えば、全身性麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗癲癇薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩薬、自律神経用薬、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、動脈硬化用薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎用薬、寄生性皮膚疾患用薬、止血用薬、痛風治療用薬、糖尿病用薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、麻薬、禁煙補助薬などが挙げられる。
なお、生理活性成分が、「水分感受性生理活性成分」である場合に本発明は特に有利である。ここにいう「水分感受性生理活性成分」とは、水分存在下で、変質(加水分解、エステル交換反応等)が生じやすい生理活性成分や、水和物を形成しやすい性質の生理活性成分のことを意味する。
生理活性成分における、水分存在下で加水分解されやすい構造部分の例としては、エステル基、アミド基、イミド基、シッフ塩基等が挙げられる。また、水分存在下でエステル交換反応を生じやすい構造部分の例としては、エステル基、カルボキシル基、1または2級アミノ基等が挙げられる。なお、「スコポラミン」は、水分存在下で加水分解されやすい構造部分とエステル交換反応を生じやすい構造部分の両方を有する生理活性成分である。
水分存在下で水和物を形成しやすい性質の生理活性成分は、無水物の生理活性成分を水蒸気自動吸着脱着装置にて測定したときに相対湿度の上昇下、その重量変化に変曲点をもつ生理活性成分として知ることができる。このような水分存在下で水和物を形成しやすい性質の生理活性成分は、水和物の結晶が粘着剤層中に析出する可能性があり、生理活性成分の放出性が低下する懸念がある。このような水分存在下で水和物を形成しやすい性質を有する生理活性成分の具体例としては「エストラジオール」等が挙げられる。
生理活性成分の含有量は、その生理活性成分の効果を満たし、粘着剤の接着特性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、粘着剤層中に0.1〜70重量%含有させるのが好ましく、より好ましくは0.5〜65重量%である。0.1重量%より少ないと治療または予防効果が十分でない恐れがあり、70重量%より多いと皮膚刺激発生の可能性があり、また、経済的にも不利となる恐れがある。
本発明において、貼付剤の粘着剤層中には、種々の添加剤を含有してもよい。そのような添加剤としては、有機液状成分、安定化剤、充填剤等が挙げられ、これらは粘着剤との相溶性の観点から疎水性であるのが好ましい。
有機液状成分は、粘着剤を可塑化したり、貼付部位に対する接着力を調整したり、粘着剤層に含まれ得る生理活性成分の経皮吸収性を調節することができるものである。有機液状成分としては、ジイソプロピルアジペート、ジアセチルセバケートなどの可塑剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、オリーブ油、ヒマシ油、スクアラン、ラノリン等の油脂類等;流動パラフィンのような炭化水素類;各種界面活性剤;グリセリンなどの多価アルコール、あるいはオクチルドデカノール、オレイルアルコール、エトキシ化ステアリルアルコールなどのモノアルコールなどのアルコール類;オレイン酸モノグリセリド、カプリル酸モノグリセリド;ラウリル酸モノグリセリドのようなグリセリンモノエステル類あるいはグリセリンジエステル、グリセリントリエステルまたはそれらの混合物のようなグリセリンエステル類;ラウリル酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジイソプロピルのような脂肪酸エステル類;オレイン酸、カプリル酸のような脂肪酸類;その他N−メチルピロリドン、1,3−ブタンジオール等が挙げられる。これらのうち、生理活性成分の経皮吸収性の観点からアルコール類、グリセリンエステル類、脂肪酸エステル類が好ましい。
[第一包装材]
本発明の包装体は、少なくとも、図2に示す積層構成からなる第一包装材を用いて構成される。該第一包装材11は、少なくとも、アクリロニトリル系樹脂層12と、アクリロニトリル系樹脂層12の上に設けられた水分吸収性層13と、水分吸収性層13の上に設けられた水分不透過性層14とを含む多層体であり、たとえば、後述の図4に示される一例の包装体51に示されるように、アクリロニトリル系樹脂層12を貼付剤1の近位側に配置して使用される。すなわち、アクリロニトリル系樹脂層12が包装体の内面を構成する。
(アクリロニトリル系樹脂層)
アクリロニトリル系樹脂層12は、第一包装材11に、後述の水分吸収性層13の水分吸収性を発揮するのに十分な水分透過性を付与する。また、この層は、貼付剤が生理活性成分を含む場合、第1包装材11に生理活性成分の不透過性を付与する。ここにいう生理活性成分の不透過性とは、実質的に生理活性成分が透過しないことを意味し、貼付剤の生理活性成分による生理活性作用が充分に得られる範囲であれば、極微量の生理活性成分の透過は許容される。アクリロニトリル系樹脂層を設けることによる本発明の効果が十分に発現するように、アクリロニトリル系樹脂層12の水分透過率は40〜100g/m/24時間であるのが好ましく、50〜90g/m/24時間がより好ましい。本明細書でいう「水分透過率」は、JIS Z 0208(1976)に規定される透湿度試験方法に準じ、無水塩化カルシウムを入れた透湿カップをフィルム状試料(透湿面積:28.274cm)で密封し、外部の温度を40℃、相対湿度を90%に維持し、この状態を1日から数日維持しながら秤量を行ったときに、下記式(1)に示す関係より求められる値である。
η=240×m/t/S …(1)
[式中、ηは水分透過率(g/m/24時間)を、Sは透湿面積(cm)を、tは秤量に供した時間(hr)を、mは秤量中(時間t(hr)中)に増加した質量(mg)を示す。]
アクリロニトリル系樹脂層の水分透過率の調整は、例えば、フィルム厚み、フィルムの延伸度の調節などよって行うことができる。
後述するように、本発明の包装体は、例えば、包装材で貼付剤を包囲し、包装材の周縁をヒートシールすることによって作製される。よって、望ましくは、第一包装材におけるアクリロニトリル系樹脂層にはヒートシール性を付与する。
本発明において、アクリロニトリル系樹脂層12に用いられる、アクリロニトリル系樹脂は、樹脂総重量当たりの50重量%以上がアクリルニトリル成分で構成されていれば特に制限されない。従って、アクリロニトリル系樹脂としては、(i)ポリアクリロニトリル、(ii)ポリアクリロニトリルと他の樹脂との混合物又はポリマーアロイ、(iii)主
たる構造単位がアクリロニトリルからなる共重合体、又は(iv)前記(i)〜(iii)の
少なくとも2つの組み合わせによる組成物等が挙げられる。貼付剤の包装材料としての適度な柔軟性および剛性並びにヒートシール性の観点から、上記(ii)〜(iv)のいずれかが好ましい。
アクリロニトリルは、アクリロニトリル系樹脂層に有機液状成分が吸着しにくくさせ、かつ、アクリロニトリル系樹脂層にガスバリアー性を付与し、また剛性を付加することで易引裂性を付与する役割がある。また、アクリロニトリルは、アクリロニトリル系樹脂層に生理活性成分(貼付剤が生理活性成分を含有する場合)が吸着、透過しにくくさせる。よって、アクリロニトリル系樹脂は、100重量%がアクリロニトリル成分で構成されていてもよいが、包装体としての望ましい弾性、耐衝撃性、引っ張り強度等を達成するために、50重量%以上のアクリロニトリル成分とともに、ブタジエン等のゴム成分、及び/又は、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分等を含むのが好ましい。なお、ゴム成分はアクリロニトリル系樹脂に衝撃吸収性および適度な柔軟性を付与し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分は、アクリロニトリル系樹脂層の融点を低下させて、ヒートシール性を向上させる作用を付与する。なお、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基が直鎖でも分岐鎖であってもよく、また、1種又は2種以上を使用することができる。好適には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート(1−または2−)プロピルアクリレート、(1−または2−)プロピルメタクリレート、(1−または2−)ブチルアクリレート、(1−または2−)ブチルメタクリレート、等が挙げられ、中でも、汎用性が高く貼付剤の包装材料としての柔軟性を容易に付与できる点よりメチルアクリレートが特に好ましい。
なお、アクリロニトリル系樹脂は、アクリロニトリル系樹脂層12の性状均一性の観点から、アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体であるのが好ましく、当該共重合体は、構造単位として、少なくとも、アクリロニトリルと、ブタジエン等のゴム成分、及び/又は、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む共重合体であるのが好ましい。また、当該共重合体において、アクリロニトリルの含有量は50〜90重量%であるのが好ましく、特に好ましい共重合組成は、アクリロニトリル50〜90重量%、ブタジエン等のゴム成分2〜12重量%、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル8〜38重量%の共重合体である。また、当該共重合体の共重合形態は、特に限定されず、ランダムでも、ブロックでも、グラフトでもよいが、生理活性成分の優れた非吸着性を有するポリアクリロニトリルの特徴と、優れた衝撃吸収性を有するゴム成分の特徴を効率的に併せ持つことが可能となるグラフト共重合形態が好ましく、かかる特徴を阻害しない程度であればランダムやブロックが適宜加わってもよい。
なお、本発明におけるアクリロニトリル系樹脂の組成分析は、以下の方法によるものである。
包装材料からアクリロニトリル系樹脂層を削り出した試料を、CHN元素分析を行い、窒素含有量によりアクリロニトリルの含有量を算出する。さらにH−NMRおよび13C−NMR(重DMSO中、80℃)のスペクトルによりゴム成分およびアルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分の分子構造と重量比を求め、3成分の重量比を求める。
アクリロニトリル系樹脂層12の厚みは、貼付剤の種類等に応じて適宜設定され、特に限定はされないが、貼付剤中の生理活性成分の非透過性及び非吸着性が良好に発揮され、かつ、水分透過性を有しつつ、貼付剤の包装材料としての適度な柔軟性と剛性を確保する観点から、10〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、10〜50μmが最も好ましい。
(水分吸収性層)
本発明において、アクリロニトリル系樹脂層12上に設けられる水分吸収性層13は、水分吸収性を有する限り特に制限されないが、簡便には、水分吸収剤及び樹脂成分を含む組成物で形成されたフィルム状成形体が用いられる。水分吸収剤の含有量は、組成物全体当たり好ましくは15〜60重量%、より好ましくは20〜40重量%とする。水分吸収剤の含有率が15重量%未満であると、包装体内部環境を貼付剤の保存に適しない状態にする恐れがある。一方、水分吸収剤の含有率が60重量%を超えると、包装材をヒートシールで密封する際に密封性を維持しにくくなる恐れがある。
水分吸収剤は有機系水分吸収剤又は無機系水分吸収剤のいずれであっても良いが、熱および/または化学的安定性、樹脂加工温度等の点から、無機系水分吸収剤が好ましい。すなわち、通常、水分吸収剤の分散性、樹脂加工性等の点から、樹脂加工温度は通常100℃〜300℃程度であるが、有機系吸収剤では分解、劣化する物もあり、無機系水分吸収剤はかかる温度範囲でも安定である。無機系水分吸収剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素(シリカゲル)等の酸化物や、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩等を好適に用いることができ、また、ゼオライト等も使用することができる。また、これらは、水和物又は無水物のいずれの形態であってもよい。なお、貼付剤に生理活性成分が含まれる場合、貼付剤が極度の乾燥条件に置かれると、生理活性成分の種類によっては、生理活性成分または粘着剤層が変質し、生理活性成分が粘着剤層中で結晶として析出し、さらに生理活性成分の経皮吸収性または粘着剤層の接着性の低下やライナーの剥離不良が起こる可能性がある。よって、上記水分吸収剤は、極度な乾燥条件を形成することなく、貼付剤に適した包装体内部環境を提供し得るとともに、自体の取扱性にも優れる点から、硫酸マグネシウムが好ましい。硫酸マグネシウムを例えば低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリオレフィンに練り込んで水分吸収性層を形成することで、包装体の内部環境が貼付剤の品質維持に最適な平衡湿度に容易に調湿され得る。また、硫酸マグネシウムは水和物の形態で使用される場合が多いが、水分を吸収するという包装体の機能上、水和数の小さなものが好ましい。
かかる水分吸収剤、特に無機系水分吸収剤は、通常、粉末の形態で使用されるが、平均粒径が1〜40μmの範囲が好ましく、1〜20μmの範囲がより好ましく、2〜10μmの範囲が最も好ましい。平均粒径が1μm未満では、樹脂への練り込み、分散が格段に困難となり、加工コストが現実的でなくなる傾向となり、平均粒径が40μmを超える場合、水分吸収性層の層表面の平滑さ、美観に悪影響を及ぼし、また水分吸収性層の加工厚さの設計の自由度が制限される場合がある。なお、ここでいう、平均粒径は「平均体積径」のことであり、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装(株)製、MT3300EX II)により測定した平均体積径(MV値)である。
一方、樹脂成分は、特に限定はされないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−メチルアクリレート等のポリオレフィン系樹脂が好適である。特に、LDPEは水分吸収剤の均一分散性に優れる水分吸収性層を形成できる点で好ましい。また、LDPEは、水分透過性に優れているので、アクリロニトリル系樹脂層を透過してきた水分が、水分吸収性層内に浸透し易く、その結果、水分子と水分吸収性層内の水分吸収剤との接触が頻繁となり、水分が水分吸収剤に吸収されやすくなる。なお、本発明でいう「低密度ポリエチレン(LDPE)」とは、比重ρ(g/cm3)が、0.91以上、0.94未満のポリエチレンのことである。
水分吸収性層13の厚みは、貼付剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、充分に高い水分吸収能が得られ、かつ、貼付剤の包装材としてのコシ・易開封性能を付与するために10〜80μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
(水分不透過性層)
本発明において、水分吸収性層13上に設けられる水分不透過性層14は、主として、貼付剤を外気と遮断するための層である。ここにいう「水分不透過性」とは、実質的に水分が透過しないことを意味し、実用上差し支えないレベルのきわめて微量の水分の透過は許容される。水分不透過性層14を設けることによる本発明の効果が充分に発現するように、水分不透過性層14の水分透過率は0〜10g/m/24時間であるのが好ましく、0〜5g/m/24時間であるのがより好ましく、0〜3g/m/24時間がより好ましい。かかる好ましい水分不透過性を有するものであれば、その材質は限定されず、水分不透過性層14の材料には、公知の包装材等で採用されているものを用いてもよい。具体的には、アルミニウム等の金属箔;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレンビニルアセテート等の樹脂類のフィルム;該樹脂類のフィルムにアルミニウム等の金属又はシリカ、アルミナ等の無機酸化物を蒸着した蒸着フィルム等が挙げられる。また、水分不透過性層14は単層でも二層以上の積層であってもよく、各層は単一材料の箔又はフィルムであっても、複数材料の組成物からなる箔又はフィルムであってもよい。水分不透過性層14の厚み(総厚み)は、特に限定はされないが、貼付剤の包装材料としてのコシ・易開封性能を有するためには10〜100μmであることが好ましい。
水分不透過性層14の好ましい態様としては、アルミニウム等の金属層;ポリエチレンテレフタレート(PET)層、高密度ポリエチレン(HDPE)層、塩化ビニリデン層;及びこれらのいずれかの樹脂層にアルミニウム等の金属またはシリカ、アルミナ等の無機酸化物を蒸着したもの、から選ばれるいずれか一層または二層以上の積層であり、かかる態様であれば、水分の遮断性が格段に高められる。
なお、包装体が特定波長の光の遮断が必要とされない貼付剤に用いられるものであれば、第一包装材11はその波長光に対して、透明な材料で形成されても良いが、貼付剤の生理活性成分を安定に保持する観点からは、近赤外光、赤外光及び紫外光に対しては遮断性を有する構成とするのが好ましく、少なくともアルミニウム箔等の金属箔を含む構成であるのが好ましい。従って、水分不透過性層の強度、汎用性を併せて考慮すると、特に好ましい態様は、PETフィルムとアルミニウム箔の積層体であり、6〜75μm厚のPETフィルムと6〜90μm厚のアルミニウム箔の積層体が最も好ましい。
(他の層)
上記のとおり、第一包装材11は、アクリロニトリル系樹脂層12/水分吸収性層13/水分不透過性層14の積層構成を基本とするが、上記各層のほか、必要に応じて他の層を1層又は2層以上積層させることができる。
例えば、図3に例示されるように、水分不透過性層14と水分吸収性層13との間に第一介在層16を配置し得る。かかる第一介在層16としては、例えば、水分吸収性層13と水分不透過性層14との間にクッション性を付与するクッション層が挙げられ、該クッション層としては、LDPE層又は高密度ポリエチレン(HDPE)層が好ましく、厚さは15〜25μmが好ましい。なお、本発明でいう「高密度ポリエチレン(HDPE)」とは、比重ρ(g/cm3)が、0.94以上、0.96未満のポリエチレンのことであ
る。
また、図3に例示されるように、アクリロニトリル系樹脂層12と水分吸収性層13の間に第二介在層15を配置し得る。包装体に収容された貼付剤において、急激な水分含量の低下は、粘着剤層中の成分、例えば、生理活性成分の析出を誘導するなど、貼付剤品質に好ましくない影響を及ぼす恐れがある。従って、かかる第二介在層15としては、例えば、アクリロニトリル系樹脂層12の水分透過速度を制御する水分透過制御層が挙げられ、該水分透過制御層としては、LDPE層が好ましく、厚さは5〜15μmが好ましい。このようなLDPE層を用いれば、貼付剤包装構造の製造工程における第一包装材の水分吸収性能の低下を抑えることができるだけでなく、アクリロニトリル系樹脂層12の水分透過性を確保しつつ、包装体に収容された貼付剤の急激な水分含量の低下を軽減することができる。
また、水分不透過性層14の外側(すなわち、水分不透過性層14の水分吸収性層13との接触面とは反対側の面)に、表示事項等を印刷するための印刷インキの付着性向上、包装体の滑り性向上、摩擦によって包装体の劣化抑制等を目的として、セロハン、紙等を積層することができる。
その他の積層可能の層としては、例えば、接着剤層、着色層、印刷層、蒸着層、プライマー層、表面保護層(オーバーコート層)、粘着層等が挙げられる。
[第二包装材]
本発明において、包装体は、第一包装材に加えて第二包装材を用いて構成することができる。第二包装材は、第一包装材とシールすることにより包装体を形成するために少なくとも片面がシール可能領域を有するものであれば特に限定されない。よって、貼付剤の包装体に用いられるそれ自体公知の包装材を制限なく使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどの樹脂フィルム;該樹脂フィルムにアルミニウム等の金属またはシリカ、アルミナ等の無機酸化物を蒸着したもの;アルミニウム箔等の金属箔等が挙げられ、また、これらから選ばれる任意の2つ以上をラミネートした積層フィルムなどが挙げられる。特に、包装体の製造容易性の観点からは、少なくとも片面がヒートシール可能な層構成とするのが好ましい。なお、かかる例示の包装材は乾燥剤を含まない構成であるが、このような乾燥剤を含まない構成の第二包装材を第一包装材とともに使用することで、包装体の厚み増大を抑制しつつ、本発明の目的である保管中の貼付剤における生理活性成分の安定的保持が可能な包装構造を達成することができる。
また、本発明において、第二包装材には、第一包装材と同構成の包装材を用いることもできる。この場合、包装体の部材点数を削減することができ、しかも、第一包装材による前述の効果をさらに確実に達成し得る包装体が得られる。
[ラミネート]
本発明において、第一包装材及び第二包装材における各層間の積層方法は特に制限されず、公知の方法を用いればよい。例えば、ドライラミネート法、押出しラミネート法、共押出し法、ウェットラミネート法、ヒートラミネート法等を採用することができる。
[包装体]
本発明における包装体は、第一包装材のみを加工して形成することも可能であるが、容易に貼付剤を包装できるとともに、保管中の貼付剤における生理活性成分の安定的保持性に優れ、また、包装体を工業的な連続製造に適したものとするためには、第一包装材と第二包装材とを組み合わせて包装体を形成するのが好ましい。
(袋状包装体)
図4(a)及び(b)は本発明における包装体の一例の包装体を示す。該包装体51は、袋状包装体であり、図4(b)に示されるように、第一包装材11のアクリロニトリル系樹脂層12の面と、第二包装材21のシール可能面(この例では、アクリロニトリル系樹脂層12の面)とを直面して配置させ、その間に貼付剤1をサンドイッチし、それぞれの周縁部をシールして形成されたものである。このような袋状包装体は製造が容易であることの他、包装体全体の厚みが薄くコンパクト化されること、包装体自体が柔軟で取り扱い性が良いことなどのメリットがある。また、第一包装材11は剛性及び柔軟性を併せ持つため、このような包装体に適している。なお、本発明において、袋状包装体の形態は、特に限定されず、図4に示すような、四方シール袋の他、例えば、三方シール袋、ガセット袋、自立袋、ピロー袋等の形態が挙げられる。また、図4に示す包装体51は、第一包装材11及び第二包装材21がいずれも実質的に平面状であり、第一包装材11及び第二包装材21はともに肩部または折れ曲がり部を有しない。従って、かかる第一包装材11及び第二包装材21がいずれも実質的に平面状の包装体の場合、包装材の折り曲げによる層の損傷によって包装体の水分や生理活性成分等の透過性若しくは非透過性に悪影響を及ぼすということがなく、生理活性成分の安定的保持により有利である。
(ブリスター状包装体)
図5(a)及び(b)は本発明における包装体の他の一例の包装体52を示す。本発明では、包装体を第一包装材11及び第二包装材21にて形成する場合、かかる一例の包装体52に示されるように、第一包装材11及び第二包装材21のいずれか一方または両方を容体状の形状(くぼみ部を有する形状)に成形する、いわゆる、ブリスター状包装体が可能である。かかるブリスター状包装体の場合、包装体内部において、図5(b)に示されるように、貼付剤1の周囲に空間5が確保されることから、貼付剤1に包装体の外部からの荷重がかかり難い。このため、貼付剤の粘着剤層が貼付剤の端部からはみ出したり、滲み出したりして、包装体の内面に付着して、包装体の開封後における包装体からの貼付剤の取り出し性が悪化する恐れが少ない。
一方、ブリスター状包装体のような内容物の周囲に空間が確保される包装体を貼付剤の包装に適用した場合、一般的には、包装体の内部空間容積が比較的大きいために、貼付剤中の成分、例えば、生理活性成分の含量が低下しやすい傾向にある。しかし、本発明の特定の包装材(すなわち、アクリロニトリル系樹脂層/水分吸収性層/水分不透過性層の積層構成を含む包装材)を使用した包装構造では、ブリスター状包装体を形成しても、貼付剤中の成分の含量低下を抑制できるので、ブリスター状包装体を有利に実施することができる。また、ブリスター状包装体の場合、容体状の形状に成形された包装材は、そのくぼみ部の大きさまたは形状によって、貼付剤を包囲する包装材の表面積を大きく設定することが可能である。従って、くぼみ部の大きさを調整することによって、包装材における水分吸収性を任意に調整できるという利点がある。
本発明において、ブリスター状包装体は、第一包装材を容体状に成形してもよいし、第二包装材を容体状に成形してもよい。図5の包装体52は、第一包装材11はその略中央部にくぼみ部11Aを有する形状であり、第二包装材21はシート状の形状であり、図5(b)に示されるように、第一包装材11のアクリロニトリル系樹脂層12と、第二包装材21のアクリロニトリル系樹脂層12を直面させ、第一包装材11のくぼみ部11Aの内空間に貼付剤1を収容しつつ、第一包装材11の非くぼみ部11Bと、それに直面する第二包装材21の周縁部とをヒートシールして包装体を形成している。なお、この包装体52の例における第二包装材21は、第一包装材と同様、水分吸収性層を有するものである。
なお、第二包装材として水分吸収性層を有しない包装材を使用して、ブリスター状包装体を構成する場合、第一包装材をシート状のまま用い、第二包装材を容体状に成形するのが好ましい。これは、第二包装材は、水分吸収性層を含んでいないので、柔軟であり製造が容易であるからである。あるいは、第二包装材をシート状のまま用い、第一包装材を容体状に成形することもまた好ましい。これは、第一包装材が水分吸収性層やアクリロニトリル系樹脂層を含んでいるので貼付剤の包装体としての剛性を有することから、内部の貼付剤が損傷する恐れが小さいことにより有利であるからである。
なお、本発明の包装構造において、包装材、貼付剤の平面形状は略正方形状、略矩形状などの略多角形状、円形、楕円形など任意の形状を採用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
なお、以下の記載において「部」は「重量部」を意味する。また、略号の意味は次の通りである。
PET:ポリエチレンテレフタレート
AL:アルミニウム
※12μm厚のPETフィルム/9μm厚のAL箔のラミネート体の水分透過率は0.02g/m/24時間である。
LDPE:低密度ポリエチレン
MgSO:硫酸マグネシウム粉末(平均粒径:5μm)
吸水性層A:70wt%LDPE+30wt%MgSOを含む層
PAN:ポリアクリロニトリル系樹脂(67重量%のアクリロニトリル/7重量%のブタジエン/26重量%のメチルアクリレートの共重合体、30μm厚のPANフィルムの水分透過率は70g/m/24時間である。)
[貼付剤の調製]
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシル72部と、N−ビニル−2−ピロリドン25部と、アクリル酸3部を酢酸エチル中で共重合させてアクリル酸エステル系ポリマー溶液を調製した。該ポリマー溶液に酢酸エチルをさらに加えて粘度調整を行なった。次に、得られた粘稠溶液を75μm厚のポリエステル製ライナー上に乾燥後の厚み60μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した。
支持体として、ポリエステル製不織布(12g/m)に2μm厚のポリエステル製フィルムをラミネートした積層体を用意し、該積層体の不織布面を上記の粘着剤層に貼り合わせて、これを32mm×32mmの略矩形に打ち抜いて貼付剤を得た。この貼付剤の粘着剤層の重量は60mgであった。
[生理活性成分含有貼付剤の調製]
上記の[貼付剤の調製]で調製したアクリル酸エステル系ポリマー溶液にそのアクリル酸エステル系ポリマー固形分90部に対して10部のスコポラミンを混合し、酢酸エチルをさらに加えて粘度調整を行なった。次に、得られた粘稠溶液を75μm厚のポリエステル製ライナー上に乾燥後の厚み100μmとなるように塗布し、乾燥して生理活性成分含有粘着剤層を形成した。
支持体として、ポリエステル製不織布(12g/m)に2μm厚のポリエステル製フィルムをラミネートした積層体を用意し、該積層体の不織布面を上記の粘着剤層に貼り合わせて、これを32mm×32mmの略矩形に打ち抜いて貼付剤を得た。この貼付剤の粘着剤層の重量は100mgであった。
<実施例1>
12μm厚のPETフィルム/9μm厚のAL箔/20μm厚のLDPEフィルム/30μm厚の吸水性層A/10μm厚のLDPEフィルム/30μm厚のPANフィルムをドライラミネートで積層したシートを作製した。なお、20μm厚のLDPEフィルム/30μm厚の吸水性層A/10μm厚のLDPEフィルムは共押し出しインフレーションで積層した。
該シートを65mm×65mmの略矩形にカットして第一包装材とした。また、同様に、該シートを65mm×65mmの略矩形にカットして第二包装材とした。第一包装材および第二包装材のPAN面を直面させ、それらの間の略中央部に上記で調製した貼付剤(生理活性成分非含有の貼付剤)を収容しつつこれらの包装材が実質的に平面状となるよう、互いの包装材の周辺部をヒートシールして、図4に示す構造の貼付剤包装構造を完成させた。
<比較例1>
第一包装材および第二包装材において、20μm厚のLDPEフィルム/30μm厚の吸水性層A/10μm厚のLDPEフィルムを有しないシートを用いた他は実施例1と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<実施例2>
第二包装材において、20μm厚のLDPEフィルム/30μm厚の吸水性層A/10μm厚のLDPEフィルムを有しないシートを用いた以外は実施例1と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<比較例2>
第一包装材および第二包装材において、PANフィルム(アクリロニトリル系樹脂層)を有しないシートを用いた他は、実施例1と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<実施例3>
第一包装材として、実施例1で作製した第一包装材と同じものを用意した。一方、12μm厚PETフィルム/80μm厚のAL箔/30μm厚のPANフィルムをドライラミネートで積層したシートにPANフィルム側に窪んだくぼみ部を形成し、かつ、平面形状65mm×65mmの略矩形状に成形して容体状の第二包装材を作製した。この容体状の第二包装材のくぼみ部に貼付剤を入れ、前記の第一包装材をフタ材として、そのPANフィルムが貼付剤に近接するように、第二包装材に被せ、その周縁部と第二包装材の非くぼみ部(周縁部)とをヒートシールして貼付剤包装構造を完成させた。かかる貼付剤包装構造は、図5の例とは異なり、第二包装材を容体状にし、第一包装材をシート状(平面状)のままで形成したものである。
<比較例3>
第一包装材に12μm厚PETフィルム/80μm厚のAL箔/30μm厚のPANフィルムをドライラミネートで積層したシートを使用した他は、実施例3と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<実施例4>
貼付剤に生理活性成分含有貼付剤を使用した他は、実施例1と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<比較例4>
貼付剤に生理活性成分含有貼付剤を使用した他は、比較例1と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<比較例5>
貼付剤に生理活性成分含有貼付剤を使用した他は、比較例2と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<実施例5>
貼付剤に生理活性成分含有貼付剤を使用した他は、実施例3と同様にして、貼付剤包装構造を完成させた。
<試験例1>
実施例1〜3および比較例1〜3の貼付剤包装構造における製造直後の貼付剤の水分濃度を測定した。また、これらの貼付剤包装構造を40℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月保管したのち、同様に貼付剤の水分濃度を測定した。なお、貼付剤の水分濃度の測定方法は、次の通りに行った。
[貼付剤の水分濃度の測定方法]
ライナーを剥離した貼付剤を秤量後、水分気化装置に封入し、加熱して貼付剤中の水分を気化させる。この水分を窒素ガスで水分測定装置に導入し、カールフィッシャー電量滴定法で水分量を測定する。貼付剤重量から支持体重量を差し引いて粘着剤層の重量とし、水分量を粘着剤層重量で除して水分濃度(ppm)を求める。
結果を表1に示す。
<試験例2>
実施例4、5および比較例4、5の貼付剤包装構造における製造直後の生理活性成分含有貼付剤の貼付剤1枚当たりの生理活性成分含有量(mg)を測定した。次いで、これらの貼付剤包装構造を40℃、相対湿度75%条件下で2ヶ月保管した後、同様に保管後の貼付剤の貼付剤1枚当たりの生理活性成分含有量(mg)を測定した。生理活性成分含有量(mg)の測定方法は、次の通りに行った。
[貼付剤の生理活性成分含有量の測定方法]
ライナーを剥離した試験製剤をメタノールで抽出し,その抽出液を高速液体クロマトグラフィーにて分析して生理活性成分含有量(mg)を測定した。
結果を表1、2に示す。
Figure 0005329197
Figure 0005329197
表1より明らかなように、アクリロニトリル系樹脂層および水分吸収性層を第一包装材および第二包装材として使用した実施例1は、貼付剤の水分濃度が顕著に低下した。また、実施例2は、第二包装材として水分吸収性層を含まない包装材を使用したにもかかわらず、実施例1と、第一包装材および第二包装材のいずれにも水分吸収性層を用いていない比較例1との相加平均よりも、貼付剤の水分濃度が低下しており、このことは、予測できない有利な効果であった。ブリスター状包装体にした実施例3と比較例3との間にも実施例1、2と比較例1間と同様の傾向が認められた。また、第一包装材および第二包装材がともに水分吸収性層を有するがアクリロニトリル系樹脂層を有してない比較例2は、実施例1と比較して水分濃度は同等であったが、手力を加えたところ包装体の剛性が低く、貼付剤に十分な耐衝撃性が付与されていないことが懸念された。
また、表2より明らかなように、生理活性成分含有貼付剤についての、第一包装材および第二包装材がともにアクリロニトリル系樹脂層および水分吸収性層を有する実施例4は保管後も生理活性成分含有量がほとんど低下しなかった。また、ブリスター状包装体にした実施例5においても実施例4と同様に保管後も生理活性成分含有量がほとんど低下しなかった。これらに対し、第一包装材および第二包装材がともに水分吸収性層を有していない比較例4は保管後に生理活性成分含有量が顕著に低下し、第一包装材および第二包装材がともに水分吸収性層を有するがアクリロニトリル系樹脂層を有してない比較例5も保管後の生理活性成分含有量の低下が認められた。なお、実施例4の貼付剤は保管後も生理活性成分含有量が殆ど低下しないが、これはアクリロニトリル系樹脂層の生理活性成分の吸着性が低く、かつ、実施例4の貼付剤においても実施例1の貼付剤と同様に保管により水分濃度が顕著に低下することによるものであることが強く示唆された。
以上より、本発明の貼付剤包装構造では、保管後の貼付剤の水分濃度が顕著に低下しており、保管により貼付剤中の水分が減少することが明らかであり、貼付剤が生理活性成分を含む場合、保管における貼付剤中の生理活性成分含有量の低下が抑制されることが明らかである。従って、本発明の貼付剤包装構造によれば、貼付剤が生理活性成分を含む場合、保管による生理活性成分の分解が抑制されて、保管後も生理活性成分の安定性が維持される貼付剤を提供できることが強く示唆されるといえる。
なお、本明細書における、本発明の説明は、単に例示的な性質のものであり、かくして本発明の要旨から離れないその変形態様は、本発明の範囲内であるべきことが意図される。そのような変形態様は、本発明の精神および範囲から離れるものとしてみなされるべきではない。
本発明で使用される例示的な貼付剤の模式断面図である。 本発明で使用される例示的な第一包装材の模式断面図である。 本発明で使用される例示的な第一包装材の模式断面図である。 本発明の例示的な包装構造の模式図であり、図(a)は斜視図、図(b)は図(a)中のB−B線における断面図である。 本発明の例示的な包装構造の模式図であり、図(a)は斜視図、図(b)は図(a)中のB−B線における断面図である。
符号の説明
1 貼付剤
2 支持体
3 粘着剤層
4 剥離ライナー
11 第一包装材
12 アクリロニトリル系樹脂層
13 水分吸収性層
14 水分不透過性層
15 第二介在層
16 第一介在層
21 第二包装材
51 袋状包装体
52 ブリスター状包装体

Claims (11)

  1. 貼付剤と、該貼付剤を収容する包装体とを備える貼付剤包装構造であって、
    該貼付剤は、支持体と、該支持体の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを含み、
    該包装体は、第一包装材を含み、
    該第一包装材は、アクリロニトリル系樹脂層、LDPE層、水分吸収性層、LDPE層、および水分不透過性層がこの順に積層されたものであり、
    該水分吸収性層は水分吸収剤及びポリオレフィン系樹脂を含む組成物からなり、
    該アクリロニトリル系樹脂は、アクリロニトリル50〜90重量%、ブタジエン等のゴム成分2〜12重量%、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル8〜38重量%の共重合体であり、
    該アクリロニトリル系樹脂層が、該貼付剤の近位側に位置することを特徴とする、貼付剤包装構造。
  2. 包装体が、第二包装材をさらに含み、第一包装材と第二包装材のいずれか一方が容体状の形状であり、いずれか他方がシート状の形状である、請求項1記載の貼付剤包装構造。
  3. 包装体が、第二包装材をさらに含み、第一包装材と第二包装材が共にシート状の形状である、請求項1記載の貼付剤包装構造。
  4. 貼付剤が生理活性成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼付剤包装構造。
  5. 第一包装材及び第二包装材が平面状である請求項3に記載の貼付剤包装構造。
  6. 第二包装材が、アクリロニトリル系樹脂層と、該アクリロニトリル系樹脂層上に設けられた水分吸収性層と、該水分吸収性層上に設けられた水分不透過性層とを含み、
    該アクリロニトリル系樹脂層が、貼付剤の近位側に位置してなる、請求項2〜のいずれか1項に記載の貼付剤包装構造。
  7. 第二包装材が、アクリロニトリル系樹脂層と水分吸収性層の間に水分透過制御層をさらに設けたものである、請求項に記載の貼付剤包装構造。
  8. アクリロニトリル系樹脂が、アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体である、請求項又はに記載の貼付剤包装構造。
  9. アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、少なくとも、アクリロニトリルと、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを構造単位として含む共重合体である、請求項又はに記載の貼付剤包装構造。
  10. アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、少なくとも、アクリロニトリルと、ブタジエンとを構造単位として含む共重合体である、請求項又はに記載の貼付剤包装構造。
  11. アクリロニトリルを主たる構造単位とする共重合体が、アクリロニトリルと、ブタジエンと、アルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを構造単位として含む共重合体である、請求項又はに記載の貼付剤包装構造。
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