JP2018177758A - リバスチグミン含有経皮吸収製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】貼付中及び剥離時の皮膚に対する刺激が低減されるとともに、十分な経皮吸収性を有しかつ製剤の使用中に剥がれを生じることのない十分な貼付性を有し、糊残りなどの問題を生じないリバスチグミン含有経皮吸収製剤を提供すること。
【解決手段】支持体、支持体の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層、及び粘着剤層の支持体とは反対の面に積層された剥離ライナーを含み、粘着剤層は、A:リバスチグミンを粘着剤層重量に対し4〜30重量%、B:ミリスチン酸イソプロピルを粘着剤層重量に対し0.1〜25重量%、及びC:アクリル系粘着剤を含有し、リバスチグミン及びミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対するアクリル系粘着剤の含有量の重量比が1:2以上1:4未満の範囲であり、粘着剤層の乾燥時厚みが20〜50μmである、リバスチグミン含有経皮吸収製剤とする。
【選択図】なし
【解決手段】支持体、支持体の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層、及び粘着剤層の支持体とは反対の面に積層された剥離ライナーを含み、粘着剤層は、A:リバスチグミンを粘着剤層重量に対し4〜30重量%、B:ミリスチン酸イソプロピルを粘着剤層重量に対し0.1〜25重量%、及びC:アクリル系粘着剤を含有し、リバスチグミン及びミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対するアクリル系粘着剤の含有量の重量比が1:2以上1:4未満の範囲であり、粘着剤層の乾燥時厚みが20〜50μmである、リバスチグミン含有経皮吸収製剤とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、リバスチグミン含有経皮吸収製剤に関し、更に詳しくは、皮膚に貼付させて用いる貼付型のリバスチグミン含有経皮吸収製剤に関する。
リバスチグミンは、軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症治療薬として、経口剤及び経皮吸収製剤の剤形で市販されている。
リバスチグミンは、経皮吸収製剤中で不安定であることが知られている。このため、トコフェロールなどの抗酸化剤を添加することにより経皮吸収製剤中でのリバスチグミンの安定性を改善する方法が知られており(特許文献1)、市販製剤においても当該技術が用いられていることが知られている。
一方で、市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤は、皮膚刺激性が比較的強く、患者によっては皮膚刺激によるかゆみなどの副作用が生じることがある。抗酸化剤はリバスチグミン含有経皮吸収製剤の皮膚刺激性の要因として知られており、抗酸化剤を使用せずリバスチグミンの経皮吸収製剤中での安定性を向上させる方法についても種々検討されている。例えば特許文献2〜4には、酸素不透過性樹脂を包装材として使用する方法や包装容器内を窒素置換する方法が示されている。
一方で、市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤は、皮膚刺激性が比較的強く、患者によっては皮膚刺激によるかゆみなどの副作用が生じることがある。抗酸化剤はリバスチグミン含有経皮吸収製剤の皮膚刺激性の要因として知られており、抗酸化剤を使用せずリバスチグミンの経皮吸収製剤中での安定性を向上させる方法についても種々検討されている。例えば特許文献2〜4には、酸素不透過性樹脂を包装材として使用する方法や包装容器内を窒素置換する方法が示されている。
また、特許文献5及び6には、薬物を含有する粘着剤層の粘着剤として、カルボキシル基を有するアクリル系単量体成分を含有していない(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーなどの粘着剤を用いる方法が開示されている。
さらに、リバスチグミン自体が皮膚刺激性の原因となることも知られており、例えば、特許文献7や特許文献8ではリバスチグミン透過速度を制御するため、リバスチグミンの単位面積当たりの含有量や粘着剤中のリバスチグミン濃度を一定範囲にする方法が示されている。
しかし、特許文献2〜4の技術では、包装材や窒素置換による安定化はそれ自体では必ずしも十分な効果を得られない場合があり、抗酸化剤やその他の安定化技術と組み合わせることが必要であった。
また、特許文献5、6に記載された粘着剤は、リバスチグミンとの相溶性が低く、製剤に十分な量のリバスチグミンを含有できなかったり、粘着性が低下して製剤の使用中に剥がれを生じたり、凝集性が低下して剥離時に糊残りを生じたり、製剤の保存中にリバスチグミンが粘着剤層から流れ出すコールドフローを生じたりすることがあった。
そして、特許文献7、8に記載された技術では、単にリバスチグミンの製剤中の含有量を減らして透過速度を遅くすると、製剤が目的とする十分な効果を得られないことがある上、安定性などに問題が生じる場合があった。
また、特許文献5、6に記載された粘着剤は、リバスチグミンとの相溶性が低く、製剤に十分な量のリバスチグミンを含有できなかったり、粘着性が低下して製剤の使用中に剥がれを生じたり、凝集性が低下して剥離時に糊残りを生じたり、製剤の保存中にリバスチグミンが粘着剤層から流れ出すコールドフローを生じたりすることがあった。
そして、特許文献7、8に記載された技術では、単にリバスチグミンの製剤中の含有量を減らして透過速度を遅くすると、製剤が目的とする十分な効果を得られないことがある上、安定性などに問題が生じる場合があった。
そこで、本発明は、貼付中及び剥離時の皮膚に対する刺激が低減されるとともに、十分な経皮吸収性を有しかつ製剤の使用中に剥がれを生じることのない十分な貼付性を有し、糊残りなどの問題を生じないリバスチグミン含有経皮吸収製剤を提供することを課題とする。
本発明者は、種々検討の結果、意外にもリバスチグミンとミリスチン酸イソプロピルを、その合計量としてアクリル系粘着剤との比が一定の範囲となるよう配合することで、有効成分であるリバスチグミンの十分な経皮吸収性、粘着剤層の凝集性及び使用中の良好な貼付性を有し、かつ皮膚刺激性が低減されたリバスチグミン含有経皮吸収製剤を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]を特徴とする。
[1]支持体、前記支持体の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層、及び前記粘着剤層の前記支持体とは反対の面に積層された剥離ライナーを含むリバスチグミン含有経皮吸収製剤であって、
前記粘着剤層は、
A:リバスチグミンを粘着剤層重量に対し4〜30重量%、
B:ミリスチン酸イソプロピルを粘着剤層重量に対し0.1〜25重量%、及び
C:アクリル系粘着剤を含有し、
前記リバスチグミン及び前記ミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対する前記アクリル系粘着剤の含有量の重量比が1:2以上1:4未満の範囲であり、
前記粘着剤層の乾燥時厚みが20〜50μmである、リバスチグミン含有経皮吸収製剤。
[2]前記アクリル系粘着剤が、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を含む単量体成分を重合してなるアクリル共重合体であるか、又はアクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを含む単量体成分を重合してなるアクリル共重合体である前記[1]記載のリバスチグミン含有経皮吸収製剤。
[1]支持体、前記支持体の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層、及び前記粘着剤層の前記支持体とは反対の面に積層された剥離ライナーを含むリバスチグミン含有経皮吸収製剤であって、
前記粘着剤層は、
A:リバスチグミンを粘着剤層重量に対し4〜30重量%、
B:ミリスチン酸イソプロピルを粘着剤層重量に対し0.1〜25重量%、及び
C:アクリル系粘着剤を含有し、
前記リバスチグミン及び前記ミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対する前記アクリル系粘着剤の含有量の重量比が1:2以上1:4未満の範囲であり、
前記粘着剤層の乾燥時厚みが20〜50μmである、リバスチグミン含有経皮吸収製剤。
[2]前記アクリル系粘着剤が、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を含む単量体成分を重合してなるアクリル共重合体であるか、又はアクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを含む単量体成分を重合してなるアクリル共重合体である前記[1]記載のリバスチグミン含有経皮吸収製剤。
本発明のリバスチグミン含有経皮吸収製剤によれば、貼付中及び剥離時の皮膚に対する刺激が低減されるとともに、リバスチグミンの十分な経皮吸収性を有しかつ製剤の使用中に剥がれを生じることがない。更に本発明のリバスチグミン含有経皮吸収製剤は、十分な貼付性を有し、糊残りなどの問題を生じることがない。
本発明のリバスチグミン含有経皮吸収製剤は、支持体、前記支持体の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層、及び前記粘着剤層の前記支持体とは反対の面に積層された剥離ライナーを含み、粘着剤層に、有効成分としてのリバスチグミンと、ミリスチン酸イソプロピルと、アクリル系粘着剤を含有する。なお、本発明における経皮吸収製剤とは、皮膚に貼付されて、皮膚を通して有効成分であるリバスチグミンを体内に吸収させる貼付製剤を指す。
本発明のリバスチグミン含有経皮吸収製剤(以下、単に「本発明の製剤」ということもある。)において、リバスチグミンとしては、リバスチグミンのフリー体(遊離塩基)又はその薬学的に許容できる塩を使用することができるが、中でもリバスチグミンのフリー体を使用することが好ましい。本発明の製剤において、リバスチグミンは粘着剤層重量の4〜30重量%の範囲で含有される。中でも、粘着剤層重量の8〜25重量%の範囲が好ましく、10〜20重量%の範囲がより好ましい。リバスチグミンの含有量が粘着剤層中で4重量%未満である場合、十分な薬理効果を示せない場合がある。一方、リバスチグミンの含有量が30重量%を超える場合、皮膚刺激性が強く現れる場合がある。
ミリスチン酸イソプロピルは皮膚透過性及び貼付感の改善のために含有される。ミリスチン酸イソプロピルは粘着剤層重量の0.1〜25重量%の範囲で含有される。中でも、粘着剤層重量の1〜20重量%が好ましく、5〜10重量%が特に好ましい。ミリスチン酸イソプロピルの含有量が粘着剤層中で0.1重量%以上であると、治療上必要と考えられる十分な皮膚透過性を担保することができ、25重量%以下であると、粘着性や凝集性等の製剤物性を担保することができる。
本発明の製剤において用いるアクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分単量体とした単独重合物又は他の共重合性単量体との共重合体等が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸またはアクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸イソデシルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステル等が挙げられる。共重合性単量体としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。中でもアクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を単量体成分として含む共重合体又はアクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを単量体成分として含む共重合体が好ましい。アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を単量体成分として含む共重合体としてはDURO−TAK(登録商標)87−2353及びDURO−TAK(登録商標)87−235Aが、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを単量体成分として含む共重合体としてはDURO−TAK(登録商標)87−4098が、Henkel社よりそれぞれ市販されており、本発明の製剤のアクリル系粘着剤として好適に使用できる。本発明の製剤のアクリル系粘着剤としては、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を単量体成分として含む共重合体が最も好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸イソデシルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステル等が挙げられる。共重合性単量体としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。中でもアクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を単量体成分として含む共重合体又はアクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを単量体成分として含む共重合体が好ましい。アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を単量体成分として含む共重合体としてはDURO−TAK(登録商標)87−2353及びDURO−TAK(登録商標)87−235Aが、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを単量体成分として含む共重合体としてはDURO−TAK(登録商標)87−4098が、Henkel社よりそれぞれ市販されており、本発明の製剤のアクリル系粘着剤として好適に使用できる。本発明の製剤のアクリル系粘着剤としては、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を単量体成分として含む共重合体が最も好ましい。
アクリル系粘着剤は粘着剤層重量の55〜80重量%の範囲で含有されることが好ましく、60〜80重量%がより好ましく、65〜80重量%が特に好ましい。アクリル系粘着剤の含有量が粘着剤層中で55重量%以上であると、粘着性や凝集性等の製剤物性を担保することができ、80重量%以下であると、治療上必要と考えられる十分な皮膚透過性を担保することができる。
本発明の製剤は、粘着剤層中に含有するリバスチグミン及びミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対してアクリル系粘着剤を重量比で1:2以上1:4未満の範囲で含有している。リバスチグミン及びミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対し、アクリル系粘着剤の含有量の重量比が2より低いと皮膚刺激性が強く現れたり、粘着剤層の凝集性が低下し、剥離時に糊残りを生じたりする場合がある。一方、アクリル系粘着剤の含有量の重量比が4以上であると、薬物(リバスチグミン)の十分な経皮吸収性を得ることができず薬効が不足する場合がある。リバスチグミン及びミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対するアクリル系粘着剤の合計量の重量比は、1:2.2〜1:3.8の範囲であることが好ましく、1:2.3〜1:3.5の範囲がより好ましい。
本発明の製剤は、リバスチグミン、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤以外に、添加剤として充填剤、架橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤、薬物溶解補助剤、抗菌剤、皮膚刺激低減化剤等を粘着剤層に配合させることもできる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。架橋剤としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属又は金属化合物等の無機系架橋剤等が挙げられる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体等が挙げられる。薬物溶解補助剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。抗菌剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、メチルパラヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。皮膚刺激低減化剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、無水ケイ酸等が挙げられる。
また、本発明の製剤における粘着剤層にはさらに経皮吸収促進剤を添加してもよい。経皮吸収促進剤としては特に限定されるものではなく、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸などの脂肪酸;オレイルアルコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのアルコールあるいはそのエーテル類;セバシン酸ジエチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸セチル、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどの脂肪酸エステル類;モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル類又はエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのフェノールエーテル類;ジオクチルソジウムスルホサクシネート、オレオイルサルコシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤;n−アルキルグルコシド、n−アルキルチオグルコシド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジメチルラウリルアミンオキサイドなどの非イオン性界面活性剤;ジメチルスルホキサイド、デシルメチルスルホキサイドなどのアルキルメチルスルホキサイド類、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、ドデシルピロリドンなどピロリドン類;1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲラニルアザシクロヘプタン−2−オンなどのアザシクロアルカン類;ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン類;メントール、シネオールなどのテルペン類が挙げられる。
本発明の製剤は、粘着剤層にリバスチグミン、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤のみを含有するのが最も好ましい。リバスチグミン、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤のみを粘着剤層に含有することにより、本発明の製剤は十分なリバスチグミンの経皮吸収性、貼付性、凝集性を有し、かつ皮膚刺激性の問題が最も少ない。
本発明の製剤は、支持体、粘着剤層及び粘着剤層の表面を保護するための剥離ライナー層が順に積層されている。本発明の製剤は、十分な経皮吸収性及び貼付性を有するため、粘着剤層と別に薬物含有層を設ける必要はない。
本発明の製剤に用いる支持体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体などからなる合成樹脂フィルム;天然繊維、合成樹脂繊維、又はこれらの複合繊維からなる布帛・織物、織布、又は不織布;紙;合成紙;金属箔などの単層体やこれらの積層体などが用いられる。支持体は、必要に応じてプライマー処理や撥水処理などの表面処理が施されたものであってもよい。
支持体の厚みは、特に限定されないが、5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmがより好ましい。支持体の厚みが5μm以上であると、良好な支持性能を発揮することができ、200μm以下であると、製剤の取り扱い性や使用感を満足させることができる。
本発明の製剤に用いる剥離ライナーは、少なくとも粘着剤層中のリバスチグミンに対して不透過性であるものを用いる。剥離ライナーとしては、例えば、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂などの塗布によって剥離処理を施した紙、ポリエチレン樹脂などの合成樹脂をラミネートした紙、合成樹脂フィルムなどが用いられる。
剥離ライナーの厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、25〜100μmがより好ましい。剥離ライナーの厚みが25μm以上であると、剥離ライナーを剥がしやすいため取り扱い性を向上させることができ、200μm以下であると、製造時の切断が容易となり、製造適性が良好となる。
本発明の製剤は、通常、経皮吸収製剤を製造する方法によって製造することができる。例えば、薬物を含む粘着剤組成成分をアセトン、酢酸エチル等の適当な有機溶媒に溶解させ、得られた粘着剤溶液を支持体上に塗工し、有機溶媒を乾燥・除去して粘着剤層を形成し、その後、粘着剤層上に剥離ライナーを貼り合せることで、製造することができる。また、前記粘着剤溶液を剥離ライナー上に塗工し、有機溶媒を乾燥・除去して粘着剤層を形成し、その後、粘着剤層上に支持体を貼り合せることで、製造してもよい。なお、粘着剤層を形成する際に粘着剤溶液を一度に厚く塗工すると均一に乾燥することが困難な場合があるため、粘着剤層の厚みを充分なものにするために、2度以上に分けて塗工してもよい。
本発明の製剤において粘着剤層の乾燥時の厚さは、20〜50μmである。粘着剤層の乾燥時の厚さが20μm未満では、十分なリバスチグミンの経皮吸収性が得られない場合がある。一方、50μmを超えると、粘着剤層が十分な凝集性を維持できず、剥離時に糊残りを生じる場合がある。
本発明の製剤は、使用前まで包装体で密封して保存又は運搬することが好ましい。包装方法としては、例えば、1枚の貼付製剤、あるいは数枚重ねた貼付製剤を包装材料に包装し、その周辺をヒートシールして密封する方法が挙げられる。この包装材料は、例えば、シート状又はフィルム状のものが挙げられ特に限定されるものではないが、包装の容易さや気密性の観点からヒートシール可能なものが望ましい。具体的には、ポリエチレン、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル系共重合体、ポリビニルアルコール系共重合体等のヒートシール性を有するプラスチックシートを用いた包装材料が適している。本発明の製剤は、それ自体で十分な安定性を示すが、リバスチグミンの酸化分解をより確実に防止するため、ポリエステルフィルムや金属箔等のガス不透過性フィルムを積層したものを用いてもよい。この包装材料としては、厚さ10〜200μmのものが用いられる。上記包装材料の最内層にバリアー性の高いポリアクリロニトリル系共重合体や酸素吸収性の材料を用いたものがより好ましい。また、包装体内を窒素などの不活性ガスで置換、充填してもよい。
さらに本発明の特徴について、実施例及び比較例により詳細に説明する。これらは本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
(実施例1)
(A)成分としてリバスチグミン20.0重量%、(B)成分としてミリスチン酸イソプロピル5.0重量%、(C)成分としてアクリル系粘着剤(DURO−TAK(登録商標)87−235A)75.0重量%を混合して粘着剤組成物を得て、粘度調整用の酢酸エチルを適量加えて、十分に撹拌し、均一な粘着剤溶液を得た。なお、酢酸エチルは、塗工後に除去される。得られた粘着剤溶液を厚み12μmのポリエチレンテレフタレート製支持体のコロナ処理面上に、乾燥後の厚みが22.5μmとなるように塗工し、60℃で1時間乾燥して酢酸エチルを除去し、粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成した。その後、上記粘着剤層に、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート製剥離ライナーのシリコーン処理面を貼り合わせ、本発明のリバスチグミン含有貼付製剤を得た。
(A)成分としてリバスチグミン20.0重量%、(B)成分としてミリスチン酸イソプロピル5.0重量%、(C)成分としてアクリル系粘着剤(DURO−TAK(登録商標)87−235A)75.0重量%を混合して粘着剤組成物を得て、粘度調整用の酢酸エチルを適量加えて、十分に撹拌し、均一な粘着剤溶液を得た。なお、酢酸エチルは、塗工後に除去される。得られた粘着剤溶液を厚み12μmのポリエチレンテレフタレート製支持体のコロナ処理面上に、乾燥後の厚みが22.5μmとなるように塗工し、60℃で1時間乾燥して酢酸エチルを除去し、粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成した。その後、上記粘着剤層に、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート製剥離ライナーのシリコーン処理面を貼り合わせ、本発明のリバスチグミン含有貼付製剤を得た。
(実施例2〜7、比較例1〜9)
表1又は表2に示す組成で、実施例1と同様の手順で、実施例2〜7及び比較例1〜9に係るリバスチグミン含有貼付製剤を得た。
表1又は表2に示す組成で、実施例1と同様の手順で、実施例2〜7及び比較例1〜9に係るリバスチグミン含有貼付製剤を得た。
<試験例1>ヘアレスマウスを用いたin vitro皮膚透過試験
以下の手順に従い、実施例1〜7及び比較例1〜9の製剤の皮膚透過性を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤(貼付面積:0.8cm2)をヘアレスマウス(7週齢、
雄性)から摘出した皮膚の角層側に貼付し、当該皮膚を32℃に加温したリン酸緩衝液(pH7.4)7mLが充填されている拡散セルに装着した。試験開始後、レセプター液2.5mLをオートサンプラーで経時的(0,2,4,6,8,12,16,20,24時間)に採取し、同量のリン酸緩衝液を補充した。採取したレセプター液中の薬物量は高速液体クロマトグラフ(HPLC)法により定量した。
また、対照例として市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)を用いて同様に測定した。
(HPLC条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
注入量:10μL
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=70/30
流量:1.0mL/min
以下の手順に従い、実施例1〜7及び比較例1〜9の製剤の皮膚透過性を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤(貼付面積:0.8cm2)をヘアレスマウス(7週齢、
雄性)から摘出した皮膚の角層側に貼付し、当該皮膚を32℃に加温したリン酸緩衝液(pH7.4)7mLが充填されている拡散セルに装着した。試験開始後、レセプター液2.5mLをオートサンプラーで経時的(0,2,4,6,8,12,16,20,24時間)に採取し、同量のリン酸緩衝液を補充した。採取したレセプター液中の薬物量は高速液体クロマトグラフ(HPLC)法により定量した。
また、対照例として市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)を用いて同様に測定した。
(HPLC条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
注入量:10μL
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=70/30
流量:1.0mL/min
得られた累積透過量−時間曲線から24時間後の累積透過量[mg/製剤1枚当たり]及び市販製剤の24時間後の累積透過量に対する実施例及び比較例の製剤の24時間後の累積透過量の比率[%]を算出し、当該累積透過量の比率が、市販製剤に対して80〜125%の範囲内であったものを「○」、80〜125%の範囲から外れていたものを「×」と評価した。結果を表3に示す。
なお、比較例2については皮膚透過試験を実施しなかった。比較例2については、表3中に「N.D.」、すなわち「Not Determined」と示す。
なお、比較例2については皮膚透過試験を実施しなかった。比較例2については、表3中に「N.D.」、すなわち「Not Determined」と示す。
表3の結果より、比較例1、6〜9の製剤は24時間後の累積透過量が7mgに満たなかったのに対し、実施例1〜7の製剤は24時間後の累積透過量が7mg以上あり、皮膚に対して十分な経皮吸収性を示すことがわかった。この結果より、本発明の経皮吸収製剤は、粘着剤層の乾燥時厚みが20〜50μmで、かつリバスチグミン及びミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対するアクリル系粘着剤の含有量の重量比が1:2以上1:4未満であるときに、十分な経皮吸収性を有することがわかった。
<試験例2>凝集力(官能試験)
以下の手順に従い、実施例1〜7及び比較例2、4〜6の製剤の凝集性を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤の粘着剤層の露出面を指で触った際の粘着剤層の凝集性を下記の指標で評価した。結果を表4に示す。
〔評価指標〕
〇:糸曳きが無く、指に糊残りしなかった。
△:糸曳きがひどく、指に糊残りした。
×:テープとして成形できないか、成形後に形状を維持できなかった。
以下の手順に従い、実施例1〜7及び比較例2、4〜6の製剤の凝集性を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤の粘着剤層の露出面を指で触った際の粘着剤層の凝集性を下記の指標で評価した。結果を表4に示す。
〔評価指標〕
〇:糸曳きが無く、指に糊残りしなかった。
△:糸曳きがひどく、指に糊残りした。
×:テープとして成形できないか、成形後に形状を維持できなかった。
表4の結果より、比較例2及び比較例4〜6は指に糊残りがあり、製剤化には不適切であった。これに対し、実施例1〜7はいずれも粘着剤層の良好な凝集性を示した。
<試験例3>皮膚刺激性及び貼付性試験
試験目的及び予想される副作用等について、十分な説明を受け、かつ、自由な意思に基づき、当該ヒトパッチ試験への参加に関する意思表示をした社内ボランティア(被験者)を対象として、以下の手順に従い、実施例3〜6及び比較例3〜5の製剤の皮膚刺激性及び実施例3〜6の製剤の貼付性(製剤の貼付状況)を評価した。
また、対照例として市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)を用いて同様に皮膚刺激性と貼付性を評価した。
試験目的及び予想される副作用等について、十分な説明を受け、かつ、自由な意思に基づき、当該ヒトパッチ試験への参加に関する意思表示をした社内ボランティア(被験者)を対象として、以下の手順に従い、実施例3〜6及び比較例3〜5の製剤の皮膚刺激性及び実施例3〜6の製剤の貼付性(製剤の貼付状況)を評価した。
また、対照例として市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)を用いて同様に皮膚刺激性と貼付性を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤(貼付面積:1.3,5又は10cm2)を前腕部内側に貼付した。貼付24時間後に製剤の貼付状況を観察した後、製剤を剥離した。その後、30分間放置した後(≒剥離直後(0時間後))に貼付部位の皮膚状態を観察した。さらに、製剤を剥離してから1及び24時間後についても、同様に観察した。
製剤の貼付状況の観察は、製剤の皮膚からの「明らかな浮き又は剥がれの有無」を指標に評価し、浮き又は剥がれが発生した被験者数をカウントした。
また、貼付部位の皮膚状態の観察は、「明らかな紅斑の有無」及び「明らかな浮腫の有無」を指標に評価し、紅斑を有する被験者数又は浮腫を有する被験者数の合計を算出した。
結果を表5に示す。なお、下記表5に示される分数の分母は被験者の総数であり、分子は各観察時における、浮き又は剥がれが発生した被験者数或いは紅斑又は浮腫を有する被験者数の合計である。
また、貼付部位の皮膚状態においては、製剤を剥離してから24時間後の観察において、明らかな紅斑及び浮腫が認められなかったものを「○」、製剤を剥離してから24時間後の観察において、明らかな紅斑または浮腫が認められたものを「×」と評価した。
製剤の貼付状況の観察は、製剤の皮膚からの「明らかな浮き又は剥がれの有無」を指標に評価し、浮き又は剥がれが発生した被験者数をカウントした。
また、貼付部位の皮膚状態の観察は、「明らかな紅斑の有無」及び「明らかな浮腫の有無」を指標に評価し、紅斑を有する被験者数又は浮腫を有する被験者数の合計を算出した。
結果を表5に示す。なお、下記表5に示される分数の分母は被験者の総数であり、分子は各観察時における、浮き又は剥がれが発生した被験者数或いは紅斑又は浮腫を有する被験者数の合計である。
また、貼付部位の皮膚状態においては、製剤を剥離してから24時間後の観察において、明らかな紅斑及び浮腫が認められなかったものを「○」、製剤を剥離してから24時間後の観察において、明らかな紅斑または浮腫が認められたものを「×」と評価した。
<試験例4>粘着力(180°ピール試験)
以下の手順に従い、実施例3〜6及び比較例3〜5の製剤の粘着力を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤を試験板(SUS304鋼板、表面仕上げBA)に貼付し、重さ2kgのゴムローラーを一往復させて圧着し、23℃雰囲気下で30分間静置した。その後、引っ張り試験機を用いて、製剤を試験板から毎分300mmの速度で引き剥がした。
また、対照例として市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)を用いて同様に粘着力を測定した。
得られた応力−変位曲線から平均粘着力[N/10mm]を算出した。結果を表5に示す。
以下の手順に従い、実施例3〜6及び比較例3〜5の製剤の粘着力を評価した。
剥離ライナーを剥離した製剤を試験板(SUS304鋼板、表面仕上げBA)に貼付し、重さ2kgのゴムローラーを一往復させて圧着し、23℃雰囲気下で30分間静置した。その後、引っ張り試験機を用いて、製剤を試験板から毎分300mmの速度で引き剥がした。
また、対照例として市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)を用いて同様に粘着力を測定した。
得られた応力−変位曲線から平均粘着力[N/10mm]を算出した。結果を表5に示す。
表5の結果より、実施例3〜6は貼付時の製剤の浮や剥がれが無く、十分な貼付性を有し、また、皮膚に対する刺激も比較例3〜5及び市販製剤よりも低減されることがわかった。
<試験例5>安定性試験
実施例4の製剤をアルミニウム包装に封入し、市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)とともに40±1℃、75±5%RHの条件で1ヵ月保存した。所定の保存期間が経過した後、各製剤をサンプリングし、安定性試験に供した。
剥離ライナーを剥離した各製剤(貼付面積:4.9cm2)を遠沈管にとり、リバスチ
グミンとして1.0mg/mLとなるようにメタノールを加えて、120分間振とうした。この抽出液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過し、上澄み液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。得られたリバスチグミン及び不純物のピーク面積から面積百分率法により相対面積[%]を算出し、リバスチグミン純度とした。結果を表7に示す。
(HPLC条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
注入量:10μL
移動相A:リン酸二水素カリウム2.7gを水1Lに溶かし、トリエチルアミン2mLを加え、リン酸を加えてpH6.0に調整する。
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:表6に従い移動相A及びBの混合比を変えて、濃度勾配を制御する。
流量:1.0mL/min
面積測定範囲:60分
実施例4の製剤をアルミニウム包装に封入し、市販製剤「リバスタッチパッチ18mg」(商品名、小野薬品工業株式会社製、有効成分:リバスチグミン、含有量:20重量%)とともに40±1℃、75±5%RHの条件で1ヵ月保存した。所定の保存期間が経過した後、各製剤をサンプリングし、安定性試験に供した。
剥離ライナーを剥離した各製剤(貼付面積:4.9cm2)を遠沈管にとり、リバスチ
グミンとして1.0mg/mLとなるようにメタノールを加えて、120分間振とうした。この抽出液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過し、上澄み液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。得られたリバスチグミン及び不純物のピーク面積から面積百分率法により相対面積[%]を算出し、リバスチグミン純度とした。結果を表7に示す。
(HPLC条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
注入量:10μL
移動相A:リン酸二水素カリウム2.7gを水1Lに溶かし、トリエチルアミン2mLを加え、リン酸を加えてpH6.0に調整する。
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:表6に従い移動相A及びBの混合比を変えて、濃度勾配を制御する。
流量:1.0mL/min
面積測定範囲:60分
表7の結果より、実施例4は市販製剤と同等のリバスチグミン純度を有し、これより本発明の製剤は市販製剤と同等の安定性を有することがわかった。
Claims (2)
- 支持体、前記支持体の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層、及び前記粘着剤層の前記支持体とは反対の面に積層された剥離ライナーを含むリバスチグミン含有経皮吸収製剤であって、
前記粘着剤層は、
A:リバスチグミンを粘着剤層重量に対し4〜30重量%、
B:ミリスチン酸イソプロピルを粘着剤層重量に対し0.1〜25重量%、及び
C:アクリル系粘着剤を含有し、
前記リバスチグミン及び前記ミリスチン酸イソプロピルの合計含有量に対する前記アクリル系粘着剤の含有量の重量比が1:2以上1:4未満の範囲であり、
前記粘着剤層の乾燥時厚みが20〜50μmである、リバスチグミン含有経皮吸収製剤。 - 前記アクリル系粘着剤が、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸メチルエステル及びアクリル酸を含む単量体成分を重合してなるアクリル共重合体であるか、又はアクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び酢酸ビニルを含む単量体成分を重合してなるアクリル共重合体である請求項1に記載のリバスチグミン含有経皮吸収製剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017074756 | 2017-04-04 | ||
JP2017074756 | 2017-04-04 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018177758A true JP2018177758A (ja) | 2018-11-15 |
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ID=64281218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017095024A Pending JP2018177758A (ja) | 2017-04-04 | 2017-05-11 | リバスチグミン含有経皮吸収製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018177758A (ja) |
-
2017
- 2017-05-11 JP JP2017095024A patent/JP2018177758A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
AA64 | Notification of invalidation of claim of internal priority (with term) |
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|
A521 | Written amendment |
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