(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像記録装置のブロック図である。画像記録装置1000は、主に、カメラ部110、画像符号化部120、データバッファ部130、位置検出部140、記録部150、システムコントローラ(以下、SCと略す)160、無線受信部170、対比処理部180、検索処理部190、入力部200、画像表示部210、外部出力インターフェース(以下、外部出力IFと略す)220を備える。
カメラ部110は、画像を取得し、画像符号化部120に出力する。画像符号化部120は、カメラ部110で取得されたデジタル画像データにエンコード処理を行う。静止画像の場合はJPEGやTIFF、動画像の場合はMPEG2やH.264/AVCといった所定のCodecに従って符号化を行い、データバッファ部130へ出力する。データバッファ部130は、符号化後の画像データを一時保管しSC160からの制御に基づいて画像データをSC160に出力する。
位置検出部140は、複数の衛星から送信された信号の受信タイミングを基に各衛星までの擬似距離を算出して現在の位置および時刻を求める。また、位置検出部140は、車速度を検出する車速センサや加速度を検出する加速度センサや車体の方向を検出する方位センサからの情報と組み合わせ、現在の位置を表す位置情報及び現在の時刻を表す時刻情報を生成し、SC160からの制御に基づいて位置情報と時刻情報をSC160に出力する。
記録部150は、主にメモリーコントローラ(MC)と情報記録媒体で構成される。MCは、情報記録媒体へのデータの書き込みと読み込みを制御する。SC160から出力された画像データは、MCの制御にしたがって、HDD(Hard Disk Drive)などの情報記録媒体に位置及び時刻と関連付けられた状態で記録される。また、情報記録媒体には後述する画像を提出するかどうかの基準を示した設定ファイルや画像データと画像データが取得された位置及び時刻との対応関係を纏めた管理ファイルも記録される。
及び時刻との対応付けが記録された管理ファイルも合わせて出力され図2は、上記画像管理ファイルの一例を示している。画像管理ファイルには画像を管理するために撮影された画像に一連に割り当てられた画像管理番号、画像を特定するファイル名、その画像が撮影された位置及び時刻が対応付けられた状態で記録されている。また、画像管理ファイルには、画像データを作成した作成日、画像管理ファイルを更新した更新日、画像データの記録位置を示す開始アドレス等も合わせて記録され、新たに撮影される画像や一定期間経過して消去される画像に伴って、画像管理ファイルも逐次作成・更新される。画像データを後述する外部出力IFを介して外部へ出力する場合は、画像データと当該画像データの取得位置及び時刻との対応付けが記録された管理ファイルも合わせて出力される構成でもよい。
SC160は、各演算を行うCPU、プログラムを格納するROM、作業領域として設けられたRAMやクロック生成回路などで構成されており、装置全体の管理及び制御を行う。また、SC160は、位置検出部140より入力した位置情報及び時刻情報に基づいて、カメラ部110で画像データが取得された位置及び時刻を求め、求めた位置及び時刻と画像データを関連付ける処理を行う。この関連付けは、画像データと画像取得位置及び時刻とを纏めた画像管理ファイルを生成することで関連付けても良いし、画像データのファイル名に直接画像取得位置及び時刻を関連付けても良いし、画像データ内に画像取得位置及び時刻を埋め込んで関連付けても良い。位置及び時刻と関連付けられた画像データは、記録部150に出力されて一定期間記録される。また、SC160は、後述する無線受信部170で受信される画像検索情報を対比処理部180及び検索処理部190に出力する制御を行う。
無線受信部170は、外部の無線通信基地局から送信された信号を受信する。ここで、無線通信(無線放送)方式としては、FM放送、ビーコン、携帯電話無線通信、デジタルテTV、路側装置との無線通信等が考えられるが、以下の説明では、無線通信方式をFM放送として説明する。外部に設置されているFM送信局は、音楽等のコンテンツに加えて渋滞情報、DGPS補正データ、及び後述する画像検索情報等を周波数多重して送信する。FM放送局から送信され、アンテナを介して受信した受信信号は、無線受信部170にて、増幅処理、FM検波処理等が行われ、処理後の信号に対してBPフィルタを用いてステレオ信号と多重信号とに分離される、さらに、多重信号を抽出して復調処理及び復号処理が行われる。ここで復号されるデータにはDGPS補正データ、VICSデータ(VICSは登録商標。以下省略。)などが含まれ、VICSデータには事故情報、渋滞情報、駐車場空き状況などに関するサービス情報、広告などの商業情報、などの既存の情報に加えて新たに画像検索情報が含まれる。画像検索情報には、検索処理部180で検索を行う範囲を指定するための位置や時間に関する情報、画像提出に関する重要度情報、画像提出の対価を示す金銭情報等が含まれている。復号されたデータはSC160によって選択・破棄された後、適宜各部に出力される。
図3は、FM放送局から送信される画像検索情報のデータフォーマットの一例を示している。先頭の番組ヘッダは番組の対象を特定する情報であり、渋滞情報、事故情報、商業情報、ニュース、天気予報及び画像検索情報などの情報種別を特定するためのサービス識別コードが含まれる。また、番組ヘッダには、同一サービス内での何番目の番組かを示す番組番号や当該番組の頁数を表す総頁数情報が含まれる。番組ヘッダに続く各頁には画像検索情報に含まれるそれぞれの案件に関する情報が記されている。各頁は頁ヘッダと頁データとから構成される。頁ヘッダには、頁番号の他、それぞれの案件を特定するために案件に個別に割り当てられた案件番号、画像提出を求める範囲を特定するための位置情報及び時間情報、重要度情報や金銭情報などが記されている。これらの情報は、画像記録装置内の対比処理部における使用者によって設定される基準値との対比処理及び検索処理部において行われる記録部で記録している画像データの中に上記画像検索情報に含まれる位置情報及び時刻情報に基づいて指定される位置及び時間の範囲で撮影された画像データが存在するかどうかの検索処理に用いられる。
位置情報及び時間情報にそれぞれ含まれる位置指定種別及び時間指定種別は、それぞれ画像提出を求める範囲を指定する指定方法を示しており、例えば、図4に示すように位置指定種別は3ビットで表される。ビット列000は、2つの緯度情報と2つの経度情報を用いた指定方法であることを示し、画像提出を求める領域は、これらの4本の線で囲まれる範囲内で記録された画像となる。ビット列が001は、2つの座標情報を用いた指定方法であることを示しており、2つの座標を対角線上の頂点とする正方形で囲まれる領域が画像提出を求める領域となる。時間指定種別は例えば2ビットで表され、ビット列00は、時間帯を指定するための2つの時刻情報が、ビット列01は1つの時刻情報と時間間隔情報が記されている。ここで時刻情報は年月日まで含んだ時刻であり時間間隔情報は例えば2時間といったような値である。
重要度情報は例えば4ビットで表され、ビット列0000から1111の16通りの重要度は、画像提出の緊急度、事件の大きさや事件の種類、画像要求元の種類に応じて割り当てられている。金銭情報は、画像を受け取った場合に支払う対価に関する情報であり、例えば静止画像1枚単位で設定される値段や、動画像1秒単位で設定される値段で表される。要求画像数は、画像の提出を要求する静止画像の枚数や動画像の長さなどに関する情報である。提出先情報は、当該案件の画像の提出先を示しており、例えば、画像の提出先である警察や画像情報管理会社のサーバのIPアドレス等に関する情報である。頁データ部分には、画像要求元である機関、会社の具体的な情報、画像使用目的、金銭情報、事件の具体的内容、などの個別案件の具体的な情報が含まれる。当該情報は、モニターなどの画像表示部210に出力され、画像表示される。
入力部200は、使用者が主に画像提出に関する基準値の入力を行うための入力手段であり、タッチパネルや入力キーといった操作盤で入力された信号はIFを介してSC160に入力される。また、使用者からの入力は音声で入力される構成であっても良い。図5に入力される基準に関する一例を示す。重要度は、画像提出に関する重要度を示し、画像検索情報に含まれる重要度情報と一対一で対応している。図5では、重要度が1から5までの画像を提出するよう設定されている。値段は、画像を提出する際に要求する金銭対価の額を示す。この場合、静止画像は1枚3千円、動画像は1分8千円に設定されており、この額よりも高額の対価を支払ってくれる画像要求に対しては画像を提出する。除外位置は、画像を提出しない場所を設定する。例えばプライバシーの観点から自宅周辺の画像を提出したくない使用者もいるためである。この場合、座標1である北緯34”09’3024”東経132”40’3000”と座標2である北緯34”10’0024”東経132”41’3000”の2座標を頂点とする正方形の範囲に含まれる位置範囲で取得された画像は、この範囲で画像提出要求が出されていても提出しない設定となる。これらの入力された設定は設定ファイルに纏められて記録部150に記録される。
図6は、重要度の一覧を示す。重要度は16段階に分けられ、重要度1から8は公的機関に、9から14は民間機関に、15と16は予約としてそれぞれ割り当てられている。
対比処理部180は、前記受信した画像検索情報と前記入力された画像提出に関する基準とを対比する。具体的には、新たな画像検索情報が無線受信部170で受信された場合、SC160の制御に従って画像検索情報が対比処理部180へ出力される。対比処理部180は、画像検索情報を入力すると、画像提出に関する基準が記録されている設定ファイルを読み込む。対比処理部180は、読み込んだ設定ファイルに記録されている重要度と画像検索情報に含まれている重要度の対比を行う。また、対比処理部180は、読み込んだ設定ファイルに記録されている画像提出における金銭対価である画像の値段と、画像検索情報に含まれている金銭情報の対比を行う。また、対比処理部180は、読み込んだ設定ファイルに記録されている除外位置と、画像検索情報に含まれている位置に関する情報との対比を行う。上記対比処理は、画像検索情報に含まれる複数の案件について案件毎に行われる。対比処理部180は、対比結果をSC160へ出力する。対比の結果、とある案件に関して、設定ファイルに記録されている重要度が画像検索情報に含まれている重要度より低い場合、又は設定ファイルに記録されている値段が画像検索情報に含まれている値段よりも低い場合、又は設定ファイルに記録されている除外位置によって特定される範囲以外の位置範囲が画像検索情報に含まれている位置に関する情報によって特定される範囲に含まれている場合は、提出する可能性がある画像が記憶部150に記憶されている可能性があるため、SC160の制御に従って画像検索情報が対比処理部180から検索処理部190へ出力され、検索処理部190へ画像検索指示が出される。
検索処理部190は、画像検索情報及び画像管理ファイルを用いて記録部150に記録されている画像の中に画像検索情報に含まれる位置や時間に関する情報によって特定される範囲内で撮影された画像があるかどうかの検索処理を行い、検索結果をSC160へ出力する。SC160は、検索処理部190から出力された検索結果に基づいて、記録部150に記録されている画像の中から、画像検索情報で特定される範囲内で撮影された画像を抽出し、外部出力IF220へ出力させる指示をMCに行う。また、必要に応じて検索処理部190で抽出されて外部に出力される画像とその抽出された画像についての画像取得位置及び時刻を表す位置情報及び時刻情報との対応関係が記録された管理ファイルを新たに作成し、画像と合わせて出力させる制御を行っても良い。また、SC160内に別途変換処理部を設け、画像管理ファイルに記録されている画像と位置情報及び時刻情報との対応関係を、画像データに組み込む変換処理を行っても良い。画像データ自体にその画像が取得された位置及び時刻を表す位置情報及び時刻情報が関連付けられて出力されることで後のデータ管理が容易になる。
画像表示部210は、画像検索情報に含まれる重要度、金銭情報、位置や時刻に関する情報の表示、重要度や対価金銭の値段等を設定する設定画面の表示、対比処理部180における対比結果の表示、画像提出が完了したことを示す通知等のオーバーレイ表示を必要に応じて行う。
外部出力IF220は、記録部150から出力された画像を外部へ出力するためのインターフェースである。外部出力IF220としては、メモリーカードへ出力するための専用スロットや、無線送信で出力するための無線通信インターフェース等を用いることができる。
次に画像記録装置を用いた画像収集システムについて説明する。図7は、本実施の形態に係わる画像収集システムの一例を表す概念図である。画像を収集する収集元は大きく分けて公的機関と民間機関に分けられる。画像情報管理会社はこれらの複数の民間機関から対価金銭の設定額、画像収集位置及び時刻などの情報を含む画像収集要求(画像提出依頼)を取り纏め、取り纏められた画像収集要求は道路交通情報センターに送信される。
道路交通情報センターは、画像情報管理会社から送信された画像収集要求や、各公的機関から送信された画像収集要求を取り纏め、取り纏められた画像収集要求は、所定のフォーマットに纏められ、画像検索情報として各画像記録装置へ送信される。監査組織は、公的機関や民間機関が不必要に多くの情報を収集していないかを監視する。個人情報管理機関は、個人情報を管理する。図8は個人情報管理機関の有する情報サーバに記録されている個人情報の一覧ファイルの一例である。個人情報管理機関は、公的機関や画像情報管理会社から送られてくる画像記録装置のMACアドレスや所有者のハンドルネーム、自動車登録番号など、画像提供者を特定するための情報を基にして、個人情報のファイルを参照して、対応する画像記録装置の所有者の口座番号等の個人情報を求め、当該個人情報を必要に応じて暗号化した上で、要求があった警察等の公的機関や画像情報管理会社へ返信する。各画像記録装置から無線出力された画像データ及び管理ファイルはプロバイダーを経由して画像情報管理会社へ送信される。
以上のように、本願実施の形態1の画像記録装置において、カメラ部のように外部の風景を撮影する画像取得手段によって取得された画像は、符号化処理部における符号化処理が施された上で記録媒体に記録される。本装置は、装置所有者が記録した画像を提出する基準を入力する入力部を有しており、画像提出の可否をコントロールできる構成となる。対比処理部は、外部から送信された画像検索情報を無線受信する受信手段から画像検索情報を入力し、上記の入力部によって入力された基準に関する設定を記録した設定ファイルを入力し、それぞれの対比項目について対比を行う。対比の結果、画像検索情報の要求が入力された基準を満たしている場合、画像が出力される。このように、所有者が画像の提出の基準を設定し、画像提出の可否をコントロールできる構成を採ることで、画像要求元である警察や民間企業等からの不当な画像の収集による自由社会への危険を除去でき、また所有者にとってメリットがある画像のみ提出する設定を可能とすることで画像の需要と供給のバランスが保たれる。
なお、上記説明では、対比手段として対比処理部、検索手段として検索処理部を別途設ける構成を説明したが、これに限定されるものではなく、対比プログラム、検索プログラムを用いてSC160内のCPUが対比処理・検索処理を行うよう構成されていてもよい。また、画像検索情報の送信フォーマットは上記説明のフォーマットに限るものではなく、既存のフォーマットを利用してもよいし、図9のように新たなフォーマットで送信されていてもよい。図9のフォーマットでは、先頭に同期用のプリアンブルビットが配置され、ヘッダ部、データ部に続いて後端に誤り検出用のCRCビットが配置されている。ヘッダ部には、画像検索情報であることを識別するための情報種別、本データが提供された時刻を表す提供時刻、フレーム分割の有無と各フレームを識別するためのフレームID、データ部に記録されている有効データ長などが含まれる。データ部には、各案件に対する位置情報及び時間情報や重要度情報等が配置され、装置内の対比処理部では、このデータ部に記述された重要度情報や金銭情報等に基づいて、所有者によって設定された基準値との対比処理が、また、検索処理部では位置情報及び時間情報に基づいて、これらの情報から特定される位置範囲内及び時間範囲内で取得された画像データがあるかどうかの検索処理がそれぞれ行われることになる。
一般に監視カメラを設置する場合はプライバシーに関する問題が必ず浮上する。特に監視カメラで取得された画像が警察や国家によって一元的に管理されることは、たとえ罪を犯していなくても、常に自分の行動がモニタで誰かに監視されている可能性があるということが大きなストレスとなりうる。しかしながら、本発明の画像記録装置を用いて監視する場合、画像データは各画像記録装置の所有者に分散して記録・管理され、必要に応じた時と場所に関する画像データのみ本装置の所有者の善意に基づいて国家に提供されることになる。つまり、日常生活の中で各国民の姿が高い頻度で画像データとして記録されるが、自分の近くを通り過ぎた複数の車に搭載された画像記録装置にそれぞれ数秒程度の時間ずつ分散して記録されることになる。従って、特定の人物・機関が自分の行動を監視し続けるといった状況にはならない。そして、各画像記録装置で記録される画像は、画像記録装置の所有者であるドライバーが運転中に目に飛び込んでくる風景とほぼ同一のものであるのだから、その風景をドライバーが画像データとして記録してもプライバシー侵害には繋がらない。従って、本発明の画像記録装置を用いた犯罪捜査協力の方法は、警察等の国家組織が犯罪捜査のために街中に監視カメラを取り付ける方法と比べて、プライバシー保護の観点からも大きなメリットがある。
ここで、本装置の購入者は、治安の改善、金銭報酬など購入へのインセンティブは多様であり、その目的以外へは画像の提供を拒みたいと考えることも考えられる。そのような要求を満たすため、自ら画像提出する基準を設定し画像の要求との対比を可能とする構成とすることで、画像の供給を所有者側で制御できるため、画像の不必要な利用を抑制することができ、安心して本装置の購入ができる。結果、本装置の普及を後押しできることで、本画像収集システムを発展させることが出来る。
このように、本発明の画像記録装置を用いれば、人物の姿が撮影者の意図を介さず偶然撮影される状態で複数の装置に分散して記録されるため、一定のプライバシーが確保できる。また、画像記録装置は、使用者が購入して設置するため、新たな大掛かりなインフラの整備や補修等が必要ないため、迅速な導入が可能である。また、使用者にとっても画像記録装置を車内に設置することで、長期的な観点から治安が回復できると共に、通常のドライブレコーダやカーナビゲーションの補助として撮影した画像を活用できるため購入に大きなメリットがある。また、必要に応じて警察から支払われる謝礼金のみならず民間企業から支払われる金銭対価によって画像記録装置購入費用以上の金額を回収できる可能性が高まるため、購入するメリットも大きい。また、謝礼金として払われる金額は、犯人が負担するように法律で設定すれば、国家予算を圧迫することなく謝礼金を大きく設定できることで、画像収集率を向上させる相乗効果も期待できる。
また、動画像データと動画像データの撮影位置及び撮影時刻とを関連付ける場合は、例えば動画像データを構成する各ピクチャ又は代表するピクチャが取得された位置と時刻とを記載した管理ファイルを生成することで関連付けしてもよいし、動画像データのファイル名に、動画像データを代表する単数又は複数の位置及び時刻に関する情報を関連付けしてもよいし、動画像データ内に動画が撮影された位置及び時刻に関する情報を埋め込んでもよい。図11は、動画像データと動画像データが取得された位置及び時刻との対応関係を記録した管理ファイルの一例である。このように、カメラ部で撮影される動画像は、所定の時間毎に区切られ、異なる動画像データとして記録部に記録される。この場合では、1分毎に動画を区切って1つの動画ファイルとして記録していく構成となっている。また動画像の撮影位置及び時刻に関する位置情報として、単位秒毎にその撮影位置と撮影時刻が管理ファイルに記録されている。このように動画像とその動画像取得位置及び時刻との対応関係を記録した管理ファイルを作成し、検索処理部はこの管理ファイルに記録された位置及び時刻が、画像検索情報に基づいて特定される位置・時間範囲内かどうかを検索し、動画像データを抽出する構成となる。
また、上記説明では画像データと画像取得位置及び時刻と関連付けて記録したが、更に方位センサや位置検出部140において算出した2つの時刻における位置の差分から画像撮影方位を求め、求めた撮影方位と画像データを関連付ける構成でもよい。この構成により集められた画像をより有効的に利用できる。また上記説明では受信した画像検索情報について対比処理部における対比処理を行った後に、検索処理部において検索処理が行われる構成としたが、この順序は逆でもよい。先に画像検索情報が検索処理部に入力されることにより、該当画像の検索・抽出を行った後、画像検索情報が対比処理部に入力され、使用者によって設定された基準との対比が行われ、対比結果に基づいて画像提出が行われる構成であっても良い。
また、上記説明では、カメラ部、位置検出部、無線受信部、記録部、画像表示部等の構成要素が本体に内蔵されている場合について説明したが、これに限るものではなく、本体外部に設置され、コネクタや無線LANを介して画像、位置情報、時刻情報、画像検索情報が各部から本体へ入力される構成であっても良い。すなわち、これら各部を本体外部に独立した装置として設置し、お互いが接続されて画像記録システムを構成することができる。例えばカメラを別個の装置として設計し、設置場所の自由度を確保することにより、より適切な画像取得が可能になる場合もあるためである。
(実施の形態2)
本実施の形態2に関わる画像記録装置は、無線通信部を有し、路側通信装置との通信により抽出画像を提出する構成を示したものである。なお、本実施の形態において画像検索情報には暗号鍵および画像提出期限情報が含まれる。暗号鍵は後述する暗号化処理部において提出する画像の暗号化に用いられ、画像提出期限情報は抽出された画像の提出期限をあらわす情報である。
図12に本実施の形態2における画像記録装置と路側通信装置を示す。なお、図1の画像記録装置と同一のブロックについては一部説明を省略する。本実施の形態ではカメラ部110、位置検出部140、無線受信部170は本体外部に設置されており、接続インターフェース2240を介して接続されている。カメラ部110で撮影された画像、位置検出部140で求められた位置情報及び時刻情報、無線受信部170で受信された画像検索情報は、SC2160の制御に従って、接続インターフェース2240を介して本体内部へ入力される。
図13は、画像表示部210に表示された入力部200より入力される画像提出の基準に関する設定画面の一例を示したものである。この場合、重要度は1,2,3,9,10に設定されており、公的機関に関しては重犯罪以上に関して、民間機関に関しては、大きな金銭フィードバックが望めるマスコミュニケーション関連についてのみ画像提出を行う設定となっている。対価金銭に関しては、重要度1,2,3の画像要求に関しては、社会貢献の観点から金銭対価が無い場合でも画像を提供する設定であり、重要度9,10に関しては、単位画像あたりについて200円の金銭対価が設定されている。除外時刻は、設定されている時間帯で撮影された画像については画像提供を行わない設定項目である。例えば、カメラ部110が光学補正機能を有していない場合、夜間に撮影された画像は画像価値が低いため夜6時から朝6時までの間で撮影された画像は送信しないように設定されている。
除外要求は、画像要求の範囲が不当に広い場合は、画像提供を行わない設定を示している。日本のように健全な国家では起こりえる可能性は低いと思われるが、例えば独裁国家や社会主義国家の一部では、本画像収集システムを悪用し、不正に必要以上の画像を収集し、国民の過剰な監視に悪用する可能性が存在するため、所有者側で画像収集者に対抗する手段を担保したものである。図13では、画像検索情報に含まれる位置に関する情報から特定される画像要求範囲が9平方kmを超える場合は、不必要に広範囲の画像を収集する要求であるとしてこの要求に対しては、画像提供を行わないように使用者によって設定されている。同様に画像検索情報に含まれる時間に関する情報から特定される画像要求範囲が4時間を超える場合は、不必要に長い時間範囲で画像を収集しているとしてこの要求に対しては画像提供を行わない。また、除外要求は、時空間の総範囲について設定してもよい。画像検索情報から特定される位置や時間の範囲が大きくても、時空間で考えて小さければ問題ない場合があるためである。この場合、画像要求位置範囲が100平方kmと幅広い位置であっても画像要求時間範囲が3分未満であれば、設定条件をクリアしており、このような画像要求に対しては画像を提出する。また画像要求時間範囲が100分に渡る長時間であっても、画像要求位置範囲が3平方km未満であれば設定条件を満たす。なお、この除外要求に関する設定は重要度に応じて個別に設定できる構成であっても良い。重要度1のテロ事件に関する場合のみに関しては、自分の生命にも関係するため幅広い範囲を指定しての要求であっても画像を提出したいユーザもいるからである。
画像提出上限は、単位期間あたりに提出する画像データの容量の制限を定める。画像データの提出量の観点から制限を行いたいユーザもいるためである。画像記録装置には、新たに無線送信部より送信された画像のデータ量を計測する計測部が新たに設けられる。計測部は、案件毎・画像送信先・画像提出日時毎に送信した画像のデータ総量・送信画像枚数等を記録した管理ファイルを作成更新する。図13の場合では、1ヶ月あたりの送信量が100Gバイトを超えた場合、その月は画像検索情報から特定される画像が記録部に記録されていても画像の送信は行わない。また1日あたり100Mバイトを超えた場合も送信を行わない。なお、この画像提出上限設定は画像データの総量ではなく、静止画像枚数の上限、動画像の総時間の上限を定めて提出量を制御する構成であっても良い。また、重要度毎に画像提出上限を個別に設定できる構成であっても良い。また、1つの画像要求依頼者毎、送信先毎、画像要求の案件毎に画像提出上限を個別に設定できる構成であっても良い。
検索処理部190は、検索処理の結果、画像検索情報に含まれる位置及び時間に関する情報に基づいて特定される範囲内で撮影された画像が記録部150内に記録されていた場合、当該画像を抽出し、抽出された画像の管理ファイルを作成・更新する。抽出された画像は、SC2160の指示に従って暗号化処理部2250に出力される。また画像検索情報に含まれる暗号鍵もSC2160の指示に従って暗号化処理部2250に出力され、暗号化処理部2250内のRAMに格納される。
暗号化処理部2250は、RAMに格納してある暗号鍵の中から当該暗号化する画像に対応した暗号鍵番号の暗号鍵を選び、画像の暗号化を行う。暗号化処理部2250は、暗号化した画像を無線通信部2230へ出力する。暗号化処理部2250は、必要に応じて画像と画像の取得位置及び時刻との対応関係が記録されている管理ファイルを読み込み、暗号化した上で無線通信部2230へ出力する。
無線通信部2230は、路側通信装置と通信を行う。暗号化処理部2250から出力された暗号化済みの画像データや管理ファイル等は、符号化処理、変調処理、アップコンバートやA/D変換等の送信処理をそれぞれ行い、処理後の信号はアンテナを介して路側通信装置に出力される。路側通信装置に送られた画像データは、インターネット網を通ってIPアドレスの示す画像提出先へ送信される。一方、路側通信装置から送信された信号は、アンテナで受信された後、ダウンコンバートやA/D変換等の受信処理、復調処理、復号化処理が行われ、復号されたデータはSC2160の制御に従って適宜必要な各部へ出力される。
このように、本実施の形態では画像検索情報に含まれる案件毎に抽出された画像データが案件毎に異なる暗号鍵を用いて暗号化された上で提出されるため、例えば画像データが誤った提出先へ出力されても復号鍵を所有していないため画像の復号化ができずプライバシーは保護される。また、上記説明では無線受信部170がFM放送等の手段で画像検索情報を受信する構成を説明したが、これに限るものではなく、無線通信部2230が路側通信装置から画像検索情報を受信する構成であっても良い。
(実施の形態3)
本画像収集システムにおいては、例えば並走して走る車のように同一時刻にほとんど同一の場所を走る車に搭載された画像記録装置から画像が提出されるケースが想定される。画像提供を求める依頼者は、対価金銭を支払う以上、同一時刻・範囲で取得された画像のうち1枚のみを求めるという場合が想定される。この場合実施の形態1、2の場合ではどの画像記録装置で取得された画像が最も良い画像であるかの判断基準に乏しく、ランダムで選んだ画像取得装置で取得された画像に対して金銭対価を支払うことになるが、依頼者の要求を満足させることができない場合もある。このことは、当該画像収集システムを用いた画像提出依頼の減少に繋がり、ひいては金銭対価の総量が減ることによる本画像記録装置の購入インセンティブ低下、そして本画像収集システムの機能低下に繋がる。
本実施の形態3に係わる画像記録装置では、上記課題を解決するため、依頼者に画像選択の柔軟性を可能とする構成をあらたに具備する。なお、本実施の形態において画像記録装置は図12の画像記録装置2000を援用して説明する。本実施の形態3に関わる画像記録装置において、カメラ部で取得された画像は、記録部に記録される際に、画像のファイル名、取得された位置及び時刻に加えて、画像を取得したカメラの機種、カメラの画素数、車両走行速度などの情報(以下、付加情報という)と対応付けられて記録される。付加情報は後述するように、依頼者が提出を求める画像の選択を行う際に参照される情報である。付加情報を参照することにより他の画像記録装置から提出された画像との画質の差を比較できるためである。
図14は、本実施の形態における画像管理ファイルを示している。当該管理ファイルにおいて、取得された画像と上記の付加情報が関連付けられている。本装置に接続されているカメラ部や画像表示部等の製造メーカー名又は型番などハードウェアに関する情報は、ドライバーインストール時に記録部内に記録される。SCは、当該記録されているカメラの機種や画素数に関する情報を参照することで、取得された画像を、上記の画像管理ファイル上で関連付けて記録する。また、SCにおいて、タイヤの回転数や単位時間あたりのGPS上の移動量に基づいて車両の速度や加速度を検出する検出部から出力される車両速度情報と画像との関連付けが行われる。また、ワイパーの稼働状況や稼動速度を入力する入力手段を備え、当該入力した情報に基づいて求めた天候情報を求めても良いし、周辺の明るさを検出する検出部を備え、時刻情報と組み合わせてその時点での天候を予測して天候情報を求める構成であっても良い。また、SCは撮影時のカメラ部における露出量、ISO感度、シャッタースピード等画像取得時の取得条件に関する情報と画像との関連付けを行う構成であっても良い。このように、取得された画像は付加情報と対応付けられた状態で記録部内の情報記録媒体に記録されていく。
画像記録装置の検索処理部は、画像管理ファイルから画像検索部の検索を経て抽出された画像についての部分を抽出し、抽出した画像に関する画像と上記付加情報との対応関係を纏めた管理ファイル(以下、付加情報管理ファイルという)を新たに作成する。図15は付加情報管理ファイルの一例である。記録部に記録されている画像のうちsrdc000001.jpg〜srdc000004.jpgの画像が案件番号009783の案件において位置情報及び時刻情報に基づいて特定される範囲で取得された画像であり、当該画像について付加情報管理ファイルが作られる。付加情報管理ファイルは、案件番号、画像ファイル名、画像取得位置及び時刻、及び付加情報との対応関係に加えて、所有者のハンドルネームや自動車登録番号、MACアドレスなど画像記録装置固有の識別番号についても抽出された画像とテーブル状に対応付けられて記録されている。これらの情報は画像提出後にその画像の提出者を特定するために用いられる。また、付加情報管理ファイルには、抽出した画像を暗号化する暗号鍵示す情報、当該画像を抽出した画像検索情報も合わせて記録されても良い。作成された付加情報管理ファイルは画像と共に無線通信部より画像情報管理会社へ送信される。
図16は画像情報管理会社の業務シーケンス(画像収集システムの動作シーケンス)を表す図である。画像情報管理会社は、画像記録装置から送信された画像を一定期間保存する記録サーバ、画像記録装置から送信される画像の暗号化と復号化を行う暗号鍵と復号鍵のペアを生成する暗号鍵・復号鍵生成手段、クライアントからの依頼内容に基づいて画像記録装置内での画像検索に用いられる画像検索情報を生成する画像検索情報生成手段、複数の画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルを纏めて提出画像一覧ファイルを生成する提出画像一覧ファイル生成手段などを有する。
画像情報管理会社は契約しているテレビ局、企業、公的機関などのクライアントから画像要求の依頼を受注する。通常、画像要求の依頼書には依頼主の名称等依頼主に関する情報、依頼番号、画像を要求する位置及び時刻に関する情報、要求する静止画像枚数や動画像時間、支払う金銭対価、後述する画像検索情報を送信する期間と送信頻度、画像収集期間、画像使用目的などの情報が記されている。依頼と同時に画像情報管理会社はクライアントから依頼金を受領する。依頼金は主に画像管理会社の手数料と画像提供者への謝礼金から構成される。画像情報管理会社は、依頼を受けると、この依頼案件について提出される画像を暗号化するための暗号鍵と復号鍵を生成する。復号鍵は記録サーバ内に案件毎に分けられて保存される。次に、画像情報管理会社は、当該依頼案件を管理する案件番号、クライアントからの依頼内容、画像情報管理会社の記録サーバのIPアドレス、暗号鍵等の情報を所定のフォーマットに纏める。纏められたこれらの情報は、図示せぬ道路交通情報センターを介して画像検索情報という形で各画像記録装置へ送信される。画像検索情報は依頼書で指定された送信期間及び送信頻度に従って、繰り返し画像記録装置へ送信される。画像検索情報を受信した画像記録装置では画像の検索・抽出が行われる。
各画像記録装置は、画像検索情報に基づく画像検索の結果、該当画像を抽出すると共に、付加情報管理ファイルを作成する。抽出された画像と作成された付加情報管理ファイルは画像記録装置から送信されて画像情報管理会社の記録サーバに集められる。付加情報管理ファイルが暗号化されている場合は、画像情報管理会社が保有する復号鍵で復号化される。画像情報管理会社に送られてくる付加情報管理ファイルは、図示せぬ画像情報管理会社の有する計算機の振り分けプログラムの処理に従って案件毎に振り分けられる。具体的には上記プログラムは受信した付加情報管理ファイル内に記されている案件番号を参照し、案件毎に付加情報管理ファイルを個別のフォルダに振り分けていく。同様に受信した画像に関しても上記プログラムに従い案件毎に振り分けが行われる。図17は画像情報管理会社の有する記録サーバのフォルダ構成を示している。フォルダは案件毎に並列に作成され、上記の振り分けプログラムに従って、同一案件の付加情報管理ファイルは当該案件の下位フォルダへ、同一案件の画像は当該案件の下位フォルダへと振り分けられる。
画像情報管理会社は案件毎に複数の付加情報管理ファイルを纏めて、画像に一律に割り当てられた画像番号、画像ファイル名、撮影位置と撮影時刻及びカメラ機種や走行速度等の付加情報が纏められた提出画像一覧ファイルを改めて作成する。具体的には提出画像一覧ファイル作成プログラムは、画像検索情報に含まれる画像提出期限情報に示す画像提出期限を過ぎた案件について、当該案件の付加情報管理ファイルを保存するフォルダ内に記録されている複数の画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルを纏めて1つの提出画像一覧ファイルを作成する。図18は、提出画像一覧ファイルの一例である。画像番号1〜4、5〜7、8〜10について、それぞれ異なる3つの画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルが纏められて1つの提出画像一覧ファイルが作成されている。作成された提出画像一覧ファイルはクライアントに送信される。クライアントは送信された提出画像一覧ファイルを参照し、最終的に要求する画像を選ぶ。クライアントは、提出画像一覧ファイルに記録されている付加情報等を手掛かりにして画像を選択する。例えば、ほぼ同一の位置及び時刻で撮影された画像が複数有り、その位置及び時刻に関しては1枚の画像でよい場合等の状況が考えられる。この場合、クライアントとしてはより高解像度で質の高い画像を求めると思われる。そこでクライアントは提出画像一覧ファイルを参照し、よりハイスペックなカメラで撮影された画像、又はゆっくりした走行中に撮影された画像、より希望する位置に近い場所で撮影された画像等を検討した上で最終的に提出を求める画像の選択を行うことが可能となる。クライアントは選択した画像番号を画像情報管理会社へ通知する。
画像情報管理会社は、クライアントから通知された画像番号の暗号化された画像と、当該暗号化を復号するための復号鍵とをクライアントへ提出する。クライアントは、暗号化された画像を復号化することで、最終的に依頼した条件を満たす画像を入手することができる。画像情報管理会社は、提出画像一覧ファイル又は付加情報管理ファイルを参照し、クライアントから通知された画像番号に対応する自動車登録番号、画像記録装置固有番号、画像記録装置の所有者のハンドルネーム(以下、画像提出者特定情報という)を個人情報管理会社へ通知する。
個人情報管理会社は、少なくとも画像提出者特定情報と画像提出者の口座番号の対応が纏められた個人情報ファイルを保管している。個人情報会社は、画像情報管理会社から通知された画像提出者特定情報に基づいて対応する口座番号を画像情報管理会社に通知する。画像情報管理会社は通知された口座番号の口座に対価金銭を振り込む。
当該画像収集システムにおいては、画像を要求する依頼者が、より多くの情報に基づいて自ら適切な画像を選択できるため、依頼者は安心して画像要求の依頼を行うことが出来る。結果、画像要求の依頼が全体として増え、金銭対価の総額が増えることが予想されるため、この金銭対価を求めて画像記録装置を購入・導入が促進される。つまり、防犯利用のための監視機能が向上し当該画像収集システムがより発展することが望まれる。また、画像情報管理会社という新たなビジネスチャンスが創出される。
なお、上記説明では、画像情報管理会社からクライアントへ暗号化された画像と復号鍵を送信する構成を示したが、これに限るものではなく、画像情報管理会社が復号処理を行い、暗号化を解いた画像をクライアントに送信する構成であっても良い。なお、上記説明では画像情報管理会社は複数の画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルをサーバに保管し、当該複数の管理ファイルを纏めて提出画像一覧ファイルを作成し、クライアントへ提出する構成を示したがこれに限るものではなく、複数の画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルをクライアントへ提出しても良い。クライアントは既に提出されている付加情報管理ファイルを参照して少しでも早く画像提出を望む場合があるためである。この場合、クライアントは画像情報管理会社へ付加情報管理ファイルに割り当てられた付加情報管理ファイル番号のように付加情報管理ファイルを特定するための情報及び画像ファイル名のように当該付加情報管理ファイル内に示されている画像を特定するための情報を通知する。画像情報管理会社は通知された情報に基づいて画像を特定し、当該特定された画像と画像を復号化するための復号鍵をクライアントに提出する。また、上記説明では、クライアントが選択した画像の画像番号を通知する構成だが、これに限るものではなく、クライアントが選択した画像を特定する情報を通知する構成であっても良い。例えば、画像のファイル名などを通知する構成であっても良い。
なお、上記画像情報管理会社が行う各処理は画像管理サーバが行う構成であっても良いことは言うまでも無い。また、複数の装置が上記処理を行う画像管理システムとしても良いことは言うまでも無い。例えば、画像取得位置を少なくとも含む画像提出依頼(依頼書)を受信する画像提出依頼受信手段と、前記画像提出依頼に基づいて画像取得位置に関する情報を少なくとも含む画像検索情報を送信する画像検索情報送信手段と、前記画像検索情報に基づいて画像記録装置より送信された上記画像取得位置で取得された画像を受信する画像受信手段と、前記受信した画像を前記画像提出依頼発信者に送信する画像送信手段と、を備える画像管理サーバとしても良い。また、前記画像受信手段は、画像の取得位置を示す位置情報を少なくとも含む付加情報管理ファイルを受信し、前記画像送信手段は、付加情報管理ファイルを前記画像提出依頼発信者に送信しても良い。また、前記付加情報管理ファイルを受信した画像提出依頼発信者より通知される画像を特定する画像特定情報(選択画像通知)を前記画像提出依頼受信手段が更に受信し、前記画像特定情報に基づいて提出する画像を特定する提出画像管理部を更に備える構成であっても良い。また、前記複数の画像記録装置より送信された付加情報管理ファイルを纏め直して提出画像一覧ファイルを生成する生成手段を備えてもよく、前記画像送信手段は、当該提出画像一覧ファイルを画像要求発信者に送信する構成であっても良い。
図19を用いて、画像管理システムの構成を改めて説明する。具体的には画像管理システムは、画像管理サーバ400と抽出画像・付加情報管理ファイル記録サーバ500(以下記録サーバと略す。)とを備える。画像管理サーバ400は、画像提出依頼・選択画像通知受信部410と、暗号鍵・復号鍵生成部420と、画像検索情報生成部430と、画像検索情報送信部440と、抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450と、提出画像一覧ファイル生成部460と、提出画像管理部470と、選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480と、を具備する。また記録サーバ500は、抽出画像・付加情報管理ファイル記録部510を具備する。
画像提出依頼・選択画像通知受信部410は、画像提出の依頼をかけるクライアントすなわち依頼者よりインターネット等を介して送信される画像提出依頼を受信する。画像提出依頼に含まれる情報の内容は上述した依頼書と同一である。また、画像提出依頼・選択画像通知受信部410は、上記依頼者(画像提出依頼発信者)より送信された選択画像通知を受信する。上記画像提出依頼及び選択画像通知はそれぞれ後述する提出画像管理部470へ出力される。また、画像提出依頼は、暗号鍵・復号鍵生成部420及び画像検索情報生成部430にも出力される。暗号鍵・復号鍵生成部420は、上記画像提出依頼を入力すると依頼毎に暗号鍵と復号鍵のペアを生成する。暗号鍵は画像検索情報生成部430へ、復号鍵は提出画像管理部470へ、それぞれ出力される。画像検索情報生成部430は、入力した画像提出依頼に基づき、当該画像提出依頼で指定されている内容を纏め、更に入力した復号鍵を含めて画像検索情報を生成する。上述の通り画像検索情報には、少なくとも位置に関する情報が含まれる。生成された画像検索情報は画像検索情報送信部440に出力される。画像検索情報送信部440は、入力した画像検索情報を複数の画像記録装置に向けて送信する。抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、画像検索情報送信部440が送信した画像検索情報に基づいて複数の画像記録装置において検索され、抽出されて上記暗号鍵で暗号化されている画像及び生成された付加情報管理ファイルを受信する。受信された抽出画像及び付加情報管理ファイルはそれぞれ記録サーバ内の記録部510に格納される。また、付加情報管理ファイルは提出画像一覧ファイル生成部460に出力される。提出画像一覧ファイル生成部460は、入力した複数の画像記録装置より送信された付加情報管理ファイルを案件毎(依頼毎)に纏めて上述した提出画像一覧ファイルを生成し、提出画像一覧ファイルを提出画像管理部470及び選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480に出力する。提出画像管理部470は、入力した画像提出依頼、復号鍵、提出画像一覧ファイルを内部の記録部に一旦格納しておく。また、提出画像管理部470は、入力した選択画像通知に基づいて、格納している提出画像一覧ファイルを参照して、当該選択画像通知で特定されている画像を判断し、記録部510にアクセスして該当画像を画像提出依頼発信者が選択した選択画像として取得する。提出画像管理部470は、当該選択画像に対応する復号鍵を内部の記録部から取得し、当該復号鍵及び取得した画像を選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480に出力する。選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480は、提出画像一覧ファイル生成部460より入力した提出画像一覧ファイルを画像提出依頼発信者に送信する。また、選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480は、提出画像管理部470より入力した選択画像及び当該選択画像に対応する復号鍵を画像提出依頼発信者に送信する。
なお、上記説明では、選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480は、提出画像送信時に復号鍵が送信される場合について説明したがこれに限るものではなく、暗号鍵・復号鍵生成部420が復号鍵を生成した段階で当該復号鍵が選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480に出力され、選択画像より先立って送信される構成であっても良い。また、提出画像管理部470が、記録サーバより画像を取り出し、暗号化を解除した上で選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480に選択画像を出力する構成であっても良い。また、暗号鍵及び復号鍵が生成されて送信される場合について説明したが、当該構成は省くことは可能である。また、抽出画像・付加情報管理ファイル記録部は、画像管理サーバ内に設けられ、1台の装置で閉じていても良い。また、上記説明した画像管理サーバ内の一部の構成が別の装置で実現され、お互い接続されることで画像管理システムが構成されても良い。
図20は、本画像収集システムの動作を示すシーケンス図である。本動作は既に図16で説明してあるため重複記載となるが改めて説明する。依頼者はPCなどで上述の依頼書(画像提出依頼)を作成する(S401)。依頼者は作成した依頼書(画像提出依頼)をインターネット網などを介して画像管理システムに送信する(S402)。画像管理システムは、受信した依頼書(画像提出依頼)に基づいて画像検索情報を生成する(S403)。なお、抽出画像を暗号化する構成をとる場合は、受信した依頼書(画像提出依頼)に基づいて暗号鍵及び復号鍵のペアも生成される。画像管理システムは、生成した画像検索情報を複数の画像記録装置に送信する(S404)。各画像記録装置では、受信した画像検索情報に基づいて画像検索及び画像抽出が行われる(S405)。S405で画像が抽出された場合は、画像記録装置は、付加情報管理ファイルをあわせて生成する(S406)。画像記録装置は、抽出した画像に必要に応じて暗号化を行い、抽出画像及び付加情報管理ファイルを画像管理システムに送信する(S407)。画像管理システムは、複数の画像記録装置より送信された付加情報管理ファイルを纏めて上記画像提出依頼毎(案件毎)に提出画像一覧ファイルを生成する(S408)。また、複数の画像記録装置より送信された付加情報管理ファイル及び抽出画像は一旦記憶サーバにこの段階で格納される。画像管理システムは生成した提出画像一覧ファイルを画像提出依頼発信者(依頼者)に送信する(S409)。画像提出依頼発信者は、受信した提出画像一覧ファイルを参照して最終的に欲しい(買いたい)画像を選択し(S410)、選択画像通知を送信する(S411)。当該選択画像通知は、選択した画像を特定するための情報であり、提出画像一覧ファイルに含まれる画像番号などとすることができる。画像管理システムは、当該選択画像通知を受け取ると、当該通知に基づいて特定される画像を記録サーバより取り出し、当該画像を暗号化している復号鍵と合わせて依頼者に送信する(S412)。このような構成をとることが可能である。
このように、本実施の形態における画像管理会社の存在及び処理シーケンスを画像収集システムに組み込むことで民間機関からの画像要求に適切に応えることができ、適切に画像の管理が行われるため、公的機関に画像利用を限定した画像収集システムに加えて、より多くの画像の利用機会、金銭の流動を促進し、結果、一般購入者の本画像記録装置の購入インセンティブを向上させることにより画像収集システムを発展させることが出来る。
(実施の形態4)
本実施の形態4に関わる画像収集システムは、実施の形態3に関わる画像収集システムにおいて不必要な画像提出を抑制する構成をさらに追加したものである。なお、本実施の形態においては画像を暗号化する暗号鍵は画像検索情報には含まれない。
図21に本実施の形態4における画像収集シーケンスを示す。なお、図16と同一部分については一部説明を省略する。また本実施の形態に関わる画像記録装置は図12に示す画像記録装置2000を援用する。本実施の形態においては、画像記録装置内の検索処理部において、画像検索情報に基づいて画像検索が行われた結果、該当する画像が画像記録装置の記録部内に記録されていた場合、画像検索の結果該当する画像について付加情報管理ファイルを作成する。作成された付加情報管理ファイルは、無線通信部から路側通信装置に送信され、インターネット網等を介して画像情報管理会社に送信される。一方、この段階では画像の抽出及び抽出画像の送信は行わない。付加情報管理ファイルは後述する検索処理のために記録部に一時保管される。
図16の場合と同様、画像情報管理会社は、複数の画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルを纏めて図18に示す提出画像一覧ファイルを作成しクライアントへ送信する。クライアントは、提出画像一覧ファイルに基づいて画像を要求する画像を選択し、選択した画像番号を画像情報管理会社へ通知する。画像情報管理会社は通知された画像番号の画像に関して画像提出要求情報を作成する。画像提出要求情報はクライアントによって最終的に決定された画像の提出を要求する情報である。図22は画像提出要求情報の一例である。クライアントは図18に示す提出画像一覧ファイルを参照して、最終的に画像場号1,2,5,9の4枚の画像を選び、画像情報管理会社に通知している。画像情報管理会社はこれら4枚の画像を各画像記録装置より収集するため、各画像記録装置を特定するための情報及び各画像記録装置内の記録部に記録されている画像を特定するための情報を含む画像提出要求情報を作成する。また画像情報管理会社は、当該画像を暗号化するための暗号鍵・復号鍵を生成する。画像提出要求情報には、画像記録装置を特定するための情報として画像記録装置の固有の識別子であるMACアドレス、及び、各画像記録装置内での画像を特定するための情報として画像のファイル名などが含まれる。又、付加情報管理ファイルを送信したどの案件についての画像提出要求であるかを特定するための案件番号や画像を暗号化するための暗号鍵、IPアドレスなど画像提出先を示す情報も必要に応じて含まれる。
画像提出要求情報は、画像検索情報と同様、所定のフォーマットに従って、図示せぬ道路交通情報センターを介してFM放送、ビーコンなどの無線手段を通じて各画像記録装置へ送信される。無線通信部又は無線受信部で受信された画像提出要求情報は、SCの制御に従って検索処理部に出力される。検索処理部では、受信した画像提出要求情報に含まれる画像記録装置を特定するための情報であるMACアドレスを参照し、当該画像記録装置のMACアドレスと一致する画像に関する情報が含まれているかの検索を行う。すなわち自装置宛の画像提出要求情報であるかどうかの判定を行う。検索の結果、一致する画像に関する情報が含まれている場合、検索処理部は記録部に記録している画像管理ファイルを読み込み、当該画像提出要求情報に含まれる画像記録装置内での画像を特定するための情報である画像ファイル名の画像を抽出する。SCは、画像提出要求情報に含まれる暗号鍵を暗号化処理部に出力し、暗号化処理部は、抽出された画像を、上記対応する暗号鍵を用いて暗号化する。暗号化された画像は、無線送信部より路側通信装置を介して画像情報管理会社へ送信される。画像情報管理会社は、受信した画像と対応する復号鍵とをクライアントに提出する。
なお、上記説明では暗号鍵は画像提出要求情報に含まれる構成を説明したが、実施の形態2と同じく画像検索情報に含まれる構成であっても良い。以上の処理シーケンスとすることにより、画像記録装置と路側通信装置間での不必要な画像データの通信を抑えることが出来る。
また、実施の形態3と同様画像管理会社が行う各上記処理は画像管理会社に供えられた画像管理サーバが行っても良いし、複数の装置が組み合わさって画像管理システムを構成することで実現されていても良いことは言うまでも無い。
図23は、上記画像管理システムの構成を示すブロック図である。なお、図19で説明した部分は一部説明を省略する。画像管理サーバ600は、画像提出依頼・選択画像通知受信部410と、暗号鍵・復号鍵生成部420と、画像検索情報生成部430と、画像検索情報・画像提出要求情報送信部640と、抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450と、抽出画像一覧ファイル生成部460と、提出画像管理部470と、選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480と、画像提出要求情報生成部690と、を具備する。
画像提出依頼・選択画像通知受信部410は、上述の画像提出依頼を受信し、暗号鍵・復号鍵生成部420と画像検索情報生成部430と提出画像管理部470に出力する。また、画像提出依頼・選択画像通知受信部410は、上記依頼者(画像提出依頼発信者)より送信された選択画像通知を受信し、画像提出要求情報生成部690に出力する。画像検索情報・画像提出要求情報送信部440は、画像検索情報生成部430より入力した上記画像検索情報を複数の画像記憶装置に向けて送信する。また、画像検索情報・画像提出要求送信送信部440は、後述する画像提出要求情報生成部690より入力した上述の画像提出要求情報を複数の画像記録装置に向けて送信する。抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、画像検索情報送信部440が送信した画像検索情報に基づいて複数の画像記録装置において生成された付加情報管理ファイルを受信する。抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、受信した付加情報管理ファイルを提出画像一覧ファイル生成部460に出力する。また、抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、画像検索情報送信部440が送信した画像提出要求情報に基づいて複数の画像記録装置において抽出され、必要に応じて暗号化された抽出画像を受信する。抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、受信した抽出画像を記録サーバ500内の記録部に格納する。提出画像一覧ファイル生成部460は、複数の画像記録装置より送信された複数の付加情報管理ファイルを入力し、画像提出依頼で必要に応じて指定されている所定の期間経過後、案件毎(依頼毎)に纏めて上述した提出画像一覧ファイルを生成する。提出画像一覧ファイル生成部460は、生成した提出画像一覧ファイルを提出画像管理部470と選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480と、画像提出要求情報生成部690に出力する。提出画像管理部470は、入力した画像提出依頼、復号鍵、提出画像一覧ファイルを内部の記録部に一旦格納しておく。また、提出画像管理部470は、画像提出依頼で示されている所定の期間経過後又は抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450から抽出画像を受信した旨の通知を受けた場合に、記録部510にアクセスして該当画像を画像提出依頼発信者が選択した選択画像として取得する。提出画像管理部470は、当該選択画像に対応する復号鍵を内部の記録部から取得し、当該復号鍵及び取得した選択画像を選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480に出力する。選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480は、提出画像一覧ファイル生成部460より入力した提出画像一覧ファイルを画像提出依頼発信者に送信する。また、選択画像・提出画像一覧ファイル送信部480は、提出画像管理部470より入力した選択画像及び当該選択画像に対応する復号鍵を画像提出依頼発信者に送信する。画像提出要求情報生成部690は、提出画像一覧ファイル生成部460より入力した提出画像一覧ファイルを内部の記憶部に格納しておく。画像提出要求情報生成部690は、画像提出依頼・選択画像通知受信部410より選択画像通知を入力すると提出画像一覧ファイルを参照して上述した提出画像要求情報を生成し、画像検索情報・画像提出要求送信送信部440に出力する。画像管理システムは、このような構成をとることが可能である。
なお、画像記録サーバを設置する代わりに画像管理サーバ内に抽出画像記録部を設けても良い。また、上記説明した画像管理サーバ内の一部の構成が別の装置で実現され、お互い接続されることで画像管理システムが構成されても良い。
図24は、本画像収集システムの動作を示すシーケンス図である。本動作は既に図21で説明してあるため重複記載となるが改めて説明する。なお、S601〜S604及びS608〜S611は図20のS401〜S404及びS408〜S411と同一であるため説明を省略する。上述の画像検索情報を受信した各画像記録装置は、自装置内に画像検索情報で特定されている画像が記録されていないかの検索を行う(S605)。画像記録装置は、検索の結果、該当画像が記録されていた場合は、付加情報管理ファイルを生成し(S606)、画像管理サーバに送信する(S607)。依頼者より選択画像通知を受信した画像管理サーバは、画像提出要求情報を生成し(S612)、複数の画像記録装置に送信する(S613)。画像提出要求情報を受信した各画像記録装置は、当該画像提出要求情報が自装置宛であるかの確認を行い、自装置宛であった場合は、当該画像提出要求情報で指定されている画像を抽出し(S614)、抽出画像を画像管理サーバに送信する(S615)。画像管理サーバは受信した抽出画像に対応する復号鍵を取り出し、抽出画像と共に画像提出依頼発信者へ送信する(S616)。
このようなシステムとすることで、不要な画像が画像記録装置側から画像管理システム側に移動することを防ぐことができる。
(実施の形態5)
本実施の形態5に関わる画像収集システムは、実施の形態3又は4の画像収集システムにおいてクライアントがより適切な画像の選択を可能とするため、付加情報管理ファイルに加えてサンプル画像を出力する構成をとる。
複数の画像記録装置より送られた付加情報管理ファイルを纏めた提出画像一覧ファイルを参照することによりクライアントは画像選択を行えるものの、当該情報のみでは要求に満足する画像を得られない場合がある。例えば、画像記録装置のカメラの設置状況や接触不良などの原因によっては、たとえ性能が高い機種のカメラで撮影されていたとしても適切な画像が取得できていない場合も存在する。そこで、本実施の形態における画像記録装置は、検索処理の結果、該当する画像が記録部内に存在する場合、付加情報管理ファイルに加えて、サンプル画像を送信する。SCは、画像検索情報に含まれる位置及び時刻の範囲内で取得された画像の1枚又は複数枚をランダムで選び出す。選び出されたサンプル画像は、付加情報管理ファイルと共に無線通信部から送信される。当該サンプル画像は、画像情報管理会社より提出画像一覧ファイルと共にクライアントへ送信される。すなわち、SCは画像検索情報に基づいて特定される範囲内で取得されて記録部に記録されている画像をサンプル画像として読み出し、送信部より付加情報管理ファイルと共に送信する。画像管理サーバは、受信したサンプル画像を提出画像一覧ファイルと合わせてクライアント(画像提出要求発信者)に送信する。
当該構成により、クライアントは提出画像一覧ファイル(付加情報管理ファイル)に含まれる情報のみならず、サンプルとして提出された画像を見て、どの画像記録装置で撮影された画像がより希望に沿うかを判断できるため、クライアントは安心して画像提出の依頼をかけることができ、結果、依頼数の増加、しいては、画像収集システムの発展に繋がる。
なお、上記説明ではサンプル画像は、画像検索情報で指定される位置・時間の範囲で取得された画像内から選択されたが、これに限るものではなく、記録部に記録されている画像をランダムに選出して送信しても良い。クライアントがサンプル画像から主に知りたいことは、カメラが適切に設置・稼動しているかであり、画像検索情報で指定される位置・時間の範囲である必要は無いためである。なお、上記サンプル画像は、一旦記録部に記録されている画像を画像符号化部へ出力し、高圧縮・ファイル形式変更・画像サイズ縮小などの変換処理を行い、低品質の画像へと変換した後にサンプル画像として出力する構成であっても良いし、画像撮影の段階でサンプル画像(サムネイル)と通常画像の両方を記録していく構成であっても良い。
(実施の形態6)
実施の形態1〜5の構成においては画像検索情報には画像提出に対する謝礼として支払われる金銭に関する金銭情報が含まれ、画像記録装置内の対比処理部において使用者が入力した対価金銭の値段との対比が行われる構成である。従って、依頼者が設定した値段が使用者が設定した値段よりも低い場合、画像記録装置において画像検索は行われず、画像及び付加情報管理ファイルの提出も行われない。しかし、依頼者は、画像の収集状況によってはもう少し高い値段に設定しておけばよかったと後悔する場合も想定される。このように、依頼者側としては画像記録装置所有者がどのように画像提出対価の値段を設定しているか把握できないため、依頼時における値段設定が困難となり、適切な対価金額が設定できないことにより、画像要求依頼の減少、対価金銭の総額の減少、画像記録装置購入インセンティブの低下へと繋がる。そこで、本実施の形態の画像収集システムにおいては、画像記録装置内では、金銭における対比処理を行わない構成を採る。なお、画像収集システムにおける処理シーケンスは図21を援用して説明する。ただしステップ2における依頼金には画像提出における金銭対価は含まれない。
図25は、本実施の形態における画像記録装置4000のブロック図である。画像記録装置4000は、図12に示す画像記録装置2000と比べて対比処理部を有さない。以下具体的に説明する。なお、画像記録装置2000と同一の部分に関しては一部説明を省略する。本画像記録装置所有者は入力部200から、画像の値段を設定する。図26は、所有者によって設定された画像の値段を記録した設定ファイルであり、当該設定ファイルは記録部150に記録される。画像の値段は、案件の重要度、静止画像か動画像か、日中に撮影された画像か夜間に撮影された画像かなどの基準で個別に設定されている。例えば公的機関からの画像要求を意味する重要度1から8には低い値段が設定されているが、民間からの画像供給を意味する重要度9から16は比較的高い値段が設定されている。また、重要度9から13に関する画像では、18時以降に撮影された画像は、画質が落ちるため、高い値段では画像を購入する者は少ないと思われるので、同一の重要度であっても昼間に撮影された画像に比べて値引きがされている。また、画像取得位置を基準として値段を設定できるよう構成しても良い。例えば都会では、画像記録装置が多いため、低い値段に設定しないと画像が購入されない場合もあるためである。予め定めた県や市毎に値段を設定できる構成であっても良い。
無線通信部2230で無線受信された画像検索情報はSC2160の制御に従って検索処理部190へ出力される。本実施の形態の画像検索情報は図3に示す画像検索情報と比べて金銭情報を含まない点で異なる。検索処理部190での検索の結果、画像検索情報に含まれる位置情報及び時間情報から特定される範囲で取得された画像が記録部150内に記録されていた場合、検索処理部190は当該検索結果をSC2160へ出力する。
SC2160は、上記検索結果に基づいて、該当する画像について付加情報管理ファイルを作成する。ここで、画像と関連付けられる付加情報には画像の値段が含まれる。SC2160は、記録部に記録されている図26に示す所有者によって入力された画像の値段が記録されている設定ファイルを参照し、所有者が入力した画像の値段を画像と関連付けて付加情報管理ファイルを作成する。図27は、本実施の形態における付加情報管理ファイルである。この場合、画像検索情報に基づいて特定された画像取得位置・画像取得時間・重要度に対応する静止画像1枚の値段は所有者によって500円に設定されており、当該画像提出の対価金銭に関する情報が付加情報管理ファイルに示されている。当該付加情報管理ファイルは、無線通信部2230より画像情報管理会社へ送信される。
画像情報管理会社では、複数の画像記録装置より送信された対価金銭に関する情報を含む付加情報管理ファイルを纏めて提出画像一覧ファイルを作成し、クライアントへ提出する。クライアントは提出画像一覧ファイルを参照し、提出を求める画像の選択を行う。ここでクライアントは画像の値段を考慮しながら画像選択が可能であるため、予算との折り合いをつけながら柔軟に画像を選択できる。選択した画像を特定する情報である画像番号は、クライアントから画像情報管理会社へ通知される。また、クライアントは、選択した画像について提出画像一覧ファイルに表示されている値段の総額を画像情報管理会社へ納付する。画像情報管理会社は通知された画像番号に基づいて図22に示す画像提出要求情報を作成し、画像記録装置へ送信する。画像記録装置は受信した画像提出要求情報が、自装置への画像提出要求を含むかの検索を行い、画像提出要求情報で指定されている画像を抽出して無線通信部2230より送信する。
当該構成によれば、依頼者は画像の金額を参照しながら画像選択が可能となるため、例えば値段が高い画像であっても他に要件を満たす画像がない場合はこの画像を選択するといった柔軟な対応が可能となる。上記説明したように、画像記録装置で取得される画像の財産的価値に着目し、有効活用できる画像収集システムを構築することで、画像記録装置の普及率促進を通じて画像収集システムの発展が期待できる。なお、上記説明では使用者が設定した画像の値段に関する情報は、付加情報管理ファイルに記録されて送信される構成を示したが、これに限るものではない。例えば、図28に示すように、画像取得位置及び時刻及び走行速度など取得画像毎に異なる情報について第1の付加情報管理ファイルとしてテーブル状にまとめ、画像の値段、カメラ機種など取得画像毎にはほとんど変化しない情報については第2の付加情報管理ファイルとしてテーブル状にまとめ、これら複数の付加情報管理ファイルを送信するよう構成しても良い。ここで、第2の付加情報管理ファイルは、画像管理会社の記録サーバ内に格納しておき、第1の付加情報管理ファイルを新たに受信した場合に、提出画像一覧ファイルを生成するために第2の付加情報管理ファイルを参照する構成であっても良い。このように構成することで類似情報を繰り返し送信することをなくすことが出来る。なお、上記説明では画像検索情報は路側通信装置より無線通信部へ送信される構成で説明したが、FM放送などを通じて図示せぬ無線受信部で受信されるよう構成されていても良い。また、画像情報管理会社は、受信した付加情報管理ファイルを纏めて提出画像一覧ファイルを作成し、提出画像一覧ファイルを依頼人に提出するが、これに限らず、各画像記録装置から受信した付加情報管理ファイルをそのまま依頼人に提出しても良い。また、実施の形態6と同様サンプル画像を合わせて送信しても良い。また、言うまでもなく画像管理会社が行う各処理は画像管理サーバや画像管理システムが行っても良い。
(実施の形態7)
本実施の形態7に関わる画像収集システムは、実施の形態6で説明した画像収集システムよりも柔軟に画像を流通させることを可能とするよう構成したものである。上記各実施の形態で示したように画像記録装置で取得された画像は財産的価値を有する。上記各実施の形態では、クライアントからの依頼に基づく画像検索情報をきっかけとして画像の提出が行われている。しかしながら、画像を財産として捉えた場合、当該画像を積極的に販売したいと考える画像記録装置の所有者も存在する。そこで、本画像収集システムにおいては画像記録装置所有者が積極的に画像を売り込むことができるよう構成する。当該構成により画像の流通が促進されることにより画像記録装置の普及率を向上させ、画像収集システムを発展させることが出来る。
図29は本実施の形態7に関わる画像記録装置5000のブロック図である。なお、図1、図12に示す画像記録装置のブロック図と同一の構成要素については一部説明を省略する。本実施の形態の画像記録装置において、カメラで取得された画像は、画像符号化部へ入力されて所定のCODECに従って符号化される。SC5160には、符号化された画像が入力され、又、例えばGPS装置のように現在位置を検出する位置検出部によって検出された現在位置を示す位置情報が入力される。SC5160は、上記入力した位置情報に基づいて上記画像の取得位置を求め、当該符号化された画像を画像取得位置と関連付けて記録部150内の情報記録媒体へ記録する。なお、SC5160は、画像取得時刻も合わせて画像と関連付けてもよい。画像と画像取得位置・画像取得時刻との対応付けが記録された画像管理ファイルも合わせて記録部150に記録される。また、画像管理ファイルには画像を記録しておく期間に関する情報も含まれる。記録部150では、記録容量との関係上、記録された画像が画像管理ファイルに示す画像保管期限を経過した場合は画像を消去し、画像管理ファイルも更新される。
付加情報管理ファイル生成部5260は、所定のタイミングで画像と画像の取得位置及び画像の販売値段が記録された付加情報管理ファイルを作成する。所定のタイミングは、例えばSC5160の指示に従って、予め設定された一定期間毎に付加情報管理ファイルを作成しても良い。その他、SC5160の指示に従って、所定の枚数の静止画像、所定の長さの動画像、所定のデータ量の静止画像・動画像がカメラで取得され、記録部に記録される毎に付加情報管理ファイルを作成しても良い。SC5160は、記録部150に記録される画像の枚数やデータ量を計測する計測手段を有しており、予め定めた計測値を超えた場合に付加情報管理ファイル生成部へ付加情報管理ファイルの作成の指示を出力する。当該指示は、どの画像番号の画像からどの画像番号までの画像について付加情報管理ファイルを作成するか、又はどの時刻からどの時刻までに取得・記録された画像について付加情報管理ファイルを作成するかの情報が含まれている。SC5160は、同時に、計測カウンターを0に戻し、再度計測を継続する。
付加情報管理ファイル生成部5260は、SC5160より、付加情報管理ファイルの作成指示を入力すると、記録部150にアクセスして、指定された画像についての画像管理ファイルを読み込む。また、入力部200を通じて、例えば図26に示すように本装置の所有者から設定された画像の販売値段に関する情報が記録されている設定ファイルを読み込む。付加情報管理ファイル生成部5260は、読み込んだ2つのファイルに記録された情報を組み合わせて付加情報管理ファイルを作成する。
図30は、付加情報管理ファイルの一例を示す。画像に一連に割り当てられた画像番号、画像のファイル名、画像取得位置、画像の販売値段、本装置記録部内で当該画像が保管される期限が管理テーブルとして記録される。ここで画像のファイル名の一部に付けられたTZFCRWSXの文字列は、本画像記録装置の固有のIDである。このように付加情報管理ファイルによって、画像と、画像取得位置・画像取得時刻・画像の販売値段・画像取得装置を特定する情報・画像保管期限に関する情報との関連付けが行われている。作成された付加情報管理ファイルは、当該付加情報管理ファイルに固有の名前、番号が割り当てられて付加情報管理ファイル生成部5260内のRAMに保存される。
図31は、上記作成された付加情報管理ファイルを管理するファイルの一例である。当該管理ファイルには、上記作成された付加情報管理ファイルに固有に割り当てられた付加情報管理番号、当該付加情報管理ファイルの作成日時、当該付加情報管理ファイルの送信が完了しているか完了していないか、当該付加情報管理ファイルの記録場所を示す開始アドレスなどがテーブル状で記録されている。
SC5160は、上記管理ファイルを読み込み、送信済みでない付加情報管理ファイルが存在するかどうかの判断を行う。存在する場合は、必要に応じて暗号化処理部2250において画像情報管理会社から予め指定されている暗号鍵を用いて当該未送信の付加情報管理ファイルが暗号化された後、無線通信部2230内のバッファに出力される。無線通信部2230は、路側通信装置の無線ゾーンに入ることにより通信可能になった場合は、上記の付加情報管理ファイルを予め登録してある画像情報管理会社のサーバを示すIPアドレスのパケットに分割した後、路側通信装置へ送信する。
無線通信部2230は、画像提出要求情報を受信する。図32は画像提出要求情報の送信フォーマットを示す。画像提出要求情報には、装置を特定する情報である装置ID、その装置内で記録されている画像を特定するための画像番号、その画像の提出期限、画像の送信先などの情報が含まれる。受信された画像提出要求情報はSC5160へ出力される。
SC5160は、画像提出要求情報に含まれる装置IDが自装置のIDと同一であるかの対比判断を行う。対比の結果、自装置の装置IDが含まれていない場合は、当該画像提出要求情報は、自装置宛のものではないと判断し、画像提出要求情報を破棄して処理を終了する。一方、自装置の装置IDが含まれていた場合、当該情報には自装置宛の画像提出要求が含まれていると判断する。SC5160は、自装置の装置IDが含まれる部分に合わせて通知される画像番号を記録部150へ出力する。また、SC5160は、画像提出要求情報に含まれる送信先を示す情報を暗号化処理部2250及び無線通信部2230へ、画像提出期限を示す情報を無線通信部2230へ出力する。記録部内のメモリーコントローラは画像管理ファイルを参照し、入力した画像番号の画像を抽出し、SC5160の制御に従って当該抽出した画像を暗号化処理部2250へ出力する。暗号化処理部2250は、入力した画像を予め保管してある暗号鍵の中からSC5160より通知された送信先を示す情報に対応した暗号鍵を選び出して暗号化し、無線通信部2230のへ出力する。当該画像は無線通信部内のバッファ部で一時保管される。無線通信部2230は、路側通信装置との通信が可能になると、当該バッファ部に保管している画像を、SC5160から通知された送信先のIPアドレスのパケットに分割して送信する。また、無線通信部のバッファに一時保管されている画像は画像提出期限を越えた場合は消去され、無線送信は行われない。
図33は、本実施の形態における画像収集システムの画像の流れを示したシーケンス図である。画像記録装置で画像が取得され、取得された画像についての付加情報管理ファイルが作成されて画像情報管理会社へ送信される。画像情報管理会社は契約した複数の画像記録装置から送信された付加情報管理ファイルをまとめ、例えばインターネットホームページ上で、購入可能な画像一覧を公表する。または、契約している顧客に利用可能画像一覧リストという形でメール送信することで公表する。画像の値段は、付加情報管理ファイルで指定される値段に自社の手数料を上乗せした金額が提示される。画像情報管理会社は、このようなサービスを提供することで、より広い一般消費者に対して画像を販売することができる。ここで例えばホームページ上である時刻における地図と購入可能な画像の取得位置を示すアイコンを多重して表示できるよう構成すれば、一般消費者はより手軽に画像を購入できる。
画像を購入する一般消費者は、購入する画像を特定する情報、例えば購入する画像に割り当てられた画像番号を情報管理会社へ通知する。同時に消費者から画像情報管理会社へ、選択した画像の金額の振り込みが行われる。また、必要に応じて消費者より画像提出期限が画像情報管理会社へ通知される。画像情報管理会社は、消費者から通知された画像についての付加情報管理ファイルを参照し、図32に示す画像提出要求情報を作成する。ここで、画像情報管理会社は、図30に示す付加情報管理ファイルを参照し、画像ファイル名に含まれる装置を特定するための装置固有のID情報であるTZFCRWSXの文字列を画像提出要求情報内の装置IDに、消費者により選択された画像に対応する画像番号を画像提出要求情報内の画像番号にそれぞれ含め、また、必要に応じて消費者より指定された画像提出期限を画像提出要求情報内の画像提出期限に含め、自社の記録サーバをIPアドレスとして画像提出要求情報を作成し、画像記録装置へ送信する。画像記録装置では上記説明したように、画像提出要求情報で指定される画像が抽出され、画像情報管理会社の記録サーバへ送信される。画像情報管理会社は、暗号化されている画像の復号化・再暗号化を行った後に、画像と当該画像を復号する復号鍵を消費者へ提出する。画像情報管理会社は、画像提出者の装置IDを画像提出者特定情報として個人情報管理会社へ通知し、個人情報管理会社より通知された口座に付加情報管理ファイルで指定された金額を振り込むことにより、画像の販売が完了する。
上記説明したように、本実施の形態においては、画像記録装置の所有者は、自分の画像を販売する機会を少しでも増やすため、画像情報管理会社と契約し、画像検索情報に関係なく定期的に付加情報管理ファイルを画像情報管理会社へ提出する。画像情報管理会社は、契約している複数の画像記録装置から定期的に送信される付加情報管理ファイルを纏めて販売可能な画像の一覧をホームページなどを通じて消費者へ提示することで、画像の流通が促進される。例えば、一般消費者も実施の形態1から6の場合と比べて、気軽にホームページを訪れ、興味がある場所の画像を購入できるためである。上記説明した方法により、画像の取得、画像の記録、画像の管理、画像の送信、画像の販売が行われることにより、画像の財産的価値がより引き出され、画像の流通拡大を通じて画像記録装置の普及率向上へと繋がる。
なお、上記付加情報管理ファイルには、カメラの機種、解像度、シャッター速度やISO値など画像の取得条件、車両走行速度、天候などの情報を含め、これらの付加情報を画像と対応付けてもよい。なお、上記説明ではファイル名に装置の固有IDを対応付けて付加情報管理ファイルを生成したが、これに限るものではなく、図27に示す付加情報管理ファイルのように画像と装置のMACアドレスなどを対応付けても良い。また、上記説明では画像提出要求情報は、路側情報装置より無線通信部へ送信される場合を説明したが、これに限らず、図示せぬ道路交通情報センターを介してFM放送などの無線媒体を通じて図示せぬ無線受信部により受信されても良い。また、付加情報管理ファイルや抽出された画像を暗号化せずに送信するよう構成されていても良い。また画像提出要求情報に暗号鍵が含まれ、当該暗号鍵を用いて画像を暗号化した後に送信するよう構成されていても良い。また、上記付加情報管理ファイルの作成は、画像情報管理会社より送信される付加情報管理ファイル作成情報により、作成、送信が行われても良い。上記付加情報管理ファイル作成情報は、まだ付加情報管理ファイルが作成されていない画像について新たに付加情報管理ファイルの作成を指示する情報であり、当該情報が無線通信部又は無線受信部で受信された場合、SC5160は、付加情報管理ファイル生成部5260へ付加情報管理ファイルの作成の指示を出力する。このように画像情報管理会社側からの指示に基づいて、作成・送信が行われるよう構成されても良い。また、実施の形態1から6までの場合と同様、画像検索情報を受信する場合と組み合わせて稼動する構成としても良い。また、画像検索情報に基づく検索の結果、画像検索情報に含まれる位置情報または時刻情報から特定される範囲内で取得された画像のみについて付加情報管理ファイルを作成し、作成した付加情報管理ファイルを送信するパッシブモードと、上記説明したように一定の期間が経過又は一定の画像を取得した段階ごとに付加情報管理ファイルを作成して送信するポジティブモードとの切り替えを入力部200を通じて入力・設定できるよう構成されていても良い。例えば都会では画像記録装置の数が多いため、販売競争が激しく自装置で撮影された画像が売れる可能性は低く、値段も低く設定しなければならないためメリットが少ないため、そのような場所を走る場合は、消費電力軽減の観点からパッシブモードに設定し、一方、田舎を走る場合は、そのような場所を走る画像記録装置を搭載した車は少ないため、高い値段で画像を売れる可能性が高まるためポジティブモードに設定するといった切り替えが有効である。なお、定期的にサンプル画像を送信し、消費者に選択の幅を持たせることも効果的である。
以上に説明したように、本実施の形態の画像収集システムにおいては、いわゆる画像記録装置所有者を画像販売人に、画像を商品と見立てた関係を構成している。すなわち、所定の商品(画像)を欲する消費者は、複数の販売人(画像記録装置所有者)から商品リスト(付加情報管理ファイル)を提示させ、商品の品質(取得位置・カメラ機種)や商品の値段を考慮した上で、商品を購入するという通常の商品流通市場が形成されている。これは画像記録装置で取得された画像の財産的価値を引き出しているといえる。そしてこのことは、よりよい品質の商品(画像)を取得できる機器で撮影された方がより商品を販売できる可能性が高まることを意味し、人物認識機能、暗視モード、高品質振動補正、逆行補正、などの追加機能を有するカメラの開発及び継続的なカメラ市場の創生にも繋がる。
なお、言うまでもなく上記画像管理会社が行う各処理は画像管理サーバ又は画像管理システムが行っても良い。図34は、当該画像管理システムの構成を示すブロック図である。当該画像管理サーバ700は、選択画像通知受信部710と、暗号鍵・復号鍵生成部420と、画像提出要求情報送信部740と、抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450と、販売可能画像一覧ファイル生成部760と、販売画像管理部470と、販売画像・販売可能画像一覧ファイル送信部780と、画像提出要求情報生成部690と、を具備する。
抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、複数の画像記録装置より定期的に送信される各画像記録装置で取得(撮影)された画像と取得(撮影)位置及び取得(撮影)時刻との関係が少なくとも記されている付加情報管理ファイルを受信し、受信した付加情報管理ファイルを販売可能画像一覧ファイル生成部760に出力する。なお、付加情報管理ファイルには、画像記録装置で当該付加情報管理ファイル内で示されている画像の保管期間が合わせて記されているとなお良好である。抽出画像・付加情報管理ファイル受信部450は、画像記録装置より当該装置で抽出された抽出画像を受信した場合は、当該抽出画像を記録サーバ500に記録させると共に、販売画像管理部470に出力する。販売可能画像一覧ファイル生成部760は、受け取った付加情報管理ファイルを纏めて販売可能画像一覧ファイルを生成する。ここで販売可能画像一覧ファイルは販売可能(提出可能)な画像に関する情報が纏められている。一例として、具体的には、販売可能画像一覧ファイルには画像番号と画像取得位置と画像取得時刻と販売可能期間、販売金額などが対応付けされて纏められている。販売可能画像一覧ファイル生成部760は、生成した販売可能画像一覧ファイルを販売画像管理部470及び画像提出要求情報生成部690に出力する。また、図示せぬ制御部より販売可能画像一覧ファイルの送信要求を受けた場合は、販売画像・販売可能画像一覧ファイル送信部780に出力する。また、販売可能画像一覧ファイルは記録サーバ500に出力され、第3者が閲覧できるように構成しても良い。販売可能画像一覧ファイル生成部760は、一定期間毎に新たに入力した付加情報管理ファイルで記されている情報を販売可能画像一覧ファイルに更新し、画像記録装置における画像保管期間が満了した画像に関する情報については販売可能画像一覧ファイルより削除する更新を行う。販売画像管理部770は、入力した販売可能画像一覧ファイルと選択画像通知から販売(提出)する画像を特定し、記録サーバ500に当該画像が記録されていないか確認する。記録されている場合は当該画像を取り出して対応する復号鍵で復号した後、販売画像・販売画像一覧ファイル送信部790に出力する。販売画像・販売画像一覧ファイル送信部790は、入力した販売画像をクライアント(選択画像通知発信者)に送信する。また必要に応じて販売画像一覧ファイルも送信する。選択画像通知受信部710は、選択画像通知を受信する。当該選択画像通知は、購入(選択)する画像を特定するための情報であり、例えば画像を特定するための画像番号などが記されている。選択画像通知受信部710は、受信した選択画像通知を販売画像管理部770と、暗号鍵・復号鍵生成部420と画像提出要求情報生成部690に出力する。暗号鍵・復号鍵生成部420は、選択画像通知を入力すると、暗号鍵を生成して画像提出要求情報生成部690に出力し、復号鍵を販売画像管理部770に出力する。画像提出要求情報生成部690は、記録サーバに当該選択画像通知で特定される画像が記録されていない場合は上記暗号鍵を含めて入力した選択画像通知及び販売画像一覧ファイルに基づいて画像提出要求情報を生成し、画像提出要求情報送信部740に出力する。画像提出要求情報送信部740は、入力した画像提出要求情報を画像記録装置へ送信する。このように構成することが可能である。
図35は、本画像収集システムの動作を示すシーケンス図である。本動作は既に図33で説明してあるため重複記載となるが改めて説明する。各画像記録装置は画像を取得し(S701)、当該画像の取得位置等の情報が纏められた付加情報管理ファイルを生成・更新する(S702)。画像記録装置は、例えば時間計測手段で計測した所定の期間毎や所定の枚数・容量の画像が取得される毎に付加情報管理ファイルを送信する(S703)。画像管理システムは、複数の画像記録装置より送信された付加情報管理ファイルを纏めて販売可能画像一覧ファイルを生成する(S704)。画像管理システムは、当該販売可能画像一覧ファイルの閲覧を要求する一般消費者に送信したり、インターネットを通じてアクセス可能な記録サーバに格納したりすることで一般消費者に販売可能な画像に関する情報を提示する(S705)。当該販売可能画像一覧ファイルを参照した一般消費者は、値段や画像取得位置などを参考にして欲しい画像を購入する(S706)。具体的には、画像番号など購入する画像を特定するための情報である選択画像通知を送信する。画像管理システムは、受信した選択画像通知に基づいて必要に応じて暗号鍵を含めた上で画像提出要求情報を生成し(S707)、生成した画像提出要求情報を画像記録装置に送信する(S708)。画像記録装置は、画像提出要求情報を受信し、自装置宛であった場合は、当該情報に基づいて指定されている画像を記録部より抽出する(S709)。更に画像提出要求情報に含まれる暗号鍵を用いて画像を暗号化する(S710)。画像記録装置は、抽出し、暗号化した画像を画像管理システムに送信する(S711)。画像管理システムは、画像を受信すると記録サーバに格納する(S712)。更に当該画像の暗号化を解除し(S713)、当該画像を販売画像として購入者(選択画像通知発信者)に送信する。このような動作により画像の売買を促進させることができる。なお、画像管理システムはS706であらたな選択画像通知を受信した時に、既に同一の画像が購入されており、記録サーバに格納されている場合は、S707〜S712の処理をスキップし、記録サーバより該当画像を読み出して暗号化を解除した後、購入者に販売画像を送信する。このような構成とすることで同一の画像について何度も画像記録装置と画像管理システムとの間を飛び交うことを防ぐことができ、無線リソースを節約できる。
なお、画像の販売値段やカメラの機種等変化の少ない付加情報については、実施の形態6と同様第2の付加情報管理ファイルにまとめ、画像管理システム内の記録サーバ等に格納しておく構成であっても良い。抽出画像・付加情報管理ファイル450は受信した付加情報管理ファイルが上記第2の付加情報管理ファイルであった場合は記録サーバに格納する。一方、画像と画像取得位置及び取得時刻等の情報が纏められた第1の付加情報管理ファイルであった場合は販売画像一覧ファイル生成部760に出力する。販売画像一覧ファイル生成部760は、抽出画像・付加情報管理ファイル450より入力した上記第1の付加情報管理ファイルと記録サーバに記録してある上記第1の付加情報管理ファイルに対応する第2の付加情報管理ファイルとに基づいて販売画像一覧ファイルの作成・更新を行う構成であっても良い。
(実施の形態8)
本実施の形態8に関わる画像収集システムは、リアルタイムでの画像提供を可能にする設定を新たに追加したものである。本発明の画像収集システムは、事件が起きた場合に、事後的に事件周辺での画像を客観資料として収集することで誤認逮捕の軽減・逮捕率の飛躍的向上を通じて犯罪率の低下、逃走が困難であることによる自首を促すことが第1の目的である。しかし、パトカーがカーチェースで追跡していて逃走車を見失った場合などリアルタイムで画像を収集したいケースも存在する。このような要求に対応するため、本実施の形態においては、使用者は画像提出の基準を入力する場合に図5に示す重要度や値段の設定に加えてリアルタイム送信のON・OFFを設定する。この設定値は設定ファイルに記録される。
本実施の形態においては、画像検索情報内にリアルタイム送信要求情報が含まれる。このリアルタイム送信要求情報は1ビットで割り当てられる。ビット0の場合は、通常の画像検索に関する情報であることを、ビット1である場合は、当該案件はリアルタイムに画像の送信を要求する信号であることを意味する。リアルタイム送信要求情報がビット1である場合、この案件に関しては画像提出を求める範囲を特定する情報として位置情報のみが含まれ、時間情報は含まれない。
無線通信部で受信された画像検索情報は、SCの制御に従って対比処理部へ出力されて画像検索情報に含まれる案件毎に対比処理が行われる。対比処理部は、画像検索情報に含まれるある案件のリアルタイム送信要求情報がビット1であり、読み込んだ設定ファイルに記されたリアルタイム送信の設定値がONである場合は、当該案件に関して画像要求者からリアルタイム送信が要求されており、所有者がリアルタイム送信を許可していると判断し、対比結果をSCへ出力する。SCは入力した対比結果に基づいて装置をリアルタイム送信モードへ移行させる。具体的には位置検出部より入力した現在地が画像検索情報に含まれる位置情報から特定される範囲内である場合、カメラ部で取得された画像を取得位置及び取得時間と対応付けて記録部に記録し、同時に当該画像を必要に応じて画像検索情報に含まれる暗号鍵を用いて暗号化処理部で暗号化した後、画像検索情報に含まれるIPアドレスを画像提出先として無線通信部より送信する。当該リアルタイム送信モードは後に送られてくるリアルタイム終了を指示するリアルタイム終了情報に従って終了する。
当該構成によれば、複数の画像記録装置から警察へリアルタイムで画像が送信されてくるため、警察は現在の状況を把握でき、逃走者等の追跡に役立てることにより早期の事件解決が可能となる。
なお、上記説明ではリアルタイム送信要求情報を新たに送信する構成を示したがこれに限らず、例えば画像検索情報に含まれる画像提出時間を特定する時間情報を、現在の時刻から未来の時刻までを指定することによりリアルタイム送信を可能とする構成であっても良い。この場合、SCは、画像検索情報に含まれる時間情報が、現在の時刻よりも未来の時刻まで指定されている場合は、当該案件についてはリアルタイムで画像を要求されているものと判断し、リアルタイムモードへ移行しても良い。
以上、各実施の形態で説明したように本発明に関する画像収集システムにおいて、画像記録装置は、カメラによって取得されて符号化処理が施された画像を記録媒体に記録する記録手段と、使用者が記録した画像を提出する基準を入力する第1の入力手段と、外部から送信された画像検索情報を無線受信する受信手段から画像検索情報を入力する第2の入力手段と、入力した基準と前記入力した画像検索情報とを対比する対比手段と、を具備し、この対比結果に基づいて画像の提出の許否が決定される。このように構成することで、使用者側に画像提出の柔軟な制御が可能となるため、使用者が安心して当該装置を購入・使用することができ、装置購入インセンティブがあがる。また、画像記録装置から付加情報管理ファイルが依頼者へ提出される構成とすることで、依頼者側は画像提出を要求した条件を満たす画像群の中からより適切な画像を選択することが可能となるため、依頼者はより自己の希望に沿った画像を得ることができる。よって、依頼者は安心して画像提出の依頼をかけることができ、結果全体としての依頼総数の増加を促し、金銭対価の総量も増えることにより画像記録装置購入のインセンティブがあがる。従って、画像収集システムがより発展し、警察等が事件解決の手掛かりとして当該システムを用いることがより有効となる。
また、本発明では、民間機関からの画像提出要請を取り纏めるため、画像収集システム内に画像情報管理会社を設置する。画像情報管理会社には、依頼者からの画像提出要求依頼を受理する受理部門がある。画像提出要求の依頼書には、画像提出を求める位置・時刻範囲、画像提出を求める期間、画像提出に対して支払う金銭的な報酬、提出された画像の使用目的などの情報が含まれている。また、画像情報管理会社には、依頼内容を所定のフォーマットに取り纏めて、画像検索情報を作成する作成部門がある。画像検索情報は無線通信媒体を介して複数の画像記録装置へ送信される。また、画像情報管理会社は、複数の画像記録装置から提出される画像及び画像を管理する管理ファイルを受信する。画像情報管理会社は、必要に応じて同一の案件について受信した複数の画像記録装置からの管理ファイルに基づいて提出画像一覧ファイルを作成する作成部門がある。提出画像一覧ファイルは依頼者へ提出され、が依頼者から最終的に指定された画像について依頼者へ提出する。このように画像提出を要求する依頼者と画像記録装置の間に画像の流通を管理する存在を導入することでより、適切な画像収集システムを構築することが出来る。
なお上記説明では画像提供者特定情報としてMACアドレスを通知する構成を示したがこれに限るものではない。例えば、画像記録装置は個人情報管理会社に保管されている個人情報管理ファイル上での自装置の登録番号を記録し、提出する画像や付加情報管理ファイルに当該登録番号を含めて送信する構成であっても良い。画像情報管理会社は当該付加情報管理ファイルに示されている登録番号を個人情報管理会社に通知することで、当該登録番号の画像提供者の口座番号を個人情報管理会社から知得し、対価金銭を振り込む構成であっても良い。また、画像記録装置は、記録部内で画像の管理する第1の管理ファイルである画像管理ファイル、画像検索情報に基づいて抽出された画像を管理する第2の管理ファイルである抽出画像管理ファイル、受信した画像検索情報を管理する第3の管理ファイルである画像検索情報管理ファイル、依頼者が行う画像選択に用いるため画像情報管理会社(画像管理サーバ)へ出力される第4の管理ファイルである付加情報管理ファイル、受信した画像提出要求情報を管理する第5の管理ファイルである画像提出要求情報管理ファイルをそれぞれ必要に応じて作成・更新・記録する構成とすることでより柔軟な画像管理が可能となり、対比処理・検索処理の軽減、無線通信量の軽減等に繋がる。
なお、上記説明では画像とは別個画像と付加情報との対応付けが記録された付加情報管理ファイルを送信する構成を示したが、これに限るものではなく、画像のファイル名や画像データに付加情報を含めることで画像と付加情報とを関連付けて画像情報管理会社へ出力される構成であっても良い。ここで画像情報管理会社は画像自体に関連付けられている画像取得位置、画像取得時間、画像記録装置固有の識別子、及び画像取得機種、走行速度、シャッター速度、露出条件などの付加情報を読み取って提出画像一覧ファイルを作成し、クライアントへ提出するよう構成されていても良い。なお、上記説明では提出する画像を暗号化する暗号鍵は画像検索情報の中で案件毎に個別に送信される構成を示したが、これに限るものではない。画像情報管理会社や警察等から複数の暗号鍵が定期的に送信され、画像記録装置の無線通信部において受信された当該複数の暗号鍵が、システムコントローラの制御に従って暗号化処理部内にあるRAMなどの情報記録媒体に暗号鍵番号と対応付けられて一定期間記録される。暗号鍵を管理する暗号鍵管理ファイルには、暗号鍵番号及び対応する暗号鍵が記録されている場所を示す開始アドレス等が記録される。画像検索情報には案件毎に画像を暗号化する暗号鍵を特定する暗号鍵番号が含まれる。暗号鍵番号はシステムコントローラの制御に従って暗号化処理部へ出力され、暗号化処理部は、当該暗号鍵番号と対応する案件について抽出された画像を暗号化する際に暗号鍵管理ファイルを参照し、当該暗号鍵番号に基づいて特定される暗号鍵を用いて暗号化を行う。このように構成することも可能である。また暗号鍵は送信される場合に限らず、予め暗号化処理部内のROMに複数の暗号鍵が記録され、画像検索情報に含まれる暗号鍵番号に従って暗号鍵を選択して抽出した画像を暗号化する構成であっても良い。なお、使用者からの入力により設定される値段に関しては、時間帯や位置に応じて異なる値段を設定できるよう構成されても良い。車の交通量が多い時間や都心などでは、画像記録装置を搭載した車も多く走るため、画像の価値は下がる。依頼者は、金銭対価として高い値段を設定しなくても、画像を得られる可能性が高いためである。一方、車が少ない田舎では画像の価値が高くなる。このような状況に柔軟に応じることを可能とする構成であることが望ましい。対比処理部は、使用者によって入力された基準値を記録した設定ファイルを読み込み、受信した画像検索情報に含まれる位置情報及び時間情報により特定される位置及び時間について設定されている値段と、画像検索情報に含まれる金銭情報との対比を行うよう構成されていてい良い。
なお、車載カメラは車の前方を撮影する場合に限定せず、例えば車の後方を撮影するよう設置しても良いし、複数のカメラで複数の方向を撮影して記録するよう構成してもよい。後方を撮影する場合、車内の映像も同時に取得できるため、車内に不審者が乗り込んできた場合などにも有効に対応できる。また、この場合、前方カメラで撮影した画像は、記録する際に前方を撮影していることを示す”Front”の情報を合わせて記録し、後方カメラで撮影した画像は、”Back”の情報を合わせて画像管理ファイルに記録するようにすると、後の管理が簡略化できる。また、複数の車載カメラの中には赤外線カメラや暗視カメラなどが含まれていても良い。このような特殊カメラで撮影することにより、より捜査に有効な画像を取得できる。
また、記録部も着脱可能な構成であっても良い。例えば、記録部をUSB接続の外付けHDDとし、画像提出時には、車載画像記録装置から記録部を取り外して自宅のPCや警察などに設置された端末と接続し、記録された画像を警察に提出できるように構成してもよい。このようにすることで、別途記録媒体を用いてデータを移動させる必要がなくなるため、メモリーカードスロットのような出力手段を別途設ける必要がないため、コストを下げることができる。
本発明の思想は、一般ユーザが撮影した画像を分散して記録しておき、それらの画像が求められる時には条件に従って警察など画像を管理する画像管理システム側に提出を可能とすることである。従って、上述したように画像を取得する画像取得部(カメラ)と画像を記録する記録部は一体である必要はなく個別の装置として分離することができる。図36は画像の記録形態を示す図である。ユーザAのように車に取り付けられた画像記録装置内に画像が記録されても良いし、ユーザBのように車に取り付けられた画像取得装置で取得された画像がホームサーバなどに移されて記録される構成であっても良いし、ユーザCのように画像取得装置で取得された画像がクラウドに上げられてクラウドシステム内の記憶サーバに記憶されても良い。いずれの形態をとっても各画像記録装置又は画像記録システムは画像管理システムとは分離されており、画像検索情報や画像提出要求情報を介して接続されている。つまり、各画像記録装置又は画像記録システムは、画像検索情報や画像提出要求情報を受信(入力)し、付加情報管理ファイルを送信(出力)し、お互いの合意が取れた場合に画像記録装置又は画像記録システム側から画像が画像管理システム側に送信(出力)されることになる。従って、画像記録装置・画像記録システム側から強制的に画像が警察等が管理する画像管理サーバ側に吸い上げられることがないため、全体として高いプライバシーを維持した画像収集システムとなる。
また、本発明のカメラ部で撮影される画像を車間距離の測定や人物の存在検出等に用いてもよい。この場合、前方を走る車と風景の境界を検出し、検出結果から車間距離を推定する演算を行う演算部や、撮影された画像内に人物がいるかを判断するために、予め人物のパターンを複数記録したROMと、画像内にROMに記録されたパターンと一致する特徴があるかのマッチング処理を行うマッチング部等が別途必要となる。また、撮影された画像から白帯を検出し、走行位置を自動修正する運転補助システムに用いることも可能である。
なお、上記実施の形態1から7について単独で実施しても良いし、組み合わせて実施してもよい。
なお、本発明の画像記録装置を自車両の事故時の証拠として用いる従来のドライブレコーダとして利用できることは言うまでも無い。また、画像データ等を改竄できないようにデータを暗号化して記録部に記録するよう構成しておいてもよい。また、本発明の画像記録装置は、自家用車だけではなく、トラック、バス、タクシー、バイク、電車、自転車、ベビーカーなどのように、さまざまな移動可能な乗り物に搭載し、位置情報及び時間情報と対応付けて画像を記録することができる。また、上記説明では本願発明の装置は画像を記録する画像記録装置として説明したが、画像を記録する機能を有するカーナビゲーション装置であっても良いし、画像を記録する機能を有する無線受信装置やビデオカメラであってもよい。また、上記説明では画像記録装置を車に搭載する場合に関して説明したが、予め上記の画像記録装置を車体に組み込んで画像記録機能を有する車としても良い。
また、上記で説明したシステムコントローラ、対比処理部、検索処理部、暗号化処理部画像符号化部、位置検出部等は、それぞれ半導体集積回路を用いて実現されてもよい。
その他、本願の発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜設計変更が可能である。