以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像記録装置のブロック図である。画像記録装置1000は、主に、カメラ部110、画像符号化部120、データバッファ部130、位置検出部140、記録部150、システムコントローラ160、電源管理部170、外部出力インターフェース180、画像表示部190、入力部200で構成され、一部のブロックがシステムバス100を介してお互い接続されている。
カメラ部110は、主に光学ブロック111、カメラ制御部112、画像処理部113で構成される。光学ブロック111では、レンズによって結像された被写体像がCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサで代表される撮影素子で光電変換されて画像処理部113に出力される。光学ブロック111は、シャッター機構、手振れ補正機構、絞り調整機構等も備えており、カメラ制御部112からのシャッター制御信号に基づいてシャッターが切られ、シャッターのタイミング毎に画像が取得される。画像処理部113は、光電変換された画像信号に対して増幅処理及びA/D変換処理等を行ってデジタル画像データを取得し、画像符号化部120に出力する。
画像符号化部120は、カメラ部110で取得されたデジタル画像データにエンコード処理を行う。取得されたデジタル画像データが静止画像の場合はJPEGやTIFF、動画像の場合はMPEG2やH.264/AVCといった所定のフォーマットに従って符号化を行い、符合化後の画像データをデータバッファ部130へ出力する。
データバッファ部130は、符号化後の画像データを一時保管し、システムコントローラ160からの制御に基づいて画像データをシステムコントローラ160に出力する。また、データバッファ部130は、画像符号化処理で必要となるバッファとしても機能する。
位置検出部140は、主にGPSアンテナ141、GPSユニット142、位置情報・時刻情報生成部143、データバッファ部144などで構成される。GPSユニット142は、複数の衛星から送信された衛星固有のC/Aコード信号をGPSアンテナ141を介して受信し、各衛星から受信した信号のタイミングを基に各衛星までの擬似距離を算出して現在の位置および時刻を求める。
具体的には、GPSユニット142は、図示せぬ受信処理部、C/Aコード生成部、シフトレジスタ、相関処理部、復調部、擬似距離算出部、現在位置算出部などで構成される。受信処理部では、GPSアンテナ141で受信した信号に対して、ダウンコンバート、A/D変換等の所定の受信処理を行い、受信処理後の信号を相関処理部に出力する。C/Aコード生成部では、衛星固有のC/Aコードを生成して相関処理部に出力する。相関処理部では、受信処理部から出力された信号に対して生成されたC/Aコードをシフトレジスタを介して相関処理を行うことで遅延プロファイルを求めると共に、逆拡散後の信号を復調部に出力する。復調部では、データ復調処理を行う。擬似距離算出部では、取得した遅延プロファイルや復調データを基に擬似距離及び現在の時刻を求めて現在位置算出部に出力する。現在位置算出部では、既に取得している衛星の軌道情報等と、算出された擬似距離とを用いて現在の位置を求め、得られた現在の位置及び現在の時刻に関する情報を位置情報・時刻情報生成部143に出力する。
位置情報・時刻情報生成部143は、車速度を検出する車速センサや車体の方向を検出する方位センサからの情報と、GPSユニット142から出力された情報とを組み合わせて、現在の位置を表す位置情報及び現在の時刻を表す時刻情報を生成してデータバッファ部144に格納する。データバッファ部144は、システムコントローラ160からの制御に基づいて位置情報と時刻情報をシステムコントローラ160に出力する。
システムコントローラ160は、各演算を行うCPU、プログラムを格納するROM、作業領域として設けられたRAMやクロック生成回路などで構成されており、画像記録装置1000全体の管理及び制御を行う。
また、システムコントローラ160では、データバッファ部144から入力した現在の位置情報及び時刻情報に基づいて、カメラ部110で画像データが取得された位置及び時刻を求め、求めた位置及び時刻と画像データを関連付ける処理を行う。位置及び時刻と関連付けられた画像データは、記録部150に出力されて一定期間記録される。
記録部150は、主にメモリーコントローラ151と情報記録媒体152で構成される。メモリーコントローラ151は、情報記録媒体152へのデータの書き込みと読み込みを制御する。システムコントローラ160から出力された画像データは、メモリーコントローラ151の制御にしたがって、HDD(Hard Disk Drive)などのストレージである情報記録媒体152に位置及び時刻と関連付けられた状態で記録される。
電源管理部170は、外部バッテリーから供給された電力をシステムコントローラ160からの制御に基づいて各部に供給する。ここで、外部バッテリーとしては車に搭載されたバッテリーが考えられ、シガーライター端子等を介して本発明の画像記録装置へ給電される。
外部出力インターフェース180は、装置内に蓄えられた画像データを外部に出力するためのインターフェースであり、本実施の形態では外部出力の形態としてメモリーカードを想定している。この場合、外部出力インターフェース190は、メモリーカードの記録管理を行うメモリーカードコントローラやメモリーカードスロットなどで構成され、記録媒体162に記録されているデータをメモリーカードにコピー又は移動して記録する。その他、外部出力インターフェース180は、USBコントローラ(USBは登録商標。以下、省略)及びUSB端子などで構成されていても良く、USBメモリーやUSB接続HDDなどの着脱可能な記録媒体へ画像データを移動させることができる構成であってもよい。
画像表示部190は、主に表示制御部191と表示パネル192で構成される。表示制御部191は、メモリーコントローラ151によって読み出された情報記録媒体152に格納されているファイルの一覧等を、液晶パネルなどの表示パネル192で表示させる制御を行う。
入力部200は、使用者が入力を行うための入力手段であり、タッチパネルや入力キーといった操作盤201で入力された信号は入力インターフェース202を介してシステムコントローラ160に伝えられる。
次に、記録される画像データの一例を説明する。図2は、情報記録媒体152に記録された画像データ一覧を画像表示部190で表示した図である。各画像データは、画像データが取得された位置と時間がファイル名と関連付けされた状態で記録されている。フォルダの一番上の画像データのファイル名は、N34”12’5262”_E132”36’1002”_T200707101312200_.jpgであり、これは北緯34度12分52.64秒、東経132度36分10.02秒、時刻2007年7月10日13時12分20.0秒に取得された画像であることを示している。最後の.jpgはJPEG方式で圧縮された画像データであることを示している。このように、それぞれの画像データは、画像データが取得された位置に関する情報及び時間に関する情報と関連付けされて記録される。
次に、上記の画像記録装置で記録された画像データを用いた犯罪捜査協力のシステムについて図3を用いて説明する。
△△警察署の管轄エリア内で事件が発生した場合、△△警察署は事件発生位置と事件発生時間を含んだ事件ファイルを作成する。都道府県警は管轄の警察署から提出される事件ファイルを纏め、公衆情報伝達媒体を介して各事件に対する情報提供を促す。ここで公衆情報伝達媒体としては、インターネット、テレビ放送、ラジオ放送、新聞、携帯電話におけるマルチキャスト、ブロードキャストなどが考えられる。図4は、警察庁のWebサーバ上にアップロードされたWebサイトの一例である。
Webサイトには、事件No、事件の種類、事件発生場所、事件発生時刻、情報提供謝礼金、事件概要、募集情報の内容などの事件に関する情報が提示される。ここで情報提供謝礼金は、事件解決後に事件解決に貢献した画像を提供した人に払われる金額である。これは、事件解決に最も貢献した画像を提供した人に払われても良いし、解決に役立った画像を提供した複数の人に分配されても良い。また、金額が0円に設定されていても良い。また、被害者や遺族が早期解決に向けて個人的な報奨金をこの部分に上乗せして設定することも可能である。例えば事件No:A0035の事件では、事件内容も当て逃げと軽微であり、昼間の新宿の交差点で発生しているため、情報提供者となりうる画像記録装置を積んだ車は多く存在したと思われる。このような状況ではある程度低い金額設定でも有力な情報は提供されると期待できる。また、車による事故や事件では、被疑車両の対向車線を走る車から提供された映像には被疑車両のナンバープレートが移っている可能性が高く、黒のワゴン車という目撃証言と合わせて迅速に犯人逮捕に繋げられることが期待できる。一方、事件No:A0034の事件は、事件の種類が殺人事件と重犯罪であり、犯人の早期逮捕が望まれる。また、事件発生時刻が深夜であり、情報提供が少ないことが想定されるため、情報提供謝礼金が大きな金額に設定されている。
本発明の画像記録装置を搭載した車の保有者は、上記の事件発生場所近辺を事件発生時間に運転していた場合、画像記録装置の記録部に記録されている画像取得位置と画像取得時間とに対応付けされた画像データを警察に提出する。ここで提出方法としては、家庭の個人パソコンにインストールされた専用FTPソフトを使って画像データをインターネット回線を通じて提出しても良いし、交番や警察署に設けられた専用端末で提出できるようにしても良い。その他、画像回収の効率を上げるため、ガソリンスタンドや市役所等に情報端末を設置し、画像データを提出できるようにしてもよい。提出された画像データは警察庁のデータサーバに蓄積される。
警察署の捜査班は、提供された画像データを用いて情報を分析する。図5は、コンピュータ上で捜査用の専用ソフトウェアを起動させた時にGUI上で表示されるソフトウェア画面である。以下、このソフトウェアについて説明する。
ユーザの指示で本ソフトウェアが起動されると、GUI上に図5に示すソフトウェア画面が表示される。ソフトウェア画面は、座標空間や画像を表示するためのメイン画面と、各種設定を行うためのボタンが配置されたツールバーで主に構成される。ツールバーに配置された各ボタン上でカーソルを合わせてクリックするとプルダウンメニューが開けるように構成されている。以下、各ボタンの機能を説明する。
ファイルボタン510が選択されると、フォルダを選択する画面が開き、ユーザは画像データが格納されたフォルダを指定する。ここでフォルダに格納された画像データは、捜査協力のために提供されたものであり、各画像データは画像取得位置及び画像取得時刻と関連付けされている。
フォルダが指定されると、ソフトウェアはフォルダ内の各画像に関連付けされた位置と時刻を参照して、メイン画面に設けられた座標空間上の対応する場所に画像データの存在を示すアイコン(画像アイコン)を配置して表示する。座標空間としては、位置と時間を3次元で表した座標空間か、所定の時刻で切り出した2次元座標かを選べる座標系ボタン520がツールバーに配置されている。
図5では、座標空間として3次元座標を選択し、3次元座標空間に画像アイコンを配置した状態を示した図である。501と502は同じ道路を走る2台の車に搭載した画像記録装置でそれぞれ撮影された画像群を表す画像アイコンである。同じ道を走っているため、同じ位置を時間がずれた状態で撮影された画像群となっている。503は停車している車で記録された画像群を表す画像アイコンである。停止しているため時間が変化しても同じ場所の画像を撮影し続けている。504と505は、同じ道路を反対向きに走る2台の車からそれぞれ記録された画像群を表す画像アイコンである。同一道路を反対に走っているため、ある時間に同一位置で交差している。506は南東の方角へ移動中の車から撮影された画像群を表す画像アイコンである。なお、図6では、記録された画像が静止画像であるため、アイコンが円形であったが、動画像の場合は立体チューブ状のアイコンが表示される。これらのアイコンは、アイコンにカーソルを合わせてクリックすることでアイコンに対応付けされた画像を表示することができる。
表示ボタン530には、画面の拡大・縮小を行う拡大ボタン・縮小ボタンや座標空間を360度自由に回転させる回転ボタンがプルダウンメニューとして配置されている。
画像ボタン540は、選択された画像をメイン画面全体で表示するか、サブ画面を開いて、その部分に画像を表示させるかを選ぶことができる。また、サブ画面表示を選択した場合、サブ画面の数も選ぶことができ、同時に複数の画像を選んで表示させることも可能である。図6のケースでは、サブ画面数が1に設定されているため、選択された画像がサブ画面590に表示されている。また、サブ画面590の上部には表示中の画像に関連付けされた画像撮影位置と画像撮影時刻を表示できるスペースが設けられている。サブ画面590で表示されている画像が、座標空間上のどの画像アイコンに対応しているかを示すため、専用アイコン507が画像アイコン上に表示されている。なお、サブ画面590で表示中の画像に対応する画像アイコンの形状や大きさや色を変えることでサブ画面590に表示中の画像がどの画像アイコンと対応しているかを視覚的に認識できるように構成されていても良い。
再生ボタン550は、画像の再生、逆再生、巻き戻し、早送り、停止、一時停止、コマ送り、コマ戻り等を行うボタンが配置されている。ここで再生は、ある特定の画像記録装置で記録された画像を時間に沿って再生する方法や、ある特定の位置に固定してその位置近傍で記録された画像を時間に沿って再生する方法や、選択した画像を再生する方法などが設定できるようになっている。また、2次元座標表示の場合は、再生されている時刻での画像アイコンが2次元座標上に表示される。
地図ボタン560は、座標空間に地図情報を表示するかどうかを指定するボタンである。ソフトウェアは、地図ボタンがONに設定されると、地図情報を格納したフォルダから現在の座標空間の位置及び縮尺と対応する地図を読み込み、座標上にアイコンと多重して表示する。
SIMボタン570は、後述する容疑者等の逃走ルートのシミュレーションを設定するボタンである。
アドレス入力ボタン580では、ユーザが座標と時刻を直接入力することで表示させる画像を選択するためのスペースが設けられている。
図6は、ある時刻T=Txの2次元表示での座標空間を表している。ここでは、画像ボタンがサブ画面を2つ表示するモードに設定されているため、メイン画面上にサブ画面690と691が2つ表示され、それぞれ指定された異なる画像を表示している。また、地図表示をONに設定しているため、画像の撮影された位置を表すアイコンと地図が多重されて表示されている。格納されている地図情報において、道路に関する情報はノードやリンクで記述されている。また地図情報には、信号機に関する情報も記録されている。ここで信号機に関する情報とは、信号機の番号、信号機の位置、信号機の状態(どの時間帯に赤信号でどの時間帯に青信号であるかを記録した情報)などである。再生ボタンを操作することで前後の時刻の状態や画像を表示することができる。
次にシミュレーション機能に関して説明する。SIMボタン570が選択されると、図7に示すシミュレーション設定画面が開かれる。設定画面では、事件発生の情報、逃走手段、逃走方向、シミュレーション領域などを入力できる構成になっている。
ユーザは、容疑者の逃走経路や事件発生現場までの足取りを求めるために、第一に、事件が発生した位置(座標)、発生時刻を入力する。次に、逃走手段の欄に、容疑者が逃走手段として何を用いたかや、どれくらいの速度で逃走したかを仮定して入力する。逃走方向やシミュレーション領域には、どれくらいの時間やどの領域に限定して容疑者の逃走経路をシミュレーションするかを設定する。
容疑者の逃走に関するシミュレーション情報を設定して実行すると、ソフトウェアは入力されたシミュレーション情報を基にして、地図情報に記録されているノードやリンクといった道路情報や、リンクのコスト、信号機に関する情報、当時の交通状態を表すVICS情報(VICSは登録商標。以下省略。)などを参照しながら逃走経路をシミュレートし、逃走経路を表すアイコンを画面上に表示させる。また、逃走経路をシミュレートした結果、容疑者が写っている可能性のある画像をすべて抽出する。このようなシミュレーション機能を上手く駆使することで情報提供された画像の中から有効な画像を効率よく抽出すると共に、座標上で表示されたアイコンの分布状況からどの辺りの画像が少ないか等を効率よく確認できる。
上記のプログラムの特徴を纏めると、以下の処理をコンピュータに実行させる。撮影された位置及び時刻と対応付けられた画像を表すアイコンを、時間軸と空間軸を含む第1の座標空間に位置及び時刻に基づいて配置して表示させる。撮影された位置及び時刻と対応付けられた画像を表すアイコンを、所定の時刻における空間軸を含む第2の座標空間に位置及び時刻に基づいて配置して表示させる。ユーザの切り替え入力に基づいて、第1の座標空間と第2の座標空間のどちらの座標空間を表示するかを切り替えさせる。ユーザの画像表示入力に基づいて、指定された画像を表示させる。第1又は第2の座標空間に配置して表示されたアイコンであって、画面に表示させている画像に対応するアイコンを、表示させていない画像に対応するアイコンと異なるように表示させる。表示されている座標空間の位置及び尺度に基づいて地図情報の中から該当する地図を読み込ませる。使用者の切り替え入力に基づいて、読み込んだ地図を座標空間に多重して表示するかどうかを切り替えさせる。所定の条件を満たす動画像又は複数の静止画像を時間軸に沿って再生しながら表示させる。また、ユーザによって選択されたアイコンとリンク付けされた画像を表示させる。ユーザによって入力された座標及び位置に基づいて、対応する画像を表示させる。事件発生位置及び時刻を入力する入力画面を表示させ、入力された事件発生位置、発生時刻、及び地図情報に基づいて、犯人の位置を推定し、座標空間に表示させる。また、推定された犯人の位置の範囲から犯人が写っている可能性がある画像を抽出させる。
以上のような処理を実行させるプログラムを用いることで、事件発生前後における事件発生現場付近を通った車に搭載された画像記録装置で撮影された画像を効率よく分析することできる。そして、画像に偶然移った不審者を発見したり、犯人の逃走経路を特定したりすることができるため、事件の早期解決が期待できる。なお、確認済みの画像には、確認済みを表すフラグを取り付けられるように構成してもよい。このように構成することで、画像データを重複して確認することがなくなるため、情報提供として寄せられた無数の画像データを効率良く分析できる。なお、確認済みフラグが付けられた画像にリンク付けされたアイコンを、座標空間で表示するかしないかを切り替える切り替え手段が備わっていても良い。また、確認済みフラグが付けられた画像にリンク付けされたアイコンを、フラグが付けられていない画像にリンク付けされたアイコンと異なるように座標空間上に表示させる機能が備わっているとより効率的な分析が可能となる。この場合、例えば確認済みフラグが付けられた画像にリンク付けされたアイコンを、半透明にしたり、色や形を変えたりするようにしてもよい。
以上のように、本願第1の実施の形態における画像記録装置では、カメラ部のように画像を取得する取得手段と、取得した画像を符号化する符号化手段と、画像取得時の位置及び時刻を求める算出手段と、前記符号化された画像と前記求められた位置及び時刻とを関連付けて記録する記録手段と、前記記録された画像を前記位置及び時刻と関連付けた状態で出力する出力手段とを有する構成となっている。この構成により、撮影された画像は位置と時間に対応付けられた状態で一旦装置内の情報記録媒体に保存され、必要に応じて対応関係が保たれたまま外部へ出力できるため、複数の使用者から送られた画像を統合的に犯罪捜査に活用できる。本画像記録装置を用いた犯罪捜査システムでは以下の点で大きな効果を有する。
一般に監視カメラを取り付ける場合はプライバシーに関する問題が必ず浮上する。特に監視カメラで取得された画像が国家によって一元的に管理されることは、たとえ罪を犯していなくても、常に自分の行動がモニタで誰かに監視されている可能性があるということが大きなストレスとなりうる。
しかしながら、本発明の画像記録装置を用いて監視する場合、画像データは各画像記録装置の所有者に分散して記録・管理され、必要に応じた時と場所に関する画像データのみ、国家に提供されることになる。つまり、日常生活の中で自分の姿が高い頻度で画像データとして記録されるが、自分の近くを通り過ぎた複数の車に搭載された画像記録装置にそれぞれ数秒程度の時間ずつ分散して記録されることになる。従って、特定の人物が自分の行動を監視し続けるといった状況にはならない。そして、各画像記録装置で記録される画像は、画像記録装置の所有者であるドライバーが運転中に目に飛び込んでくる風景とほぼ同一のものであるのだから、その風景をドライバーが画像データとして記録してもプライバシー侵害には繋がらない。従って、本発明の画像記録装置を用いた犯罪捜査協力の方法は、警察等の国家組織が犯罪捜査のために街中に監視カメラを取り付ける方法と比べて、プライバシー保護の観点からも大きなメリットがある。
また、本発明の画像記録装置は、一般的なカメラやビデオカメラなどを用いて撮影された画像を犯罪捜査に用いる場合に比べても次の点で大きなメリットがある。一般的なカメラやビデオカメラは、撮影者が被写体を選定して撮影する。従って、撮影者が撮りたい画像を撮影できるものの、逆に、撮影者が盗撮などの悪意を持って特定の人物を撮影する可能性がある。このように、撮影する被写体に対して撮影者の意図が反映されることは、場合によっては被写体のプライバシーの侵害に繋がるという可能性を否定することはできない。通常、逃走中の犯人を偶然見かけたとしても、その時点ではその人物が犯人であると識別できず、後で事件が起きたことを知って、ようやく偶然見かけた人物が犯人の可能性があったと言うことができる。換言すれば、撮影時に犯人に関する情報がないということは意図を持って犯人を撮影することができないのだから、撮影者の意図を働かせて撮影できるビデオカメラ等は、逆にプライバシーの侵害の可能性を高めることになる。しかし、本発明の画像記録装置は、車内のダッシュボードの上などに固定して設置されるため、特定の人物を撮影するためには、車体ごとその人物の方向に向けなければならず、現実的には盗撮などのプライバシー問題には繋がらない。このように、本発明の画像記録装置は、事件前や事件後の犯人のように、そもそも撮影者の意図を働かせて撮影することができない被写体を偶然撮影することに適している。
このように、本発明の画像記録装置を用いれば、人物の姿が撮影者の意図を介さず偶然撮影される状態で複数の装置に分散して記録されるため、一定のプライバシーが確保できる。また、画像記録装置は、使用者が購入して設置するため、新たなインフラの整備や補修等に費用が必要ないため、迅速な導入が可能である。また、使用者にとっても画像記録装置を車内に設置することで、長期的な観点から治安が回復できると共に、通常のドライブレコーダやカーナビゲーションの補助として撮影した画像を活用できるため購入に大きなメリットがある。また、必要に応じて警察から支払われる謝礼金によって画像記録装置購入費用以上の金額を回収できる可能性があるため、購入するメリットも大きい。また、謝礼金として払われる金額は、犯人が負担するように法律で設定すれば、国家予算を圧迫することなく謝礼金を大きく設定できることで、画像収集率を向上させる相乗効果も期待できる。
なお、上記説明では、画像データのファイル名に画像データ取得位置及び取得時刻と対応付ける処理を行う場合を説明したがこれに限るものではない。図8に示すような管理ファイルを別途作成することで対応付けても良い。管理ファイルには画像を特定するファイル名、その画像が撮影された位置及び時間が対応付けられた状態で記録されている。また、管理ファイルには、画像データの作成日、更新日、画像データの開始アドレス等も合わせて記録され、新たに撮影される画像や一定期間経過して消去される画像に伴って、管理ファイルも逐次更新される。この管理ファイルは情報記録媒体内の管理ファイル用の専用記録領域に記録されても良いし、画像データと同様通常の記録領域に記録されても良い。画像データを外部へ出力する場合は、画像データと当該画像データの取得位置及び時刻との対応付けが記録された管理ファイルも合わせて出力される。
また、画像データとは別に撮影位置及び撮影時刻と画像データの対応関係を記録した位置時刻ファイルを別途作成する構成としても良い。データフォーマットとしては例えばPOIX(Point Of Interest Exchange Language)に準拠したもので作成されても良い。図9は、位置時刻ファイルの一例である。Posタグには緯度(lat)と経度(lon)が、Timeタグには撮影時刻が記載され、imgherfタグに対応する画像のアドレスが記載される。またauthorタグには画像記録装置の所有者を表す情報が記録される。これは装置固有の製造番号を用いても良いし、使用者が自ら設定した固有の名前でもよい。Authorタグは、上記で説明した操作分析用ソフトウェアにおいて、同一画像記録装置で撮影された画像を時間軸に沿って再生する場合に参照する値として用いることができる。情報提供謝礼金を支払う場合に、撮影者を特定する場合にも用いられる。警察内サーバには、authorタグに記載された名前と、所有者の住所や連絡先、謝礼金振込み口座等の情報を対応付けた個人情報管理ファイルが保管されており、個人情報管理ファイルを参照して謝礼金の振込みや商品券の発送等が行われる。
また、動画像データと動画像データの撮影位置及び撮影時刻とを関連付ける場合は、例えば動画像データを構成する各ピクチャが取得された位置と時刻とを記載したファイルを生成することで関連付けしてもよいし、動画像データのファイル名に、動画像データを代表する単数又は複数の位置及び時刻に関する情報を関連付けしてもよい。
また、上記説明ではシステムコントローラ160が画像取得時の位置及び時刻を求める構成を説明したがこれに限るものではなく、位置検出部140で画像取得位置及び画像取得時刻を求める構成としても良い。例えば、カメラ制御部112は、シャッタータイミングを表すシャッター制御信号を光学ブロック111及び位置情報・時刻情報生成部143に出力する。位置情報・時刻情報生成部143は、GPSユニット142で衛星からの信号受信タイミング毎に得られる現在の位置及び現在の時刻を線形補間する処理を行い、シャッター制御信号が入力された時点における位置及び時刻を求める。そして、求められた位置及び時刻を画像が撮影された位置及び時刻として、撮影された位置を表す位置情報及び撮影された時刻を表す時刻情報を生成し、データバッファ部144を介してシステムコントローラ160に出力する。システムコントローラ160は、データバッファ部130から出力された画像データと、データバッファ部144から出力された画像取得位置を表す位置情報及び画像取得時刻を表す時刻情報とを対応付けて記録部150に記録する。
また、画像データに位置情報及び時刻情報を多重することで対応付けても良い。画像データに位置情報と時刻情報を多重する場合、画像データと位置情報及び時刻情報との対応付けは画像符号化部120で行われる。従って、位置検出部140で生成された現在の位置及び時刻を表す位置情報及び時刻情報はシステムコントローラの制御に基づいて画像符号化部120へ出力される。画像符号化部120は、カメラ部110から出力された画像データに圧縮処理を行うと共に、位置検出部140から出力された位置情報及び時刻情報に基づいて、画像データに多重する位置情報および時刻情報を求めて所定のフォーマットに従って多重し、圧縮・多重後の画像データをデータバッファ部に出力する。多重・符号化処理後の画像データは、記録部150に出力される。この時、1ピクチャが取得された位置と時刻を位置情報及び時刻情報として1ピクチャに1つの割合で多重しても良いし、1GOP毎に代表する位置情報と時刻情報を多重しても良い。ここで代表する位置情報と時刻情報とは1GOPの先頭ピクチャが取得された位置及び時刻としても良いし、1GOPに含まれる複数のピクチャが取得された位置及び時刻の平均を代表して多重しても良い。また、1動画ストリームに代表する位置情報及び時間情報を多重しても良い。また、画像の圧縮フォーマットとしてシステムヘッダやパックヘッダといった部分に位置情報と時刻情報を記録する領域を設け、その部分に記載するようにしてもよい。
その他、画像データと撮影された位置及び時刻を表す位置情報及び時刻情報の対応付けを行う専用の処理部を設けても良いし、メモリーコントローラが対応付けを行っても良い。
また、上記説明では時刻情報はGPS信号を基に位置検出部で求める構成を説明したが、これに限定するものではなく、システムコントローラ内に設けた時計回路を用いて、画像が取得された時刻を求めて画像データと関連付ける構成としてもよい。
また、カメラ部においてシャッターが切られた時点を画像が取得された時点として説明したがこれに限定するものではない。カメラ部110から画像符号化部120へ画像データが出力された時点としてもよいし、画像符号化部120で符号化処理が完了した時点としてもよいし、画像データに関連付けされる位置情報及び時刻情報が生成される時点としても良い。
また、装置内に該当データがあるかどうかは、例えば画像表示部上に検索用ウィンドウを表示し、使用者が入力手段を通じて位置と時間を指定することで記録部内に入力された条件を満たす画像があるか無いかの検索を行う検索手段が備えられていても良い。
また、画像データを装置内に保存しておく期間としては、警察による事件特定や情報提供を求めるまでの期間を鑑みて1〜2週間以上の期間に渡って装置内に保存できることが望ましい。1秒に1枚のペースで画像を100キロバイトに圧縮した場合、2週間データを記録し続けても100Gバイト程度であるため、HDDストレージで充分記録が可能となる。画像を記録しておく期間は、HDDストレージの記録容量や画像符号化部で行われる画像符号化における圧縮率などの関係で独自に設定される構成であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1に記載の画像記録装置では、画像データに画像データが取得された位置及び時刻を関連付けて記録する。しかしながら、例えば反対車線を走ってすれ違う2台の車に設置された画像記録装置で記録される2枚の画像は、撮影景色が大きく異なるにもかかわらず、画像データに対応付けられる位置及び時刻はほとんど同じになってしまう。従って情報提供された画像を分析する際にどの範囲の景色が撮影されているかを再度整理する必要があり、この作業が煩雑であると同時に捜査の遅延を招く可能性があった。
上記第2の課題を鑑み、本発明の実施の形態2に係る画像記録装置は、画像を取得する取得手段と、取得した画像を符号化する符号化手段と、画像取得時の位置、時間及び撮影方向を求めて位置情報、時間情報及び方位情報を生成する生成手段と、前記符号化された画像を前記位置情報、前記時間情報及び前記方位情報と対応付けて記録する記録手段と、前記記録した画像を外部へ出力する出力手段を具備する。以下、図面を用いて詳細に説明する。なお、実施の形態1と同一の部分に関しては一部説明を省略する。
図10は、実施の形態2に係わる画像記録装置のブロック図である。位置検出部2140は、撮影位置を表す位置情報や撮影時刻を表す時刻情報に加えて撮影方位を表す方位情報を生成する。具体的には、内部のGPSユニットで検出した現在の位置及び時刻を線形補間し、カメラ部110から画像取得タイミングを表す信号が出力された時点の位置、時刻、及び方位を算出して、それぞれ位置情報、時刻情報、方位情報を生成する。
ここで方位情報とは、地磁気を検出する地磁気センサなどで構成される方位センサで検出された方位に基づいて生成される情報であり、例えば北、北西、西、南西、南、南東、東、北東の8方向を表す3ビットの情報の形で表される。
生成された位置情報等は、データバッファ部130を介して画像符号化部2120に出力される。画像符号化部2120は、カメラ部110から入力した画像データに通常の符号化処理を行うと共に、位置検出部2140から入力した位置情報、時刻情報、及び方位情報を画像データと多重する多重化処理を行う。多重化することによって取得された位置、時刻、方位を示す位置情報、時刻情報、方位情報と関連付けされた画像データは、データバッファ部130を介して記録部150に出力される。
ここで、関連付けの方法としては、実施の形態1と同様、画像データのファイル名に上記3つの情報を関連付ける方法や、管理ファイルを作成して関連付ける方法、画像データに多重して関連付ける方法等どのような方法を用いても良い。
次に、画像符号化部2120においてカメラ部110で取得される動画像データに位置検出部2140で生成される位置情報、時刻情報、及び方位情報を関連付ける方法について説明する。図11は、位置情報等が多重されて記録される動画像データのフォーマットの概略の一例である。
動画データは、VTSと呼ばれるデータ単位で記録され、VTSを制御するための情報であるVMGが先頭に取り付けられる。各VTSは、制御データとしてのVTSI、メニュー表示としてのデータであるVTSM_VOBS、映像表示のためのデータとしてのVTSTT_VOBS、及びVTSIのバックアップデータとしてのBackup_
for_BTSIで構成される。VTSTT_TTはVOBUを単位として読み書きが行われる。1VOBUには1GOPの画像が格納され、NV_PCK、I_PCK、V_PACKで構成される。1GOPには、符号化方法が異なるIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャが15枚程度含まれる。各パックは、1つ若しくは複数のパケットで構成され、パックヘッダに続いてパケットが配置される。パックヘッダには、パック開始コードやシステム時刻基準参照値などが含まれ、パケットヘッダにはパケット開始コードやPTS、DTSなどが含まれる。NV_PCKは、自身が属するVOBU内の画像データの再生表示制御を行うための制御データである。I_PCKは、自身が属するVOBU内の画像データが取得された位置、時間、方位を表す情報が格納されている。V_PACKは、GOPを構成するピクチャデータが格納されている。
ここでI_PCKには、1GOPに対してそのGOPを代表する位置、時刻、方位に関する情報が記録される。ここでGOPを代表する位置、時刻、方位に関する情報とは、例えばGOP内で最初に表示される画像が取得された位置、時刻、方位に関する情報としても良いし、1GOPを構成する複数のピクチャがそれぞれ取得された位置、時刻、方位を平均化した値をGOPを代表する位置、時刻、方位としてI_PCKに記録されても良い。1GOPの再生時間は、フレームレート30Hz/sでは0.5秒程度であり、制限速度60km/hで走行する車から撮影した場合、先頭のピクチャと最後のピクチャの位置のずれは10m以下になる。この値は、GPSによる位置検出の精度と大差は無いため、1GOP毎に位置、時間、方位の代表値を記録すれば十分である。
なお、上記の説明では、I_PCKに1GOPを代表する位置情報、時刻情報、方位情報を記録する場合を説明したがこれに限定するものではなく、I_PCKに1GOPを構成する複数のピクチャがそれぞれ取得された位置、時刻、方位を表す複数の位置情報、時刻情報、方位情報を記録しても良い。
また、1つのV_PCKに1つのI_PCKが対応するように1VOBU内に複数のI_PCKを配置しても良い。この場合、1つのI_PCKには対応するV_PCKに格納された画像データが取得された位置、時刻、方位が記録される。
また、上記説明では、位置情報、時刻情報、方位情報を格納するためにこれらを格納するパックを新たに設ける場合を説明したが、これに限定するものではなく、例えばN_PCK内にこれらの情報を記録する領域を設け、そこに記録しても良い。
また、上記説明では位置情報、時刻情報、方位情報をVOBU以下の階層レベルで記録する場合を説明したが、これに限定するものではなく、VTSI内にこれらの情報を記録する領域を設けて記録しても良いし、VMG内にこれらの情報を記録する領域を設けて記録しても良い。この場合、それぞれVTSに含まれる先頭と最後の2枚の画像に対してこれらの画像が取得された位置、時刻、方位の情報をVTSI内に記録しても良い。
なお、上記説明では動画データに対応情報を多重する場合を説明したが、静止画像データに対応情報を多重することも当然可能である。例えば、JPEGなどの静止画像データのヘッダ部分に対応情報を記録する領域を設けて、その部分に記録するように構成しても良い。
また、上記説明では、方位情報を3ビットで表したが、これに限定するものではなく、0度から360度までの方角の値を9ビットで表して画像データと対応付けても良い。
また、上記説明では、方位情報の求め方として、方位センサで検出された値から求める場合を説明したがこれに限定するものではない。位置検出部2140内部のGPSユニットで求められた2つの時刻における位置の差分から方位を求めて方位情報を生成しても良い。
また、方位情報はすべての画像に対応付けされている必要はなく、方位が変わった場合に、画像データと方位情報を対応付けるように構成しても良い。
以上のように、実施の形態2に係わる画像記録装置では、画像データと当該画像データの取得位置、取得時刻、及び取得方位とを関連付けて記録しておく。通常、画像データに不必要な情報を関連付けて記録することは情報記録媒体の記録容量を圧迫することに繋がるため好ましくない。しかしながら、複数の使用者から提出される画像データを犯罪捜査に用いる場合、どの時間帯のどの領域を撮影した画像が提出されているかを特定できることが、犯罪捜査の大きなメリットとなる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、撮影された画像データと位置情報及び時刻情報とを画像データのファイル名や管理ファイル等で関連付けを行って記録し、必要に応じてメモリーカード等へ画像データを出力する。しかしながら、装置内に記録する場合における関連付け方法と出力する場合における関連付け方法が異なる方が望ましい場合がある。これは、装置内で画像データを記録する場合は、前後の画像データとの関係などを用いて時刻情報や方位情報を圧縮できるのに対し、出力される画像データは警察で犯罪捜査に用いられるため、前後の画像データとの関係無しに単独で位置や時刻が特定できる方が望ましいためである。また、異なる画像記録装置で記録された画像のファイル名同士が偶然一致しないように予め処理が行われることが望ましい場合がある。
上記の点を鑑み、本発明の実施の形態3に係る画像記録装置は、画像データと位置情報及び時刻情報とを第1の形式で関連付けて本体内に設置された記録媒体に記録する記録手段と、前記画像データと位置情報及び時刻情報とを関連付ける形式を第1の形式から第2の形式へ変換する変換手段と、第2の形式で位置情報及び時刻情報と対応付けられた画像データを着脱可能な記録媒体に記録する第2の記録手段を有する。以下、図面を用いて詳細に説明する。なお、実施の形態1と同一の部分に関しては一部説明を省略する。
図12は、実施の形態3に係わる画像記録装置3000のブロック図である。図1の画像記録装置1000と比べて新たに変換部3210が追加されている。
変換部3210は、所定の形式で位置情報及び時刻情報と関連付けされて記録部150に記録されている画像データを、上記の所定の形式とは異なる形式で画像データと位置情報及び時刻情報と関連付ける変換処理を行う。
図13は、変換前の対応関係と変換後の対応関係を示した図である。システムコントローラ160は画像符号化部120で符号化された画像データを記録部150に記録する際に、画像データのファイル名と画像データの取得時における位置情報、時間情報を管理テーブルで関連付けている。ここで画像のファイル名は、srdc00000X.jpgのように装置内で各画像に一意に割り振られた名前である。
入力部200を介して、記録部150に記録された画像データをメモリーカードにコピーまたは移動を行う指示が使用者から入力された場合、記録部150に記録された画像データは変換部3210に出力される。
変換部3210では、図13に示すように管理テーブルに記録された情報に基づいて、画像データのファイル名を位置情報及び時刻情報と関連付けされた名前に変更する処理を行う。なお、ここでは、画像データのファイル名に位置情報及び時刻情報に加えて、画像装置のIDに関する情報と画像撮影方位に関する情報も含む形で関連付けされている。
当該画像データの取得位置及び取得時刻との関連付け形式が変換された画像データは、外部出力インターフェース180を介してメモリーカード等の記録手段に出力される。
以上のように、本実施の形態に係わる画像記録装置では、装置内に撮影した画像を記録する場合における画像と当該画像の撮影位置及び撮影時刻とを関連付ける形式を、外部に出力する場合における関連付け形式と異なるように変換する変換手段を備える。
このような変換手段を備えることで、装置内に記録しておく場合と、情報提供する場合とで、それぞれ適した形式で画像を保存しておくことができる。
なお、上記説明では、第一の形式を管理ファイルを用いて関連付ける形式、第二の形式をファイル名に画像取得位置と画像取得時刻に関する情報を含ませることで関連付ける形式であるとして説明したがこれに限定するものではない。第一と第二の形式を逆のパターンで関連付けしても良いし、その他画像データに位置情報及び時刻情報を多重して関連付ける形式や、POIXファイルのように、別途関連付けを記録するファイルを用いる形式との間で変換しても良い。また、画像のファイル名に位置及び時刻を対応付ける形式から、画像のファイル名に位置と時刻に加えて方位や固有IDとを対応付ける形式に変換する構成としても良い。
第二の形式は、警察へ提出する際の関連付け形式であるため、他の画像記録装置から提出される形式との間で差がでないように特定のフォーマットが設定されることが望ましい。一方、第1の形式は、装置内におけるフォーマットであるため、各製造会社は、画像データと画像取得位置及び画像取得時刻とを関連付けするための独自のフォーマットを設定することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態4に係わる車載画像記録装置は、使用者の情報提供の負担軽減及び警察の情報収集効率の向上を行うための機能を追加したものである。
実施の形態1に記載の車載画像記録装置で撮影された画像は、位置情報及び時刻情報と対応付けられて記録されているため、警察等から画像提出の要請があった場合には、使用者は、画像に対応付けられた位置情報及び時刻情報を参照して画像を提出することができる。
しかしながら、使用者は、情報提供の協力要請がでているかどうかをテレビやインターネットを使って自ら調べる必要がある。使用者の中にはこの作業に大きな負担を感じて情報提供の協力要請の有無のチェックを行わないことも想定される。また、例えば良く知らない場所を車で旅行した場合などには、画像提出の要請がなされても自分がその場所を走っていたことに気づかないという事態も考えられる。このような場合、たとえ車載画像記録装置に事件解決の有力な画像が記録されていたとしても、使用者から警察への画像提出が行われず、情報収集量が低下するといった課題が考えられる。
上記課題を鑑みて、本実施の形態4に係わる車載画像記録装置は、情報提供の要請に関する情報を受信する受信手段と、受信した情報に基づいて記録部に記録された画像の中に情報提供の協力要請が行われている画像があるかどうかの検索を行う検索手段をさらに具備する構成となっている。
そして、検索手段で行われる検索の結果、該当画像が存在していた場合は別途設けられた通知手段により、該当画像が存在していたことを示す注意・喚起が使用者に行われることになる。この構成によって、使用者は自ら情報提供の協力要請の状況を調べる必要がないため、使用者の負担が軽減されるとともに、使用者は確実に該当画像の存在の有無を認識できる。結果、順調に情報提供が行われることが期待できる。
以下、本実施の形態に係わる車載画像記録装置及び情報提供システムの具体的構成について図を用いて詳細に説明する。なお、実施の形態1から3と同一の部分に関しては一部説明を省略する。
図14は、本実施の形態に係わる犯罪捜査のための情報収集システムを表す概念図である。図14に示すように各都道府県警察は、管轄区域内の警察署や交番から寄せられた事件ファイルを基に情報提供の協力要請に必要な情報(以下、事件関連情報と略す)を所定のフォーマットで作成する。作成された事件関連情報は、その他事故に関する情報や渋滞に関する情報と共に日本道路交通情報センターに通知される。ここで事件関連情報には、少なくとも、位置に関する情報及び時間に関する情報が含まれる。
図15は、事件関連情報の一例である。管理ヘッダには、本事件関連情報自体を特定するレポートNo、どの領域で送信するかを表す送信エリア、送信媒体、送信期間、送信頻度などが記載されている。ここでは、東京都で起きた事件に関する情報であるため、情報提供可能な本発明の画像記録装置の使用者は関東圏に集中していると想定して、送信エリアは東京・神奈川・千葉に限定されている。なお、テロなどの重大事件に関する場合は、送信エリアは全国に設定することも可能である。また、送信期間は、交通渋滞に関する情報などとは異なり、例えば一週間に1度程度くらいの頻度でしか車を運転しない人を想定して数日に渡って同じ情報を送信するように設定されている。送信期間中は、送信頻度に従って繰り返し同一情報が送信される。
事件の内容を表すデータは、頁ヘッダと頁データに記載される。頁ヘッダには、本事件関連情報に含まれる何番目の事件かを表す頁No、警察が各事件を管理するための番号である事件No、どの場所で撮影された映像に関して情報提供を求めているかを示す位置情報、どの時間帯に撮影された映像に関して情報提供を求めているかを示す時間情報が格納されている。ここで位置情報は、一定の範囲を指定ために座標1と座標2の2地点の座標を表す座標情報で構成される。また、時間情報は、一定の範囲を指定するために時刻1と時刻2の2つの時刻を表す時刻情報で構成される。ここで頁No1の事件に関しては、位置情報は、東経132度40分30.00秒から東経132度41分30.00秒までの範囲であって、北緯34度09分30.24秒から北緯34度10分00.24秒までの範囲であるスクウェア内で撮影された画像が装置内に記録されているかの検索を行うための検索用ワードとして用いられる。また、時間情報も同様に、2007年7月11日16:10分から2007年7月11日16:30分の間に撮影された画像が装置内に記録されているかの検索を行うための検索用ワードとして用いられる。
頁データ内には、事件内容を記述するためのデータが格納されている。これらの情報は必要に応じて車載画像記録装置に設置された画像表示部で表示されるか、又はスピーカーを通じて音声が再生されるといった形で用いられる。
日本道路交通情報センターは、警察や道路管理者等から通知された事故情報、交通情報、事件関連情報等を纏め、VICSセンターに提出する。VICSセンターは、日本道路交通情報センターから提出された各情報を所定のフォーマットへ編集・変換処理を行ってFM放送局等に提出する。
FM送信局では、VICSセンターから受け取った情報を通常のFM放送に周波数多重して送信する。また、FM放送局では、図示せぬ基準局で得られたDGPS補正データも合わせて周波数多重して送信する。このFM多重方式はDARC方式(DARCは登録商標。以下省略。)と呼ばれ、以下の規格に従って信号が多重化される。
副搬送波周波数:76KHz
伝送レート :16kビット/秒
変調方式 :LMSK変調
誤り訂正方式 :短縮化差集合巡回符号方式
次に、車載画像記録装置の具体的構成について説明する。図16は車載画像記録装置4000の構成を表すブロック図である。主な変更点は、上記のFM多重信号を受信するFM放送受信部4220と画像の検索を行う検索処理部4240が新たに追加されている点である。
FM放送局から送信された信号は、FMアンテナ4221を介してFMチューナー部4222に出力される。FMチューナー部4222では、増幅処理、IF周波数へのダウンコンバート、FM検波処理等を行い、FM検波後の信号を分離抽出部4223に出力する。
分離抽出部4223は、FMチューナー部4222から出力された信号に対してバンドパスフィルタを用いてステレオ信号と多重信号とに分離し、多重信号を抽出して復調部4224に出力する。復調部4224では、抽出された多重信号に対してLSMK復調処理を行い、デコーダ部4225に出力する。
デコーダ部4225は、復調部4224から出力された信号に対して復号処理を行う。図17に、FM多重信号のフォーマットを示す。1フレームは272ブロックで構成され、各ブロック先頭には同期用のBIC(ブロック識別符号)が配置されており、ブロック後方には誤り検出用のCRC及び誤り訂正用のパリティビットが配置されている。また、272ブロックのうち、82ブロックにはパリティパケットが配置されている。デコーダ部4225はBICを用いてフレーム同期及びブロック同期を取り、パリティビットおよびパリティパケットを用いて横方向と縦方向の2重の誤り訂正処理を施した後、データ部分を抽出してバッファーメモリ部4230に出力する。ここでデータにはDGPS補正データ、VICSデータなどが含まれ、VICSデータには事故情報、渋滞情報、駐車場空き状況などに関するサービス情報、広告などの商業情報、などの既存の情報に加えて新たに警察から要請された情報提供のための事件情報が含まれる。
図18は、DARC方式で送信されるVICSデータのデータフォーマットの一例を示している。ここでは、VICSデータのうち、事件情報が送信された時のデータフォーマットを表している。先頭の番組ヘッダは番組の対象を特定する情報であり、渋滞情報、事故情報、商業情報、ニュース、天気予報及び事件情報などのサービス種別を特定するためのサービス識別コードが含まれる。また、番組ヘッダには、同一サービス内での何番目の番組かを示す番組番号や当該番組の頁数を表す総頁数情報が含まれる。ここで送られるデータが事件情報の場合は、サービス識別コードSIは、事件情報用に割り振られた値であり、番組番号は、警察から日本道路交通情報センターに通知された事件関連情報内に記されたレポート番号である。
番組ヘッダに続く各頁にはそれぞれ1つの事件に関する情報が記されている。各頁は頁ヘッダと頁データとから構成される。頁ヘッダには、頁番号の他、事件を特定するための事件番号、画像提出を求める範囲を特定するための位置情報及び時間情報などが記されている。これらの情報は、後述する検索処理部において行われる記録している画像データの中に指定された位置及び時間の範囲で撮影された画像データが存在するかどうかの検索に用いられる。
位置情報及び時間情報にそれぞれ含まれる位置指定種別及び時間指定種別は、それぞれ画像提出を求める範囲を指定する指定方法を示している。図19に位置指定種別と位置指定方法の対応関係を示す。
位置指定種別は3ビットで表され、ビットが000の場合は、図19に示すように2つの緯度情報と2つの経度情報を用いた指定方法であることを示している。この場合、画像提出を求める領域は、これらの4本の線で囲まれる範囲内で記録された画像となる。ビットが001の場合は、2つの座標情報を用いた指定方法であることを示しており、2つの座標を対角線上の頂点とする正方形で囲まれる領域が画像提出を求める領域となる。ビット010の場合は、1つの座標と、その座標を中心とする円の半径を用いた指定方法であり、この円領域内で記録された画像データが画像提出の対象となる。ビット011は、1つの座標と、この座標を中心とする正方形の一辺の距離を用いた指定方法である。ビット100は、VICSリンク番号を用いた指定方法であり、位置情報として記された単数又は複数のVICSリンク番号で表される道路上で撮影された画像データが画像提出の対象となる。ビット101は、VICSノード番号及びホップ数を用いた特定方法であり、1つのノード番号と、そのノードからホップ数に記された数だけ離れたノードまでを結ぶすべてのリンク上で撮影された画像データが画像提出の対象となる。ビット100とビット101の指定方法では、例えばナビ研S規格準拠の地図データが装置内の情報記録媒体に記録されており、撮影される画像データはVICSリンク番号を位置情報として対応付けされておくことが望ましい。装置内の検索手段では、画像データに対応付けされたリンク番号の中に、事件情報の位置情報として通知されるリンク番号又はノード番号とホップ数から求められる複数のリンク番号と等しいものがあるかどうかの検索が行われる。ビット110は、1つの座標と、予めデフォルトで設定されている距離に基づいて領域を特定する方法である。例えばデフォルトの距離として2kmが設定されている場合、指定された座標を中心として東西南北に2kmの範囲内で撮影された画像データが画像提出の対象であることを示している。また111は、今後の指定方法として予約されている。その他、図葉番号を位置情報として送信し、装置内の検索手段は、装置内の情報記録媒体に記録した地図データの中から受信した図葉番号に対応する図葉を読み出し、この図葉で特定される範囲内で撮影された画像があるかどうかの検索を行っても良い。
時間指定種別は2ビットで表され、ビット00は、図18のように時間帯を指定するための2つの時刻情報が、ビット01は1つの時刻情報と時間間隔情報が記されている。ここで時刻情報は年月日まで含んだ時刻であり時間間隔情報は例えば2時間といったような値である。ビット10と11は、今後の指定方法として予約されている。なお、位置情報及び時間情報に基づいて検索範囲をどのように特定するかを送信側と受信側で予め定めている場合は、位置指定種別と時間指定種別は送信する必要は無い。
頁データには、各事件の発生時刻、発生場所、事件内容といった事件に関する情報の他、警察によって設定された情報提供謝礼金などに関する情報などが記されている。頁データに記された情報は、受信処理装置で必要に応じて画像又は音声という形態で使用者に通知される。
システムコントローラ4160は、データバッファ部4230に一時記録されるVICSデータのうち、ヘッダ部分に記されたサービス識別コードに基づいて、事件情報を抽出し、事件情報を検索処理部4240に出力する。また、システムコントローラ4160は記録部4150に後述する事件情報管理ファイルを検索処理部4240へ出力させる制御を行う。
記録部4150内のメモリーコントローラ4151は、システムコントローラ4160からの指示に基づいて、情報記録媒体4152に記録している事件情報管理ファイルを読み込み、検索部4240へ出力する。
図20に、事件情報管理ファイルの一例を示す。事件情報管理ファイルは、過去に受信して情報記録媒体4152内に記録している事件情報を管理するテーブルである。レポートNoは、図18の番組番号に記された値であり、受信した事件情報が始めて受信された事件情報であるか、既に受信・記録した事件情報であって繰り返し送信された事件情報であるかを特定するために用いられる値である。
検索処理部4240は、第1に、システムコントローラ4160から出力された事件情報と、記録部4150から出力された事件情報管理ファイルとに基づいて、システムコントローラ4160から出力された事件情報と同一の事件情報が過去に受信されているかどうかの検索を行い、検索結果をシステムコントローラ4160に出力する。過去に同一の事件情報が受信されている場合は、事件情報に含まれる各事件の位置情報及び事件情報で指定された領域及び時間帯で撮影された画像が記録されているかどうかの検索が既に行われているため、検索処理部4240は、電力節約の観点から再度の画像検索は行わず事件情報を破棄して待機状態に戻る。
一方、第1の検索の結果、事件情報が今回初めて受信された事件情報であった場合は、システムコントローラ4160は、事件情報をメモリーコントローラ4151に出力して情報記録媒体4152に記録させる。また、システムコントローラ4160は、事件情報を特定するレポートNo、事件情報のファイル名、記録日時、格納場所等を事件情報管理ファイルに記録・更新してメモリーコントローラ4151に出力し、情報記録媒体4152に事件情報管理ファイルを記録させる。
次にシステムコントローラ4160は、情報記録媒体4152に記録されている画像データとその画像データが取得された位置及び時間との対応関係を記した管理ファイルを検索処理部4240へ出力させる処理を行う。ここで管理ファイルは図4に示すように、画像データのファイル名、画像データが取得された、緯度や経度のような位置情報、撮影された時刻などが対応付けされた状態で記録されているテーブルである。検索処理部4240は、事件情報と管理ファイルとに基づいて、事件情報に含まれる各事件の位置情報及び事件情報に基づいて特定される領域及び時間帯で撮影された画像が記録されているかどうかの検索を行い、検索結果をシステムコントローラ4160へ出力する。システムコントローラ4160は第2の検索の結果、該当画像が存在しない場合は、一連の処理を終了し、待機状態に戻る。一方、システムコントローラ4160は、第2の検索の結果、該当画像が情報記録媒体4152に記録されている場合は、該当するすべての画像を抽出し、抽出した画像を外部出力インターフェース180を通じてメモリーカード等にコピー又は移動させる制御を行う。また、システムコントローラ4160は、事件情報に含まれる事件内容を記述するためのデータ部分であって、検索の結果、該当画像が記録部内に存在した事件に関するデータ部分をVICS描画部4250に出力する。
VICS描画部4250は、システムコントローラ4160から出力される事件内容を記述するためのデータを入力し、所定の形式に従って描画を行い画像表示部190で表示させる。
次に、上記各部で行われる処理の流れについて説明する。図21は、一連の処理の流れを説明したフロー図である。システムコントローラは、データバッファ部内のVICSデータを読み込み、サービス識別コードを基づいて事件情報であるかどうかを判断する(ST001)。データバッファ部に一時記録されたVICSデータが事件情報ではない場合は新たにVICSデータが受信されてデータバッファ部に一時記録されるまで待機する。
データバッファ部に一時記録されたVICSデータが事件情報であった場合は、検索処理部はシステムコントローラから出力される事件情報と記録部から出力される事件情報管理ファイルとに基づいて、既にこの事件情報を過去に受信しているかの検索を行う(ST002)。より具体的には事件情報に含まれる番組番号と同一の番号が事件管理ファイルに記録されているかどうかの検索を行う。事件管理ファイルに同一の番組番号が記録されていた場合には、この事件情報を破棄し、検索処理を終了する。
一方、検索の結果、この事件情報を過去に受信・記録していなかった場合は、システムコントローラは、この事件情報をメモリーコントローラを介して情報記録媒体へ記録し(ST003)、事件情報管理ファイルを更新する(ST004)。
次に、検索処理部は、事件情報の各頁ヘッダに記録されている位置情報及び時間情報に基づいて、情報記録媒体内に記録された画像データの中に位置と時間の条件を満たす画像があるかどうかの検索を行う(ST005)。より具体的には、検索処理部は、情報記録媒体に記録されている画像のファイル名及びその画像が撮影された位置及び時間に関する情報が記されている管理ファイルをメモリーコントローラを介して読み込み、事件情報に記された位置と時間の条件を満たす画像があるかどうかの検索を行う。例えば事件情報に記された位置と時間の条件が、緯度39.000度から緯度39.100度の間であって、経度135.000度から135.100度の間の範囲の位置でかつ、2007年7月11日18時00分から19時00分の範囲であったとする。この場合、時刻2007年7月11日18:30分00・0秒に緯度39・040度、経度135・060度で撮影された画像が記録されていた場合は検索の結果、該当画像有りと判断される。
検索処理部は検索結果をシステムコントローラに返し、検索の結果、提出要請が出されている画像が有った場合には、システムコントローラからの制御に基づいて記録部から該当画像がすべて抽出され、外部出力インターフェースを通じてメモリーカードに出力される(ST006)。
また、検索の結果、該当画像があった場合は、画像表示部や図示せぬ音声出力部などで使用者に警察から提出要請が出されている画像が画像記録装置内に存在していることを知らせる注意喚起を行う(ST007)。さらに、該当画像を抽出してメモリーカード等の記録媒体に出力したことを合わせて通知する。
その後、事件情報に含まれるすべての事件に関して検索が終了した場合は、処理が終了となる。検索が終了していない事件が残っている場合は、ST005に戻り、すべての事件に関して検索が終了するまで繰り返し検索が行われる。
以上のように、本実施の形態に係わる画像記録装置では、実施の形態1から3の画像記録装置の構成に加えて、画像提供が求められている位置範囲及び時間範囲を表す情報を含んだ事件情報を受信する受信手段をさらに備え、受信した事件情報に基づいて、画像データを取得位置及び取得時間と関連付けされた状態で記録する記録手段に画像提供が求められている画像データが記録されていないかどうかの検索を行う検索手段をさらに備える構成となっている。この構成により、受信された事件情報を基に該当画像が存在するかどうかの検索が自動で行われ、存在する場合は使用者に喚起が行われるため、使用者は警察からの情報提供要請の状況を自ら調べる必要が無い。そして、使用者は、注意喚起が行われた場合に、最寄りの交番やコンビニエンスストアに設置された専用端末で画像データを警察に提出するだけでよいため、使用者の負担が大幅に減ることになる。結果、情報提供が効率よく行われ、検挙率向上が期待できる。
なお、上記説明では、検索手段として新たに検索回路で構成される検索処理部を別途設ける場合を説明したが、これに限定されるものではなく、検索プログラムを用いてシステムコントローラ内のCPUが検索処理を行うように構成されていてもよい。この場合、第1及び第2の検索処理、事件情報管理ファイルの作成・記録・更新、管理ファイルの作成・記録・更新、該当画像データの抽出等のすべての処理をシステムコントローラが行うことになる。
また、上記説明では、事件情報管理ファイルを用いて該当画像データの検索を行う前に同一の事件情報を既に受信しているかどうかの検索を行う構成を示したが、これに限定するものではない。事件情報を受信する度に、位置情報及び時刻情報に対応付けられて記憶されている画像の中に、事件情報に記された位置と時間の条件を満たす画像があるかどうかの検索を行う構成としてもよい。この構成により、検索を一本化することができる。
また、上記説明では、第1の検索として、事件情報に含まれる番組番号を用いて同一の事件情報を既に受信しているかどうかの検索を行う構成としたが、これに限定するものではない。例えば、事件情報に含まれる各事件を特定するための事件番号に基づいてその事件に関する検索が既に行われているかどうかの検索を行う構成であってもよい。この場合、事件情報管理ファイルには、受信した事件情報に含まれる事件を特定するための事件番号が記録・更新される。検索処理部は事件情報管理ファイルに記された事件番号の中に、システムコントローラから出力された事件情報に含まれる事件番号があるかどうかの検索を行う。同一の事件番号が事件管理ファイル内に記録されていた場合は、この事件に関して過去に該当画像があるかどうかの検索が行われたものとして検索を行わず、次の事件の検索に移る。このように事件単位で管理する構成とすることで、より効率的な検索手順とすることができる。
また、上記説明では、事件情報管理ファイル、画像管理ファイルを参照して事件情報に記された位置と時間の条件を満たす画像があるかどうかの検索を行う構成を示したが、これに限定するものではない。記録部に記録された事件情報ファイル、位置情報及び時刻情報と対応付けされた画像データを直接読み込んで、位置情報及び時刻情報と対応付けられたファイル名やヘッダ情報などを参照して該当画像データがあるかどうかの検索を行ってもよい。
また、事件情報には、位置指定種別や時間指定種別は含まれない構成でもよい。予め一意に定められた位置及び時間の指定方法で送信される構成であってもよい。
また、上記説明では事件情報がFM多重放送で送信される場合を説明したが、これに限定するものではなく、光ビーコン、電波ビーコン、デジタル放送、携帯電話網を用いたMBMSなどで送信される構成であってもよい。この場合、図16のFM報送受信部は、それぞれ光ビーコンの受信・復号処理を行う光ビーコン受信処理部、電波ビーコンの受信・復号処理を行う電波ビーコン受信処理部、デジタル放送の受信・復号処理を行うデジタル放送受信処理部、携帯電話と接続する接続コネクタ等で構成されるインターフェースなどにそれぞれ置き換えられる。さまざまな情報伝達媒体を用いて事件情報が送信されることで、事件情報がより確実に画像記録装置に通知されるため、情報収集効率を向上させることができる。
また、上記説明では、事件情報はVICSデータの1つとして説明したが、これに限定するものではなく、情報収集のための新たな専用情報として定義し、事件情報がFM電波やビーコン等を用いて送信される構成であってもよい。既に確立されたVICS技術を用いることで速やかに本情報収集システムを導入することができるが、新たな専用技術を開発することで、より情報収集に適したシステムとすることが可能である。
また、事件情報の送信フォーマットは上記説明のフォーマットに限るものではなく、既存のフォーマットを利用してもよいし、図22のように新たなフォーマットで送信されていてもよい。図22のフォーマットでは、先頭に同期用のプリアンブルビットが配置され、ヘッダ部、データ部に続いて後端に誤り検出用のCRCビットが配置されている。ヘッダ部には、事件情報であることを識別するための情報種別、本データが提供された時刻を表す提供時刻、フレーム分割の有無と各フレームを識別するためのフレームID、データ部に記録されている有効データ長などが含まれる。データ部には、各事件に対する位置情報及び時刻情報が配置され、装置内の検索処理部では、このデータ部に記述された位置情報及び時刻情報に基づいて、これらの情報から特定される位置範囲内及び時間範囲内で取得された画像データがあるかどうかの検索処理が行われることになる。検索の結果、該当画像が存在した場合は、画像表示手段や、音声出力手段を用いて使用者にそのことを通知し、画像提出を使用者に促す。このように送信される事件情報のデータ部に検索を行うための位置及び時刻に関する情報を含む構成であってもよい。
(実施の形態5)
本実施の形態5に係わる画像記録装置は、実施の形態4に係わる車載画像記録装置で記録する画像に優先度を振り当て、画像データの消去タイミングを制御する構成を追加したものである。
実施の形態4の画像記録装置では、FM多重放送などで受信した事件情報を基に、提出要請が出されている画像が記録されているかを検索し、該当領域及び時間帯に撮影された画像が記録されていた場合は、該当する静止画像及び動画像を提出することができる。
ここで、事件によっては提出された画像だけでは事件解決に至らない場合が考えられる。この場合、更なる参考情報を求めて最初に事件情報で記述した領域及び時間帯よりも広げて再度情報提供を求めるケースが想定される。しかしながら、再度情報提供を求める時点では、画像取得時から既に長い日時が経過し、装置内の情報記録媒体の記録容量の都合上、消去されてしまうことが考えられる。
すなわち、コストなどの現実的な観点から、情報記録媒体の記録容量は数十ギガバイトから数テラバイト程度になることが想定されるが、この記録容量では、画像符号化部における画像圧縮の圧縮率にも依存するが、せいぜい画像データを1ヶ月程度の長さまでしか保存できない。しかしながら、事件によっては解決まで数ヶ月以上かかることもあり、再度追加の情報提供を促しても、既に画像が消去されていることが容易に想定される。
このような、問題を避けるためには、予め最初の情報提供を求める範囲を十分広く設定する方法が考えられる。しかしながらこの方法では、使用者は、不必要に画像提出の機会を求められることが多くなるため、結果として情報提供の効率が逆に悪化することが想定される。
そこで、本実施の形態に係わる画像記録装置では、画像データを記録した記録部において、一定期間経過した画像データを自動的に消去する消去手段と、受信した事件情報に基づいて、前記消去手段で消去する順序を変更する変更手段とをさらに備える構成としている。以下、図16に示す画像記録装置4000を援用して詳細に説明する。
検索処理部4240では、FM放送受信部等で受信した事件情報に含まれる位置情報及び時間情報に基づいて特定される位置及び時間の範囲内で取得された画像データが記録部4150に記録されているかどうかの第1の検索を行う。例えば事件情報に記される情報提供の範囲及び時間帯が緯度39.30度から39.40度、経度が135.30度から135.40度、時間帯が7月11日12時00分から13時00分であったとする。検索処理部4240では、この領域及び時間帯で撮影された画像が記録されているかどうかの検索を行う。この時、該当画像データが記録部4150に記録されている場合は、該当画像データを警察へ提出するため、画像データはインターフェースを介して外部へ出力される。
ここで、事件情報で特定される領域及び時間帯の周辺で撮影された画像は、事件の捜査状況によっては、追加で提出要請が出される可能性が高い。そこで検索処理部4240は、受信した事件情報に基づいて、所定の期間以上に渡って記録しておく画像データがあるかどうかの検索を行う。上記の例では、事件情報に記される情報提供の範囲及び時間帯を広げて、緯度39.20度から39.50度、経度135.20度から135.50度、時間帯が7月11日11時00分から14時00分の間の領域及び時間帯で記録されている画像データがあるかどうかの第2の検索を行う。ここで事件情報に記される情報提供の範囲及び時間帯からどれだけ広げて第2の検索を行うかは、事件情報内に広げる範囲を特定する情報が含まれていても良いし、画像記録装置が独自に判断する構成であっても良い。
第2の検索の結果、該当する画像データが存在した場合は、それらの画像データの消去を禁止するフラグをつけて管理する。図23は、画像データの消去を制御するフラグを合わせて管理する管理ファイルの一例である。フラグが1の画像データは、追加で情報提供要請がある可能性があるために消去が禁止されていることを表している。ここでsrdc00001.jpgなどの画像データは、フラグの値が0であり、作成日時も古いため、所定の期間が経過した場合、srdc00001.jpgから順次消去されていく。scr04499.jpgまで消去された後、srdc04500.jpgからsrdc05670.jpgは、所定の期間が過ぎても消去禁止のフラグが立っているため、消去されない。その後、srdc5671.jpg以降の画像データは、消去禁止フラグがたっていないため、所定の期間が過ぎると自動的に消去される。これらの管理ファイルの更新や画像データの消去等は、システムコントローラが行ってもよいし、別途これらの消去管理及び消去処理を行う処理部を設けてもよい。
以上の構成によれば、例え最初の画像提出要請で提出された画像データから事件解決ができなくても、再度広範囲に渡って追加の情報提供を促すことができる。そして、その時点でも装置内における画像データの保持管理機能により、有用な画像データが残されている可能性が高いため、事件解決の効率を上げることができる。
なお、事件情報に記される情報提供の範囲及び時間帯をどこまで広げて、画像データを消去禁止で保存するかは各装置が記録容量の関係等から設定する構成であってもよい。例えば、情報記録媒体の記録容量が20Gバイトしかない場合、消去禁止のファイルが多く残存するとその後の画像データの記録が圧迫されるため、位置範囲は事件情報に記された領域と同じ範囲であって、時間帯は事件情報に記された時間帯よりも前後に10分だけ広げた範囲で撮影された画像データに関してのみ消去禁止フラグをたててもよい。また、1Tバイト程度の大容量の情報記録媒体を用いている場合は、事件情報に記された領域よりも東西南北に+5km、時間帯も前後に1時間といった余裕のある範囲で撮影された画像データは消去禁止で保持しておく構成でもよい。また、画像データを消去禁止するために事件情報に記される情報提供の範囲及び時間帯をどこまで広げるかの設定値は、予め固定された値を用いてもよいし、情報記録媒体の空き容量に基づいて動的に設定されるように構成してもよい。
また、上記説明では、第2の検索における検索条件に該当した画像データは消去を禁止するフラグをたてる場合を説明したが、これに限定するものではなく、保存期間を延長する構成としてもよい。例えば、通常の画像データを記録保存しておく期間を3週間と設定し、第2の検索で抽出された画像データは、記録保存しておく期間を6週間に延長する構成としてもよい。この場合、同様にフラグをたてることで通常の期間で消去する画像データであるか、延長した期間後に消去する画像データであるかを特定する構成であってもよい。情報記録媒体内の画像保存期間を管理する管理手段は、管理ファイルに記録された画像データの作成日時にフラグの値に応じた期間を足した日時が現在の日時を越えているかどうかの判断をする。例えば図23に示すsrdc000001.jpgの画像データの場合は、作成日時の7月10日13時12分20秒に、フラグ0に対応する3週間の期間を足した日時である7月31日13時12分20秒が現在の時刻よりも前であるか後ろであるかを調べる。現在の時刻よりも前である場合は、保存期間を超えたものとしてsrdc000001.jpgの画像ファイルを消去する。同様に、srdc00450.jpgの画像データの場合はフラグが1に設定されているため、作成日時に6週間の期間を加えた日時が現在の日時を超えているかを調べ、必要に応じて消去する。
また、上記説明では、事件情報に含まれる画像提出要請の範囲を特定するための位置情報および時間情報から、装置が自動的に設定する方法を説明したがこれに限定するものではない。FM多重放送などを用いて、これらの設定情報を通知する構成であってもよい。図24及び図25は、これらの情報を送信する送信フォーマット及びこれらの情報を特定するための図である。
図24に示すフォーマットでは、図18に示すフォーマットに加えて、頁ヘッダ部分に新たに情報種別が含まれている。図25に情報種別の一例を示す。情報種別は3ビットで特定される。情報種別ビットが000の場合は、後に続く位置情報及び時間情報の範囲で撮影された画像の提出要請であることを示す。ビットが001、010、011の場合は、後に続く位置情報及び時間情報の範囲で撮影された画像の保持期間を、その他の画像の保持期間と比べて延長するための延長要請であることを示す。ビットが100は、後に続く位置情報及び時間情報の範囲で撮影された画像の消去を禁止する消去禁止要請であることを示す。ビットが101の場合は、後に続く位置情報及び時間情報の範囲内で撮影された画像に設定されている保持期間延長や消去禁止などのフラグを解除する解除要請であることを示す。例えば、事件が解決して各画像記録装置に画像を保管しておく必要が無くなった場合などに用いられる。ビット110と111は今後のために予約されている。
検索処理部4240では、事件情報に含まれる位置情報及び時間情報に基づいて求められる領域及び時間帯で撮影された画像データが記録されているかの検索を行い、検索結果をシステムコントローラ4160に出力する。システムコントローラ4160は、該当する画像データが記録されている場合は、該当する画像データおよび管理ファイルに対して情報種別で指定された処理を行う。
このように、警察側が通信媒体を介して各画像記録装置内における画像データの保持期間等を一部設定することで、情報記録媒体の有効な活用が可能となる。
(実施の形態6)
本実施の形態6に係わる画像記録装置は、実施の形態4で通知される事件情報に含まれる各事件に対して、画像提出要請の緊急度を表す情報を追加したものである。
実施の形態4の画像記録装置では、FM多重放送などで受信した事件情報を基に、情報提供要請が出されている画像が記録されているかを検索し、該当領域及び時間帯で撮影された画像が記録されていた場合は、該当する静止画像及び動画像を提出することができる。
ここで、事件によっては殺人やテロのように早急に画像を収集して対策する必要がある場合がある。そこで、本実施の形態6に係わる画像記録装置では、事件の重要度基づいて使用者により速やかに画像データの提出を促すことを可能とする構成を追加したものである。以下、図16の画像記録装置4000を援用して説明する。
図26は、本実施の形態において受信される事件情報のフォーマットを示した図である。図18の場合と比べて、頁ヘッダ部分に新たに緊急度を記述する領域が設けられている。ここで緊急度とは警察において事件の重要性等の観点から設定される値であり、事件毎に設定される。
ここでは、緊急度の一例として、緊急度が2ビットで表されるものとする。緊急度ビット00は、緊急度が低く、例えば事件以外のケースであって、交通渋滞の状況などの参照データとして画像データを回収したい場合などに設定される。緊急度ビット01は、当て逃げのような軽微な事故、事件に関する情報提供として画像データの提供を求める場合に設定されるものであり、使用者に余力があれば画像提出をお願いする場合などに設定される。緊急度ビット10は、事件が殺人事件などで二次災害に繋がる可能性がある場合であって、使用者に速やかな画像提出を求める場合に設定される。緊急度ビット11は、テロなどのように、数時間以内に犯人を特定する必要がある緊急事態に設定される。以下、画像記録装置における処理を説明する。
システムコントローラ4160は、検索処理部4240における検索の結果、ある事件に関して情報提供が求められている範囲内で撮影された画像が記録部内に存在した場合、その事件に関するデータ部分に加えて緊急度も合わせてVICS描画部4250に出力する。
VICS描画部4250は、システムコントローラから出力される事件内容を記述するためのデータを入力し、所定の形式に従って描画を行い画像表示部190で表示させる。この時、合わせて送信される緊急度に応じて描画パターンを変更する。図27は、システムコントローラからの出力データに基づいてVICS描画部4250で描画された後、画像表示部190で表示された画面を表している。ここでは、検索処理部4240における検索の結果、事件情報に含まれる事件のうち、事件番号0034と事件番号0035に関して該当する画像が装置内に記録されていたと仮定する。また、事件番号0034の事件の緊急度は10が、事件番号0035の事件は緊急度01が割り当てられていたと仮定する。
VICS描画部4250は、システムコントローラ4160から事件に関するデータ及び事件の緊急度を表すデータを入力すると、緊急度に応じた描画フォーマットにしたがって、事件に関するデータを描画し、画像表示部190へ出力する。ここでは図27に示すように、事件No0034は、事件No0035よりも高い緊急ビットが割り当てられているため、文字の大きさや太さが強調されて描画されている。また、緊急であることを示す強調マークも表示される。
以上のように、本実施の形態における画像記録装置では、本願発明の車載画像記録装置は、画像を取得する取得手段と、取得した画像を符号化する符号化手段と、画像取得時の位置及び時間を検出して位置情報及び時間情報を生成する生成手段と、符号化された画像を前記位置情報及び前記時間情報と対応付けて記録する記録手段に加えて、事件毎に割り当てられた位置に関する情報と、時間に関する情報と、事件の緊急度を表す情報と、を受信する受信手段と、前記記録手段に前記受信した位置に関する情報及び時間に関する情報に基づいて特定される範囲で取得された画像データが記録されているかどうかの検索を行う検索手段と、前記領域及び時間帯で取得された画像データが記録されていると前記検索手段で判断された場合は、前記事件の緊急度を表す情報に基づいた形態で注意喚起を行う注意喚起手段を具備する。このような構成とすることで、使用者は事件の緊急度に応じて画像提出を行うことができるため、事件の重要性上、警察が早急に画像データを回収する必要がある場合などに画像データを迅速に回収できることが期待できる。
なお、上記説明では、VICS描画部4250で事件の内容を表すデータを描画して、画像表示部190で表示する場合を説明したがこれに限定するものではない。例えば、事件の内容を表す情報は送信されない構成とし、事件情報のデータ部分には、事件毎に割り当てられた位置に関する情報と、時間に関する情報と、事件の緊急度を表す情報のみが記載されている構成でもよい。この場合、システムコントローラ4160は、事件の緊急度を表す情報をVICS描画部4250に出力し、VICS描画部4250は緊急度を表す情報に基づいて、予め記録してある文章又は図面を描画し、画像表示部で表示する構成であってもよい。ここで、VICS描画部4250は、緊急度に応じて、例えば「早急に画像データを提出してください」、「画像データの提出をお願いします」といった2つの文章を予め記録しておき、緊急度を表す情報に基づいて、どちらかを選択して、文章を描画する構成であってもよい。
なお、上記説明では、画像表示部190で注意喚起文を表示することにより、画像提出要請が出ている画像データが装置内に記録されていることを使用者に通知する構成を説明したが、これに限定するものではない。例えば、緊急度を表す情報に基づいて、異なる音声や警告音を出力する音声出力部を具備し、音声という形で使用者に注意喚起を行う構成であってもよい。
また、VICS描画部4250において、緊急度情報による描画の違いとして、文字を太くする、文字を大きくするなどの場合を説明したが、これに限定するものではなく、文字の色を変更する方法や、点滅処理、アニメーション処理などの方法を用いて緊急度情報に応じた描画を行う構成であってもよい。
(実施の形態7)
本実施の形態7に係わる画像記録装置は、実施の形態4に係わる画像記録装置に加えて、カーナビゲーションとしての機能を追加したものである。
図28に本実施の形態7に係わる画像記録装置5000のブロック図を示す。なお、実施の形態1から実施の形態6で既に説明したブロックに関しては一部説明を省略する。
画像記録装置5000は、検索処理部5240、システムコントローラ5160、記録部5150、経路探索部5261、マップマッチング部5262、描画部5263などで構成されるナビゲーションユニット5260を内部に備える構成となっている。
位置検出部5140は、現在の位置を求めて位置情報を生成し、システムコントローラ5160およびマップマッチング処理部5262に出力する。
システムコントローラ5160は、入力した位置情報及び入力部200を通じて使用者から入力された設定に基づいて、記録部5150から適切なレベル及び領域の地図情報を読み込んで検索処理部5240、マップマッチング処理部5262、描画部5263、VICS情報処理部5264へ出力する。ここで本装置における入力部200の形態として、画像表示部表面に設けられたタッチパネルを想定している。また、システムコントローラ5160は、データバッファ部4230に一時記録されているVICSデータを読み込み、サービス識別コードに基づいて読み込んだVICSデータが事件情報である場合は検索処理部5240へ、渋滞情報や事故情報などその他のVICSデータであった場合はVICS情報処理部5264へそれぞれ出力する。その他、システムコントローラは装置全体の制御などを行う。
検索処理部5240は、入力された地図情報に基づいて、地図情報で表される範囲内で撮影された画像データが記録されているかどうかの検索を行う。検索の結果、地図情報で表される範囲内で撮影された画像データが記録されていた場合、描画部5263に検索結果を出力する。ここで描画部5263に出力される検索結果には、画像のファイル名、画像の格納場所、静止画像か動画像かを示す情報、静止画像が取得された位置に関する情報、動画像が取得されている地図情報の道路ユニットに含まれるリンク番号、ノード番号、ノード座標等の情報である。また、検索処理部5240は、画像記録装置4000における検索処理部4240同様、入力した事件情報に基づいて、記録部5150内に、提出要請がでている画像データが記録されているかどうかの検索を行う。
記録部5150は、画像データ等に加えて地図情報を記録しており、システムコントローラからの制御に基づいて地図情報を描画部等へ出力する。ここで地図情報としては、ナビ研S規格に準拠した地図などが採用される。
マップマッチング処理部5262は、入力した位置情報及び地図情報からマップマッチング処理を行い、マップマッチングによる補正後の現在位置を求めて現在位置を表す情報を経路探索部5261及び描画部5263へ出力する。
経路探索処理部5261は、入力部200で使用者から入力された目的地に関する情報等から最短経路を算出し、算出結果を誘導経路情報として描画部5263へ出力する。
VICS情報処理部5264は、システムコントローラ5160から出力されたVICSデータに対してレベル1からレベル3に応じた適切な処理を行い、処理後VICSデータを描画部5263に出力する。
描画部5263は、記録部5150から入力した地図情報を基に地図を描画する。また、マップマッチング処理部5261から入力したマップマッチング補正後の現在位置を表す情報に基づいて、現在位置を示すアイコンを描画する。また、経路探索処理部5261から入力した誘導経路情報に基づいて、誘導経路を描画する。また、VICS情報処理部5264から入力した処理後のVICSデータに基づいて、レベルに応じた描画方法で渋滞情報や事故情報等を描画する。また、検索処理部4240から入力した検索結果に応じて、静止画像か動画像かの種類に応じたアイコンを画像撮影場所に記録部5150の記録されている当該画像ファイルへリンクされた状態で描画する。そして、これらの描画したデータを多重して、画像表示部190で画面を表示させる。
以上のように、本実施の形態に係わる画像記録装置は、経路探索を行う経路探索手段、マップマッチング処理を行うマッチング処理手段、表示中の地図範囲内で撮影された画像データが記録されているかを検索する画像検索手段、地図上に誘導経路を示すアイコンや現在位置を示すアイコンや画像が記録されている位置を示すリンク付アイコンを多重して描画する描画手段、などを含むナビゲーションユニットをさらに備える構成となっている。このように、位置検出部で求められる現在位置や、FM放送受信部で受信されるVICS情報を有効活用し、ナビゲーション機能を搭載することで、画像記録装置としての相対的コストを下げることができる。また、地図上で画像が記録されている位置を表すアイコンを表示し、タッチパネルのような入力部を通じて使用者から画像を表示させることが可能となるため、使用者が表示中の地図の範囲内における所望の場所の実画像を確認することができる。
また、本実施の形態によれば、新たにマップマッチング処理手段を設けているため、マップマッチング処理後の現在位置を画像データに対応付けて記録するよう構成してもよい。この場合、マップマッチング処理部5262は、入力した位置情報及び地図情報からマップマッチング処理を行い、マップマッチングによる補正後の位置情報を経路探索部5261、描画部5263及びシステムコントローラ5160へ出力する。システムコントローラ5160は、マップマッチング処理部から入力した補正後の現在位置を示す位置情報に基づいて画像データが取得された時点における位置を示す位置情報を求め、データバッファ部130から入力した画像データと、求めた位置情報と、位置検出部5140から入力した時刻情報とを対付けて記録部5150へ記録する。このような構成とすることにより、画像データに対応付けされる位置情報をより正確な値とすることが可能となる。
また、始めて通過した道路で記録された画像データは消去を禁止する処理を追加してもよい。本実施の形態では、地図上の画像が記録されている場所にアイコンを配置し、入力部を通じて画像データを表示できる構成となっているが、本装置の記録部は記録容量の関係から古い画像データを順次消去されてしまう。そこで、検索処理部は、位置検出部若しくはマッチング処理部から現在位置を表す位置情報を入力する。
図29に処理フローを示す。ST001では、カメラ部で新たに画像データが取得されたかどうかを確認する。新たに画像データが取得されていない場合は、ST001の前に戻り待機する。新たに画像データが取得された場合は、ST002に移り、画像データ取得時の位置情報に基づいて、記録部内に同一の場所で取得された画像データが存在するかどうかの検索を行う。検索の結果、同一の場所で取得された画像データが存在する場合は、取得した画像データを取得された位置を表す位置情報及び取得された時間を表す時刻情報と対応付け、画像データの消去を禁止するフラグを0に設定して記録部に記録する。一方、検索の結果、同一の場所で取得された画像データが存在しなかった場合は、取得した画像データを取得された位置を表す位置情報及び取得された時間を表す時刻情報と対応付け、画像データの消去を禁止するフラグを1に設定して記録部に記録する。ここでフラグ0は消去が禁止されていないことを示し、フラグ1は消去が禁止されていることを示す。記録部内に記録された画像データは、画像データに割り当てられた消去禁止フラグに基づいて、消去が禁止されていない画像を一定期間経過後に順次消去する。
このように構成することで、記録部内に新たに走行した道路で撮影される画像は消去されることが無いため、地図補助としての画像データを蓄積することができる。
また、上記検索においては完全に同一の位置で取得された画像を検索する構成である必要は無く、例えば新たに取得した画像データの取得位置から一定範囲内に画像データがあるかを検索し、検索結果に基づいて消去禁止フラグをたてるかどうかの処理を行ってもよい。
また、図29の処理フロー図では、新たに取得した画像の取得位置と同一の位置で取得された画像が記録されている場合は、消去禁止フラグを立てない構成としたが、これに限定するものではない。例えば、カメラ部で新たに取得した画像には、すべて消去禁止フラグをたて、記録部内に同一又は近傍の位置で取得した画像が記録されている場合は、その画像を消去又は消去禁止フラグを解除する処理を行っても良い。このようにすることで、同一の位置で撮影された画像であっても、新たに取得した画像が記録部内に残るため、新しい画像で更新していくことが可能となる。
(実施の形態8)
本実施の形態8に係わる車載画像記録装置は、新たに画像提出を行う端末が設置された施設に関する情報の受信及び処理をする機能を追加したものである。
実施の形態7の画像記録装置では、FM多重放送などで受信した事件情報を基に、情報提供要請が出されている画像が記録されているかを検索し、該当領域及び時間帯に撮影された画像が記録されていた場合は、該当する静止画像及び動画像を提出することができる。また、カーナビゲーション機能を搭載することで、利便性を向上させることができる。
しかしながら、提出要請が出ている画像が装置内に記録されていたとしても、使用者はどこにその画像を提出すればよいのかわからず、その結果、一部の画像が提出されないケースが考えられる。
そこで、本実施の形態では、画像提出用の端末が設置された施設に関する情報である施設情報を受信する受信手段と、画像を取得する取得手段と、前記取得された画像、受信された施設情報、地図情報を記録する記録手段と、提出要請が出されている画像が記録手段に記録されていた場合は、前記施設情報を表示する表示手段とを具備する。以下、図28の画像記録装置5000を援用して説明する。
FM放送受信部4220は、VICS情報として、事件情報や交通情報に加えて施設情報を受信する。ここで施設情報とは、画像提出端末が設置された施設に関する情報で、施設に割り振られた施設番号、施設の位置、名前、住所、電話番号、駐車場の有無などが記されている。システムコントローラ5160は、受信されたVICS情報の中に施設情報が含まれている場合は、施設情報を施設管理ファイルに記録・更新し、更新後の施設管理ファイルを記録部5150に記録する。
図30は、記録部5150に記録される施設管理ファイルである。施設管理ファイルには、受信された施設情報に基づいて、施設に割り振られた施設番号、施設の位置、名前、住所、電話番号、更新日時などが記録される。新たに施設情報が受信された場合は、施設管理ファイル内に同一の施設番号の施設が既に記録されているかが検索され、記録されている場合は上書き更新、記録されていない場合は記録の処理がそれぞれ行われる。
検索処理部5240において行われる検索の結果、記録部内に情報提出要請がでている画像が発見された場合には、画像表示部190で、画像が発見されたことを示す注意喚起文を表示すると共に、現在位置周辺の地図データに施設の情報を多重して表示する。
図31は、画像表示部190で表示される地図と施設の情報である。地図上に現在位置を示すアイコンと、地図の表示範囲内に存在する施設の情報を多重して表示する。
図32に処理フローを示す。ST001では、記録部に記録してある画像の中に事件情報内に記された位置範囲及び時間帯の条件を満たす画像があるかどうかの検索が検索処理部で行われる。
該当画像が無かった場合は待機状態に戻る。該当画像が存在する場合は、該当画像が抽出される(ST002)。
次に、使用者に画像提出が求められている画像が装置内に記録されていることの通知が行われる(ST003)。
次に、システムコントローラは、記録部に記録されている施設管理ファイルを読み込み位置検出部から入力した現在の位置を示す位置情報に基づいて、現在の位置に最も近い施設を特定する(ST004)。
次に、現在の位置と特定した施設を同時に表示できる詳細度レベルの地図を記録部に記録された地図情報から読み込み、読み込んだ地図を描画部へ出力する(ST005)。
次に、読み込んだ地図の範囲に含まれる施設を施設管理ファイルに記載されている施設の緯度、経度などの位置を表す情報に基づいて抽出し、抽出した施設に関する情報を所定のフォーマットにのせて描画部へ出力する(ST006)。
描画部では、入力した地図と、現在位置に関する情報と、施設に関する情報とを多重化して描画する。描画された画像は画像表示部で使用者向けて表示される(ST007)。
以上の構成によれば、FM放送などで送信される画像提出端末が設置された施設に関する情報を受信し、管理ファイルに施設に関する情報を蓄積しておくことで、装置内に提出が求められている画像が発見された場合は、現在位置周辺で画像提出を行うことができる場所を使用者に速やかに知らせることで、使用者から速やかに画像が提出されることが期待できる。
また、画像表示部で表示される地図の求め方は上記方法に限らず、現在表示している地図の範囲内に施設がある場合は、それらの施設に関する情報を表示中の地図に多重して描画し、表示される構成としてもよい。
また、地図に多重せず、施設名、施設住所、営業時間などを文字で表示する構成としてもよい。
(実施の形態9)
本実施の形態9に係わる画像記録装置は、画像データを暗号化する暗号化手段をさらに追加したものである。
実施の形態4の画像記録装置では、FM多重放送などで受信した事件情報を基に、情報提供要請が出されている画像が記録されているかを検索し、該当範囲及び時間帯で撮影された画像が記録されていた場合は、該当する静止画像及び動画像を提出することができる。
画像提出用の端末は交番などの警察施設などに配置されるが、画像収集効率を上げるため、コンビニエンスストアやガソリンスタンドにも端末が配置されることが想定されるし、家庭用PCのFTP通信ソフトウェアを用いて画像を提出する形態も考えられる。これらの形態では、インターネット網を介して画像データが送信されることになるが、インターネット網は、IP−VPNなどと比べて脆弱性が高く、盗聴などの可能性も否定できない。提出されるデータは画像データであり、画像データはプライバシー問題に繋がりやすいため、例えば盗聴などで第3者に画像データが盗まれた場合には大きな問題に繋がる可能性がある。
そこで本実施の形態に係わる画像記録装置では、画像データを暗号化する暗号化手段をさらに具備する。この構成により万が一、画像データの提出の過程で画像データが盗聴されても暗号化されているためプライバシーを守ることができる。
図33は、本実施の形態に係わる画像記録装置6000のブロック図である。なお、図16の画像記録装置4000と同一の部分に関しては一部説明を省略する。
システムコントローラ6160は、記録部4150に記録されている画像データの中で、提出要請が出ている画像データを暗号化処理部6270に出力する。
暗号化処理部6270は、記録部から出力された画像データに暗号化処理を行い、暗号化後の画像データを外部出力インターフェース180を介してメモリーカード等に出力する。ここで暗号化方式としては、公開鍵暗号方式などを用いるとよい。予め暗号化処理部6270内のROMに警察が公開した公開鍵を記録しておき、この公開鍵を用いて暗号化処理を行う。
上記構成によれば、画像データが装置外へ出力される場合に暗号化が施されているので、盗聴などがおきても画像に写った人物などのプライバシーを守ることができる。
また、上記構成では、画像データを外部出力する段階で暗号化を行う構成を示したがこれに限定するものではなく、記録部4160に画像データを記録する段階で暗号化が行われてもよい。この場合、画像符号化部120で圧縮処理が行われた画像データは暗号化処理部6270に出力され、画像データは圧縮処理及び暗号化処理が行われた状態で、位置情報及び時間情報と対応付けされて記録部4160に記録される構成としてもよい。この場合、記録部に記録される段階で暗号化されるため、万が一画像記録装置が盗難にあっても、記録された画像に写る人物等のプライバシーを守ることができる。
また、暗号化方式は公開鍵暗号方式に限定するものではなく、共通鍵暗号化方式を採用してもよいし、その他の暗号化方式であってもよい。
(実施の形態10)
本実施の形態10に係わる車載画像記録装置は、実施の形態9に係わる暗号化手段を強化したものである。
実施の形態9に係わる暗号化では、予め暗号化処理部のROMに記録された公開鍵を用いて暗号化を行う。しかしながら、万が一秘密鍵が流出してしまった場合は、それ以後の暗号化は意味を持たなくなる。
そこで、本実施の形態に係わる画像記録装置では、公開鍵を受信する受信手段と、受信した公開鍵を用いて暗号化処理を行う暗号化手段をさらに具備する。この構成によれば、万が一秘密鍵が流出してしまっても、再度別の公開鍵をFM放送等で送ればよいため、プライバシーが保たれる。
図34は、本実施の形態に係わる画像記録装置7000のブロック図である。なお、図33の画像記録装置6000と同一の部分に関しては一部説明を省略する。
FM放送受信部6220は、事件情報を受信してデータバッファ部に出力する。システムコントローラ7160は、データバッファ部から事件情報を入力し、位置情報及び時間情報等の検索用ワードを検索処理部4240に出力し、暗号鍵を暗号化処理部7270へ出力する。
図35は、本実施の形態において受信される事件情報のフォーマットを示した図である。本実施の形態では、事件情報に暗号鍵が含まれる。
システムコントローラ7160は、検索処理部4240における検索の結果、事件情報内の頁番号k番に記された事件に関して、画像提出要請が出ている画像が記録部4150に記録されていたとする。この時、システムコントローラ7160は、記録部4150に記録される画像データのうち該当画像を抽出して暗号化処理部7270へ出力する。また、システムコントローラ7160は、事件情報のk番の頁に含まれる暗号化鍵を抽出して暗号化処理部7270へ出力する。
暗号化処理部7270は、システムコントローラ7160から入力した暗号鍵を用いて入力される画像データに暗号化処理を施し、暗号化後の画像データを外部出力インターフェース180を通じてメモリーカードへ出力する。
以上のように、暗号化を行うための暗号鍵が固定されず、新たに送られてきた暗号鍵でその都度暗号化を行うためプライバシー強化を行うことができる。ここで、暗号鍵は事件情報に含まれる事件毎に1つずつ含まれていてもよいし、1つの事件情報に対して1つの暗号鍵が送信される構成であってもよい。その他、事件情報とは別の情報として、一定期間毎に暗号鍵が送信される構成であってもよい。
各事件に対する暗号鍵をその事件を担当する各部署が作成する構成とすることで、警察に送られる画像であっても画像を閲覧することができるのは、その事件を担当する部署の者だけとなるため、よりプライバシーが保たれる。
また、送信される暗号鍵は公開鍵であってもよいし共通鍵であってもよい。
(実施の形態11)
実施の形態1から実施の形態10までの画像記録装置では、画像を外部出力インターフェースを介してメモリーカード等の記録媒体に出力する構成であった。この場合、使用者は画像データが記録されているメモリーカード等の記録媒体を画像提出用の専用端末や自宅のPCまで持っていき、画像データを提出するという労力が発生していた。
そこで、本実施の形態に係わる画像記録装置では、画像データを出力する無線送信手段と、事件情報を受信する受信手段とを具備する。このように、画像データを出力する出力手段の形態として無線送信手段を用いることで画像提出時の手間を大幅に軽減することができる。以下図面を用いて説明する。なお、図16の画像記録装置4000と同一のブロックに関しては一部説明を省略する。
図36は、本実施の形態に係わる画像記録装置8000のブロック図である。無線送受信部8280は、路肩に設置された無線通信機と通信を行う。無線送受信部8280は、事件情報を受信し、システムコントローラ8160に出力する。検索処理部4240における検索の結果、提出要請が出されている画像データが記録部内に存在した場合は、システムコントローラ8160によって該当画像が抽出され、無線送受信部8280へ出力される。無線送受信部8280は、入力された画像データを路肩に設置された無線通信機へ送信する。各無線通信機に送信された画像データは専用通信網を通じて警察へ届けられる。
以上のように、画像データの出力手段として画像データを送信する無線送信手段を備えることにより、事件情報に記された条件を満たす画像が検出された場合でも、わざわざメモリーカード等に画像データを移して提出する手間を省くことができる。この場合、提出要請が出されている画像データが装置内に記録されていることを使用者に通知する必要は無く、自動的に抽出した画像データは無線送信手段によって出力される。
ここで、使用者の中には、すべての画像データが自動的に無線送信されてしまうことを好まない使用者も存在することが考えられる。そこで、抽出した画像データを自動で無線送信するか、手動で無線送信するか、メモリーカード等に出力するか、を設定する設定手段を備えておくとなお良好である。図37は、タッチパネルによる設定画面を表している。自動無線送信を選択した場合は、使用者に検索処理部4240における検索結果が通知されること無く、必要に応じて画像データが無線送受信部8280から無線送信される。一方、手動無線送信を選択した場合は、使用者に検索処理部4240における検索結果及び該当した事件に関する情報が表示される。使用者は、検索結果及び事件に関する情報を見て画像を提出するかどうかを決定し、提出する場合は、画面に表示された提出ボタンを押すことで画像データを無線送受信部4240から無線送信する。記録媒体出力は、検索の結果該当画像が装置内に存在した場合は、画像データをメモリーカード等へ出力する。
このように、抽出した画像データを自動で無線送信するか手動で無線送信するかを選択する選択手段を備えることで、使用者が自らどの画像を提出するかを制御できるため、プライバシーを保つことができる。
なお、上記設定手段を有さず、検索の結果、該当画像があった場合は画像データが自動で無線送信される構成であってもよい。使用者は、装置購入の際に画像データが自動で提出されることを了承して装置を購入しているため、警察が強制的に画像データを回収するということにはならず、プライバシーは保たれる。
また、無線送受信手段を用いて自動で画像を送信する場合には使用者に負担をかけないため、検索処理部を設けず、画像記録装置で得られるすべての画像を撮影位置及び撮影時刻と対応付けた状態で無線送信する構成としてもよい。このように構成することでより豊富な画像データを集めることができ、例え事件が周辺で起きていなくてもたまたま画像に写っている指名手配中の犯人を見つけて逮捕に繋げることも可能となる。
なお、無線送受信部8280が外部に設置された通信端末と通信するための通信方式としては、5.8GHz帯域を利用するDSRC方式(Dedicated Short Range Communication)を用いることが可能である。本発明の画像記録装置は、路側に設置された複数の通信端末から事件情報を受信し、必要に応じて画像データを送信する。
(実施の形態12)
実施の形態1から11までの画像記録装置では、車に搭載されたバッテリーを電源として、電力が画像記録装置に給電される。しかしながら、停車している場合にも車のバッテリーの電力を制御無しに使用し続けるとバッテリーがあがってしまう可能性がある。
このような問題を防ぐには、例えば車のエンジンが停止している時は、画像記録装置もシャットダウンすることで問題を解決できる。しかしながら、例えば駐車場において起こる車上荒らしや車盗難といった犯罪を防ぐには、車が停止している場合でも画像を記録できる構成が好ましい場合がある。
そこで、本実施の形態に係わる画像記録装置では、エンジンの動作状況に応じて電力管理を行う機能を追加したものである。以下図面を用いて説明する。なお、図36の画像記録装置8000と同一のブロックに関しては一部説明を省略する。
図37は、本実施の形態12に係わる画像記録装置9000のブロック図である。
エンジン動作検出部9290は、エンジンが動いているかどうかを検出する。検出結果をシステムコントローラ9160に出力する。
システムコントローラ9160は、エンジン動作検出部9290から出力されたエンジンの動作状況を示す情報に基づいて、装置本体の動作モードを切り替える。ここで、エンジンが動いている場合は、通常の動作モードで各部を制御する。
一方、エンジン動作検出部9290からエンジンが停止したことを示す信号を入力した場合は、システムコントローラ9160は装置本体の動作モードを省電力モードに切り替える。システムコントローラ9160は、カメラ部9110、画像符号化部9120、電源管理部9170に省電力モードに移行することを示す指示信号を出力する。
電源管理部9170は、省電力モードに移行することを示す指示信号に基づいて、いくつかのブロックに対して電力供給を停止する。ここで、省電力モードで電力供給が停止されるブロックとしては、位置検出部、検索処理部、VICS描画部、画像表示部などが挙げられる。また、電源管理部9170は、外部バッテリーが上がってしまわないように以下のような方法で電力制御を行う。
電源管理部9170は、システムコントローラ9160からエンジンが停止したことを示す信号を入力した場合は、電源を外部バッテリーから内部バッテリーに切り替える制御を行う。内部バッテリーを電源として、カメラ部、画像符号化部、記録部といった画像を記録するのに必要なブロックに電力を供給する。エンジン稼働中は、電源管理部9170は、外部バッテリーの電力を用いて内部バッテリーを充電する制御を行う。
その他の電源管理方法として、電源管理部9170は、外部バッテリーの残存容量を検出する検出手段を有する構成とする。外部バッテリーの残存容量が所定のレベルを下回ったことを検出した場合は、装置の各ブロックへの給電を終了する。
その他の電源管理方法として、電源管理部9170は、タイマーを有する。省電力モードに移行することを示す指示信号を入力した場合、タイマーを起動させ、一定時間経過した場合は、装置の各ブロックへの給電を終了する。
カメラ部9110は、省電力モードに移行することを示す指示信号に基づいて必要に応じて画像取得フレームレートを下げる。
画像符号化部9120は、省電力モードに移行することを示す指示信号に基づいて符号化方法を変更する。これは、車が移動している場合は、時間方向への相関が小さく、高い圧縮率の圧縮方式で圧縮するためには、動きベクトルの探索領域を広く設定する必要がある。一方、車が停止している場合は、時間方向の相関が大変高く、動きベクトルの探索領域も狭くて十分である。また、車が停止している場合は、動きベクトルの変化の平均値が大きい場合のみ符号化した画像を記録し、動きベクトルの変化の平均値が小さい場合は、不振な人物等は写っていないとして画像を破棄しても良い。このように、画像符号化部9120では、動作モードによって異なる画像符号化方法で符号化を行い、符号化後の画像データをデータバッファ部130を介してシステムコントローラ9160へ出力する。
システムコントローラ9160は、データバッファ部130から入力した符号化後の画像データと画像取得位置及び画像取得時刻とを関連付けて記録部4150に記録する。ここで省電力モードの場合は、位置検出部140への給電が停止しているため位置情報は最後に入力した位置情報を画像取得位置として画像データに対応付ける。これは、エンジンが停止して省電力モードに移行したため、最後に求められた位置情報が求められた位置と現在位置はほぼ同一であるためである。時刻情報は、システムコントローラ内部に備える時計回路で求められる時刻を時刻情報として画像と関連付ける。
以上のように本実施の形態に係わる画像記録装置では、エンジンが停止しているか動かを検出するエンジン動作検出手段と、エンジンが動いている場合は第1のモードで動作させ、エンジンが停止している場合は第1のモードより電力消費の少ない第2のモードで動作させる制御を行う制御手段を有する。
また、外部バッテリーの残存容量を検出する残存容量検出手段をさらに具備し、残存容量が一定レベルを下回った場合は、前記制御手段は、装置をシャットダウンさせる制御を行う。
また、装置内に内部バッテリーを具備し、エンジンが動いている場合は前記内部バッテリーを充電すると共に、エンジンが停止している場合は、電力供給源を外部バッテリーから内部バッテリーに切り替える電力管理手段を有する。
このように、エンジンの動作時と停止時に応じた電力管理をすることで、車が停止している時でも画像を取得し続けることが可能となる。
なお、エンジン動作検出部9290の具体的構成としては、例えば振動センサを内部に備え、エンジンが動作しているかを振動で検出する構成としても良いし、加速度センサを内部に備え、加速度変化を検出することでエンジンの動作状態を特定できる構成としても良い。
なお、エンジン停止時でも、FM放送受信部の給電を行い、事件情報を受信できる構成としてもよい。また、エンジン動作検出部9290で、エンジンが動作したことを検出された場合は、システムコントローラは、エンジン停止中に受信した事件情報を検索処理部に出力し、検索処理部で適宜検索が行われる構成としてもよい。
以上、各実施の形態で説明したように本発明に係わる画像記録装置によれば、車載カメラによって撮影した画像が位置情報及び時間情報と対応付けされて記憶されるため、本発明の画像記録装置を用いて複数のドライバーから提供された画像を位置情報と時間情報を参照して、事件解決の有力な手段として活用することができる。
すなわち、本発明の画像記録装置は、画像を取得する画像取得手段と、取得した画像を符号化する画像符号化手段と、画像取得時の位置及び時刻を算出して位置情報及び時刻情報を生成する生成手段と、符号化された画像を前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けて記録する記録手段と、前記記録手段で記録された画像を外部へ出力する出力手段と、を具備する構成とすることで、出力された画像を犯罪捜査等に役立てることができる。
また、別の実施形態の画像記録装置として、画像を取得する画像取得手段と、取得した画像を符号化する画像符号化手段と、画像取得時の位置及び時間を算出して位置情報及び時刻情報を生成する生成手段と、符号化された画像と前記位置情報及び前記時刻情報とを第一の形式で関連付けて記録する記録手段と、前記第一の形式で前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けられた画像を、第二の形式で前記位置情報及び前記時刻情報と関連付ける変換を行う変換手段と、前記第二の形式で前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けられた画像を外部へ出力する出力手段と、を具備する構成とすることで、例えば、画像記録時に情報記録媒体の記録容量を節約する形式で記録でき、画像提出時には捜査に利用しやすい形式に変換して画像を提出することができる。
また、別の実施形態の画像記録装置として、画像を取得する画像取得手段と、取得した画像を符号化する画像符号化手段と、画像取得時の位置及び時間を算出して位置情報及び時刻情報を生成する生成手段と、符号化された画像を前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けて記録する記録手段と、位置及び時間に関する情報を含む信号を受信する受信手段と、前記記録手段で記録された画像の中に前記受信した位置及び時間に関する情報に基づいて特定される範囲内で取得された画像があるかどうかの検索を行う検索手段と、前記検索手段における検索の結果を通知する通知手段と、を具備する構成とすることで自動的に提出する必要のある画像があるかどうかを検索してくれるため、使用者の負担を軽減することができる。
また、別の実施形態の画像記録装置として、画像を取得する画像取得手段と、取得した画像を符号化する画像符号化手段と、画像取得時の位置及び時間を算出して位置情報及び時刻情報を生成する生成手段と、符号化された画像を前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けて記録する記録手段と、位置及び時間に関する情報を含む信号を受信する受信手段と、前記記録手段で記録された画像の中から、前記受信した位置及び時間に関する情報に基づいて特定される範囲内で取得された画像を抽出する抽出手段と、前記抽出された画像を外部へ出力する出力手段と、を具備する構成とすることで自動的に提出する必要のある画像を抽出してくれるため、使用者の負担を軽減することができる。
また、別の実施形態の画像記録装置として、画像を取得する画像取得手段と、取得した画像を符号化する画像符号化手段と、画像取得時の位置及び時間を算出して位置情報及び時刻情報を生成する生成手段と、符号化された画像を前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けた状態で所定の期間に亘って記録する記録手段と、第1の検索用ワードと第2の検索用ワードを受信する受信手段と、前記記録手段で記録された画像の中から前記第1の検索用ワードに基づいて特定される範囲内で取得された画像を抽出して外部へ出力する出力手段と、前記第2の検索用ワードに基づいて特定される範囲内で取得された画像を前記所定の期間より長い期間に亘って前記記録手段で記録する処理を行う延長処理手段と、を具備する構成とすることで、画像記録装置内に記録された画像を適切に管理することができる。
また、別の実施形態の画像記録装置として、画像を取得する画像取得手段と、取得した画像を符号化する画像符号化手段と、画像取得時の位置及び時間を算出して位置情報及び時刻情報を生成する生成手段と、位置及び時間に関する情報を含む検索用ワードを受信する受信手段と、画像提出用の端末が設置された施設に関する情報を受信する第2の受信手段と、符号化された画像を前記位置情報及び前記時刻情報と関連付けて記録する第1の記録手段と、地図情報を記録しておく第2の記録手段と、前記受信した施設に関する情報を記録する第3の記録手段と、前記受信した検索用ワードに基づいて特定される範囲内で取得された画像が前記第1の記録手段で記録されているかどうかを検索する検索手段と、検索の結果、前記検索用ワードに基づいて特定される範囲内で取得された画像が前記第1の記録手段で記録されていた場合は、前記地図情報に前記施設に関する情報を多重して表示する表示手段と、を具備する構成とすることで使用者から速やかに画像が提出されることが期待される。
その他、各実施の形態に記載した画像記録装置とすることで、より優れた情報収集システムを構築することができる。ここで、本発明の画像記録装置は、以下に説明する点からも明らかなように、事件に関する情報を収集するといった観点で大きな利点を有している。
従来の監視カメラは、設置スペースの問題や人や物がぶつかる事による故障やカメラへのいたずらを避けるため天井付近に取り付けられることが多い。しかしながら、このような上方からの視点では、人の表情や特徴をうまく撮影することができないという問題があった。一方、本発明の画像記録装置は主に車内に取り付けられるため、カメラの高さが人間の目線と同様の高さになり、人の表情や特徴を判断可能な状態で記録することが可能となる。また、この高さからの撮影では、前を走る車や対向車線を走ってくる車やバイクのナンバープレートを撮影することが可能であるため、容疑者の車とすれ違った車の中に本発明の画像記録装置が取り付けられていた場合、ナンバープレートから所有者を割り出して、迅速に逮捕に繋げることが可能となる。また、この場合は該当車の運転手の姿も記録されていることが期待できるため、犯行当時に車を貸していたといった類の言い逃れを防ぐことも可能となる。従って、本画像記録装置を用いれば、轢き逃げ、当て逃げ、バイクを使ったひったくり、車を使った逃走といった事件はかなり高い確率で検挙できると期待できる。
また、容疑者が車を使わずに犯行現場から逃走する場合でも、例えば容疑者と思われる人物がガードレールや柵を乗り越えている姿が偶然撮影されていた場合、その場所の指紋を採取して、同一人物の指紋が過去の犯罪ファイルにないかを調べることで事件解決の手掛かりを得られることも期待できる。
また、本発明を用いた犯罪捜査方法が浸透することで、逃げ切れないことを悟った犯人が自首する頻度が上がることも期待できるため、警察官の貴重なリソースを解決困難な犯罪に重点的に割り当てることができるという相乗効果を生み出すことができる。また、予め収集した画像データを基に犯人像を特定して捜査できるため、捜査時の警察官の安全を高めることもできる。
なお、上記説明では情報提供の協力要請に必要な情報である事件情報をFM多重放送で送信される場合を説明したが、これに限定するものではなく、光ビーコンや電波ビーコン、デジタルTV(音声)放送等、どのような通信媒体を用いて送信されても良い。この場合、車載画像記録装置のFM放送受信部は、それぞれ光ビーコンから信号を受信する光ビーコン受信部、電波ビーコンから信号を受信する電波ビーコン受信部、デジタル放送を受信するデジタル放送受信部にそれぞれ置き換わる。また、これら事件情報を受信する各受信部は、車載画像記録装置の一部として組み込まれても良いし、一つの装置として車載画像記録装置とインターフェースを介して接続可能な状態で構成されていても良い。その他、車載画像記録装置を携帯電話と接続可能な構成とし、携帯電話でオンデマンド又はMBMSサービス等で事件情報を受信してインターフェースを介して事件情報が車載画像記録装置に入力される構成であっても良い。
なお、車載カメラは車の前方を撮影する場合に限定せず、例えば車の後方を撮影するよう設置しても良いし、複数のカメラで複数の方向を撮影して記録するよう構成してもよい。この場合、前方カメラで撮影した画像は、記録する際に前方を撮影していることを示す”Front”の情報を合わせて記録し、後方カメラで撮影した画像は、”Back”の情報を合わせて記録するようにすると、後の管理が簡略化できる。また、複数のカメラで撮影された画像をそれぞれ異なるファイルとして、画像毎に個別に位置情報、時間情報、撮影カメラの方向を示す情報と対応付けて記録しても良いし、位置情報と時間情報は共通化して、1つの位置情報と時間情報に、複数のカメラで同一時刻に撮影された複数の画像を対応付けても良い。また、カメラの方向を示す情報を実施の形態2で用いた方位情報で代用しても良い。すなわち、車が南東の方向に進んでいる場合に、フロントウィンドウを介して前方を撮影する車載カメラで撮影された画像には南東を表す方位情報と対応付けて記録し、バックウィンドウを介して後方を撮影する車載カメラで撮影された画像には北西を表す方向情報と対応付けて記録するように構成してもよい。このように構成することで、複数のカメラで撮影しても、取得されるすべての画像に画像取得方位を表す方位情報を関連付けることができるため、管理がより簡略化できる。
また、各実施の形態の画像記録装置において、カメラ部、位置情報検出部、FM放送受信部、画像表示部等は、本装置本体に組み込まれる形で設計されていても良いし、本装置本体とコネクタを介して接続可能な状態で個別の装置として設計されていても良い。
また、記録部も着脱可能な構成であっても良い。例えば、記録部をUSB接続の外付けHDDとし、画像提出時には、車載画像記録装置から記録部を取り外して自宅のPCや警察などに設置された端末と接続し、記録された画像を警察に提出できるように構成してもよい。このようにすることで、別途記録媒体を用いてデータを移動させる必要がなくなるため、メモリーカードスロットのような出力手段を別途設ける必要がないため、コストを下げることができる。
また、画像提出用端末を用いて画像データを提出した時に、画像提出用端末は、画像を提出したことを示すレポートファイルをメモリーカード内に作成し、レポートファイルに基づいて画像記録装置の画像が消去される構成としてもよい。レポートファイルには、例えば提出した画像データのファイル名一覧や提出時刻などが記載されている。メモリーカードが画像記録装置に装着された場合には、システムコントローラはメモリーカード内にレポートファイルがないかを検索し、レポートファイルがある場合は、レポートファイルに示された画像データを提出が完了したものとして、その他の消去禁止フラグの条件などを参照にしながら消去する構成としてもよい。このように構成することで、画像提出が行われる前に誤って画像データが失われてしまうことを防ぐことができる。
また、上記説明では記録部内に記録されてから一定期間経過した時点で画像データが消去される構成としたがこれに限定されるものではない。例えば記録部の空き記録容量の状況に応じて画像データが消去される構成としてもよい。
また、一定期間経過した画像データを、より高い圧縮率の圧縮方式で再エンコードを行った後、さらに一定期間記録した場合に消去する構成としてもよい。一定期間経過した画像データは、システムコントローラの制御に従って画像符合化部に出力され、再エンコードが行われた後に再び記録部に一定期間記録される。この構成とすることで、より長い期間画像を保管できる上に、古い画像はより小さいサイズのデータとして記録されることで記録容量の圧迫を防ぐことができる。また、この再エンコードは複数回にわたって行われ、古くなるほど小さいサイズの画像データとして記録される構成としてもよい。また、動画像データの場合はフレームレートを落として再エンコードしても良い。その他、画像データの消去方法は、情報記録媒体の記録容量や空き容量などを踏まえて、独自の方法で自動消去される構成であってもよい。
また、本発明のカメラ部で撮影される画像を車間距離の測定や人物の存在検出等に用いてもよい。この場合、前方を走る車と風景の境界を検出し、検出結果から車間距離を推定する演算を行う演算部や、撮影された画像内に人物がいるかを判断するために、予め人物のパターンを複数記録したROMと、画像内にROMに記録されたパターンと一致する特徴があるかのマッチング処理を行うマッチング部等が別途必要となる。また、撮影された画像から白帯を検出し、走行位置を自動修正する運転補助システムに用いることも可能である。
なお、本発明の画像記録装置を自車両の事故時の証拠として用いる従来のドライブレコーダとして利用できることは言うまでも無い。また、画像データ等を改竄できないようにデータを暗号化して記録するよう構成しておいてもよい。
また、事件情報に画像提出先を示すIPアドレスを含んでもよい。事件情報には、多数の事件が含まれるが、各事件の管轄警察署は異なる。そこで、事件毎に提出先のIPアドレスを記しておき、メモリーカードに画像データや、画像データと画像取得位置及び取得時刻との関連付けを記した管理ファイル等を出力する際に、画像データの提出先を表すIPアドレスを含んだレポートを合わせてメモリーカードに出力する。画像提出用端末は、メモリーカード内のレポートを参照し、レポートに記されたIPアドレスに、メモリーカード内の画像データや管理ファイルを送信する。このような構成としてもよい。
また、撮影された画像をITS(Intelligent
Transport Systems)の一部として利用することも可能である。例えば、本発明の車載画像記録装置に取り付けた無線送受信部から、撮影した画像を道路脇に取り付けられた通信機に送信し、通信機に送られた画像は交通管理センターや情報サーバに送られるようなシステムを構築してもよい。これらの画像データは、現在の交通状況の把握や他の車へのリアルタイム画像の送信などに活用することができる。
また、画像の圧縮方式としては、MPEG2、H.264/AVC、JPEG、TIFF等既存の圧縮方式を用いて圧縮しても良いし、車から撮影する映像は、時間方向に高い相関性があるため、新たに別の圧縮方式を開発しても良い。また、今後の圧縮技術の進歩に従って最新の圧縮技術を適宜採用することが可能である。
なお、本発明の画像表示部としては液晶ディスプレイ(LCD)、電子ペーパー(Electric Paper)、有機EL(OELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PDP)、などの薄型パネルが好適である。
また、上記説明では警察からVICSセンターを介して既存のVICS技術を活用して事件情報を各画像記録装置へ送信する場合を説明したが、これに限定するものではなく、別のシステムを新たに構築してもよい。但し、VICS技術をそのまま活用することは、装置開発及び新たなシステム構築の費用を抑えることができるためより望ましい。
また、事件情報のデータフォーマットもVICSのデータフォーマットを流用しても良いし、新たに別のデータフォーマットを定めてもよい。
また、本発明の車載画像記録装置は、自家用車だけではなく、トラック、バス、タクシー、バイク、電車、自転車、ベビーカーなどのように、さまざまな移動可能な乗り物に搭載し、位置情報及び時間情報と対応付けて画像を記録することができる。
また、上記で説明したシステムコントローラ、検索処理部、カーナビゲーションユニット、画像符号化部、位置検出部、等は、それぞれ半導体集積回路を用いて実現されてもよい。ここで集積回路はLSI、VLSI,ULSIと称されることもある。
また、上記各実施の形態に記載の発明は、単独で実装されても良いし、複数の実施の形態に記載の発明を組み合わせて実装されてもよい。例えば、実施の形態2、4、9を組み合わせ、取得した画像を取得位置、取得時間、取得方向と関連付けして記録し、受信した事件情報に基づいて画像提出要請が出ている画像を抽出し、抽出した画像を暗号化してメモリーカード等へ出力するといった構成も可能である。
なお、上記説明では本願発明の装置は画像を記録する画像記録装置として説明したが、画像を記録する機能を有するカーナビゲーション装置であっても良いし、画像を記録する機能を有する無線受信装置やビデオカメラであってもよい。
その他、本願の発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜設計変更が可能である。