JP5327381B2 - 情報処理装置、プログラム、および情報処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、立体視用画像組の生成に供される画像を撮像するステレオカメラに関する。
複数の異なる視点からステレオ画像を撮像することが可能なステレオカメラには、種々のものが提案されており、撮像範囲が等しいステレオ画像は、立体視用の表示画像などに採用されている。
例えば、特許文献1のステレオカメラは、焦点距離可変(ズーム駆動可能)の撮像系と、焦点距離固定(単焦点)の撮像系とを備えており、減数処理およびパターンマッチング処理などを適宜用いることによって、撮像倍率が異なった2つの画像からでも撮像範囲が等しいステレオ画像を生成することができる。
特開2005−210217号公報
しかしながら、特許文献1のステレオカメラにおいては、焦点距離可変の撮像系の焦点距離が取得されないために、ステレオカメラの各撮像系がそれぞれ撮像した画像から三次元形状データを生成することができず、該三次元形状データに基づいた各種処理ができないといった問題がある。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、焦点距離可変の撮像装置の焦点距離を、簡易かつ高速に取得することができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、の態様に係る情報処理装置は、撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、(a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、(b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、を取得する画像取得部と、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部とを備え、前記基準画像が、前記対象物を異なる撮像距離でそれぞれ撮像して得た第1および第2基準画像を含む一方、前記参照画像が、前記対象物を前記第1および第2基準画像における撮像距離と同じ撮像距離でそれぞれ撮像して得た第1および第2参照画像を含んでいる。
態様に係る情報処理装置は、撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、(a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、(b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、を取得する画像取得部と、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部とを備え、前記対象物が、異なる撮像距離に配置されるとともに同一のサイズを有する第1および第2対象物を有しており、前記基準画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像であり、前記参照画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像である。
態様に係る情報処理装置は、撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、(a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、(b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、を取得する画像取得部と、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部とを備え、前記基準画像が、前記対象物を撮像した単一の基準画像である一方、前記参照画像が、前記対象物を撮像した単一の参照画像であり、前記焦点距離取得部は、前記基準焦点距離と、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の所定部分の像サイズと、前記対象物の実サイズと、前記基準画像を撮像した撮像装置の光軸方向における光学中心位置と前記参照画像を撮像した撮像装置の撮像光学系の光軸方向における光学中心位置とのずれ量とに基づいて前記演算処理を行う。
の態様に係る情報処理装置は、撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、(a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、(b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、を取得する画像取得部と、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部とを備え、前記対象物は、第1および第2対象物を有しており、前記基準画像は、前記第1および第2対象物を個別に撮像して得た第1および第2基準画像を含む一方、前記参照画像は、前記第1および第2対象物を個別に撮像して得た第1および第2参照画像を含んでおり、前記焦点距離取得部は、前記第1基準画像と前記第1参照画像とにおける前記第1対象物の第1部分の像サイズと、前記第2基準画像と前記第2参照画像とにおける前記第2対象物の第2部分の像サイズと、前記第1および第2対象物のそれぞれの実サイズとに基づいて前記演算処理を行う。
の態様に係る情報処理装置は、撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、(a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、(b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、を取得する画像取得部と、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部とを備え、前記対象物は、第1および第2対象物を有しており、前記基準画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像であり、前記参照画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像であり、前記焦点距離取得部は、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記第1対象物の第1部分の像サイズと、前記基準画像と前記参照画像とにおける前記第2対象物の第2部分の像サイズと、前記第1対象物と前記第2対象物とのそれぞれの実サイズとに基づいて前記演算処理を行う。
態様に係る情報処理装置は、第態様に係る情報処理装置であって、前記焦点距離取得部は、前記第1基準画像と前記第1参照画像とにおける前記第1対象物の第1部分の像サイズと、前記第2基準画像と前記第2参照画像とにおける前記第2対象物の第2部分の像サイズと、前記第1対象物と前記第2対象物とのそれぞれの実サイズと、に基づいて、前記基準画像を撮像した撮像装置の撮像光学系の光軸方向における光学中心位置と前記参照画像を撮像した撮像装置の撮像光学系の光軸方向における光学中心位置とのずれ量をさらに取得する。
の態様に係る情報処理システムは、()第1から第5の何れか1つの態様に係る情報処理装置と、()固定焦点距離の第1の撮像光学系を備えた第1の撮像装置と、可変焦点距離の第2の撮像光学系を備えた第2の撮像装置とを備えたステレオカメラとを備えた情報処理システムであって、前記画像取得部は、前記第1の撮像装置による撮像に基づいて前記基準画像を取得するとともに、前記第2の撮像装置による撮像に基づいて前記参照画像を取得する。
の態様に係る情報処理システムは、()第1から第5の何れか1つの態様に係る情報処理装置と、()固定焦点距離の第1の撮像光学系を備えた第1の撮像装置と、可変焦点距離の第2の撮像光学系を備えた第2の撮像装置とを備えたステレオカメラとを備えた情報処理システムであって、前記画像取得部は、前記第2の撮像装置から前記基準画像と前記参照画像とを取得する。
の態様に係る情報処理システムは、第の態様に係る情報処理システムであって、前記第1の撮像光学系の光軸である第1の光軸と、前記第2の撮像光学系の光軸である第2の光軸とが平行である。
10の態様に係る情報処理システムは、第の態様に係る情報処理システムであって、前記情報処理装置は、第1から第5の何れか1つの態様に係る情報処理装置であり、前記第1の光軸方向における前記第1の撮像光学系の光学中心の位置と、前記第2の光軸方向における前記第2の撮像光学系の光学中心の位置とが互いに等しい。
11の態様に係る情報処理システムは、第の態様に係る情報処理システムであって、前記情報処理装置は、第1から第5の何れか1つの態様に係る情報処理装置であり、前記基準画像と前記参照画像とを撮像した際における、前記第2の撮像光学系の光軸方向における光学中心の位置が互いに等しい。
12の態様に係る情報処理システムは、第または第の態様に係る情報処理システムであって、前記ステレオカメラによって撮像された被写体のステレオ画像から前記被写体の三次元形状を求めるための三次元化パラメータが、前記第1の撮像装置についての第1カメラパラメータと、前記第2の撮像装置についての第2カメラパラメータと、を含み、前記第2カメラパラメータを前記参照焦点距離に基づいて取得するパラメータ取得部をさらに備える。
13の態様に係る情報処理システムは、第12の態様に係る情報処理システムであって、前記第2カメラパラメータが、歪曲収差補正係数、像中心位置、焦点距離、Skew、および光学中心の位置ずれ量のうち少なくとも1つを含む。
14の態様に係る情報処理システムは、第12の態様に係る情報処理システムであって、前記パラメータ取得部は、前記第2カメラパラメータと前記第2の撮像光学系の焦点距離との対応関係を表現したパラメータ対応情報と、前記参照焦点距離と、に基づいて、前記第2カメラパラメータを取得する。
15の態様に係る情報処理システムは、第または第の態様に係る情報処理システムであって、前記焦点距離取得部は、前記第2の撮像装置における駆動制御値と焦点距離との対応関係を表現した駆動制御値対応情報を、前記演算処理によって決定された前記参照焦点距離に基づいて更新する。
16の態様に係るプログラムは、情報処理装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されることにより、当該情報処理装置を第1から第6の何れか1つの態様に係る情報処理装置として機能させることを特徴とする。
第1から第16の何れの態様に係る発明によっても、基準画像と参照画像とにおける対象物の像サイズの情報を用いて、基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことによって、簡易かつ高速に参照焦点距離の値を取得することができ、使用現場でのステレオカメラの校正頻度を高めることができる。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの主な構成を例示するブロック図である。 図2は、実施形態に係る情報処理装置の主な機能構成を例示するブロック図である。 図3は、実施形態に係るステレオカメラの機能構成を例示するブロック図である。 図4は、焦点距離のフィールド校正用のデータの取得の1例を説明する図である。 図5は、像サイズの1例を示す図である。 図6は、像サイズの1例を示す図である。 図7は、像サイズの1例を示す図である。 図8は、像サイズの1例を示す図である。 図9は、焦点距離のフィールド校正用のデータの取得の1例を説明する図である。 図10は、焦点距離のフィールド校正用のデータの取得の1例を説明する図である。 図11は、焦点距離のフィールド校正用のデータの取得の1例を説明する図である。 図12は、焦点距離のフィールド校正用のデータの取得の1例を説明する図である。 図13は、焦点距離のフィールド校正用のデータの取得の1例を説明する図である。 図14は、実施形態に係る情報処理システムの、校正から立体視用画像の生成までの動作フローの1例を示す図である。 図15は、図14の動作フローのうちステレオカメラの製造時校正の動作フローの1例を示す図である。 図16は、図14の動作フローのうち駆動制御値対応情報のフィールド校正の動作フローの1例を示す図である。 図17は、図14の動作フローのうち立体視用画像の生成に係る動作フローの1例を示す図である。 図18は、図17の動作フローのうち被写体測定時のズームカメラの焦点距離の取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図19は、図17の動作フローのうち被写体測定時のズームカメラの焦点距離の取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図20は、図16または図19の動作フローのうちズームカメラの焦点距離のフィールド校正に係る動作フローの1例を示す図である。 図21は、図16または図19の動作フローのうちズームカメラの焦点距離のフィールド校正に係る動作フローの1例を示す図である。 図22は、図16または図19の動作フローのうちズームカメラの焦点距離のフィールド校正に係る動作フローの1例を示す図である。 図23は、図16または図19の動作フローのうちズームカメラの焦点距離のフィールド校正に係る動作フローの1例を示す図である。 図24は、図20の動作フローのうち基準画像と参照画像との取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図25は、図20の動作フローのうち基準画像と参照画像との取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図26は、図22の動作フローのうち基準画像と参照画像との取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図27は、図21の動作フローのうち第1、第2基準画像と、第1、第2参照画像の取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図28は、図21の動作フローのうち第1、第2基準画像と、第1、第2参照画像の取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図29は、図23の動作フローのうち第1、第2基準画像と、第1、第2参照画像との取得に係る動作フローの1例を示す図である。 図30は、図20の動作フローのうち第1演算処理に係る動作フローの1例を示す図である。 図31は、図21の動作フローのうち第2演算処理に係る動作フローの1例を示す図である。 図32は、図22の動作フローのうち第3演算処理に係る動作フローの1例を示す図である。 図33は、図23の動作フローのうち第4算処理に係る動作フローの1例を示す図である。
<実施形態について:>
<◎情報処理システム100Aについて:>
図1は、実施形態に係る情報処理システム100Aの主な構成を例示するブロック図である。
図1に示されるように、情報処理システム100Aは、ステレオカメラ300A(または300B)と情報処理装置200Aとを主に備えて構成されている。
ステレオカメラ300Aおよび300Bは、焦点距離固定の撮像光学系を備えた単焦点カメラ(「第1カメラ」とも称する)31と、焦点距離可変の撮像光学系を備えたズームカメラ(「第2カメラ」とも称する)32とを主に備えて構成されており、1の視点に設置されたステレオカメラ300A(300B)の単焦点カメラ31およびズームカメラ32がそれぞれ被写体を撮像した第1画像g1および第2画像g2は、情報処理装置200Aに供給される。
情報処理装置200Aは、先ず、予め校正され記憶装置46(図1)に記憶された三次元化パラメータを用いて第1画像g1と第2画像g2とから三角測量の原理によってステレオカメラ300A(300B)が撮影した被写体の三次元形状を表現した距離情報52(図2)を生成する。
情報処理装置200Aは、距離情報52と、該1の視点とは異なる別視点に設置される仮想カメラの位置、姿勢の情報と、仮想カメラおよびズームカメラ32の撮影パラメータとに基づいて該別視点から該仮想カメラが撮像する画像と、ズームカメラ32が撮像した高精細の被写体画像である第2画像g2との対応関係を取得する。
次に、情報処理装置200Aは、該対応関係に基づいて第2画像g2を変換することによって該仮想カメラが別視点から被写体を撮像したときの画像に相当する疑似画像53(図2)を生成し、第2画像g2と疑似画像53とを立体視用画像組を構成するステレオ画像として、立体視用の表示部43に表示する。
上述した動作によって、情報処理システム100Aは、被写体を実測していない視点を含む複数視点から被写体をステレオ視したときの立体視用画像表示システムを実現している。
ズームカメラ32の撮像光学系はズーム駆動機構を有しているために三次元化パラメータが経時変化する。高品質の疑似画像53が取得されるためにはステレオカメラ300A(300B)の三次元化パラメータの値を正確な値に保つことが必要であり、情報処理システム100Aでは、被写体の撮像現場において、簡易に取得可能な画像データに基づいて、高速に三次元化パラメータを校正することができる。
なお、撮像現場での校正を「フィールド校正」とも称し、ステレオカメラ300Aの製造工程における校正を「製造時校正」とも称する。
以下では、情報処理システム100Aの各機能部の構成と動作、ならびにフィールド校正および製造時校正などについて説明する。
<○ステレオカメラ300Aの構成と動作:>
図3は、実施形態に係るステレオカメラ300Aの機能構成を例示するブロック図である。なお、本願の図面においては、説明のために図面に適宜座標軸を設けている。
図3に示されるように、ステレオカメラ300Aは、焦点距離固定の撮像光学系9aを備えたカメラである単焦点カメラ31と、焦点距離可変の撮像光学系9bを備えたカメラであるズームカメラ32とを主に備えて構成されている。
単焦点カメラ31は、撮像光学系9aの他、撮像素子5a、制御処理回路25aを主に備えて構成されており、ズームカメラ32は、撮像光学系9bの他、撮像素子5b、制御処理回路25b、駆動機構26を主に備えて構成されている。
ステレオカメラ300Aは、被写体61からの光を単焦点カメラ31およびズームカメラ32で撮影してステレオ画像を構成する第1画像g1および第2画像g2を取得し、情報処理装置200Aへと供給する。
撮像光学系9aは、焦点距離固定のレンズと該レンズを支持する不図示の鏡胴とを主に備えて構成されており、被写体61の画像を撮像素子5a上に結像させる光学系である。
撮像光学系9bは、焦点距離可変のレンズと該レンズを支持する不図示の鏡胴とを主に備えて構成されており、被写体61の画像を撮像素子5b上に結像させる光学系であり、駆動機構26によって撮像光学系9bの光学的状態が変更されることによって、撮像光学系9bの焦点距離f2が、変更可能に構成されている。
被写体61上の物点Mの像は、光学中心3aおよび3bをそれぞれ通過する主光線6aおよび6bに沿って撮像素子5aおよび5b上にそれぞれ像点PaおよびPbとして結像される。
光学中心3aおよび3bは、通常、撮像光学系の主点であるが、例えば、撮像光学系としてテレセントリック光学系が採用された場合には、通常、撮像光学系の焦点が光学中心となる。
単焦点カメラ31およびズームカメラ32の像中心位置7aおよび7bは、それぞれ撮像素子5aと光軸4aとの交点および撮像素子5bと光軸4bとの交点であり、また、撮像光学系9aおよび9b間の基線長bは、光軸4aと光軸4bとの距離である。
撮像光学系9aと撮像素子5aとの距離は、撮像光学系9aの焦点距離f1であり、焦点距離f1の値は既知の固定値(定数)である。
また、撮像光学系9bと撮像素子5bとの距離は、撮像光学系9bの焦点距離f2であり、焦点距離f2は、駆動機構26が撮像光学系9bの状態を変動させることに応じて変動する可変の焦点距離である。
なお、像点Paの撮像素子5a上の座標と像点Pbの撮像素子5b上の座標との差(視差)、基線長b、焦点距離f1、および焦点距離f2などのステレオカメラ300Aに係る三次元化パラメータを用いた三角測量の原理に基づく三次元化処理が、情報処理装置200Aにおいて行われることによって物点Mの撮像距離D1その他の距離情報(「三次元座標」とも称する)が取得される。
ここで、ステレオカメラ300Aについては、撮像光学系9aおよび9bのそれぞれの光軸4aおよび4bは平行、または略平行である。
また、第1画像g1および第2画像g2の相互間での対応点探索処理が容易に行えるように、撮像素子5aおよび5bは、それぞれの走査線が平行、または略平行になるように設置されている。
実際の構成においては、通常、光軸同士、走査線同士が完全に平行であるように構成することは困難であるため、これらは誤差を有した略平行状態であるが、単焦点カメラ31およびズームカメラ32から供給される第1画像g1および第2画像g2に対して情報処理装置200Aが、単焦点カメラ31およびズームカメラ32のカメラパラメータなどを用いた処理(「平行化処理」とも称する)を行うことによって、ステレオカメラ300Aの各カメラの光軸同士、走査線同士が平行である場合と同等の状態を実現することができる。なお、本願発明における「平行」とは、平行または略平行を意味する。
撮像素子5aおよび5bは、例えば、VGA(640×480画素)サイズの有効画素数を持つCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどによって構成される撮像素子である。
撮像素子5aおよび5bは、撮像素子5aおよび5bに結像された像の強度に応じた画像信号をそれぞれ生成するとともに、制御処理回路25aおよび制御処理回路25bにそれぞれ供給する。
制御処理回路25aおよび制御処理回路25bは、撮像素子5aおよび5bから供給される各画像信号を処理してデジタル画像に変換することにより、各撮像素子の有効画素数に応じた第1画像g1および第2画像g2をそれぞれ生成し、情報処理装置200Aへと供給する。
また、駆動機構26は、焦点距離f2を変動させるための、例えば、パルスモータと送りネジなどによって構成された駆動機構である。
制御処理回路25bは、情報処理装置200Aから供給される、焦点距離f2を制御するための駆動パルス数などの駆動制御値51に基づいて駆動機構26を動作させることによって焦点距離f2の値を変動(「ズーム」)させる。
ここでステレオカメラ300Aのずれ量dは、光軸4a(4b)方向に沿った光学中心3aと光学中心3bとの位置ずれ量であり、ステレオカメラ300Aについてのずれ量dは、ズームカメラ32のズーム動作に関わらず一定になるように構成されている。
すなわち、ステレオカメラ300Aにおいては、ズーム動作によってズームカメラ32の焦点距離f2が変動したとしても、光学中心3bの位置は、光学中心3aに対して変動しない。
このようなズーム動作によっても光学中心3aに対する光学中心3bの位置が変動しないズームカメラ32は、例えば、ズームによる焦点距離f2の変動によって光学中心3bが光学中心3aに対して移動する場合には、別途設定された不図示の駆動機構によってズームカメラ32全体を、該移動の方向とは反対の方向に該移動の移動量だけ移動をさせることなどによって実現することができる。
また、ステレオカメラ300Aの製造工程における製造時校正において生成される、後述する駆動制御値対応情報t1、パラメータ対応情報t2、ステレオカメラ300Aの基線長bなどの情報は、ステレオカメラ300A内部に設けられた不図示の記憶部に記憶されており、ステレオカメラ300Aに接続された情報処理装置200Aに供給される。
<○ステレオカメラ300Bの構成と動作:>
図3は、実施形態に係るステレオカメラ300Bの機能構成を例示するブロック図である。図3に示されるように、ステレオカメラ300Bは、焦点距離固定の撮像光学系9aを備えたカメラである単焦点カメラ31と、焦点距離可変の撮像光学系9bを備えたカメラであるズームカメラ32とを主に備えて構成されている。
ステレオカメラ300Bは、ステレオカメラ300Aと略同様の構成を有し、略同様の動作を行うが、一部の構成・動作においてステレオカメラ300Aとの差異を有する。
該差異は、ステレオカメラ300Aでは、ズームカメラ32のズーム動作に関わらず、ずれ量dが一定であったのに対して、ステレオカメラ300Bでは、ズームカメラ32のズーム動作にともなってずれ量dが変動することである。
なお、該差異以外のステレオカメラ300Bの構成・動作については、ステレオカメラ300Aの構成・動作と同様であるため説明を省略する。
○ステレオカメラのバリエーション:
ステレオカメラ300Aとしては、例えば、上述したステレオカメラ300Aの構成に加えて、さらに、一定のずれ量dの値が零または略零、すなわち光学中心3aおよび3bを結ぶ線分が光軸4aと直交または略直交する構成を有するものなどが採用され得る。
また、ステレオカメラ300Bとしては、例えば、上述したステレオカメラ300Bの構成に加えて、さらに、駆動制御値51の値などに基づいて撮像時のずれ量dの値を検出し、検出したずれ量dの値をステレオカメラ内部に設けられた不図示の記憶部などを介して情報処理装置200Aに供給可能なものなどが採用され得る。
また、ステレオカメラ300Aおよび300Bとしては、例えば、上述したステレオカメラ300Aおよび300Bのそれぞれの構成に加えて、さらに、ズームカメラ32の撮像光学系9bがズームに係る駆動範囲の端部などの構造的な当り位置、または、位置センサ等により撮像光学系9bの光学的状態を検出可能な位置などにおける撮像光学系9bの焦点距離f2の値が既知であり、その値をステレオカメラ内部に設けられた不図示の記憶部などを介して情報処理装置200Aに供給可能なものなどが採用され得る。
なお、ステレオカメラ300Aおよび300Bでは、上述した構造および機能の差異を特定するための特定情報を該記憶部に保持しており、該特定情報は情報処理装置200Aへと供給される。
情報処理装置200Aが該特定情報を取得して、各ステレオカメラの構成および機能に応じた制御およびフィールド校正などを行うことによって、情報処理システム100Aは、機能および構成が異なったステレオカメラ300A(300B)のバリエーションの各ステレオカメラを情報処理装置200Aと組み合わせて使用可能に構成されている。
より具体的には、情報処理装置200Aは、該特定情報から特定される各種ステレオカメラの構成および機能に応じたフィールド校正等を行うためのプログラムを、該特定情報に基づいて適応選択的に実行することなどによって、各種ステレオカメラに応じたフィールド校正などを行うことができる。
なお、該特定情報により特定されるステレオカメラの構成および機能に対して、複数のフィールド校正手法が採用可能な場合には、CPU11Aは、表示部43に採用可能な校正手法を表示し、操作者が操作部42を用いて採用する校正手法を特定した校正手法特定情報に基づいて、CPU11Aは、特定された校正手法を行うプログラムを実行する。
<◎情報処理装置200Aの構成について:>
図1に示されるように、情報処理装置200Aは、CPU11A、入出力部41、操作部42、表示部43、ROM44、RAM45および記憶装置46を主に備えて構成されており、例えば、汎用のコンピュータでプログラムを実行することなどによって実現される。
入出力部41は、例えば、USBインタフェースなどの入出力インタフェースによって構成されており、ステレオカメラ300A(300B)から情報処理装置200Aへ供給される画像情報等の入力、および情報処理装置200Aからステレオカメラ300A(300B)への各種制御信号等の出力を行う。
操作部42は、例えば、キーボードあるいはマウスなどによって構成されており、操作者が操作部42を操作することによって、情報処理装置200Aへの各種制御パラメータの設定、情報処理装置200Aの各種動作モードの設定などが行われる。
表示部43は、例えば、液晶ディスプレイなどによって構成されており、ステレオカメラ300A(300B)から供給される第2画像g2、および情報処理装置200Aが生成する第2画像g2についての疑似画像53(図2)などの各種画像情報の表示、ならびに情報処理システム100Aに関する各種情報および制御用GUI(Graphical User Interface)などの表示を行う。
ROM(Read Only Memory)44は、読出し専用メモリであり、CPU11Aを動作させるプログラムなどを格納している。なお、読み書き自在の不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)が、ROM44に代えて使用されてもよい。
RAM(Random Access Memory )45は、読み書き自在の揮発性メモリであり、画像取得部12が取得した各種画像および疑似画像生成部16が生成する疑似画像などの一時的な記憶装置、およびCPU11Aの処理情報を一時的に記憶するワークメモリなどとして機能する。
記憶装置46は、例えば、フラッシュメモリなどの読み書き自在な不揮発性メモリやハードディスク装置等によって構成されており、情報処理装置200Aに対する設定情報などの各種情報を恒久的に記録する。
また、記憶装置46には格納部47が設けられており、格納部47は、さらにフィールド校正用情報格納部47a、駆動制御値対応情報格納部47b、パラメータ対応情報格納部47c、および三次元化パラメータ格納部47d(それぞれ図2)などの後述する各機能部を有している。
フィールド校正用情報格納部47aには、後述するズームカメラ32の焦点距離についてのフィールド校正に使用される基準焦点距離fsなどの各種情報が、操作部42またはステレオカメラ300A(300B)などから供給されて記憶されている。
なお、基準焦点距離fsとしては、後述するように、単焦点カメラ31の既知の焦点距離f1が採用される場合と、ズームカメラ32の撮像光学系9bが、そのズーム動作に係る駆動範囲のうち撮像光学系9bの光学的状態の再現性が高い、例えば、駆動範囲の端部の物理的な当り位置にあるときの既知の焦点距離が採用される場合とがある。
また、駆動制御値対応情報格納部47bには、ズームカメラ32の焦点距離を制御する駆動制御値51(図1、図2)と、ズームカメラ32の焦点距離との対応関係を表現した駆動制御値対応情報t1が、情報処理装置200Aに接続されたステレオカメラ300A(300B)から供給されて記憶されている。
また、パラメータ対応情報格納部47cには、ステレオカメラ300A(300B)のうちズームカメラ32の焦点距離と、校正されたズームカメラ32の各カメラパラメータとの対応関係を表現したパラメータ対応情報t2が、情報処理装置200Aに接続されたステレオカメラ300A(300B)から供給されて記憶されている。
なお、パラメータ対応情報t2は、ステレオカメラ300A(300B)の製造工程で行われる製造時校正によって生成されてステレオカメラ300A(300B)に格納された情報である。
また、三次元化パラメータ格納部47dには、単焦点カメラ31についてのカメラパラメータである第1カメラパラメータp1、ステレオカメラ300A(300B)の基線長bが、ステレオカメラ300A(300B)から供給されて記憶されている。
第1カメラパラメータp1と、基線長bとは、予め、ステレオカメラ300A(300B)の製造時校正によって取得され、ステレオカメラ300A(300B)内部の記憶部に記憶されている。
CPU(Central Processing Unit)11Aは、情報処理装置200Aの各機能部を統轄制御する制御処理装置であり、ROM44に格納されたプログラムに従った制御および処理を実行する。
CPU11Aは、後述するように、画像取得部12、焦点距離取得部13、カメラパラメータ取得部14、三次元化部15、疑似画像生成部16、およびズーム制御部17としても機能する。
CPU11Aは、これらの機能部によって、各種校正用の画像および立体視用画像生成の対象である被写体についてのステレオ画像などの取得、ズームカメラ32の焦点距離を制御する駆動制御値とズームカメラ32の焦点距離との対応関係を表現した駆動制御値対応情報t1のフィールド校正、ズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正、ならびにステレオカメラ300A(300B)の撮像動作およびズームカメラ32のズーム動作などの制御を行う。
また、CPU11Aは、ステレオカメラ300A(300B)が撮像した被写体の距離情報52の生成、距離情報52の生成に使用されるズームカメラ32についてのカメラパラメータである第2カメラパラメータp2の取得、ズームカメラ32が被写体について第2画像g2を撮像した第1の視点とは異なる仮想視点から仮想カメラが被写体を撮像したときの画像に対応した疑似画像53(図2)の生成、ならびに第2画像g2と疑似画像53とから成る立体視用画像組の表示部43への表示なども行う。
CPU11A、入出力部41、操作部42、表示部43、ROM44、RAM45、記憶装置46等のそれぞれは、信号線49を介して電気的に接続されている。したがって、CPU11Aは、例えば、入出力部41を介したステレオカメラ300A(300B)の制御およびステレオカメラ300A(300B)からの画像情報の取得、および表示部43への表示等を所定のタイミングで実行できる。
なお、図1に示される構成例では、画像取得部12、焦点距離取得部13、カメラパラメータ取得部14、三次元化部15、疑似画像生成部16、およびズーム制御部17の各機能部は、CPU11Aで所定のプログラムを実行することによって実現されているが、これらの各機能部はそれぞれ、例えば、専用のハードウェア回路などによって実現されてもよい。
<◎情報処理装置200Aの各機能部の動作について:>
図2は、実施形態に係る情報処理装置200Aの主な機能構成を例示するブロック図である。以下では、図2に示される情報処理装置200Aの各機能部の動作について説明する。
○画像取得部12の動作:
画像取得部12は、焦点距離が固定の単焦点カメラ31が被写体を撮像した第1画像g1と、焦点距離が可変のズームカメラ32が被写体を撮像した第2画像g2とを入出力部41を介して取得する。
立体視画像生成時には、画像取得部12は、第1画像g1を三次元化部15へと供給するとともに、第2画像g2を三次元化部15、疑似画像生成部16、および表示部43へと供給する。
また、ズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正時には、画像取得部12は、単焦点カメラ31が校正用対象物を撮像した画像、または、その撮像光学系9bが、物理的な当り位置に在るなど位置再現性が高い光学的状態にあり、かつ、焦点距離が既知の光学的状態にあるズームカメラ32が、校正用対象物を撮像した画像を基準画像1a(または、第1基準画像1bおよび第2基準画像1c)として取得する。
また、ズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正時には、画像取得部12は、ズームカメラ32が、ズーム動作によって上述した既知の光学的状態とは異なる光学的状態となったときにズームカメラ32が校正用対象物を撮像した画像を参照画像2a(または、第1参照画像2bおよび第2参照画像2c)として取得し、これらの画像を焦点距離取得部13に供給する。
なお、基準画像についての焦点距離は、ステレオカメラ300A(300B)から情報処理装置200Aへと供給されて、焦点距離のフィールド校正に必要な情報の1つである基準焦点距離fsとしてフィールド校正用情報格納部47aに記憶され、焦点距離のフィールド校正に使用される。
また、画像取得部12は、予め撮影されて記録媒体に保存された第1画像g1および第2画像g2を、入出力部41を介して取得してもよい。
○焦点距離取得部13の動作:
(a)ズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正での動作:
焦点距離取得部13は、ズームカメラ32の「焦点距離のフィールド校正」において、画像取得部12から供給された各基準画像および各参照画像とにおける校正用対象物の像サイズの情報、およびフィールド校正用情報格納部47aから供給された基準焦点距離fsなどの情報を用いて基準焦点距離fs(図2)の値をスケーリングする演算処理に基づいて、各参照画像が撮像されたときの参照焦点距離fm(図2)の値を取得する。
次に、焦点距離取得部13は、取得した参照焦点距離fmを、各参照画像を撮像したズームカメラ32についての校正時点の実際の焦点距離として取得する処理を行う。
(b)駆動制御値対応情報t1のフィールド校正での動作:
情報処理システム100Aにおいては、ズームカメラ32の撮像光学系9bの所定位置を検出する位置センサの検出特性の変動、駆動機構26のギアなどの摩耗、およびステレオカメラの姿勢変化などによる駆動機構26の変位などに起因して、パルス数または制御電圧などの駆動制御値と、該駆動制御値に対するズームカメラ32の焦点距離との関係を表現した駆動制御値対応情報t1が変動する。
そこで、焦点距離取得部13は、変動した駆動制御値対応情報t1を校正する「駆動制御値対応情報t1のフィールド校正」を行う。
駆動制御値対応情報t1のフィールド校正において、焦点距離取得部13は、先ず、所定の駆動制御値51に従ってズームされたズームカメラ32に対して焦点距離のフィールド校正を行うことによってズームカメラ32のフィールド校正時点の焦点距離を取得する。
次に、焦点距離取得部13は、ズーム制御部17から取得した駆動制御値51と、駆動制御値対応情報格納部47bから取得された駆動制御値対応情報t1とに基づいて駆動制御値51に対応する焦点距離を推定し、推定した焦点距離と、焦点距離のフィールド校正によって取得された焦点距離との差が、所定範囲内であるか否かをチェックする。
チェックの結果、この差が所定範囲を超える場合には、焦点距離取得部13は、ズームカメラ32の光学的状態が、駆動制御値対応情報t1が生成されたときの光学的状態から大きくずれていると判断し、他の駆動制御値についても同様に焦点距離のフィールド校正を行う。
焦点距離取得部13は、一連の焦点距離のフィールド校正によって新たに取得された各焦点距離を各駆動制御値51に対応させることによって駆動制御値対応情報t1を更新し、更新した駆動制御値対応情報t1を駆動制御値対応情報格納部47bに記憶するとともに、ステレオカメラ300A(300B)の内部の記憶部に記憶された駆動制御値対応情報t1も更新する。
(c)疑似画像生成時の動作:
焦点距離取得部13は、疑似画像生成時には、2種類の方法によってズームカメラ32の焦点距離を取得する。
・該2種類の方法のうち1つとして、焦点距離取得部13は、現時点の駆動制御値51に対応する焦点距離を駆動制御値対応情報t1に基づいて推定し、ズームカメラ32の焦点距離として取得する処理を行う(図18の動作フロー)。
・また、該2種類の方法のうち他の1つとして、焦点距離取得部13は、疑似画像生成用の画像の撮像時にズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正を行い、得られた焦点距離をズームカメラ32の焦点距離として取得する処理を行う(図19の動作フロー)。
該2種類の方法のうち1つの手法の選択は、例えば、予め操作部42から設定された動作モードなどに基づいて行われる。
取得されたズームカメラ32の焦点距離は、カメラパラメータ取得部14へと供給され、該焦点距離に対応したズームカメラ32のカメラパラメータの取得に供される。
○カメラパラメータ取得部14の動作:
カメラパラメータ取得部14は、疑似画像生成用の動作において、焦点距離取得部13から供給されたズームカメラ32の焦点距離と、パラメータ対応情報格納部47cに記録されたパラメータ対応情報t2とに基づいて、焦点距離に応じたズームカメラ32の各種カメラパラメータである第2カメラパラメータp2を取得して三次元化部15へと供給する。
なお、第2カメラパラメータp2としては、具体的には、歪曲収差補正係数、像中心位置7b(図3)、焦点距離、Skew(撮像光学系と撮像素子面との傾き)、および単焦点カメラ31とズームカメラ32との光学中心の位置ずれ量dのうち少なくとも1つが採用される。
○三次元化部15の動作:
三次元化部15は、カメラパラメータ取得部14からズームカメラ32についての第2カメラパラメータp2を取得するとともに、三次元化パラメータ格納部47dから、単焦点カメラ31についての各種カメラパラメータである第1カメラパラメータp1と、単焦点カメラ31とズームカメラ32の基線長bとを取得する。
三次元化部15は、取得した各パラメータを用いて画像取得部12から供給された立体視用画像の生成対象の被写体についての第1画像g1および第2画像g2から三角測量の原理によって被写体の距離情報52を取得し疑似画像生成部16に供給する。
○疑似画像生成部16の動作:
疑似画像生成部16は、被写体の第2画像g2と、被写体の距離情報52とを、画像取得部12と三次元化部15とからそれぞれ供給されて、これらの情報に基づいて、ズームカメラ32とは別の仮想視点に置かれた仮想カメラが被写体を撮像した画像に相当する疑似画像53を取得する。
より詳細には、疑似画像生成部16は、ズームカメラ32と仮想カメラのそれぞれについての焦点距離、画素数、および画素サイズなどの撮影パラメータと、ズームカメラ32と仮想カメラとの相互の位置および姿勢の関係である座標系情報とに基づいて、第2画像g2の画像上の各座標と、疑似画像53の画像上の各座標との対応関係を取得する。
次に、疑似画像生成部16は、該対応関係と第2画像g2の各画素の画素値に基づいて疑似画像53の各画素に画素値を付与することなどによって疑似画像53を生成する。なお、該撮影パラメータおよび該座標系情報は、格納部47に記憶されている。
疑似画像生成部16は、生成した疑似画像53を表示部43に供給し、表示部43においては、疑似画像53と、第2画像g2とが立体視用画像組としてそれぞれ表示される。
○ズーム制御部17の動作:
ズーム制御部17は、駆動制御値対応情報t1のフィールド校正時には、駆動制御値対応情報t1を規定している各駆動制御値51を、入出力部41を介してステレオカメラ300A(300B)へ供給し、ズームカメラ32の焦点距離を制御する。
また、ズーム制御部17は、ズームカメラ32に供給している駆動制御値51を焦点距離取得部13へも供給しており、焦点距離取得部13は、ズーム制御部17から供給された駆動制御値に対応する焦点距離を駆動制御値対応情報t1に基づいて取得する。
<◎焦点距離のフィールド校正について:>
次に、焦点距離取得部13が行うズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正について説明する。
情報処理システム100Aにおいては、上述したように、ステレオカメラ300Aおよび300B、さらにこれらから派生した構成、機能を有するステレオカメラを対象として、そのズームカメラ32が対象物の画像を撮像したときのズームカメラ32の焦点距離を校正する。
◎焦点距離のフィールド校正AおよびB:
焦点距離のフィールド校正Aは、例えば、ずれ量d(図3)が一定であるステレオカメラ300Aのうち、ずれ量dの値が零または略零であるステレオカメラ300A(以下、「ステレオカメラ300A1」と称する)におけるズームカメラ32などの焦点距離のフィールド校正である。
また、焦点距離のフィールド校正Bは、例えば、ずれ量d(図3)が一定であるステレオカメラ300Aのうち、ズームカメラ32の撮像光学系9bがズームに係る駆動範囲の端部などの構造的な当り位置、または、位置センサ等により撮像光学系9bの光学的状態を検出可能な位置などにおける撮像光学系9bの焦点距離f2の値が既知であり、その値をステレオカメラ内部に設けられた不図示の記憶部などを介して情報処理装置200Aに供給可能なステレオカメラ300A(以下、「ステレオカメラ300A2」と称する)におけるズームカメラ32などの焦点距離のフィールド校正である。
なお、撮像光学系9bの焦点距離f2の値が既知である上述した撮像光学系9bの位置(光学的状態)は、撮像光学系9bについての位置制御の再現性が高い位置である。
図4は、ステレオカメラ300A1における焦点距離のフィールド校正A用のデータの取得の1例を説明する図である。
図4では、ある未知の撮像距離に設置された実サイズが未知の1つの校正用対象物62が、ステレオカメラ300A1の各カメラのうち、焦点距離が既知の基準焦点距離fs(焦点距離f1)である単焦点カメラ31と、焦点距離が未知の参照焦点距離fmである該ズームカメラ32とのそれぞれによって1回ずつ測定されて基準画像1aおよび参照画像2aが得られている。
さらに図4では、ズームカメラ32の未知の参照焦点距離fmを求めるフィールド校正に使用するために、基準画像1aおよび参照画像2aのそれぞれにおける校正用対象物62の像サイズWsおよび像サイズWmが取得されている。
図4に示される主光線6aおよび6bは、校正用対象物62の外縁部からの反射光のうち光学中心3aおよび3bをそれぞれ通る各主光線である。
図4では、単焦点カメラ31およびズームカメラ32のそれぞれの光学中心3aおよび3b、撮像素子5aおよび撮像素子5b、ならびに校正用対象物62についての位置関係の把握を容易にするために、光軸4aと4b、光学中心3aと3b、主光線6aと6bをそれぞれ重ねて表示している。
図9は、ステレオカメラ300A2を用いて行われる焦点距離のフィールド校正B用のデータの取得の1例を説明する図である。
図9では、ある未知の撮像距離に設置された実サイズが未知の1つの校正用対象物62が、既知の基準焦点距離fsを持つ光学的状態に設定されたステレオカメラ300A2のズームカメラ32と、未知の参照焦点距離fmを持つ光学的状態に設定されたステレオカメラ300A2のズームカメラ32とによって1回ずつ測定されて基準画像1aおよび参照画像2aが得られている。
さらに図9では、ズームカメラ32の未知の参照焦点距離fmを求めるフィールド校正に使用するために、基準画像1aおよび参照画像2aのそれぞれにおける校正用対象物62の像サイズWsおよび像サイズWmが取得されている。
なお、図9における基準焦点距離fsは、ズームカメラ32の撮像光学系9bがズームに係る駆動範囲の端部などの構造的な当り位置、または、位置センサ等により撮像光学系9bの光学的状態を検出可能な位置などにおける撮像光学系9bの既知の焦点距離である。
図9に示される主光線6bは、校正用対象物62がズームカメラ32によって2回撮像されたときの校正用対象物62の外縁部からの反射光のうち光学中心3bを通る各主光線である。
図9では、焦点距離が既知の基準焦点距離fsであるズームカメラ32と、焦点距離が未知の参照焦点距離fmである該ズームカメラ32とのそれぞれの光学中心3b、撮像素子5b、および校正用対象物62についての位置関係の把握を容易にするために、基準画像1aと参照画像2aとのそれぞれの光軸4b、それぞれの光学中心3b、それぞれの主光線6bをそれぞれ重ねて表示している。
ここで、図5〜図8を用いて、図4の像サイズWsと像サイズWmとの取得について説明する。
図5および図6は、像サイズWsおよびWmの1例をそれぞれ示す図である。
図5および図6にそれぞれ示される基準画像1aおよび参照画像2aは、単焦点カメラ31およびズームカメラ32がそれぞれ球状の校正用対象物62(図4)を撮像した画像であり、像62sおよび像62mはそれぞれ、基準画像1aおよび参照画像2aにおける校正用対象物62の円形の像である。
また、像サイズWsは、像62sの直径であり、図6に示される像サイズWmは、像62mの直径である。
なお、像サイズWsおよびWmは、例えば、像62sおよび62mのそれぞれの外縁に対して円をフィッティングし、フッティングされた円の直径を取得する手法などによって求められる。
また、図7および図8は、図5および図6に示された例とは異なる像サイズWsおよびWmの他の1例をそれぞれ示す図である。
図7および図8にそれぞれ示される基準画像1aおよび参照画像2aは、単焦点カメラ31およびズームカメラ32がそれぞれ立方体状の校正用対象物68(図7、図8)を撮像した画像であり、像68sおよび像68mはそれぞれ、基準画像1aおよび参照画像2aにおける校正用対象物68の像である。
また、像54sおよび55sは、像68sにおける校正用対象物68の特徴部54および55(図7、図8)のそれぞれ像であり、像54mおよび55mは、像68mにおける特徴部54および55のそれぞれの像である。
焦点距離取得部13は、例えば、基準画像1aを対象としたエッジ検出処理などの画像処理を行うこと、または、表示部43に表示された像68sにおいて、操作者が操作部42を介して指示した像54sおよび55sの座標情報を取得することなどによって像54sおよび55sの座標情報を取得する。
次に、焦点距離取得部13は、例えば、SAD(Sum of Absolute Difference:差分絶対値和)法などを用いた対応点探索手法用いて像54sおよび55sにそれぞれ対応した参照画像2a上の像54mおよび55mを探索することなどによって像54mおよび55mの座標情報を取得する。
焦点距離取得部13は、像54sおよび55sのそれぞれの座標情報から像54sおよび55s間の距離を像サイズWsとして取得するとともに、同様に、像54mおよび55m間の距離を像サイズWmとして取得する。
このように校正用対象物の像の像サイズとして、像の全幅ではなく、像の一部分の像サイズを取得したとしても本発明の有用性を損なうものではない。
なお、図5〜図8を用いて上述した像サイズWsと像サイズWmとの取得手法は、本明細書において説明する他のフィールド校正B〜Fにおける各像サイズの取得においても、同様に適用される。
フィールド校正Aまたはフィールド校正Bにおいて、像サイズWsおよび像サイズWmが取得されると、参照焦点距離fmは、上述した各手法などによって取得された像サイズWsおよび像サイズWmと、フィールド校正用情報格納部47aに格納された基準焦点距離fsとを用いて(1)式によって与えられる。
Figure 0005327381
なお、フィールド校正Aにおける参照焦点距離fmの演算式は、(1)式に限定されず、例えば、サイズWsおよびWmの歪曲収差補正係数、基準画像1aおよび参照画像2aの平行化処理のための係数などが、所望される参照焦点距離fmの精度に応じて(1)式に適宜付加して使用したとしても本発明の有用性を損なうものではない。また、後述する(2)式〜(5)式についても同様である。
次にフィールド校正Aおよびフィールド校正Bに係る情報処理装置200Aの動作フローについて説明する。
図20は、後述する図16または図19の動作フローのうちズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正(ステップS240)に係る動作フローの1例を示す図であり、上述したフィールド校正Aおよびフィールド校正Bに対応した動作フローの1例を示す図でもある。
また、図24は、図20の動作フローのうちフィールド校正Aにおける基準画像1aと参照画像2aとの取得(ステップS510)に係る動作フローの1例を示す図である。
ステレオカメラ300A1が情報処理装置200Aに接続された状態で、図20に示される処理が開始されると、ステレオカメラ300A1についての特定情報に基づいて、ステップS510の基準画像1aと参照画像2aとの取得の処理が開始され、処理は、図24のステップS610に移される。
ステップS610においては、CPU11Aの制御によってステレオカメラ300A1の各カメラが、ある位置に設置されたサイズが未知の校正用対象物62を1回ずつ測定する。
なお、このときズームカメラ32の撮像光学系9bは、ズーム制御部17の制御によって未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に設定されている。
また、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像においては、校正用対象物62と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で撮像が行われる。
ステレオカメラ300A1では、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像を同時または略同時に行うことなどによって、校正用対象物62と、撮像系との空間的な関係を保った校正用対象物62の撮像を行う。
次に、焦点距離取得部13は、ステレオカメラ300A1の単焦点カメラ31が撮像した画像(第1画像g1)と、ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)とをそれぞれ基準画像1a(図4)と参照画像2a(図4)として取得する(ステップS612)。
基準画像1aおよび参照画像2aが取得されると、第1演算処理(図20のS520)が開始され、処理は、図30のステップS10へと移される。
図25は、図20の動作フローのうちフィールド校正Bにおける基準画像1aと参照画像2aとの取得(ステップS512)に係る動作フローの1例を示す図である。
ステレオカメラ300A2が情報処理装置200Aに接続された状態で、図20に示される処理が開始されると、ステレオカメラ300A2についての特定情報に基づいて、ステップS512の基準画像1aと参照画像2aとの取得の処理が開始され、処理は、図25のステップS614に移される。
ステップS614においては、先ず、ズーム制御部17は、ステレオカメラ300A2のズームカメラ32のズーミングを制御して、撮像光学系9aの状態を、既知の基準焦点距離fs(図9)を持つ光学的状態に変動させる。
次に、CPU11Aの制御によって該ズームカメラ32は、ある位置に設置されたサイズが未知の校正用対象物62を1回測定する。
次に、焦点距離取得部13は、該ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)を基準画像1a(図9)として取得する。
次に、ズーム制御部17は、ズームカメラ32のズーミングを制御して撮像光学系9bを、未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に設定する。
次に、CPU11Aの制御によってズームカメラ32が校正用対象物62を測定し、焦点距離取得部13は、測定された画像(第2画像g2)を参照画像2aとして取得する(ステップS616)。
なお、フィールド校正Bにおいても、校正用対象物と、各撮像系との空間的な関係を保った状態で基準画像1aと参照画像2aとの取得を行うために、ステレオカメラ300A2に対して校正用対象物62が相対的に静止した状態で、撮像が行われる。
また、ここでは、基準画像1aを先に撮像する例を説明したが、参照画像2aを先に撮像しても本発明の有用性を損なうものではない。
基準画像1aおよび参照画像2aが取得されると、処理は、第1演算処理(図20のS520)へと移され、さらに図30のステップS10へと移される。
図30は、図20の動作フローのうち第1演算処理(ステップS520)に係る動作フローの1例を示す図である。
先ず、焦点距離取得部13は、基準画像1aについての焦点距離である基準焦点距離fs(図2、図4、図9)をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS10)。
次に、焦点距離取得部13は、基準画像1aにおける校正用対象物62(図4、図9)の像62s(図4、図9)の像サイズWs(図4、図9)を測定する(ステップS12)。
また、焦点距離取得部13は、参照画像2aのうち像62sに対応した像62m(図4、図9)の像サイズWm(図4、図9)を測定する(ステップS14)。
次に、焦点距離取得部13は、(1)式に基づいて参照画像2aについての焦点距離である参照焦点距離fm(図2、図4、図9)を取得する(ステップS16)。
次に、処理は図20に戻されて、焦点距離取得部13は、得られた参照焦点距離fmをステレオカメラ300A1または300A2におけるズームカメラ32の焦点距離として取得する(ステップS530)。
フィールド校正Aまたはフィールド校正Bによれば、実サイズが未知の校正用対象物が未知の撮像距離において、撮像系との空間的な関係が保たれた状態で撮像されて基準画像1aおよび参照画像2aが取得される。
そして、基準画像1aおよび参照画像2aにおける校正用対象物62の像サイズWsおよびWmを用いて、(1)式、すなわち、基準焦点距離fsの値をスケーリングする演算処理を行うことにより、参照焦点距離fmの値が取得される。
したがって、フィールド校正Aまたはフィールド校正Bによれば、ズームカメラを備えたステレオカメラにおいて、基準画像を得たとき既知の基準焦点距離fsを持つ撮像光学系の光学中心と、参照画像を得たときの未知の参照焦点距離fmを持つ撮像光学系の光学中心との光軸方向における位置が等しい、または略等しくなる場合に、校正対象物の撮像距離および実サイズの情報を必要としない簡素な測定環境で短時間に取得できる校正用のデータに基づいて、高速に参照焦点距離fmを取得することができ、使用現場でのステレオカメラの校正頻度を高めることができる。
また、フィールド校正Aによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが撮像に用いられるので、基準画像1aと第1基準画像1bとを同時または略同時に測定することができる。
したがって、校正用対象物62と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で基準画像1aと第1基準画像1bを取得することができ、参照焦点距離fmの取得精度を向上させることができる。
また、フィールド校正Aによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に校正用対象物を撮像できるので動体を校正用対象物として採用することができる。
また、フィールド校正Aによれば、校正用対象物62における同一サイズの部位をそれぞれ1回ずつ単焦点カメラ31とズームカメラ32とで同時または略同時に撮像することによって校正用の画像データが取得できるので、疑似画像53の生成の対象となる被写体自体が、例えば、図7および図8で説明した手法などを適用可能な特徴部を有している場合には、該被写体自体を校正用対象物として採用することができる。
◎焦点距離のフィールド校正C:
焦点距離のフィールド校正Cは、例えば、ズームカメラ32のズームによってずれ量d(図3)が変動するステレオカメラ300Bのうち、撮像時のずれ量dの値を検出して情報処理装置200Aへと供給可能なステレオカメラ300B(以下、「ステレオカメラ300B1」と称する)におけるズームカメラ32などの焦点距離のフィールド校正として行われる。
なお、フィールド校正Cの対象は、ステレオカメラ300B1に限定されず、ステレオカメラ300Aおよび300Bのうち、撮像時のずれ量dの値を情報処理装置200Aが取得可能なステレオカメラであれば、フィールド校正Cの適用対象となる。
図10は、ステレオカメラ300B1におけるズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正C用のデータの取得の1例を説明する図である。
図10では、ある未知の撮像距離に設置された実サイズが既知の1つの校正用対象物63が、ステレオカメラ300B1の各カメラのうち、焦点距離が既知の基準焦点距離fs(焦点距離f1)である単焦点カメラ31と、焦点距離が未知の参照焦点距離fmである該ズームカメラ32とのそれぞれによって1回ずつ測定されて基準画像1aおよび参照画像2aが得られている。
さらに、図10では、ズームカメラ32の未知の参照焦点距離fmを求めるフィールド校正に使用するために、基準画像1aおよび参照画像2aのそれぞれにおける校正用対象物63の像サイズWsおよび像サイズWmが取得される様子が示されている。
図10に示される主光線6aおよび6bは、校正用対象物63の外縁部からの反射光のうち光学中心3aおよび3bをそれぞれ通る各主光線である。
ここで、ずれ量dは、例えば、ズームの駆動制御値51に応じたずれ量dの値を表現した情報と、撮像時の駆動制御値51とに基づいて推定されるずれ量dの値、または、予め操作部42を介して格納部47に記憶されたずれ量dの既知の値などである。
なお、図10〜図12においては、単焦点カメラ31の光学中心3aがズームカメラ32の光学中心3bよりも校正用対象物に近い例が表示されているが、光学中心3bが光学中心3aよりも校正用対象物に近い場合でも本願発明の有用性を損なうものではない。
また、校正用対象物63は、実サイズSが既知である対象物であり、実サイズSの値は、予めフィールド校正用情報格納部47aに格納されている。
校正用対象物63としては、具体的には、専用設計された校正用チャートの他、例えば、コインまたはペットボトルのキャップなどの円筒状の大きさ(直径)が規格化されたものを採用することができる。
校正用対象物63は、単焦点カメラ31とズームカメラ32とのそれぞれによって一回ずつ撮像されており、単焦点カメラ31が撮像素子5aを用いて撮像したときには、校正用対象物63の像63sは、第1基準画像1bに形成され、その像サイズは、像サイズWsである。
また、校正用対象物63をズームカメラ32が撮像素子5bを用いて撮像したときには、校正用対象物63の像63mは、参照画像2aに形成され、その像サイズは、像サイズWmである。
なお、像サイズWsおよびWmの取得については、フィールド校正Aと同様に行うことができる。
図10では、単焦点カメラ31およびズームカメラ32のそれぞれの光学中心3aおよび3b、撮像素子5aおよび撮像素子5b、ならびに校正用対象物63についての位置関係の把握を容易にするために、光軸4aおよび4bが一致するように表示されている。
フィールド校正Cにおいて、像サイズWsおよびWm、実サイズS、ならびにずれ量dが取得されると、参照焦点距離fmは(2)式によって与えられる。
Figure 0005327381
なお、フィールド校正Aにおける参照焦点距離fmの演算式は、(2)式に限定されず各種補正係数等を追加等可能であることは(1)式と同様である。
次にフィールド校正Cに係る情報処理装置200Aの動作フローについて説明する。
図21は、後述する図16または図19の動作フローのうちズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正(ステップS242)に係る動作フローの1例を示す図であり、上述したフィールド校正Cに対応した動作フローの1例を示す図でもある。
また、図26は、図21の動作フローのうちフィールド校正Cにおける基準画像1aと参照画像2aとの取得(ステップS514)に係る動作フローの1例を示す図である。
ステレオカメラ300B1が情報処理装置200Aに接続された状態で、図21に示される処理が開始されると、ステレオカメラ300B1についての特定情報に基づいて、ステップS514の基準画像1aと参照画像2aとの取得の処理が開始され、処理は、図26のステップS618に移される。
ステップS618においては、CPU11Aの制御によってステレオカメラ300B1の各カメラが、ある位置に設置されたサイズが既知の校正用対象物63を1回ずつ測定する。
なお、このときズームカメラ32の撮像光学系9bは、ズーム制御部17の制御によって未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に設定されている。
また、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像動作においては、フィールド校正Aと同様に校正用対象物63と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で撮像が行われる。
次に、焦点距離取得部13は、ステレオカメラ300B1の単焦点カメラ31が撮像した画像(第1画像g1)と、ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)とをそれぞれ基準画像1a(図10)と参照画像2a(図10)として取得する(ステップS620)。
基準画像1aおよび参照画像2aが取得されると、第2演算処理(図21のS524)が開始され、処理は、図31のステップS32へと移される。
図31は、図21の動作フローのうち第2演算処理(ステップS524)に係る動作フローの1例を示す図である。
先ず、焦点距離取得部13は、基準画像1aについての焦点距離である基準焦点距離fs(図2、図10)をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS32)。
次に、焦点距離取得部13は、基準画像1aを撮像した単焦点カメラ31の撮像光学系9aの光軸4a方向における光学中心3aと、参照画像2aを撮影したズームカメラ32の撮像光学系9bの光軸4b方向の光学中心3bとのずれ量d(図10)を、フィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS34)。
次に、焦点距離取得部13は、校正用対象物63(図10)の所定部分の実サイズS(図10)をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS36)。
次に、焦点距離取得部13は、基準画像1aのうち、校正用対象物63の該所定部分に対応した像63sの像サイズWs(図10)を測定する(ステップS38)。
次に、焦点距離取得部13は、参照画像2aのうち像63sに対応した像63mの像サイズWm(図10)を測定する(ステップS40)。
次に、焦点距離取得部13は、(2)式に基づいて参照画像2aについての焦点距離である参照焦点距離fm(図10)を取得する(ステップS42)。
参照焦点距離fmが取得されると、処理は図21に戻されて、焦点距離取得部13は、得られた参照焦点距離fmをステレオカメラ300B1におけるズームカメラ32の焦点距離として取得する(ステップS534)。
フィールド校正Cによれば、実サイズが知の校正用対象物が未知の撮像距離において、撮像系との空間的な関係が保たれた状態でステレオカメラ300B1の単焦点カメラ31およびズームカメラ32のそれぞれによって1回ずつ撮像されて基準画像1aおよび参照画像2aが取得される。
そして、基準画像1aおよび参照画像2aにおける校正用対象物62の像サイズWsおよびWmと、校正用対象物63の実サイズS、ならびに既知のずれ量dを用いて(2)式、すなわち、基準焦点距離fsの値をスケーリングする演算処理を行うことにより、参照焦点距離fmの値が取得される。
したがって、フィールド校正Cによれば、ズームカメラを備えたステレオカメラにおいて、基準画像を得たとき既知の基準焦点距離fsを持つ撮像光学系の光学中心と、参照画像を得たときの未知の参照焦点距離fmを持つ撮像光学系の光学中心とのずれ量dが既知であり、校正用対象物の実サイズが既知である場合には、校正対象物の撮像距離の情報を必要としない簡素な測定環境で短時間に取得できる校正用のデータに基づいて、高速に参照焦点距離fmを取得することができ、使用現場でのステレオカメラの校正頻度を高めることができる。
また、フィールド校正Cによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが撮像に用いられるので、基準画像1aと第1基準画像1bとを同時または略同時に測定することができる。
従って、校正用対象物63と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で基準画像1aと第1基準画像1bを取得することができ、参照焦点距離fmの取得精度を向上させることができる。
また、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に校正用対象物を撮像できるので動体を校正用対象物として採用することができる。
また、フィールド校正Cによれば、校正用対象物63における既知サイズの所定部位をそれぞれ1回ずつ単焦点カメラ31とズームカメラ32とで同時または略同時に撮像することによって校正用の画像データが取得できるので、疑似画像53の生成の対象となる被写体自体が、図7および図8で説明した手法を適用可能な特徴部を有している場合には、該被写体自体を校正用対象物として採用することができる。
なお、ステレオカメラ300B1においては、ステレオカメラ300A2についてのフィールド校正Bと同様に、基準画像1aを撮像する撮像装置として、単焦点カメラ31に代えて、撮像光学系9bの駆動範囲の端部または、近接スイッチ位置などの撮像光学系9bの位置制御の再現性が高いポジションであって、かつ、撮像光学系9bの焦点距離が既知であるズームカメラ32を採用したとしても、本発明の有用性を損なうものではない。
◎焦点距離のフィールド校正DおよびE:
焦点距離のフィールド校正Dは、例えば、ずれ量d(図3)が変動するステレオカメラ300Bにおけるズームカメラ32などの焦点距離のフィールド校正である。
また、焦点距離のフィールド校正Eは、例えば、ずれ量d(図3)が変動するステレオカメラ300Bのうち、ズームカメラ32の撮像光学系9bがズームに係る駆動範囲の端部などの構造的な当り位置、または、位置センサ等により撮像光学系9bの光学的状態を検出可能な位置などにおける撮像光学系9bの焦点距離f2の値が既知であり、その値をステレオカメラ内部に設けられた不図示の記憶部などを介して情報処理装置200Aに供給可能なステレオカメラ300B(以下、「ステレオカメラ300B2」と称する)におけるズームカメラ32などの焦点距離のフィールド校正である。
なお、撮像光学系9bの焦点距離f2の値が既知である上述した撮像光学系9bの位置(光学的状態)は、撮像光学系9bについての位置制御の再現性が高い位置である。
図11は、ステレオカメラ300B(図3)における焦点距離のフィールド校正D用のデータの取得の1例を説明する図である。
図11では、1つの校正用対象物64が、互いに異なる2つの未知の撮像距離に設置されて、各撮像距離毎にステレオカメラ300Bの各カメラのそれぞれによって1回ずつ測定され、合計4枚の画像がフィールド校正用に測定される様子が、各カメラの光学中心3a、3bの配置関係を分かりやすく表示するために、1つの図に表示されている。
さらに、図11の表示においては、図11の左側に表示された校正用対象物64およびステレオカメラ300Bと、図11の右側に表示された校正用対象物64およびステレオカメラ300Bとのそれぞれについて、単焦点カメラ31およびズームカメラ32のそれぞれの光学中心3aおよび3b、撮像素子5aおよび撮像素子5b、ならびに校正用対象物6についての位置関係の把握を容易にするために、光軸4aおよび4bが一致するように表示されている。
図11に示される主光線6aおよび6bは、2つの異なる撮像距離に設置された各校正用対象物64のそれぞれの外縁部からの反射光のうち光学中心3aおよび3bをそれぞれ通る各主光線である。
ここでは、先ず、図11の左側に表示された校正用対象物64を撮像するステレオカメラ300Bから説明する。
図11の左側の図において、第1基準画像1bは、単焦点カメラ31が校正用対象物64を撮像素子5aによって撮像した画像であり、像64s1は、第1基準画像1bにおける校正用対象物64の像である。また、像サイズWs1は、像64s1の像サイズである。
また、第1参照画像2bは、ズームカメラ32が校正用対象物64を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像64m1は、第1参照画像2bにおける校正用対象物64の像である。像64m1の像サイズは像サイズWm1である。
ここで、第1基準画像1bと第1参照画像2bとは、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に撮像を行うことによって、校正用対象物64と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係が保たれた状態で撮像が行われている。
次に、図11の右側に表示された校正用対象物64を撮像するステレオカメラ300Bについて説明する。
なお、図11の右側の図に表示された校正用対象物64は、図11の左側に表示された校正用対象物64に対してZ軸方向の負側に配置されており、図11の左側の校正用対象物64よりも近い撮像距離で撮像されている。
なお、図11の右側の図に表示された校正用対象物64が、図11の左側に表示された校正用対象物64に対してZ軸方向の正側に配置されてもよい。
図11の右側の図において、第2基準画像1cは、単焦点カメラ31が校正用対象物64を撮像素子5aによって撮像した画像であり、像64s2は、第2基準画像1cにおける校正用対象物64の像である。また、像64s2の像サイズは像サイズWs2である。
また、第2参照画像2cは、ズームカメラ32が校正用対象物64を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像64m2は、第2参照画像2cにおける校正用対象物64の像である。像64m2から測定された像サイズは像サイズWm2である。
ここで、第2基準画像1cと第2参照画像2cとは、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に撮像を行うことによって、校正用対象物64と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係が保たれた状態で撮像が行われている。
なお、図11では、1つの校正用対象物64が2つの異なる撮像距離に設置されて、撮像距離毎に順次に、ステレオカメラ300Bによる撮像が行われているが、相互に異なる撮像距離に設置された同一または略同一サイズの2つの校正用対象物の両方を、ステレオカメラ300Bの単焦点カメラ31とズームカメラ32とのそれぞれによって1回ずつ撮像したとしても、撮像された計2つの画像から上述した像サイズWs1およびWs2、ならびに像サイズWm1およびWm2を取得することができるので本発明の有用性を損なうものではない。
図12は、ステレオカメラ300B2を用いて行われる焦点距離のフィールド校正E用のデータの取得の1例を説明する図である。
図12では、1つの校正用対象物64が、互いに異なる2つの未知の撮像距離に設置されて、各撮像距離毎に校正用対象物64がステレオカメラ300Bのうちズームカメラ32のみによって2回ずつ測定され、合計4枚の画像がフィールド校正用に測定される様子が、各カメラの光学中心3a、3bの配置関係を分かりやすく表示するために、図11と同様に1つの図に表示されている。
なお、ズームカメラ32は、ズームカメラ32が撮像光学系9bの駆動範囲の端部または、近接スイッチ位置などの撮像光学系9bの位置制御の再現性が高いポジションであって、かつ、焦点距離が既知の基準焦点距離fsである光学的状態と、ズーミングによって焦点距離が未知の参照焦点距離fmである光学的状態とのそれぞれの光学的状態において校正用対象物64の撮像に使用されている。
さらに、図12の表示においては、図12の左側に表示された校正用対象物64およびズームカメラ32と、図12の右側に表示された校正用対象物64およびズームカメラ32とのそれぞれについて、異なる2つ焦点距離を持つズームカメラ32のそれぞれ各光学中心3b、撮像素子5b、ならびに校正用対象物64についての位置関係の把握を容易にするために、異なる2つの焦点距離についての光軸4bが一致するように表示されている。
図12の左側の図において、第1基準画像1bは、既知の基準焦点距離fsをもつズームカメラ32が校正用対象物64を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像64s1は、第1基準画像1bにおける校正用対象物64の像である。また、像サイズWs1は、像64s1の像サイズである。
また、第1参照画像2bは、未知の参照焦点距離fmをもつズームカメラ32が校正用対象物64を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像64m1は、第1参照画像2bにおける校正用対象物64の像である。また、像64m1の像サイズは像サイズWm1である。
ここで、第1基準画像1bと第1参照画像2bとは、例えば、校正用対象物64がズームカメラ32に対して相対的に静止した状態で、各焦点距離を持つズームカメラ32が撮像を行うことによって、校正用対象物64と、撮像系(ズームカメラ32)との空間的な関係が保たれた状態で撮像が行われている。
次に、図12の右側に表示された校正用対象物64を撮像するステレオカメラ300Bについて説明する。
なお、図12の右側の図に表示された校正用対象物64は、図11の場合と同様に、図12の左側の校正用対象物64よりも近い撮像距離で撮像されている。
図12の右側の図において、第2基準画像1cは、既知の基準焦点距離fを持つズームカメラ32が校正用対象物64を撮像素子5によって撮像した画像であり、像64s2は、第2基準画像1cにおける校正用対象物64の像である。また、像64s2の像サイズは像サイズWs2である。
また、第2参照画像2cは、知の参照焦点距離fmを持つズームカメラ32が校正用対象物64を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像64m2は、第2参照画像2cにおける校正用対象物64の像である。像64m2から測定された像サイズは像サイズWm2である。
ここで、図12の左側の場合と同様にして、校正用対象物64と、撮像系(ズームカメラ32)との空間的な関係が保たれた状態で撮像が行われている。
また、図12においても、図11の場合と同様に、異なる焦点距離を持つズームカメラ32の光学的状態毎に、それぞれ異なる撮像距離に配置された同一またはほぼ同一サイズの2つの校正用対象物を同時に撮像したとしても本発明の有用性を損なうものではない。
フィールド校正Dまたはフィールド校正Eにおいて、像サイズWs1、Ws2、Wm1、およびWm2が取得されると、参照焦点距離fmは、各像サイズと、フィールド校正用情報格納部47aに格納された基準焦点距離fsとを用いて(3)式によって与えられる。
Figure 0005327381
なお、フィールド校正DおよびEにおける参照焦点距離fmの演算式は、(3)式に限定されず、フィールド校正Aと同様に、例えば、歪曲収差補正係数、平行化処理のための係数などを、所望される参照焦点距離fmの精度に応じて(3)式に適宜付加したとしても本発明の有用性を損なうものではない。
次にフィールド校正DおよびEに係る情報処理装置200Aの動作フローについて説明する。
図22は、後述する図16または図19の動作フローのうちズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正(ステップS244)に係る動作フローの1例を示す図であり、上述したフィールド校正DおよびEに対応した動作フローの1例を示す図でもある。
また、図27は、図22の動作フローのうちフィールド校正Dにおける第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2bおよび第2参照画像2cの取得(ステップS516)に係る動作フローの1例を示す図である。
ステレオカメラ300Bが情報処理装置200Aに接続された状態で、図20に示される処理が開始されると、ステレオカメラ300Bについての特定情報に基づいて、CPU11Aがフィールド校正DまたはF(後述)の実施が可能であることを表示部43に表示し、操作者がフィールド校正Dを選択した校正手法特定情報に従って、ステップS516における各画像の取得の処理が開始され、処理は、図27のステップS622に移される。
ステップS622においては、CPU11Aの制御によってステレオカメラ300Bの各カメラが、ある位置に設置されたサイズが未知の校正用対象物64を1回ずつ測定する。
なお、このときズームカメラ32の撮像光学系9bは、ズーム制御部17の制御によって未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に設定されている。
また、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像においては、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像を同時または略同時に行うことなどによって、校正用対象物64と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で撮像が行われる。
次に、焦点距離取得部13は、ステレオカメラ300A1の単焦点カメラ31が撮像した画像(第1画像g1)と、ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)とをそれぞれ第1基準画像1b(図11)と第1参照画像2b(図11)として取得する(ステップS624)。
次に、CPU11Aの制御によりステレオカメラ300Aの各カメラが設置位置が移動された該校正用対象物を1回ずつ測定する(ステップS626)。
次に、焦点距離取得部13は、単焦点カメラ31が撮像した画像を第2基準画像1として、ズームカメラ32が撮像した画像を第2参照画像2として取得する(ステップS628)。
第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2b、および第2参照画像2cが取得されると、第3演算処理(図22のステップS522)が開始され、処理は、図32のステップS20へと移される。
また、図28は、図22の動作フローのうちフィールド校正Eにおける第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2bおよび第2参照画像2cの取得(ステップS517)に係る動作フローの1例を示す図である。
ステレオカメラ300B2が情報処理装置200Aに接続された状態で、図22に示される処理が開始されると、ステレオカメラ300B2についての特定情報に基づいて、ステップS517の第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2bおよび第2参照画像2cの取得の処理が開始され、処理は、図28のステップS630に移される。
ステップS630においては、先ず、ズーム制御部17は、ステレオカメラ300B2のズームカメラ32のズーミングを制御して、撮像光学系9bの状態を、既知の基準焦点距離fs(図12)を持つ光学的状態に変動させる。
次に、CPU11Aの制御によって該ズームカメラ32は、ある位置に設置されたサイズが未知の校正用対象物64を1回測定する。
次に、焦点距離取得部13は、該ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)を第1基準画像1b(図12)として取得する。
次に、ズーム制御部17は、ズームカメラ32のズーミングを制御して撮像光学系9bを、未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に設定する。
次に、CPU11Aの制御によってズームカメラ32が校正用対象物64を測定し、焦点距離取得部13は、測定された画像(第2画像g2)を第1参照画像2bとして取得する(ステップS632)。
なお、フィールド校正Eにおいても、校正用対象物と、各撮像系との空間的な関係を保った状態で第1基準画像1bと第1参照画像2bとの取得を行うために、校正用対象物64がズームカメラ32に対して相対的に静止した状態で、第1基準画像1bと第1参照画像2bとが撮像される。
また、ここでは、第1基準画像1bを先に撮像する例を説明したが、第1参照画像2bを先に撮像しても本発明の有用性を損なうものではない。
次に、ズーム制御部17は、ステレオカメラ300B2のズームカメラ32のズーミングを制御して、撮像光学系9bの状態を、既知の基準焦点距離fs(図12)を持つ光学的状態に再度変動させる。
次に、CPU11Aの制御によって該ズームカメラ32は、異なる撮像位置に設置された校正用対象物64を1回測定し、焦点距離取得部13は、該ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)を第2基準画像1c(図12)として取得する(ステップS634)。
次に、ズーム制御部17は、ズームカメラ32のズーミングを制御して撮像光学系9bを、未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に再度設定する。
次に、CPU11Aの制御によってズームカメラ32が校正用対象物64を測定し、焦点距離取得部13は、測定された画像(第2画像g2)を第2参照画像2cとして取得する(ステップS636)。
なお、フィールド校正Eにおいても、校正用対象物と、各撮像系との空間的な関係を保った状態で第2基準画像1cと第2参照画像2cとの取得を行うために、校正用対象物64がズームカメラ32に対して相対的に静止した状態で、第2基準画像1cと第2参照画像2cとが撮像される。
また、ここでは、第2基準画像1cを先に撮像する例を説明したが、第2参照画像2cを先に撮像しても本発明の有用性を損なうものではない。
第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2b、および第2参照画像2cが取得されると、第3演算処理(図22のステップS522)が開始され、処理は、図32のステップS20へと移される。
図32は、図22の動作フローのうち第3演算処理(ステップS522)に係る動作フローの1例を示す図である。
先ず、焦点距離取得部13は、第1基準画像1b(図2、図11、図12)および第2基準画像1c(図2、図11、図12)についての焦点距離である基準焦点距離fs(図2、図11、図12)をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS20)。
次に、焦点距離取得部13は、第1基準画像1bにおける校正用対象物64(図11、図12)の像64s1(図11、図12)の像サイズWs1(図11、図12)を測定する(ステップS22)。
次に、焦点距離取得部13は、第1参照画像2bのうち像64s1に対応した像64m1(図11、図12)の像サイズWm1(図11、図12)を測定する(ステップS24)。
次に、焦点距離取得部13は、第2基準画像1cにおける校正用対象物64の像64s2(図11、図12)の像サイズWs2(図11、図12)を測定する(ステップS26)。
次に、焦点距離取得部13は、第2参照画像2cのうち像64s2に対応した像64m2の像サイズWm2(図11、図12)を測定する(ステップS28)。
次に、焦点距離取得部13は、(3)式に基づいて各参照画像についての焦点距離である参照焦点距離fmを取得する(ステップS30)。
次に、処理は図22に戻されて、焦点距離取得部13は、得られた参照焦点距離fmをステレオカメラ300Bまたは300B2におけるズームカメラ32の焦点距離として取得する(ステップS532)。
フィールド校正Dまたはフィールド校正Eによれば、実サイズが未知の校正用対象物64が異なる2つの未知の撮像距離のそれぞれにおいて撮像系との空間的な関係が保たれた状態で撮像されて第1基準画像1bおよび第1参照画像2bと、第2基準画像1cおよび第2参照画像2cとが取得される。
そして、第1基準画像1bおよび第1参照画像2bにおける校正用対象物64の像サイズWs1およびWm1と、第2基準画像1cおよび第2参照画像2cとにおける校正用対象物64の像サイズWs2およびWm2とを用いて、(3)式、すなわち、基準焦点距離fsの値をスケーリングする演算処理を行うことにより、参照焦点距離fmの値を取得できる。
したがって、フィールド校正Dまたはフィールド校正Eによれば、ズームカメラを備えたステレオカメラにおいて、基準画像を得たとき既知の基準焦点距離fsを持つ撮像光学系の光学中心と、参照画像を得たときの未知の参照焦点距離fmを持つ撮像光学系の光学中心とのずれ量dが未知である場合でも、校正対象物の撮像距離および実サイズの情報を必要としない簡素な測定環境で短時間に取得できる校正用のデータに基づいて、高速に参照焦点距離fmを取得することができ、使用現場でのステレオカメラの校正頻度を高めることができる。
フィールド校正Dによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが撮像に用いられるので、第1基準画像1bおよび第1参照画像2b、ならびに第2基準画像1cおよび第2参照画像2cのそれぞれを同時または略同時に測定することができる。
従って、校正用対象物64と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で基準画像1aと第1基準画像1bを取得することが容易となり、参照焦点距離fmの取得精度を向上させることができる。
また、フィールド校正Dによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に校正用対象物を撮像できるので動体を校正用対象物として採用することができる。
また、フィールド校正Dによれば、校正用対象物64における同一サイズの部位を、校正用対象物64が異なる位置に置かれた状態で、それぞれ1回ずつ単焦点カメラ31とズームカメラ32とで同時または略同時に撮像することによって校正用の画像データが取得できるので、疑似画像53の生成の対象となる被写体自体が、例えば、図7および図8で説明した手法を適用可能な特徴部を有している場合などには、該被写体自体を校正用対象物として採用することができ、校正頻度を向上させることができる。
◎焦点距離のフィールド校正F:
焦点距離のフィールド校正Fは、フィールド校正Dと同様に、ずれ量d(図3)が変動するステレオカメラ300Bにおけるズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正である。ただし、フィールド校正Fでは、ずれ量dの値も取得することができる。
図13は、ステレオカメラ300B(図3)における焦点距離のフィールド校正F用のデータの取得の1例を説明する図である。
図13では、実サイズが既知の実サイズS1である第1校正用対象物66と、実サイズが既知の実サイズS2である第2校正用対象物67とが、互いに異なる2つの未知の撮像距離に設置されて、各校正用対象物毎にステレオカメラ300Bの各カメラのそれぞれによって1回ずつ測定され、合計4枚の画像がフィールド校正用に測定される様子が、各カメラの光学中心3a、3bの配置関係を分かりやすく表示するために、1つの図に表示されている。
さらに、図13の表示においては、図13の左側に表示された第1校正用対象物66およびステレオカメラ300Bと、図13の右側に表示された第2校正用対象物67およびステレオカメラ300Bとのそれぞれについて、単焦点カメラ31およびズームカメラ32のそれぞれの光学中心3aおよび3b、撮像素子5aおよび撮像素子5b、ならびに各校正用対象物についての位置関係の把握を容易にするために、光軸4aおよび4bが一致するように表示されている。
図13に示される主光線6aおよび6bは、2つの異なる撮像距離に設置された第1および第2校正用対象物66および67のそれぞれの外縁部からの反射光のうち光学中心3aおよび3bをそれぞれ通る各主光線である。
ここでは、先ず、図13の左側に表示された第1校正用対象物66を撮像するステレオカメラ300Bから説明する。
図13の左側の図において、第1基準画像1bは、単焦点カメラ31が第1校正用対象物66を撮像素子5aによって撮像した画像であり、像66s1は、第1基準画像1bにおける第1第1校正用対象物66の像である。また、像サイズWs1は、像66s1の像サイズである。
また、第1参照画像2bは、ズームカメラ32が第1校正用対象物66を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像66m1は、第1参照画像2bにおける第1校正用対象物66の像である。像66m1の像サイズは像サイズWm1である。
ここで、第1基準画像1bと第1参照画像2bとは、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に撮像を行うことによって、第1校正用対象物66と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係が保たれた状態で撮像が行われている。
次に、図13の右側に表示された第2校正用対象物67を撮像するステレオカメラ300Bについて説明する。
図13の右側の図に表示された第2校正用対象物67は、図13の左側に表示された第1校正用対象物66に対してZ軸方向の負側に配置されており、図13の左側の第1校正用対象物66よりも近い撮像距離で撮像されている。
なお、第1校正用対象物66が第2校正用対象物67に対してZ軸方向の負側に配置されていてもよい。
図13の右側の図において、第2基準画像1cは、単焦点カメラ31が第2校正用対象物67を撮像素子5aによって撮像した画像であり、像67s2は、第2基準画像1cにおける第2校正用対象物67の像である。また、像67s2の像サイズは像サイズWs2である。
また、第2参照画像2cは、ズームカメラ32が第2校正用対象物67を撮像素子5bによって撮像した画像であり、像67m2は、第2参照画像2cにおける第2校正用対象物67の像である。像67m2から測定された像サイズは像サイズWm2である。
ここで、第2基準画像1cと第2参照画像2cとは、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に撮像を行うことによって、第2校正用対象物67と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係が保たれた状態で撮像が行われている。
なお、図13では、第1および第2校正用対象物66および67がそれぞれ異なる撮像距離に設置されて、校正用対象物毎に順次に、ステレオカメラ300Bによる撮像が行われているが、相互に異なる撮像距離に設置された第1第1校正用対象物66および67の両方を、ステレオカメラ300Bの単焦点カメラ31とズームカメラ32とのそれぞれによって1回ずつ撮像したとしても、撮像された計2つの画像から上述した像サイズWs1およびWs2、ならびに像サイズWm1およびWm2を取得することができるので本発明の有用性を損なうものではない。
フィールド校正Fにおいて、像サイズWs1、Ws2、Wm1、およびWm2と、実サイズS1およびS2と、基準焦点距離fsとが取得されると、参照焦点距離fmは(4)式によって与えられる。
Figure 0005327381
なお、フィールド校正Fにおける参照焦点距離fmの演算式は、(4)式に限定されず、フィールド校正Aと同様に、例えば、歪曲収差補正係数、平行化処理のための係数などを、所望される参照焦点距離fmの精度に応じて(4)式に適宜付加したとしても本発明の有用性を損なうものではない。
また、ステレオカメラ300Bにおいては、ステレオカメラ300A2についてのフィールド校正Bと同様に、第1基準画像1bおよび第2基準画像1cを撮像する撮像装置として、単焦点カメラ31に代えて、撮像光学系9bの駆動範囲の端部または、近接スイッチ位置などの撮像光学系9bの位置制御の再現性が高いポジションであって、かつ、撮像光学系9bの焦点距離が既知であるズームカメラ32を採用したとしても、本発明の有用性を損なうものではない。
また、第1校正用対象物66および第2校正用対象物67としては、具体的には、専用設計された校正用チャートの他、例えば、コインまたはペットボトルのキャップなどの円筒状の大きさ(直径)が規格化されたものを採用することができる。
次にフィールド校正Fに係る情報処理装置200Aの動作フローについて説明する。
図23は、後述する図16または図19の動作フローのうちズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正(ステップS246)に係る動作フローの1例を示す図であり、上述したフィールド校正Fに対応した動作フローの1例を示す図でもある。
また、図29は、図23の動作フローのうちフィールド校正Eにおける第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2bおよび第2参照画像2cの取得(ステップS518)に係る動作フローの1例を示す図である。
ステレオカメラ300Bが情報処理装置200Aに接続された状態で、図20に示される処理が開始されると、ステレオカメラ300Bについての特定情報に基づいて、CPU11Aがフィールド校正DまたはFの実施が可能であることを表示部43に表示し、操作者がフィールド校正Fを選択した校正手法特定情報に従って、ステップS518における各画像の取得の処理が開始され、処理は、図29のステップS640に移される。
ステップS640においては、CPU11Aの制御によってステレオカメラ300Bの各カメラが、ある未知の撮像距離に設置された第1校正用対象物66を1回ずつ測定する。
なお、このときズームカメラ32の撮像光学系9bは、ズーム制御部17の制御によって未知の参照焦点距離fmを持つ撮像時の光学的状態に設定されている。
また、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像においては、例えば、単焦点カメラ31とズームカメラ32との撮像を同時または略同時に行うことなどによって、第1校正用対象物66と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で撮像が行われる。
次に、焦点距離取得部13は、ステレオカメラ300Bの単焦点カメラ31が撮像した画像(第1画像g1)と、ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)とをそれぞれ第1基準画像1b(図13)と第1参照画像2b(図13)として取得する(ステップS642)。
次に、第1校正用対象物66に代えて第2校正用対象物67が第1校正用対象物66とは異なる未知の撮像距離に設置され、CPU11Aの制御によってステレオカメラ300Bの各カメラが、設置された第2校正用対象物67を1回ずつ測定する(ステップS644)。
次に、焦点距離取得部13は、ステレオカメラ300Bの単焦点カメラ31が撮像した画像(第1画像g1)と、ズームカメラ32が撮像した画像(第2画像g2)とをそれぞれ第2基準画像1c(図13)と第2参照画像2c(図13)として取得する(ステップS646)。
第1基準画像1b、第2基準画像1c、第1参照画像2b、および第2参照画像2cが取得されると、第4演算処理(図23のステップS526)が開始され、処理は、図33のステップS50へと移される。
図33は、図23の動作フローのうち第4演算処理(ステップS526)に係る動作フローの1例を示す図である。
先ず、焦点距離取得部13は、第1基準画像1b(図2、図13)および第2基準画像1c(図2、図13)についての焦点距離である基準焦点距離fs(図2、図13)をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS50)。
次に、焦点距離取得部13は、第1校正用対象物66の所定部分の実サイズS1をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS52)。
次に、焦点距離取得部13は、第2校正用対象物67の所定部分の実サイズS2をフィールド校正用情報格納部47aから取得する(ステップS54)。
次に、焦点距離取得部13は、第1基準画像1bのうち第1校正用対象物66の所定部分に対応した像66s1(図13)の像サイズWs1(図13)を測定する(ステップS56)。
次に、焦点距離取得部13は、第1参照画像2bのうち像66s1に対応した像66m1(図13)の像サイズWm1(図13)を測定する(ステップS58)。
次に、焦点距離取得部13は、第2基準画像1cのうち第2校正用対象物67の所定部分に対応した像6s2(図13)の像サイズWs2(図13)を測定する(ステップS60)。
次に、焦点距離取得部13は、第2参照画像2cのうち像6s2に対応した像6m2の像サイズWm2(図13)を測定する(ステップS62)。
次に、焦点距離取得部13は、(4)式に基づいて各参照画像についての焦点距離である参照焦点距離fmを取得する(ステップS64)。
次に、処理は図23に戻されて、焦点距離取得部13は、得られた参照焦点距離fmをステレオカメラ300Bにおけるズームカメラ32の焦点距離として取得する(ステップS536)。
次に、焦点距離取得部13は、(5)式に基づいて、光学中心3aと光学中心3bとの光軸4a(4b)方向のずれ量d(図3)を取得する。
Figure 0005327381
なお、(5)式に代えて、フィールド校正Aと同様に、例えば、歪曲収差補正係数、平行化処理のための係数などを、所望されるずれ量dの取得精度などに応じて(5)式に適宜付加した演算式を用いたとしても本発明の有用性を損なうものではない。
フィールド校正Fによれば、実サイズが既知の第1校正用対象物66と第2校正用対象物67とが異なる未知の撮像距離にそれぞれ設置され、撮像系との空間的な関係が保たれた状態で撮像されて第1基準画像1bおよび第1参照画像2bと、第2基準画像1cおよび第2参照画像2cとが取得される。
そして、第1基準画像1bおよび第1参照画像2bにおける第1校正用対象物66の像サイズWs1およびWm1と、第2基準画像1cおよび第2参照画像2cとにおける第1校正用対象物66の像サイズWs2およびWm2と、実サイズS1と、実サイズS2とを用いて、(4)式、すなわち、基準焦点距離fsの値をスケーリングする演算処理を行うことにより、参照焦点距離fmの値を取得できる。
したがって、フィールド校正Fによれば、ズームカメラを備えたステレオカメラにおいて、基準画像を得たとき既知の基準焦点距離fsを持つ撮像光学系の光学中心と、参照画像を得たときの未知の参照焦点距離fmを持つ撮像光学系の光学中心とのずれ量dが未知である場合でも、校正対象物の撮像距離の情報を必要としない簡素な測定環境で短時間に取得できる校正用のデータに基づいて、高速に参照焦点距離fmを取得することができ、使用現場でのステレオカメラの校正頻度を高めることができる。
さらにフィールド校正Fによれば、取得された参照焦点距離fmに基づいて、簡易かつ高速にカメラパラメータの1つである光学中心3aと光学中心3bとの光軸方向のずれ量dを取得することができるので、該ずれ量dを用いてパラメータ対応情報t2におけるずれ量dの値を更新することなどによって、ステレオカメラの測定画像に基づいて取得される距離情報の精度を向上させることができる。
フィールド校正Fによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが撮像に用いられるので、第1基準画像1bおよび第1参照画像2b、ならびに第2基準画像1cおよび第2参照画像2cのそれぞれを同時または略同時に測定することができる。
従って、第1校正用対象物66および第2校正用対象物67と、撮像系(単焦点カメラ31およびズームカメラ32)との空間的な関係を保った状態で第1基準画像1bおよび第1参照画像2b、ならびに第2基準画像1cおよび第2参照画像2cを取得することが容易となり、参照焦点距離fmの取得精度を向上させることができる。
また、フィールド校正Fによれば、単焦点カメラ31とズームカメラ32とが同時または略同時に校正用対象物を撮像できるので動体を校正用対象物として採用することができる。
<◎情報処理システム100Aが行う各処理の動作フロー:>
次に、情報処理システム100Aが行う各処理の動作フローを、フローチャートを用いて説明する。
◎校正から立体視画像生成までの動作フロー:
図14は、情報処理システム100Aの校正から立体視用画像の生成までの動作フローの1例を示す図である。
図14に示されるように、情報処理システム100Aの校正から立体視用画像の生成までの動作は、例えば、3つの処理ステップによって行われる。
ステップS100:ステレオカメラの製造時校正。
ステップS200:駆動制御値対応情報のフィールド校正。
ステップS300:立体視用画像の生成。
◎ステレオカメラの製造時校正の動作フロー:
図15は、図14の動作フローのうちステップS100に示されるステレオカメラの製造時校正の動作フローの1例を示す図である。ステレオカメラの製造時校正においては、例えば、ステレオカメラ300A(300B)が完成した後、製造時校正用の情報処理装置にステレオカメラ300A(300B)を接続し、ステレオカメラ300A(300B)の校正を行う。
図15の動作フローにおいては、該校正用の情報処理装置は、先ず、該ズームカメラ32のズームの駆動制御値が離散的に設定された駆動制御値テーブルを取得する(ステップS110)。
次に、該校正用の情報処理装置は、駆動制御値テーブルの1つの駆動制御値51をズームカメラ32のズームの駆動制御値として設定し(ステップS120)、駆動制御値51に基づいてズームカメラ32をズーミング(ステップS130)する。
次に、該校正用の情報処理装置は、ステレオカメラ300A(300B)の三次元化パラメータを校正する(ステップS140)。
ステレオカメラ300A(300B)のカメラパラメータの校正は、例えば、Zhengyou Zhang: "A flexible new technique for camera calibration". IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol.22, No.11,pp.1330-1334, 2000などに開示された格子パターンを用いた公知のカメラキャリブレーション手法などによって行うことができる。
ここで、ズームカメラ32においては、焦点距離可変の範囲の、例えば、広角端と望遠端とにおける校正において、一様なパターンを有する校正用チャートを使用すると、画像中に含まれるパターン数が焦点距離によって異なるため、推定されるカメラパラメータの精度に差が生じてしまう。
このため、情報処理システム100Aにおいては、例えば、中心になればなるほど格子などのパターンが密に描画された校正用チャートが使用される。
該校正用チャートの中心を予めズームカメラ32の光軸と合わせておくことで、ズーム駆動にともなってズームカメラ32の撮像画角が変動したとしても、該校正用チャートを撮像した画像上では、ズームカメラ32の広角端と望遠端とでほぼ同様のパターン分布を持つ画像が撮影できる。
従って、該校正用チャートを使用することによって、キャリブレーションで求められるズームカメラ32のカメラパラメータの精度が、ズームカメラ32の焦点距離によって異なる現象の発生を抑制することが可能となる。
全ての駆動制御値についての校正が終了すると、該校正用の情報処理装置は処理をステップS160へ移し、全ての駆動制御値についての校正が終了していない場合には、ステップS120に処理を戻して、他の駆動制御値について校正を行う(ステップS150)。
処理がステップS160に移されると、該校正用の情報処理装置は、駆動制御値テーブルの各駆動制御値と、校正されたズームカメラ32の各焦点距離との対応関係を表現した駆動制御値対応情報t1を生成する(ステップS160)とともに、校正されたズームカメラ32の各焦点距離について、焦点距離と、校正されたズームカメラ32の各カメラパラメータとの対応関係を表現したパラメータ対応情報t2を生成する(ステップS170)。
次に、該校正用の情報処理装置は、駆動制御値対応情報t1と、パラメータ対応情報t2その他の三次元化パラメータとをステレオカメラ300A(300B)に保存し(ステップS180)ステレオカメラの製造時校正を終了する。
◎駆動制御値対応情報t1のフィールド校正の動作フロー:
図16は、図14の動作フローのうち駆動制御値対応情報t1のフィールド校正(ステップS200)の動作フローの1例を示す図である。
先ず、焦点距離取得部13は、駆動制御値対応情報格納部47bから駆動制御値対応情報t1を取得する(ステップS210)。
また、ズーム制御部17は、駆動制御値対応情報t1に基づいて、1つの駆動制御値51をズームカメラ32のズームの駆動制御値51として設定する(ステップS220)とともに、駆動制御値51に基づいてズームカメラ32をズーミングする(ステップS230)。
次に、焦点距離取得部13は、ズームカメラ32の焦点距離について既述したフィールド校正(ステップS240、S242、S244、S246)を行う。
焦点距離取得部13は、取得したズームカメラ32の焦点距離と、該駆動制御値51に対応した駆動制御値対応情報t1における焦点距離との差が、記憶装置46に記憶された所定の閾値以下か否かを判断し(ステップS250)、該差が、所定の閾値以下であった場合は、駆動制御値対応情報t1により推定される焦点距離と、実際の焦点距離との差は、許容範囲内であると判断して駆動制御値対応情報t1のフィールド校正を終了する。
該差が、所定の閾値を超える場合には、焦点距離取得部13は、駆動制御値対応情報t1により推定される焦点距離と、実際の焦点距離との差は、許容範囲を超えていると判断し、処理をステップS260へと移す。
焦点距離取得部13は、駆動制御値対応情報t1の他の駆動制御値についてもズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正を実施(ステップS260)し、校正されたズームカメラ32の焦点距離に基づいて駆動制御値対応情報格納部47bに格納された駆動制御値対応情報t1を更新(ステップS270)して、駆動制御値対応情報t1のフィールド校正を終了する。
駆動制御値対応情報t1のフィールド校正によれば、駆動制御値51と、ズームカメラ32の焦点距離f2との関係における経時変化等による誤差を校正することができ、駆動制御値51に基づいて真値に近いズームカメラ32の焦点距離f2を取得することができる。
◎立体視用画像の生成の動作フロー:
図17は、図14の動作フローのうち立体視用画像の生成(ステップS300)に係る動作フローの1例を示す図である。
先ず、ズーム制御部17は、ズームカメラ32をズーミングすることによってズームカメラ32の画角を設定する(ステップS310)。
次に、焦点距離取得部13は、予め操作部42から設定された動作モードに基づいてステップS320またはステップS322において、被写体測定時のズームカメラ32の焦点距離の取得を行う。
○被写体測定時のズームカメラ32の焦点距離の取得:
図18は、図17の動作フローのうち被写体測定時のズームカメラ32の焦点距離の取得を行う(ステップS320)に係る動作フローの1例を示す図である。
動作モードに基づいて、図17のステップS320が開始されると、処理は、図18のステップS410に移されて、焦点距離取得部13は、ズーム制御部17からズームカメラ32のズームの駆動制御値51を取得する。
次に、焦点距離取得部13は、取得した駆動制御値51と、駆動制御値対応情報格納部47bに記憶された駆動制御値対応情報t1とからズームカメラ32の焦点距離f2(図2)を取得し(S420)、処理は、図17のステップS330へ移される。
図19は、図17の動作フローのうち被写体測定時のズームカメラ32の焦点距離の取得を行う(ステップS322)に係る動作フローの1例を示す図である。
動作モードに基づいて、図17のステップS322が開始されると、処理は、図19の動作フローに移されて、CPU11Aは、ステレオカメラの特性情報および操作部42から設定される動作モードに応じて、既述したズームカメラ32の焦点距離のフィールド校正を行い(ステップS240、S242、S244、またはS246)、処理は、図17のステップS330へ移される。
なお、この場合は、参照焦点距離fmが被写体測定時のズームカメラ32の焦点距離f2となる。
次に、図17に戻って、カメラパラメータ取得部14は、取得された被写体測定時のズームカメラ32の焦点距離と、パラメータ対応情報t2とからズームカメラ32の第2カメラパラメータp2を推定する(ステップS330)。
○カメラパラメータの推定:
なお、焦点距離取得部13による第2カメラパラメータp2の推定は、例えば、以下のように行われる。
先ず、パラメータ対応情報t2に定義されている焦点距離情報からズームカメラ32の焦点距離f2よりも小さい焦点距離faと、焦点距離f2よりも大きい焦点距離fbとを取得し、(6)式によって、重みwを取得する。
次に、焦点距離faおよびfbにそれぞれ対応する第2カメラパラメータpaおよびpbをパラメータ対応情報t2に基づいて取得し、重みwと、第2カメラパラメータpaおよびpbとを用いて、(7)式によって第2カメラパラメータp2が推定される。
Figure 0005327381
図17に戻って、第2カメラパラメータp2が推定されると、CPU11Aは、ステレオカメラ300A(300B)による被写体の撮像を実施する(ステップS340)。
被写体の撮像が実施されると、焦点距離取得部13は、単焦点カメラ31とズームカメラ32とがそれぞれが撮像した第1画像g1と第2画像g2とを取得し(ステップS350)、第1画像g1を三次元化部15に供給するとともに、第2画像g2を三次元化部15、疑似画像生成部16、および表示部43へと供給する。
次に、三次元化部15は、ズームカメラ32の第2カメラパラメータp2と、三次元化パラメータ格納部47dから取得される単焦点カメラ31の第1カメラパラメータp1およびステレオカメラの基線長bとを用いて、三角測量の原理によって第1画像g1と第2画像g2から被写体の距離情報52を取得する(ステップS360)。
次に、疑似画像生成部16は、距離情報52に基づいて、第2画像g2について、別視点からの撮影に対応した疑似画像53を生成する(ステップS370)。
疑似画像53が生成されると、CPU11Aは、第2画像g2と疑似画像53とを立体視用画像として表示部43に表示する(ステップS380)。
<変形例について:>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
実施形態で説明された各ステレオカメラは、単焦点カメラ31とズームカメラ32とを備えているが、例えば、単焦点カメラ31に代えてズームカメラ32と異なる他のズームカメラを採用し、既知の焦点距離を持つ光学的状態にある該他のズームカメラを用いて基準画像を撮像したとしても本願発明の有用性を損なうものではない。
100A 情報処理システム
200A 情報処理装置
300A,300B ステレオカメラ
1a 基準画像
1b 第1基準画像
1c 第2基準画像
2a 参照画像
2b 第1参照画像
2c 第2参照画像
3a,3b 光学中心
4a,4b 光軸
5a,5b 撮像素子
6a,6b 主光線
7a,7b 像中心位置
9a,9b 撮像光学系
Pa,Pb 像点
26 駆動機構
31 単焦点カメラ
32 ズームカメラ
49 信号線
51 駆動制御値
52 距離情報
53 疑似画像
54,55 特徴部
54s,55s,54m,55m 像
61 被写体
62,63,64,68 校正用対象物
66 第1校正用対象物
67 第2校正用対象物
62s,63s,64s1,64s2 像
66s1,66s2,67s2,68s,68m 像
62m,63m,64m,64m1,64m2 像
D1 撮像距離
M 物点
f1 焦点距離
f2 焦点距離
fs 基準焦点距離
fm 参照焦点距離
Wm,Wm1,Wm2 像サイズ
Ws,Ws1,Ws2 像サイズ
S,S1,S2 実サイズ
g1 第1画像
g2 第2画像
b 基線長
d ずれ量
p1 第1カメラパラメータ
p2 第2カメラパラメータ
t1 駆動制御値対応情報
t2 パラメータ対応情報

Claims (16)

  1. 撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、
    (a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、
    (b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、
    を取得する画像取得部と、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部と、
    を備え
    前記基準画像が、前記対象物を異なる撮像距離でそれぞれ撮像して得た第1および第2基準画像を含む一方、
    前記参照画像が、前記対象物を前記第1および第2基準画像における撮像距離と同じ撮像距離でそれぞれ撮像して得た第1および第2参照画像を含んでいる情報処理装置。
  2. 撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、
    (a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、
    (b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、
    を取得する画像取得部と、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部と、
    を備え、
    前記対象物が、異なる撮像距離に配置されるとともに同一のサイズを有する第1および第2対象物を有しており、
    前記基準画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像であり、
    前記参照画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像である情報処理装置。
  3. 撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、
    (a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、
    (b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、
    を取得する画像取得部と、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部と、
    を備え、
    前記基準画像が、前記対象物を撮像した単一の基準画像である一方、
    前記参照画像が、前記対象物を撮像した単一の参照画像であり、
    前記焦点距離取得部は、
    前記基準焦点距離と、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の所定部分の像サイズと、
    前記対象物の実サイズと、
    前記基準画像を撮像した撮像装置の光軸方向における光学中心位置と前記参照画像を撮像した撮像装置の撮像光学系の光軸方向における光学中心位置とのずれ量とに基づいて前記演算処理を行う情報処理装置。
  4. 撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、
    (a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、
    (b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、
    を取得する画像取得部と、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部と、
    を備え、
    前記対象物は、第1および第2対象物を有しており、
    前記基準画像は、前記第1および第2対象物を個別に撮像して得た第1および第2基準画像を含む一方、
    前記参照画像は、前記第1および第2対象物を個別に撮像して得た第1および第2参照画像を含んでおり、
    前記焦点距離取得部は、
    前記第1基準画像と前記第1参照画像とにおける前記第1対象物の第1部分の像サイズと、
    前記第2基準画像と前記第2参照画像とにおける前記第2対象物の第2部分の像サイズと、
    前記第1および第2対象物のそれぞれの実サイズと、
    に基づいて前記演算処理を行う情報処理装置。
  5. 撮像系との空間的な関係を保った状態で対象物を、
    (a)既知の基準焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した基準画像と、
    (b)未知の参照焦点距離を持つ撮像条件によって撮像した参照画像と、
    を取得する画像取得部と、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記対象物の像サイズの情報を用いて、前記基準焦点距離の値をスケーリングする演算処理を行うことにより、前記参照焦点距離の値を取得する焦点距離取得部と、
    を備え
    前記対象物は、第1および第2対象物を有しており、
    前記基準画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像であり、
    前記参照画像は、前記第1および第2対象物を同時に撮像して得た画像であり、
    前記焦点距離取得部は、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記第1対象物の第1部分の像サイズと、
    前記基準画像と前記参照画像とにおける前記第2対象物の第2部分の像サイズと、
    前記第1対象物と前記第2対象物とのそれぞれの実サイズと、
    に基づいて前記演算処理を行う情報処理装置。
  6. 請求項に記載された情報処理装置であって、
    前記焦点距離取得部は、
    前記第1基準画像と前記第1参照画像とにおける前記第1対象物の第1部分の像サイズと、
    前記第2基準画像と前記第2参照画像とにおける前記第2対象物の第2部分の像サイズと、
    前記第1対象物と前記第2対象物とのそれぞれの実サイズと、
    に基づいて、
    前記基準画像を撮像した撮像装置の撮像光学系の光軸方向における光学中心位置と前記参照画像を撮像した撮像装置の撮像光学系の光軸方向における光学中心位置とのずれ量、
    をさらに取得する情報処理装置。
  7. (A)請求項1から請求項5の何れか1つの請求項に記載された情報処理装置と、
    (B)固定焦点距離の第1の撮像光学系を備えた第1の撮像装置と、可変焦点距離の第2の撮像光学系を備えた第2の撮像装置とを備えたステレオカメラと、
    を備えた情報処理システムであって、
    前記画像取得部は、
    前記第1の撮像装置による撮像に基づいて前記基準画像を取得するとともに、
    前記第2の撮像装置による撮像に基づいて前記参照画像を取得する情報処理システム
  8. (A)請求項1から請求項5の何れか1つの請求項に記載された情報処理装置と、
    (B)固定焦点距離の第1の撮像光学系を備えた第1の撮像装置と、可変焦点距離の第2の撮像光学系を備えた第2の撮像装置とを備えたステレオカメラと、
    を備えた情報処理システムであって、
    前記画像取得部は、前記第2の撮像装置から前記基準画像と前記参照画像とを取得する情報処理システム
  9. 請求項7に記載された情報処理システムであって、
    前記第1の撮像光学系の光軸である第1の光軸と、前記第2の撮像光学系の光軸である第2の光軸とが平行である情報処理システム。
  10. 請求項9に記載された情報処理システムであって、
    前記情報処理装置は、請求項1から請求項5の何れか1つの請求項に記載された情報処理装置であり、
    前記第1の光軸方向における前記第1の撮像光学系の光学中心の位置と、
    前記第2の光軸方向における前記第2の撮像光学系の光学中心の位置と、
    が互いに等しい情報処理システム。
  11. 請求項に記載された情報処理システムであって、
    前記情報処理装置は、請求項1から請求項5の何れか1つの請求項に記載された情報処理装置であり、
    前記基準画像と前記参照画像とを撮像した際における、前記第2の撮像光学系の光軸方向における光学中心の位置が互いに等しい情報処理システム。
  12. 請求項7または請求項8に記載された情報処理システムであって、
    前記ステレオカメラによって撮像された被写体のステレオ画像から前記被写体の三次元形状を求めるための三次元化パラメータが、
    前記第1の撮像装置についての第1カメラパラメータと、
    前記第2の撮像装置についての第2カメラパラメータと、
    を含み、
    前記第2カメラパラメータを前記参照焦点距離に基づいて取得するパラメータ取得部をさらに備えた情報処理システム。
  13. 請求項12に記載された情報処理システムであって、
    前記第2カメラパラメータが、歪曲収差補正係数、像中心位置、焦点距離、Skew、および光学中心の位置ずれ量のうち少なくとも1つを含む情報処理システム。
  14. 請求項12に記載された情報処理システムであって、
    前記パラメータ取得部は、
    前記第2カメラパラメータと前記第2の撮像光学系の焦点距離との対応関係を表現したパラメータ対応情報と、
    前記参照焦点距離と、
    に基づいて、前記第2カメラパラメータを取得する情報処理システム。
  15. 請求項7または請求項8に記載された情報処理システムであって、
    前記焦点距離取得部は、
    前記第2の撮像装置における駆動制御値と焦点距離との対応関係を表現した駆動制御値対応情報を、前記演算処理によって決定された前記参照焦点距離に基づいて更新する情報処理システム。
  16. 情報処理装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されることにより、当該情報処理装置を請求項1から請求項6のいずれか1つの請求項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とするプログラム
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