JP5326884B2 - 熱交換形換気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、寒冷地等で使用され、室内の空気を室外へ排気する排気流と、室外の空気を室内へ給気する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置に関する。
この種の熱交換形換気装置は、冬季に室外の温度が、例えば−10℃以下のような低い温度になると、室内からの温かい湿気を含む空気が流れる熱交換器の排気流路において、隣接する給気流路に通風される室外からの冷たい空気の影響で結露や凍結が生じ、排気流路が目詰まりするが、従来の熱交換形換気装置では、この結露や凍結による排気流路内の目詰まりを凍結抑制制御により防止していた(例えば、特許文献1参照)。
また、室外の温度が−25℃のようなきわめて低い温度となる地域では、実用に供する熱交換形換気装置がないのが実状であった。
以下、特許文献1に示す熱交換形換気装置について、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、熱交換器ユニット101は室内の空気と室外の空気の間で熱交換換気を行い、熱交換器ユニット101は、熱交換器102と、室内の空気を熱交換器102を経由して室外へ排気する排気経路103と、室外の空気を熱交換器102を経由して室内へ給気する給気経路104と、排気経路103に組み込まれる排気ファン105と、給気経路104に組み込まれる給気ファン106と、室外の空気の外気温度を検出する温度センサー107と、温度センサー107で検出した外気温度によって排気ファン105と給気ファン106の運転制御を行う制御部を備えている。
そして、熱交換器ユニット101の制御部は、外気温度が−10℃を下回った時に、熱交換器102が凍結することを抑えるため、外気温度に応じて第1凍結抑制制御および第2凍結抑制制御の2つの凍結抑制制御を行う。
第1凍結抑制制御は、外気温度が−10℃を下回った場合に、熱交換器102の凍結を抑制する制御であり、排気ファン105を常時作動させ、給気ファン106の動作を60分のうち最初の15分だけ休止させる運転を繰り返す。
第2凍結抑制制御は、外気温度が−15℃を下回った場合に、第1凍結抑制制御よりも強力に熱交換器102の凍結を抑制する制御であり、排気ファン105および給気ファン106の間欠運転を行う。第2凍結抑制制御は、排気ファン105および給気ファン106を60分休止させた後に5分だけ作動を再開させる運転を繰り返す。
特許第3744409号公報
このような従来の熱交換器ユニット101では、外気温度が−10℃を下回った場合の第1凍結抑制制御は、排気ファン105は常時作動させ、給気ファン106は60分のうちの45分だけ作動する運転を繰り返すため、給気ファン106が休止している15分間は、室内が負圧になって、建物の隙間から室外の空気が流入し、結露やコールドドラフトを発生することがあった。
また、従来の熱交換器ユニット101は、外気温度が−15℃を下回った場合の第2凍結抑制制御は、排気ファン105および給気ファン106は65分のうちの5分だけ作動し、この5分の排気ファン105および給気ファン106の作動は、主に温度センサー107による外気温度の監視であり、殆どの時間は熱交換換気の運転が停止しているため、家屋やビルなどに必要な換気風量を熱回収しながら得ることができなかった。
また、従来の熱交換器ユニット101では、熱交換器102内の結露や凍結の影響を回避し、熱交換換気を継続して必要な換気風量を得るためには、熱交換器ユニット101を複数備える必要があり、装置が大型化し、構成が複雑になるという課題があった。
発明はこのような課題を解決するものであり、室外がきわめて低い温度となる寒冷地の冬季に運転されても、熱交換器の排気流路における結露や凍結の影響を回避して、給気及び排気を休止することなく簡単な構成で熱交換換気の継続を確実に行い、必要な換気量を得ることができる小型の熱交換形換気装置の提供を目的としている。
そして、この目的を達成するために、本発明は、室外から室外空気を吸込む室外吸込口と、室内へ室外空気を給気する室内給気口と、室内から室内空気を吸込む室内吸込口と、室外へ室内空気を排出する室外排出口と、室内から吸込んだ空気を室内へと排出する循環空気排出口とを備えた本体箱内に、室外空気を室外吸込口から吸込み室内給気口から室内へ給気するための給気流路と、室内空気を室内吸込口から吸込み室外排出口から室外へ排気するための排気流路と、給気流路に通風させる室外空気と、排気流路に通風させ室外排出口から排気される室内空気との間で熱交換を行う熱交換器と、室外空気を吸込み給気流路を通じて室内へ給気を行う給気送風手段と、給気送風手段を駆動させる給気原動機と、室内空気を吸込み排気流路を通じて室外への排気と室内へ空気を循環させる熱交換器の上流に配置した排気循環送風手段と、排気循環送風手段を駆動させる排気循環原動機と、排気流路における熱交換器の下流にて排気流路を複数に分割し熱交換器に接続された排気分割流路と、排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口のどちらか一方との接続を選択する排気循環選択手段と、前記給気流路において前記給気流路を複数に分割し前記熱交換器に接続された給気分割流路と、給気分割流路を開閉する給気選択手段とを備えた熱交換形換気装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、室外から室外空気を吸込む室外吸込口と、室内へ室外空気を給気する室内給気口と、室内から室内空気を吸込む室内吸込口と、室外へ室内空気を排出する室外排出口と、室内から吸込んだ空気を室内へと排出する循環空気排出口とを備えた本体箱内に、室外空気を室外吸込口から吸込み室内給気口から室内へ給気するための給気流路と、室内空気を室内吸込口から吸込み室外排出口から室外へ排気するための排気流路と、給気流路に通風させる室外空気と、排気流路に通風させ室外排出口から排気される室内空気との間で熱交換を行う熱交換器と、室外空気を吸込み給気流路を通じて室内へ給気を行う給気送風手段と、給気送風手段を駆動させる給気原動機と、室内空気を吸込み排気流路を通じて室外への排気と室内へ空気を循環させる熱交換器の上流に配置した排気循環送風手段と、排気循環送風手段を駆動させる排気循環原動機と、排気流路における熱交換器の下流にて排気流路を複数に分割し熱交換器に接続された排気分割流路と、排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口のどちらか一方との接続を選択する排気循環選択手段と、前記給気流路において前記給気流路を複数に分割し前記熱交換器に接続された給気分割流路と、給気分割流路を開閉する給気選択手段とを備えたことにより、室外が例えば−25℃のような極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を運転した場合において、熱交換器の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は、冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるとともに、デフロスト運転に用いられる室内吸込口から吸込み循環空気排出口から室内へ排出される循環流と、給気空気と熱交換を行い室外排気口から室外へ排出される排気流とをひとつの送風手段にて送風することができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
本発明の実施の形態1の熱交換形換気装置の概略水平断面図 本発明の実施の形態1の熱交換形換気装置の概略A−A´断面図 本発明の実施の形態1の熱交換形換気装置の概略B−B´断面図 本発明の実施の形態1の熱交換器の概略分解斜視図 従来の熱交換器ユニットを示す概略断面図
本発明の請求項1に記載の熱交換形換気装置は、室外から室外空気を吸込む室外吸込口と、室内へ室外空気を給気する室内給気口と、室内から室内空気を吸込む室内吸込口と、室外へ室内空気を排出する室外排出口と、室内から吸込んだ空気を室内へと排出する循環空気排出口とを備えた本体箱内に、室外空気を室外吸込口から吸込み室内給気口から室内へ給気するための給気流路と、室内空気を室内吸込口から吸込み室外排出口から室外へ排気するための排気流路と、給気流路に通風させる室外空気と、排気流路に通風させ室外排出口から排気される室内空気との間で熱交換を行う熱交換器と、室外空気を吸込み給気流路を通じて室内へ給気を行う給気送風手段と、給気送風手段を駆動させる給気原動機と、室内空気を吸込み排気流路を通じて室外への排気と室内へ空気を循環させる熱交換器の上流に配置した排気循環送風手段と、排気循環送風手段を駆動させる排気循環原動機と、排気流路における熱交換器の下流にて排気流路を複数に分割し熱交換器に接続された排気分割流路と、排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口のどちらか一方との接続を選択する排気循環選択手段と、給気流路において給気流路を複数に分割し熱交換器に接続された給気分割流路と、給気分割流路を開閉する給気選択手段とを備えた構成であり、室外が例えば−25℃のような極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を運転した場合において、熱交換器の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は、冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるとともに、デフロスト運転に用いられる室内吸込口から吸込み循環空気排出口から室内へ排出される循環流と、給気空気と熱交換を行い室外排気口から室外へ排出される排気流とをひとつの送風手段にて送風することができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項2に記載の熱交換形換気装置は、排気流路を分割した排気分割流路と給気流路を分割した給気分割流路とが同数の分割数とするとともに、熱交換器の一部に対し一対の排気分割流路と給気分割流路を備えた構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を運転した場合において、熱交換器の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は、冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるとともに、排気流路と給気流路の分割数を同数とすることで、排気循環選択手段及び給気選択手段を最小限に構成することができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項3に記載の熱交換形換気装置は、給気選択手段により熱交換器における給気流路の室外空気が通風される箇所が設定され、熱交換器における給気流路に対応する排気流路に室内空気が通風されるように排気循環選択手段で設定されることで、熱交換器の一部で室外空気と室内空気との間で熱交換を行い、熱交換器の他の部分は排気循環選択手段にて熱交換器を通風した後に循環空気排出口から排出されるように設定した構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を運転した場合において、熱交換器の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は、冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、請求項4に記載の熱交換形換気装置は、給気送風手段を熱交換器と室外吸込口との間に備え、給気送風手段が室外吸込口から室外空気を吸込み、熱交換器を経て室内給気口から室内へ給気するように配置した構成であり、給気原動機の排熱で熱交換器へ流入する室外空気を暖めることができるため、熱交換器の排気流路内に生じる結露や凍結を削減することができるとともに、給気送風手段から下流に位置する給気流路が正圧となり、排気流路から湿度の高い室内空気が流入することを防ぎ、給気流路内に結露や凍結が発生することを抑制できるという効果が得られる。
また、請求項5に記載の熱交換形換気装置は、給気分割流路を熱交換器上流に備えた構成であり、給気分割流路を熱交換器上流に備えることで給気選択手段を熱交換器の上流に備えることができ、デフロスト運転している熱交換器の一部を冷たい室外空気と遮断することができるため、熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結の除去を迅速かつ確実に行うことができるという効果が得られる。
また、請求項6に記載の熱交換形換気装置は、給気選択手段が通風する給気分割流路を選択できる選択手段として給気開閉調整板を備えた構成であり、給気開閉調整板が給気を通風させる給気分割流路を選択することで、熱交換器の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換気の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器の排気流路内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、請求項7に記載の熱交換形換気装置は、給気開閉調節板は、通風する給気分割流路を選択するとともに、給気分割流路の全てを開けることと、給気分割流路の全てを閉めることが選択できる構成であり、この構成により、熱交換器の排気流路内で結露及び凍結を生じない室内外の温度条件の時には、給気分割流路全てを開けることで熱交換器全体を熱交換運転に用いることができ、熱交換形換気装置を休止している時に、給気分割流路の全てを閉めることで室外の冷たい空気が熱交換形換気装置に入り込み熱交換形換気装置本体内部での結露及び凍結を抑制することができ、熱交換形換気装置を再び駆動した際に、
必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、請求項8に記載の熱交換形換気装置は、給気開閉調整板は、それぞれが独立して開閉を可能とした構成であり、複数ある給気分割流路のそれぞれに設けられた給気開閉調整板がそれぞれ独立して開閉可能であるため、通風する給気分割流路を切り替える時に、給気開閉調節板の駆動手段の必要トルクを小さくすることが可能であり駆動手段を小型化できるとともに、給気分割流路のすべてに通風することと、熱交換形換気装置を休止している際に給気分割流路を全て閉めることで室外の冷たい空気が熱交換形換気装置に入り込み熱交換形換気装置本体内部での結露及び凍結を抑制することができ、熱交換形換気装置を再び駆動した際に、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果と、熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項9に記載の熱交換形換気装置は、給気選択手段により給気分割流路の開閉を切り替える時に、給気原動機の回転数を一時的に低下させた構成であり、給気選択手段の駆動時に一時的に通風による圧力が低減されるため、給気選択手段の駆動手段の必要トルクを小さくすることが可能であり駆動手段を小型化でき、熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項10に記載の熱交換形換気装置は、排気循環選択手段が室外排出口及び循環空気排出口と接続する排気分割流路を選択できる選択手段として排気循環選択調整板を備えた構成であり、排気循環選択調整板が室外排出口及び循環空気排出口と接続する排気分割流路を選択できるため、熱交換器の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換器の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器の排気流路内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、請求項11に記載の熱交換形換気装置は、排気循環選択調整板は、排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口のどちらか一方との接続を選択できるとともに、全ての排気分割流路が同時に室外排出口と接続できる構成であり、排気循環選択調整板が室外排出口及び循環空気排出口のどちらか一方と接続する排気分割流路を選択できるため、熱交換器の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換器の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器の排気流路内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られるとともに、全ての排気分割流路が同時に室外排出口と接続できるため、熱交換器全体を熱交換運転に用いることができるという効果が得られる。
また、請求項12に記載の熱交換形換気装置は、排気循環選択調整板は、室外排出口との接続を選択する排気開閉調整板と、循環空気排出口との接続を選択する循環開閉調整板とを備え、排気開閉調整板と循環開閉調整板を連動させた構成であり、排気開閉調整板と循環開閉調整板とが連動することにより、ひとつの排気分割流路と接続する室外排出口と循環空気排出口のどちらか一方との接続が選択できるため、熱交換器の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換器の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器の排気流路内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られるとともに、排気開閉調整板と循環開閉調整板とをひとつの駆動手段にて駆動可能となるため、熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項13に記載の熱交換形換気装置は、排気循環選択調整板は、断熱効果を有する構成であり、排気循環選択調整板の片側には熱交換器にて給気と熱交換をした後に室外排出口から室外へと排出される冷たい空気が通風され、排気循環選択調整板のもう一方には熱交換器に蓄積した結露及び凍結を除去した後に循環空気排出口から室内へと排出される多湿の空気が通風されるが、排気循環選択調整板が断熱効果を有するため排気循環選択調整板の表面にて結露及び凍結を生じることがなく、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、請求項14に記載の熱交換形換気装置は、排気循環選択手段により排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口との接続の選択を切り替える時に、排気循環原動機の回転数を一時的に低下させた構成であり、排気循環選択手段の駆動時に一時的に通風による圧力が低減されるため、排気循環選択手段の駆動手段の必要トルクを小さくすることが可能であり駆動手段を小型化でき、熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項15に記載の熱交換形換気装置は、給気原動機を給気流路に設置し、給気原動機の一部を排気循環選択手段下流でかつ循環空気排出口上流に位置する循環流路に接するように設置した構成であり、給気原動機の排熱の大部分を給気にすることができるため、室内へ給気する空気の温度を上昇させることができるとともに、給気原動機の一部が循環流路に接するように設置したことで、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を始動させた場合でも、室内の暖かい空気を循環流路に通風することで給気原動機を予熱することができ、給気原動機の駆動を容易にできるという効果が得られる。
また、請求項16に記載の熱交換形換気装置は、室外吸込口近傍に空気の温度を検知する温度検知手段を備え、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を下回った状態にて熱交換形換気装置を始動させた場合、排気循環選択手段により全ての排気分割流路が循環空気排出口と接続され、排気循環送風手段により通風が開始され、所定の時間間隔を置いた後に、寒冷地運転モードが開始される構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を始動させた場合でも、室内の暖かい空気を循環流路に通風することで給気原動機を予熱することができ、給気原動機の駆動を容易にできるという効果が得られる。
また、請求項17に記載の熱交換形換気装置は、室外吸込口近傍に空気の温度を検知する温度検知手段を備え、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を下回った場合、寒冷地運転モードに切り替わる構成であり、温度検知手段が検知した温度が熱交換器内で結露及び凍結を生じる所定の温度を下回った場合、熱交換器の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うという寒冷地運転モードに切り替わることで、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項18に記載の熱交換形換気装置は、室内給気口近傍に、空気の温度を検知する温度検知手段を備え、室内給気口から供給される空気の温度が所定の温度を下回った場合、給気原動機の回転数を低下させた構成であり、一般的な熱交換形換気装置は対応できる室外温度の下限が決まっており、対応できない温度以下では通風を休止するが、室外が例えば対応できる室外温度の下限以下である−40℃のような極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を運転した場合においても、給気風量を低減させた状態にすることで、熱交換器の熱交換効率が上昇し、熱交換器の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は、冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるため、熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施できるという効果が得られる。
また、請求項19に記載の熱交換形換気装置は、排気循環送風手段が排気循環羽根車を備え、給気送風手段が給気羽根車を備え、給気羽根車が排気循環羽根車よりも体積を小さくした構成であり、排気循環羽根車は、熱交換を行い室外に排出される空気と、熱交換器の排気流路内の結露及び凍結を除去し室内に排出される空気とを送風する役割を担い、それに対し給気羽根車は、熱交換を行い室内に給気される空気を送風する役割のみであり、給気羽根車を排気循環羽根車よりも体積を小さくすることで送風性能を損なわずに熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。また、羽根車の体積とは羽根車の外形の直径と高さ内の空間のことを指す。
また、請求項20に記載の熱交換形換気装置は、熱交換器が耐水性でかつ全熱交換形の伝熱板を備えた構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置を運転した場合において、冷たい給気により熱交換器の排気流路内に結露や凍結が生じるが、乾燥することで元の能力を復元することができ、また全熱交換形の伝熱板の作用により室内吸込口から吸込まれる室内空気に含まれる水分を給気空気に移動させるため、顕熱交換形の伝熱板を用いた場合に比べ相対的に熱交換器の排気流路内の結露及び凍結の量を減らすことができ且つデフロストが容易となるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。
また、請求項21に記載の熱交換形換気装置は、循環空気排出口の鉛直下方向には皿状の構造が配置されている構成であり、室内吸込口から吸込まれ循環空気排出口から室内に排出される空気は冷たい給気により熱交換器の排気流路内に生じた結露や凍結を除去するためのものであり、熱交換器を経た後は多湿の空気となり壁面にて結露を生じる可能性があるが、結露が生じた場合においても、循環空気排出口の鉛直下方向に皿状の構造を配置することで結露水が室内へと流出することを抑制することができ、また、循環空気排出口から吹き出した空気が皿状の構造を通過することで、皿状の構造に溜まった結露水を乾燥させることができる効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に本実施の形態1の熱交換形換気装置の水平断面図、図2にA−A´断面図、図3にB−B´断面図を示す。
図1〜3に示すように、熱交換形換気装置1は、室外吸込口2、室内給気口3、室内吸込口4、室外排出口5及び循環空気排出口6を備えた本体箱7に、給気送風手段8、給気原動機9、排気循環送風手段10、排気循環原動機11及び熱交換器12を備え、また、室外空気が給気送風手段8の作用により室外吸込口2から吸込まれ熱交換器12を経て室内給気口3から室内へと給気される給気流路13と、室内空気が排気循環送風手段10の作用により室内吸込口4から吸込まれ熱交換器12を経て室外排出口5から室外へと排気させる排気流路14とを備えた構成となっている。
そして、給気流路13には、熱交換器12の上流部分を複数に分割し熱交換器12に接続された給気分割流路15及び給気分割流路15を開閉する給気選択手段16である給気開閉調整板17を備えた構成となっており、排気流路14には、熱交換器12の下流部分を複数に分割し熱交換器12に接続された排気分割流路18及び排気分割流路18と室外排出口5または循環空気排出口6のどちらか一方との接続を選択する排気循環選択手段19である排気循環選択調整板20を備えた構成となっている。なお、排気循環選択調整板20は、排気開閉調整板21と循環開閉調整板22とを備えた構成である。
また、排気循環選択調整板20は断熱効果を有するものであり、例えば、ABSにて構造を維持したダンパーの片面あるいは両面に発砲スチロールを張り合わせた構成のものであり、排気開閉調整板21と循環開閉調整板22は排気循環選択調整板20を構成するダンパーの板体である。
また、給気開閉調整板17は、回転軸を中心に備えたダンパーである。
給気流路13の一部を分割した給気分割流路15は2つに分割されており、排気流路14の一部を分割した排気分割流路18は給気分割流路15の分割数と同数の2つに分割されている。また、本明細書における熱交換器12の一部とは、一対の給気分割流路15と排気分割流路18に対応した部分を示し、本実施の形態では、熱交換器12を給気分割流路15と排気分割流路18に対応した2部分に分割し、その片方を熱交換器12の一部と言い、他方を熱交換器12の他の部分と言う。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環選択調整板20の排気開閉調整板21から循環空気排出口6に循環流路23を備え、循環流路23の鉛直下方向には、皿状の構造であるドレンパン24を備えた構成となっている。
なお、熱交換形換気装置1は、室外吸込口2の近傍及び室内給気口3の近傍にそれぞれ給気上流温度検知手段25と給気下流温度検知手段26を備えた構成となっている。
給気上流温度検知手段25及び給気下流温度検知手段26は例えば、サーミスターにより形成されたものである。
熱交換器12は、図4に示すように、六角形の伝熱板27上に合成樹脂製の第1のリブ28を形成した第1の成形ピース29と、伝熱板27上に合成樹脂製の第2のリブ30を形成した第2の成形ピース31とを交互に積層した構成としており、第1のリブ28によって形成される流路は排気流路14の一部を担い、第2のリブ30によって形成される流路は給気流路13の一部を担う。そして、熱交換器12の給気流路13を通風する室外から給気される空気と、熱交換器12の排気流路14を通風する室内から排気される空気との間で伝熱板27を介し熱交換を行う。
また、伝熱板27は、例えば、非水溶性のPP、PE、PET、PTFEなどを素材とした多孔質樹脂膜の片面に気体遮蔽性を有する非水溶性のエーテル系のポリウレタン系樹脂またはエーテル系のポリエステル系樹脂などを素材とした親水性透湿樹脂膜を重合した2層構造膜の親水性透湿樹脂膜の面に通気性の非水溶性のPETを素材とした不織布などの多孔質樹脂基材を重合した3層構造で構成される耐水性でかつ全熱交換形のものである。
上記のように構成された本実施の形態の熱交換形換気装置1の運転について以下に説明する。
熱交換器12の排気流路14内にて結露及び凍結が生じない室外温度条件の場合、給気開閉調整板17が全て開けられ全ての給気分割流路15に通風が成されるとともに、排気循環選択調整板20の作用により全ての排気分割流路18は室外排出口5と連通するように設定される。すなわち熱交換器12の全てを給気と排気の熱交換に用いた状態で運転を行う。なお、結露及び凍結が生じない室外温度条件は給気上流温度検知手段25の温度をもとに決定され、結露及び凍結が生じない温度は、熱交換形換気装置1の設計時の実験データをもとに設定される。
熱交換器12の排気流路14内にて結露及び凍結が生じる室外が例えば−25℃のような極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を運転した場合、熱交換器12の一部に連通する給気分割流路15に対応する給気開閉調整板17が開けられ給気流が通風され、その他の給気開閉調整板17は全て閉めた状態となり給気流の通風は成されない、排気流路14においては、熱交換器12の給気流が通風される部分に対応する排気分割流路18が排気循環選択調整板20の作用により室外排出口5と連通し排気流が通風され、その他の排気分割流路18は全て循環空気排出口6と連通し熱交換器12のデフロストに用いる空気流が通風される。すなわち、熱交換器12の一部で給気と排気の間で熱交換を行う熱交換運転を行い、熱交換器12の他の部分で、室内吸込口4から室内空気が吸込まれ熱交換器12の排気流路14内の結露及び凍結を除去し循環空気排出口6から再び室内へと排出されるデフロスト運転を行い、この熱交換運転とデフロスト運転を熱交換器12の一部に対し交互に行うことで、熱交換器12の排気流路14内にて生じる結露及び凍結の影響を除去し、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができる。また、この運転モードのことを寒冷地運転モードとする。
上記のように構成された熱交換形換気装置1の作用と効果について、以下に説明する。
熱交換形換気装置1は、室外から室外空気を吸込む室外吸込口2と、室内へ室外空気を給気する室内給気口3と、室内から室内空気を吸込む室内吸込口4と、室外へ室内空気を排出する室外排出口5と、室内から吸込んだ空気を室内へと排出する循環空気排出口6とを備えた本体箱7内に、室外空気を室外吸込口2から吸込み室内給気口3から室内へ給気するための給気流路13と、室内空気を室内吸込口4から吸込み室外排出口5から室外へ排気するための排気流路14と、給気流路13に通風させる室外空気と、排気流路14に通風させ室外排出口5から排気される室内空気との間で熱交換を行う熱交換器12と、室外空気を吸込み給気流路13を通じて室内へ給気を行う給気送風手段8と、給気送風手段8を駆動させる給気原動機9と、室内空気を吸込み排気流路14を通じて室外への排気と室内へ空気を循環させる熱交換器12の上流に配置した排気循環送風手段10と、排気循環送風手段10を駆動させる排気循環原動機11と、排気流路14における熱交換器12の下流にて排気流路14を複数に分割し熱交換器12に接続された排気分割流路18と、排気分割流路18と室外排出口5または循環空気排出口6のどちらか一方との接続を選択する排気循環選択手段19と、給気流路13において給気流路13を複数に分割し熱交換器12に接続された給気分割流路15と、給気分割流路15を開閉する給気選択手段16とを備えた構成であり、室外が例えば−25℃のような極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を運転した場合において、熱交換器12の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器12の他の部分は、冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるとともに、デフロスト運転に用いられる室内吸込口4から吸込み循環空気排出口6から室内へ排出される循環流と、給気空気と熱交換を行い室外排出口5から室外へ排出される排気流とをひとつの送風手段にて送風することができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、排気流路14を分割した排気分割流路18と給気流路13を分割した給気分割流路15とが同数の分割数とするとともに、熱交換器12の一部に対し一対の排気分割流路18と給気分割流路15を備えた構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を運転した場合において、熱交換器12の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器の他の部分は、冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるとともに、排気流路14と給気流路13の分割数を同数とすることで、排気循環選択手段19及び給気選択手段16を最小限に構成することができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気選択手段16により熱交換器12における給気流路13の室外空気が通風される箇所が設定され、熱交換器12における給気流路13に対応する排気流路14に室内空気が通風されるように排気循環選択手段19で設定されることで、熱交換器12の一部で室外空気と室内空気との間で熱交換を行い、熱交換器12の他の部分は排気循環選択手段19にて熱交換器12を通風した後に循環空気排出口6から排出されるように設定した構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を運転した場合において、熱交換器12の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器12の他の部分は、冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気送風手段8を熱交換器12と室外吸込口2との間に備え、給気送風手段8が室外吸込口2から室外空気を吸込み、熱交換器12を経て室内給気口3から室内へ給気するように配置した構成であり、給気原動機9の排熱で熱交換器12へ流入する室外空気を暖めることができるため、熱交換器12の排気流路14内に生じる結露や凍結を削減することができるとともに、給気送風手段8から下流に位置する給気流路13が正圧となり、排気流路14から湿度の高い室内空気が流入することを防ぎ、給気流路13内に結露や凍結が発生することを抑制できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気分割流路15を熱交換器12上流に備えた構成であり、給気分割流路15を熱交換器12上流に備えることで給気選択手段16を熱交換器12の上流に備えることができ、デフロスト運転している熱交換器12の一部を冷たい室外空気と遮断することができるため、熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結の除去を迅速かつ確実に行うことができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気選択手段16が通風する給気分割流路15を選択できる選択手段として給気開閉調整板17を備えた構成であり、給気開閉調整板17が給気を通風させる給気分割流路15を選択することで、熱交換器12の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換気の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器12の排気流路14内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気開閉調整板17が通風する給気分割流路15を選択するとともに、給気分割流路15の全てを開けることと、給気分割流路15の全てを閉めることが選択できる構成であり、この構成により、熱交換器12の排気流路14内で結露及び凍結を生じない室内外の温度条件の時には、給気分割流路15全てを開けることで熱交換器12全体を熱交換運転に用いることができ、熱交換形換気装置1を休止している時に、給気分割流路15の全てを閉めることで室外の冷たい空気が熱交換形換気装置1に入り込み熱交換形換気装置1の本体箱7内部での結露及び凍結を抑制することができ、熱交換形換気装置1を再び駆動した際に、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気開閉調整板17がそれぞれ独立して開閉を可能とした構成であり、複数ある給気分割流路15のそれぞれに設けられた給気開閉調整板17がそれぞれ独立して開閉可能であるため、通風する給気分割流路15を切り替える時に、給気開閉調整板17の駆動手段の必要トルクを小さくすることが可能であり駆動手段を小型化できるとともに、給気分割流路15のすべてに通風することと、熱交換形換気装置1を休止している際に給気分割流路15を全て閉めることで室外の冷たい空気が熱交換形換気装置1に入り込み熱交換形換気装置1の本体箱7内部での結露及び凍結を抑制することができ、熱交換形換気装置1を再び駆動した際に、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果と、熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、給気選択手段16により給気分割流路15の開閉を切り替える時に、給気原動機9の回転数を一時的に低下させた構成であり、給気選択手段16の駆動時に一時的に通風による圧力が低減されるため、給気選択手段16の駆動手段の必要トルクを小さくすることが可能であり駆動手段を小型化でき、熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。また、ここで言う一時的とは、給気選択手段16の切り替えが開始される2〜5秒前から給気選択手段16の切り替えが終了する時点までのことを指す。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環選択手段19が室外排出口5及び循環空気排出口6と接続する排気分割流路18を選択できる選択手段として排気循環選択調整板20を備えた構成であり、排気循環選択調整板20が室外排出口5及び循環空気排出口6と接続する排気分割流路18を選択できるため、熱交換器12の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換器12の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器12の排気流路14内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環選択調整板20が排気分割流路18と室外排出口5または循環空気排出口6のどちらか一方との接続を選択できるとともに、全ての排気分割流路18が同時に室外排出口5と接続できる構成であり、排気循環選択調整板20が室外排出口5及び循環空気排出口6のどちらか一方と接続する排気分割流路18を選択できるため、熱交換器12の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換器の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器12の排気流路14内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られるとともに、全ての排気分割流路18が同時に室外排出口5と接続できるため、熱交換器12全体を熱交換運転に用いることができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環選択調整板20が、室外排出口5との接続を選択する排気開閉調整板21と、循環空気排出口6との接続を選択する循環開閉調整板22とを備え、排気開閉調整板21と循環開閉調整板22を連動させた構成であり、排気開閉調整板21と循環開閉調整板22とが連動することにより、ひとつの排気分割流路18と接続する室外排出口5と循環空気排出口6のどちらか一方との接続が選択できるため、熱交換器12の一部にて熱交換運転を行うとともに熱交換器の他の部分でデフロスト運転を行うことができ、熱交換器12の排気流路14内に生じた結露及び凍結を除去しつつ必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られるとともに、排気開閉調整板21と循環開閉調整板22とをひとつの駆動手段にて駆動可能となるため、熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環選択調整板20は、断熱効果を有する構成であり、排気循環選択調整板20の片側には熱交換器12にて給気と熱交換をした後に室外排出口5から室外へと排出される冷たい空気が通風され、排気循環選択調整板20のもう一方には熱交換器12に蓄積した結露及び凍結を除去した後に循環空気排出口6から室内へと排出される多湿の空気が通風されるが、排気循環選択調整板20が断熱効果を有するため排気循環選択調整板20の表面にて結露及び凍結を生じることがなく、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環選択手段19により排気分割流路18と室外排出口5または循環空気排出口6との接続の選択を切り替える時に、排気循環原動機11の回転数を一時的に低下させた構成であり、排気循環選択手段19の駆動時に一時的に通風による圧力が低減されるため、排気循環選択手段19の駆動手段の必要トルクを小さくすることが可能であり駆動手段を小型化でき、熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。また、ここで言う一時的とは、排気循環選択手段19の切り替えが開始される2〜5秒前から排気循環選択手段19の切り替えが終了する時点までのことを指す。
また、熱交換形換気装置1は、給気原動機9を給気流路13に設置し、給気原動機9の一部を排気循環選択手段19の下流でかつ循環空気排出口6の上流に位置する循環流路23に接するように設置した構成であり、給気原動機9の排熱の大部分を給気にすることができるため、室内へ給気する空気の温度を上昇させることができるとともに、給気原動機9の一部が循環流路23に接するように設置したことで、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を始動させた場合でも、室内の暖かい空気を循環流路23に通風することで給気原動機9を予熱することができ、給気原動機9の駆動を容易にできるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、室外吸込口2近傍に空気の温度を検知する給気上流温度検知手段25を備え、給気上流温度検知手段25が検知した温度が所定の温度を下回った状態にて熱交換形換気装置1を始動させた場合、排気循環選択手段19により全ての排気分割流路18が循環空気排出口6と接続され、排気循環送風手段10により通風が開始され、所定の時間間隔を置いた後に、寒冷地運転モードが開始される構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を始動させた場合でも、室内の暖かい空気を循環流路23に通風することで給気原動機9を予熱することができ、給気原動機9の駆動を容易にできるという効果が得られる。ここで言う所定の温度とは、使用する給気原動機9の使用温度範囲の下限値のことを指し、所定の時間間隔とは、給気上流温度検知手段25の検知温度と循環流路23への通風時間との関係を熱交換形換気装置1の設計段階で予め予測し、給気原動機9が使用温度範囲の下限を超えるまでの通風時間間隔のことを指す。
また、熱交換形換気装置1は、室外吸込口2近傍に空気の温度を検知する給気上流温度検知手段25を備え、給気上流温度検知手段25が検知した温度が所定の温度を下回った場合、寒冷地運転モードに切り替わる構成であり、給気上流温度検知手段25が検知した温度が熱交換器12内で結露及び凍結を生じる所定の温度を下回った場合、熱交換器12の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器12の他の部分は冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うという寒冷地運転モードに切り替わることで、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。ここで言う所定の温度とは、熱交換器12の排気流路14内に結露及び凍結が生じる温度のことであり、熱交換形換気装置1の設計段階にて予め結露及び凍結が生じる温度を特定しておき任意に設定できるものである。
また、熱交換形換気装置1は、室内給気口3近傍に、空気の温度を検知する給気下流温度検知手段26を備え、室内給気口3から供給される空気の温度が所定の温度を下回った場合、給気原動機9の回転数を低下させた構成であり、一般的な熱交換形換気装置1は対応できる室外温度の下限が決まっており、対応できない温度以下では通風を休止するが、室外が例えば対応できる室外温度の下限以下である−40℃のような極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を運転した場合においても、給気風量を低減させた状態にすることで、熱交換器12の熱交換効率が上昇し、熱交換器12の一部にて給気と排気の間で熱交換運転を行い、熱交換器12の他の部分は、冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結を除去するためのデフロスト運転を行うことができるため、熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、排気循環送風手段10が排気循環羽根車を備え、給気送風手段8が給気羽根車を備え、給気羽根車が排気循環羽根車よりも体積を小さくした構成であり、排気循環羽根車は、熱交換を行い室外に排出される空気と、熱交換器12の排気流路14内の結露及び凍結を除去し室内に排出される空気とを送風する役割を担い、それに対し給気羽根車は、熱交換を行い室内に給気される空気を送風する役割のみであり、給気羽根車を排気循環羽根車よりも体積を小さくすることで送風性能を損なわずに熱交換形換気装置を小型化できるという効果が得られる。また、羽根車の体積とは羽根車の外形の直径と高さ内の空間のことを指す。また、排気循環羽根車および給気羽根車は図示しないが、シロッコファンなどの遠心送風機である。
また、熱交換形換気装置1は、熱交換器12が耐水性でかつ全熱交換形の伝熱板27を備えた構成であり、室外が極めて低い温度となる寒冷地の冬季に熱交換形換気装置1を運転した場合において、冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に結露や凍結が生じるが、乾燥することで元の能力を復元することができ、また全熱交換形の伝熱板27の作用により室内吸込口4から吸込まれる室内空気に含まれる水分を給気空気に移動させるため、顕熱交換形の伝熱板を用いた場合に比べ相対的に熱交換器12の排気流路14内の結露及び凍結の量を減らすことができ且つデフロストが容易となるため、必要な換気風量を熱回収しながら得る本来の熱交換換気を継続して実施することができ、かつ熱交換形換気装置1を小型化できるという効果が得られる。
また、熱交換形換気装置1は、循環空気排出口6の鉛直下方向には皿状の構造のドレンパン24が配置されている構成であり、室内吸込口4から吸込まれ循環空気排出口6から室内に排出される空気は冷たい給気により熱交換器12の排気流路14内に生じた結露や凍結を除去するためのものであり、熱交換器12を経た後は多湿の空気となり壁面にて結露を生じる可能性があるが、結露が生じた場合においても、循環空気排出口6の鉛直下方向に皿状の構造のドレンパン24を配置することで結露水が室内へと流出することを抑制することができ、また、循環空気排出口6から吹き出した空気がドレンパン24上を通過することでドレンパン24に溜まった結露水を乾燥させることができる効果を有する。
本発明に係る熱交換形換気装置は、室外がきわめて低い温度であっても、本来の熱交換換気を継続して行うことができる小型の熱交換形換気装置であって、寒冷地の冬季に熱交換換気する換気装置として有用である。
1 熱交換形換気装置
2 室外吸込口
3 室内給気口
4 室内吸込口
5 室外排出口
6 循環空気排出口
7 本体箱
8 給気送風手段
9 給気原動機
10 排気循環送風手段
11 排気循環原動機
12 熱交換器
13 給気流路
14 排気流路
15 給気分割流路
16 給気選択手段
17 給気開閉調整板
18 排気分割流路
19 排気循環選択手段
20 排気循環選択調整板
21 排気開閉調整板
22 循環開閉調整板
23 循環流路
24 ドレンパン
25 給気上流温度検知手段
26 給気下流温度検知手段
27 伝熱板
28 第1のリブ
29 第1の成形ピース
30 第2のリブ
31 第2の成形ピース

Claims (21)

  1. 室外から室外空気を吸込む室外吸込口と、室内へ室外空気を給気する室内給気口と、室内から室内空気を吸込む室内吸込口と、室外へ室内空気を排出する室外排出口と、室内から吸込んだ空気を室内へと排出する循環空気排出口とを備えた本体箱内に、室外空気を前記室外吸込口から吸込み前記室内給気口から室内へ給気するための給気流路と、室内空気を前記室内吸込口から吸込み前記室外排出口から室外へ排気するための排気流路と、前記給気流路に通風させる室外空気と、前記排気流路に通風させ前記室外排出口から排気される室内空気との間で熱交換を行う熱交換器と、室外空気を吸込み前記給気流路を通じて室内へ給気を行う給気送風手段と、前記給気送風手段を駆動させる給気原動機と、室内空気を吸込み前記排気流路を通じて室外への排気と室内へ空気を循環させる前記熱交換器の上流に配置した排気循環送風手段と、前記排気循環送風手段を駆動させる排気循環原動機と、前記排気流路における前記熱交換器の下流にて前記排気流路を複数に分割し前記熱交換器に接続された排気分割流路と、前記排気分割流路と前記室外排出口または前記循環空気排出口のどちらか一方との接続を選択する排気循環選択手段と、前記給気流路において前記給気流路を複数に分割し前記熱交換器に接続された給気分割流路と、前記給気分割流路を開閉する給気選択手段とを備えたことを特徴とする熱交換形換気装置。
  2. 排気流路を分割した排気分割流路と給気流路を分割した給気分割流路とが同数の分割数とするとともに、熱交換器の一部に対し一対の前記排気分割流路と前記給気分割流路を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱交換形換気装置。
  3. 給気選択手段により熱交換器における給気流路の室外空気が通風される箇所が設定され、前記熱交換器における前記給気流路に対応する排気流路に室内空気が通風されるように排気循環選択手段で設定されることで、前記熱交換器の一部で室外空気と室内空気との間で熱交換を行い、前記熱交換器の他の部分は前記排気循環選択手段にて前記熱交換器を通風した後に循環空気排出口から排出されるように設定したことを特徴とする請求項1または2記載の熱交換形換気装置。
  4. 給気送風手段を熱交換器と室外吸込口との間に備え、前記給気送風手段が室外吸込口から室外空気を吸込み、熱交換器を経て室内給気口から室内へ給気するように配置したことを特徴とする請求項1〜3記載の熱交換形換気装置。
  5. 給気分割流路を熱交換器上流に備えたことを特徴とする請求項1〜4いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  6. 給気選択手段が通風する給気分割流路を選択できる選択手段として給気開閉調整板を備えたことを特徴とする請求項1〜5いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  7. 給気開閉調節板は、通風する給気分割流路を選択するとともに、前記給気分割流路の全てを開けることと、前記給気分割流路の全てを閉めることが選択できることを特徴とする請求項6記載の熱交換形換気装置。
  8. 給気開閉調整板は、それぞれが独立して開閉を可能としたことを特徴とする請求項7記載の熱交換形換気装置。
  9. 給気選択手段により給気分割流路の開閉を切り替える時に、給気原動機の回転数を一時的に低下させたことを特徴とする請求項1〜8いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  10. 排気循環選択手段が室外排出口及び循環空気排出口と接続する排気分割流路を選択できる選択手段として排気循環選択調整板を備えたことを特徴とする請求項1〜9いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  11. 排気循環選択調整板は、排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口のどちらか一方との接続を選択できるとともに、全ての前記排気分割流路が同時に前記室外排出口と接続できることを特徴とする請求項10記載の熱交換形換気装置。
  12. 排気循環選択調整板は、室外排出口との接続を選択する排気開閉調整板と、循環空気排出口との接続を選択する循環開閉調整板とを備え、前記排気開閉調整板と前記循環開閉調整板を連動させたことを特徴とする請求項10または11記載の熱交換形換気装置。
  13. 排気循環選択調整板は、断熱効果を有することを特徴とした請求項10〜12いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  14. 排気循環選択手段により排気分割流路と室外排出口または循環空気排出口との接続の選択を切り替える時に、排気循環原動機の回転数を一時的に低下させたことを特徴とする請求項1〜13いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  15. 給気原動機を給気流路に設置し、前記給気原動機の一部を排気循環選択手段下流でかつ循環空気排出口上流に位置する循環流路に接するように設置したことを特徴とする請求項1〜14いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  16. 室外吸込口近傍に空気の温度を検知する温度検知手段を備え、前記温度検知手段が検知した温度が所定の温度を下回った状態にて熱交換形換気装置を始動させた場合、排気循環選択手段により全ての排気分割流路が循環空気排出口と接続され、排気循環送風手段により通風が開始され、所定の時間間隔を置いた後に、寒冷地運転モードが開始されることを特徴とする請求項15記載の熱交換形換気装置。
  17. 室外吸込口近傍に空気の温度を検知する温度検知手段を備え、前記温度検知手段が検知した温度が所定の温度を下回った場合、寒冷地運転モードに切り替わることを特徴とする請求項1〜16いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  18. 室内給気口近傍に、空気の温度を検知する温度検知手段を備え、前記室内給気口から供給される空気の温度が所定の温度を下回った場合、給気原動機の回転数を低下させたことを特徴とする請求項1〜17いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  19. 排気循環送風手段が排気循環羽根車を備え、給気送風手段が給気羽根車を備え、前記給気羽根車が前記排気循環羽根車よりも体積を小さくしたことを特徴とした請求項1〜18いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  20. 熱交換器が耐水性でかつ全熱交換形の伝熱板を備えたことを特徴とする請求項1〜19いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
  21. 循環空気排出口の鉛直下方向には皿状の構造が配置されていることを特徴とする請求項1〜20いずれかひとつに記載の熱交換形換気装置。
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