JP5326764B2 - 構造物の構築方法 - Google Patents
構造物の構築方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5326764B2 JP5326764B2 JP2009099225A JP2009099225A JP5326764B2 JP 5326764 B2 JP5326764 B2 JP 5326764B2 JP 2009099225 A JP2009099225 A JP 2009099225A JP 2009099225 A JP2009099225 A JP 2009099225A JP 5326764 B2 JP5326764 B2 JP 5326764B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seismic isolation
- isolation bearing
- bearing member
- concrete
- isolation layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
免震層を介して整地面上に支承された構造物の構築方法であって、
可撓性を有する複数のブロック状の免震支承部材を前記整地面上に敷き詰めて並列配置することにより前記免震層を形成する免震層形成工程と、
形成された前記免震層の上面をコンクリート型枠として用いて、コンクリートを打設することにより前記構造物の最下部のコンクリート部分を形成する最下部形成工程と、を備え、
前記免震支承部材は、その内部に鉛直方向に沿って形成された複数のスリット部を有し、
前記スリット部は、前記免震支承部材の下面には到達せずに、該免震支承部材の上面に到達するように形成されており、
前記最下部形成工程では、前記免震層の上面を液不透過性の被覆部材で覆った後に、該被覆部材上にコンクリートを打設することを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、整地面上に免震支承部材を敷き詰めて配置するので、免震支承部材の上面をコンクリート型枠として使用可能となる。その結果、構造物の最下部のコンクリート部分を形成するためのコンクリート型枠の簡素化を図れ、その設置作業負荷が軽減される。
また、スリット部により免震支承部材の水平剛性は低くなるので、免震支承部材は水平方向に弾性剪断変形し易くなり、その結果、免震支承部材により構造物は確実に水平免震される。
また、免震層の上面を液不透過性の被覆部材で覆うので、スリット部へのコンクリートのノロ流入を有効に防ぎつつ、免震層(免震支承部材)の上面にコンクリートを打設可能となる。
前記免震支承部材の形状は、所定高さの上面を有した直方体であり、
前記免震層内において互いに側方に隣り合う前記免震支承部材同士は、互いの側面が全面に亘って密接状態に突き合わされていることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、免震支承部材同士の間の隙間を最小にすることができて、結果、上述のコンクリート型枠の更なる簡素化を図れる。また、前記所定高さの上面により、構造物の最下部のコンクリート部分の下面を平坦面に形成可能となり、前記最下部のコンクリート部分を、べた基礎に形成する際の施工性に優れる。
前記スリット部は、その厚みが0mmよりも大きく1mm以下に形成されることを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、スリット部の厚みを上記数値範囲の任意値にしているので、構造物の水平免震時には、スリット部を挟んで対面する面同士は確実に摺動する。これにより、当該免震支承部材は、構造物の水平振動を減衰する振動減衰装置としても機能することができる。
前記スリット部は刃物部材により切断して形成されることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、スリット部を刃物部材により切断形成するので、スリット部の厚みを、上述の如き0mmよりも大きく1mm以下の数値範囲に確実に収めることができる。
前記スリット部には、粘性材が充填されていることを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、構造物の水平免震時には、スリット部内の粘性材の剪断抵抗力により、構造物の水平振動を減衰する。つまり、当該免震支承部材は、構造物の水平振動を減衰する振動減衰装置としても機能することができる。
前記免震支承部材は、発泡性樹脂からなり、
前記最下部のコンクリート部分は、べた基礎であることを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、免震支承部材が安価な発泡性樹脂からなるので、建設費を圧縮可能となる。また、べた基礎なので、敷き詰め配置された全ての免震支承部材に、構造物の自重を満遍なく受けさせることができて、免震支承部材の局所的な変形を抑制し、免震支承部材の構造健全性を長期に亘り維持可能となる。
<<<免震層10の免震支承部材11について>>>
図1Aに免震層10を具備した構造物の一例としての建物1の側面図を示す。また、図1Bに図1A中のB−B断面図を示す。なお、図1B中では、免震支承部材11が具備すべき後述のスリット部13は省略して示している。
そして、このようなスリット部13を有した免震支承部材11は、上述の建物1の免震作用以外に建物1の水平振動を減衰する作用も奏し得て、その結果、オイルダンパー等の振動減衰装置の設置数を削減することができる。
P=μ×N ……(1)
ここで上式1中のμは、スリット部13を挟んで対面する面15s,15s(以下、摺動面とも言う)の動摩擦係数であり、Nは、摺動面15sの垂直抗力である。なお、Nについては下式2で計算される。
N=(W/n)×(δ/H)×n
=W×δ/H ……(2)
ここで上式2中のWは、建物1の重量であり、Hはスリット部13の鉛直方向の長さであり、nは、免震層10が具備する格子状に分割形成された柱部15,15…の総数であり、δは免震支承部材11(つまり免震層10)の水平方向の撓み量である。なお、δについては下式3で計算される。
δ=Q×H3/(3×3×I×n) ……(3)
ここで上式3中のQは、水平方向の想定地震力であり、Eは免震支承部材11のヤング率(=約1000N/cm2)であり、Iは、柱部15ひとつ当たりの断面二次モーメントである。水平方向(横方向)のIについては下式4で計算される。
I=B×D2/12 ……(4)
なお、上式4中のB及びDは、柱部15の水平断面に係る縦辺の長さB及び横辺の長さDであり、つまり、上述したスリット部13の形成ピッチB,Dである。
図4A乃至図4Eは、上述の免震層10を具備した建物1の構築方法の説明図である。いずれの図も、右側に側面図を示し、左側には上面図を示している。
図5A乃至図5Cは、免震支承部材11の第1変形例の説明図である。図5Aは側面図であり、図5Bは図5A中のB−B矢視の側面図であり、図5Cは上面図である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
3 べた基礎(構造物の最下部のコンクリート部分)、
10 免震層、10u 上面、
11 免震支承部材、11d 下面、11r 下部(範囲)、
11s 側面、11u 上面、
13 スリット部、15 柱部、15s 摺動面(面)、
17 粘性材、20 被覆部材、22 免震支承部材
30 コンクリート型枠、40 コンクリート、
G 整地された地面(整地面)、P 摩擦力、Q 想定地震力、W 重量
Claims (6)
- 免震層を介して整地面上に支承された構造物の構築方法であって、
可撓性を有する複数のブロック状の免震支承部材を前記整地面上に敷き詰めて並列配置することにより前記免震層を形成する免震層形成工程と、
形成された前記免震層の上面をコンクリート型枠として用いて、コンクリートを打設することにより前記構造物の最下部のコンクリート部分を形成する最下部形成工程と、を備え、
前記免震支承部材は、その内部に鉛直方向に沿って形成された複数のスリット部を有し、
前記スリット部は、前記免震支承部材の下面には到達せずに、該免震支承部材の上面に到達するように形成されており、
前記最下部形成工程では、前記免震層の上面を液不透過性の被覆部材で覆った後に、該被覆部材上にコンクリートを打設することを特徴とする構造物の構築方法。 - 請求項1に記載の構造物の構築方法であって、
前記免震支承部材の形状は、所定高さの上面を有した直方体であり、
前記免震層内において互いに側方に隣り合う前記免震支承部材同士は、互いの側面が全面に亘って密接状態に突き合わされていることを特徴とする構造物の構築方法。 - 請求項1又は2に記載の構造物の構築方法であって、
前記スリット部は、その厚みが0mmよりも大きく1mm以下に形成されることを特徴とする構造物の構築方法。 - 請求項3に記載の構造物の構築方法であって、
前記スリット部は刃物部材により切断して形成されることを特徴とする構造物の構築方法。 - 請求項1又は2に記載の構造物の構築方法であって、
前記スリット部には、粘性材が充填されていることを特徴とする構造物の構築方法。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の構造物の構築方法であって、
前記免震支承部材は、発泡性樹脂からなり、
前記最下部のコンクリート部分は、べた基礎であることを特徴とする構造物の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009099225A JP5326764B2 (ja) | 2009-04-15 | 2009-04-15 | 構造物の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009099225A JP5326764B2 (ja) | 2009-04-15 | 2009-04-15 | 構造物の構築方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010249225A JP2010249225A (ja) | 2010-11-04 |
JP5326764B2 true JP5326764B2 (ja) | 2013-10-30 |
Family
ID=43311788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009099225A Expired - Fee Related JP5326764B2 (ja) | 2009-04-15 | 2009-04-15 | 構造物の構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5326764B2 (ja) |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02285176A (ja) * | 1989-04-26 | 1990-11-22 | Masami Hanai | 建造物の免震装置 |
JP4177817B2 (ja) * | 2005-01-28 | 2008-11-05 | 株式会社益田建設 | 免震基礎構造、および木造住宅 |
JP2006234049A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Takenaka Komuten Co Ltd | 免震構造物の粘性体ダンパー |
JP2007146419A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Jsp Corp | 建築物の免震基礎構造および免震基礎構築方法 |
JP2007216443A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Harada Kogyo Kk | 糸鋸機 |
JP2007315067A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Nitto Kako Kk | 改良地盤 |
JP2008101451A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-05-01 | Biikku Kk | 建物の減震構造及び減震方法 |
US20110023681A1 (en) * | 2006-10-12 | 2011-02-03 | Benatechno Co., Ltd. | Cutter for styrene board |
JP4967105B2 (ja) * | 2008-06-09 | 2012-07-04 | 春彦 極檀 | 建築物における免震方法 |
-
2009
- 2009-04-15 JP JP2009099225A patent/JP5326764B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010249225A (ja) | 2010-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Islam et al. | Seismic isolation in buildings to be a practical reality: behavior of structure and installation technique | |
TW200930916A (en) | Seismic isolator and structure provided with the seismic isolator | |
JP5326763B2 (ja) | 免震支承部材、及び免震層 | |
JP5326764B2 (ja) | 構造物の構築方法 | |
JP4177817B2 (ja) | 免震基礎構造、および木造住宅 | |
JPS59134230A (ja) | 免震杭 | |
KR20110114265A (ko) | 면진 파일캡 및 이를 이용한 면진 파일구조 | |
JP5590447B2 (ja) | 地震動が抑制可能な建築地盤構造およびその構築方法 | |
JP6531479B2 (ja) | 免震構造 | |
JP4277185B2 (ja) | 浮体式免震構造物の付加減衰機構 | |
JP4289271B2 (ja) | 既存建物の制震改修方法 | |
JP2017043988A (ja) | 制振建物 | |
JP3713646B2 (ja) | 免震構造 | |
JP5270739B2 (ja) | 床スラブの免震構造 | |
JP2011241602A (ja) | 支承体を用いた耐風地盤免震構造およびその工法 | |
JP5294108B2 (ja) | 制震ダンパー | |
JP2006169903A (ja) | 免震基礎ブロックおよびこれを用いた免震基礎構造 | |
JPH0432454Y2 (ja) | ||
JP2023149218A (ja) | 隣接建物構造 | |
KR20070072979A (ko) | 스카이브리지를 이용한 건물의 진동제어구조 및 그시공방법 | |
JPH0415349B2 (ja) | ||
JPH01102181A (ja) | 壁体の構造 | |
JP6499411B2 (ja) | 免震建物 | |
JP2816818B2 (ja) | 耐震用支承装置 | |
JPH09235907A (ja) | 建物の耐震構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120319 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130226 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130625 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130708 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |